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【朝ドラ】ゲゲゲの女房でエロパロ【昭和のかほり】



1 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/05/05(水) 12:07:38 ID:wXoQLilw]
なさそうなので立ててみた

2 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/05/05(水) 20:00:34 ID:sfK+GyfG]
需要あんのかよ

3 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/05/05(水) 23:20:03 ID:+Hxrf9Fw]
人妻寝取られ系が好きな人にはあるかも
仕事にかまけて相手にしてくれない夫に不満を感じてたら、居候にレイープされて不倫に目覚めるとかw

あと原稿料が滞って家計ピンチ&借金でテンパってたら、イタチにそそのかされて売春をやらされるとか

4 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/05/05(水) 23:32:16 ID:wXoQLilw]
寝とられなんだww
普通に夫婦いいなと思ったんだが。

5 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/05/06(木) 02:01:40 ID:Phd7J5fi]
>>1 スレ立て乙!待ってた!
げげる夫婦のイチャイチャ読みてぇーw
まは初夜から、どげんですかね?

6 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/05/06(木) 14:12:18 ID:hEN5Ahdz]
ゲゲゲで検索かけたら、このスレ発見w
とりあえずドSツンデレ茂、ドMデレデレ恥らうフミちゃん読みてぇぇ

そして今日の放送分で映った絵画用の筆見て「これで全身く(ry」と妄想した自分キモすwww

7 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/05/06(木) 15:38:36 ID:58fBFgXF]
やっぱりあったw
ういういしい夫婦がかわいい
今日ゲゲがフミちゃんの手を取った時そのままちゅーするのかと思ったのに・・・
ふたりはもっとウブだった

8 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/05/06(木) 23:27:54 ID:JvpcllpH]
あると思った!w
初夜はどうだったんだ、と
問いただしたい気持ちで見てたもんで

9 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/05/07(金) 08:27:40 ID:WJNf6FIi]
ちなみにN○Kはどこまでやるの?
朝チュンは放送ではありなんですかね

10 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/05/07(金) 12:35:19 ID:EajNIOGG]
初夜的描写読みたいなあ
あの夫婦萌えすぎる



11 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/05/07(金) 12:55:10 ID:Jt30uODW]
最近、見始めたから言い回しとかわからなくて
慣れたら投下させていただきます

12 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/05/08(土) 00:28:05 ID:ulinTMyE]
書いてごしない

13 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/05/08(土) 01:42:02 ID:4BdnG9IY]
ちょっこし立っとるような気がしちょったw

14 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/05/08(土) 01:53:40 ID:ZXZlBhoh]
実況でも初夜を待つ人が多かったしな

職人さん、頼む!

15 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/05/08(土) 21:36:19 ID:CBRHmy7s]
>>1
このスレ待っちょった!
職人さんカモーン

16 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/05/08(土) 22:03:03 ID:Q0nKugf9]
書ける職人さんが羨ましい。
自分は色々妄想するけど、せいぜいキスシーンまでしか文章に出来ん。

17 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/05/09(日) 00:28:40 ID:+AzAC/Zj]
>>16
さあ、その妄想をここに書いてごしない
キスシーンまででも美味しくいただきます

18 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/05/09(日) 02:46:15 ID:SPxbqkLN]
キスまででも、処女と童貞の新婚夫婦
どんなニヤニヤ展開があるかと思うと
萌えが止まらない

・・・ん?旦那は童貞だったんだろうか

19 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/05/09(日) 13:41:49 ID:t3VXHlRt]
戌井が辞去した後、部屋に戻るともう夜もだいぶ更けていた。
フミエがいつもの様に茶の間に布団を敷こうとした。
シュラバでも完徹はしない主義の茂は、いつの間にかとなりに来て
寝入っている、というのがこれまでの習慣だった。

「ひと組は仕事部屋に敷いてくれ。」
(・・・またお仕事かな?もう締め切りは済んだのに・・・。)
フミエの胸がチクッと痛んだ。
(資料でも見ながら寝るんかも知れん。お邪魔したらいけんね。)
布団を敷き終わると「おやすみなさい。」とさがるフミエ。
ズッコケる茂。
しかし、気を取り直して寝巻きに着替え、フスマをあけた。
フミエももう寝巻きに着替えて、髪をすいている。ちょっとドッキリする茂。

「ちょっこしこっちに来てくれんかね。」
何か手伝って欲しいことがあるのかといぶかりながら入ってくるフミエ。
フスマを閉める後姿を茂が抱きしめた。
「向こうだと、いつ間借り人が降りてくるかわからんけぇ。
 だからと言ってこっちにふた組は敷けんしな。」
「そげに震えんでもええよ。・・・何もこわいことはないけぇ。
 ほったらかしにしてスマンカッタなあ。
 ・・・泣くな!まだ何もしとらん!」

20 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/05/09(日) 14:22:18 ID:30wcAg53]
>>18
水木さんは童貞ではなかったとおも



21 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/05/09(日) 14:23:29 ID:30wcAg53]
連投ごめ
>>19
はげ萌えたwww

22 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/05/09(日) 17:25:51 ID:uEoCA7jx]
>>19
職人さん キタ━━━━━━━!!!

何もしてないのに萌え死んだwww
続きwktkしながら待ってますw

23 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/05/10(月) 00:42:38 ID:BN80Qdsz]
>>19
キタ━(゚∀゚)━(∀゚ )━(゚  )━(  )━(  )━(  ゚)━( ゚∀)━(゚∀゚)━ !!
も、も、も、萌えすぎて・・・
裸に正座で続き待ってます

24 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/05/10(月) 03:05:58 ID:mk10Ilmr]
>>19
ぐはぁはぁはぁGJ!!!
やっぱり事に至るまでが一番萌える
わかってらっしゃる

25 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/05/10(月) 11:17:58 ID:aQfEpyE6]
>>19
ああ…萌えます!
続きを希望!お願いします!!

26 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/05/10(月) 17:07:53 ID:NLhOL+pi]
可愛いイチャイチャ夫婦萌えーーー!!!
と叫べる場所を探してた!
>>1おつ!

>>19
>泣くな!まだ何もしとらん
にワロタw

27 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/05/10(月) 21:39:33 ID:Qskctcf+]
>>1 乙!
調布編入ってから、スレ探してた
ツンデレ夫とけなげ妻、いちゃラブ夫婦萌え

>>19 がいにGJ!
ふみちゃん、茂ぇさんには怒られたけど、部屋掃除して良かったね!って言いたい

28 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/05/10(月) 22:32:19 ID:6Qwp53Jj]
>>19
禿げ萌!!!
自分は茶の間でコトを起してるもんだと想像してたので
目からウロコだった!!


29 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/05/10(月) 22:45:40 ID:zFY3vHgE]
>>19
GJせざるを得ないwwニヤニヤしまくりw脳内再生完璧w

いつ初体験したんだ…
wktkしながらみてたのに、手握って照れてた状態からあっという間に夏に…orz

30 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/05/10(月) 22:51:23 ID:BN80Qdsz]
>>19読んで
今日の放送見たら
茂さんがアシスタント(ベタ塗りとか)頼むために仕事部屋からふみえ呼んだシーン
>>19思い出してニヤニヤがとまらんかったw



31 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/05/10(月) 23:48:06 ID:oB8EIxSr]
良スレw

32 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/05/11(火) 02:26:30 ID:0ku4mh7k]
>>29
初体験は1カ月経過?した間にすんでいるはずだと脳内補完
いつのまにか村井さん→あなたに呼び名が変わっていた
ふみちゃんかわゆす
良い夫婦だな

33 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/05/11(火) 12:53:43 ID:ZusLqtBZ]
天井舐めに憑かれたと言って乳首舐めするげげを妄想

34 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/05/11(火) 13:55:38 ID:JsFDglb/]
しかし、呼び方の推移一つでここまで萌える夫婦もいないな

35 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/05/11(火) 17:19:47 ID:d1uscZjP]
今朝のフミエちゃん思い出シーンのあと。ちょっこし書いてみました。
茂視点です。エロまでいかないっす。


「あのっ……昔、べとべとさんに追われてた女の子を助けませんでしたか?」
 フミエが目をきらめかせて訊いてくる。
「ん? そういえばそんなこと……」
 なにを藪から棒に。〆切は明日だ。いつまでもお喋りはしていられない。
「あったかもしれんし、なかったかもしれんなあ」
「そうですか……」
 フミエがしょんぼりする。茂はペンをインクに浸し、ペン入れの続きに取り掛かった。
 しかしフミエはまだ両手を見つめたまま、筆を取ろうとしない。
(そんなにべとべとさんが気になっとるんか? 
 それよりベタをべとべとさんしてくれんことには間にあわんのに)
 一言注意してやろうか。茂が顔をあげたとき、ようやくフミエが筆をとり、ベタの続きを塗りはじめる。手つきはいつもながら丁寧だ。そして、幸せそうに笑んでいる。
「……なに、にやにやしとるんだ?」
「なんでもありません。ただ、あれが私の初恋だったのかなあって」
「なにをいっちょる」
 また馬鹿なことを言いだす。笑いとばして原稿に向かったが、
(初恋?)

36 名前:35つづき mailto:sage [2010/05/11(火) 17:21:49 ID:d1uscZjP]
ペンが止まる。フミエは(茂にとっての)爆弾発言などなかったように、
幸せそうにベタ塗りを続けていた。
(そうか、初恋か……こいつも三十になっちょったんじゃから、好きな男の一人や二人おったのかもしれんな。
 ひょろりとした一反木綿で顔は航空母艦でも、わしよりはいい相手と結婚できたんじゃなかろうか)
「うーむ」
 集中できない。茂がペンを投げだしてうなると、フミエがすぐに気づいた。
「どうしました?」
「なんでもない」
「肩がこったんですか? なら、湿布つくりましょう」
 勘違いしたフミエが立ちあがりかける。茂は思わず、フミエの手をとった。
 さらさらした肌だ。汗をかかせてやりたくなる。
「なんです?」
 茂がなかなか手を離さないので、フミエは恥ずかしそうに振り返った。
茂は横目でちらりと残りの原稿の枚数を数え、いけると思った。
「なんでもない……が、おまえ、ちょっこしここに座れ」
「はい、なんです?」
 素直に正座するフミエは、茂の役に立つことができると疑ってもみない。
「ちょっこし、目を閉じていてくれんか」
「こうですか?」
 フミエが目をつむる。その、嬉しそうな笑みに茂は顔を近づけた。
 唇を触れあわせると、フミエがかすかに震える。

37 名前:35つづき mailto:sage [2010/05/11(火) 17:52:10 ID:sJshC4n/]
「あの……」
「まだ目を開けたらいかん」
 高圧的に命令すると、フミエはぎゅっと目をつむった。
「はい」
「それでいい……じっとしちょれよ」
 頷くフミエの顎をつまみ、耳元から首筋にそって唇を辿らせる。
 電信柱のわりに感じやすい妻は、茂が触れるたびにびくっと身を震わせた。
「後ろを向いてくれ」
 浴衣地のワンピースは、片手だけでは脱がせにくい。
 フミエは真正直に目を閉じたまま後ろを向こうとしたが、
「あのう……原稿は、ええんですか?」
「あとでええ。いや、よくはないが、なんとかなる。いいからおまえは後ろを向け」
「すみません」
「髪をあげろ」
「こうですか?」
 フミエが両手をうなじに添えて、黒髪を掻きあげた。裸電球のもと、女の白い腕と黒髪のコントラストがなまめかしい。
 茂は唾を呑みこんだ。焦る手つきで襟元のホックを外し、ゆっくりとファスナーを下ろす。妻の背中があらわになった。
「汗、かいちょらんな」
「すみません」
「なにを謝っちょる……やっぱりおまえは一反木綿じゃな。さらさらして気持ちがええ」
 浴衣地のなかに手を差しこみ、脇の下をなぞって胸に触った。
 まだ馬鹿正直に髪をあげていたフミエが、小さく声を洩らして両手を放す。


ここまでで。基本フミちゃん色気ないのかもと思いました。

38 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/05/11(火) 19:26:49 ID:I6W5HiDh]
ふう…

39 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/05/11(火) 19:57:26 ID:T57vXyWp]
うはっ…禿げ萌え
気づかずに自分に嫉妬するゲゲルいいな
っていうか最後こんな時に一反木綿言うなw

40 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/05/11(火) 21:50:02 ID:ihVxGfAy]
職人さんたち本当にありがとう!
萌え禿げました…!



41 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/05/11(火) 23:09:11 ID:KRVqMQTi]
夜は裸で運動かい?

42 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/05/11(火) 23:09:31 ID:KRVqMQTi]
夜は裸で運動かい?

43 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/05/11(火) 23:39:00 ID:kf1eARrT]
>>35-37
ありがとうございます!
嫉妬展開に激萌えw
健気で言われるがままのフミちゃん可愛すぎwww

そして

>それよりベタをべとべとさんしてくれんことには間にあわんのに)

にワロタw

44 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/05/12(水) 01:12:34 ID:ij9JZP5/]
げっ、こんなの立ってたw。期待してますw

45 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/05/12(水) 02:35:27 ID:MROpmWvW]
>>35
だんだん!GJ!萌えましたけん!

しげぇさんは亭主関白っつーかめっさSだわな
で、フミちゃんは体はデカいけどM気質だから
筆でくすぐりプレイとか、目隠しプレイなんぞしたら
すげー燃えそうw
あ。しげぇさんだけじゃなくて、自分がねw

46 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/05/12(水) 13:26:55 ID:0g3dOIqp]
>>45
聞いてねーよww
でもきっとしげるも燃え上がるさ!

47 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/05/12(水) 14:19:45 ID:iXQib4DJ]
好きなだけ萌えを叫べるこのスレは良いwwww



二人がイチャイチャするようになってから
本スレのキャスト叩きが酷くなったと感じるのは自分だけ?

48 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/05/12(水) 14:35:36 ID:Oipg9HWk]
たしか水木さんは童貞だったはず。
どこに入れるかわからなかったってエッセイで書いてるんじゃなかった?

片手でやるのは大変だろうなぁ。
フミエの協力が必要だよね・・・・ゴク

49 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/05/12(水) 20:41:37 ID:zbMgJwbe]
>>45
筆でくすぐりプレイ、仕事部屋でやってそうwww
筆沢山あるしw
その様子も妄想して楽しむ事にしようw

50 名前:37つづき mailto:sage [2010/05/12(水) 21:49:37 ID:iMcDuk6f]
終わるつもりだったのですが、筆くすぐりプレイに妄想をかきたてられたので続いてみました。
また未満ですみません。微妙に実在だとプレイまで書きづらいw


 ばさりと髪が広がり、せっかくの背中が隠れてしまった。
「だら。なにをやっちょる」
「すみません……」
 フミエは息を堪えていた。決して大きくはない胸の柔肉を、左右交互に寄せたり揉んだりしてやっても、なかなか声をあげようとしない。
(辛抱強いというのか……いや、本当はわしに抱かれたくないのかもしれん)
 夫婦だから義務は果たすが、そこに感情が伴うかどうか別の話だ――なにしろ、初恋の相手が別にいたというのだから。
「うーむ」
 うなりながら片方の乳首を強くつまむと、フミエは「ひゃっ」と悲鳴をあげた。
「あの」
 恐る恐る茂を振り向き、睫毛を震わせながら目を開ける。
「どうか、したんですか……?」
 白い目玉が、怯えているようだった。なぜ、そんな目でわしを見る。腹が立った。
 気に入らないことがあるならはっきり言えばいい。
 はっきり言ってほしいと、夫婦なのだからと茂に教えたのはフミエだ。
 なのにこいつは、自分で言ったことを守らんのか? いったい、どこまで耐えるつもりなのか……。
 試してやる。茂は唾を呑みくだした。



51 名前:37つづき mailto:sage [2010/05/12(水) 21:54:21 ID:iMcDuk6f]
「おまえ、髪をあげちょれと言ったのに、言いつけを守らなかったな」
「はい……」
 フミエは神妙に頷き、いそいそと髪をあげようとするが、
「もうええ。それに、目を閉じちょれと言ったのに、それも守れんかったな。こげな簡単なこともできんようでは、漫画家の女房はつとまらん」
「そんな」
 フミエは大きな目をみはり、茂の膝にすがった。ワンピースの襟は肘までずり落ち、うっすら汗ばんだ胸の谷間が見え隠れしている。
「すみません。目を閉じておくのがそげに重大なこととは思っちょりませんでした。これから気をつけますから、どうしたらいいのか教えてください」
「ふむ。まずは服を脱ぐことじゃな」
「は?」
「服を脱げ。そんで、足を開いて座れ」
 フミエは信じられないことを耳にしたような顔つきだったが、茂が「早くせんか」と急かすと、おずおずとワンピースの袖から腕を抜いた。
 靴下と下着だけの姿になり、両手で胸を隠しながら正座する。全部脱げと命じようかとも思ったが、いまでさえうつむいて羞恥に震えているものを、強引に進めたら泣きだしてしまうかもしれない。
 それは避けたい。茂は、フミエの涙が苦手だった。
(こいつはイカルのように怒鳴りつけたりせんが、泣かれると、わしは勝てんからな)
 慎重にいこう。茂は手つかずの原稿のように白く浮かぶフミエの肌を見つめながら、筆立てに手を伸ばした。未使用の中太の筆をとり、穂先を舐めて柔らかくする。そして、
「ひゃっ」
 フミエが声を洩らした。思いがけない刺激だったらしい。茂の唾液で湿った筆が、両手で隠した胸のあいだから臍にかけてをつーっと辿ったのだ。
 びくつく妻に、茂は低い声で命じる。
「手をほどけ。ちゃんと胸を見せるんじゃ」

52 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/05/12(水) 22:37:37 ID:Zvulp8Dm]
続ききたー!萌えた…!
是非また続き書いてくだされ…

53 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/05/12(水) 22:46:38 ID:mNMFjDZ0]
情景が浮かぶ…ハァハァ

54 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/05/12(水) 22:58:11 ID:pmKfi1+f]
>>50
GJ!ご馳走さまです!

うっうっっ…
自分も今、ちょうど書き上げたけど…恥ずかしくて投下しにくくなってもたorz


55 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/05/12(水) 23:26:21 ID:4Od3kiWW]
GJ!

>>54
だらず!そんなこと気にせんでええ

56 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/05/12(水) 23:54:04 ID:pmKfi1+f]
では、失礼して投下させてもらいます

自分も方言キツい地方でうまくゲゲゲ方言使えなくて…
標準語とゲゲゲの方言がまざっちょりますので脳内補完よろしくお願いします

57 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/05/12(水) 23:57:13 ID:pmKfi1+f]
珍しく早めに原稿を仕上げたものの妻のフミエが月のもので、ここ数日おあずけ状態だったシゲルだが
今日は晴れて解禁日♪

いそいそと夜になるのを楽しみにしていたが突然源兵衛が…

「ごめんください」
「お父さん!!どうしたの!」
「おぉフミエ元気にしちょったか?………んっ?前もって来る事、手紙に書いただろ」
「???」

チリンチリーン
「村井さ〜ん。お手紙で〜す」

「………………」
「……………。」

「えぇっえーと…とりあえず上がって!」
「おぉそうさせてもらう。あっシゲル君!」

「お久しぶりです。お義父さん。ゆっくりしていってください」
「すまんな♪そうさせてもらう」と…一晩泊まることに…

58 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/05/12(水) 23:58:52 ID:pmKfi1+f]
二階は間借り人が居るため茶の間に源兵衛の布団を敷き
シゲル夫婦の布団は仕事部屋に敷いて休む事に
仕事部屋には机に本棚と狭い事この上なく
二人は自然と体を密着せざる得ない

しかも今夜は夫婦仲睦ましく夜を過ごそうと密かに楽しみにしていたシゲルにとっては、かなり酷な状況だった

(我慢…我慢!一晩だけ…しかしこの一晩がなんともツラい)
オナラも我慢する事の無いシゲルにとって込み上げてくる欲望と戦う事は容易な事ではなかった

59 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/05/12(水) 23:59:50 ID:pmKfi1+f]
シゲルが寝返りをうつとフミエの項が目に入り
なにやら香しい甘いかほりまでしてきて…

(たまらん。ちょっとだけ…)と、フミエの浴衣地の寝着の合わせ目から手を忍び込ませ
フミエの胸の突起を指で軽く摘んで弄ってみた

「んっ…」
なかなか寝付けずにいたフミエは夫のイタズラに慌てた

(シゲルさんたら!隣りの部屋にお父さん寝ちょるのにいけんよ(泣))

いつもは従順な妻の鑑ようなフミエだったが、この時ばかりはシゲルに軽く抵抗して手をどかそうとした

60 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/05/13(木) 00:01:07 ID:U3bH7KyF]
だが
それがシゲルには逆に新鮮で刺激となって更に火が点いてしまった

シゲルに背を向けていたフミエを仰向けにし体で軽く押さえ付け
フミエの口を自分のそれで塞ぎ舌を差し込む
『んっーぅんっん…』
僅かに漏れるフミエの声に煽られるシゲル…もう途中で止めるなど無理だった

いつの間にか胸を鷲掴みにして荒々しく愛撫していた手が
だんだんとフミエの下腹に降りてくる
裾の間から太腿に手を滑らせると固く足を閉じてシゲルの侵入を拒絶していた
『いけんよ…シゲルさん今日だけはいけんよ。堪忍…』小声で懇願するフミエが可愛くてたまらんかった
そんな懇願を無視して下着にそっと指を這わせるとフミエが息を呑んで僅かに震えるのがわかった



61 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/05/13(木) 00:02:00 ID:pmKfi1+f]
何度か下着の上からフミエの割れ目をなぞり
程よきところで直に指を滑り込ませて
濡れ具合を確かめると、かなりフミエの蜜が溢れていてシゲルの指を簡単に濡らした
『ほぉー口とは裏腹にこっちのフミエは正直になっちょるがよ♪』

あまりの恥ずかしさに両手で顔を覆い、いやいやと仕草するフミエ

ここ数日我慢していたのは自分だけではなかったことに口元が緩むのを抑えきれないシゲルだった

62 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/05/13(木) 00:03:58 ID:U3bH7KyF]
指にたっぷりと蜜を絡めて、ぷっくりと赤く充血したフミエの一番敏感な突起を弄りながら『…ええな?』と、フミエの耳元で甘く囁く

コクリと小さくうなずくフミエを確認して
寝着の腰紐を解き、下着に手をかけフミエは腰を浮して、それを手伝う
膝を割って足を開かせシゲルは熱くなった自身を一気にフミエの中に沈める

(くっ…緊張しちょるせいかいつもより締め付けてきて…えぇ…)

フミエはきつく瞳をつむり手で口元を押さえ声を押し殺すものの
どうしても僅かに声が漏れてしまい父に聞こえるのではないかと生きた心地がしないものの
あまりの気持ち良さにだんだんと我を忘れそうになる

63 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/05/13(木) 00:05:25 ID:U3bH7KyF]
シゲルは左手がないため向かい合って愛し合うのはなかなか容易ではなかったので
いつも途中から体制を変えていた
フミエの尻に手を伸ばしなでる様に愛撫するのが最近の二人の合図で、フミエは恥ずかしがりながらも四つん這いになってシゲルを迎え入れる体制をとる
フミエが四つん這いになって自分の体を支えることによって
シゲルは片腕でもバランスがとれ
愛し合いやすくなり激しくフミエを突き上げる事が出来た

顔を枕に押し当て口を塞ぎ
指先が白くなるほどキツくキツく枕を握り締めながらも
自ら腰を高く持ち上げ
足を開き蜜を滴らせシゲルを無意識に誘う様に腰をくねらせるフミエの姿が
この上なく淫猥で愛らしくてたまらない
そんなフミエを見る度シゲルは、もっと愛してやらねばと愛しさが込み上げてくる

64 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/05/13(木) 00:06:35 ID:pmKfi1+f]
後ろから激しくフミエを攻めたて
フミエも声が抑えきれずシゲルに突かれる度に艶やかな声が漏れる
父が隣りの部屋にいる事も忘れてフミエは快楽にのめり込んでいく…

二人仲良く同時に果てフミエの上に重なる様にシゲルが崩れ落ちる

重なりあったまま息が整うまで互いに瞳を閉じ余韻を楽しむフミエとシゲル
二人の荒い息が重なりあい
二人の激しい鼓動が重なりあうこの瞬間が
二人で共に生きているのだといつも実感させてくれる

シゲルは、そっと瞳を開き
まだ瞳を閉じハァハァと肩で息をするフミエの顔にかかった髪をそっと耳にかけてやり優しく口づけをして労ってやる

ほどよい疲労感と満足感に包まれながら狭い布団で寄り添って眠るフミエとシゲルであった

65 名前:オマケ mailto:sage [2010/05/13(木) 00:07:10 ID:U3bH7KyF]


隣りの茶の間の襖に耳を押し当て娘夫婦の睦まさに「フミエは大丈夫だ。孫が楽しみだ」と、うんうんと喜ぶ源兵衛であった

ちゃんちゃん♪

66 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/05/13(木) 07:01:23 ID:V3A1C+DH]
GJ!

67 名前:51つづき mailto:sage [2010/05/13(木) 17:15:41 ID:tEN8/Weq]
>57さん

密着二人に萌えますた〜。やっぱ夫婦はええですね!
手紙より速い源兵衛にワロタw

そして自分も続きを……色気ないくせになかなか本番にいかなくてすみません;


 フミエはおずおずと両手をずらしていったが、茂が握っている筆を不安そうに見つめた。
「あのう、それ、大事な絵の道具じゃないんですか?」
「ああ、これは筆だ」
 茂は見えそうで見えないフミエの胸を凝視しながら、適当に答えた。
「これは筆だが、まだおろしたてなので仕事には使えん。筆を馴らすには、白い紙に何度か描いてみるしかないのだが、昨今は紙代もばかにならん。
 そこで、おまえの一反木綿じゃ」
「はあ……」
「おまえの体にこれで絵を描く。そうしてはじめてこの筆は使いもんになるんじゃ。わかったら、はよ手を下ろせ。夜が明けてしまうぞ」
 茂が急かすと、フミエは小刻みに頷いて、ようやく両手を畳につけた。
 電信柱の中ほどに、二つの白い膨らみ。
 頂点はほんのり桜色に色づき、茂が先ほどつまんだ片方だけ、ひかえめにつぼみを結びかけていた。
「ふはっ。おまえの体はまだ、うぶじゃな」
 夫婦として何度か交合を重ねていたが、フミエの体をじっくり見るのははじめてだった。
 茂は再び穂先を舐めて毛並みを整えると、妻の胸にそっと筆を近づけ、乳輪に沿って小さな円を描いた。

68 名前:51つづき mailto:sage [2010/05/13(木) 17:17:44 ID:tEN8/Weq]
 フミエが唇を結び、震える。うぶな乳首はなかなかその形を現さなかったが、茂が筆を舐めては描くことを繰り返していると、
やがてぷっくりと可愛らしい豆が筆先で転がりはじめた。
 なにかに似ていると気づき、茂はぷっと吹きだす。
「見てみい。わしが絵具を使わんでも、おまえの胸には立派な目玉親父がついとるぞ」
 耳まで赤くなって夫のいたずらに耐えていたフミエが、茂が筆でつついたものをじっと見つめて、感心したように頷く。
「……ほんとですね。似ちょりますねえ」
 ああまったく、この女は怒るということがないのだろうか。
 呆れ半分、感心半分といったところで、茂は筆を握りしめながら、あえて厳しい声を出した。
「だら。感心しとる場合じゃない。さっさと仰向けにならんか」
「なんでですか?」
「画用紙が縦になっとったら描けん」
「それもそうですね」
 フミエはあっさりと納得して頷き、古畳に手をついて横たわった。
 なにしろ狭い仕事部屋なので、足を伸ばすことができないフミエは軽く膝を曲げて天井を見る。
 張りつめた乳房はぴんと上を向いていて、両手を臍の上で組むので、ますます一反木綿そっくりになった。
 茂は唾を呑みくだした。また舌で筆を湿らせようとしたが、口がからからに渇いてちっとも濡れない。乾きかけた筆で肌に触れようとすると、フミエはわずかに顔をしかめた。毛がちくちくと尖っているせいだ。
「だら。我慢せんで、痛いなら痛いと言わんか」
「すみません」
「筆洗の水はあるが、色をつけたらせっかくの一反木綿が台無しじゃからな……おまえ、これ舐めてくれ」
 茂が筆を突きつけると、先ほどから夫のすることを見ていたフミエはおとなしく口を開け、穂先をそろそろと舐めた。赤い舌が、毛先をちろちろと濡らしていく。
(垢舐めとは、こういう妖怪なのかもしれん)

69 名前:51つづき mailto:sage [2010/05/13(木) 17:22:41 ID:tEN8/Weq]
「そんな舐めかたではいつまでたっても筆は使えん。ちゃんと口に入れんか」
「はい」
「唾を出してじっくり濡らせよ」
 筆をぱくりと加えたフミエは、頬をへこませて頷いた。
 唾液がたまると、ときおり息継ぎをしながら筆の中ほどまで口内に入れ、茂の満足いくまで濡らそうとする。
 茂が戯れに筆を前後に動かすと、フミエも動きに合わせて首を揺らした。
(ろくろ首じゃな……この口にわしのものを入れたら気持ちええかもしれん)
 すでに茂のものは充分な熱をもって張りつめていた。しかし、ここで安きに流れてしまっては、せっかくの新品の筆が無駄になる。
 フミエはなぜかうっとりと目を潤ませて、筆を口に含んでいた。茂が「もうええ」と言うと、はっと我に返って唇を離す。
 茂は充分に水気を含んだ穂先をフミエの目の前で動かし、指先で毛並みを整え、
「なかなかええな。柔らかくなってきた……これで、絵が描けるかもしれん」
「そうですか」
 茂に誉められたと勘違いしたフミエは、ぱっと笑顔になる。茂は頷き、
「そうだ。ちょっこし、描いてみるか。足を開いてくれ」
「足を、ですか?」
「うむ。はじめに目立たんとこで練習せんとな。膝を立てて、開くんじゃ……そう。もっとじゃ」
 茂に命じられるたびに、フミエは少しずつ膝を開いていった。二本の電信柱の中心を白い下着が包んでいる。眼鏡を外した茂は、じっくりとその部分を観察した。
「なんだ、こっちの布は使い物にならんな……もう湿っちょる」
「えっ」
 フミエはびくりと膝を震わせたが、あいだに茂がいるので足を閉じることはできない。
「だら。使い物にはならんが、下書きくらいはできるじゃろう――この辺が濡れとるな。わかるか?」
 茂は畳にうつ伏せ、原稿を描く時のように筆を立てて、フミエのその部分をすっとなぞった。
「……んっ」
 抑えきれなかった声を洩らして、フミエが身を竦める。


ここまでで。
来週源兵衛登場っぽいので、>57さんなシチュエーションに期待しちょります。

70 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/05/13(木) 17:59:03 ID:4+VR0AQs]
>>67
もう、萌え殺す気かと



71 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/05/15(土) 01:58:54 ID:xnG/5+tl]
フハーッ!!
続きに新作まで…夢のようだよ父さん…!
職人ネ申様方々、だんだん!!
また是非ともお待ちしてますけん!

ケンカが出来るくらい二人の親密度が
高まりつつあるし
これはしげぇさんがフミちゃんをモデルに
裸婦画を描く日も近…………え?!ない?!Σ( ゚д゚)

72 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/05/15(土) 02:31:45 ID:xEm8eA2C]
このドラマ朝見ると仕事中いろいろ妄想しちゃうんだよーw

シゲさん風呂入って背中洗いにくいだろうから結婚してからはフミちゃんが背中流してくれたりするのかなーとかー
仕事中シゲさんが茶の間覗くと目の高さが料理してるフミちゃんのお尻の位置くらいじゃね?とかさーw
トントントンてネギ刻む度にリズミカルに揺れるお尻をこっそり眺めてるんじゃないか?とかさーw

フミちゃんシゲさんにおねだりする時プラプラしてる左の袖なんか弄びながら上目遣いして照れてみたりしたらシゲさんokしてくそうとかさー
仕事手につかないw

もうーこれほどイチャイチャしててほしいカップルと出会ったの初めてw

73 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/05/15(土) 02:52:09 ID:syB/Pqu3]
>>72
実際奥さんは先生の背中流してたんだよね
ドラマではやってくれないかなー腕の処理とかあるから無理かな…

74 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/05/15(土) 22:32:31 ID:534JU6Ki]
>>57-67
だんだん!萌えまくりました

>>72
自分もこのカップル大好きすぎて困るw
今日は現代のファッションでデートしてる2人が見たくなって
中の人達の動画とか見て妄想しまくったw

75 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/05/16(日) 23:53:52 ID:lt4wUaho]
>>72
さあ、その妄想を文章にして解き放つんだ!



あと作品を書いてくれる職人さんにちょっこしお願いが。
他の方へのレスや自己ツッコミ?とか作品の本文以外の部分はできればレス分けてくれると有難いです。
(行を空けるとかではなく別レスで、という意味です)

読み手の勝手な都合でスミマセンがその作品の空気感に浸りたいなーという単なるワガママですw

76 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/05/17(月) 01:55:48 ID:mRO5r0SU]
新婚さんと言えば“一緒にお風呂”は外せないイベントだよね〜w
しげぇさんは片腕で洗い難いって免罪符(?)もあるし
何よりあんなボロ家でもお風呂が付いてるんだから
一緒に入るのは、もうこれは義務かと…!
職人ネ申様のお越しを待っちょりますけん! ヾ(◎)/

77 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/05/17(月) 02:02:33 ID:ULVXeLZU]
子ども生まれたら母乳・・・

78 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/05/19(水) 20:24:23 ID:CHrqSWO7]
今日の放送で蜂蜜が登場した途端、実況が「蜂蜜プレイ」だらけになってワロタw
それ以降、蜂蜜プレイの妄想が止まらないw

79 名前:名無しさん@ピンキー [2010/05/20(木) 02:00:53 ID:WLuva6AL]
新婚さんに大量の蜂蜜って、子作り頑張れって意味だろ

80 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/05/20(木) 04:32:03 ID:hFRU49bh]
(;´Д`)ハァハァ



81 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/05/20(木) 10:01:43 ID:LI6Kancf]
ハニームーンかw

82 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/05/20(木) 15:50:33 ID:DnC/3mpF]
もうすぐふみえちゃん妊娠くるー
計算的には今まさに仕込んでる最中でしょうか

83 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/05/20(木) 17:54:23 ID:Ul5/vxJ+]
♪Honey honey, let me feel it, ah-hah, honey honey〜♪

>>82
まだじゃないのかw?

84 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/05/20(木) 18:31:37 ID:vRaEouqc]
爪切りプレイが可愛かったなあw

85 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/05/20(木) 21:28:45 ID:c1kjBVwQ]
>>84
禿同
もうそこでイチャコラ始めてしまえよとw

あとサイン会のチラシ刷ってるときの言い合いも。
インクプレイクルー?!

86 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/05/20(木) 21:35:05 ID:lk7zY+iR]
あのガリ版原稿の奪いあい、そのまま押し倒しちゃう展開にしか見えないw

87 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/05/20(木) 23:36:41 ID:QTo8PdkI]
>>86
そこ、実況が「いちゃいちゃすんなw」の一色になっててワロタw
キスしたり抱き合ったりしてる描写は無いのに、ここまで萌えるのはなぜだw?

