- 19 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/05/09(日) 13:41:49 ID:t3VXHlRt]
- 戌井が辞去した後、部屋に戻るともう夜もだいぶ更けていた。
フミエがいつもの様に茶の間に布団を敷こうとした。 シュラバでも完徹はしない主義の茂は、いつの間にかとなりに来て 寝入っている、というのがこれまでの習慣だった。 「ひと組は仕事部屋に敷いてくれ。」 (・・・またお仕事かな?もう締め切りは済んだのに・・・。) フミエの胸がチクッと痛んだ。 (資料でも見ながら寝るんかも知れん。お邪魔したらいけんね。) 布団を敷き終わると「おやすみなさい。」とさがるフミエ。 ズッコケる茂。 しかし、気を取り直して寝巻きに着替え、フスマをあけた。 フミエももう寝巻きに着替えて、髪をすいている。ちょっとドッキリする茂。 「ちょっこしこっちに来てくれんかね。」 何か手伝って欲しいことがあるのかといぶかりながら入ってくるフミエ。 フスマを閉める後姿を茂が抱きしめた。 「向こうだと、いつ間借り人が降りてくるかわからんけぇ。 だからと言ってこっちにふた組は敷けんしな。」 「そげに震えんでもええよ。・・・何もこわいことはないけぇ。 ほったらかしにしてスマンカッタなあ。 ・・・泣くな!まだ何もしとらん!」
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