88 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/05/20(木) 23:54:00 ID:oYXVFed/]
今日のイチャ喧嘩で盛り上がってるところ申し訳ない
紙芝居回での喧嘩に萌えたので投下してみる
方言はいい加減なのは許してごしない

89 名前:仲直り 1/4 mailto:sage [2010/05/20(木) 23:55:06 ID:oYXVFed/]
「無茶いうなッ」
「そっちこそ無茶ばっかり……!」
一瞬、睨みあってから布美枝はフイッと茂に背を向けた。
怒っているからではなくて、情けなさに泣きそうになって泣き顔を見られるのが嫌だったからだ。
それでも嗚咽が漏れそうになってくるのを、必死に口唇を噛みしめて耐える。
急な結婚だったからろくに嫁入り道具も持たせてやれんと、両親が代わりにくれたお金だって
もう残り少ない。
頼りの下宿代もしばらく前から滞りがちになってきていて当てにはできないし、それでも今に
3冊分の原稿料が入るからと、ずっと騙し騙しやってきたのに……。
あんなに簡単に、原稿料は諦めろ。音松親方にいくらかのお金を包んでやれと言うなんて。
お金は都合のいいときに、無限に出てくるものじゃないのに。
少し滲んだ視界で、ささくれた畳を仇のように睨みつける。
茂が無理をいう気持ちは理解できても、布美枝からは絶対に折れたくなかった。
張り詰めた空気が、無言の室内に流れていく。
どれくらいそうしていたのだろうか。
頑なな布美枝の背後で、茂がふうっと息を抜いたのが聞こえてきた。続いてガシガシと、荒っぽく
髪の毛を掻きまわす音もする。
きっとこの後に続くのはいつも通り、紙にペンが走る音だろう。
ああ、やっぱり私の怒りなんてこの人はちぃっとも気にしないんだと、さらに悲しい気持ちになった
ところで、不意に茂の腕が布美枝のお腹に回った。
あ…と思う間もなく布美枝は簡単に引き寄せられ、茂の足の間に収まってしまう。
「ッ!、あ、あのっ……」
焦って振り返るより先に、布美枝は肩先に茂の顎が当たるのを感じた。
途端、すぐ近くにいる茂の存在を意識して体が強張り、動けなくなる。
「……無茶言うとるのはわかっとる」
「……」
「でも俺は、ほんとに親方には世話になったんだ……あの人がおったから今の俺もおる」
囁いた茂の言葉を、耳よりも先に振動で感じる。
布美枝が俯くと、自分のお腹に回った茂の腕が視界に入った。
ずっと原稿ばかり描いている器用な指が、今は布美枝の服をしっかりと握りしめている。
「……私、怒っとるんですよ? 無理、ばっかり言って」
ほぅとひとつため息をついて、そっと自分を抱きしめる茂の腕をさする。
「ああ、わかっちょう」
答えた茂の腕に力が籠った。
片腕しかなくても、茂の、その力強い腕のなかにすっぽりと包まれているのは気持ちいい。背中を
心持ち背後に倒すと、茂の熱が服越しに伝わってきた。
その熱で、さっきまで硬くなっていた布美枝の体が柔らかく解けていくような気がする。
「……ほんまにわかっとるんですか?」
「……ああ」
ほんの少し顔を動かして、布美枝の項に鼻をうずめるように茂が頷く。
ジン…と布美枝の中心に熱いものが灯った。
「もう……私、まだ許してないんですからね」
「それもわかっちょう」
口げんかの続きのような言葉には険はなく、睦言だ。
茂の息と口唇を項に感じて、布美枝は無意識に首を傾けた。
茂の指先が器用に動いて、布美枝の服のボタンを一つずつ外していく。
スカートからブラウスが引きずり出されたと思ったときにはもう、茂の指が服越しではなく布美枝
の素肌を触っていた。
「音松さんもおるのに……」
「もう寝とるだろ」
「さっきまで、私たち言い争いもしちょりましたけど?」
「ケンカの後は仲直りと決まっとるな」
ああ言えばこう言う。
打てば響くような茂の言葉にクスクスと笑いながらも、乳首を悪戯する茂の指先に、段々布美枝の
息が上がっていく。
焦らすような愛撫にほんの少しだけ腰を揺らせば、いつの間にか堅くなっている茂の股間にぶつかった。
お尻に当たるソレが何なのかに思い至り、布美枝の肌が赤く染まる。
一瞬で火照った体に気がついた茂の舌が、耳の後ろを撫であげた。

90 名前:仲直り 2/4 mailto:sage [2010/05/20(木) 23:57:25 ID:oYXVFed/]
「おい、下着脱いでこっち向け」
「え…」
「下着。濡らすと気持ち悪いだろ?」
「で、でも……まだ寝るには早いし……布団もないし……明るいし……そんなこと」
「だから全部脱がんでもいいから、下着だけ脱いでこっち向け言うとる」
恥じらって逡巡する布美枝を煽るように、茂の指が敏感になった乳首を擦る。捏ねたところから
痺れたような快感が全身に走った。
「…あッ、ん」
漏れた声を途中で口唇を噛むことで殺し、ビクンと体を竦める。笑った茂の手が、布美枝の体から離れた。
「ほれ……早く」
「は、はぃ……」
掠れた声に急かされて、手早く下着を脱ぐ。脱いだ下着をどうしようかと悩み、自分の視界に入らないで
あろう本棚の前にそっと置いた。
「布美枝……」
後ろから、自分の名前を呼ぶ茂の声がする。
茂が自分の名前を呼ぶのはほとんどが睦み合う時で。それはまさに今だと思って、布美枝は肌蹴た
ブラウスの前をなんとなく合わせながら振り向いた。
俯いた視線を上げれば、作業机に寄りかかるようにして茂がじっと布美枝を見ている。
視界の隅に、反り返った茂の欲望が見て取れた。
多分、布美枝が下着を脱いでいる間に自分もズボンの前を開けたのだろう。
そこ以外きちんと着こんだ茂の少しだけ間抜けな姿に、くすりと笑いが漏れる。
手が差し伸べられ、布美枝はまた茂の腕のなかに戻った。
膝立ちになり、スカートで二人の腰回りが見えないようにそっと隠す。
「誰も見ちょらんのに」
「でも恥ずかしいですけん」
大きな茂の手のひらが、布美枝の頬を包むように優しく触れる。ゆっくりと二人の顔が近付いた。
二度三度、口唇をなぞるような口づけを交わしてから、茂の舌が伸びてくる。ノックするような舌の動きに

、布美枝は微かに口唇を開いた。
すぐさま入ってきた舌が、布美枝の舌を絡め取りきつく吸い上げる。同時に首筋をなぞり降りていた手が

布美枝の胸を掴んで大きく揉みしだいた。
「っ、ぁ……」
痛みと快感に漏れた嬌声は、深く口づけた茂の口内に吸い込まれて消えていく。
ゆらりと本能的に揺らした布美枝の腰が、茂の欲望を掠める。熱い肉の存在と、それを迎え入れるため
にすでに十分に濡れている自分の場所を感じて、布美枝の体が一層赤く染まった。
ぎゅっと思わず茂の肩に置いた指先に、力が籠る。
「そのままなぞっとれ。我慢できなくなったら入れてもいいけん」
耳元に舌と一緒に吹き込まれた茂の言葉に、ただ頷いて応える。
結婚してから何度も経験しているのに、この体位は自ら動かなければならないから未だに恥ずかしくて
慣れない。
布美枝は舌で口唇を舐めると、触れるか触れないか微妙な距離を保ったまま前後に腰を動かした。
自分の充血した花芯に、茂の欲望を擦りつけて揺する。
茂の舌が乳首を転がすように舐めた。舌で愛撫できないもう片方は茂の指先が同じように弄っている。
「ぁ…あ、あぁ…ん」
湧きあがってくる快感に耐えられなって、布美枝の口唇から甘い声がこぼれ落ちる。
一度漏れだすと、声を抑えることはもうできなかった。
「も、もう……」
入れていいですかと問うよりも先に、スルリと茂の熱棒が布美枝のなかに入ってくる。
あまりにスムーズな挿入に、自分が入れたのか、茂が入れたのかもよく分からなかった。
ようやく満たされた充足感に、布美枝は息をついてわずかにのけ反る。
深い場所に当たった体内と花芯からの疼きに急かされるまま、布美枝の腰がもどかしげに動きだした。
いつの間にかスカートを捲りあげ尻に当てていた茂の手が、その動きをサポートする。
言葉もないまま、重ならないハッ、ハッと二つの荒い息が狭い室内に響いた。



91 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/05/20(木) 23:58:24 ID:oYXVFed/]
「ッ!」
数度の動きで布美枝が絶頂に達し、なかが痙攣した。その動きに釣られて、茂も熱いものを
布美枝の体内に迸らせる。
「……ぁ」
自分のなかに溢れたものの感覚に、布美枝は声をあげ快感に小さく体を震わせた。
目を閉じて呼吸を整えていると、茂の口唇がやさしくこめかみに触れてくる。
うっすらと目を開けると、汗をかいた茂がもう一度深く布美枝に口づけた。
「あっついな」
「……そうですね」
口唇を放してすぐの茂の言葉に思わず笑みがこぼれる。
見れば本当に、茂は額から汗を滲ませていた。
「汗、かいちょりますね」
「ああ…」
布美枝の指が、そっと茂の前髪を額から払う。
お互いになんだか離れがたくて、また口唇を合わせた。
茂の口唇は布美枝の目尻に触れたり、鼻に触れたり、そうかと思うとまた口唇に戻ってきて
その度に深く舌が絡みあう。
「……ん、ぅ」
口づけに夢中になっていると布美枝のなかで、茂の存在が大きくなった。
気がついた布美枝が驚いて、茂の目を覗きこむ。
「お前のなかは気持ちいいけん」
にこりと笑った茂が、足を揺すらせた。
その動きに、敏感になっている布美枝の体にじんわりとした快感が広がる。
「あ、あぁん……」
「今度はもっとゆっくりやるか」
「仕、事は……? もうせんのですか?」
戸惑った布美枝の問いかけに答えたのは、花芯に触れた茂の指先だ。
そっとなぞられただけで、布美枝は自分のなかでおき火のように燻っていた欲望がまた
湧きあがってくるのを感じ取る。
「……まあ、仕事はもうちっと後から始めても平気だろ」
愛撫を続けたままぼそぼそと呟いた茂の声は、次第に勢いを増してくる突き上げた動きに
気を取られた布美枝の耳に半分も届かなかった。


92 名前:仲直り 4/4 mailto:sage [2010/05/20(木) 23:58:52 ID:oYXVFed/]
「あ、あああっ、もうこんなになっちゃって!」
終わった後、身支度を整えようと離れた布美枝の声が大きく響いた。
「おい、夜だぞ。もうちょっと静かにせい、どうした?」
「どうしたじゃないですよッ! って、ああ、あなたの服もっ……どうしよう……」
呑気な茂の声に、これだけは無事だった下着を手に持ったまま布美枝が振り返る。
気がつけば結局二人の間にあったスカートは見事なまでに皺だらけになっていたのだ。
しかし振り返った布美枝の視界に茂のズボンが目に入り、声の勢いは小さくなり途方に暮れたようになる。
情けなさそうに自分を見つめるその視線に、茂はなんで布美枝がそんな表情で自分を見るのが分からず
きょとんと見返していた。
「ズボン……」
ぼそりと呟いた布美枝の言葉に、茂が視線を下げる。
その先に、前だけを広げていたために二人の愛液に塗れ、見事に股のところだけ変色していたズボンが
あった。



93 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/05/21(金) 00:00:34 ID:oYXVFed/]
途中ナンバリング抜けたorz
さらにちゃんと確かめたと思ったのに改行失敗してて申し訳ない
エロくないし、下手でお目汚しごめん

でも萌え滾ったのを吐き出して自分はスッキリできたw

94 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/05/21(金) 00:22:04 ID:sxSUwd5L]
新作キタ━━━━━━━━ (*´Д`)ハァハァ 
自分もあの喧嘩萌えたんでそっからひろげてくれて嬉しい!
この仲直りがあって翌朝の狐イラストに繋がるんですねニヤニヤ


95 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/05/21(金) 00:33:40 ID:FCOTbQcI]
GJGJ!
エロイよエロイよ〜
二人のやり取り上手いなあ

96 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/05/21(金) 00:43:03 ID:t//tGhZ1]
職人様、GJ!GJ!だんだんです!!
仲直りH、激しく萌えました!

会話がドラマのお二人の声で再生されて、
ガリ版原稿いちゃいちゃ、爪切りいちゃいちゃでニヤニヤと
萌えていたのが吹っ飛ぶほど滾ったーー!







97 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/05/21(金) 03:03:35 ID:N9aDiflZ]
>>89
だ…だんだん!!禿げ萌えた
特に二人の会話とキスシーンに萌え死にしたwww
フミちゃんの事「あんた」以外でで呼ぶ所が見たかったから嬉しいw




98 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/05/21(金) 04:06:17 ID:zV52tOOl]
文章うまいなぁ

99 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/05/21(金) 09:21:07 ID:xPv87SiX]
テストします

100 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/05/21(金) 13:44:54 ID:uxvNeQ4g]
初夜はやっぱり深大寺の夜かな・・・職人さん、どしどしお願いしま〜す!!!



101 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/05/21(金) 17:36:29 ID:NDXorSGG]
おいおいwいいスレ立ってんじゃないか!(*´Д`)
妄想爆発できるスレだ〜〜!職人さん乙!
ゲゲはやっぱり相当Sだよな〜〜!!!!
たまらねえええ!

102 名前:1 mailto:sage [2010/05/21(金) 22:20:43 ID:Nz2X2Oh2]
「フミエ」
「はい。どげしましたか?」
この人と所帯を持ってどれだけの月日が流れただろう。
まだふたりの生活は日が浅いけれど、その呼び声ひとつで大抵のことは予想できる。
きっと何か手伝う作業ができたのだろう。
仕事に没頭する真剣な声色に、布美枝は仕事部屋の戸を開く。

「フミエ」
「はい…。どげ…しました、か…?」
決まりの悪い口調。何か小遣いの無心をしているのだろうと察する。
フミエが口を尖らせて上目遣いにじっと見据えても、
目を反らして後ろ首を掻いたまま、そっと右掌を上向ける。
フミエはひとつ当てこすりに吐息を漏らして、ガマ口を開くしかなかった。

「フミエ」
「はい。どげしました?」
ふと見上げた窓の外。巡る季節を彩る景色から、何か見つけたのだろうか。
こんなにぶ厚い牛乳瓶眼鏡をかけるほどの視覚だというのに、
この人の視点はいつも面白いものは逃さない。
布美枝は家事もそこそこに、跳ねるような足取りで茂の背に擦り寄った。

フミエ、フミエ、フミエ…。
大抵は「おい」とか「あの」などと呼びかけられることが多かったが、
その名を呼ばれる時は大なり小なり事件が起きる。
それはフミエにとっては心躍らせることが多くて、呼ばれる度にいつも
自然と笑みが浮かんだけれど……
「…ふみえ…」
夕食の片づけを終える背中越し。
そっと呼びかけられたその声色には、鮮やかにカラー絵を塗りたくる時の
パレッドのように、複雑な色が混じっていた。

103 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/05/21(金) 22:21:06 ID:Nz2X2Oh2]
「はい?」
ちょっこし意地悪して、忙しいふりをしてみせる。
充分に拭き終えた皿をもう一度手に取って、拭い始めた。
振り返らない布美枝に、茂は続きを言えない。
そうっと振り返ると、手の腹で擦り落ちた眼鏡を上げる横顔。
のんびり屋の割には即断即決の茂らしくもない。
大きな背を丸めて気まずそうに耳を掻く姿はどこか可愛らしくさえある。
「どげしました?」
「あ…ああ。おぉ…」
首を傾げても茂の次の言葉はその唇で留まったまま。
フミエは小さく微笑んで、また背を向けた。
「湯が冷めますよ。寝巻持っていきますけぇ、ひと風呂浴びてきて下さい」
途端に茂の顔が上がったのが、背中越しでも分かった。
「お、おぉ。そうじゃな…。風呂浴びてくる」
「はい、はい」
「お前も早く片付け終わらせて、すぐ後に入るがええよ」
「はい、はい」
「な?」
念押すように問いかけられ、布美枝はもう振り返れなかった。
今でもまだ、こんなふうに顔を真っ赤にしているのを見られるのが恥ずかしかった。




104 名前:3 mailto:sage [2010/05/21(金) 22:21:44 ID:Nz2X2Oh2]

夜ともなれば肌寒い。
もうこんな季節だというのに、やはりここは東の京なのだと感じる。
居間に戻って洗い髪を手ぬぐいで乾かしていると、襖が開いた。
「上がったか」
「はい。いーいお湯でした」
「そんなところで座わっとったら湯ざめするぞ。ほれ、信長公。寝床を温めておきましたぞ」
「だんだん。けど…まだ髪が濡れちょりますけん…」
「ええから。ここを開けておくと風が入っていけん」
先に湯を浴びた茂の方こそ湯ざめでもしそうなのか、ぶるりと背を震わせる。
「はい、はい。……私はアンカ代わりの猫…の代わりですかいね……」
布美枝の小さな独り言は、静かな夜の中、茂の耳にも届いてしまったらしい。
襖を閉じて振り返った途端、布美枝の目の前ににゅっと首を伸ばした。
「代わりではないよ」
「ひゃっ。は…はあ。聞こえとったんですか……」
手ぬぐい越しに布美枝の髪に触れる。
「ふみえ」
また、あの声色だ。
布美枝は濡れた髪を頬に滑らせて、少しでも頬の火照りをごまかそうと俯いた。
「……こんなに大きなアンカはないわい。たとえ猫でも」
「ま。酷い…」
「いや待てよ…。長きを生きた猫又なら…」
空を漂う茂の瞳。またすぐ仕事モードに切り替わってしまう。
けれどふと目を戻せばそこには恥じらう新妻のむずがったような顔があって、
その瞳に吸い寄せられるようにそっと額を寄せた。
「……何か、思いつかれたのではないですか…?」
「ん。仕事は明日でええ」
風呂上がりのしっとりとした肌。
肌寒さのせいだけではないのだろう、幽かに震えたフミエの肩を撫でる。
ペンダコだらけの武骨な手なのに、その動きは意外なほど優しい。
布美枝は照れ隠しにすっと横向いて座り直し、手ぬぐいの先で長い髪を挟んだ。
「ここのところ徹夜続きですけんね。ゆっくり…休んだ方がええですよ」
「…そげだな…」
「明日はあさげを遅らせますから、いいだけゆっくり…休んでください」
「…そげだな…」
早寝を促す言葉とは裏腹に、期待を秘めて高鳴る鼓動が聞こえたりはしないだろうか。
大事なことは上の空なくせして、こんなところばっかりは地獄耳だから…
片側に髪を寄せて手ぬぐいで擦り合わせた時、無防備に晒されたうなじに茂の手が伸びた。

105 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/05/21(金) 22:22:03 ID:Nz2X2Oh2]
「ふみえ」
知らんふりをしていた布美枝も、優しいその呼びかけを無視することはできない。
「……はい」
俯かせていた視線を上げると、茂はどこか無邪気に微笑んでいた。



106 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/05/21(金) 22:23:30 ID:Nz2X2Oh2]
非エロの半端でごめん
このふたりほんとに萌えるなぁ
今日は布美枝さんの大告白もあったし……

107 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/05/22(土) 01:32:36 ID:5FVQjuh9]
続きよろしこw

108 名前:名無しさん@ピンキー [2010/05/22(土) 01:44:37 ID:NB+9JEsh]
蔵の屋根裏部屋で嫁と義妹を責めるゲンベエ

109 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/05/22(土) 09:39:19 ID:s7yMRGes]
>>19の続きです。
モタモタしてたら時が移ってしまって・・・。今更ですが、結婚記念日まきこ。

*****
初めての痛みに耐えながら、フミエは今、自分の中に茂がいることに
幸せを感じ、胸をいっぱいにしていた。

「痛いか?最初っから気持ちええいうわけにはいかんじゃろね。なるべく
早う終わらせるようにするけん、ちょっこし我慢してごしない。」

閉じていた目を開けると、遠慮がちに動き始めた茂の、何かをこらえて
いるような、せつなげな表情が目に入った。
なぜだかふいに、たまらないいとおしさを感じて、フミエは茂の肩に
手をまわした。茂は浴衣を着たままフミエを抱いていた。フミエは、
茂の裸を見たことがなかった。

「私は、大丈夫ですけん。」

フミエは、浴衣のえりをそっとすべらせると、茂の左腕の痕跡に、
やさしく触れた。
・・・瞬間、茂はフミエの中に放っていた。
*****
 終わった後、寝入ってしまった茂に苦心して寝巻きを着せ直し、布団を
かけてやると、フミエは自分も寝巻きを着て茂の隣にもぐり込んだ。
すきま風の吹き込むあばら家で、ストーブに入れる石油さえなくても、
こうして二人寄り添っていれば、こんなにも暖かいということを、
初めて知ったフミエであった。

110 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/05/22(土) 14:12:21 ID:5FVQjuh9]
おぉ!
dwww
初夜はやっぱり良いね〜



111 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/05/22(土) 20:19:43 ID:gQuc2pod]
新作どんどんキテル━━━━━━━!!!

♪ありがとう〜って伝えたくて〜職人様〜見つめるけど〜〜♪

携帯公式に結婚記念日パーティーの写真載ってるね。
クリスマスの様子とかも見たかったな。

112 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/05/23(日) 23:09:35 ID:6BEs2nfi]
なんて神スレ…職人様だんだん!
結婚一周年+ご馳走+早く帰ってきて下さいね(上目使い)に
禿しくムラムラしたw
ゲゲの爪も短く切ったことですし
今夜は布団で運動会したんだろなフハーッ!

113 名前:寒い寒い…1 mailto:sage [2010/05/24(月) 02:01:47 ID:FBxNcj6n]
今日は大晦日
すずらん商店街でお買い物しちょったら、みちこさんに会って、丸いお餅をいくつかいただいた
「つきたてよ〜
夏に帰省するから、年末年始は東京に残るって太一君、うちにきて餅つき手伝ってくれたの」
嬉しそうに話してくれて、なんだかこっちまで温かい気持ちになる

「お宅は、ご実家にご実家に里帰りされるの?」
「いいえー我が家の国家予算では里帰りは無理ですけん
夫婦2人こっちで慎ましく新年を迎えようと思っちょります
うちの人も正月はゆっくりしたいからって今夜は徹夜するって言っちょりました
だけん夜食もかねて温かい年越し蕎麦を作ろうと思っちょります♪」
「そう〜それだったら、うちでささやかだけれど新年会やろうと思ってるの
先生に読者の集いの時のお礼もしたいし…夫婦でいらっしゃいな」
「ありがとうございます。ぜひうかがいます」

114 名前:寒い寒い…2 mailto:sage [2010/05/24(月) 02:03:24 ID:FBxNcj6n]
「ただいまー」
家に着いて荷物をおろし
いただいた丸いのお餅を重ねて鏡餅にして飾ってみると、ちょっこしお正月らしく見えた♪

仕事部屋を覗くと一生懸命漫画書いている、うちの人の背中が見えた…
この一年この人の背中を見てきた日々を振り返っていた
見つめ過ぎたのだろうか…うちの人が、こちらを振り返って怪訝な顔をして
「そんなところでボーっとなにしちょる?」
「い、いいえーあ、お茶!お茶にしましょう!今日は冷えますけん熱いお茶で暖まってください」
「おぉーええな。」

2人でお茶をすすっていると、ふと…うちの人の足元に目がいった
「あら!靴下に穴開いちょります。縫いますけん脱いでください」
「脱いだら寒い。ええ」
「開いたままではもっと寒いですよ。あなたがお茶飲んでる間に終わらしますけん」
渋々靴下を脱いで渡してくれた

115 名前:寒い寒い…3 mailto:sage [2010/05/24(月) 02:06:46 ID:FBxNcj6n]
「んっ?鏡餅かー久しぶりに見たな」
そう言って立ち上がり鏡餅に顔を近付けた
「みちこさんにいただきました。まだ柔らかいですけん触ったらいけんですよ」
靴下を繕いながら応える

ムニュ…ムニュムニュ「72点」ボソッ…
「しかしこれはアレに似ちょるな」ボソッ…

「?どうかしました?」「いや」
「そうですか」

「今日は冷える…手がかじかんでいけん」
そういいながら私の後ろにやってきた
きっと靴下の催促だろう
「そげですねー雪ふるかもしれませんね……はい、靴下できましたよ」

顔を上げたと同時に胸元にするりと、何かが入ってきた
「きゃ!あなた!どこに手ぇ入れちょるんですか」
「こう手が冷えては漫画を書くのも大変だけん。あんたがちょっこしあっためてくれ」
「もぉー」
仕事と言われたらこちらはむげに出来んことをこの人はよぉ知っちょる

ふいに胸の柔らかいところを指でつつきながら
「………ボソッ…点…」
「??はい?」
「なんでもない。我が家にはえぇ鏡餅があるから正月が楽しみじゃな」
「はぁ???そげですか…」


ちゃんちゃん♪

116 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/05/24(月) 02:17:13 ID:FBxNcj6n]
エロくないうえに
方言おかしいし誤字脱字すみませんorz

普通、大晦日に餅つきしないし…とか自分で突っ込みながらも
本家のスレに水木先生が饅頭つついて点数言ってたってエピみて
ちょっこし書いてみたくなって
テキトーにかいちゃいましたw

117 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/05/24(月) 08:41:22 ID:b1NnqZBk]
>>116
乙!可愛い二人に萌えた
茂は姫初めする気満々だな
そして布美枝の胸に何点つけたのか気になるw


118 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/05/24(月) 16:36:02 ID:PuTep2LD]
遅レスだけど>>102->>105
布団入る場面の辺り、ニヤけながら見てたわ
なんだこの喋ってるだけで萌える夫婦

119 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/05/24(月) 21:58:45 ID:wRKQyCkU]
>>116
だんだん!
可愛いやりとりにニヤニヤしながら読んだw

120 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/05/25(火) 18:52:31 ID:zk1OkMBQ]
本スレで茂はフミエの笑顔を見るのが好きなんだねっていうレスがあって
なんだかそれに萌えてしまった……w
そう考えると確かに茂は車で初めて調布に向かう時とか鬼太郎の本ができたときとか
喜んでるフミエの顔を凄く満足そうに見てたような気がする!



121 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/05/25(火) 20:36:33 ID:hpJeGGLH]
>>120
だから源べー襲来の時、鬼太郎の新刊見せて布美枝が上の空だった時のイジケっぷりがw

122 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/05/26(水) 00:42:39 ID:99bKLRW0]
>>121
あぁ〜あの「なんだ!ちぃとも喜ばんで…ブツブツ」って場面ねw

拗ねゲゲルも良いよね〜フミちゃんに甘えてるみたいでw
40男が10も年下の嫁さんに人知れず甘えてる図…萌w

火曜は頭でイチャコラしておいて
尻は言い争いでズドーンと落とされて…体がもたんよ(´Д`;)
早く仲直りエチーでもすればええのに!ry

123 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/05/26(水) 01:35:28 ID:T+Qy6tT0]
というわけで>>122さんが仲直りエチー補完を住人の心身安定用に落としてくださるのですね
分かります


124 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/05/26(水) 23:53:07 ID:GRdhOi1F]
今日も我慢は続く・・・
はぁ〜〜

125 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/05/27(木) 01:41:42 ID:xrZ2+aae]
そげですねぇ…辛いねぇ…
でも、きっとフミちゃんの方が何倍も辛いんだよね…
最後の涙目カット…可哀相で可哀相で堪らんかったわ

唯一ひっくり返ってたゲゲルのとっくりセーターの襟を
直してあげてたシーンは良かったなぁ…

盛り上がる為だとはいえ、夫婦の中がギクシャクしてると
その日一日沈みがちな自分がおる
どんだけゲゲゲにハマってるんだか…

126 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/05/27(木) 02:24:49 ID:B4OT7NkN]
>>125
全文同意!(特に最後の3行)

ドラマはハマッてるけど、最近本スレつまんなくなってきた(今辛い状況だから余計に)
調布にきたばかりの時は辛い状況でも、本スレはある程度楽しんで読めたんだがな

127 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/05/27(木) 16:11:30 ID:xty/5zzw]
>>120
ラジオ買ってやった時にフミエが喜んでる顔を見て
茂も嬉しい顔になってる場面も加えてごしない

128 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/05/27(木) 22:11:04 ID:C2Duqa/M]
さり気なく検索してみたらこんなスレがあるとは‥
いろんな意味で2ちゃんて凄いねww

いや、しげーさんとふみちゃんには萌えますがww

129 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/05/27(木) 23:41:13 ID:4JLuM6+B]
ゲゲは本当はフミちゃんを不安にさせたり、ガッカリさせたくなかったんだね
ゲゲはフミちゃんの笑顔、喜んでる顔をずっと見ていたいんだね・・・

不器用な愛情表現しか出来なくても、フミちゃんにはちゃんと伝わっているからね

130 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/05/28(金) 18:58:22 ID:zcZIB0Ft]
えぇこと言った>>129さんには
砂糖たっぷりの湯飲みコーヒードゾー つ□

自分爪切りイチャイチャがいまだに脳裏に焼き付いとる…
本スレでも何回か話題になってる
しげぇさんのやや伸び気味な髪も
手先の器用なフミちゃんがカットしてあげたらええのに…

(そ〜っと前髪切りつつ)
「あっ動いたら危ないですけん、じっとして!」
「こわ〜髪なぞ切らんでも死なん!」
「漫画描くのに邪魔になるから、いけんですよ」(ちょきちょき)
「うぐぐ…」(漫画の事を出されると弱い)
…的な。長文許してごしない。



131 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/05/28(金) 19:15:35 ID:zcZIB0Ft]
↑と、言うか全然エロじゃないね…すんません
ちょっこし表に立っちょります…

132 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/05/28(金) 20:01:46 ID:6vs8g5La]
>>130
可愛い!GJ!
そのシーン是非やってほしい!
床屋に行く金ももったないだろうしw

この前、本スレで
「結婚記念日の手作りプレゼントは可愛いフミちゃんについてくるオマケのような物だ・・・」って書き込み読んで
それに妙に萌えてしまったww

133 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/05/28(金) 22:20:42 ID:9BkKokyy]
ここの小説wktkしながら一気に全部読みましたが禿しく萌えますた‥
職人様皆文章上手だなあ
自分も何か投下したいけど
肝心のネタが思いつかないのでちょっこし考えてみます
ふみちゃんが妊娠〜赤ちゃん誕生の辺りの話放送されたら
その辺りで書けたら書きたいなあなんてw

ふみちゃんは本当に心からしげーさんを愛しているんだなあ
しげーさんも口には出さないけどちゃんとふみちゃんを大切に思ってるし
在り来たりな恋愛話よりこの2人のお互いをちゃんと思い合ってる関係の方が
全然萌えられますw
ええですな、ほんにこのドラマは

心優しい二人に幸あれ。

134 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/05/29(土) 00:25:17 ID:TlpoK/77]
>>133
楽しみに待ってま〜す♪♪

135 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/05/29(土) 02:12:22 ID:HyDTG6BA]
>>133
健闘を祈るッ!! ('Д')ゞ

136 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/05/29(土) 12:56:45 ID:C6EfRjoD]
茂とフミエの会話の噛み合わなさにも萌えた自分にビックリだorz
フミエが真面目な相談してるのに自分の漫画で笑う茂は可愛いだろ…
さらにはそんな茂を見て仕方ないなあと思いながら笑うフミエはもっと可愛い
あれで萌えるなというほうが無理があると思うわw

137 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/05/30(日) 22:42:57 ID:ZUrtZ+cU]
一日に何度もこのスレ覗いてしまう・・・
ドラマでは描かれなかった二人の(ソフトな)エチシーンが見たいわ

138 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/05/30(日) 23:57:54 ID:SatNF+Zu]
今日、親が「ゲゲゲは安来編が傑作だった」と親戚に熱弁しているのを聞いて
二人一緒の萌えシーンが多いほど、神回になってる自分は
「いや、アシスタントと自転車が最強だろ!」と反論したかったが
思わず押し黙ってしまった・・・
こんな自分が嫌だorz

139 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/05/31(月) 00:37:05 ID:rxhQvEVp]
アシスタント最強!!
頭よしよし激萌え

140 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/05/31(月) 01:41:35 ID:d3GSiL8G]
第8週【父の上京】
第45回の夫婦喧嘩をパロッてしまいましたw



141 名前:砂糖菓子1 mailto:sage [2010/05/31(月) 01:44:38 ID:d3GSiL8G]
「ぅん…だけん、うち(境港)の方には黙っとれ!ええなっ」
「けど…贈り物までせんでもええじゃないですか」
「…んっ?」
「キャンディーなんて…よっぽど儲かっとるみたいに…」
「たかがキャンディーでなにいっちょる」
「たかがですか!?あげな高級品うちでは買ったことないですよ!!」
「うるさいっ!!みみっちい事言うな!!」

互いにそっぽ向き背中合わせになる二人
気まずい空気が流れる中、布美枝は…
(あぁ…こげなハズじゃなかったのに…たぶん今夜は…
ほんにチヨちゃんに見栄を張った罰かもしれん…)

茂も…
(なしてこげな事になった…新刊見せたら喜ぶ顔が見れると思ったんじゃがなぁ…そのまま久々に…と…
じゃがこっちから折れん!………だがなぁ…)

(はぁ…どげしょぅ…喧嘩したまま夜過ごすなんて耐えられんわ…
言い過ぎたのは自分でもわかっちょる…でも、このまま謝るんは…ちょっこし癪…でも…)

142 名前:砂糖菓子2 mailto:sage [2010/05/31(月) 01:47:37 ID:d3GSiL8G]
相変わらず互いに背をむけたまま
何か意を決した布美枝が
「わ…わかりました…」
「………」
「境港には心配かけたらいけんのですね?」
「ん…だな…」
「本当の事言ったらいけんのですよね?」
「だらっ!何が言いたい?」
「そ、そ、そげでしたら口止め料ください!」
突拍子もない布美枝の物言いに茂は思わず振り返る
「……なんじゃそりゃ!金などなぁぞ」

内心動揺していた布美枝だが茂に悟られまいと、しれっとした顔でくるりと振り返り真っ直ぐに茂を見やる
「それは、よぉーく知っちょります…お金の事じゃありません!私が口を滑らさんよう、口止めしてください」ニッコリ

「なに言っちょる?」
「目には目を。歯には歯を。口には…と言うではなかですか」


「…?…………………!
だ!だ!だらすがっ!!!なに阿呆なことゆーちょる!!!」

「じゃぁええです。調布の拡声器になるだけですけん」
「……………ふがっ」
「お義母さん境港から飛んでいらっしゃるかもしれませんねぇ」
布美枝は最後の仕上げとばかりに目を閉じて顔を少し上げてみる

143 名前:砂糖菓子3 mailto:sage [2010/05/31(月) 01:52:00 ID:d3GSiL8G]


「ぐっ…」『しげーさん!!どげなっとるか!きぃーちり聞かせんしゃい!!』
ドアップで詰め寄るイカルを思い浮かべあまりの恐怖に思わず身震いする茂

ブルブルブルッ
(うぅー…イカルが飛んで来るくらいなら…まー減るもんでもなし
よしっ!ここはビシッと)


(これ以上はまた喧嘩になるけん…ここらで…)
そっと目を開けた瞬間
布美枝のふっくらとした唇に
優しく温かい茂のそれが押し当てられ
「!!」驚き目を見開く布美枝

体を放しながら目を開けると
目を見開いたまま固まっている布美枝と目が合い心臓が飛び出しそうになる茂
「なななにしちょる!あんた目ぇ開けてたんか!!こ、こげな時は目ぇ瞑るんがえちけっとじゃろが!!」

「すすすすみません!!まさか…あの…本当に…あの…その」
「だらっ!あんたがしろ言うたじゃ!」
「そそそげですね」


「………………………」
「……………………」




144 名前:砂糖菓子4 mailto:sage [2010/05/31(月) 01:54:44 ID:d3GSiL8G]

互いに顔が赤いのがわかり
言葉が続かず先程とは違う気まずい空気が流れる


「…っん…だっ…ふ風呂…!風呂沸かして来い!」
「えっ…!…あっ!はっはい…ただいま」

急いで立ち上がり部屋を出た布美枝だったが
何を思い立ったのか襖からちょっこし顔だけのぞかせながら
「あの…ちょっこしええですか?」
「なんじゃ?」

布美枝は人差し指で唇をさすりながら
「……うちにはキャンディーはありませんけど…」
「………」
「その…もっと甘ぁい砂糖菓子があるんだなぁとそげに思ったんです」
「☆@!〜※〆♀〒≡!!!」
「つ、つまらんこと言いました!
お、お風呂沸かしてきますね」
急ぎ足で逃げる布美枝


しばらく呆然としたまま固まる茂だったが
(うちの嫁なに言っちょ……ぶっ…)
ぶはははははっ…くっくくっ
(金のかからん砂糖菓子か…こりゃええ!なかなかおもしろい事言う)
あはははっ
「今夜はたんまり腹いっぱい砂糖菓子食わせてやる!覚悟しとけ」



ちゃんちゃん♪

145 名前:砂糖菓子―おまけ― mailto:sage [2010/05/31(月) 02:00:06 ID:d3GSiL8G]
第9週【私、働きます】
第52回より


―――数ヶ月後―――
「これ♪飲んでいただきたくて」
「コーヒーか!珍しいな!いつもは節約節約言っとるくせに」
「一生懸命働いてくださっとるんですけん。これぐらいいいかな〜と思って。
淹れましょうか。
あー…風邪の時にコーヒーはいけんかな」
「ええぞ!俺が淹れる」


「あっ私はええです!」
「なんでだ?」
「コーヒー豆ちょっこししかないですけん、あなたが飲んでください」
「ええけん、飲め。
砂糖はいくつだ?」

「本当にええです。あなたのコーヒーですけん」
「遠慮するな。あんたも嫌な思いして原稿料もらってきたんだろ」
「えっ…」
「もひとつ入れるか?」

布美枝は涙が溢れるのを堪えきれず、そっと茂に背を向け涙を隠そうとする
茂は、そんな布美枝の背中を見て
「こりゃ相当言われたな?」
「………………………………あの…わがまま言ってもええですか?」
「ん?なんじゃ?」
「コーヒーに入れるお砂糖よりも…もっと甘い…砂糖菓子が……ええです」

146 名前:砂糖菓子―おまけ2― mailto:sage [2010/05/31(月) 02:02:55 ID:d3GSiL8G]
「………!¥℃∞≡♪∇★*……………あ…アレか?」
「…………はい…駄目でしょうか?」

「…………………………………………………………ええぞ」

その言葉にくるっと振り返る布美枝
涙目だったはずが、パッと花がほころぶような笑顔に変わる
茂は、この笑顔にこの上なく弱い

布美枝の肩に優しく茂の手が置かれ、そっと目を閉じながら
「こうゆう時は、目ぇ瞑るんが『えちけっと』でしたよね。クスクス」
「だらっっ!」

そっと顔が近付く2人…
唇が触れ合うまで、あと少し……


――ガタンッ!



ちゃんちゃん♪


147 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/05/31(月) 02:08:38 ID:rxhQvEVp]
おおお
夜更かしの甲斐があった〜

LLIVEで楽しませてもらいました!!

148 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/05/31(月) 02:29:43 ID:d3GSiL8G]
>>147
ありがとうございます!
恥ずかしいですが
そう言っていただけると嬉しいです♪

日曜は放送なくさみしくて、あれこれ録画したの見返してたら
萌え満載で思わずw

149 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/05/31(月) 14:40:02 ID:VMIvOzfd]
>>140
新作キテター!!
貴方が神ですか(*´Д`)ハァハァ 
ちょっこし小悪魔ふみちゃんもええですな
そんなふみちゃんに振り回されるしげーさんにも激しく萌えましたw
GJです

150 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/05/31(月) 20:21:27 ID:jlZdJP28]
>>140
ありがとうございます!
ふみちゃんが襖からちょっこし顔を覗かせる辺りから特に激萌えしましたw



151 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/01(火) 01:34:27 ID:CvgE3jxN]
>>140
職人様だんだん!
いやぁ〜フミちゃんカワユスw
この二人のイチャコラをずっと見ていたいなぁ

152 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/01(火) 21:40:43 ID:ErnLAT6w]
>102-105の続き
規制に巻き込まれて随分遅れてしまった
苦戦が続きますなぁ

自分で書いといてなんだけど
このふたりは非エロの方が個人的には萌えるんだなぁ
そのせいで毎日毎日追っかけて観たくなる朝ドラは初めてだw


153 名前:5 mailto:sage [2010/06/01(火) 21:41:28 ID:ErnLAT6w]
いくら触れて確かめても、不思議でならない。女の体は不思議なことばかりだ。
どうして、何のためにこんなに柔らかいのだろう?
同じようなもんを食っているのに、どうしてこんなに滑らかな肌なんだろう?
同じ石鹸、同じ湯船に漬かったはずなのに、妙に甘い香りがして、
いくら嗅いでも嗅ぎ足りない。
横座りのままその首筋に顔を埋めて、寝巻越しの腿、尻に手を伸ばす。
ちろりと舌を伸ばせば、フミエの肢体がびくりと震え、
茂を抱き寄せた腕に力がこもる。
潜り込むように首筋からたもとに頬を滑らせ、後ろ手に帯を解く。
着やせするその胸の突起に張り付いた浴衣地は、いくら顎を左右にうねらせても
執拗に張り付いたまま。
茂が焦れて布美枝の名を呼ぶと、以前教えた通り従順にそっと浴衣を開いた。
舌を滑らせた突起が硬くとがり始めていたのは、
肌寒さのせいか、それとも…?
頼りないほど危うい柔らかさの乳房に吸いつくと、頭の上から布美枝の噛み殺した
吐息が下りた。
「……っ」
母乳が出ているわけでもないのに、酷く甘く感じる。
柔らかな乳房を夢中になって吸いついてしまう。
やがて掻き抱いていたフミエの腕が縋るように強く強く茂の肩に沈み、
執拗に吸いついていた胸は、不規則に浅い息を繰り返し出した。
「……寒いか?」
布美枝はきゅっと唇を縫い縛ったまま、首を左右に振るう。
むしろ熱いのです…とは言えず、切なげに眉を八の字にしていた。

154 名前:6 mailto:sage [2010/06/01(火) 21:41:48 ID:ErnLAT6w]
スタンドライトだけの薄暗い室内。
茂は布美枝がどんな顔をしているのか気になり、にゅっと首を伸ばしたが……
「?」
左肩に妙な突っかかりを感じ、引き止められるように視線を落とす。
よくよく見ればだらりと下りた左袖を布美枝が必死に掴んでいて、毛糸も伸び伸びだ。
そんなに耐えるほど、だったのだろうか。
不意に頬を合わせると、しっとりとした布美枝の柔らかな頬は酷く熱く火照っていた。
思わず茂の口端が上がる。
「お前はいつまでもベイビィちゃんなんじゃの」
「……っ」
かかかっと朗らかに笑い出し、セーターを脱ぎ捨てる。
「な…何がおかしいんですかっ」
「ははっ。お互い、花も恥じらう若人っちゅうわけでもないじゃろ?」
「でも…」
「好ければそう言うてくれなきゃわからんけん」
「……」
「えぇならえぇ、いやならいやと、教えてくれ」
そんなこと言われたって…と尖らせた唇が覆われる。
口づけを交わすうちに布美枝は段々と現実感を失っていくように思えた。
やがて崩れ落ちるようにその身を覆い被されて、なにも考えられなくなってしまう。
「……ぁ」
離れた唇から吐息交じりの甘い声が落ち、布美枝は我を取り戻して手の甲を宛がう。
……上には中森がいるのだ。
いくら夜更けとはいえ徹夜も常の漫画家。起きていないとも限らない。

155 名前:7 mailto:sage [2010/06/01(火) 21:42:41 ID:ErnLAT6w]
「ん…っ」
武骨な指先が蕩け出した花芯をまさぐり出す。
興味深いのか研究熱心なのか…。感触を確かめるように繰り返される執拗な愛撫に、
布美枝は手を食んで身をしならせるしかなかった。
不意に茂の眼鏡の縁が少ない光を反射して輪郭を浮き彫りにしては、消える。
どこか冷静に観察されているような気がして、ますます眉根を寄せた。
「……っ!」
びくくんと身をしならせても、指の蠢きは止まない。
布美枝は喉元にぐっと声を押し殺して、硬直した身で必死に首を左右に振った。
「? どげした?」
「……っっ」
茂はちらりと布団の中を覗き込んだが、辺りが暗すぎて己の手の先は見えない。
けれどその感触を確かめるように水音が鳴り、
「おぉ…よく濡れちょる…」
「! な……っ、そ…そげなこと…」
布美枝が耐えきれず力任せに茂の肩を抱き寄せると、バランスを崩してその身の上に重なった。
上下する胸の上、布美枝の噛み殺した声が届く。
「そげなこと……言わんで、ください…っ」
「だけん、ちゃんとせんと。あんたが痛い思いを…」
「言わんでください…っ」
あまりに必死に抱きついているので、茂は不思議そうな顔つきのまましばらくじっとしていた。
息を整える間、ふたりの間に沈黙がおりる。
布美枝は、初めての時にあまりに驚いて痛みを堪え切れなかったことを、
茂がまだ覚えていることが恥ずかしくて、忘れて欲しくて、
ぐるぐる回って混乱気味にぎゅっと目を伏せ口を開いた。


156 名前:8 mailto:sage [2010/06/01(火) 21:43:01 ID:ErnLAT6w]
「好えです…から……」
「ん?」
「痛くなんて…ありません。ちゃんと、好えです…」
言ってしまってから、これではまるでよがっているように思われると、
ますます顔を赤くした。
「ほぉー…そうか」
「あ、あの…。そう…じゃなくて……。だから…」
「だら。ごちゃごちゃ言うのを聞くほど、こっちも余裕はないわ…」
内ももをなする茂の手の合図は、充分に教えこまされている。
茂に不便がないよう、協力するのは女房の務めだと日々思ってはいるが、
自ら待ち受けるように膝を割り、両足を広げるのはいつまでも慣れない。
「ほれ。ちゃんとせんと…おかしな処へ暴発してはいけん」
「…はいぃ…」
身を震わせながら膝が開かれる。
幾度体を重ねてもいつまでも恥じらいを捨て切れない姿に、
茂は照れ隠しに告げる戯言も失った。
角度を上げた高まりが熱い肉襞に滑り込んでいく。
まさに極楽浄土の感触に、茂は喉元を引き攣らせて早腰を打った。
「んっ…んぅ……、んん…っ」
押し殺し切れぬ喘ぎが鼻から漏れ、布美枝は無意識に縋るものを求めて、
茂の腰に手を回した。
「わっ」
がくんとバランスを崩し、肩肘で身を支えると、より密着したせいで
茂の下腹が布美枝の恥骨を擦り立てた。
「ああっ!」
思わず上げた声に「いけん!」とばかりに、茂の右腕が布美枝の頭を回り、
その唇を重ねて口を塞いだ。
「んっ…んん、ん……っっ」
抑えられても身をよじっていた布美枝の肢体から、急にふっと力が抜け落ちる。
やがて茂も限界を迎え、息を詰めて昂りを吐き出した。


終わり

157 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/01(火) 22:08:29 ID:ctw2Xpxp]
GJですけん!!
鮮明に情景が・・・ハァハァ

158 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/01(火) 22:15:07 ID:A5kn6XOL]
だんだん!だんだん!

空気のような中森さんの顔がやたら青白かったのは
夜ごと階下の秘め事に聞き耳を立てて眠れなかったからか
いっそエロ漫画家になっていれば……

159 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/02(水) 01:25:12 ID:IYKLKX3r]
>157-158 レスありがd!
調子に乗って、プロバ規制中に書いてたものも投下します
我慢しているのは中森さんだけじゃないかもというお話

またすぐ規制されるかもしれないけどいつもこのスレロムって楽しんでます
萌えもエロでも盛り上がるといいなぁ

160 名前:ひとりでできるもん1 mailto:sage [2010/06/02(水) 01:25:52 ID:IYKLKX3r]

締切の押し迫るある夜更け。
茂は悶々とペン先で一点を突いたまま、その手が動くことはなく、
ぼんやりとカレンダーを見つめていた。

(……あと三日ほど…だろうか……)
斜め下に視線を走らせれば予定の締切日のしるしを思い出し、
ブルブルと頭を振って再び机に目を戻した。

「だらぁ…。今はそんなこと考えてる暇はないのだ」
意に副わぬ流行りもの漫画とはいえ仕事は仕事。
請け負ったからには描かぬわけにはいかない。
集中して筆の走るままにアイディアを描いてはみても、
いつの間にやら怪しげな女体が表れた。

「!」
慌てて紙を丸めて床に落とす。
「いかん、いかん」
筆の音が止まったのを見計らったように、襖越しに呼びかけられた。

「あの…。お茶が入りました」
「お、おぉ…」
遠慮がちに襖が開き、布美枝が微笑みかける。
「何かお手伝いすること…ありますか?」
「ええ。……まだ起きとったんか、もう遅い。先に休め」
「けど…」
「ええったらええっ、集中できんっ」

つい語気を荒げてしまうのも仕事に熱中するあまりのことと、布美枝は知っている。
「すみません。それじゃ…お先に」
「ん」
居間に戻ってしまってからも、布美枝の声が耳から離れない。
朗らかな笑い声もいいが、ちょっこし消極的な小声も堪らなく健気でいい。
邪魔にしているのではなく、気になって仕方がないから、気が散るのだ。

(参ったな…)
悩まされているのは迫りくる締切ではなく己の煩悩。
こんなことは今までなかった。
それはあの甘美な柔肉の味を知ってしまったからか…
それでも半週も前からお預けを食っているからか…
(全く。毎月毎月…ちゃーんと忘れず訪れるものなのだなぁ…)
茂にとっては奇妙な女体の神秘に、深くため息をつくしかなかった。






161 名前:ひとりでできるもん2 mailto:sage [2010/06/02(水) 01:27:07 ID:IYKLKX3r]

月のこの時期に、それが布美枝の身に訪れるのを知ったのはいつだっただろう。
数度体を重ねてからというもの、布団に潜り込めば抗うことなく従順に夫に従うのは
夜の営みでも変わらぬ布美枝だったが、ある夜、頑として身を交わされた。
『…いけません…っ』
『は?』

口に出すまでもなく、茂の顔にハテナマークが浮かんでいたのだろう。
布美枝は『あの…そのぉ…』と口を濁すばかりで、はっきりと理由を言えない。
『どげした。嫌…なのか?』
『え……』
嫌だと言えば嘘になる。けれどいいと言って自ら誘うような真似もできない。

『……照れとるのか? 何を今更…』
『違います…っ。だから…今日は……その…』
覆い隠すように自らの両肩を抱いていた手が下腹へと降りて、手を重ねる。
茂ももう四十路の男。流石に口に出すのは憚られたが、
女の体に月の周期があることぐらいは知っている。

『あ…。そうか、そうか…』
どんな顔をしていいか分からず、茂はかかかっと笑った。
あまりに奔放な笑い声に、布美枝はふと不安になって顔を上げる。
『違いますっ。下しているのではないですよ…っ』
『分かっとるわ』

しかし夫婦ともなれば知らぬ存ぜぬで目を背けてばかりもいられない。
こちらの下半身にもイロイロと事情がある。
『こほん。それで…いつ頃まで…だ?』
『はい?』
『だから。一週間ほどと世にいうが…』
『はい…。そげですね…』
無意識に指折り数えているのをちらり見る。
『月によって違いますけん…。たぶん、週明けには…』



興味のないことにはからっきしの茂であったが、その時からこの時期を忘れることはない。
よくよく注意して見れば確かにその時期には布美枝の様子は異なっていた。
それとなく接触を避けるようにしたり、少し厚着をしていたり。
不自然な時間に人目を避けて洗濯しているのもそのせいなのだと知った。
(仕方ないことだけん、分かってはおるが…)
理性と本能は時として相反するもの。
茂は治まりの利かない身を揺すって、じっと襖越しの居間に耳を澄ました。

(……もう…眠ったろうか…?)
このまま悶々とやり過ごすことも敵わず、茂はペンを置いて股ぐらを寛がせた。

162 名前:ひとりでできるもん3 mailto:sage [2010/06/02(水) 01:28:17 ID:IYKLKX3r]
(そういえば。これも久しぶりだな…)
やはり一人で過ごしていた頃とは違い、家にはいつも布美枝がいる。
それにこうして自分で慰める必要もなく、床を共にするのが常だった。
しばらくは互いに不慣れで、うまくいかないことも間々あったが、
いつしか布美枝も行為に慣れてきて…

(ああ…。いっぺん、上に座らせたことがあったなぁ…)
茂が胡坐をかいた上に跨るよう告げると、目を白黒させて驚いていた。
しかし急くように強請る茂の「ええから」という言葉に逆らうことはできず、
向かい合わせにぎゅっと茂の肩に抱きついた布美枝の身は羞恥に震えていた。
先端が擦れ合うだけでもびくりと跳ねて、自ら誘うように腰を下ろすことはできず、
結局茂が導くままに片尻を掴み下ろされて、繋がり合った。

(…子猫のように鳴いとったなぁ…)
しばらくは茂が突き上げるに任せていた布美枝も、根が器用なのかこつを覚えたようで、
茂の肩にしがみ付いたまま腰を揺らめかせていた。
その度に目の前の乳房も揺らめいて。
堪らず茂が吸いつけば、驚いたように「きゃっ」と声を上げてしまい、
上の住人を気遣って慌てて口を塞いでいた。

まるで映像のごとく甦るのは、茂のイマジネーション豊かな才でもあるのか。
押し殺した布美枝の喘ぎまでも耳の奥に思い出されて、
上下する手は速度を増した。

「……あの」
「!?」

襖越しの声に茂は息を詰める。
今にも放出しかけた己を握る手も止まった。
「まだ…寝てなかったのか」
「……はい。今夜は冷えますけん、どてらを」
すすっと襖が開き、茂は慌てて大きな背を丸めた。
「ええっ!」
「でも、体を壊しますから。あ…火鉢の火が消え…」
「自分でやるからええ! 一人にしてくれ」

あっちへ行け、とばかりに睨みつけられ、布美枝は口を尖らせた。
「……火鉢の用意くらいさせてください。邪魔はしませんから」
「一人でできるっ。ええから…」
「そんな…。そんなこと言わんでください」
「ああ?」
布美枝は切なげに眉根を落とした。
「そりゃあ…大事なお仕事ですけん。一人で頑張っとってのことでしょうけど…。
少しでも…いいですから、手伝わせてください。二人で…頑張りたいんです」
茂は叫びだしたいのをグッと喉もとで耐える。

(こっちだって、二人で頑張りたいわっ! それがこん週はできんのだろうが!)

163 名前:ひとりでできるもん4 mailto:sage [2010/06/02(水) 01:29:01 ID:IYKLKX3r]

「あら?」
描いては捨て描いては捨てしてきた煩悩丸出しの落書きに手を伸ばされ、
茂は慌てて紙くずを取り返した。
「ええからっ。あっちへ行け!」
「は…はい。ひゃっ!」
「ん?」
開いた股ぐらが目に入ったのか、布美枝は顔を手で覆って振り返った。

「あっ! いや、これは…」
「い…いくら仕事に集中されていても…。お手洗いはちゃんと…行ってください」
「は? だ…だらぁ、小便ではないわっ」
「はい? でも…」

「……。あ…あぁあ、もうええ!」
焦燥感に耐えきれず、茂は布美枝の手を引いた。
「ひゃ、な…何……。ん…」
長い片腕は布美枝の首筋からたすき掛けのように背を羽交い絞めに抱き寄せることも容易だ。
不意打ちに唇を合わされて、布美枝は息も整えられず身を硬直させる。
お構いなしで吸いつく茂のペースに押されて、布美枝の唇が弛緩していくと、
隙を見つけて茂の舌が伸びた。

「ん…んぅ……」
鼻から漏れる甘い声は、口づけの合間、不意に唇が開いた時には明確に漏れる。
やはりイマジネーションよりもずっといい。
耳心地のいい声に煽られて、茂はますます胸を弾ませていた。

「……はぁ…。あんた…手伝うと、そう言ったな」
「…は…はい…?」
まだ夢見心地で息も整わぬまま答える。
「二人で頑張りたい…と。そう、言ったろう?」
「はい。言いました」
「わしは、一人でできる。そう言ったのに、手伝うと言ったのはあんたの方だ」
「はい…?」
「いくら女でも。言ったことに責任は持たんがいけんな」
「はい」

顔突き合わせた茂の形相は鬼気迫るものではあったが、
まるで先生に道徳の説教でも受けているような言葉に、思わず布美枝は吹き出してしまう。
「何だ?」
「ふふっ。そんな当たり前のこと、そげん顔して言わんでも…」
何を手伝わされるのか、まだ分かっていないのだろう。
まだ暢気に肩を震わせて笑っている布美枝に頬を寄せ、くすぐったそうに首をうねるのも
構わず、茂は囁いた。
「それじゃあ…ちゃんと、手伝ってもらおうか」
「はい…? あ…」
茂の手に導かれて、指先が強張りに触れる。


164 名前:ひとりでできるもん5 mailto:sage [2010/06/02(水) 01:29:42 ID:IYKLKX3r]

「あ…あの。えっ…?」
「ほれ、ちゃんと掴んでみい」
「あの、でも…私……。今日は…まだ……」
「分かっとるっ。だから…。だから、一人でできると言っとったんだ」
「え? 一人…で、って??」
布美枝にとっては分からないことだらけだったのだろう。
けれど説明している暇はない。
すでに強張りは角度を上げ、先端が濡れ照るほど切羽詰まっていた。

「こうして、掴んで…だな」
「はいぃ…」
これは仕事と関係あることなのか。いやそんなはずはない。
混乱するままに布美枝は茂に手を添えられて、脈打つ昂りを上下に扱き始めた。
「…もうちぃっと…力を入れてくれ」
「でも…。痛くは…ないですか?」
赤ん坊の手首とも違う、蒟蒻とも違う、奇妙な感触。
扱くほどに茂は苦しげに息を詰めるから、何かへまをしないか心配になってしまう。
「痛くなどない。ほれ、早く…」

先を促す茂の言葉に、布美枝はひとつ頷いて覚悟を決める。
その覚悟はそのまま姿勢に表れて、きちんと背筋を伸ばして正座に座り直した。
「……っだら。そんなに真剣に…。華道や茶道ではないのだぞ」
「は…はぁ」
かと言ってどういうふうにしたらいいのかなど布美枝には分からない。
正直、茂にだって分からない。

「……」
茂は布美枝の手から離れて、浴衣の合わせ目に指を伸ばした。
「…あ……、いけんよ…。よして…ください」
「ちぃっとぐらい、サービスじゃ。サービスしてくれ」
分からないな…と、布美枝は首を傾げても、その手は止まらない。
袂がたわみ柔らかな乳房に手が伸びると、堪らない感触を求めて茂の手が蠢いた。
「……んっ…いけんよ…」
「ん? よもやここからも血が出るわけではあるまい」
「な…っ。当たり前ですっ」
「おぉ…」
頭には血が昇るのだなと、茂は感心するように頷いた。
しかしあまり怒らせても歩が悪い。
袂を開いた手を脇に回し、布美枝の身を寄せた。

165 名前:ひとりでできるもん6 mailto:sage [2010/06/02(水) 01:30:14 ID:IYKLKX3r]

「…あ…」
「そのままでええ…。ちぃっと…味見だ」
言うや否や茂の舌が胸の頂をぺろりとなぞる。
肌寒さのせいか既に尖り始めていた赤い蕾に吸いつくと、布美枝は唇を縫い縛る。
柔肉の谷間を渡るように左右行き交えば、強張りを掴む手の力が弱まってきて…
「……ほれ。ちゃんとせんと……これでは生殺しだ」
「……っ」
こくりと頷いて強く扱きあげられて、茂も息を漏らした。

奇妙な感覚だった。
されるがままだった夜の営みとは違う形とはいえ、掌にしっかりと茂の欲情が伝わる。
心なしか強めに握り上げれば不規則に息を詰めるのは、苦しいのではなくて
感じている証拠なのだろうか。
「…んっ……」
甘い疼きの走る胸の先を強めに吸いつかれて、思わず息を詰める。

同じように感じてくれているのだろうか。
布美枝は奇妙な嬉しさも感じて、優しく、そして時に強めに茂自身を掴んで上下した。
胸肌に茂の昂った吐息を感じる。
布美枝の手が速度を増すと、強張りもまた硬度を増した。

「……ふみえ…」
不意に顔を上げ、上気した視線がかち合う。
荒い息を噛み殺す唇、妙に火照った視線に布美枝はどきりと胸を弾ませた。
「は…い」
「……で」
「……はい?」
「…口で……して、くれ」

途端に顔を真っ赤にしたから、意図は伝わったのだろうか。
「え…。で、でも…そげんこと……」
「早う…っ」

166 名前:ひとりでできるもん7 mailto:sage [2010/06/02(水) 01:30:42 ID:IYKLKX3r]

切羽詰まった茂の声に弾かれて、布美枝はごくりと喉を鳴らし頷いた。
今にも果てそうなところを耐え、茂が顔をしかめると、
その頬にそっと布美枝の左手が添わされた。

(…ん……?)
目蓋を開けば、ゆっくりと布美枝の顔が近付いてくる。
布美枝からの口づけは初めてだったけれど…
(そう、ではない…)
精一杯茂の唇に吸いついて、柔らかな唇を押しつけてくる。
拙い口づけでは物足りない。茂は堪らず舌を伸ばして、
引っ込み思案な布美枝の舌を誘い出して絡めた。
その感触は充分に火照った下の口の感触を思い出させて、
茂はぶるりっと肩を震わせる。
(……だらっ…)

もうこれ以上の我慢は利かない。
茂は慌てて布美枝の肩を押して離れたが、布美枝はいつまでもその手を休めなかった。
「いけんっ」
「はい…?」
先端を覆うように手を伸ばし、布美枝の手が止まる。
「フハッ」
「?? あの…何かいけんかった、ですか?」
きゅっと握った布美枝の手に掴まれたまま、茂は迸った。

「……っ、はぁ…はぁ……」
「?? あの…」
数度痙攣した強張りは徐々に力を失い、二人の手の隙間にどろりと白濁したものが伝う。
「え…えぇから、早う拭うものを…っ」
「は? あ…はいっ」
机上のハナ紙を手に取ると、茂は布美枝からそれを奪うようにして背を向けた。

「??? …ぁ……」
気まずそうに背を向けて始末をしている背中を見つめていたら、
やっと布美枝も理解し始めた。
思い出せば「一人でできるっ」と睨みつけた姿は、思春期の青年が艶本を隠すような
幼さにも似ていて、思わずくすくすと笑い出した。
「……何だ」
そんな姿で低い声を出したところで、布美枝の笑いは止まらない。

「何がおかしいっ」
口を尖らせて振り返った姿に、布美枝は「すんません」と口では言いながらも、
その唇は笑みを消せなかった。
「ふふっ。…もう…二、三日の辛抱ですけん。堪忍?」
しなを作った甘い声はぞくぞくと耳に響くから、茂は思わずざんばら髪をくしゃりと掻いた。

「うるさい…っ。……ったく…、だから気が散ると言うとるのだ」
「あはは、あ……すんません」
押し殺すこともできず笑い顔を見せる布美枝に、茂が仕返しをするのは……
また週明けの話。


終わり

167 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/02(水) 03:09:26 ID:fsH5vaDl]
フハーッ!!
凄い作品が連続投下されとるー!
職人様だんだん!GJ!だんだん!

フェラーリを知らぬフミちゃんからのキッスが堪らんw
週明けのゲゲの反撃は猛烈だろうなw
…そっちも禿しく読みたいなぁ(´・ω・`)

168 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/02(水) 08:34:55 ID:SaBXvkTo]
>>159
乙!か、可愛ええw

茂お迎えに萌えて本スレに感想言う前にこっちに萌えを吐き出そうと思ったら
可愛い話にまた萌え転がされた!
萌え死にそうww


お迎えにきた茂にニヤニヤが止まんないんですけど!
茂は完全にツンデレだな
そっぽ向きつつ帰るぞって何回も言うな!
あまりの甘さにビックリしまくりですよ、もうホントに転がっちゃったよ

169 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/02(水) 12:59:40 ID:BRRwApJE]
職人様、だんだん!!
週明けのしげぇさんの反撃がほんまに楽しみですなあ

いよいよフミちゃんのおめでたも周囲に知れ渡り、
お祝いムードになってきたね〜。
上のほうでおめでた話書くといわれた職人さん、書いてごしない。

>>168
しげぇさんのポケットにはいったい何本バナナが入ってるんだろねw

170 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/02(水) 16:02:07 ID:EycXg9Ra]
皆さん力作揃いで凄いなぁ。

書き直そう… orz



171 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/02(水) 20:15:59 ID:agRRvdhl]
フハッ

172 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/02(水) 23:47:31 ID:zjZEJSuL]
>>152
だんだん!だんだん!

この2人は非エロの方が萌えるってのわかる。
今日の映画館デートの可愛いことといったらなかった
抱き合ったりとかしてないのに不思議だ

173 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/03(木) 00:23:52 ID:Vjy5dlFt]
でも、ちょっとは抱き合ってほしいなw

174 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/03(木) 00:44:56 ID:0K+0KLxE]
>>170
みんなちがって みんないい

待ってるけん
頑張ってごしない!

そして今日の(もう昨日か)バナナを食べる布美枝を見て
昼は公園で手土産のくすねたバナナを食べ
夜は布団で茂のバナナを頂くのですな
…と、思った住人は自分だけではないハズだ(ry

175 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/03(木) 00:51:32 ID:8tzM25mW]
実況で布美枝が食べてるバナナにモザイクかけたキャプがあったなw

176 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/03(木) 00:51:32 ID:0K+0KLxE]
いや、やっぱり夕餉に節約赤飯の豆を食べて
夜は茂が布美枝のお豆さんを摘んだり挟んだり擦ったり
舐めたり吸ったり弾いたりした方が可能性が高(ry

OKが2回も出てるIDだからって、ちょっこし調子に乗った
連投スマソ

177 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/03(木) 06:37:29 ID:5sd5PU50]
>>159
だんだん!
「子猫の鳴き声ってどんなだ?」と思って
つべで確認してしまったw
こうして聴くとエロいw

178 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/03(木) 08:36:55 ID:LX2evkWa]
>>162
こっちだって、二人で頑張りたいわっ!にワラタ

熊楠先生並の性欲をもてあます茂さんに萌え
仕返し版お待ちしとります
だんだん!

179 名前:浦木騒動1 mailto:sage [2010/06/03(木) 09:02:08 ID:Jb9JtShn]
萌えがなんとか文章にまとまったので投下します。
非エロです。


布美枝が夕ご飯の支度をしていると、玄関の開く音がした。
「お帰りなさい!」
茂が散歩から戻ったのかと笑顔で振り返ってみれば、
「やっ。奥さん、ごぶさたしとります。
ゲゲは留守ですかな?」
「浦木さん!」
茂の腐れ縁の幼友達が我が物顔で入ってきて、断りもなくちゃぶ台の前に座り込んだ。
「いや〜、いい匂いですな〜今日の夕御飯はなんです?」
とあつかましく鼻をひくつかせている。
「うちの人はそろそろ帰ると思いますが…。
あの、よかったら、夕飯食べていかれますか?」
「おおっありがたい!旦那と違って奥さんは気前がええですな〜。」
布美枝は苦笑する。この傍迷惑な男はいつも問題を起こす悩みの種ではあるが、
なぜか憎めないのだ。
「そうそう、今日は奥さんにええ土産があるんです。」
と、浦木は後ろ手に持っていた一冊の本をだし、ちゃぶ台におく。
「じゃーん。この浦木がプロデュースした本です!」
「?何ですか?この本。えっと…妻の心得?」
浦木が持ってきた本は、薄紫色の表紙に黒で「妻の心得」とだけ書いてある、
布美枝にはあまり馴染みのない装丁のものであった。
しかし題名には心惹かれるものがある。
「これは…妻として、勉強になるような本なんでしょうか?」
「そう!まさにそうですよ〜奥さん!
 この本に載っている、ありとあらゆる手管を習得すれば、
 旦那大喜び!家庭円満!」
「あのっ、うちの人の役にも立つでしょうか?」
布美枝は勢いこんで尋ねる。
「もちろんですよ〜!ゲゲも喜ぶに決まってます!
 すべての夫婦に贈る、旦那の夢がつまった素晴らしい本ですよ!」
布美枝は期待に頬を染め、早速ページを捲ろうとした。

180 名前:浦木騒動2 mailto:sage [2010/06/03(木) 09:05:36 ID:Jb9JtShn]
その瞬間、
「おう、今帰ったぞ。」
「あっ、お帰りなさい!」
布美枝は開きかけた本を閉じ、夫を迎えるために立ち上がる。
「なんだ、浦木がきとるのか。突然どうしたんだ。
 …さてはまた何かたくらんどるんじゃないだろうな?」
茂が冷たい目で浦木をじろりと見た。
「たくらむとは失敬な。新しく作った本をお届けにきただけだ!」
と浦木は胸を張り、ちゃぶ台の上の本をビシッと指差す。
茂は本を手に取り、
「なんだ?妻の心得?」
不審気にパラパラと開く。
と、みるみる茂の目が見開かれ、布美枝が横からのぞきこむ前に、
本はバタンと勢いよく閉じられた。
「浦木〜!!!なんちゅうもんをもってくるんだ!」
それは夫婦の夜の生活、特に女性側の技巧や誘い方について懇切丁寧に書かれた、
図解入りの指南書であった。
「どうだ〜ええ本だろう。
 これで奥さんが勉強すれば、めくるめく夜が…って、おい!ゲゲ!何すんだ!」
「だらっ!余計なもん持ってきおって!」
茂は本を投げ捨て、片手で浦木の襟首を掴み、玄関へ引きずっていく。
「ちょ、ちょっと待てって!ゲゲだってうれしいだろ?
 奥さんがあげなこと、こげなことだぞ?」
引きずられながらも必死な浦木の言葉に、一瞬茂の動きが止まったかに見えた。
が、すぐに強制送還を再開し、器用に開けた玄関から浦木を放り出した。
「なんだよーゲゲ!お前だって今一瞬想像したでねーか!」
鼻先で閉められた扉に縋りついて叫ぶ浦木の言葉を無視し、
部屋へ戻った茂の眼に飛び込んできたのは、、
今まさに女房が件の本を開こうとしている姿であった。
「こらっ!そげなもん見てはいかん!」
「あっ!」
布美枝から慌てて本を取り上げ、玄関を開け、扉の前に座り込んでいた浦木に投げつけ、
「それ持ってはよう帰れ!二度と持ってくるなよ!」
乱暴に扉を閉め、鍵を掛ける。
「ああ〜、晩飯食べ損ねた…。ゲゲのやつ…一瞬迷ったくせに…あーのムッツリが…。」




181 名前:浦木騒動3 mailto:sage [2010/06/03(木) 09:08:11 ID:Jb9JtShn]
そしてその夜村井家では。
「なして私には見せてくれんかったんですか?」
「あげなもん、あんたには必要ない!」
「だって浦木さんがあなたも大喜びだって。夫の夢が詰まっとるって。」
「つまっとらん!」
「だけどちょっこしくらい見せてくれてもええでないですか…。
 何かひとつくらい参考になったかもしれんのに。」
「参考になどならん!」
「じゃあせめて、どんな本だったか教えてください!」
「そげなもん忘れた!」
ため息を吐いてがっかりする布美枝。、
「なしてそんなに気にするんだ。もうええだろ。」
「だって、少しでもあなたの役に立ちたいんです!」
子猫のようにキラキラと潤んだ目で見つめられ、茂は思わず目を逸らす。
「今だってこの目にこげに惑わされとるのに、下手になんか勉強されたりしたら、
 どげな事になるか…。」
横を向きブツブツとつぶやく夫の顔を、布美枝が下から覗き込む。
「?何か言いましたか?」
「な、何でもなぁ!とにかくこの話は終わりだ!仕事する!」
無邪気な目に更に動揺させられ、茂は慌てて仕事部屋に逃げ込んだ。

「まったく、あいつは妙に生真面目だからな…。
 あげな本を渡したら、必死に勉強して免許皆伝までいきかねんぞ。
 なんとか見せずにすんで助かった…。」
茂は胸を撫で下ろし、仕切り直しとばかりに原稿にむかったが、
どうも先程ちらりとみただけの図解と女房の姿が重なり、目の前にちらついてしょうがない。
「あげな本、普段はなーんにも感じんのに…。」
茂は机に突っ伏し、今夜は仕事になりそうにないと、浦木と女房を怨むのであった。

その頃、襖を隔てた隣では。
「もお、自分ばっかりみて、全然教えてくれんのだから…。
 よっぽど難しい内容で、私には無理だと思われたんだろうか。
 あーん、気になる!
 …そうだ!美智子さんに聞いてみよう!
 ええ本だったら店に仕入れてもらえるかもしれん。そうなったら貸してもらおう。」
隣で夫が悶々としているとも知らず、無邪気な女房は自分の思いつきに機嫌を直し、
ニコニコと壁の絵を見つめていた。
一反木綿は何故か、あーあ、と肩をすくめたように見えた。

オワリ


お目汚し失礼いたしました。

182 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/03(木) 12:28:36 ID:SAhFPi5e]
>>179乙!
とりあえず浦木GJすぐる!こういう浦木が本放送でも見てみたいw
美智子さんは本を仕入れてくれるのか気になるわぁ
ゲゲは何気に都合が悪くなると仕事部屋に籠るんだなw


183 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/03(木) 14:26:09 ID:tKpTGz1j]
>>179
あああ日々素晴らしい新作が拝めるなんて‥
本当に夢のようだよ父さん!
どこまでも硬派なしげーさんに禿モエスですw
理性と本能の間で葛藤する男性の姿には
何か胸ときめくものがありますなw

上の方でふみちゃん妊娠話書きたいと言ってたものですが
とりあえず今週の放送全話観終わるまで待っててごしない
語彙力も無いし文章も拙いですが
愛だけは込めて書きたいですw

184 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/03(木) 17:24:00 ID:+fiey7OH]
>奥さんがあげなこと、こげなこと

仕事部屋に逃げ込んだゲゲの頭の中でぐーるぐるw
職人さんだんだん!

>>183
待っちょります。
楽しみー!

185 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/03(木) 17:39:37 ID:8tzM25mW]
免許皆伝w悩むしげーさんが可愛い。浦木なら本当に作りそうな本だ。

186 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/03(木) 18:21:09 ID:Go/e2fTa]
妊娠中って眠い。
原稿の手伝いをしながらつい、ウトウト…

妊娠中って食欲旺盛。
お裾分けでいただいた大福、「茂サンのお夜食に♪」のつもりが、コソーリ1つ摘み食い…


187 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/04(金) 07:44:33 ID:AbqZx4i3]
↑そういうのおながいします

188 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/04(金) 14:30:49 ID:2/A9+RqS]
>>179
だんだん!
薄紫に黒なんて装丁からしてアヤシそうだw
ドギマギしてる茂に気づかない無邪気なフミちゃん萌え
一反木綿もカワユスw

189 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/04(金) 18:43:48 ID:AbqZx4i3]
赤ちゃん産まれたら育児にテンテコマイな布美枝サン、茂サンがヤキモチ妬いたりして。

190 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/04(金) 19:41:01 ID:irUE1xgm]
>>189
萌ユ〜ル
偉大な母になったふみちゃんなら、ありったけの母性でもって
ヤキモチ焼く年上亭主を優しく包み込んでくれそうだ…

てか、向井リのしげーさんは赤ちゃん凄く好きそうw
ずっとダッコしてそうな感じ



191 名前:新婚さんエロっしゃ〜い1 mailto:sage [2010/06/05(土) 02:30:22 ID:QAjR+nMO]
トントントン…トントントン…
ネギを刻む規則正しい音に誘われて
茶の間で座布団を枕にスヤスヤと眠っていた茂が目を覚ました
「んっ…」
ボサボサ髪をかきながら起き上がると掛けられていた毛布がずり下がる
ボ〜ッと焦点定まらない目で辺りを見渡す

「あら。」
「俺…寝てたんか?」
「えぇ。気持ち良さそうに、よう寝ちょってましたよ」
「そげか…んっ…もう夕方かぁ」
「もう少ししたら夕飯出来ますけぇ。お茶飲まれますか?」
「んぅ…んっ…ええ」

眠くはないが、ゴロゴロと寝転がってみる
このところの慌ただしさからやっと解放されて久々の休日といったところの茂だった

トントントン…トントントン…
なにげなく音がする方に目を向けてみる

野菜を刻む音も
寝てる間に掛けられていた毛布も独身の頃には無かったものだ
日常の何気ない事に結婚したのだと改めて実感する

日頃は、ご飯が出来て呼ばれるまで仕事部屋に籠っているのが常なので
布美枝が料理をする姿を目にするのは案外初めてかもしれんと、のんびり考えながら眺めていた

幼い頃は近所の悪ガキに『電信柱』と揶揄され
夫にも『一反もめん』にたとえられた長身の布美枝にとって古い日本家屋の台所は小さすぎた
そのため何か作業する度に人一倍、前屈みになったり
腰を曲げたりしなければならなかった

その度に丸みのあるお尻が自然と強調され
スカートの裾もヒラヒラと揺れる
そんなつもりは無かったはずだが男の悲しい性なのだろうか
体制を何度も変えながらついつい覗きこんでしまう

布美枝が火加減を見ようと屈んだ拍子にチラリと茂のお目当ての物が目に飛び込んできた

「………白か……一反もめんだけあって、よう似合っちょる」ボソッ

「はい?何か言いました?」
「いや。なんも言うちょらん」
「そげですか」
特に気にする風もなく料理を続けた

192 名前:新婚さんエロっしゃ〜い2 mailto:sage [2010/06/05(土) 02:33:15 ID:QAjR+nMO]
旨そうな匂いにつられて、もそっと起き上がり台所の鍋をのぞいてみる
いろんな野菜がコトコト、コトコト煮えていた

「煮物かぁ。うまそうだ」
「よぉ煮たんで味が染みちょりますよ。一つ味見してみますか?」
「あぁ」

布美枝が鍋から野菜をひとつ箸でつまんで
「熱いですけん」と、ふぅーふぅーと冷ましてから茂の口に運んでやる
素直に『あ〜ん』と口を開ける姿は、まるでエサを待ちわびる雛鳥のようで布美枝は、思わず笑ってしまった

「どげですか?クスクス」
「ええ。よう味が染みててうまい!」
「そげですか。クスクス」
「なんね?なに笑っちょる?」

「いいぇなんでもなかですよ。クスクス」
「うそつけっ。言え!」「クスクス。うちには手のかかる大きな子どもがいるなぁと…フフフッ」
「俺か?40男になに言うちょる」

「いまの『あ〜ん』は、可愛らしかったですけん。」
「かわいい言うなっ!」
「はいはい。すんませんでした。クスクス…危ないですけん、あっちで座って待っちょってください。フフッ」
言いながら茂に背を向け鍋の火を消す

布美枝に軽くあしらわれ、ムッとした茂が布美枝の背後から抱きついて反撃に出た

193 名前:新婚さんエロっしゃ〜い3 mailto:sage [2010/06/05(土) 02:37:25 ID:QAjR+nMO]
「きゃっ!なんです!危ないですよ」
「ふんっ。俺が子供なら、あんたは母親じゃろ?甘えとるんじゃ」
「えぇぇ!これじゃ夕飯の支度出来ませんて!」「知るかっ!!子供扱いしたんはそっちだ!」

「すんませんて!私が悪かったです」
そう言いながら顔だけ振り返った布美枝のブラウスの第一ボタンが緩んでいたのか、ぷつりと外れた
布美枝は気付いていない

開いた襟元から胸の谷間が見えて茂はドキリとする

困ったように見上げてくる瞳や
半開きの口元が誘っているように見えてきて茂の体に火を灯してしまった

茂は、ぐっと布美枝に体を押しつけより密着させた
布美枝は流し台と茂に挟まれてしまい身動きが取れない

茂の腕がスッと布美枝の体から離れたかと思うと
次の瞬間
「!!」ススッ…と、尻を撫でられ驚き
何か言いかけた布美枝は、身を捩ろうと動いた
不意に項に生温かい茂の吐息を感じて背筋に電流が走り身震いして言葉にならない
それに気付いた茂は、すかさず首筋に唇を這わせたり
耳朶を甘噛みして攻撃してくる

「んっ…ふっ…」
布美枝は流しの縁を力一杯掴んだり、下唇を噛んで快楽に流されそうになる自分をなんとか押しとどめようとする

そうこうしているうちに、だんだんと素足に風を感じ、スカートを捲り上げられ手が忍び込んで内腿を擦ったり
下着越しに布美枝の敏感な部分を撫でられているのがわかった

「ちょっ…待ってください!ちょっこしイタズラが過ぎますっ!」
必死に訴える布美枝のお尻に茂は、熱くなった自身の下腹部を押し当てる

194 名前:新婚さんエロっしゃ〜い4 mailto:sage [2010/06/05(土) 02:39:27 ID:QAjR+nMO]
「!!!」茂がすでに戯れだけでは済まないと知ってうろたえる布美枝

「あんたが誘ってきたんだろが」
「さ、誘って…なんて…んっ…」

「ほれ、見てみぃ」と、襟を広げられ布美枝にも自分の胸がはだけているのがわかった
更にブラウスのボタンを一つずつ外され
柔肌を掴まれ、揉まれ、乳房が茂の思うがままに形を変える
すでに立ち上がって固くなり始めた胸の先端を指で弾かれ
思わず声が漏れる


くるりと体の向きを変えられ布美枝は茂と向き合う
布美枝は懸命に両手で茂の胸を押して抵抗しようとするが
腕に力が入らず、茂はぴくりとも動かない
むしろ体を押しつけられ手を動かせなくなってしまった
「あ、あな…た…ごげなとこ…ろで…いけ…」
茂は、唇を合わせて布美枝の言葉を封じる
布美枝は逃げようとするが後頭部に手を添えられ固定されては動けない

布美枝が息苦しさに思わず口を少し開くと茂は、すかさず舌を捩じ込んできた
「んっ…ふっ…」
言葉にならない声が漏れ部屋に響く

195 名前:新婚さんエロっしゃ〜い5 mailto:sage [2010/06/05(土) 02:42:12 ID:QAjR+nMO]
布美枝の膝は震え立っていられなくなり流し台に寄り掛かっていた
手をついた拍子に台に上がっていたまな板と包丁は派手な音を立てながら流しに滑り落ちていったが、2人の耳には届かないほど激しく淫らに舌を絡ませあっていた

茂の支えがなければ床にに崩れ落ちそうな布美枝の腰に腕を回して少し抱き上げて
流し台に腰を下ろさせる

はだけたブラウスから零れて揺れる乳房に誘われて思わず吸いつく
きゅっと軽く歯を当てられ思わず布美枝は体をのけ反らせる
とうに布美枝は抵抗する気も失せて茂と快楽に身を任せていたが…

うっすらと目を開けると天井が映った

……………………!!
今日は、2階に居候の中森がいることを思い出し布美枝は慌てて茂に伝える
だが茂は「声だけ我慢せい」と、言うだけで止める気配はまったくない

乳房に吸い付きながら
手は布美枝の下腹に手を伸ばしていた
布美枝の下着はすでに甘い蜜にしっとりと濡れていた
茂は半ば強引に下着剥ぎ取り床に投げ捨てる

布美枝は足を閉じようとするが
茂は、それを許してはくれなかった

左足を持ち上げられて流し台の上に乗せられ
茂の眼前に布美枝の秘所が晒された
恥ずかしさのあまり布美枝は涙を零すが
茂は構わず、もう片方の足も流し台の上に上げてより足を開かせる

いつもは夜、薄暗い部屋の布団の中で交わるため茂も布美枝の秘所を明るい中でじっくりと眺めるのは初めてだった

親指で恥豆を擦りながら布美枝の顔を見上げると髪を振り乱し、涙で頬を濡らしながら
手の甲を噛んで声を押し殺して堪える姿に興奮した

196 名前:新婚さんエロっしゃ〜い6 mailto:sage [2010/06/05(土) 02:45:42 ID:QAjR+nMO]
とめどなく蜜を溢れさす泉に中指を差し入れて、ゆっくりと動かすと
ビクリッと布美枝の体が跳ねる

――熱い…指がとろけていまいそうだ――

何度も何度も指を差し抜きする
その度に淫猥な水音がグチュグチュと部屋にこだまする

もちろん布美枝にも聞こえているのだろう
懸命に羞恥に耐え顔を背け目を固く閉じていた

ビクッ「!!」
指とは明らかに違う生温かく柔らかな感触に驚き目を開くと
なんと
茂が布美枝の秘所に顔を埋めて舌で愛撫していた!

このような愛撫をされるのは初めてで、布美枝は驚きを隠せない
茂の肩を掴んで押し戻そうとしながら
「いけん…そげな…とこっ…あっ…あぁ………んっ!きたな…い……い…けんで…す…よ!……やめっ……や…めてご…しなぃ!はっ…あぁ…!」

茂は、むしゃぶりついて離れようとしない

布美枝はあまりの刺激に気が狂いそうになり、泣きながら髪を乱れるのも構わず
頭を左右に振る

茂は、やっと顔を離して右手で軽く口を拭ったが、まだ口の周りは濡れていた

(あれは…私の…はぁ…あげなこと…)

茂もかなり限界まできていた
ちらりと部屋を見回し先程の毛布の上に布美枝を寝かせようと流し台から下ろした

布美枝はよろけて茂の肩にもたれかかり乱れる息を整えながら、ぼんやりと目を開く

「いやっ…!」
急に茂のシャツを握り締め、胸に顔を埋め震える布美枝

布美枝を落ち着かせるため背中を優しくさすりながら
なにごとかと慌てて問いただす茂に
「あぁ…いけんですよ……おばばが…おばばが見ちょります!恥ずかしくて耐えられん…駄目です…」

茂が振り返ると棚の上に布美枝の亡き祖母の写真が飾ってあった

197 名前:新婚さんエロっしゃ〜い7 mailto:sage [2010/06/05(土) 02:50:00 ID:QAjR+nMO]
「あぁ。ははっ!そうか。なら…見えんよう、あんたはそっち向いとけばええ!すまんが…俺も我慢できん」と、茂にしがみつく布美枝の体の向きを強引に変え
流し台に手をつかせた

布美枝は、力が入らず自身を支えていることが出来ず流し台に上半身を投げ出すようになだれ込む

ひんやりとした台の冷たさが火照った体に心地よく、ほぅ…と一息吐き出すと同時に後ろから茂に一気に最奥まで貫かれた

「!!!はぁっ!…あっ…あぁぁぁ!」
慌てて手で口を抑えるが突かれる度に淫らに声は漏れるばかり
どうすることも出来ない

茂は、攻める手を緩めてくれず
後ろから手を回し布美枝の恥豆を弄ぶ

泣き叫びたくなる衝動を抑えきれない布美枝は力を振り絞って蛇口をひねる

勢いよく水が溢れ流しを叩く音が
布美枝の声をかき消してくれた

2人は一緒に果てて茂は布美枝の中に迸る熱いものを吐き出した
茂は布美枝から自身を抜くと
腿をつたってドロリと滴り落ちる

布美枝は床にへたりこみ子供のように泣きじゃくる

茂は、蛇口を捻り水を止め
布美枝の前にしゃがみ込んで、そっと抱きしめる
そんな茂の胸をポカポカ叩きながら
「うっ…うえっ…ご…げな明る…い……こげな…うぅっ…ところ…で…ひくっ…
おばばも…えぇ…ん…見とる…の…ぐすっ…にぃ」

「あぁ悪かった…よしよしっ
しかしなぁ〜俺が子供なら、こんなに初心なあんたは、まだまだ赤ん坊じゃな。あはははっ」
「もぉ…うぇぇぇえん…ひっく…ぐすっ」
茂は日が暮れても布美枝の気が済むまでいつまでもいつまでも抱きしめていたとさ



ちゃんちゃん♪


198 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/05(土) 02:54:43 ID:35pJz9TI]
ぬおー!リアルタイムで楽しませていただきました!
だんだん♪

やはりドSしげーさんはいいなww

199 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/05(土) 09:48:30 ID:oKD+ILeG]
GJ!
だが煮物が〜〜〜〜

200 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/05(土) 11:05:51 ID:qAuuK3ON]
ふみちゃんがちゃんと火を消してるから無問題。
てか自分は水道代が心配。

あ〜ふみちゃんが可愛い。
だんだん、だんだん!



201 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/05(土) 15:30:41 ID:8mxelRgh]
恥ずかしがるフミちゃんがかわええのう!聞こえないふりをしてそうな中森さんが少し気の毒w

202 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/05(土) 20:44:06 ID:bX4MeRas]
>>191
GJ!
泣きじゃくるフミちゃんカワエエ
フミちゃんは、イジメられる→最後に優しくされるパターンに調教されてるなw

203 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/05(土) 21:31:07 ID:q3irPGlw]
いやあ!すっごい萌えますた!!

職人さん、ありがd

204 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/05(土) 22:46:30 ID:8cKLJpqZ]
赤ちゃん可愛かったw
お母ちゃんになっておめでとう!だけどもうふたりのイチャコラはみれなくなるのかな
せめて一度は名前で呼び合ってみて欲しかった、、

205 名前:183 mailto:sage [2010/06/05(土) 23:19:19 ID:Cv5tdzVU]
>>191
どSなしげーさんもええですなw
ふみちゃんはどの職人様が書いても可愛いなあ
GJです
今更ながらタイトルに笑いますたww

赤ちゃん誕生記念に妊娠話書いてましたが
それと同時進行でしげーさんが子供時代の話が無性に書きたくなって
そちらを先に一気に完成させてしまったのでうpさせて頂きます‥
妊娠話はまた次回うp出来たらさせていただきます、スミマセヌ

ちょっこし長いですが宜しければまったりどうぞー
ちなみにエロパロ板なのに思いっきりノーマル話です‥
それでも良ければどうぞw
誤字脱字方言の違和感は大目に見てやってごしない orz

206 名前:しげーさんの思い出・1 mailto:sage [2010/06/05(土) 23:21:41 ID:Cv5tdzVU]
布美枝が掃除をしていると、棚の上で偶然アルバムを見つけた。
「こげな所にあったんだ」
被っていた埃を払い、ちゃぶ台の上でノスタルジーに浸りながらアルバムを捲る。
「懐かしいなあ‥」
仕事場の襖を開けて茂が出てくる。
「あ、お仕事終わったんですか」
「いや。気分転換にちょっこし散歩行ってくる」
「そげですか」
ふと、アルバムに目が止まる。
「何見ちょるんだ?」
「あ、私が子供の頃の写真です。お掃除してたら見つけて」
「あんたの子供の頃?どれ」
渡されたアルバムをパラパラ見ていると、ふと茂の手が止まる。

それは6、7歳頃の布美枝の姿だろうか。
目の大きな可愛らしい少女が写っていた。
何かを思い出すように、じっとその写真を見つめる茂。
「どげしました?」
妻の声にハッとする。
「いや‥何でもない。ほんじゃ行ってくる」
アルバムを閉じ、玄関先へ向かう。
「行ってらっしゃい」
優しい妻の声に見送られながら、ゆっくりと歩き出した。

「‥あの子‥いや、確かにあの子だ‥でも何であいつがあの子なんだ?分からん」
ぼんやりとした目でカラカラと下駄を鳴らしながら、
茂は少年時代の自分を今一度思い出していた。

207 名前:しげーさんの思い出・2 mailto:sage [2010/06/05(土) 23:24:10 ID:Cv5tdzVU]
「村井!またお前は遅刻しおって!」
「はあ、すんません」
「小学五年生にもなって、ちっとは気を引き締めんか!」
「でも朝飯が旨いですけん」
教室中にドッと笑いが起きる。
「本当に‥お前はどうしようもないな」
先生が呆れ返り片手で頭を抱える。
「もういい!廊下に立っちょれ!」
「はーい‥」
いつものことですっかり慣れっこなのか、開き直った足取りで廊下に向かう。
「全く‥あのだらずもんが‥」

そんな先生の気苦労もどこ吹く風か、茂はいつものように
廊下から窓の外をぼんやり見つめていた。
「来週は隣町の奴らが攻めて来るけんなあ‥何か作戦を練らんと‥」
苦手な算数は0点でも喧嘩に強い茂は、面倒見のいいガキ大将として何人かの子分を従えていた。

208 名前:しげーさんの思い出・3 mailto:sage [2010/06/05(土) 23:25:36 ID:Cv5tdzVU]
放課後。
校門をのんびり出てくる茂の後ろから声がする。
「おーい、ゲゲ待ってくれー」
声の主は、茂の子分兼友人のネコ安だ。
「何だ、ネコ安か」
「そこまで一緒に帰ろう」

田んぼのあぜ道をのんびりと歩く茂とネコ安。
ぽつりとネコ安がつぶやく。
「なあ、ゲゲ」
「何だよ」
「ペロの奴がオレを殴るんだ。仕返ししてくれんか」
「殴られたら殴り返せよ」
「あいつ体も大きいからオレでは力では勝てんよ。頼む」
「そげだなー」
「今度帰りに餅おごるけん」
「餅か。ええよ」
「そげか!大きなゲンコツ一発な」
「よし」

そんな話をしながら歩いていると、2、3人の男子が目に付いた。
誰かを囲んでいるようだ。
「? 何やっちょるんだ」
「ゲゲ、行ってみよう」
2人が近付いてみると、2、3年生位の男子が一人の同じ位の歳の女の子を囲んでいた。
そこでは男子三人組が女の子に詰め寄っていた。

209 名前:しげーさんの思い出・4 mailto:sage [2010/06/05(土) 23:26:50 ID:Cv5tdzVU]
「おいお前、今日先生に告げ口したな」
「大人しい癖に生意気だぞ」
「何とか言ったらどげだ!」
押し黙っていた少女が、小声でおずおずと言う。
「だって‥サヨちゃん困っとったけん‥いっつも掃除手伝ってくれんて」
その声は、今にも泣き出しそうだった。
そこへ茂が割って入って来た。

「おい、やめろ」
体の大きい上級生に、三人組はちょっと怯んでしまう。
「お前ら下級生だろ。男の癖に卑怯でねえか。こげに小さい女の子三人で苛めて」
「い‥苛めとらんわ!」
「只こいつがちょっこし生意気だけん‥」
それでも茂の態度は変わらない。
「そげなこと言うても女の子苛めとることには変わりはないわ。やめんか!」
ネコ安もその間に割り込む。
「そげだ。ゲゲを怒らせると怖いぞ。ゲゲのゲンコツは泣く程痛いぞー」
三人組は顔を見合わせると、逃げるようにその場から立ち去った。

210 名前:しげーさんの思い出・5 mailto:sage [2010/06/05(土) 23:28:19 ID:Cv5tdzVU]
「‥ケガしちょらんか?」
その子の顔を覗き込むと、茂は一瞬ハッとした。
色白で、長い睫毛に少し伏せられた大きい瞳に涙が溢れていたからだ。
茂はその女の子の顔を見て、幼い頃インテリな父が土産にと買ってきてくれた
舶来物のセルロイド人形を思い出した。
そして、その人形のように可愛らしい女の子の顔に正直少し不覚にも見とれてしまった。

「ゲゲ!何ボーッとしちょる」
ネコ安の声にハッとする茂。
「え‥?あ、ああ‥」
女の子の潤んだ瞳が茂を見上げる。
(「そげな目で見んといてくれ‥」)
内心ドキリとしていた茂だったが、とりあえず上級生らしく男らしく平静を装う。

「‥ケガは?」
もう一度優しい声で話しかける。
「‥大丈夫‥」
「そげか」
今にも泣きそうな声だったが、ケガはしていない様だったのでとりあえず安心する。
「何年生?」
「2年」
「家はどっちだ?」
「あっち」
「何だ、オレと同じ方か。途中まで一緒に帰らんか?」
女の子は一瞬考え込んだが、茂の優しいオーラに安心したのか二つ返事をした。
「うん」
「よし、帰ろう」

2人並んで歩き出す。
「おい、ゲゲ!」
ネコ安のことをすっかり忘れていた茂だったが、その声に振り向く。
「ネコ安、お前とはこの道でお別れだ。じゃあな」
何処か仲良さ気に帰る茂と女の子の後ろ姿を、
一人残されたネコ安はポツンといつまでも眺めていた。



211 名前:しげーさんの思い出・6 mailto:sage [2010/06/05(土) 23:29:34 ID:Cv5tdzVU]
2人並んで歩く茂と女の子。
女の子の目にもう涙はない。
今日一日何があったとか、たわいの無い話で盛り上がる。
「あ」
「どげした?」
「‥私の家こっちだから」
「そげか」
女の子の家が近付いて来たようだ。
「ほんなら、さよなら」
「ああ」
仲良くなったせいか、別れに一抹の淋しさのようなものを感じる茂。
「‥あ、そげだ」
何かを思い出したかのように女の子に駆け寄る。
「なあ、ちょっと」
「なあに?」
「そういや聞いちょらんかったけど、名前は?」
「・・・・・」
「そげか」

その子の名前なぞ、今ではとうの昔に忘れてしまった。
一番思い出したいことだというのに。

「お兄ちゃんの名前は?」
「オレは村井茂。皆はゲゲって呼んじょる」
「ゲゲ?」
「うん。茂だからゲゲ」
「ふーん‥‥ゲゲちゃんて呼んでもいい?」
ちゃんなんてガキ大将ぽくない仇名だが、
この子になら何となく呼ばれてもいいかな、という気持ちになる。
「ええよ」
「ほんなら。さよならゲゲちゃん」

その小さい背中を見送る茂。
その背中が見えなくなるまで、茂はそこに立っていた。

212 名前:しげーさんの思い出・7 mailto:sage [2010/06/05(土) 23:30:37 ID:Cv5tdzVU]
数日後。
遊びに出かけた茂。
いつものようにあぜ道を歩いている。
「そげだ。のんのんばあおるかな」
久しぶりに友達のような不思議な婆さんに会いたくなって、家に遊びに行くことにした。

その道中にある神社の境内で、見覚えのある女の子が木の枝で地面に落書きをしていた。
「? あの子だ。何しちょるんだ、一人で」
思わず声をかける。
「おうい。何しちょるんだー」
聞き覚えのある声にパッと振り向く。
「ゲゲちゃん」
女の子の元へと近付くと、何処か淋しげな顔で茂を見つめている。
「こげな所で女の子一人でおったら危ないじゃろが」
「‥うん‥」
「何描いちょったんだ?」
女の子の落書きを覗き込む。
そこには何やら丸い形をした変な生き物が描かれていた。

「これ何だ?」
「‥何かはよく知らんけど、私この前こんなのに追いかけられたの。顔は知らんけど」
「変質者か?」
「ううん。一人で歩いちょったら、後ろから何かに追いかけられたの」
「ふーん‥いや、オレもそげな経験あったなあ」
「ゲゲちゃんも?」
「それはべとべとさんかも知れん」
「べとべとさん‥?」
聞いたことの無い名前に頭を捻る。
「誰か待っちょったのか?」
「ううん。いつも一人で遊んどる」
「こげな所でいつも?」
「‥うん。私あんまり友達おらんから」
「そげか‥」

213 名前:しげーさんの思い出・8 mailto:sage [2010/06/05(土) 23:31:44 ID:Cv5tdzVU]
暫く考えると、何かを思い付き頭を上げる茂。
「そげだ!」
「?」
「今から一緒にのんのんばあの所へ行かんか?」
「のんのんばあ‥?誰、それ?」
「知り合いの婆さんだよ。妖怪のことよーお知っちょる。べとべとさんのことも知っちょるよ」
ちょっと考え込む女の子。
「どげだ?」
「‥うん、行きたい」
大きな瞳を輝かせて茂を見つめる。
「じゃ、決まりだな。行こう」

2人でのんのんばあの家へ向かうことになった。

214 名前:しげーさんの思い出・9 mailto:sage [2010/06/05(土) 23:32:52 ID:Cv5tdzVU]
のんのんばあの家の前。
玄関先で茂が叫ぶ。
「おーい、のんのんばあ!おるかぁ?」
暫くすると、ゴトゴトと音がしてゆっくりと戸が開けられた。
「おや、しげーさんかい。今日は友達も一緒かね」
「こんにちは」
少し恥ずかしそうにのんのんばあを見る女の子。
「ま、上がらんかや。何も無い所だけんど」
そう言って2人を快く迎え入れてくれた。

「サイダーでも飲まんかや」
「気ぃ使わんでええよ」
「ありがとう」
決して広くは無いが、何処か安心出来るのんのんばあの家は、
まるで我が家のような気持ちにさせてくれる。

215 名前:しげーさんの思い出・10 mailto:sage [2010/06/05(土) 23:34:13 ID:Cv5tdzVU]
「のんのんばあ、いつかオレが夜一緒に帰った時、後ろからべとべとさんが付いて来たことあっただろ」
「そげなこともあったなあ」
「この子もこの前べとべとさんに追いかけられたって言っちょった」
「おや、あんたも会ったのかい」
何処か楽しそうに女の子を見つめるのんのんばあ。
「会ったけど‥怖くて夢中で家まで走って帰りました」
「ははは。何も怖がる事ないよ。悪い妖怪じゃないけんね。
そういう時は、『べとべとさん、先へお越し』と言ったらええ」
「先へお越し‥?」
「そげだ。そしたらもう足音は聞こえんようになるけんね。今度やってみなされ」
「のんのんばあは妖怪のことなら何でも知っちょる。
のんのんばあ、他にもこの子に何か話聞かせてやってくれんか」
「おや。やけにしげーさん今日は生き生きしちょるね」
いつもより何処か楽しそうな茂の姿に、何やら自分まで楽しくなって来る。
「そ、そげなこと無いよ」
「あんたも妖気を感じやすいのかも知れんね」
女の子を見つめるのんのんばあ。
「ほんなら次は人形の霊の話でもしようかいねえ」
「うん。聞きたい」

女の子の目が生き生きと輝いているのを見て、茂もちょっぴり嬉しくなる。
その日2人は烏が寝床に帰って行く時間まで、のんのんばあの話を聞いていた。

216 名前:しげーさんの思い出・11 mailto:sage [2010/06/05(土) 23:35:12 ID:Cv5tdzVU]
そんな日が何日か続いていた、学校からのある帰り道のこと。
茂がいつものようにのんびり下校していると、前方にあの女の子がいた。

「おーい」
呼び掛けながら走り寄る。
「ゲゲちゃん」
振り返るその顔はいつも通り可愛らしかったが、
いつも茂に見せるような笑顔は無く、何処か寂しげだった。
何となく不安になる茂。
「‥どげしたんだ。また何かされたんか?」

この子にはいつも笑っていて欲しい。
悲しげな顔など見たくは無かった。

「‥ううん、何もされちょらんよ」
「なら何でそげな顔しちょるんだ」
「・・・・・」
「黙っちょったら解らんよ」
暫くの沈黙の後、女の子が口を開いた。

「‥私、転校するの」
「転校?」
「東京行くの。もうこっちには戻って来れんて、母ちゃんが」
「‥‥‥!」
余りの急な話に、茂はただただ驚くしかなかった。
「‥いつだ?」
「‥明後日‥」
「‥そげか‥」

何処か重い足取りで歩みを進める2人。
2人の間にいつものような会話は無い。
その沈黙を破ったのは、意外なことに女の子の方からだった。

217 名前:しげーさんの思い出・12 mailto:sage [2010/06/05(土) 23:36:23 ID:Cv5tdzVU]
「‥ゲゲちゃん」
「‥ん?」
「私‥ゲゲちゃんやおばあちゃんのこと忘れんよ」
「・・・・・」
「私‥父ちゃんや母ちゃん以外の人とあんなに喋ったこと無かったよ。
あげに優しくされたことも無かったよ。大人し過ぎるけんいっつもからかわれとった‥」
「・・・・・」
「‥だけんいつも一人でお化けの絵描いちょった。
お化けは何も言わんでもすぐに友達になってくれるけん」

この子がいつもそんな気持ちで一人で神社で絵を描いていたのかと思うと、
堪らなく切ない想いが茂の胸を貫いた。

「‥でも、もうええんだ」
「?」
「もう友達はお化けだけでないけん。ゲゲちゃんもおばあちゃんもサヨちゃんも皆友達だけん」
その大きな瞳には涙が溢れていて。

「だけん‥‥‥もう寂しくなんかないけん!」
精一杯の可愛らしい笑顔に、大粒の涙がぽろり、と零れた。
茂の目にも涙が溢れる。
「‥‥ゲゲちゃん‥‥」
最後の声を振り絞って、一番伝えたかった言葉を茂に伝える。


「‥‥‥だんだん‥‥‥」

218 名前:しげーさんの思い出・13 mailto:sage [2010/06/05(土) 23:37:21 ID:Cv5tdzVU]
女の子が東京に行って数日後。
茂はいつものようにのんのんばあの家に遊びに来ていた。
縁側で足をぶらつかせながら遠い目で空を見ている。

「ええ天気じゃなあ、しげーさん」
のんのんばあがいつものようにサイダーを持って来てくれる。
「‥そげだな」
「おやおや。まーだ落ちこんどるんかね、この五年生は」
「‥別に落ちこんどらん」
のんのんばあが茂の隣に来て座る。
「しげーさん、心が重たいかい」
「‥‥ちょっこしな」
「‥前にも言うたじゃろ。人は人の心を貰うけん体も大きいなると」
「・・・・・」
「いろんな人の心を貰ったけん、しげーさんもこげに大きに成長したって」
「‥‥うん」
暫く沈黙が流れる。

「‥‥なあ、のんのんばあ」
「ん?」
「その中にはあの子の心も入っとるか?」
「‥ああ、入っとるよ。それからあの子の体にもしげーさんの心が入っとるよ」
「ホントかなあ」
「のんのんばあが嘘を付いたことがあるか!」
「ははは。分かっちょるよ」

サイダーを2人で分けながら、茂は一気にそれを飲み干した。

219 名前:しげーさんの思い出・14 mailto:sage [2010/06/05(土) 23:38:48 ID:Cv5tdzVU]
夕暮れ。
いつの間にか大分遠くまで散歩に出かけていたらしい。
下駄を引きずりながら、いつもの我が家へ戻って来る茂。
「おう。帰ったぞ」
「お帰りなさい!」
いつもの優しい妻の笑顔に自然とこちらも口元が緩む。
「ん?ええ匂いだな」
「今日はちょっこしご馳走ですよ」
「そげか。珍しいな」
「たまにはいいじゃないですか。手洗ってきて下さいね」
「ああ」

ちゃぶ台に座り、夕飯の準備をする妻の背中を茂はぼんやりと見つめていた。
アルバムで見た布美枝の幼い頃の姿とあの女の子の姿が自然と重なる。
あの子と布美枝が同一人物では無いこと位茂には分かっていた。
第一、年齢が自分と十も離れている妻があの子な訳が無い。

あの子はきっと今は、この東京の何処かで幸せに暮らしているだろう。
今はただそう思いたい。
布美枝の体を見ていると、ふとのんのんばあのあの言葉が頭をよぎる。

220 名前:しげーさんの思い出・15 mailto:sage [2010/06/05(土) 23:39:50 ID:Cv5tdzVU]
(「‥前にも言うたじゃろ。人は人の心を貰うけん体も大きいなると」)

布美枝は生まれて今まで人一倍人の心を貰って生きて来たのだろうか。

「‥だけんあんたの体はこげに大きいのかもしれんな」

茂が苦笑する。
「? 何か言いましたか?」
「いや、何も言うちょらん」

布美枝の笑顔とあの子の笑顔が重なる。
もうあの子には未練など無いが、ふいに思うことがある。
それは、あの子が大きくなったらきっとこんな女房になっているだろうなということ。


「この煮物、旨いな」
そして、こう言うだろう。

「だんだん」

目の前の妻が今日はいつも以上にずっと優しく見えた茂であった。


おわり



221 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/05(土) 23:43:58 ID:Cv5tdzVU]
以上です。
大量のスレ消費許してごしないorz
個人的に子供時代のふみちゃんとしげーさんを
絡ませてみたいという妄想の産物でしたw
のんのんばあ個人的に大好きなので
話に絡ませたいというのもあったのですがw

スレ汚し失礼しますた

222 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/06(日) 00:45:57 ID:LDgC1qe7]
>>221

> それからあの子の体にもしげーさんの心が入っとるよ

ここじわっときた
泣くとこじゃないかも知れんけど泣けた
ほんわかいい話だ なんか嬉しい
だんだん

223 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/06(日) 02:11:58 ID:RXERKQ4w]
>>221
力作GJ!
のんのんばあ、自分も好きだ
おばあも好きなんだが…今日の最後のナレーションに
ちょっこし泣きそうになったのは秘密だw

んで。自分的にはエロ無しでも全然おk
上にある浦木絡みのドタバタ話や、夫婦がイチャついてるだけの話とか…
てか、ゲゲゲの話なら大歓迎!щ(°Д°щ)カモォォォン
だから職人様方、投下お待ちしちょりますけん!

224 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/06(日) 08:18:58 ID:8mErdX0L]
泣いてしまいましたよ……力作をありがとうございます!
シゲェさん、心の優しいガキ大将だったんだろうなぁ、と想像していたので特に。



225 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/06(日) 09:47:38 ID:63ByYYxt]
優しい気持ちになりました
だんだん!

226 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/06(日) 14:29:27 ID:/trV76PV]
職人さん、今日も新作をだんだん!
しげーさんの優しさに泣けた・゚・(つД`)・゚・

自分は書けないけど、そのときになればスレたてなど
お手伝いさせてもらいますんで、どんどん投下してくだされ。

227 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/06(日) 17:22:41 ID:8mErdX0L]
シゲェさんも布美チャンも結婚するまでは経験は無かったよね…きっと。
今みたいに情報が溢れていた訳では無かっただろうから、色々、あっただろうなぁ…

228 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/06(日) 17:42:43 ID:BxsofHpd]
ゲゲはありだったらしい

男の場合は今よりずっとそういう所はずっとおおらか
悪所も今よりあちこちにあったし
軍隊入って無縁ってことはないだろう

女の場合は知識の入手が困難だろうなあ

229 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/06(日) 18:24:38 ID:4y5AYY87]
>>204
貧乏なうちはまだイチャイチャしてるところ見れそう。
でも漫画家として成功する辺りから殆ど見れなくなりそうで嫌だな。

230 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/06(日) 19:15:20 ID:8mErdX0L]
あ、でもすれ違いの生活で
「シゲェさん、アタシ寂しいの(′゚ω゚`)シューン」な布美チャンに萌えちゃったりする



231 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/06(日) 19:55:01 ID:punCxmJi]
>>228
フミちゃんは兄弟いたし家事手伝い歴長いから兄弟の部屋の片付けついでに当時のエロ本らしきものちょっこし目にしたことあるかもしれんよw
あと、ねーちゃん達が里帰りした時に猥談とかw

アキ「うちのだんなったらね…w」
ユキ「うちだってw」
フミ「そげなこと…想像もつかん…きゃw」
アキ「フミちゃんだっていずれお嫁行くんだけん」
ユキ「そーよーよく聞いて勉強するんよー」
フミ「////」



数年後
フミエ帰省する
フミ「うちの人ったら…w」
アキ「そげなところでー!」
ユキ「そげに激しいー!」
イズミ「ムッハーww」


232 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/06(日) 20:35:42 ID:ZOzYb7Dl]
イズミwww

233 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/06(日) 22:42:04 ID:CGoyhqp6]
四姉妹楽しそうだなww

234 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/06(日) 23:00:56 ID:jO6/yeLB]
イズミって洗濯機と冷蔵庫ではしゃいでた子かw楽しそうだな。

235 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/07(月) 01:14:00 ID:dAf6qDXf]
今回は幻になったクリスマスのホットケーキが見たかった。

去年もホットケーキでイチャイチャクリスマスを過ごしてそうだw
源兵衛の蜂蜜もあったことだしw

236 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/07(月) 01:20:17 ID:LTiCCA1E]
>>235
なるほどーwだから茂さん嬉しそうだったんですねw

みなさん
いつも温かいお言葉ありがとうございます
だんだん♪

今週分の録画見てたら、また性懲りもなく書いちゃいましたorz
エロなしですが
よかったら

237 名前:こんにちは赤ちゃん1 mailto:sage [2010/06/07(月) 01:23:17 ID:LTiCCA1E]
第10週
こんにちは赤ちゃん
第60回


「おいっ帰ったぞ」
「あなた。おかえりなさい」
「…んっ?ちゃぶ台どげした?あげなところに」
「すんません。いま、靖代さんが来て、マッサージしてくれてたんです」

〜・*・〜・*・〜・*・〜・*・〜

「ほぉーそげか。そんだったら揉んでやる。ちょっこし座れ」
「帰って来たばかりですけん。ええですよ」
「ええから座れ」
「はい」
「ここか?」
「…うーん。ちょっこし下かな」
「ほんならここか?」
「はい。はぁ〜気持ちええです」
「そげか。…こんな、ふとぅなって…大根の妖怪みたいじゃな」
「まっ!ひどいっ」



238 名前:こんにちは赤ちゃん2 mailto:sage [2010/06/07(月) 01:24:35 ID:LTiCCA1E]
「…………悪かったな…」
「えっ?」
「あんたが辛かったん気付いてやれんかった」
「……あなた……あっ!」
「んっ?」
「いま、赤ちゃん動いたっ!ポコポコお腹けってます」
「おぉそげか。元気でええ」
「あなた触ってみてください」
「んっ…俺はええ」
「ええからっはようっ」

「んっ…おっー動いちょる」
「はい。もぅ声も聞こえちょるそうです。なにか話してやってください」
「おおー…………………………んっ…あー…………」
「もぉー…【お腹さすりながら】パパは照れ屋さんですねぇ」
「パパー?!!!パパは、いかん!////背中がこぞはゆーてかなわん!」
「(そげに照れんでも。クスクス)…いけんですか?じゃーこの子になんて呼ばせるんです?」
「…父上…」
「……本気ですか?」
「あぁーもぉーいまのはなしじゃ!!んー考えとくけん!」
「はい。クスクス…お願いしますね」



239 名前:こんにちは赤ちゃん3 mailto:sage [2010/06/07(月) 01:25:31 ID:LTiCCA1E]
「だらっ!今は、マッサージだろうが!」
「はい。すんません。クスクス」

「………しかし…なんだ…しばらくせん間に乳ぃ膨らんどらんか?」
「えっ?…あ…もぉー////」
「んーっ…わしが揉んでもピクリともせんかったのに…」
「ちょっ!!なにゆうちょるんですかっ!////もぉー」
「あはははっ」
「うふふふっ」




240 名前:こんにちは赤ちゃん4 mailto:sage [2010/06/07(月) 01:26:21 ID:LTiCCA1E]
〜・*・〜・*・〜・*・〜・*・〜


クリスマスイヴ

ほぎゃーほぎゃー
「生まれたっ!生まれたぞっ!!」


「大丈夫か?」
「はい」
「よう頑張ったな」
「はい」
「ご苦労さん…………………おかあちゃん」
「………だんだん……………おとうちゃん」


ちゃんちゃん♪



241 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/07(月) 01:51:39 ID:El94+uq2]
>>237
フハッ!イチャイチャ夫婦ktkr!!
ふみちゃんの乳の成長に目敏いゲゲルにワロタw
職人様いつもだんだん!

ホットケーキ話、自分も読みたい!どんぐり拾い話も
あとお風呂ネタマダー(AA略

242 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/07(月) 02:22:00 ID:mAxIoGOE]
ボインは〜お父ちゃんの為にあるんと違うんやで〜♪

243 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/07(月) 12:00:50 ID:J6b+TjOk]
>>191
言葉使いもドラマの雰囲気に合ってるし、萌えポイントしっかりwww
凄く良かったです♪♪♪

>>228
本物の茂さんはわからないけど
ドラマのゲゲルはかなり童貞っぽいw
深大寺の頃までは目が合うだけでも照れてたし

244 名前:藍子 7才 mailto:sage [2010/06/07(月) 12:42:11 ID:LTiCCA1E]
1ねん1くみ
むらい あいこ

きょうは、ちちのひなのでうちのおとーちゃんのさくぶんかきます

うちのおとーちゃんは、まんがかさんです
まんがかさんは、おうちでおしごとするから、おとーちゃんまいにちおうちにいます。

こないだうんどうかいのれんしゅうでころんだから
「うんどうかいいやだなー」と、わたしがいったら
「おとうちゃんは、うんどうかいすきだ」と、いいました。
「おとーちゃんおてていっこしかないのにすきなのー?ころばんのー?」と、きいたら
おとーちゃん「おとうちゃんは、まいにちおかあちゃんとおふとんでうんどうかいしとるんよ」と、いいました

うちのおとーちゃんすごいなーとおもいました



245 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/07(月) 17:41:41 ID:cO+xQ5sb]
>>237
だんだん!
靖代さんマッサージのその後気になってたから、読めて嬉しいw
やっぱりゲゲルはフミちゃんのあっちの成長を気にしてるんだなw

>>244
藍子ちゃんwwww

246 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/07(月) 19:41:37 ID:WsWhWUIY]
>>244
そうきたかw

247 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/08(火) 00:00:26 ID:drVTb/VB]
>>242
月亭可朝乙

248 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/08(火) 00:44:37 ID:xXaJXg0l]
>>244
藍子タンwww
つか子供に何てことを自慢するんだゲゲル親父www
フミちゃん毎日ご苦労様っす(゚д゚)ゞ

あと、妊娠中でも安定期(5ヶ月〜)に入ったら
セクロスしても大丈夫らしいので…頑張って頂きたい
色んな意味で

249 名前:おとーちゃんとあいこ mailto:sage [2010/06/08(火) 01:17:23 ID:QNy+RQW4]
「きょう、がっこうで『あいこちゃんのおとうさんもおかあさんも大きいから、あいこちゃんも大きくなるね』っていわれたー!わたしも大きくなるー?大きくなりたーい!」

「おぉそげか。藍子は、きっと大きくなるけん。好き嫌いしないでたくさん食べろ」

「ほんとーおとーちゃん?わぁーいわぁーい!おかーちゃんみたく大きくなるー!」

「だけん。大きいおかあちゃんもかわいいけんど、小さいおかあちゃんもかわいいんやぞ」

「ちいさいおかーちゃん???」

「おとうちゃんとおかあちゃんが結婚したばかりの頃、夜おとうちゃんが、おかあちゃんの布団めくると、おかあちゃん子猫みたいに体丸めてプルプル震えてるんがかわいくてなー」

ひゅーん
がしゃーん!
ピュー

「おとーちゃん。おかーちゃんがなげたやかんあたまにあたって、ちぃーでとるよー」

「はははっ。おかあちゃん藍子産んでからほんにたくましくなったなー」

250 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/08(火) 01:21:05 ID:QNy+RQW4]
>>244>>249
立て続けに駄作すんません!!
>>244昼休み終了3分前にどーしても書きたくなって(^_^;)



251 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/08(火) 13:40:26 ID:437PY8tg]
シゲさん、娘相手にノロケはいけんわーwwwだがGJw

252 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/08(火) 14:26:02 ID:stE15gS+]
今日、浦木が本持ってくるシーン>>179思い出してニヤニヤしてしまったww
>>250
GJ!お疲れ様です。
やかんの音ワラタww
茂=犬、ふみちゃん=猫だなw
2人ともカワエエ。でかいけどw

253 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/08(火) 20:48:49 ID:fC8ZOH+P]
>>252
そして、

和枝「『妻の心得』もいいけど、あんまり神経質になる事ないよ。
   うちなんかオトコ3人、何から何まで全部違ったんだから」
靖代「(フハッ!)はね、参考書どおりにはいかないの。何かあったら
   うちらに聞きなさいよ。大概の事は経験してるんだから」
徳子「靖代さんの(フハッ!)経験じゃ ちょっと古いわよ」

ですね、わかりたくもありません。

254 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/09(水) 04:29:37 ID:v4m2/6SD]
>>253
(フハッ!)にワロタw

子育ての、人生の先輩達から色々と学んだふみちゃんが
しげぇさんを喜ばせてくれる日は、そう遠くないだろうw

おとうちゃん・おかあちゃんになったけど
まだまだ二人のイチャコラが見たいぞー!щ(゚Д゚щ)クワッ

255 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/09(水) 20:31:23 ID:DROTS3ul]
今日の放送分
切ないエアお雛様シーンなのに、不覚にもエアあーんに萌えてしまったorz

256 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/09(水) 20:43:20 ID:SILcyyvC]
>>255
自分も恥ずかしながら夜、エア酔っ払いのおとうちゃんが「酔った酔った〜」とか言いながら
おかあちゃんの布団に潜り込むの想像してもた

257 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/09(水) 22:20:13 ID:v4m2/6SD]
>>255>>256
ナカーマ達(・∀・)人(・∀・)ハケーン!
ほのぼのと言うにはあまりに切なくて
朝飯が喉を通らなかった…

>>256
おとうちゃんならマジでやりそうwww
てか、ソレすげー読みたい!!!
反対に、おかあちゃんが酔っ払ったフリして
おとうちゃんに甘えるのも良いなぁ…
おかあちゃん、いっつも頑張ってるんだもん…
たまには甘えさせてあげたいよ

258 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/10(木) 11:12:18 ID:Q9dw2XJt]
179です。
本編の方はなにやら不穏な感じですが、
浦木騒動の続きを書きましたので空気読まず投下します。
糖分増量してみましたが、(フハッ!)には程遠く、
非エロの初初夫婦コントです。
よろしければ。

259 名前:夫の心得1 mailto:sage [2010/06/10(木) 11:13:27 ID:Q9dw2XJt]
ある日茂が外出から戻ると、布美枝が一心不乱に本を読んでいるところだった。
茂が入ってきたのにも気付かない。

「おい」
「はい!」
布美枝はとびあがった。

「か、帰っとられたんですか。
ああ、びっくりした。」
さりげなく後ろに本を隠すようにしている。
「お帰りなさい。」
少し顔を赤らめ、明らかに挙動不審だ。

女房と本、というとり合わせに、嫌な記憶が蘇った。
まさかと思いつつ、
「その本はなんだ。」
「あの、ちょっこし、美智子さんのところでお借りして…。」

―その手があったか!

浦木を追い返して済んだ気になっていたが、こんなところに思わぬ伏兵がいたとは。

「ちょっこし見せてみい。」
「でも…。」
布美枝はしばらく俊巡していたが観念したのか、茂の方に表紙を向けて本を差し出した。

「なんだこれは」
気の抜けた声が出た。
それは、乙女チックな装丁の、どうやら翻訳された小説のようだった。
「何だと思われとったんですか?」
「てっきり…こないだの浦木の本かと」
ほっとするあまり本音が出てしまう。
布美枝は気まずげに、
「実は…浦木さんの本も、美智子さんに仕入れてもらえるようたのんどったんです」

「!」

新たな攻撃に、茂は言葉もない。
「美智子さん、最初はとっても乗り気で、任せといて!と言っとられたんですが…。
でも結局、仕入れはしてもらえんかったんです。」

九死に一生である。

260 名前:夫の心得2 mailto:sage [2010/06/10(木) 11:14:44 ID:Q9dw2XJt]
それが、仕入れのできんかった理由を聞いてみたら、美智子さんものすごく言葉につまっとられて…
夫婦で協力して、とか、まずは水木先生に色々と教えてもらって、
とかよくわからないことをつぶやかれてました。
どげされたんでしょうね?」

「あーそれは、ほれ、あれだ。
あんたが楽しみにしとったから、きっと悪いと思われたんだろう。」
とぼけるしかないのが情けないが、伏兵はどうやらこちらの味方だったようだ。

「そげですね。
私があんまりがっかりしとるんで、美智子さんが代わりにこの本貸してくれたんです。
ふみえちゃんの好きそうな、ロマンチックな本なのよ、って。」
こみち書房の女将もうまく説明できず、さぞ困ったことだろう。
茂は噛み合わない二人のやりとりを想像して、おかしくなった。

「あっ、やっぱりわらっとられる。
ええ年して、恋愛小説で喜んでって。
だから隠れて読んどったのに…。」
「いや、そうでなくて」
また見当違いのことで口をとがらせている女房をごまかすために、
あわてて右手で細い肩を引き寄せた。

「恋愛小説くらい、いくらでも読んだらええ。
わしはそういう本にでてくる男みたいに、気の効いたことはいえんしな。」
布美枝は茂の心臓のあたりに頬をあて、しばらくじっと固まっていたが、やがてぽつりとつぶやいた。

「言うてくださっとりますよ。」
「え?」
「あなたの手が、言うてくださっとります。」
「手?」
布美枝は小さくうなずき、
「口では何も言われんけど、この手に触れられるたびに、
あなたの気持ちが伝わってくるような気がするんです。
ちゃんと大事に思って下さっとるって、わかっとりますから…。」
恥ずかしくなったのか、だんだん声が小さくなる。
押しつけられた顔が熱い。
「そげか」
「はい」
自分の手がそんなお喋りだとは知らなかった。

―しかし触れられるたびって、どんな場面のことをいっとるんだか。

この女房は、無意識に夫を煽っている事にも気付いていないのだろう。
お喋りな右手は、布美枝の背骨を辿っていく。
布美枝はびくりと跳ね上がり、顔を上げた。
「もお…ふざけんとって下さい。」
まっ赤な顔でこちらを見上げ、抗議してくる。
「いや、今もつたわっちょるかと思って」
笑いながら背を支える手に少し力をこめ、こつんと額を合わせた。

布美枝はもう何も言わず、じっとしている。
二人の吐息が混じりあう。

―甘いな。

茂は甘い吐息の源にそっと唇をよせた。




261 名前:夫の心得3 mailto:sage [2010/06/10(木) 11:15:56 ID:Q9dw2XJt]
「こんにちはー!皆様の浦木が参りましたよー!
あれっ?なんだなんだ、二人してこんな狭い部屋でそーんなに離れて座って!
相変わらず淡泊な夫婦だなあ〜!」

「い、いらっしゃい、浦木さん。」
「ん?奥さん顔が赤いですよ?
いけませんな〜、今は悪い風邪がはやっとりますからね〜。」

「…お前何しに来たんだ。二度と来るなと言っただろう。」
いつもの五割増しで茂から立ち上る怒気に、さすがの浦木も後ずさる。
「ええっと…そうそう!こないだの妻の心得!なかなか評判がよくてなー。第二弾を作ったん
だ!」
「第二弾?」
「その名も夫の心得だ!」
じゃーんとばかりに本をだした浦木の腕を、無言で掴んでいつものように放り出す。

「ちょっとまてって!
こんどは前回と趣向をかえて、口下手な夫に救いの手を!
ロマンチックな愛情表現の手法だぞ!」

一度閉められた扉から突然茂が顔を出した。

「この本はもらっとく」
浦木の掲げた本がひょいと取り上げられ、またしても鍵の閉まる無情な音が響く。

「ってええー!本だけ?俺は?
おかしいなー、俺としたことが最近負け続きだ…。
ま、ゲゲがあの本を気に入ったら漫画のページ使って宣伝させてやるからいいか…。」


その夜、閉めきられた仕事部屋では。
「浦木の頭は絶対膿んどるな…。
まず花を贈れ?次に片膝をついて、あ、愛してますと言えだとー!
だらっ!できるかっ!」
夫の心得を開いてみるも、とても自分には出来そうにない事ばかりで、
茂は頭をかきむしるのであった。

その頃襖を隔てた隣では、布美枝の読書も全く進んでいなかった。
「…昼間あげに言われとったけど、
うちの旦那さまは、自分がどんだけ甘いことやっとるか気付いとらんのだわ…。
あー心臓がもたーん!」
いろいろ思い出し、真っ赤な顔を本に伏せじたばたと照れる布美枝の前で、
一反木綿まで恥ずかしそうに身をくねらせていた。

オワリ

262 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/10(木) 13:16:15 ID:+f6s8+uC]
(*^Д^*)

263 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/10(木) 15:32:55 ID:+f6s8+uC]

「……ンー いいお天気…」
洗濯竿に並んだ洗濯物が風を抱いて揺れる。
洗濯籠を手に玄関に入ると、茂の仕事部屋から時折話し声が聞こえる。
「……でな、こいつはベトベトサンといって……」
布美枝がそっと仕事部屋を覗くと、茂が胡座の上に藍子を座らせ、自分の描いた絵を見せなが
ら、何やら話し掛けていた。
「でもな、こいつは悪い奴では無いぞ。そっと道を譲ってやると消えてしまうんだ…」
「 …アー、…ンーマ……」
「オー、そうか、わかるかー」
茂の話し掛けに相槌を打つ様に、藍子が声を出す。
“お父ちゃんったら… まだ藍子には分からないわよ …もしかして親バカ?”
そう思いつつも邪魔をしてはいけない気がして、少しの間、2人の掛け合いを静かに聞いていた。

264 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/10(木) 22:18:07 ID:s34ckjAf]
こんな萌えスレがあったとは…皆様gj
きっと霊園遭難しかけたゲゲを温めるのはフミエさんの人肌

265 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/10(木) 22:29:12 ID:BcPZfmua]
うp途中?(>>263)に割り込んではいけんと思ったけど
だいぶ時間あいてるし大丈夫かな


>>259-261
GJ!!!!!
セリフの1つ1つがそれぞれの声で完全脳内再生される!
萌えすぎてPCの前でゴロゴロ悶えてる自分キモスw

266 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/10(木) 22:59:25 ID:E3aynYZd]
>>259
GJ!禿萌えたw
今日「テレビぴあ」で浦木が村井夫婦の前で紫の表紙の本を持ってる写真見て
「もしや妻の心得?」とニヤニヤしたばかりだw

夫の心得はちゃっかり貰う茂ワロスw
あと、主題歌の「♪繋がれた右手が〜まっすぐな思いを〜」の部分を思い出して
ジーンとしました。

267 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/11(金) 00:02:32 ID:4qsINcZ4]
>>259
萌えた!!GJ
浦木がこんなに役に立つとは思わなかったわー

しかし最近、フミエがちょいちょい茂にくだけた口調になってきてるのが自然でいいなあ

268 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/11(金) 00:36:25 ID:S9zy867A]
>>259
だんだん!浦木もナイスアシスト!

茂さん、左腕がないハンデを全く感じさせない人なんだ
夜のお喋りな右手の話もよろしくおながします

>>264
「いかん、お父ちゃん身体が冷えきっとる…」ですね分かります

269 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/11(金) 01:14:48 ID:HBe82FOk]
クエスタで布枝さんにヒゲ剃られてる水木先生がちょっと映ってたね。いやーんいやーん、ううーっみたいな顔が可愛かったw
爪切りに続いて、あれもドラマでやらないかな。

270 名前:263 mailto:sage [2010/06/11(金) 06:53:16 ID:Ulqzw3/6]
近所で火事があって、停電しちょりました…orz

途中のデータも吹っ飛びましたorz またあとで投下します………



271 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/11(金) 07:01:09 ID:oem//3Oa]
それは残念な!

投下待っちょります!!




272 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/11(金) 09:32:50 ID:akbeBh0B]
ナ・ナンダッテー(AA略
まあ…お体ご無事で何より…データは勿体ないけど(´Д⊂)
でも>>263の作風、すごい好きだから
楽しみに待ってます!

273 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/11(金) 20:17:00 ID:5FlBna6N]
このスレの見すぎなせいか
今日の放送分でローソクが消えてフミちゃんが星空眺めてる時
次の瞬間、ゲゲがフミちゃんを押し倒すシーンが脳内再生されたw

274 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/11(金) 21:40:44 ID:GeEp6BPl]
ナカーマw
おお、ゲゲが押し倒す展開がくるのか!とちょっとwktkしちゃったぜ
あれはもう絶対に

ゲゲ押し倒す
「な、何するんです?お父ちゃん」
「ろうそくの火も消えてしまったけん、今日はもうオシマイだ」
「…ッあ、ちょ、ま、待って。ま、窓あいちょるんですよ!」
「どうせ隣は墓場だし、誰もきいちょらんだろ、いいから素直に横になっとけ」
「もうッお父ちゃんたら」

みたいな展開だとばっかり……


275 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/12(土) 00:35:18 ID:/TXJYvXs]
おおおおお
ぴったりですなあw
出来たら続きなんかもよろしくおねがいしますだwww

276 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/12(土) 01:08:19 ID:1WQ7YuMc]
いい感じになったところで、窓から
「私、大蔵省の者ですが…」

277 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/12(土) 01:46:04 ID:UHUZvbs9]
邪魔するな大蔵省wしかし普段も貧乏神は部屋にいるし、じーっと見てそうだな。

278 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/12(土) 03:03:52 ID:hVtNyP10]
しかし呼び名がお父ちゃんになったのがつくづく残念だ
二人の時だけはあなたに戻ってくれんかのぅ

279 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/12(土) 05:15:25 ID:fHLDEfo7]
極貧でもアレだけ仲むつまじくいられるのは
夜の仕事が充実してるお陰だ。
金も無い娯楽と言えば、SEX以外ないでしょ。
39歳で絶倫ですな水木先生。
まあ腕っ節も強いみたいだし、漫画にはエロスを感じるし大人漫画では
露骨に勃起描写まである。
健全ですな。

280 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/12(土) 09:23:23 ID:1U+qM67p]
>>278
ドウイ。
名前で呼び合うのは無理だとしても、
2人っきりのときは「あなた」「お前」って呼び合ってほしい。



281 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/13(日) 04:02:10 ID:Z9/dMDSd]
ゲゲゲ好きが高じて?初めて書きました。
藍子ちゃんも生まれて半年経っとるというのに、
今さらナンですが、初夜編を・・・。

282 名前:1 mailto:sage [2010/06/13(日) 04:04:17 ID:Z9/dMDSd]
今日、なのだろうと布美枝は思っていた。

戌井が帰ったあと、間借り人の中森も賄いに礼を言って二階へ戻っていった。
茂が風呂に入っている間に、布美枝は布団の準備をしていたが
その手は小刻みに震え、心ここに在らず、
心臓が喉から出てきそうなほどぎゅうぎゅう胸が高鳴った。

茂と結婚、東京に出てきて約半月。
締め切り締め切りと日々まともに話しさえできなかった。
布団を敷いておいても、朝起きると茂は仕事部屋で机に突っ伏しているか、
そのままごろりと横になって寝ているかのどちらかだった。
そんな中で、床を共にするなど当然なかった。
そういえば覚悟して臨んだ新婚初夜でさえ、
少しの間話はできたものの、
結局酔いつぶれた茂が眠ってしまって何事もなかったのだ。


しかし、今日、と布美枝は改めて思った。

よかれと思ってやった仕事部屋の掃除から、
茂の思わぬ不興を買ってしまい、布美枝はひどく落ち込んだ。
帰って来ない茂を待つ間、本当に不安で仕方がなかった。
が、戻ってきた茂から自転車をプレゼントされ、
二人で出かけ、初めて色々な話ができた。
布美枝は、茂という夫に少し近づけた気がしていた。

茂を追い立てていた原稿は上がり、
夫婦につかの間のやすらぎの時間ができたのである。


「あんたも入ってきたらええですよ」
「えっ!」

いつの間にか風呂から上がった茂が立っていて、布美枝は飛び上がった。

283 名前:2 mailto:sage [2010/06/13(日) 04:05:51 ID:Z9/dMDSd]
「あ、は、はいっ」

そそくさと出て行く布美枝を見送りながら、
茂は頭をぽりぽり掻いて、ちらりと布団に目を落とした。
やはり、今日、なのだろうと茂も思っていた。

親に強引に進められた結婚だったが、
結婚した以上はそれなりの生活があって然るべきなのだろう。
布美枝の「ここで暮らしていくんですけん・・・」の言葉が思い出される。

独りで居たこの家が、中森の同居はともかく、
少し賑やかになったのは間違いなく布美枝という存在の所業だ。
今日の深大寺の散策も、墓めぐりも
全部独りで楽しんでいたことなのだが、
二人で、というのも存外悪くないものだと思った。

締め切りも何とか乗り越えた。
明日からは富田のオヤジに頼まれた戦記物の漫画に取り掛からなければならない。
今夜くらいはゆっくり・・・
とまた、布団に目をやる。

「・・・」

また頭をぽりぽり掻きながら、茂は布団ではなく仕事机に向かった。
とりあえず布美枝が戻ってくるまで、次回作の案を練っておこうと思った。
そうしなければ、他の想像力にかきたてられ、
居ても立ってもいられなかった。

284 名前:3 mailto:sage [2010/06/13(日) 04:07:29 ID:Z9/dMDSd]
布美枝が緊張した足取りで風呂から戻ったとき、
茂は仕事机に向かって何やらブツブツ言いながら鉛筆を走らせていた。

ああ・・・。
この人はやはり仕事のことしか頭にないのだ・・・。
布美枝は少しがっかりした。
壊れるくらいに高鳴ってどうしようもない心臓を抱えて、
ひとり緊張していた自分に脱力していた。

小さくため息をついて、布美枝が長い髪から落ちる雫を丁寧にふき取っていると
茂が大きくクシャミをした。

「大丈夫ですか?半纏、着たらどげですか?」
「ああ、えっと」
「あ、こっちに」

居間に投げ出されてあった茂の大きな半纏を持って、
布美枝は茂の机に近づく。
机上のスケッチブックには飛行機や戦艦のラフスケッチがあった。

「・・・すごい!何も見んでもこげにキレイに描けるんですね!」

身を乗り出した布美枝に、茂もまんざらでもない風で
「まあ、描き慣れとりますけん」
「次に描く漫画ですか?」
「そげです。戦記物を頼まれました」
「戦記物・・・」
布美枝にはあまり漫画のことはよくわからなかったが、
引き続きスケッチブックに絵を生み出していく茂に、
心底感心して、しばらくその様子を見ていた。

すると茂がそのままの体勢で「・・・今日はすまんでしたね」とつぶやいた。

「怒鳴ったりして」
「そんな、あたしこそ、余計なことして」
「・・・」
「・・・」

会話が、途切れてしまった。

布美枝の心臓がまた、早鐘を鳴らし始める。

285 名前:4 mailto:sage [2010/06/13(日) 04:08:54 ID:Z9/dMDSd]
仕事机から布美枝に向き直った茂は、
ぎゅっと口を一文字に引き締めて俯いている布美枝に、
どう声をかけようか、しばし戸惑った。

どう考えても、この女房は29年間男を知ることがなかったわけで。
そして、やはり自分と同じように、
今日がその日なのだろうと思っていて、自分なりに覚悟を決めているようで。

「緊張」を全身で物語っていて、少し可笑しくなった。

「ははっ」
「・・・えっ?」
「や、ずいぶん肩に力が入っとると思って」
「え・・・え、や、えっと」

真っ赤になった布美枝の左腕を軽く掴んで、
茂はそっと、唇を近づけた。

とたんに布美枝ははっとして、急いで俯いた。

茂の唇は目的地ではなく、布美枝の額に、落ちた。

「・・・」
「あっ、す、すんません!」

さっきよりさらに真っ赤になって額を押さえる布美枝を見ながら
茂ははははっと笑った。
それから、少し、また沈黙があった。

沈黙を破ったのは、意を決したかのような布美枝の声だった。


286 名前:5 mailto:sage [2010/06/13(日) 04:10:02 ID:Z9/dMDSd]
「あ、あの、あたし!・・・その、なんも、わからんのです。どげしたらええのか・・・」
「・・・」
「女房ですけん、その、コトは、ちゃんとせんと、と思うんですけど、
 いざ、となると・・・どげな顔して、どげしたらええのか・・・」

だんだん小さくなる声と、だんだん小さくなっていく身体、を
茂はそっと近づいて、右腕で抱き寄せた。
電信柱の面影もすっかりなく、布美枝はすっぽり茂の腕に収まった。
どき、どき、どき、どき
声はもう、出ない。
すると茂の落ち着いた声が、布美枝の背中から聞こえた。

「まだ半月ですけん、嫌なら嫌、と言うてくれたらええです」
「え・・・」

そして、抱き寄せる手を離し、体勢を元に戻すと、布美枝をじっと見つめた。
布美枝はそんな茂をしばらく見ていたが、慌てて俯いてしばらく黙っていた。
が、やがてかすれた小さな声で

「いや・・・じゃ・・・ない、で、す」

その言葉に押されるように、茂の右手が布美枝の長い髪を撫で、
ゆっくり、顔を近づけてきた。
布美枝はもう俯くことなく、茂の唇を自分のそれで受け止めた。

触れる。一度。
二度目。
角度を変えて、三度目。

少し離れたあと、今度は頬に。
そしてまぶた、鼻、反対の頬。そして、四度目の唇。

鼓動が尋常でないほど音を鳴らすので、
布美枝は息苦しくなって「はっ」と喘息した。
その瞬間を、茂は待っていたかのように逃さなかった。

開いた口のわずかな隙間から、舌を割り込ませる。
布美枝はびっくりして思わず茂から身体を離そうとしたが、
茂の腕ががっちりとそれを止めて、深い口づけを続けた。

287 名前:6 mailto:sage [2010/06/13(日) 04:11:40 ID:Z9/dMDSd]
やがて唇は離れたが、布美枝はぼーっとしてしまっていた。
絡まった舌の感触がまだ残っている。
そんな布美枝を見て、茂はぽりぽり頭を掻いて、
居間に敷いてあった布団を一組、ずるずると仕事部屋に引っ張ってきた。

襖を閉めると、後ろから布美枝を抱きしめた。

はっとした布美枝はまた肩に力をこめたが、
今度はその肩あたりに茂の唇が降りてきて、また脱力する。

長い髪をよけ、首筋からゆっくり肩にかけて舌を這わした。
布美枝はぞくっと身震いをする。
その間、茂の右手は布美枝の寝巻きの帯をゆるめ、
合わせ目からそっと寝巻きの中へ進んでいく。

ふたつの丘陵のうちひとつを揺さぶると、布美枝の口から息がもれる。
その先端をすこし弄んでみると、また恥ずかしそうに嘆息した。

二人はゆっくり身体を布団に沈めていった。
茂は左肩で身体を支え、右手は布美枝の左胸を、口で右胸を愛撫した。
布美枝は初めての感触に緊張もしたが、やがてその快感に酔いしれていく。

布美枝が閉じていた目をそっと開けると、自分の胸に吸い付く茂の顔が見えた。
また鼓動が一段と大きく跳ねた。
するとその茂と目が合い、まるで「見るな」とでも言う風に、
また深い口づけをされた。
息が、できないほどの。

「はっ、は・・・ぁ」

絡む舌、揉みしだかれる胸、
ふと、腿のあたりに当たる硬い感触。
布美枝の心臓はまた何度目かの跳躍をした。

288 名前:7 mailto:sage [2010/06/13(日) 04:12:25 ID:Z9/dMDSd]
まるで邪魔者のように、茂は自らの寝巻きを脱ぎ捨てた。
実家の兄や弟の裸でさえまともに見たことがなかったけれど、
こうも男の身体とは美しいものなのか、と布美枝は思った。

残念ながら、左肩のすこし先からはぽっかりと空間になっていたけれど、
分厚い胸板と、太い右腕、くっきり浮かぶ鎖骨。
このままうっとり見ていたかったが、またしても「見るな」という口づけ。

何度も受けていると慣れてくるもので、布美枝もその口づけに応戦していると、
今度は茂の手が布美枝の内腿をなで上げ、そして秘所へと向かっていく。

恥ずかしさにあせる布美枝は、茂の肩を全力で押し上げてみたがびくともしない。
茂の中指が下着の上から布美枝の割れ目を確認し、
そして次の瞬間には下着の中に手を入れ、直に攻めてきた。

「やっ・・・!」

さすがに抵抗した布美枝だったが、茂の指は入り口を探し当て、そっと入り込んでくる。
中を確かめるように蠢く指に、布美枝は背中をのけぞらせた。
「あっ・・・ぃや・・・」
遮るように茂の唇に布美枝の声が吸収された。

鼻からもれる、布美枝の声にならない声と、
布美枝の泉から聞こえてくるクチュ、クチュ、という音。
時折、茂がもらす息苦しそうな喘息。

しんとした冷たい部屋に、それだけの音がしばらく続いた。

289 名前:8 mailto:sage [2010/06/13(日) 04:29:35 ID:Z9/dMDSd]
どのくらいそうしていたか、やおら茂が上体を起こし、
布美枝の脚に手をおいてそっと開かせた。
布美枝はどきりとして、ぱっと脚を閉じたが、
それを見た茂が、今度はそっと、一度目のときのような口づけをしてきた。

唇を離した茂は、少し困ったような表情をしていた。
布美枝は伺うように茂を見つめる。

「・・・ええか?」

小さくうなずいた。布美枝は目を閉じて、茂に任せるしかなかった。

やがて、ぎゅっ・・・と。

布美枝の茂みを分け入って、茂自身が入ってきた。

「いっ・・・!」

先ほどまで遊ばれていた指とは比較にならないほどの大きさのものが、
布美枝の中に入ってこようとする。痛みが、走る。

茂の背中に必死にしがみついて、布美枝は痛みに耐えた。
ゆっくり、確実に進んでくる茂自身を感じながら。
その間も、茂は布美枝のまぶたや耳に、口づけをくれた。
まるで労うように・・・。


やがて、ぴたり、と茂の動きが止まり、ふう、と息を吐いたのがわかった。

「全部、入ったけん」
「・・・あぁ・・・は、い」
「ちょっこし、動く」

言うなり、ゆっくり腰を動かし自身を抜き差しし始める。
また痛みのあまりに茂の肩を掴んで、涙目になった布美枝だったが
茂は優しくその涙を吸い取ってくれた。

「はっ・・・はっ、はあっ」
「あ・・・っ、あ・・・あ・・・」

動きに合わせて、二人の呼吸が重なっていく。
部屋には、火鉢の暖しかなかったが、二人はすでに熱に乱されていた。

290 名前:9 mailto:sage [2010/06/13(日) 04:55:30 ID:Z9/dMDSd]
やっと布美枝の痛みがやわらいできたころ、
「もう・・・終わる・・・」
茂が苦しそうにつぶやいた。

やがて、どくっと布美枝の中で茂が脈打ったのが分かった。

「はあ、はあ・・・」
「あぁ・・・はぁ・・・」

しばらく二人は折り重なって息を整えていたが、
茂が布美枝に軽く口づけると、そっとその身体を離した。

照れくさそうに、そそくさと寝巻きを回収する。
布美枝も脱がされて行方不明になっている寝巻きを探した。

「ああっ」
思わず、布美枝が叫んだ。

「え?」
茂がびっくりして振り返る。

「シーツが・・・」
見ると、うっすらシーツに血がにじんでおり、
二人の愛液がまざってびしゃびしゃになってもいた。
この様子だと、敷布団も被害にあっているであろうことは想像できた。


「どげしよう・・・換えがない・・・」
シーツも布団も、二組しかない。
寝巻きも羽織っただけの布美枝が呆然としていると
「ちっと狭いが、一組で寝たらええでなーですか」
「え・・・」
「寒いし、ちょうどええ」

にっこり笑う茂を見て、今さらながら布美枝はまた、
顔を真っ赤にして俯いてしまった。

その日の夜は、二人一組の布団で狭いながらも一緒に寝た。
布美枝は茂の右腕を枕に、幸せの中で眠りについた。

おわり


失礼しました・・・。



291 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/13(日) 09:12:31 ID:KeVO0vKd]
>>18
きゃぁぁ!最高に上手ですけん!ドキドキしちょ〜けん。またいろんなパターンで書いてごしない。だんだん!!

292 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/13(日) 12:55:23 ID:XGuOaT28]
>>290
実はリアルタイムで拝見していたのですが
PCの調子が悪く、すぐにレス出来ず失礼しました

やっぱり初夜編は萌えますねーw
読み応えがあり、すっごく良かったです!!
フミちゃんは勿論ですが、ゲゲもいっぱいいっぱいな所が素敵です♪♪

293 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/13(日) 15:27:28 ID:kOpw4w9W]
>>282-290 (*´Д`)乙!!

294 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/13(日) 15:55:12 ID:U5z1tIaB]
>>282
「今日は17:45まで退屈だ〜」と思いきや、職人様ktkr!
Sゲゲも良いが優しいゲゲもいいな〜
緊張しまくりのフミちゃんもカワユス
禿萌えました・・だんだん!

295 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/13(日) 22:16:48 ID:qnWbuYxi]
>>281
だんだん&GJ!
このクォリティで初めての小説?!凄いよマジで!

この頃はまだ茂が敬語なんだよなー懐かしス
やっぱり初夜は堪らん〜フミちゃんかわゆすぐる

296 名前:281 mailto:sage [2010/06/14(月) 00:13:00 ID:t0QfGmhb]

レス、ありがとうございます。
なんかすごい嬉しい。

調子のって、次回作を書いています。
もう少しなんですが、眠い。。。

完成したら、うpしますので、お目汚しください。



297 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/14(月) 01:03:05 ID:+F09kK1d]
はーい

まっちょります!

298 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/14(月) 16:00:29 ID:AIHWzZFj]
まだかなぁ

299 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/14(月) 21:13:56 ID:6dmUdXx8]
本スレ落ちてるからこっちに書く

祝☆20パーセント越えヽ(´ー`)ノ♪

300 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/14(月) 22:39:11 ID:x6iQbIOA]
祝20%越え!
沢山の人がゲゲとフミちゃんに萌えるといいよw

281さんまだだろうか?
ようやく規制解除したっぽいんで暇潰しがてら投下します



301 名前:寝坊之介さん1 mailto:sage [2010/06/14(月) 22:39:50 ID:x6iQbIOA]

「…もう…」
仕事部屋の戸口に仁王立ちした一反…、いや布美枝は口を尖らせていた。
ゆうべは何時まで起きていたのだろうか。
子守歌代わりにカリカリッとペン先の走る音が聞こえていた。
せめても戦士の休息を与えてやりたい、とは、思うのだが……
もうとっくに陽は天高く上がり、朝の洗濯物まで乾いた昼過ぎだ。

「このままではカラスが鳴くまで起きんわ…」
義母からも重々、茂は寝坊介だと聞いてはいた。
けれどそれは、安来の兄弟達が少年時代もそうだったから、
子供時代の昔話なのだろうと思っていた。が、
四十路近い大男が、酒で酔ったわけでもないのにこんな時間までぐーすかしているのは
如何にも体裁が悪い。

「うん。これではいけん」
ひとつ大きく頷いて気合いを込めると、大口開けて寝息を立てる茂の元にお膝した。

「あの…っ」
遠慮がちに肩を揺すったぐらいではびくともしない。
義母より手紙で直伝されたように声を張ろうとも思ったが、
「や…ご近所さんに聞こえたら…恥ずかしいわ…」と、うまくできない。
上掛けにした布団を一度巻くってはみたが、
大きな背を丸めて背を震わせるのが不憫で、またそっと掛け直してしまう。

「……はあ。うまくいかんことばかりだわ…」
新婚早々間借り人もいる奇妙な新生活。
慣れないことばかりの胸の内を話そうにも、旦那はいつも忙しくて……。
「……うぅん。きっと、私には…私のやり方がありますけん」
胸元に拳を握りしめて、内気さを掻き消すためもう一度気合いを入れた。

「起きて…、起きてごしない?」
いくら呼びかけても聞こえている様子もない。返ってくるのは盛大ないびきばかり。
聞こえていないのならば遠慮はいらないと、布美枝は布美枝なりに大胆に、
その耳元に唇を寄せた。

302 名前:寝坊之介さん2 mailto:sage [2010/06/14(月) 22:40:50 ID:x6iQbIOA]

「ほーら…昨夜から何も食べてませんけん、お腹も鳴いちょる頃でしょう?」
頭よりも先に腹が反応して、茂はぐぅと腹を鳴らした。
「美味しい美味し〜いすいとんが冷めますよー? 香ばしい焼き魚も身が硬うなってしまいます」
「…うーん…」
食欲への呼びかけが成功したのか、茂は寝返り打って眉をしかめた。

「あは。ほら、ちゃーんと顔洗って、それで……、え?」
急に視界が横倒しになり、布美枝は素っ頓狂に声を裏返らせた。
長い右腕に絡め取られるように引き倒されて、気付けば茂の腕の中。
遅れて事態を飲み込んだ途端、布美枝の頬は朱に染まった。

「……あ…あの……」
不意にいびきが途切れ、胸高鳴らせた布美枝の鼓動が聞こえてしまわないか心配になる。
しかし……
抱き枕でも抱えたように安定すれば、すぐにまた大いびきが上がった。

「……はぁ。ひと筋縄ではいかん人だ…。ね、もうほんとに起き…」
身を起そうとしても茂の腕に抱き寄せられたまま、身動きがとれない。
「あの…っ、あっ…痛たたた……」
無理に身をよじってみても、しっかと抱き包まれた腕の力が枷となり、
振りほどけそうにはなかった。

「ほんに…力の強い人なんだな…。もう、いい加減に起きてっ、起きてー!」
布美枝の願いもどこ吹く風。閉じた目蓋は一向に開く気配がない。
起こすことも、その腕から逃れることもできず、
ただじっと並んで横になっているしかなかった。

303 名前:寝坊之介さん3 mailto:sage [2010/06/14(月) 22:41:22 ID:x6iQbIOA]

「……。こんな間近でこん人の顔見たこと…なかったわ…」
大柄なのに丸顔で、こうして眠っている顔はどこかあどけなく映る。
だらしなく開いたままの口は無防備で、厚みのある唇を見上げた。
ちょっこし男前ではないか? と思うのは、女房の欲目だろうか。
「…何思うとるんだろ…私」
思わずくすくすと肩を揺らすと、ふと肩越しに視線を感じてた。

恐る恐る襖の戸口に目を向けると……
「! あ…っ」
「……あ…いや、そのぉ……お水を…。いや、いや…いいんです。スミマセン」
「な…中森さんっ。や、違うんですよ、あの…すんません…っ」
こんな恰好をしていたら誤解されてしまう。いや、すでに誤解はばく進中だ。
見られた布美枝も、見てしまった中森も真っ赤で、ただ茂だけが澄ました寝顔を晒している。
こんな時にばかりは、誤解を解く証拠のいびきが止んでしまった。

「あのっ…、お水でしたら…」
起き上がろうとしても茂の強固な腕から逃れることはできない。
「いえ、いえ! こ…これから出かける用事が…できました。
いや! 用事がありました、んで……夕方過ぎになりますので…では」
まるで「ごゆっくり」とでも気遣われたようで、布美枝は頭を抱えた。

パタパタと大慌てで玄関口を出ていく足音が遠のくまで、顔も上げられなかった。
「あちゃー……もぉっ」
こんな(布美枝にとっては)一大事だというのに、茂は今も夢の中。
「ほんっとに…こん人は大人物だわぁ…っ」
恨めしく睨み上げても効果はなく、布美枝は深く息をついた。

304 名前:寝坊之介さん4 mailto:sage [2010/06/14(月) 22:42:02 ID:x6iQbIOA]

「……一体…どげな夢の中におるんだろ…?」
普段から穏やかで大らかな人なのに、精根込めた作品は重厚で不思議な物語ばかりだ。
まだまだ知らないことばかりだと思うと、こんなにそばにいるというのに、
二人の間はどれだけ遠いのだろうかと、不安になる。

「……ぇ…」
「?」
むにゃむにゃと歪めた唇の端から、聞きなれた名前が毀れ落ちる。
「…ふみえ……」

寝息に掠れた声。
布美枝がびくりっと肩を上げて硬直すると、茂の腕がその輪郭を確かめるように動いた。

「な、な…」
なんて声を出すのだろう。
優しく響く茂の声に胸がきゅっと軋んだ。
面と向かってそんな風に呼びかけられたこともまだなくて、
不意打ちの呼びかけに耳まで熱くなる。

「…ん……、んん…?」
恐る恐る見上げると、屈強に閉じていた目蓋が薄く開いていた。
腕の中の布美枝をその手で、その目で確認すると、茂の口元が穏やかに笑む。
「……もう…そんな恰好…しとってか…」
「は…はい?」
軽笑いまで浮かべて、茂はうわ言のように途切れ途切れに呟いていた。
「あんた…着替えるん……早……て…、また脱が……大変…だ……な」

305 名前:寝坊之介さん5 mailto:sage [2010/06/14(月) 22:42:45 ID:x6iQbIOA]

「??? あの…起きて、ます? よね…?」
徐々に腕の力が弱まり、堅い枷からは解放されたが。
代わりにその腕が布美枝の身をなぞるように上下して、布美枝はどうしていいのか分からず、
不思議そうに茂の再び閉じた目蓋を見つめていた。
「……まだ…寝とぼけとるんだろうか…??」

感極まったかのように茂の深い吐息が漏れ、己の吐息に驚いたように、
その目蓋がゆっくりと開いた。
「……ん?」
口端の笑みが消え、茂はぱちくりと瞬きを繰り返す。

「ようやっと、お目覚めですか…?」
見開いた目は、さっきの寝ぼけた薄目とははっきりと違う。
目の前の布美枝、抱き寄せている自分の腕、そして煌々と陽の差す窓辺に視線を走らせて、
茂は言葉を失って「こ、こ、こ…」と言葉にならない驚きに喉を詰まらせた。

「おはようございます。朝ごは…いえ、もう、昼ごはんですね。冷めますよ?」
「お…おぉ、はい。すまんです」
慌てて腕を引っ込めると、起き上がりざまに横向いてしまった。
「私もお腹と背中がくっつきそうですよ。顔を洗ってきてごしない」
「あ…あぁ…はい。か、構わんと先に食べててくれていいですけん…」

ああ。もういつもの茂に戻ってしまった。
二人で過ごす日が浅いせいか、いつまでも「飯田家の娘さん」としか
思っていないのかと思うほど、よそよそしい口調。
「そうもいきません。旦那さんが寝とられるのに、先に食事なんて…」
「気遣うことはありません。夜も遅い稼業ですけん…」
夜、という言葉に何か夢の中でも思い出したのか。
茂は所在なさげに頭をぼりぼりと掻いてごまかした。
「? どげしました…か?」

306 名前:寝坊之介さん6 mailto:sage [2010/06/14(月) 22:43:29 ID:x6iQbIOA]

「あっ、いや。心配には及びません。……おかしな時間に寝ついたせいか…
ミョーな夢を見た…」
ブツブツと独りごちたのを、布美枝は聞き逃さない。
「どけな夢、見とったんですか?」
「え……。そ、れは……」
茂はブルブルとかぶりを振って、そんなこと、女子供には言えんとばかりに口を閉じた。

「なんだか、いーい夢やったんですよね? そげな寝顔しとりました」
そんな楽しげな夢に、自分も出ていたのかと思えば気になって仕方ない。
「は、はあ……、それはそれは極楽…で…。いや! 夢は、夢ですけん」
「気になりますー」
「あまり、覚えてなぁです…よ。さ、早くごちそうにありつきましょう」
そそくさと洗面に向かう茂の背で、布美枝は首を傾げていた。



卓袱台に向かい合って遅い朝食をとる間も、茂は物問いたげな布美枝の視線をちらり見て、
目を戻してはまたちらり見て……
そんな奇妙な沈黙に耐え切れず、肩で息をついた。

「……寝ぼけて、おかしなことしちょったようで…すまんでした」
「は? あ…いえ…。それは…ええんです」
今度は布美枝が目を俯かせて、肩腕にまだ残る茂の腕の感触に頬を染めた。
「へ? えぇのですか?」
「はい? あ、いえ…そー…いうわけじゃなくて…」

怒らせてしまったのかと思えば、すぐに朗らかな笑顔を見せる。
ころころ変わる布美枝の百面相に、茂は口元を緩ませた。

307 名前:寝坊之介さん7 mailto:sage [2010/06/14(月) 22:44:07 ID:x6iQbIOA]
「……いずれ、ちゃんと教えます…けん」
「はい?」
不意に贈り物の時計が時を告げて鳴り響く。もう三時になっていた。
「もうこんな時間か…。では、戦線復帰しますけん。そういうことで」
「あ…、あの……っ」
さっさと食事を済ませて仕事部屋に戻る背中は、すぐに襖の向こうに消えた。


布美枝はまだ半分も減っていない茶碗の中に目を落とし、ため息をもらす。
「…忙しい…人なんだな……」
寂しげに呟いた布美枝の声は、襖に閉ざされて掻き消えるほど心もとないものだった。


終わり   ヽ(◎)/ <次回、数ヵ月後「寝坊之進さま」に続く!

308 名前:281 mailto:sage [2010/06/14(月) 22:44:32 ID:t0QfGmhb]

281です。

本スレ本当に落ちてますね、なんでだろう。

ところで、次を投下しようと思ってます。
ちょっと事情があって日をまたぐ頃になりそうですが。

時系列に添っていってるので、
初夜編から約1ヶ月くらいは経っていると思われます。
浦木が「少年戦記の会」の看板を持ってきた日になります。

個人的にエロいのも好きなんですが、
ドラマ中の話をあれこれ広げるのが好きなので
エロの割合がエロパロ板にしては少ないのかな。
でもがんばって書きました。


309 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/14(月) 23:09:03 ID:HbGXw2H0]
>>300
おお初期の2人だ!GJ
掛け合いが初々しくて可愛くていいわー
茂、マニアックな夢見てそうだw

310 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/14(月) 23:09:25 ID:ybtufHZG]
>>301>>307 GJ!
新たな作品に今日も萌えさせて頂きました。

>>281さん

エロの割合が少なくても大丈夫ですよ〜
新たな作品の投下お待ちしちょります。



311 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/14(月) 23:47:54 ID:DV97JS5L]
>>301
だんだん
時系列的に言うと、深大寺(初夜)の前でつか?
生真面目なフミちゃん可愛い・・・

281タン
新作、超たのしみー!!!
夕べからずっとワクワク
頑張って起きてますです♪♪♪

312 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/15(火) 00:01:44 ID:mLf3EKn+]
>>301
職神様が降臨されとるー!だんだんです!
しげぇさんに振り回されちゃうふみちゃん可愛いー!
もう…可愛ゆすぎて胸が苦しいw
二人に対する職神様の愛情がヒシヒシと伝わってきますけん
次回作・続きも心底楽しみに待っちょります!

さて、もう一回読み直そうっとw

313 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/15(火) 00:04:32 ID:QkTqnYI5]
>>308
エロがなくても大歓迎ですけん!
二人がいれば、それだけで幸せ…
投下楽しみにしちょりますー頑張ってごしない!

314 名前:281 mailto:sage [2010/06/15(火) 01:15:15 ID:VctfIvgX]

281です。
やっとサッカー終わった。
では投下します。

>>301さん
寝言かわいくて萌え。。。
数ヶ月といわず、すぐに続き読みたいです!



315 名前:見えないけどあるもの1 mailto:sage [2010/06/15(火) 01:18:53 ID:VctfIvgX]

喧嘩、というわけではないけれど、
布美枝はその日一方的に茂と口を利かなかった。

その日の昼すぎ、茂が「金出してくれ」
と言って、さっさと財布ごと持って行ったかと思うと、
どっさり古本を抱えて戻ってきた。

戦記物の漫画を描くのに、もっとリアリティを追求すべく
資料用にと戦艦やら戦闘機やらの本を買ってきたのだという。
浦木から「少年戦記の会」の発足を促され、
その際に「お前の漫画は暗い」と言われたことに端を発していた。

それにしてもどうだ、
戻ってきた財布を開けてみればスッカラカン!
その日暮らしでやっと食べているというのに、
日々の節約の努力をどうしてくれるのだ、と布美枝は憤った。

「夕食です」
「お風呂です」

それだけであとは無言を貫き通した。
風呂から出た茂と入れ替わって、急いで布美枝は風呂に閉じこもった。

316 名前:見えないけどあるもの2 mailto:sage [2010/06/15(火) 01:19:58 ID:VctfIvgX]

仕事の資料なのだから、仕方がないという思いもあった。
それに…。

初めて聞いた戦地でのこと。
左腕を失い、多くの戦友を失ったこと。
どうしても格好のいい戦争漫画は描けないと言った茂の横顔…。

でも!!

日々の糧は何と言っても必要なのだ。
むやみやたらに、相談もなく使ってもらっては困る!
家計を預かったのは自分なのだから、そこはちゃんとしてもらわんと!
布美枝はキリっと顔を引き締めて、ゴシゴシと身体を洗いはじめた。

…が、やっぱり、と手が止まる。

「あげな都合のいい戦争があるか!」
と怒鳴った茂の顔は、苦悩と悲哀を複雑に絡めた表情だった。
その言葉に詰まった本物の叫びを、布美枝はその時ほんの少し心の耳で聞いた気がした。

風呂を出る頃には、すっかり今日の自分に嫌気がさしていて、
茂にどういう態度で接しようか、戸惑ってしまっていた。

317 名前:見えないけどあるもの3 mailto:sage [2010/06/15(火) 01:20:43 ID:VctfIvgX]

茂は、布美枝が敷いた布団の上で腹ばいになって
今日買ってきた資料の本を眺めていた。
投げ出された足を左右に揺らしてどこかのんきな風だ。
布美枝が口を利かないのを特に気にする様子もなく
夕飯をたいらげ、悠々と風呂に浸かった。
そして今も、風呂から上がった女房を振り返ることもなく
パラパラとページをめくっている。
その態度に布美枝は少しむっときたが、
すぐにやっぱり申し訳ない気持ちになってしまう。
自分の負けだ、と思った。小さなため息をつく。

もうすぐ4月になろうとしていた。
夜はまだ肌寒いが、昼間はずいぶん過ごしやすくなった。
ふたりの生活もだいぶ夫婦らしくなり、
二階の中森のこともさほど気兼ねすることもなくなった。

が、あれ以来夜の営みはとんと間が空いていた。

茂が仕事モードに突入すると、夜が不規則になる。
加えて、布美枝の月の周期が一度、その営みを邪魔したときがあった。
そのときは、布美枝は申し訳ないと謝ったが、茂は仕方ないと笑った。
そうするとずるずると何だかタイミングを逃し続けていて…。

しかし、今日は何だか言葉をかけづらい。
独りで勝手に怒っていたことを、布美枝は今さら後悔していた。
肩を落として櫛をとかす布美枝の背中から茂の声がした。

318 名前:見えないけどあるもの4 mailto:sage [2010/06/15(火) 01:21:32 ID:VctfIvgX]

「やっぱり長門はええ。うん」

思わず布美枝は振り返ったが、茂は戦艦の本とにらめっこしている。
ああ、独り言か…。
それにしても、ずいぶんと熱心に見入っているものだ。
本当に資料として見ているのだろうか?
何だか、漫画に熱中する子どものようでもある。
布美枝は可笑しくなって、くすっと笑った。
茂が顔を上げる。

「どげした」
「え?いや、ふふっ、子どもみたいと思って」
「だら」

少し、緊張がとけた。
布美枝はほっとした。
また茂は顔を本に戻し、うんうんと戦艦の詳細を見ては頷いている。
布美枝は、茂の左腕を見た。
いや、正確に言うと左腕があったであろうあたりを、見た。
その視線に茂も気づく。

「ん?」
「あ…すんません。…ちょっと気になって」
「なにが」
「…あなたの、左腕は…今どこにあるんだろうと思って」
「ええ?さあ…切ったあとの腕のことは聞かんかったなあ」
衛生兵がどっかに片付けたんだろう、と茂は言った。
「今頃土に戻って、ラバウルの果物の肥料になっとるわ」
はははっと笑う茂だったが、布美枝は笑わなかった。
真面目な顔の布美枝を、茂は不思議そうに見た。

319 名前:見えないけどあるもの5 mailto:sage [2010/06/15(火) 01:22:21 ID:VctfIvgX]

「あたしは…うちの家族は、戦中特に危ない目にも遭わんと過ごせました」
「うん」
「もしかしたら、あなたの左腕が守ってくれたからかも知れませんねぇ」

茂は遠くを見つめるような布美枝の表情に、
寝転んでいた身体を起こし、布団の上に座った。

布美枝はおばばの言葉を思い出していた。
『いずれ一緒になる人とは、ご縁の糸でちゃあーんとつながっとる』

「あなたの腕が、守ってくれたから、あたしはこうして居れるんだと思います」

「だんだん…」頭を下げた女房に、
茂は自身の左側がぐっと反応したような、くすぐったい感覚を覚えた。

いつものように、茂はぽりぽりと頭を掻き、少し鼻をすすると、
やがてそっと布美枝に近寄ってきて、その唇に軽く、口づけた。

布美枝は少し照れて、唇が離れたあとに俯いたが、
茂の寝巻きの左袖をきゅっと掴んで、もう一度、と無言で訴えた。

茂の右手が布美枝の頬を撫で、ゆっくりと口づけをくれた。
唇だけを触れて、お互いの柔らかなそれの感触を確かめたあと、
深い、甘い、濃い、口づけへ。
絡み合う舌が、少し淫らな音をたてて、二人の中心に火をともした。

320 名前:見えないけどあるもの6 mailto:sage [2010/06/15(火) 01:23:18 ID:VctfIvgX]

布美枝は、まだかけたままだった茂の眼鏡をそっとはずした。
この男は、眼鏡をとるとあっという間に少年のような顔になる。
10歳も年上なのに、可愛いとすら思えてしまう。
しかしその顔をゆっくり愛でることもさせてもらえずに、
すぐにまた唇を奪われた。
茂の手が、布美枝と寝巻きを縛っている帯を解きはじめた。
布美枝は数日ぶりの胸の高鳴りに息を呑んだ。

しかし今日は前回より冷静に対応できた。
布美枝も茂の寝巻きの帯に手をかけると、ゆっくりほどいた。
適当に着こんでいたのか、簡単にはらりとはだけた。
現れた硬い骨と肉の肌にそっと触れると、胸の向こうの鼓動を感じることができた。
少し早い。
布美枝は嬉しくなった。
相手を求めて胸を熱くしているのは、自分だけではなかった。

今度は茂が布美枝の寝巻きを脱がせていった。
露わになった二つの山の山間に、その顔を埋めた。
柔らかな胸を優しく、強く揉みこむと、布美枝が小さく喘いだ。
一方で敏感な先端を舌で転がすと、また布美枝は熱い息を漏らすのだった。

布美枝が自分の胸の中で遊ぶ茂の額に唇を落とすと、
それに気づいた茂が頭を上げて、口づけを返してくれた。
ふふっと布美枝が微笑むと、茂もにこっとしてまた胸の中に戻る。
「あ…っ」
茂の愛撫が、布美枝の身体の中心をじん、と貫いて、血流を掻き乱す。
下半身に熱が移動して、じわっと泉があふれ出すのを感じた。



321 名前:見えないけどあるもの7 mailto:sage [2010/06/15(火) 01:24:21 ID:VctfIvgX]

やっと布団に横たわった二人は、
じゃれあうように唇をついばんだり、
舌を絡めた深い口づけをしたり、
くすくすと笑いながらお互いの唇で遊んでいた。
すると。

ミシッ…トタトタトタ…

天井から音がした。

瞬間、はっとして二人は顔を見合わせた。

中森だ。

もう深夜だったが、中森も漫画家。
起きて仕事をしていても当たり前の職業である。
ずいぶんその存在が気にならなくなってきたとはいえ、
万が一この睦みごとの最中に降りてこられては困る。

布美枝はこれ以上の続きを望めないと思いがっかりして肩を落としたが、
茂は少しの間、視線を空に漂わせたあと、布美枝の下着に手をかけた。

「ちょっ…、だ、だめです!中森さんが起きとる!」
「気にするな、新婚の家でも構わんと言ったのは向こうだ」
「あたしは気にしますっ!」
「あずきはかりか何かだと思っとけ」

そんなことを言われても…。
布美枝は別の意味で胸がハラハラして苦しくなった。
が、そんなことはおかまいなしで茂は布美枝の熱くなった茂みの向こうを探りだした。

「やっ…あ…だめ」
「声を出すと聞こえるぞ」
「だ、だって…」

ずるい。
でも、布美枝もこの熱がこのまま冷めるのは嫌だった。
茂の指が、一本、二本、溢れる水の源泉へと出入りを繰り返す。
その度に布美枝はどうにも抑えられない嬌声を
手の甲を押し付けて何とか耐えしのいだ。
茂はもだえる布美枝を、まるで悦んでいるかのように見ていた。

(意地悪っ…!)

322 名前:見えないけどあるもの8 mailto:sage [2010/06/15(火) 01:25:15 ID:VctfIvgX]

ミシ、ミシ…
二階ではやはり中森がウロウロとしている気配。
下の情事に気づいたのだろうか。
しかし布美枝はそれを気にする理性を失いつつあった。

やがて茂は布美枝に覆いかぶさり、力の抜けた布美枝の脚を開かせた。
侵入してくる茂の熱いものに、布美枝は思わずのけぞった。

初めてのときは、指だけでも痛かったのに、
今日はどうだろう、布美枝は経験したことのない快感の中に居た。
さらに茂自身が布美枝の中を掻き乱し始めた。
思わず、

「ああっ!」

声をあげてしまう。
茂がすぐに唇をふさいでくれた。

押し寄せる快感の波。引いてはまた、押し寄せる。
源泉からどんどん水が湧き出てきて、尻を伝っていくのがわかった。

布美枝は脱ぎ捨ててあった茂の寝巻きを掴んで口にあて、
身をよじって必死に理性にしがみついた。
それなのに、茂は攻撃の手をゆるめてくれない。
打ち付ける腰に加えて、舌で布美枝の耳を舐めあげる。

「あっあっ…!」

我慢できない布美枝の喉から、喘ぐ声がもれ出す。
茂ももう、布美枝の声を押しとどめることはしなかった。
自分自身も限界が来ていた、というのもある。
布美枝の中の一番深い所に達したとき、茂はそこに全てを吐き出した。


323 名前:見えないけどあるもの9 mailto:sage [2010/06/15(火) 01:26:01 ID:VctfIvgX]

またしてもぐちゃぐちゃになってしまった布団を避けて、
二人はひとつの布団にぎゅっと収まった。
しかし布美枝は茂に背を向けて寝ていた。

「明日どげな顔して挨拶すればええんですか…!」
「普通にしといたらええだろ」
「無茶言わんで!」
「声が大きかったのはあんただ」
「だって!」
「だって?」
「…」

ふふん、と茂が笑ったのが、後ろを向いていてもわかった。
布美枝は真っ赤になった顔を急いで覆った。

拗ねる女房を後ろからぎゅっと抱きしめ、
長い髪の香りを嗅ぎながら、茂は目を瞑った。

「もぅ…知らん…」

布美枝も、自分の腹のあたりにまわってきた茂の右腕を
すこしつねって、それからぎゅっと両手で抱きしめた。


324 名前:見えないけどあるもの10 mailto:sage [2010/06/15(火) 01:26:51 ID:VctfIvgX]

翌日、早速二人は「少年戦記の会」の会報作りに取り掛かった。
布美枝は浦木が持ってきた謄写版を準備し、茂は会報用の原稿を描いていた。

すると玄関の戸が開く音がして、ほどなく中森がにこにこと廊下を通りかかる。
おやっと二人はお互いの顔を見た。

「あ、おはようございます」
中森が何事もなかったように挨拶をしてきた。

「中森さん、あんた…朝早くから散歩にでも出とったんですか?」
「あ、いえ。昨日は大阪に居た頃の知り合いと会っておりまして、
 その知り合いの家に泊まらせてもらっていました」
「ええっ?!」

つまり、今帰ってきたところ、というわけだ。

こわばった顔を見合わせる二人を、中森は不思議そうに見ていたが、
すぐにいそいそと二階へ消えていった。

「…でも、昨日…確かに…」
音はしていた、人の気配はあったはずだ、と布美枝は思った。

「うーん、やっぱりあずきはかりだったんかな」
「ええっ!」

茂はにんまりとしたが、布美枝はぞっとして恐る恐る天井を見上げた。


おわり


325 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/15(火) 01:50:27 ID:jvU9Etre]
281タソ

頑張って起きてた甲斐がありますたw
どうもありがd〜
最後のまとめ方とか、さすがだなあwww

326 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/15(火) 12:46:27 ID:rl5Z0GFp]
>>315
素晴らしい作品ですね!!
題名といい、オチといい見事な方ですね!!
ドラマ見て、このスレ見て毎日萌えまくってますw
次回作も是非是非お願いします

327 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/15(火) 20:55:08 ID:sXXDJY2A]
>>301
初々しい二人がカワエエ
茂が見た夢が現実になってる話も読みたいw

>>315
たまに余裕のあるフミちゃんもいいなw
ドラマ内の時系列に沿った続き、期待しちょりますけん!

328 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/15(火) 22:53:05 ID:mLf3EKn+]
>>315
GJだんだん!
フミちゃんの気持ちが丁寧に綴られてて良かったよ〜
あずきはかり(?)と中森さんもGJ!www
次回作もがっつり楽しみにしちょります!

このスレは本当にレベル高いねぇ
エロがなくても作品として素晴らしいし…
小ネタとかアホっぽいやつも大歓迎ですけんw

329 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/16(水) 00:18:53 ID:jDFN5fS2]
レスだんだん〜
個別レスは流石に控えますが
萌え走り余っての妄想投下にスルーせず感想頂けて嬉しかったです

>312
あの頃(河童話〜深大寺まで)はやはし「フミエさん」「シゲルさん」と
互いを呼び合っていたかと思うと激萌えですなw
いずれは現在の、御大の左膝に手を置いて朗らかに笑うお二人がいるわけで
それまでのン十年の経緯を推し量れば、
こげなふたり、愛さずにはいられませんけんw

>327
きっと御大のこと。それはそれはエログロナンセンスなる酒池肉林で
たわわに実ったフミエさんが……ハァハァ

おっと、こんな夜更けに梅雨の中、来客が…?

取り急ぎ数ヵ月後設定を投下しときます
萌え話もネタフリも投下も心から応援しとります!

330 名前:寝坊之進さま1 mailto:sage [2010/06/16(水) 00:19:41 ID:jDFN5fS2]

「はぁあ…」
時は既に昼下がり。
またも遅くまで仕事に根をつめ、死屍累々といった風情で眠り込んだ夫の姿に、
布美枝は仁王立ちして向き合った。
いくら疲れてはいても、このまま眠らせてしまえば朝夕逆転の生活が続いてしまう。
この寝坊之介、改め、寝坊之進茂左衛門を起こすのは至難の業ではあったが、
今の布美枝にはとっておきの必殺技がある。
折よく、二階の中森は外出中で、驚かせてしまう心配もない。

「……よぅし…っ」
布美枝はスッと息を吸いこんだ。
「シゲーサンッ!」
「!!」
効果覿面とはこのことだろう。義母の口真似は本当によく効く。
茂は上掛けを抱き締めたまま、びくりっと飛び起きた。

「…あー……驚いた。イカルの奇襲かと思うたぞ……」
「ふふっ。もー昼過ぎですよ? 食事にしましょ」
悪戯な布美枝の笑顔を見上げ、茂は安心したようにまた横になってしまった。

「あっ。二度寝はいけんですよ」
「……先に食っとればええだろぉが……」
「もうこげん時間ですよ?」
「うるさい、布団を引っ張るな…っ」
「いけんよっ。ほら、もう目も冴えちょるのでしょう?」
「……」

いくら布美枝が喜んで笑うからといって、
身ぶり口ぶりまで添えて、イカル話をしてやった茂が迂闊だった。
まさかこんなに器用に口真似するほどになるとは…。
「……だらずが…」
「ほら、ほら。えーえ天気ですよ〜」

窓から差し込む陽の光さえも疎ましいと、茂は抱えた布団で顔を覆った。
「ああっ、ほら。もう〜」
「うぅぅ……うるしゃあわ!」



331 名前:寝坊之進さま2 mailto:sage [2010/06/16(水) 00:20:48 ID:jDFN5fS2]
引っ張り負けて奪われた布団の代わりに、布美枝の腕を引く。
「やっ…」
布団の取り合いには負けたが、その腕で抱きすくめれば布美枝も打つ手がない。
「ふふっ…一勝一敗の五分だ」
「は、離してくださいっ。もぉお…起きんといけんですよ」
「あんたも昼寝したらええが…」
「そげにのんびりともしとられませんっ。私は私で、忙し…い……?」

じたばたと身を捩る布美枝を逃さぬよう組み込んでいるうちに、
肩腕、両足ではさみ技に持ち込んだ茂の、奇妙な感触が腿を擦る。
「!!!」
硬直した布美枝を見て、茂は勝ち取ったりとばかりに満足げだった。

「……ふふっ…ようやく諦めたか…。ふわぁあ。あんたも寝たらええ…」
「寝…っ。そ、そげなこと…、こげん真っ昼間に…」
「うん?」
おかしな様子に気付いて覗き込めば、布美枝の真っ赤な顔。
「??」
最初は、まだこんなことに照れとるのか…と不思議に思ったが、
もぞもぞと身を引こうとする様子を見て、茂も下半身の違和感に気付く。

「おぉ…。そういうことか」
「…っ」
「いや、いや。コレはそういうコトではなぁぞ」
「……はい?」
「直に治まる」
男とはそうしたものだ、と頷かれても、布美枝にはそんな生理現象は分からない。
言えば、茂がどれほど疲労困憊で眠りに落ちたかも知られてしまうから、
心配をかけぬようじっと口を噤んだ。

「……ぁ…。前も、こんなこと……ありました、ね?」
「…んー…?」
黙ったままでいてはまたすぐ眠りついてしまう。布美枝は慌てて話しかけた。
「まだここへ来たばかりの頃…。ふふっ、あなた、寝とぼけてて…」
「おー…。そんなこともあった…、ような? なかった…ような……」
覚えとらん、と一蹴しようとした途端、急激に思い出した。
鮮明に夢の記憶が降ってくる。
(あんなこと…まだ、覚えとったのかぁ)

332 名前:寝坊之進さま3 mailto:sage [2010/06/16(水) 00:21:31 ID:jDFN5fS2]

締切に追われて忙しくて……というのは今も変わらないが、
急に生活を変えることもうまくできず、構ってやれず寂しい想いをさせてしまった頃。
「あの時は食事で釣れましたけど、今日は…そげに奮発してないですし…」
「……」
襖の向こうで、慣れぬ土地での生活に途惑う新妻に何もしてやれなかった。
正直、夫婦として生活していくことの意味など、考えてもいなかった頃のことだ。

「私…びっくりしたんですよ? ほんまに凄い力で…振りほどけないし。
中森さんには…見られるし……」
「……ん? そういやぁ…今日も静かにしとるな」
ちらり目を上げて二階の様子をうかがうと、
「今日は朝から出版社まわりに出られましたよ」
「お…おぉ……。そげ…か」
布美枝にとっては単なる状況説明だったが、迂闊な言葉に茂の眠気が覚めていく。

「中森さんも頑張っとってですよ。ね、あなたも腹ごしらえして……」
「ほうだ……。約束を果たさんといけんな?」
「? 今日、何か約束があったんですか?」
それなら尚更早く起きないと…、と身を起こしたものの、すぐにその右腕に絡め取られてしまう


「あん時はあげに聞きたがっとったのに、もう忘れたのか? ……忘れっぽいんじゃの」

茂に言われたくはないと、布美枝は頬を膨らました。
「忘れてなぁですよ…っ。えーっと…えっと…」
初めてしっかりと間近で見た茂の寝顔、名指しで呼ばれた寝言……
そんなことばかりにひとつひとつ引っかかって、
なかなか核心の「約束」というものが思い出せない。
懸命に思い出そうとする隙をみて、茂はそっと腰に手を回した。


333 名前:寝坊之進さま4 mailto:sage [2010/06/16(水) 00:22:09 ID:jDFN5fS2]

「ん…っと……」
「思い出せんのだろう?」
耳元で囁くふりをして首筋に唇を寄せる。
布美枝はまだ暢気に約束事が何かを考えていて、茂の豹変に気付かない。
「うーん…。ヒント! ヒントをください。必ず思い出しますけん」
「時間切れじゃ」
「ええー…厳しいなぁ……。って、……えっ!?」
気付けばスカートのホックが外されて、緩んだ腰元に茂の手が伸びていた。

「あっ…な……何しとるんですかっ。……いつの間に…っ」
「おかしなことを思い出させるからだ」
「おかしな…こと? あっ! 分かりました、おかしな夢、見たって言うちょってでしたよね?」
より深く探る手から逃れるよう、左右に身を捩じって交わしながら、
布美枝は勝ち誇ったようににんまりと微笑んだ。

「どんな夢だったか……。もう、知りたくはなぁか?」
「知りたい。教えてごしない」
茂は上機嫌でふふんと笑い、間を開けて逃れようとした布美枝を近付けるため、
チョイチョイと小さく手招いた。
布美枝が耳を傾けると、内緒話でもするようにそっと耳元で囁く。

「あれはな?」
茂がごしょごしょと夢の内容を語るうちに、
最初はうんうんと頷いていた布美枝の顔色が変わっていく。
「はぁあ?」
「…それで……な?」
愉快そうに語り続ける茂とは裏腹に、布美枝は愕然と口を開いたまま、
その頬はみるみるうちに真っ赤に染まっていった。

「ああっ、も…もう、ええですっ」
「……何じゃ。こっからが面白いのに」
「何が面白いのですか…っ。そげな……」
あんな無邪気な寝顔をして、そんな淫らな夢の中にいたとは。
本当にこの人の頭の中は計り知れない。

334 名前:寝坊之進さま5 mailto:sage [2010/06/16(水) 00:23:22 ID:jDFN5fS2]

「まあええわ。夢より現実の方がずっとええ…」
「ひゃっ…な、何し……」
咎める言葉は重なった唇に掻き消される。
寝起きの胸板は酷く熱くて、布美枝は蕩けるように力を失った。
充分に潤った唇が離れると、思わず熱い吐息がもれる。

「……そういうコトではないと…言うちょったのにぃ……」
「今はもうそういうコトになったのだ。世は日進月歩だ。仕方がない」
服越しに当たる、仕方のない状況に陥ったソレの感触に、
布美枝は閉じた唇を歪ませる。
旦那が求めるのであれば、抗うすべはない。

組み敷かれて覆いかぶさってきて、真昼の明るさの中、
布美枝は欲情した表情をはっきりと目の当たりにした。
この人のことをもっと知りたいと、どんな顔も見つめていきたいと、
そう思ってはいたけれど…

「……やっ…」
熱っぽい視線を受ければ恥じらいに耐えきれず、布美枝は身を強張らせていた。
頑なに顔を手で覆ったまま委縮した布美枝を見降ろして、
これではあまりに不憫だと思い、頭まですっぽりと布団を掛けた……が。
互いに長身な二人の足は布団の裾から出てしまっていた。

「……これなら、ちぃっとはええだろう?」
茂の気遣いに、布美枝の硬直は少しづつ緩和していく。
「あ…。でも……」
「何だ」
まだ何か不満なのかと、不機嫌に問いかけると、
「ん?」
「……しわに…なりますけん……」
布美枝は自ら身を捩って服を脱ぎ下ろした。

「…おぉ……。あの夢ん中でも、そうしてあんたから誘……」
「もう…っ、その話は……よしてごしない…」
大胆にも茂の服まで手を掛けて、脱がすように促すと、
茂は思わず笑いを漏らして「そげだな」と、布美枝の首筋に顔を埋めた。

狭い仕事部屋の中。
炬燵でも置いたようにこんもり盛りあがった布団がもぞもぞと蠢く。
噛み殺しきれぬくぐもった甘い声が毀れれば、蠢きは激しさを増した。
覆い切れぬ四本の足は重なり合い、絡み合い、やがて白い足の爪先が捩れる。
ぴたりと止まった布団が崩れ落ち、膨らみは大きく呼吸するように上下した。

「……はぁ…」
ばさりと布団を捲りあげて顔を出した茂は、眩しい日差しに眉を顰める。
「さすがにこれは……息苦しいわ…。おい、大丈夫か?」
布団からこっそり顔半分だけ出した布美枝と目が合ったが、
「…知りません…」
と、弱々しく呟いて、またその顔は布団の中に消えてしまった。
茂はぽりぽりと汗ばんだ鎖骨を掻き、潜り込んだままの布団を優しく叩いた。

「腹が減った。昼寝なら後にしてくれ」
「……っ」
豪快に笑いながら、茂は漸く起き上がって行った。


終わり

335 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/16(水) 00:59:30 ID:pMuwONBV]
>>330
職人様、乙です。
だんだん!
寝る前に覗きにきてよかった…

336 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/16(水) 01:25:08 ID:yb1nVKHE]

281です。レスありがとうございました。

ああ〜それにしても>>330サマかなり萌えです。
こういうノリのが書きたいのだけど、
なんか違う方向に逝ってしまう。

というわけで、今日も深夜に投下。
今回はキスのみ。
ゲゲ視点からの話になります。

337 名前:白昼夢1 mailto:sage [2010/06/16(水) 01:28:02 ID:yb1nVKHE]

「…自転車には乗れますか?自転車です、ペダルをこぐ」
「ああ、乗れます、お店の配達で使ってますけん…」

茂は夢を見ていた。
窮屈な義手、両側にはイトツとイカル。
出された美味そうな御膳のその向こうには、一反木綿の女。
これは…見合い、の場面だろうか?


ミーーン、ミンミンミン…


五月蝿い蝉の声に茂はふっと目を覚まして頭を上げた。
その拍子にちゃぶ台に頭をぶつけた。「あいたっ」
真夏の昼さがり、茂は居間で汗びっしょりになって寝ていたようだった。
頭をぶつけたものだから、夢のことはもう忘れた。

やおら起き上がって、自らの汗にうへえ、と唸った。
洗面台に立って、顔を洗った。
こうも暑いと、水道をひねっても出てくる水さえ湯のようだ。
居間に戻って時計を見てみると、4時を少し過ぎた頃だった。
ああ…と、やっと今日のことをうっすら思い出し始めた。


338 名前:白昼夢2 mailto:sage [2010/06/16(水) 01:28:53 ID:yb1nVKHE]

朝、起きたのは仕事机の上だった。
珍しく先に目が覚めたのは茂のほうだった。
茂の左側に覆いかぶさるように、布美枝が机に突っ伏して寝ていた。
二人は昨日、夜を徹して「墓場鬼太郎」の原稿に向かっていた。
作業は夜更け、もう朝方と言ってもいい頃まで続いた。

「おい、起きろ」
「ん…」

妙な体勢で寝ていたものだから、布美枝は「イタタ…」と呟きながら目を覚ました。

「原稿を届けてくる」
「あっ、はい。あ、朝ごはんを」
「握り飯でもしてくれ、食いながら行く」
「わかりました」

仕度を始めた布美枝の後ろ姿を、茂は眩しい目で見つめた。

昨夜、締め切りを明日に控えて一心不乱に机に向かう茂に、
布美枝は何か手伝えることはないかと言ってきた。
初めは何を言うかと相手にしなかった茂だったが、
肩こりをやわらげるために、布美枝が生姜をすりおろしたタオルを巻いてくれた。
何か役に立ちたい、そう言いながら夜中にもかかわらず
一心に生姜をすりおろす布美枝の後ろ姿に、茂の心中は波立った。
茂は布美枝に、ベタ塗りと点描を任せた。
もとより器用な布美枝は、さっさとコツを掴んで見事にこなした。
集中して原稿に向かう布美枝の横顔を、茂は頼もしく見つめた。

339 名前:白昼夢3 mailto:sage [2010/06/16(水) 01:29:34 ID:yb1nVKHE]

布美枝に渡された握り飯を、歩きながら食べたのは覚えている。
汗をかきかき、富田書房まで出向いたが、
原稿料はその場でもらえなかった。
本の出来上がりが二週間後くらいなので、そのときに渡すということになった。
しかし暑さと徹夜によっぽどやられたのか、
茂には富田書房から家までの道中の記憶が全く抜け落ちていた。
よくたどり着いたものだと思った。

「おかえりなさい」
と、笑顔の布美枝が迎えてくれたような残像だけが残っている。
そのまま茂はばたん、と倒れて深い眠りに落ちた。

そして、つい先ほど蝉の声に起こされたのである。

ちゃぶ台の上にはふかし芋が置いてあった。
昼飯も食べずに眠っていたから、ちょうど良かった。
芋をほおばりながら、そういえば…と茂は思った。
先ほどから布美枝の姿が見えない。
外で洗濯物でも取り込んでいるのかと、窓をあけてみたが居ない。
風呂場にも便所にも居ないようだった。
ちらっと棚に目をやると、買い物籠がない。
ということは「買い物か…」

340 名前:白昼夢4 mailto:sage [2010/06/16(水) 01:30:20 ID:yb1nVKHE]

部屋にぽつんと独り、蝉の声だけを聞いて座っていると、
何だか妙に尻の居心地が悪くなった。
部屋に布美枝が居ないことに、なんだか強烈な違和感を覚える。
いつも襖を開ければそこに布美枝が縫い物や料理をしている姿があった。
自分の顔を見ると、にっこり笑って「お茶淹れましょうか」と言う。

茂はやけにこみ上げてくる妙な「感じ」を覚えて、
それを打ち消すかのように芋をくわえたまま仕事部屋へ戻り、
本棚から自分の著書を何冊か引っ張り出し、読み始めた。
そしてふっとアイデアを思いつくと、スケッチブックになぐり描きをする。
茂は長い間、そんな日々を普通に過ごしていた。
漫画のことだけで頭がいっぱいで、
次々に浮かんでくるアイデアを、取りこぼさないようにスケッチブックに描きとめる。
そんな日々が、そんな日々だけが当たり前だったのだ。
布美枝がこの家に来るまでは…。

居間の置時計が、5時を報せた。

5時?買い物に行っただけにしてはずいぶんかかっているな。
茂はそわそわしはじめた。

すると二階から中森がやかんを持って降りてきた。

「あ、村井さん、申し訳ありませんが水をいただけますか」
「ああ、どうぞ」

茂はそう返事だけすると、いったん玄関から外を覗いた。
そこまで布美枝が帰ってきているかも、と思ったからだ。
しかし、玄関先に布美枝の姿はなかった。
その代わり、布美枝の自転車が置いてあった。




341 名前:白昼夢5 mailto:sage [2010/06/16(水) 01:31:04 ID:yb1nVKHE]

…おかしいぞ。
布美枝が買い物に行くときはいつも、自分のプレゼントした自転車で行っていた。
どうして今日に限って自転車が家にある?

玄関の戸を閉めると、茂は二階に戻ろうとする中森に声をかけた。

「中森さん、うちの…どこかに行くと言うとったですか」
「奥さんですか?いや、朝は私も出かけましたが、出掛けには会いませんでした。
 昼過ぎに戻ったときには、村井さんが横になっていたのは見ましたが、奥さんは見ませんでした」

ぺこりと頭を下げて中森は二階へ戻っていった。

同居人の中森が、今日一日布美枝を見ていない。
そういえば茂もろくに布美枝を見ていないのではないか。
朝、握り飯を渡された、昼、おかえりなさいと出迎えてくれた。
あれは、確かだったか?

茂は言い知れぬ感情を抱えたまま、また仕事部屋に戻った。
ゲーテを手に取ったり、スケッチブックを見直したり、
雑記帳に、思い浮かんだ漫画のストーリーを書いてみたり…。
汗が、奇妙な汗が流れてきた。
夏の暑さのせいではない、背中にヒヤリと流れる汗だ。

そんなことをしているうちに、居間の時計が6時を報せた。

その瞬間、茂は下駄をつっかけて勢いよく玄関を飛び出した。

342 名前:白昼夢6 mailto:sage [2010/06/16(水) 01:31:42 ID:yb1nVKHE]

帰ってこない女房。
いや、そもそもそんな女があの家に居たのだろうか?
自分はずっと独りだったではないか。
見合いからたった5日で結婚して、などと。本当に自分の身に起こっていたのだろうか?
夏の暑さにやられたのではないか。
夏の昼間にみせられた、白昼夢に過ぎないのではないか?

色白の、ひょろっと背の高い一反木綿のような女。
大人しくて、朗らかなあの笑顔の女。
結婚式の夜に、膝をかかえて白い息で外を眺めていたあの後姿。
東京に出てきたときに、鼻歌を歌っていたあの横顔。
自転車を買ってきたときに、大粒の涙を零して微笑んだ顔。
初めての夜に、恥ずかしそうに俯いて口づけを受けてくれた顔。
自分の下に組み敷かれて、快感に悶える官能的な表情。

あれは全部、夢、だったのではないか?

茂は走り出した。
思考を停止させたかった。
それ以上考えると、もう…。

すると。

商店街へと向かう田んぼ道の向こうから
夢の中の女がこちらに向かって歩いてきているのが見えた。
茂は思わず足を止める。

夢の女は茂を認めると、ぱっと笑顔になって手を振りながら走ってきた。
あがった息を整えて、布美枝はにっこりと茂を見上げた。

「遅くなりました。ちょっと色々あって。お腹すいたでしょう?」
「…か、買い物に行っとったんか?」
「はい、実はこみち書房に寄ったら、そこに居た学生さんが急に倒れて!
 救急車まで呼んだんですよ!美智子さんがつきそいで行かれたんですが、
 おばあちゃんのリウマチの調子も良くなくて、私が店番しとったんです。
 さっき美智子さんが戻られたんで、私もやっと帰れたんですけど。
 あ、学生さんは大丈夫らしくてすぐに…んっ!」

343 名前:白昼夢7 mailto:sage [2010/06/16(水) 01:32:17 ID:yb1nVKHE]

ざわっと、夏の夕方の風がそよいだ。

茂は布美枝の背中に右手をまわして、布美枝の話も最後まで聞かずに、
唇をふさいだ。

しばらくして離れると、布美枝は信じられないというような顔で固まっていた。
茂は思い切り、布美枝を抱きしめた。

「…っ、ちょっ。あ、あのっ!人が…通ったら見られます!」

じたばたする布美枝にはおかまいなしに、茂はただ黙って布美枝を抱きしめた。

「自転車…」
「え?」
「自転車では行かんかったのか」
「ああ、あとで見てください、タイヤ、パンクしとるようで」
「ははっ、そうか、そうか…」
「あの…は、離して…」

やっと茂は布美枝を開放した。
布美枝は真っ赤になって胸を押さえた。

「ど、どげしたんですか、急に…こんな…」
「うん、…まあ、あれだ。帰ろう」

そう言って、茂は布美枝が思わず落とした買い物籠を拾って、
すたすたと先に歩き始めた。

自分の後ろをついてくる布美枝を、時折振り返りながら、
夢じゃない、茂は布美枝の存在を強くかみしめた。

おわり



344 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/16(水) 01:45:06 ID:xa04Qqel]
>>329
だんだん!だんだん!
続き有り難う!
めちゃくちゃ萌えた!
数ヵ月後設定までだんだん!

345 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/16(水) 04:55:57 ID:CLIopenb]
>>300
フハーッ続き投下だんだん!

職人様のフミちゃんは感情豊かで、ほんに可愛ゆいよ〜
ゲゲでなくても構いたくなる…堪らんなぁ
ゲゲと言えば寝坊之進茂左衛門にワロタwww
そんでもって、もっと夢の内容をkwsk!!

346 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/16(水) 05:00:54 ID:CLIopenb]
>>336
文学的作品GJだんだん!
ゲゲがフミちゃんを必死に探す描写に泣きそうになったげな(´Д⊂)
この後キスだけじゃ治まらんかった夫婦は
勿論夜は布団で運動会したんだろうね?…ねっ?!

毎日素晴らしい作品が読めて幸せだ…
自分はアホな感想しか書けないけど
職人様を心底応援しちょります!

次は行水がてらのお風呂プレイとか…
はたまた墓場でけしからん野外プレイとか…どげですか?

347 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/16(水) 09:53:42 ID:qDHWQFH1]
>>343
281タソ
GJ&だんだん
ゲゲ目線なのがイイ!!!
焦るゲゲに萌えです

348 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/16(水) 16:55:33 ID:znfYVigb]
寝坊之進さまも白昼夢も最高でした!職人様がた、ありがとうございます!本当に情景が目に浮かぶし、台詞が声付きで聞こえそう。
あんな夢を見ちゃったり、布美枝の姿を探したりしちゃう茂に萌えますなあ。

349 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/16(水) 18:39:14 ID:bOpLWp1w]
GJ!
職人様方、続々と新作読めて幸せです


350 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/16(水) 19:52:21 ID:udyxnOsG]
今日は2人っきりのシーンが多くて良かった!

個人的に「あんた」よりも「お前」の方が萌えるw



351 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/16(水) 20:16:24 ID:udyxnOsG]
>>330
日進月歩ワラタwフミちゃんがかわええ(*´д`*)

>>343
そのエピソードも「ヤッタ♪ヤッタ♪」に繋がる一つになる訳ですね

毎日素晴らしいネ申作品を読むことが出来て幸せですけん!
職人様、だんだん!

352 名前:281 mailto:sage [2010/06/16(水) 23:45:10 ID:yb1nVKHE]

281です。
いつもレスありがとうございます。

>>346さん
>この後キスだけじゃ治まらんかった夫婦は
>勿論夜は布団で運動会したんだろうね?…ねっ?!

なぜかこの展開を全然考えてなかったので、
あ、なるほどと思って今それを書かせてもらってます。

お風呂プレイや墓場プレイではないかも知れませんが(^^;

近々、できたら投下させていただきます。

353 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/17(木) 02:18:28 ID:QWl+joPy]
>>352
>>346ですが…ほ・本当ですかー?!ヤッタ!ヤッタ!
妄想でも書いてみるもんですね〜www
プレイにはこだわっておりませんけんw
楽しみに投下お待ちしちょります!

354 名前:281 mailto:sage [2010/06/17(木) 21:43:06 ID:FUHF8PVv]

281=白昼夢の者です。

続きができたので投下します。

お目汚しください。

355 名前:拝啓、イカル様1 mailto:sage [2010/06/17(木) 21:45:55 ID:FUHF8PVv]

風呂あがりの布美枝は、風呂場を出てすぐに「そうだ」と何かを思い出した。
そのまま外に出て、郵便受けを確認した。
葉書が一枚、入っていた。

すると慌てた様子であとから茂が飛び出してきた。

「どげした!?」
「え?ああ、今日郵便受け、一度も見とらんだったので…」
「…ああ…そげか」

ほっと息を吐いて、茂は布美枝が中に入るのをじっと見届けてから、戸を閉めた。
今日の茂は一挙手、一投足こんな風である。
布美枝が洗濯物をとりこむ間も、じっと傍でいたり、
夕飯を作る間も、仕事机ではなくちゃぶ台で本を読んでいた。
何と言っても、あの口づけ…。
何か、変だ。布美枝の第六感が告げていた。

葉書の送り主を見て、布美枝は「やっぱり」とつぶやいた。
「何がだ」
「境港のお義母さんです。この前返事を出したもんだけん、
 そろそろその返事が来る頃だと思っとったんです」
「…あんた、イカルと文通でもしとるのか」
「そげなわけでは…手紙がくるけん、返事を出すでしょう。
 そしたらまたその返事が来て…」

356 名前:拝啓、イカル様2 mailto:sage [2010/06/17(木) 21:47:14 ID:FUHF8PVv]

結局筆まめ同士がやめるタイミングを逃しているだけなのだ。
茂はふっと鼻で笑った。
そんな亭主を布美枝は口を尖らせてじろりと見上げて、

「…返事に、あなたの様子がおかしい、と書いて出しときましょうか」

と、葉書を取り出しながら言ってみた。
茂はぎょっとして布美枝を振り返った。

「な、なんでだ?なんもおかしいことなんかなーぞ!
 そんなこと書いてみろ、明日にでもイカルが飛んでくるでなーか!」
「だって、今日はなーんかそわそわしとるし、よそよそしいし、
 さっきだって、あげなとこであんな…」

言ってから布美枝は赤くなって黙り込んだ。
思い出したら恥ずかしさがこみ上げてきた。

今日の茂は確かにおかしい。朝は普通だったのに。
昼すぎ、原稿を届けて帰ってくるなり倒れこんだので、驚いて思わず覗き込んだが
高いびきをかきだしたので、布美枝は思わずずっこけた。
お腹がすいたら起きるかと思ったのに、2時近くになっても起きない。
(よっぽど疲れとったんだ…)

無理に起こすのも忍びないので、そのままにして買い物に出かけた。
出先でちょっとしたトラブルに見舞われて帰りが遅くなった。

早足で帰っていると、向こうから茂が走ってくるのが見えた。
手を振ると立ち止まって、まるで狐につままれたかのような顔をして布美枝を見ていた。

そこからだ。
何かおかしい、と感じたのは。

布美枝が遅くなったことを謝っている間ずっと、
穴があくように布美枝を凝視していたかと思うと、
急に抱き寄せて口づけた。
布美枝はびっくりして心臓が張り裂けるかと思った。

357 名前:拝啓、イカル様3 mailto:sage [2010/06/17(木) 21:48:10 ID:FUHF8PVv]


「何かあったんですか?」

田んぼ道をゆっくりと帰る途中に、問いかけても答えてくれない。
たまにちらりと振り返って、布美枝がちゃんとついてきているかを確認しながら、
ただ黙って歩いていた。

斜め後ろから茂を観察しながら布美枝は、
なかなか落ち着かないでいた胸の高鳴りと格闘していた。
誰が通るかもわからない道のど真ん中で、
あろうことか抱きしめられて口づけまで…。

「とにかく」

茂の声にはっとして顔をあげた。

「妙なことをイカルに書いてよこすな。ええな」
「…」

偉そうに言ってのけた茂をじとっと横目で見ながら、
布美枝は二人の湯のみにお茶を汲み、ちゃぶ台に並べた。
それから、葉書を前に空を仰いで鉛筆を鼻の下で少し弄んでから、
「拝啓、母上様…」と書き出した。

358 名前:拝啓、イカル様4 mailto:sage [2010/06/17(木) 21:49:36 ID:FUHF8PVv]

「茂さんは近頃女房に何やら隠し事をいたし候…」
「ぶー!」

飲みかけたお茶を噴出す茂。
「きゃー、もう、大丈夫ですか」
「げほっ、お前…妙なことを書くなと」
茂が葉書を取り上げようとする。
ひょいとかわす布美枝。

「じゃあ、何があったか教えてごしない」
「何もない!」
「是非母上様直々に真相の追及をば…」
「だらっ!」

また取り上げようとする。
ひょいとかわす布美枝…の左手を、ぐいと掴むと
次の瞬間茂がその懐に飛び込んできた。
バランスを崩した布美枝が、後ろに体勢を崩す。
そのまま茂は布美枝を押し倒して…。

「んっ…」

甘く、唇が重なった。
ひらひら、葉書は床に舞い落ちる。

しばらくして離れた茂の唇を、布美枝は下から指でなぞりながら
「教えて…ごしない」

ちょっと潤んだ瞳でねだられて、茂はかなり動揺したが、
その答えは、再びの口づけだった。

…言えるか、お前が居なくなったのではないかと焦っていた、なんて…。

そんな茂の心の声を、布美枝は聴けずにいたが、
唇の間から侵入してきた茂の舌が、布美枝の舌と遊び始めたので
それ以上の追及ができぬまま、甘美な海に放り出されてしまった。

359 名前:拝啓、イカル様5 mailto:sage [2010/06/17(木) 21:52:00 ID:FUHF8PVv]

茂が明かりを消すと、背を向けた布美枝はそっと寝巻きを解き始めた。
そのうなじにクラクラしながら、茂は後ろから抱きすくめて舌を這わせた。
「ぁ…」
小さく喘ぐ声。
いつもこの女房は二階の住人に遠慮する。
布団にうつ伏せに寝かせると、布美枝の白い背中に余すことなく口づけた。
熱い吐息は布団に吸収されていく。

耳や頬に唇で合図を送ると、
今度はごろり、と体勢を換えて形の良いふたつの山が現れた。
舌と指で刺激を与えると簡単に突起して、また遠慮がちに喘ぐ。
実にもどかしい。茂はもっと布美枝を無茶苦茶にしてやりたくなった。

指を布美枝の一番敏感な場所へと滑らせると、
もうすでにぐっしょり、汗とは違う潤いを溢れさせていた。
下着を取ると、二本の指で手前の突起を弄んでみた。

「は…っぁ…ぃやぁ…」

くしゃっと、茂の頭を自分の方へ押さえつけて悶える。
それから中指でくい、と中の具合を調べると
腰をひねってまた一段と熱い液体を溢れさせた。

茂が指に絡まった布美枝の愛液をぺろりと舐めると、
布美枝は暗がりでもわかるくらいに、恥ずかしがって目をそらした。
茂は布美枝の頬から首筋、胸から腹に、どんどん唇を下ろしていく。
布美枝はくすぐったさに耐え切れず、くすくすっと笑ったが、
次の瞬間、はっと大きく息を吸い込んだ。

「あっ!いゃっ…!!」

茂の舌が、布美枝の茂みの向こうの溢れる泉を直接刺激し始めたからだ。

「や…あ…だめ、あぁ…、そんな…あっ…あ…」

360 名前:拝啓、イカル様6 mailto:sage [2010/06/17(木) 21:52:51 ID:FUHF8PVv]

これまで感じたことのない強烈な快感に、布美枝は悶え通しだった。
クチュ、クチュ、ピチャ…その卑猥な音もまた布美枝を未知の世界へ連れていこうとした。
「は…ぁ」茂の息遣いもどうしようもなく淫靡な空気をもたらす。

それでもまだ、布美枝は布団の端で口を押さえて、
声をたてないように必死になっていた。
茂は布団を取り上げてさらに布美枝の泉を舌で虐めてやる。
今度は枕を引っ張ってこようとしたので、
茂は布美枝の耳元で囁いた。

「…雨だ」
「…ぇ…?」

耳をすますと、ザーーーーという雨音。
いつの間にか夜の帳はぬるい雨に包まれていた。

「雨の音に消されて、二階までは聞こえん」
「で…でも…」
「俺にだけは、聞かせろ」
「え…」
「声を、聞かせろ」


― 布美枝。

「…えっ…」

ぼうっとした中で、しかしはっきりと聞こえた。
茂が…名前を呼んだ。

やがて、熱くなった茂の硬いものが布美枝の中に入ってくる。
「ああっ」
一気に突き上げられて、肌が泡立った。

「もっと、声…を…」
「ふ…あっ、あ…は…あぁ…!」

茂を抱きしめて、布美枝は本能の赴くままに声をあげた。
茂が布美枝の中で押したり引いたりするたび、
布美枝の意識は遠く、遥か先へ連れていかれる。
二人の息遣いが、重なり、乱れ、また重なり、暑い部屋の中の温度をもっと熱くさせる。
どんどん二人は快感の絶頂へ登りつめて…。

「ああああああっ…」

布美枝が境界を越えたとき、茂も一緒にそこを越えた。



361 名前:拝啓、イカル様7 mailto:sage [2010/06/17(木) 21:53:37 ID:FUHF8PVv]

「どっちかが止めんと、永遠に続くぞ。葉書代もバカにならん」
「嫁の私から止めるのは気が引けます」
毎度の通り、ひとつの布団に二人で入って、
愛し合ったあとの余韻を愉しんでいた。

布美枝の髪をくるくると弄びながら、
茂はため息をついた。「好きにせぇ…」
そうして猫でも抱くように布美枝をぎゅっとすると
額に口づけて頬ずりした。

布美枝がちょっと遠慮がちに、つんつん、と茂の胸をつついた。
「ん」
「あの…」
「どげした?」
「…もいちど…名前で…呼んでごしない?」
「…」

茂はちょっと肩をすくめて「寝る」と言って目を閉じた。
「あっ!もう、けちっ!色々書いて送りますよ!イカル様に」
「だらずっ、もうその話はやめぇ」
「じゃっ、呼んでごしない」
「…もういっぺん襲うぞ」
「えっ…」

たじっとなった布美枝を、茂はまたぎゅうと抱きしめた。
布美枝はじたばたとして逃れようとするがなかなかできない。
ほどなくして茂は寝息をたてはじめた。
あんな時間まで寝ていたくせに、どうしてまたこんなに簡単に落ちるのか…。
茂の睡眠欲に白旗を揚げさせられるのは、いつも布美枝の方だった…。
「けちっ…」


おわり



362 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/17(木) 23:34:44 ID:aYPnzcBg]
>>281さま
投下ありがとうございます
初夜編から大ファンになりました
白昼夢のゲゲもイカル様のゲゲも禿萌え〜です!

363 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/17(木) 23:50:41 ID:U11RYNG1]
>>355
GJ!・・・エロいよw
ラブラブな感じがいいな〜

364 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/18(金) 00:03:25 ID:tO0kKuW7]
281様
素晴らしい作品の投下ありがとうございます。
今回のイカル様のゲゲが自分的に一番壺で萌え転がされました。
そして最後もう一度名前を呼んで欲しいとねだるフミちゃんがかわゆすぎて
たまりません。

また次回作を首を長くしてお待ちしちょります。

365 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/18(金) 00:10:40 ID:+6+habEv]
「俺にだけは、聞かせろ」に萌えた(*´Д`)

366 名前:名無しさん@ピンキー [2010/06/18(金) 02:14:58 ID:IlfP4L6t]
                       /
                 ヽ、.   ,〃
                   ヾ、 // , -‐'
               -───∨∠ _
          , '´            ヽ、
         /           , ニvニニヽ
       /     ヽ      〃( (`⌒)⊥ヽ
      /  / l ||  l      ゞ'(て@ ) )ソ ヽ
      / i |  ,. ∧  ヽ    弋 八_ フノ ノノ  !
     ! | | / / |  | !  | i   ⌒‐'^ー''′ .|
      | | | / /r`ー!  | !  |│    ||!    |  |
     | | |// |   il ト、ヾ、 ヽ l   || | | | | |!
      ! .∨〈  !   | ヽヾ、 ヽ l |   川 | | | リ
      ヽ ! ヽ ヽ_ 0ノ  \\ヽ l |   || | | | | /
       ヽト、 i//// ヽ‐ //ヽハ! |  |リ l  / /
        ヽ ヘ u        ヽ!|  //!/_〃'"
         \ヽ、  ヽ_,r_つ  u リ //∠_
             >- ┬  -‐ 7'"´  / ヽ
              | ヽ  |ー-─/  / ⌒ヽ!
               ト、!ト、 ト===7  /|       !
               ト、l| \ヽ  // // _ -‐ (
            |   |ヽニ」∠ニ‐''" |   ̄ ノ
            |  |   |  |    !    |
             |  |  /ーヘ    |    |
               |  !.  \/   /    /
          _∠,=彳       /    ∧
        /-!__fニ __        ,     /__〉_
       /  /∠_ヽ、二ー─ ┼─-、 ト、/-ヘ
      /=‐''"    , '" //_,/ ̄`  \′ |
     / /  _, / ./ /_ -‐' ̄ ¬、 /  ヽ\
     /⌒!-‐ ' /  / / |       |'´ \__ ヽく
      !   ヽ/  /   /.〈L_ |  |___レ' r─'´   `ヽ!
      ヽ   `ー/    / `ー' ̄! く ̄       |
      `ー─‐' `ー‐ーく_, -¬-‐ 'ヽ       ノ
                       `ー-----‐'

367 名前:名無しさん@ピンキー [2010/06/18(金) 02:15:35 ID:IlfP4L6t]

        /⌒ ゙̄'ー-ー'" ̄ \
       /             )
       !              l
      (^ヽ             X
       )ヽ  /彡"   ゙'ミヽ   」
       し    ,〃  ヾゝ、,   |
       /|    > (、 ,ヽ(    | ̄\
     /  ヽ   /シ    ミヽ   l /\
    ./ ̄\ ヽ  《 (ミ=シ) リ //   ヽ
    |    \ \、__ ,,,/ / y   |
    |   ヽ| !\ ヽ -─-/ /l. |    |
    .ヽ   >、 \゙'-、,\ //./ /   /
     \_/ , へ、 ̄ ̄[三] ̄┌└へ\/
      ヽ__l  ヒヘ  f. l! i rへつ  _∨
        /\_,/-、,_\/_>、,__/\
       ヽ/  ノ  ノ  i   i ヽ \_イ
.       /\/__/   |  ヽ、  /  \
       <   ´>ヽー─┴──'">    )
        >--'"  ト       人__,,/
         ヒ ノ _人     ,へ   フ
       [ ̄`─'"  」     >   <_
.        ̄ ̄ ̄ ̄ ̄     L_二二__ノ
                              セーラー子泣き

368 名前:名無しさん@ピンキー [2010/06/18(金) 02:16:26 ID:IlfP4L6t]
                       /
                 ヽ、.   ,〃
                   ヾ、 // , -‐'
               -───∨∠ _
          , '´            ヽ、
         /           , ニvニニヽ
       /     ヽ      〃( (`⌒)⊥ヽ
      /  / l ||  l      ゞ'(て@ ) )ソ ヽ
      / i |  ,. ∧  ヽ    弋 八_ フノ ノノ  !
     ! | | / / |  | !  | i   ⌒‐'^ー''′ .|
      | | | / /r`ー!  | !  |│    ||!    |  |
     | | |// |   il ト、ヾ、 ヽ l   || | | | | |!
      ! .∨〈  !   | ヽヾ、 ヽ l |   川 | | | リ
      ヽ ! ヽ ヽ_ 0ノ  \\ヽ l |   || | | | | /
       ヽト、 i//// ヽ‐ //ヽハ! |  |リ l  / /
        ヽ ヘ u        ヽ!|  //!/_〃'"
         \ヽ、  ヽ_,r_つ  u リ //∠
             >- ┬  -‐ 7'"´
     くぃっ ._,... -"!.  ゝ、-‐‐' ̄. :、
        / ._   ヽ.イ  入  ,. !. `ー.、
      ,∠''"゙ヽ、!、    )-〈 ヽ''"  ´    ヽ.
     /、\\\゙ヾ.  /  l.      i  ,....-l
.    / ´ \\\\゙}v"   .l _     ,!'"   l
   /.    \ヽ i. ,i/    .l ゙^‐-.、 / __l
.  /      ,.>゙-゙/、    ,.l   ! /.  l┌==!
  ./      ' / /、 ヽ ,...::'",..l   ,./   l l ,.-!
 /        / 〈 \゙.,...::'" !    i   !.ヾ:__」
..{ヽ      /,.! .ヽ.     ,.r!    .l.   `ー.イ
 ヽ     ノ)'  ,.!:::\ ,../ 、.   il!    、 l'
  \__,...-イ  !.   ´ \ヽ \  i! ,.   ヾ.
       i ,.'"       ゙\、   l i   .ト.〉
.       ,! ,!l          ヾ  l.il    i'
.      r'/,i      :!     \. i!      !
      ! l i             lヽi     i
      .i,!l ノ              :、.!.     !
      ヽl              {l     、l


369 名前:名無しさん@ピンキー [2010/06/18(金) 02:17:20 ID:IlfP4L6t]
                       /
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      ヽ ! ヽ ヽ_ 0ノ  \\ヽ l |   || | | | | /
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        ヽ ヘ u        ヽ!|  //!/_〃'"
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 {  i     `'‐-、--r'"´ヽ、_ _ ,、‐'´ヾr-、、,r-‐''"    ,'":
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  ./  ヽ、   ヽ.|  | /  |'  ',   !  }"  ,、‐'"  ヽ:::i'
  (    ヽ-、  ::i   i /     ', :!   ! ,、ノ     ヾ´
   \     ヽ,、'‐'',)_ri┬'''''''''=r-;、ノ   | r'       ノ
     <-'" .,r'''"''‐-'=、|;;;i!     i!  |   i'"::  ‐-、::::r'"
    ,' _、-i  -―t';‐'| i!;   i!;  !,-、、,i       `{
   ,,'イ  {    ー=,ゞ,| i!    i!   |ヽ,;; ヽ;;;、_ __   ',
   i ,'   ',    =ィ' `! `    ´  ,i'"   i  ', `ヽ、:',
.   | ',   ヽ、、 -‐' (~>;;r-;r‐‐‐''"     ノ }     ', :}
   l  ヽ、_____,,、ィ'    `''`ー'`-=-r‐='-‐'"  ノ    /
   ヽ‐-=、、-‐<           `ヽ、_,r-‐'"    /

370 名前:名無しさん@ピンキー [2010/06/18(金) 02:19:24 ID:IlfP4L6t]
                       /
                 ヽ、.   ,〃
                   ヾ、 // , -‐'
               -───∨∠ _
          , '´            ヽ、
         /           , ニvニニヽ
       /     ヽ      〃( (`⌒)⊥ヽ
      /  / l ||  l      ゞ'(て@ ) )ソ ヽ
      / i |  ,. ∧  ヽ    弋 八_ フノ ノノ  !
     ! | | / / |  | !  | i   ⌒‐'^ー''′ .|
      | | | / /r`ー!  | !  |│    ||!    |  |
     | | |// |   il ト、ヾ、 ヽ l   || | | | | |!
      ! .∨〈  !   | ヽヾ、 ヽ l |   川 | | | リ
      ヽ ! ヽ ヽ_ 0ノ  \\ヽ l |   || | | | | /             父さんこれっきりにしてくださいよ・・・!
       ヽト、 i//// ヽ‐ //ヽハ! |  |リ l  / /                          ・・・・・・・・・・・ハマリそうで恐いんです僕・・・・。
        ヽ ヘ u        ヽ!|  //!/_〃'"
         \ヽ、  ヽ_,r_つ  u リ //∠
            /`'ー  .=ー`ーベ、<〃´ ヽ、                        /:::::::::::::::::::::::::::::::;
           /        `` '' ー三ir==ミ、.い                     /::::::::::::::::::::::::::::::::/
         /     .     .// /ィ'「ヽ;t‐-、゙i.                       /:::::::::::::::::::::::::::::::::/
       /            (.'=彳ハ | ヽ;、 `!|、                      /::::::::::::::::::::::::::::::::::/
      { ,r―- 、       ノ / | !   ヽ> ヽ                /:::::::::::::::::::::::::::::::::::/
      ./     `スヽ、      /  .L!       ヽ                 /::::::::::::::::::::::::::::::::::::/
     /       / .ヽ `ヽ---'           \            /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::/
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    ./     /     \                   ヽ        ハ;:::::::::::::::::::::::::::::::::/
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   .!       ヽ            `ヽ                   !       `` '''''7
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     \     ヽ            ヽ     _____     i;. |           /
        ヽ      \      _,...::::''""`´ ̄ ̄::::::::\  `ヽ.   /:`ヾ、       , ′
          `ヽ、   \  _,/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ     ヽ,!:;r'⌒ヽ、    , ′
             `ヽ、  `´/:::::::::::::::::::::::、;::::::::::::::::::::::::::::::::l,     ヾ     \ ./  /
               ヽ   !::::::::::::::::::::::::ヽ|;:::::::::::::::::::::::::::::::l       \   ,i-‐'''フ!
              ``'|::::::::::::::::::::::::::::::l;:::::::::::::::::::::::::::::::}      ノ'^ヽ / ,/
                  l:::::::::::::::::::::::::::::::i、::::::::::::::::::::::::::::l.     /  r':' ,、-'
                ヽ;:::::::::::::::::::::::::::::ヽ、::_:::::::::::ノ __,. イ  /,r:'




371 名前:名無しさん@ピンキー [2010/06/18(金) 02:20:28 ID:IlfP4L6t]
                       /
                 ヽ、.   ,〃
                   ヾ、 // , -‐'
               -───∨∠ _
          , '´            ヽ、
         /           , ニvニニヽ
       /     ヽ      〃( (`⌒)⊥ヽ
      /  / l ||  l      ゞ'(て@ ) )ソ ヽ
      / i |  ,. ∧  ヽ    弋 八_ フノ ノノ  !
     ! | | / / |  | !  | i   ⌒‐'^ー''′ .|
      | | | / /r`ー!  | !  |│    ||!    |  |
     | | |// |   il ト、ヾ、 ヽ l   || | | | | |!
      ! .∨〈  !   | ヽヾ、 ヽ l |   川 | | | リ
      ヽ ! ヽ ヽ_ 0ノ  \\ヽ l |   || | | | | /
       ヽト、 i//// ヽ‐ //ヽハ! |  |リ l  / /
        ヽ ヘ u        ヽ!|  //!/_〃'" 父さんちょっとだけですよ・・・恥
         \ヽ、  ヽ_,r_つ  u リ //∠_
             >- ┬  -‐ 7'"´  / ヽ
 .        ,、、、‐ 、ヽ、.  |ー-─|   /'´ノ/⌒ゝ‐、
       ,、(、‐、 )、__) `''‐ヽ._,ノ,、‐'i  / /´ _,、、 '  ヽ
      (、-‐-、)' \   ,i `;" ~ /`>,ノ、ノ  ,、  i ヽ!
      {,,、‐-、 )\\~''''''‐--`―'‐'' ,´/ ,、‐';ー(  , ヾ、ヽ
      {__,,、‐' | i ヽ`、`ー‐--,,、-=='-‐‐‐<_r''' |、`t' ノ|っヾ、
       `ー/ | `、 {''''。''~:::   ::  。   ::|  ノヽ i_,',r'ミ. |
        /  i    人           :i  i | i. | ヽヽ |
        /   ! / ,i            :i  i |iヽ|   /
       i    iノ ,' /           :i  ' | |ヽ|;  /
       i  ー''´ :,' /             i    ! | | |ヽ'
       i     / /       ’        }   i | |\
       |    ./ i             i  ./  i i  ヽ
       |   /  i'     、  ::  ,    'i /  |


372 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/18(金) 16:25:05 ID:ghbNYc/v]
ふみちゃんの風邪エピktkr!
風邪ネタって定番だけど萌えるw
ゲゲが風邪ひいた時は、あっと言う間に治って
エピらしいエピがなかったな〜
でもふみちゃんも頑丈wだし、藍子ちゃんもいるから
風邪長引いたら大変だよね…
足りない描写は此方で補完したいw

373 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/18(金) 16:31:26 ID:LQg9eTBP]
>>372
風邪キタネ!
取りあえず今日は定番の熱計りに萌えたw
フミちゃんが苦しんでるというのにorz

374 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/18(金) 17:54:19 ID:S5TM0ert]
ゲゲがすぐ気付いたのは良かった

お産の時といい、案外心配してくれる夫だw

375 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/18(金) 20:52:45 ID:+6+habEv]
このスレ的には
おでこをコツンとやって熱をはかってほしかった。

376 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/18(金) 22:40:21 ID:GCpY9FkI]
フミエはがっつり手のひらで測ってたのに
茂は結構丁寧に測ってたな。意外

377 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/18(金) 23:10:00 ID:LaXy6PPs]
ゲゲゲのエロパロと聞いて咄嗟に太宰の人間失格しか思い浮かばなくてサーセン
ほのぼのスレだったのか

378 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/19(土) 00:07:58 ID:Hjx0Wt7y]
ほのぼのからドエロまで、愛さえあれば何でもありです。

379 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/19(土) 00:55:31 ID:0VT28x+O]
普段、あれだけ亭主関白なゲゲルだから
夜の方も多少強引なんだろうなあ。。。

380 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/19(土) 08:42:07 ID:VakgB3ta]

うわー、布美ちゃんの里帰り中に
はるこ家にあげるゲゲ…
昼ドラだったら、ここから何か始まってしまうパターンだな。

でもゲゲと布美ちゃんの相思相愛が好きなので
二人が東京と安来に離れるだけでもイヤダ。





381 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/19(土) 09:00:46 ID:yVeOsn1+]
>>380
昼ドラならこれからドロドロの展開に〜となるところだが
まあさわやかさが売りの朝ドラだから意味ありげに予告作ってても
実際はなんもないと。
それにゲゲはそういう方面鈍いし。

しかし今日の放送は萌えたな〜
エロ妄想が止まらない。



382 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/19(土) 10:14:05 ID:6a7DIT7I]
>>380
確かに。
一緒に里帰りしてイチャイチャしろよ!とオモタ

最近「浴衣+布団」だけで、このスレ思い出してニヤニヤが止まらないw
今日は色んな意味で良い回だったw

383 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/19(土) 12:30:21 ID:Hjx0Wt7y]
先生は布枝さんが入院していない時、寂しがって布枝さんの写真を眺めていたからなあ。
もしかしたら布美枝里帰り中は、イタチに撮ってもらった写真を見つめて、しょんぼりしてるかもしれないw

384 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/19(土) 18:36:33 ID:0VT28x+O]
今日は2人のシーンが多く、なかなか萌え回ですた
281タン〜今日のをベースに
いつか作品かいてくれんかのうw

385 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/20(日) 00:01:42 ID:YKbDbFe6]
>>384
お尻に…のシーンなんかは
どう考えてもサービスカットw

386 名前:281 mailto:sage [2010/06/20(日) 01:13:29 ID:U4kA5TCp]

281=拝啓、イカル様の者です。

いつもレスありがとうございます。

今日のをベースに、というのはできなかったんですが、
今日の二人を見てかなりイチャイチャ萌えしたので
ショートバージョンでのイチャイチャを書いてみました。

イカル様の続きといえば続き、本が出来た日のことです。

387 名前:ヤッタヤッタ踊りのあと1 mailto:sage [2010/06/20(日) 01:20:45 ID:U4kA5TCp]

原稿料は入らなかった。
でも「鬼太郎」の長編を続けて描ける。

布美枝は「謹呈 村井布美枝殿」と書かれてプレゼントされた
「墓場鬼太郎」を抱えて大喜びで思わず踊ってしまった。
茂に「何だ、その踊りは?!」とツッコまれたが、
そんな夫の手を取って「あなた、本当にすごいです!」と言うと感激して涙を零した。
茂は呆れたような、けれどにっこりとした顔で、布美枝の頭を撫でてくれた。

布美枝は本を抱いたまま、茂にぎゅうと抱きついた。
心底、茂を尊敬し、愛おしいと思った。
茂もまた、そんな布美枝をぎゅっと抱きしめた。

少しして、布美枝は身体を離すと、ちらっと茂を見上げて、

ちゅ

まさに、そんな音で、キスをしてみた。
「おっ」という顔の茂。

「プレゼント、のお礼です」

恥ずかしそうに言うと、茂の腕から離れてちゃぶ台で本を眺め始めた。

ぽりぽりといつものように茂は頭を掻きながら、
本に隠れて恥ずかしそうにしている布美枝を見て、少しほくそ笑んで言った。

388 名前:ヤッタヤッタ踊りのあと2 mailto:sage [2010/06/20(日) 01:21:23 ID:U4kA5TCp]

「本一冊プレゼントした割りには、礼が甲斐ないな」
「え?」

そして茂の方から、ちゅ、というキス。

すぐに離れたが、茂はやはり物足りないという感じ。
布美枝は「次」と「次以降」の流れを予感して、思わず立ち上がった。

「ゆ、郵便受け見とらんだった…!そろそろまたお義母さんから返事が…」
と言いながら、そそくさと玄関の方へ向かう。

しかし玄関を出る前に捕まって、抱きしめられてしまった。

「ちょ…こ、こげなとこで…。中森さんが降りてきたら」
「さっき出かけとったわ」
「…でも…」
「本一冊分の礼はまだまだこれでは回収できんわ」
「ど…どれくらい要るんですか…」
「さあ…」

意味ありげににんまりとした笑みを浮かべた茂の顔を、
次の瞬間には視界から見失っていて、今度はぎゅっと詰まったキスをされた。
もう布美枝には抗うことはできない、このまま崩れるだけだ。
けどそれも良い。この腕に抱かれるたびに、茂への愛おしさは増すばかりだ。

「おい、ゲゲ、おるかー!」

バタン!と勢いよく開いた玄関から、入ってきたのはイタチの浦木。
玄関のまん前の廊下でコトに及んでいたのだから、
茂も布美枝も石のように固まってしまった。

「あらま。まだ明るいというのにお前ら…」
「…う〜〜〜〜るぁ〜〜〜〜き〜〜〜〜!!」

怒髪、天を衝く、とはこの例えである。
茂はニヤニヤとするイタチ顔の男を外に蹴っ飛ばして
しばらく外で言い争いをして近所の顰蹙を買っていた。

布美枝は夫婦の秘め事を他人に見られたショックで、
しばらくその場を動けないでいた…。

おわり



389 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/20(日) 02:48:05 ID:pHdjypfa]
>>387
新作キタ━━ヾ( ◎ )/━━!!
チュッチュッしちょるよ〜w
向井リと松下さんが本当に演じてる場面が浮かんできて
放送にないのがオカシク感じてきたw
やばいwww

それにしてもこの夫婦イチャイチャしすぎである
実にけしからん!
もっとやれ(ry

390 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/20(日) 02:58:22 ID:bF1aMllm]
所構わずちゅっちゅっするのは危険ですぞwでも可愛いのう!萌えをありがとうございますっ!



391 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/20(日) 03:20:49 ID:QF4EIjMv]
規制解除ヤッタ━━━━(゚∀゚)━━━━ !!!!!
時間亀杉かもしれないけどうpしてくれる職人さんに感謝&萌えまくりです
皆さん脇役活用旨過ぎ!!
浦木とか美智子とか中森さんとか一反木綿とかww



浦木の間男疑惑
ほんとにゲゲは1_も疑いとかよくない妄想とか持たんだったんだろーか
(その辺のお話ちょっこし期待してみるw)

392 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/20(日) 10:16:18 ID:hgmqhzYJ]
>>387
GJ!カワユス
このあとフミちゃんがどれだけ身体で返したのかも是非読みたいですw
>>391
皆様、脇役にも愛を持って書いているのが伝わりますなぁ

393 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/20(日) 21:19:41 ID:9y7y+z0H]
281様!新作待っちょりました。
口づけの嵐で甘いですな〜

そういえば今日の総集編の最初でこれから放送予定の3カットが
公開されましたね。
3カットともイチャイチャカットで萌えw


394 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/21(月) 21:16:40 ID:qv3Yj3X3]
暫く離れ離れの夫婦ですか…寂しい…
勿論旅立ちの前夜には
二人の絆をしっかりねっとり確かめあうんですよねわかります
でも…やっぱり寂しいなぁ(´;ω;`)

395 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/21(月) 22:18:29 ID:yi3sQpnp]



まいど、281です。

いつもレスありがとうございます。嬉しいです。
本番よりもイチャイチャの時間が萌えるので
こういうチュッチュしとるのが実は好きです。
いや、エロいのもええんですが。

あと自分、書くのも好きなんですが、
読む方もすごい好きなので、
職人さまの投下が待ち遠しいです。

今は>>391さんの「浦木間男疑惑」にヒントを得て
あれこれ考え中です。

あの回の「亭主の留守に間男しにきたわけではないぞ」の浦木の台詞に
「当たり前だ!だら!」というゲゲの強い口調が
なんか妙に萌えたのは自分だけだったのか?
と思っていたのですが、>>391さんもそう思っていたのですかね?

396 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/21(月) 22:50:49 ID:7m/LWao8]
>>395
391タソではないですが、あのゲゲのリアクションは萌えましたね〜!
2人きりになってからも、もう少し引っ張って欲しかったくらいw

397 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/21(月) 23:50:54 ID:73pjz8zi]
>>395
お〜!やっぱりチューがお好きなんですね。
281さんの2人はよくチュッチュッしてて可愛くて凄い萌えますw
新作も楽しみにしちょりますけん!

398 名前:蜜柑1 mailto:sage [2010/06/22(火) 02:03:35 ID:O5311a8s]
「今日は、100円で蜜柑がこんなに♪本当この所100円づいちょるわ♪早く帰って果汁絞って藍子に飲ませんと♪…そういえば…おとうちゃんと安来からの汽車の中で蜜柑一緒に食べたなぁ…フフッ」

ドンッ!!

「きゃっ!!」
「わっ!!」

ドサッ!ゴロゴロゴロゴロ…

「「すんませんっ!!」」

「あっ…とっ…失礼しました!ぼんやりしていて…お怪我はありませんか?あぁぁぁ蜜柑がぁ〜!!」

「ええっ!こちらこそすんません。大丈夫ですけん。私も、ちょっこしぼんやりしちょったんです…………蜜柑〜〜〜〜!!」

道端に転がった蜜柑をしゃがんで拾い集めながら男は布美枝の言葉が気になった
「えっ…ちょっこし…しちょった…あっ。最後の1個…
………………………………あの失礼ですが、郷はどちらでしょうか?」

「はぁ〜良かったぁ…ありがとうございます
はい?島根の安来の方です。ご存じですか?」

蜜柑の入った袋を大事に抱えながら立ち上がる

「あぁ!やっぱり!自分も安来なんです………って…で…!!(デカい!この人…んっ…大きい→電信柱…)
…まさか…布美枝ちゃん?」

399 名前:蜜柑2 mailto:sage [2010/06/22(火) 02:05:18 ID:O5311a8s]
「えっ…えっと…そげですが…えっと…あのー…」
「俺だ!俺!覚えちょらんかなぁ〜山田!山田太郎!」
「えええぇぇぇタロちゃん!東京に住んどったの?」
「仕事で5年前に…しかし…びっくりした!安来の時より更に背ぇ伸びちょらんか?…………あぁ…でも、綺麗になったなぁ」

「もぅ…最初に私のこと『電信柱』って言ったのタロちゃんだけんね…えっ…綺麗…?」
「うん。ほんに綺麗になったなぁ。…あー…電信柱はすまんかった。あの頃、ふみちゃん俺より背ぇ高かったけん。好きな子より小さいんは悔しくてなぁ…つい…」

「えっ…えええぇぇぇーーーーーー!しし知らんかったよ…
えっと…そのぉ…
すっかり東京の人みたい。最初全然なまっちょらんかったよ」

「おっ…うん…営業で外回るけん。頑張って直した。けんどふみちゃんに会ったらすっかり戻ったなぁ。あははっ。
今は?結婚しちょるの?」

「うっ、うん。子供もおるよ」
「そげか。会えて嬉しかった」
「うん。…あっ。じゃ、私こっち」
「おぅ!元気でな」
「タロちゃんも」

400 名前:蜜柑3 mailto:sage [2010/06/22(火) 02:05:53 ID:O5311a8s]
帰り道、太郎の言葉を反芻する
「知らんかったわータロちゃんが私を…あの頃は、ただ意地悪な子としかおもっちょらんかったなー背も伸びて、きっちりスーツ着て、かっこよくなっちょったなぁ」



「ただいま帰りましたー!藍子ただいま!ええ子にしちょった?」
「ええ子にしちょったなぁーおっ。藍子、土産があるようだ
おぅ。よだれ垂らして。ははっ!わかっちょるな」



夕食後
藍子に果汁を飲ませると満足したのか、機嫌良く眠ったので2階に運んでベビーベッドに寝かせ布美枝は、1階に降りた

「あれっ?おとうちゃん、蜜柑食べんのですか?」
「食うけん。剥いてくれ」

普段はなんでも自分でこなす茂だが時折、布美枝に甘えたがるときがある。
この時も布美枝が2階に行ってる間に器用に蜜柑の皮を剥いてひとつペロリと平らげたのだが…

「はいはい♪いま剥きますね」



401 名前:蜜柑4 mailto:sage [2010/06/22(火) 02:07:05 ID:O5311a8s]
蜜柑の皮を剥きながら、ふと先程の太郎の事を思い出して笑ってしまった

「んっ。どげした?思い出し笑いか」
「いえ…さっき帰り道、男の人とぶつかったら…その人、小学校の時の同級生だったんです
私は全然気付かんかったんたんですが…向こうはすぐ私だと気付いてくれて
少しおしゃべりしちょったんです」

「ふーんそげか。」
蜜柑を剥いていて茂が少し不機嫌な顔になった事に気付かない布美枝
さらに話を続け

「あの頃は、丸坊主だったのに…髪も背も伸びて、かっこよくなって…
それに…ふふふっ♪
…はい。おとうちゃん、お蜜柑むけましたよ………………んっ。おとうちゃん??」

布美枝が顔をあげた頃には茂は、すっかり臍を曲げてしまい布美枝に背を向けていた

402 名前:蜜柑5 mailto:sage [2010/06/22(火) 02:08:49 ID:O5311a8s]
「いらん」
「え!おとうちゃんが食べ物いらんなんて……
あれっ?
えとっ…まさか、おとうちゃん妬いて?」

「だらっ!誰が妬くか!!いらん!いらんったらいらん!」

「もぅ」
布美枝は、そっと茂に近付き広い背中にもたれ頬を寄せ抱きつく

「もぅ…おとうちゃんたら」
「ふんっ」
「私には、おとうちゃんよりかっこいい人なんてどこ探したって絶対おらんですけん」
「…………」

そっと顔をあげ茂の耳元に唇を近付けた
「機嫌なおしてください…あ・な・た♪」

ドキッと茂の心臓が跳ねるのがわかったが、ここで吹き出しては元も子もないと、ぐっと笑いを堪えて
蜜柑をひと房口にくわえる
茂はその様子を目の端で捉えながら振り返り
「わかっちょるならええ」

そっと唇を近付け
口移しに蜜柑を頬張ると満足そうに笑った



ちゃんちゃん♪

403 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/22(火) 07:36:07 ID:HNcSaQXH]
>>398
新作キタ━━━ヾ(◎)ノ━━━!!
職人様、だんだん!
やっぱヤキモチ展開は良いなぁ
まさかのフミちゃんからの口移しとゲゲの可愛い拗ね方に萌えた!

ドラマとこのスレのお陰で今日も頑張れるw
前にも書いてる方がいるけど、自分も2人が居るだけで幸せw

404 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/22(火) 10:39:44 ID:1aaL9G6P]
>>403
職人タソありがd
嫉妬ゲゲ大好きです!
個人的には、ちょっぴりSモードゲゲも大好きですwww
続きもヨロシクお願い致します!!

405 名前:404 mailto:sage [2010/06/22(火) 10:41:04 ID:1aaL9G6P]
アンカーミスですスマソ
>>402様へのレスです
失礼しました

406 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/22(火) 15:54:34 ID:ChR3AF56]
嫉妬ゲゲが可愛いですなあ。自分で皮むけるけど、フミちゃんに頼むあたりがいいよねw

407 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/22(火) 23:26:42 ID:HNcSaQXH]
>>406
電車の中では断ってたのになw>みかん剥き

408 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/23(水) 00:53:53 ID:qOdJHu1h]

どうも、281です。

>>398さん、確かに自分で皮むかないゲゲ萌え。
口移しがバナナでなくてよかったw

ヤキモチはいいもんです。
というわけで、自分もヤキモチ話を投下。



409 名前:ヤキモチ焼けました1 mailto:sage [2010/06/23(水) 00:54:59 ID:qOdJHu1h]

漫画のストーリーの展開に行き詰ると、散歩に出かけるのが茂の常だった。
真夏のうだるような暑さはもうすっかり薄れ、
墓めぐりにはもってこいの秋の夕方。
しばし「何十年も死んで、心が寛容になった」先人達の墓と対話し、
ぶらぶらとススキを揺らしながら家に戻ってきた。

すると。

「ああっ、だめ、だめです、浦木さん…」

開いた窓の向こうから、切羽詰ったような布美枝の声。

「でも、奥さん…」

もうひとつの声は、あのイタチ男、浦木だった。

「中はだめです、外に、外に出してください、お願い…」
「…じゃあ、行きますよ」
「はい…あ…行く、行きます…」

何なんだ、この会話は?!

410 名前:ヤキモチ焼けました2 mailto:sage [2010/06/23(水) 00:55:44 ID:qOdJHu1h]

茂の頭は一気に沸騰し、沸点をも通り越すほどにかっと熱くなった。
まさか自分の留守にイタチと布美枝が?!
そんなはずはない!が、今の会話はまさに濡れ場の男女のそれではないか!
信じられない思いで茂は、持っていたススキを放り投げると
ただでさえ壊れそうな玄関の扉を勢いよくあけ、だだっと居間に駆け込んだ。

「浦木ぃ!!」

どすの効いた茂の声と

「きゃー!やったーー!」

布美枝の黄色い声は同時。

布美枝と浦木は、鬼気迫る形相の茂を振り返って「?」顔をした。

「…おかえりなさい」
「なんだ、ゲゲ?何怖い顔しとるんだ、お前」

茂の想像とはうらはらに、濡れ場のはずの二人はしっかり服を着込んでおり、
布美枝はハエたたきを、浦木は丸めた新聞紙を持って立っていた。

「…な、にを、しとったんだ?」

茂にはその場の状況が理解できなかった。
すっかり鬼の形相はなくなっていたけれど。



411 名前:ヤキモチ焼けました3 mailto:sage [2010/06/23(水) 00:56:25 ID:qOdJHu1h]

「ゴキブリが出たんです。もう涼しくなっておらんようになったと思っとったのに。
 それで、浦木さんに追いやってもらったんです」
「奥さんが家の中で叩き潰すのは気味が悪いから、外に出してくれと言うのでな。
 二人でゴキブリを追いやっとったんだ」
「うまく外に行きましたね」
「私の巧妙なる誘導のたまものですな」
笑顔で向き合う二人に、茂はちょっとむっとした。

しかして、自分の勘違いをどうにも説明のしようのない茂は、
「な、何しに来たんだお前はー!」結局浦木に当たるしかなかった。

「何しにとは冷たいじゃないの。近くを通ったから様子を見にきたんでねーか。
 そしたら煮物のええ匂いがして…」
「メシにありつこうって魂胆か!」
「…いやあ、まとまった金が入るまであと2、3日あるんでな。ちっとひもじいんだわ」
「帰れ!この野良イタチ!」

飼われたイタチがいるのかどうかはわからなかったが、
茂は浦木を蹴飛ばしながら玄関まで来ると、
自分が勢いよく入ってきて、その反動で開けっ放しになってあった扉から追い出した。

慌てて布美枝があとから追いかけてきて
「浦木さん、助かりました。これ、ちょっこしですけど」
と言って、握り飯の包みを渡した。

412 名前:ヤキモチ焼けました4 mailto:sage [2010/06/23(水) 00:57:01 ID:qOdJHu1h]

「ああっ!ありがとうございます、奥さん。
 それにしてもあげな鬼のような亭主によー尽くしとりますなあ。
 この前なんかもほれ、無理矢理玄関先でねぇ」

と言われて、はっとして布美枝は真っ赤になってしまう。

玄関前の廊下で、夫婦の甘い口づけを交わしている姿を
浦木にばっちり見られてしまったのはつい一月ほど前だった。

「ま、独り身としては目の保養、下半身の慰めに…」
「だらくそがっ!!さっさとどっか行けっ!!」

茂がまた赤鬼のように追いかけてこようとしたので、浦木は慌てて逃げていった。

部屋に戻った茂は、持って行き場のない怒りと恥を抱えてちゃぶ台の前に座った。
布美枝は呆れた顔でその背中を見やり、
「何もあそこまでせんでも…」と言って少しため息をついた。
「お前なぁ…!」
と言いかけて、布美枝を振り返る。
ふっと自分の想像の中の濡れ場で、浦木に抱かれて悶える布美枝の表情を思い出してしまった。

「ん?」
「ぐっ…」

茂は言葉を飲み込んでしまった。

413 名前:ヤキモチ焼けました5 mailto:sage [2010/06/23(水) 00:57:49 ID:qOdJHu1h]

「…お手伝い、しましょうか?」

そうっと襖を開けて、布美枝は茂の様子を伺った。
今日は浦木が来てから機嫌が悪いようで、ずっと口を利いてくれない。
もしかしたら「寝ろ」と言われるかも、と覚悟した。
けれど「…ん」と言って、原稿を布美枝の作業机に差し出してくれた。
ほっとする。

言葉はかけてくれなかったけれど、布美枝は嬉しくなって作業を始めた。
しばらくしんとした中、ペンの走る音と原稿をめくる音だけがしていた。
やがてこの沈黙に耐えられなくなったのは、茂の方だった。
「…おい」
「はい?」
布美枝は原稿から顔を上げずに返事をした。

「…浦木をそうそう家に上げるなよ」
「え?」
ぱっと顔を上げる布美枝。
茂の低い声に少し怖気づく。

414 名前:ヤキモチ焼けました6 mailto:sage [2010/06/23(水) 00:58:36 ID:qOdJHu1h]

「どげしたんですか?あなたの幼馴染でしょう?」
「ろくなヤツでないと言っただろうが」
「それは…そうですけど」
中森のこと、少年戦記の会のこと、色々と思い当たる節がある。

「けど、あたしは色々話が聞けて楽しいです。
 あたしの知らん頃のあなたのこと。今日もようけ話してくれました」
「…」
「ケンカばーっかししとったとか、昔から食いしん坊だったとか」
「ろくでもない…」
「浦木さんと話しとると楽しいですよ。話し上手ですけん、おもしろい…」
「そげなら俺と別れて浦木と一緒になったらえーでなーか」

言ってから、しまった、と思った。
思わず口をついて出た台詞は、しかしもう拾い返しようがない。
我ながらなんと子どもみたいなことを…。
なんとも厭味な、えげつない言い方と内容。
ガシガシ、頭を掻きむしる。すると、左側の視界にきらりと光るものが飛び込んできた。
はっとして顔を上げると、布美枝が大粒の涙を零して肩を震わせていた。


415 名前:ヤキモチ焼けました7 mailto:sage [2010/06/23(水) 00:59:24 ID:qOdJHu1h]

「な…」
「ひっく…な、なんでそげなこと…言うんですか…ひっ…
 何をそげに…今日は怒っとられるのか…あたしにはわからん…ひっく…」
「や、な、何も、泣かんでも…」
「ひっ、えっ…えーん…」
「わ、悪かった!嘘だ、本気で言ったんでなーわ!」

なかなか止まらない布美枝の涙に、茂はほとほと困り果てた。

自分のつまらない勘違いから、本当は浦木にも八つ当たりをしたのはわかっていた。
けれど、布美枝をも泣かせるまでのこの幼稚さ…。
自己嫌悪に拍車がかかるが、かといって布美枝にかける言葉は見つからない。

おどおどしながら、布美枝を抱き寄せ、背中をとんとん叩いてやる。
布美枝はぎゅっと茂の背中に腕をまわして、その胸の中でしばらく泣いていた。

「…悪かった…」
としか言いようがない。
しばらくしてようやく少し落ちついた布美枝を見て、ほっとした。
壊れ物でも扱うように、そっと布美枝の肩を抱いて自分から引き離すと、
涙の痕を軽く指でぬぐってやった。

416 名前:ヤキモチ焼けました8 mailto:sage [2010/06/23(水) 01:00:02 ID:qOdJHu1h]

それを合図に思ったのか、布美枝は茂を見上げる。
目と目が合うと、どちらからともなく、唇を触れ合った。

熱い吐息とともに離れた唇を、今度は布美枝の首筋に落とす。
茂の右手は既にブラウスのボタンをはずし始めていた。

と、布美枝の手がそれを制止する。

「…訊いてもええですか?」
「…ん」
「もしかして…」
「ん?」
「やきもち、やいとったですか?」
「!」

見上げてくる布美枝の、どこか悪戯っぽい視線から、茂は思わず目を逸らしてしまった。

「浦木さんのこと、ええように言ったからあなた、怒ったんでしょう?」
「…ぅ」

自分の顔が赤くなるのを感じた茂は、手で顔を覆うが
布美枝の「口撃」に撃沈寸前までの痛手を被っていた。

「うふふ」
「何を…さっきまで泣いとったヤツが」

それを言うのが精一杯だった。もう白旗を揚げるしかない。

417 名前:ヤキモチ焼けました9 mailto:sage [2010/06/23(水) 01:00:39 ID:qOdJHu1h]

すると。

布美枝が、茂の首に飛びついてきて、勢い余って後ろに倒されてしまった。
いつもとは違い、布美枝に組み敷かれ、見下ろされる茂の図。

その布美枝の顔には、さっきまでの笑みはなく、ちょっと緊張した面持ちがあった。

そうっと茂の唇に自らのそれを落とすと、二度三度、繰り返す。
稚拙なキスだったが、茂はただそれを受け止めた。

「あの…」

声も緊張しているような布美枝の問いかけに、視線で返す。

「今日は…このままで。その…物真似ですけど」
「…ん?誰の」
「あなたしかおらんです。あなたしか…知らんのですけん」

顔を赤くして視線をそらす布美枝を、いじらしく思いながら、
茂は下から布美枝の唇を誘いにいって、布美枝もそれに誘われて、二人は深く口づけた。


418 名前:ヤキモチ焼けました10 mailto:sage [2010/06/23(水) 01:01:18 ID:qOdJHu1h]

布美枝は茂の、茂は布美枝の、お互いの服のボタンをはずしていく。
布美枝の両手は小刻みに震えて、なかなか上手くいかない。
片手なのに、ずっと茂の方が早かった。
下着の上から柔らかい乳房の感触を愉しんでいると、怒られた。
「ぁ…ん、もうっ、気が散るっ」
「寝転んどるだけでは退屈だが。お前がトロくさいんだ」

やっと茂の服を脱がせることに成功すると、
広い胸にドキドキしながら唇を落とし、鎖骨に添って舌を這わせた。

「こそばゆいな…」

少し笑って、茂は言った。

今度は二つの突起を舐めあげてみる。
一方は舌で、一方は指で、愛してみる。
布美枝なら、この瞬間に鳥肌が立って一気にそれが下半身に飛び火するところだが、
「ぁははっ、こそばゆいわ…くっくっく…」
茂には何だか、子どものくすぐりあいのような反応しかしてもらえない。

布美枝は少し情けなくなってしまった。
茂がいつも布美枝にしてくれるように、優しく愛撫しているつもりなのに。
動きを止めた布美枝を、覗き込む茂。

「おい?」
「…ええこと、ないですか…?下手くそで…すんません…」

419 名前:ヤキモチ焼けました11 mailto:sage [2010/06/23(水) 01:01:50 ID:qOdJHu1h]

うーむ、と茂はちょっと悩んだが、
布美枝の手を取って、自分の足の付け根のあたり、
硬くなったそれ自身へ、導いてやった。
少し、躊躇した布美枝だったが、意を決したようにズボンを脱がせて、
それに触れて、何ともいびつな形を確かめるように撫でる。
そして、下着の中に手を入れて、直に触れた。

既にぬるっと先走った液がそれ自身を濡らしており、
生温かく、まるで生き物のように、その心臓を、どく、どく、言わせていた。
いつもは触れる間もなく、布美枝の中へ入ってくるそれを、
今日初めてそれ以外の場所で確かめているのだ。
遠慮がちに付け根から先端へ撫で上げる。
そして手の中にそれ自身を包み込み、上下に動かしてやった。
茂の吐息が熱くなった。

少し、嬉しい。
布美枝の愛撫で感じてくれることが、ただ嬉しかった。
しばらくそうして、茂の様子を伺っていると
負けじと茂も布美枝の下半身へと手をのばしてきた。


420 名前:ヤキモチ焼けました12 mailto:sage [2010/06/23(水) 01:02:29 ID:qOdJHu1h]

「…あっ…」

こちらも既に潤いが十分満ちていて、
すんなりと二本の指の侵入を許してしまった。
あっさりと下着を剥ぎ取られ、今度は下から布美枝が攻撃される。

「だ、めです…きょ、うは…あたしが…」
支配権を握るのだから…と言いたかったが、続かなかった。
まだまだそんな権限が持てるほど熟達してはいない…。
ちらり、と布美枝はそんなことを思った。

やがて茂に促され、その補助に添って
そそり立つ茂自身の上に布美枝の入り口が宛がわれ、ゆっくり腰を下ろした。
ぐっと入っていく感覚が、いつものように突かれるような衝撃ではなく、
貫かれる、という表現が正しいだろうか。しかし快感には変わりない。

「…っぁ」

布美枝は茂に覆いかぶさるように崩れた。
リズミカルに下から突かれる。
それに合わせて、布美枝も腰を動かした。
布美枝の中で、先ほどの生き物が暴れだす。

いつもは布美枝に覆いかぶさって、よく見えない茂の顔を、
今日はじっくり見ることができる。
快感に眉をひそめ、熱い息を吐いている茂。
否応無く、淫らで、とろけるような空気に包まれ酔ってしまう。
茂は布美枝の視線に気づくと、口の端だけを持ち上げて、
仕返しとばかりに布美枝の乳房を掴んで弄びはじめた。



421 名前:ヤキモチ焼けました13 mailto:sage [2010/06/23(水) 01:03:18 ID:qOdJHu1h]

「はぁ、は…ぁ…」

互いの息遣いが荒い。
布美枝はどんどん腰の動きを速める。
自分の快感と、茂の快感と、互いの高みに到達するまで、あとわずかだ…。

「っ…あぁ…ふ…み…」

名前を、呼んでくれるより先に、
大きく嘆息した茂が、その動きを止めた。
と同時に、布美枝の中に飲み込まれていた生き物がその種子を吐き出した。

――――――

本日の被害状況。

一、仕事部屋の座布団二枚。

二、布美枝のスカート。

以上を洗濯してきた布美枝は、すやすやと寝息をたてる茂を見やり、
ひとり、「ふふ」と笑みを浮かべた。
その子どものような寝顔と、やきもちをやいてくれたときの顔。
それだけでこの世の幸せを全部自分が抱きしめているような気分になった。

浦木さん、また来んかなあ…。
来たら、この人の妬いた顔、また見られるのに。

いつもは迷惑千万の浦木も、そう思うと何だか恨みきれない男に思えるのだった。


おわり

422 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/23(水) 11:22:38 ID:I7fc3yx3]
281タソありがとうーー

じぇらすぃゲゲが良い感じ!!
281タソはいつも「焦れるゲゲの描写」が上手いですなあ〜♪

423 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/23(水) 14:39:12 ID:Op8lhZzu]
長編キター!嫉妬するゲゲ、積極的になっちゃうフミちゃん良いですなあ。嫉妬してもらえて嬉しそう。
ゲゲに嫉妬させる為に、浦木には家にしょっちゅう来て欲しくなるw

424 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/23(水) 15:47:12 ID:9SuSljdJ]
>>409
職人様いつもだんだん!
浦木GJ!嫉妬してもらえたことに喜ぶフミちゃんがカワイイ

Sっぽいゲゲの嫉妬編も激しく読みたいなぁ

425 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/23(水) 23:41:13 ID:qOdJHu1h]

281です。いつもレスありがとうございます。

それにしても、分かっていたこととは言え、
ゲゲと布美ちゃんが離れると
萌え箇所が皆無だわ…(/_;)
今日なんか特にゲゲの影すら見えんだった…。

明日は布美ちゃん(と藍子ちゃん)がいなくて
ゲゲがなんかさみしーなぁ、と思う、
くらいの演出があってほしい。

この里帰り、今週中に終わるんだろうか?

426 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/24(木) 00:49:27 ID:ZTWL+ywN]
そだねー
ゲゲはフミちゃんと藍子ちゃんを送り出してはみたものの
一人になって、めっちゃ寂しくなっちゃうの見たいよねー

・・・それにしても、はるこヤダな orz

427 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/24(木) 10:23:27 ID:zR/L6kOO]
フミちゃん里帰り、寂しい…。

大作続きの隙間に、
こっそり投下します。

またも非エロの夫婦コントです。
よろしければ。



428 名前:女房孝行 1 mailto:sage [2010/06/24(木) 10:24:19 ID:zR/L6kOO]

「今日、お前の誕生日だろう。」
夕餉の途中で切り出すと、布美枝は目を丸くした。
「めずらしいですねえ。そげなこと覚えとられるなんて。」

「う…いや…実は忘れとったんだが、今日こみち書房の前を通りかかってな…。」
「ああ、さては美智子さんと偶然会って、そげな話になったんですね。」
変だと思いました、と布美枝はクスリと笑っている。


…あれはおそらく、偶然ではない。
すずらん商店街の情報網を使い、茂が通るのを知っていて、
待ち伏せしていたのだろう。
美智子の目は決意に満ちていた。

「先生、今日、何の日かご存じ?」
「は?」
「…もしかして、忘れていらっしゃるの?」
「…申し訳ない、さっぱり話が見えんのですが。」
本気で聞き返すと、

「もう!布美枝ちゃんのお誕生日ですよ!」
「!ああ〜あ〜、そういや、そげでしたなあ。」
ようやく話を掴めてほっとする暇もなく、畳みかけられた。

「先生。いつも忘れていらっしゃるんでしょう。
今年は、ちゃんとお祝い、してあげて下さいね。」
「はあ、そげなもんですか。」
「あたりまえですよ。東京じゃあ、布美枝ちゃんの家族は先生だけなんですからね。」
「ほほう、なるほど…」

のらくらとした茂の態度に業を煮やしたのか、
美智子の後ろから、突然、姑・キヨの爆撃がとんできた。

「先生!なーに他人事みたいに言ってんですか!
誕生日くらいね、女房孝行したってバチあたりませんよ!」

429 名前:女房孝行 2 mailto:sage [2010/06/24(木) 10:25:21 ID:zR/L6kOO]

「…あれはなかなかの迫力だった…。」
思い出して首を振る茂を、布美枝が不思議そうにみている。
「それで、誕生日がどげされましたか?」

「おう、それでな、今日はなんでもひとつ、お前の頼みをきいてやる。
何がええかゆうてみろ。」
「ええっ、そげなこと、ええですよ。」

茂の提案に、布美枝は遠慮しながらもほんの少しうれしそうである。

ーふむ、なるほど、たまには女房孝行も悪くない。

「いやいや、まあ、金の無い人間の贈り物としては使い古された手ではあるが、
そう捨てたもんではないぞ?
なにしろ心が込もっとるからな。
これでも一人で何でもやってきたんだ。
なんでも言うてみろ。肩もみでも皿洗いでもうまいもんだぞ。」

布美枝は困ったようにしばらく考えていたが、

「…ほんなら、あのう、背中を流させてもらっても…ええでしょうか。」
と言い出した。

「背中?俺のか。」
「はい。」
「しかしそれじゃあ、お前の祝いにならんだろう。」

それでも布美枝は、
「ええんです、いっぺん流してみたかったんです。
…やっぱりだめでしょうか?」
と真面目な顔をしている。

「お前も変な奴だなあ。」
茂は苦笑し、
「よしわかった。じゃあまあとりあえず、今日は俺が風呂の支度をしてやるか。」
布美枝は、お願いします、と笑顔を見せた。

430 名前:女房孝行 3 mailto:sage [2010/06/24(木) 10:26:02 ID:zR/L6kOO]



ーここは地獄か極楽か。

先程から茂は風呂椅子の上、腰に手ぬぐい一枚、
というなんとも頼りない恰好で、背中を布美枝に預けている。

「どげですか?」
「ああ、なかなかうまいもんだ。」
「そげですか?よかった。
実家では兄弟が多いですけん、子供のころから毎日流しっこしとったんですよ。」

茂の背中をこすりながら、布美枝は楽しそうに思い出話をしているが、
実はあまり頭に入ってきていない。

こもる湯気の中、眼鏡もなく、視界は仙界の如く霞んでいる。

やわらかい掌は背中をやさしくなでていく。

布美枝が前へ踏み出すたびに、目に入る素足はやたらに白く。

自制心を総動員してはいるが、湯をすくう細い手首を掴まないようにするには、
かなりの忍耐を必要とした。

ーやはり地獄だな。

これは女房孝行なのだから、自分の思うようにしていいはずがない。
ここは我慢だ、と茂は限りなく極楽に近い地獄でさらに忍耐を学んだ。






431 名前:女房孝行 4 mailto:sage [2010/06/24(木) 10:26:38 ID:zR/L6kOO]

しかし何事にも限界がある。
もしやこいつは仙女に化けた妖怪ではないか…
と、幻覚にもにた妄想が頭をよぎり始めた時、

「はい、終わりました。」

「そ、そげか。もうお前は出てろ。暑いだろう。」
一刻も早く追い払おうとしたが、布美枝はなかなかでていかない。

「どげした」
「今日は、…だんだん。」
「…いや、むしろこっちが礼をいうとこだろう。
すまんかったな。なんもしてやれんで。」

布美枝はじっと背中を見つめているようだ。

「…あなたが、精魂こめて、寝る間も惜しんで漫画書いとられる時、
私はいっつもこの背中を見とるんです。
この背中を見ながら、心配したり、力になりたいと思ったり、
…色んな気持ちでおりますけん…。

…ずっと、いっぺんでいいから、あなたの背中をきれいに流して、
お疲れ様、って言いたかったんです。

だから今日は、あなたにも、あなたの背中にも、だんだん、です。」


「…」

忍耐の二文字は、あっさりどこかへ飛んでいった。



432 名前:女房孝行 5 mailto:sage [2010/06/24(木) 10:27:23 ID:zR/L6kOO]

茂が細い手首を掴んで引き寄せると、
布美枝はあっけなく茂の膝の上に座る形で転がり込んできた。

「あ、あなた!」
「今度は俺が洗ってやる。」
「ぬ、濡れますけん。」
「風呂は濡れるところだ。」
「服が濡れるんです!」
「しらん。風呂で服着とる方が悪い。」

ぼんやり霞んだ視界の中、布美枝の真っ赤な顔には、
汗だか湯気だかで一筋の毛が張り付いている。

右手で背を支えながら、唇でそっと髪を払ってやり、
ついでに上唇をやわらかく食むと、布美枝の肩が小さく震えた。

鎖骨のくぼみに玉のようにたまった汗を、そうっと吸い取る。
そのまま鎖骨にそって舌でなぞると、布美枝の手がぎゅっ、と茂の肩につかまってきた。

右手が自由になったところで、胸元のボタンをはずしていく。
と、突然布美枝の手から力が抜けた。


きゅう。

「ん?きゅう?お、おい!」

あわてて右手で支えたが、布美枝は真っ赤な顔で目を回し、
ずるずると風呂場の床にへたりこんだ。



433 名前:女房孝行 6 mailto:sage [2010/06/24(木) 10:28:20 ID:zR/L6kOO]

「大丈夫か。」
「はい…。」

布美枝は布団のうえで恥ずかしそうに身を縮めている。
無事に目を覚ました女房に安心して、つい説教じみた口調になった。

「俺も悪かったが、お前も風呂場であんな厚着しとるからのぼせるんだ。
次からはちゃんと気を付けろ。」

「はい。
…え?次…って。」

はたと目が合う。

「〜っ、とにかく気を付けたらええんだ!」
「は、はい!」

全く、今日は何かとしまらない日であった。

…ああそうだ。しかし、これだけは言わなければ。

「おい」
「はい」

「…誕生日、おめでとう、だな。」
とんだ女房孝行になってしまったが。

「……だんだん。」

上掛けからは目から上しか出ていないが、本当にうれしそうに微笑んでいるのがわかる。

ーこんな簡単なことでこんなに喜ぶのだから、安上がりな奴だ。


「それにしてもさっきはびっくりするくらい真っ赤っ赤だったぞ。」
「えっ、そ、そげですか。」
「ああ、まるでゆでダコだったな。」
「!…もう!」
「ほれ、そうやって口をとがらすとますますそっくりだ。」
「しりません!」

仙女に見えたなどと、教えてやる気はない。
まだすこし赤い顔を、その辺の紙で扇いでやる。

「もう、そのまま朝までゆっくり寝とけ。ええな。」
「はい…。」



ーそれにしても今日は…最後まで生殺しだな…。


ほんの少し肩を落としている茂の横で、
布美枝の心を映したかのように、
一反木綿が幸せそうにすそをはためかせていた。


オワリ


434 名前:427 mailto:sage [2010/06/24(木) 10:36:53 ID:zR/L6kOO]
み、皆様があっためてきたお風呂ネタを、
こんな形で消費して申し訳ない…。

誰か上手な方、続きをお願いします。

では、安来まで逝ってきます。

435 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/24(木) 13:59:00 ID:oIZovGzC]
>>263です。
遅ればせながら続きです。


その日の夕方。
台所では布美枝が夕餉の支度、少し離れた所に敷かれた座布団に座った藍子が静かに遊んでいた。
「お父ちゃん、もう直ぐ帰って来ますからね〜」
時折藍子に話し掛けながら野菜を刻む。
「帰ったぞ」
玄関のドアの音。
「お帰りなさい お疲れ様です」
原稿を出版社に持って行っていた茂が帰って来た。鞄から茶封筒を取り出すと、布美枝に手渡す。
「原稿料入ったぞ。今日は約束通りの金額だ」
「……アッ こんなに♪」
思わず声が出てしまい、口元を抑える。
「オゥ 藍子、帰ったぞ」
積み木で遊んでいる藍子の頬をチョンとつついた。
「お父ちゃんが帰って来るの待ってたのよね、藍子」
「お父ちゃん、お風呂どうぞ」
「お父ちゃん、ご飯ですよ」
「お父ちゃん」
「お父ちゃん」
「お父ちゃん」……
その日の夜。
茂の仕事部屋の襖が開く。
「お茶ですよ…お手伝いしましょうか?お父ちゃん」
「すまんな、それじゃベタを頼む」
「はい♪」
慣れた手つきで墨を塗ってゆく布美枝。茂はペンを休め、布美枝の横顔を眺めていた。
「? どげしましたか?お父ちゃん」
布美枝が気付き、茂を見た。
「あのな…」
「はい お父ちゃん」
「その、なんだ…」
「どげしましたか?お父ちゃん」ひとつ大きく深呼吸した茂は意を決した様に言った。
「ォ…お前のお父ちゃんは安来に居るだろうが」
「……え?」
「ッタク、藍子が生まれてからお父ちゃんお父ちゃん… 」
「でも、お父ちゃんはお父ちゃんですよ?」
「アーッ だから、俺はお前のお父ちゃんじゃない」
少しの沈黙の後。
「…肩を揉みましょうか」
布美枝は茂の後ろにまわり、肩揉みを始めた。
「そげですね…藍子にとってはお父ちゃんでも、私にとっては…茂サン」
布美枝は茂の耳元で呼んだ。
「ツ、続きやらんと朝になるぞ」
茂は原稿に取り掛かる。
「そげですね、茂サン」
「あー、もうええ 仕事にならんぞ ……布美枝」
「…はい♪」

オシマイ

436 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/24(木) 20:47:00 ID:wWeprP0K]
職人様方、だんだん!だんだん!
どっちも脳内で音声付き再生してます

>>428
こみち書房のおばあちゃん大好きだw
理性と戦うゲゲと健気なふみちゃんがええですな

>>435
フミちゃんが「茂さん」呼びしてるの読みたかったから嬉しい!

437 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/24(木) 22:52:19 ID:feu1CHq9]

おお〜!連続して投下されとる!
>>427
>>435
GJ!

>>427
こみち書房のキヨさんの台詞、ドラマとマジ同じ言い回し!
誕生日とかの萌えネタ、本編は軽くスルーなので
ここではどんどん使いまショー。
あっさり吹き飛ばされる理性ワロタw

>>435
気になっとったですよ、続き投下だんだん!
「オトウチャン」連発、確かにここのとこイヤに耳につく!
そこは「あなた」で行ってくれ!と毎日つっこんでいたので
耳元「茂サン」萌え…。

今週はやけに長いよ、話はおもしろいんだが。
やっぱり二人が一緒にいないと、萌えチャージが減少の一途。

438 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/24(木) 23:12:01 ID:6mBeaKih]
>>427
誕生日と風呂のコラボきたー
ドラマじゃ誕生祝とかやらなそうだからここで補完できて嬉しい
>>435
GJ!自分からお母ちゃん呼びし始めたのにむくれる茂が萌えですな

439 名前:小ネタ mailto:sage [2010/06/24(木) 23:25:03 ID:4nIIfVLV]
藍子5才

藍子「うらきのおいちゃん!わたしお馬さんに乗りたーい!おいちゃんお馬さんになってー」

布美枝「藍子。お馬さんごっこなんてどこで覚えたん?」

藍子「うんとねーきのうーおとーちゃんの上におかーちゃん裸で乗ってたーお馬さんごっこしてたーわたしもやるー」

浦木「お前ら激しいのー奥さんが上ですかー」

440 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/25(金) 01:20:58 ID:l0AR6hfm]
>>428
おお、本当に台詞が役者さん達の声で聞こえてきそう!上手いですな!

>>435
二人きりの時だけの茂サン呼び、萌えます!

>>439
藍子ばらすなwww



441 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/25(金) 14:08:53 ID:5djlxhuG]
藍子ちゃんはしげぇさんより賢いんだから気ぃつけんと!

442 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/25(金) 20:49:19 ID:9mgXni2R]
>>441
イカル乙w

今日はゲゲがふみちゃん達が居なくて寂しがる?描写があって良かった。

きっと明日は萌えチャージを補給出来るはず!・・・だよな?

443 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/25(金) 23:11:17 ID:y3a99+Nu]
>>439
藍子の無邪気発言きたww

非エロだし短いですが、投下させてください
新婚時期あたりで

444 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/25(金) 23:12:20 ID:y3a99+Nu]
布美枝が村井姓になってそろそろ一ヶ月が過ぎようとしていた。
出会って5日目で結婚というスピード婚。漫画家という人種の生活スタイルに面食らう事
ばかりで、心細さを打ち明けられる親しい相手もなく、これから何十年と続くであろう
結婚生活に不安が膨らんでいた当初。
 しかし、上京して数日後、茂とサイクリングへ出掛けたのをきっかけに少しずつ
茂と距離が縮まっていくのを感じた。彼は破天荒な所があるものの、普段は大らかで
優しくて、時折見せる茶目っ気がまるで少年のようだ。そんな茂と暮らしていくうちに、
布美枝はどんどん茂にひかれているのを自覚した。つまり、布美枝は今、夫に恋を
していた。
 その布美枝がある日の昼前、洗濯物を干していると茂が玄関から出てきた。
「おい。仕事が一息ついたけん深大寺までサイクリングに行かんか。桜が咲いとる頃だぞ」
「わあ、ええですね。あ…でも」布美枝は笑顔になった後、すぐ思案顔になった。
「そろそろお昼ご飯の支度するところでしたけど、どげしましょう?お昼食べてから
行きましょうか?おなか空いとりますか」
茂は少し考えて答えた。
「ほんなら握り飯でも作ってくれ。あっちで桜見ながら食べたらええ」
楽しそうな企画に、布美枝はいそいそしながら「じゃあ、急いで作りますね」と台所へ向かった。


445 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/25(金) 23:13:29 ID:y3a99+Nu]
 ささやかながらピクニックへ出掛けると、深大寺では丁度桜がほころんでいた。わあ、と布美枝が歓声を上げる。
「五分…、七分咲きぐらいですね。綺麗。ええ時に来ましたねえ」
「そげだろ」茂はまるで自分が咲かせたかのように得意気に返した。

 桜を見上げている布美枝を横目で見ながら、茂は内心安堵していた。
漫画の仕事は忙しく日々闘いだ。しょっちゅう〆切が襲ってくるので気が抜けず、
朝から晩まで漫画を描き続け、食事時以外布美枝とろくに顔も合わせない日も度々ある。
新妻を放ったらかしにしているのは承知なものの、相手が文句を言わないのを助けとばかりに、目の前の飯のタネを優先せざるを得ない状況に少なからず後ろめたさを感じていた。
 今日花見に誘ったのは、自分が行きたかったからという他に日々の埋め合わせの意味も
あったのだが、こちらの思惑以上に布美枝は喜んでくれている。
朗らかな女なのだ。見合いの時の印象に間違いがなかった事を茂は再確認した。


446 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/25(金) 23:14:52 ID:y3a99+Nu]
 座れそうな大きさの石に2人座り、布美枝がてきぱきとお握りの包みを広げ、水筒から
お茶を注いだ。春の植物の香りが混じり合う風を感じながら2人で昼食を食べた。

布美枝は満ち足りた気持ちを味わっていた。
「空の下で食べるお握りって、なして普通に食べるよりも美味しいんでしょうねえ」
「そげだなあ」ほおばりながら茂が答えた。その口元に米粒が付いている。
くすりと布美枝が笑った。「お弁当ついとりますよ」
いつもなら、布美枝にしては少々、ましてや屋外でとるには大胆な行動だった。
だがこの時は暖かな陽気のせいで気が大きくなっていた。布美枝は躊躇せずに茂の口元に
手を伸ばした。
「ほら」すくい取った人指し指を見せるような仕草をした。
と、茂が右手でお握りを持ったまま、器用に中指で布美枝の人指し指を引き寄せ、
何のてらいもなくその指を食べた。いや正確には、その指に付いていた米粒を食べた。


447 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/25(金) 23:17:10 ID:y3a99+Nu]
「あっ」
「ん?」思わずお互いの顔を見合わせた。赤くなった布美枝を見て、茂も視線を泳がせる。
(そりゃ、食べんともったいないけど)
(そんな驚くような事、したか?)
唇の感触がまだ指に残っていて、なんだかとてもどきどきする。
そんな布美枝の感情が伝染したのか、茂まで落ちつかなそうに意味もなく手で膝をさすった。

帰り道、「またたまにはここに来ましょうね」と恥ずかしそうに上目遣いになりながら
布美枝が言う。結婚して一ヶ月、既に体を重ねているのに、まだまだ娘のように恥じらう新妻だった。
もう少し、触ったくらいで緊張しないでほしい。そう思いつつ、なんともこそばゆい気持ちになりながら、
「ああ」と返す茂だった。

(終)


448 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/26(土) 00:00:12 ID:L7ZXdyYq]
>>439
藍子ちゃんwww
これからも、おとうちゃんとおかあちゃんの秘密を
どんどん暴露して頂きたいw
あと感心する浦木にもワロタw
おとうちゃんとおかあちゃんのお馬さん現場にも期待!

>>444
だんだん!
なんて可愛い夫婦なんだー萌え上がった!
非エロでも大歓迎ですけん
また素晴らしい作品投下してごしない!

449 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/26(土) 00:50:52 ID:9PwC/flU]


イチャイチャキター!!

萌えチャージはここで補完するしかない。

>>439
藍子ww
お馬さんごっこというか、ロデオを思い浮かべたw

>>444
これまじ、イチャ萌え。めちゃ好み。
あ、ちなみに自分281なんですが、
すごい偶然に、今、自分も深大寺デートを書いていた最中で…。
こちらとかぶるので、しばし推敲します…。


450 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/26(土) 00:57:28 ID:qEHN0khm]
>>444
ほのぼのデート可愛いですなあ。心が洗われるようだ…。いや、エロネタももちろん素晴らしいですがw



451 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/26(土) 02:05:40 ID:NQNxcCIU]
>>427
フミちゃんのゲゲさんに対する感謝の言葉に胸がきゅん!とさせられて
しまいました…。
こげな可愛いこと言われて理性が保てる男はいません!

>>444
初々しいですなぁ〜。
ほのぼのイチャイチャに萌えです。


今週の足らない萌えは職人様方の作品で補完させて頂きましたww

452 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/26(土) 02:13:30 ID:qPjUq/tG]
>>459
281さん
いや、推敲せずにそのまま投下してくだされ!!
深大寺はお題ということで良いじゃありませんかw

453 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/26(土) 02:44:45 ID:9PwC/flU]


>>452
281です。ありがとうございます。
お題は深大寺デートということで。
ととのいました〜。

お目汚しくだされば幸いです。

454 名前:深大寺デート1 mailto:sage [2010/06/26(土) 02:45:47 ID:9PwC/flU]

「…う…わぁ!」
布美枝は思わず感激の声をもらした。
深まる秋に、深大寺の境内は紅葉に彩られ、
さながらパレットの上の絵の具のように、賑やかな色合いで二人を迎えてくれた。

仕事の合間、茂が散歩に出かけようとして襖をあけると
家計簿とにらめっこをして、ウンウン唸っている布美枝がいた。
「おい、外に出て気分転換でもしたらどげだ」
一緒に行こう、茂が誘ってくれた。
布美枝は大喜びでカーディガンを羽織った。

山門前から霊園へ抜ける山道の途中で、布美枝は少し道からはずれると
色とりどりの落ち葉が広がる、わき道の大きな木の下にしゃがみ込んだ。

「どげした?」後ろから茂が問いかける。
「綺麗なのを拾って、本の栞にしようと思って」
「おぅ、そげか」

そう言って茂も一緒にしゃがんで、色とりどりの落ち葉をガサガサやりはじめる。

455 名前:深大寺デート2 mailto:sage [2010/06/26(土) 02:46:32 ID:9PwC/flU]

やがて、茂が栞に最適と思うようなお目当ての葉を認めると、
それに手を伸ばした。
と同時に、向こうから同じ葉っぱに布美枝の手も差し出された。

―――触れ合う。

はっとして二人は顔を上げてお互いを見ると、
ふっと笑顔になった。

茂はそのまま膝をついて、右手で自身の身体を支えて前のめりになると、
軽く顎をあげて布美枝に合図を送る。
布美枝は少し照れて俯いたが、すぐに顔をあげると目を閉じて、
二人はカラフルな落ち葉のじゅうたんの上で、キスをした。

やがて、膝に着いた土を掃いながら茂が、
「さて、本来の目的地へ行くのだ」
と言って先に歩き始めた。

少し口を尖らせて、布美枝は「目的地ねぇ…」と呆れ顔。
それもそのはず、茂の目的地とは、
寺とは言え鮮やかな紅葉に彩られた深大寺境内や、
山門脇に軒並ぶ蕎麦屋や土産物屋ではなく、
そういった賑やかな場所からずいぶん離れた、墓地、なのである。

曰く、「墓の主と話をする」のだそうで、
「和やかな墓」を前にすると、本当に何時間でも帰らない。
彼の愛でる物には、自分も共感していきたいと思う布美枝ではあったが、
しかし墓というものについては、きっとずっと一生無理だろうと思うのだった。

456 名前:深大寺デート3 mailto:sage [2010/06/26(土) 02:47:08 ID:9PwC/flU]

「ちょっこし雲行きが怪しいですね」
空を見上げて布美枝が声をかけたが、茂は墓を撫でながらにこにこと歩き回って返事をしない。

そうこうしていると、布美枝の心配通り、ポツポツ…雨が降り出した。

「いけん…」
雨をしのげる場所を探して周りを見回すと、
もう使っていないと思われる、屋根のついた小さな手水場があって
あわてて二人はそこへ逃げ込んだ。

大きい図体の二人には、少々手狭な場所だった。
手水台に腰を下ろして身体をぴったりくっつけても、
茂の左の肩口にぽたりぽたり、屋根から雨の雫が落ちる。
「濡れとりますよ」
布美枝がもっと詰めるように言ったが、
「そしたらお前が濡れるだろう」
と言って、茂はそのまま墓をぼんやり眺めていた。

しとしと…。
秋の雨はなかなか止まない。

「…雨降り小僧という妖怪がおってなぁ」
視線は墓に向けたままで、ぼそっと茂が言った。
「こう、和傘をかぶって、提灯を持っとって…。その提灯を振ると雨が降る。
 そうやって急に雨を降らせて、人を困らせて愉しむんだわ」
「そげですか…。じゃあ、この雨も?」
「うん、多分な」

茂のこういう不思議な話は、おばばを思い出させてくれるので布美枝は好きだった。

457 名前:深大寺デート4 mailto:sage [2010/06/26(土) 02:47:45 ID:9PwC/flU]

ぶるっと茂が身震いをした。
「寒いんでないですか?」
「ちょっこし、な。…大丈夫だ」

そう言うと、茂は布美枝の肩をぎゅっと抱いた。
一瞬、緊張して周りを見回した布美枝だったが
雨の墓地に、他に人が居るはずもない。
すぐに力を抜いて、頭を茂の肩に預けた。

「…困ってない、ということにしたらどげだろう」
「え?」
思わず見上げた茂の顔が、妙案のひらめきに輝いていた。

「人を困らせて喜ぶ妖怪のせいなら、こっちはぜーんぜん、困っとらんのだ、
 ということにしたら、諦めて雨も止むんでないか?」
「…ふふふ」
子どものような茂の言葉に、布美枝は和んだ。

「どうやって困っとらんと知らせますか?」

布美枝の問いかけに、にんまりと茂は口の両端だけを上げて笑い、
見上げる布美枝の唇に、自分の唇を重ねた。
思わず茂の肩を押して引き離す布美枝。

「ちょ、誰か見とったらどげするんですか」
「見せとんだわ。雨のおかげで昼間っから野外でこんなことしちょる、
 困るどころか愉しませてもらっとるんだ、というのをわざと見せとんだ」
「…」
なんという思考回路…。言葉を失う布美枝。

458 名前:深大寺デート5 mailto:sage [2010/06/26(土) 02:48:24 ID:9PwC/flU]

が、ふと見ると本当に雨が小降りになってきた。

「ほーら見ろ。もう一息でねか」
そう言って、茂はまた布美枝に顔を近づけてきた。

「もうっ。そんな雰囲気台無しなこと、イヤです!」
「雰囲気ねぇ…」

先ほど、落ち葉のじゅうたんの上でしたキスは極上のムードだったのに、
墓場の前で、しかも妖怪に見せつけるキスなどまっぴら御免だ。

むくれて布美枝は、肩にまわされた茂の手を振りほどく。
するとまた、雨がしとしと強くなる。

「あーあ、ほれ。お前が困り顔するけん」
「だって…」

本当に妖怪のせいみたいだ。布美枝は曇天を睨みつけた。

「そしたら…」
空を仰いだままで、布美枝はつぶやいた。

「名前を呼んでごしない?」
「へぇ?」
「名前、呼んでから…その…してくれたら…」
ええですよ…と、声が尻つぼみになる。
茂はぽりぽり頭を掻いて、先ほどの布美枝のように、空を見上げた。


459 名前:深大寺デート6 mailto:sage [2010/06/26(土) 02:48:58 ID:9PwC/flU]

雨はしとしと。
茂を試すかのように。

やがて。

「…布美枝」

その呼びかけに、布美枝は顔をあげてにっこり笑う。
茂は視線を逸らしたまま、手持ち無沙汰の右手をグーパーしていた。

見上げる布美枝の顔をちらりと伺ってから、
茂は背中をかがめて、布美枝の唇を食むようにしてなぞる。
そして右手を布美枝の背中にまわすと、自分の方へぎゅっと引き寄せ
熱っぽい目で見つめてくる布美枝に再び接吻する。
二人は舌を絡ませながら、熱い口づけにしばし蕩けた。


――結局。

しばらくして雨は止み、二人は無事家に戻れたのだが、
左肩から背中にかけて、屋根から滴る雨を避けきれなかった茂だけが
この日風邪をひいて熱を出した。


この続きは次回…。


おわり


460 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/26(土) 15:30:22 ID:9eOA6UkW]
職人様、いつも乙です

>>444
初々しくてカワイイ2人に萌えた!
ゲゲとふみちゃん、それぞれの心境描写が丁寧でこっちもドキドキしましたw

>>453
その出来事を通して、ふみちゃんが音松さんへ案内する
「とっておきの場所」に繋がるわけですね(・∀・)ニヤニヤ
続きも期待しちょりますけん!



461 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/26(土) 17:03:25 ID:qEHN0khm]
いちゃいちゃ具合が良いですなあ〜。確かに墓場でいいムードになるのは難しいw
やはり二人の時には布美枝と呼んで欲しいね。

462 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/26(土) 19:21:28 ID:LRi7Mr2J]
>>454
イチャコラ夫婦だんだんー!
秋や雨の描写の美しいこと…職人様の文章、大好きです
風邪ひいたしげぇさんの続きも、楽しみにしちょります!
出来るだけ長引く風邪で、布美枝ちゃんに甘えたらええw

本放送もやっと布美ちゃんが帰ってきてくれて良かった…
しかし、天然かはたまた作為的か
春子ちゃんが来ていたことは言わないしげぇさん…
それって、どげとらえたら、ええんでしょうか…

463 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/27(日) 00:09:33 ID:0F9tTNwX]
【深大寺】どちらの作品も瑞々しく、とても良かったです!!
ぜひ、続きをお願いいたします♪♪♪

464 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/27(日) 00:24:48 ID:CmLgvjst]
>>454
秋のイチャイチャだんだん!キスがエロいよ
>>444なんですが、深大寺ネタかぶって申し訳なかったです
でも深大寺ってなんか…色んな意味でいいですよねw
>>462
茂は、部屋をちゃんと自分で片付けたのを突っ込んでもらった事に満足で後は何も考えていない、に一票

465 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/27(日) 01:23:23 ID:GFCuM95d]
その場にいない布美枝につい話し掛けた後は、頭の中は布美枝と藍子の事でいっぱい。原稿を描く手も止まりがち。
イタチが撮った家族写真を眺めながらぼんやりしてた…と妄想。
はるこはイタチとコンビで騒いでた事しか覚えてないかもしれないw

466 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/27(日) 02:37:24 ID:L4BLi0Rm]

281です。いつもレスありがとうございます。
>>458のとこ「尻つぼみ」じゃなくて「尻すぼみ」…
一回墓場に逝ってくる…

>>464
いや、こちらが後だしなんで、こちらこそ申し訳ない。
深大寺って全然行ったことないんで、
紅葉とかほんとに境内が鮮やかになるのか知らんのだけど
なんか赴きみたいなものが想像をかきたてる場所ですね。

今日やっとこ、布美ちゃん調布に帰ってきて嬉しい。
自分的には>>465に一票。
はるこが缶詰持って来たときにはエライ散らかりようだったけど
布美ちゃんが帰ってくるときに大急ぎで片付けたのか?

あと、ゲゲは冬服より夏服のがセクシーに見えるw
もちろん、布美ちゃんもだけど。
来週は夏服仕様なので楽しみ。

467 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/27(日) 02:45:19 ID:bRIO7E5p]
遅レスだが、一言言わしてごしない
>>409のハァハァフミちゃん責めハァハァや
>>428の念願の風呂ネタや
深大寺のいちゃいちゃデート2パターンと
職人様方だんだん!dandan!dndn!
これからも投下楽しみに待っちょるげな

468 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/27(日) 02:52:03 ID:bRIO7E5p]
ゲゲのことだから、フミちゃん&藍子&ようかんで満足して
ハルコのことは全く思い出しもしなかったんだとオモ

つか、一人留守番で寂しさが限界になったゲゲは
フミちゃんの下着とか布団とか、フミちゃんを感じられるもので
オナってんじゃね?て思ってた…
40男がこれじゃあまりにもキメェな
正直スマンかった

469 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/27(日) 03:21:36 ID:xROLe8r7]
まあ茂のビジュアルは20代だし
でも泣きながらシコッてたらただのギャグだなw

470 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/27(日) 06:44:32 ID:eYKnqfu4]
フミちゃんが藍子ちゃん初めて家に連れて帰ってくる時も、
ゲゲはソワソワしながら準備万端で待ってたからなw
きっと今回もそうやって2人を待っていたんだと思った

>>466
同感です。
アシスタントの回で2人が夏服姿で並んでるの、本当に良かった!
このドラマは夏の描写が少ないから夏服姿は貴重ですね



471 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/27(日) 10:43:41 ID:m7XEcoWk]
投下以外で281さんはいちいち名乗らなくていいよ
淡々とSS投下した方がいいと思う
誉めてもらって嬉しいのは解るけど、ちょっと…
萌えさせってもらってるのに悪いですが

472 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/27(日) 11:11:26 ID:L4BLi0Rm]

>>471
あ、了解です。
スマンでした。


473 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/27(日) 18:08:38 ID:g8Cm6nsP]
↑471さん、別にいいじゃないか。せっかく書いてくれてるのに、萌えてるくせに嫌ならくるな!いつも素敵な小説書いてくれてる方達、ありがとうございます。今までどおり、小説も雑談も楽しくやっていきましょう。

474 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/27(日) 22:57:59 ID:bRIO7E5p]
日曜日はゲゲゲがなくて寂しいのは自分だけ?
来週はガロじゃなくてゼタが創刊されるから
少しは家計が楽になって、布美ちゃん助かるかな!
でも、お父ちゃんは原稿で忙しくなっちゃうかなぁ
忙しくなっても、夫婦の時間や描写は減りませんように!

475 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/27(日) 23:21:38 ID:eYKnqfu4]
>>474
日曜日は寂しいね。
今から9月以降が怖いよ・・・

476 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/28(月) 00:01:57 ID:rP732WjN]
有名になってからは夫婦の会話がなくなったと寂しがる原案本のシーンを思うと
今から辛いな。連合艦隊再建してる時期がある意味一番幸せだったかも、って感じで

477 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/28(月) 00:15:28 ID:5dKlPHej]
>>473
蒸し返して悪いけど、嫌なアンチが出てくる前に馴れ合い注意って言いたいんじゃない?
嫌がる人って意外にいるから。
はた目に見て来るなって喧嘩腰のあなたのが痛い。
スレの質が下がるからやめなさいね。

478 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/28(月) 01:42:18 ID:KhpwnzlV]
コテでも名無しでも、投下して頂けるなら
自分はどちらでも構わんですが・・・
出来るだけ良い雰囲気で行きたいですね

職人様方、これからもどしどしお願いします!!

479 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/28(月) 02:43:51 ID:iMSWkNh1]
しげさんがようかんをパクパク食べてるの見たら
フミちゃんお手製のホットケーキ食べるお話読みたいな
クリスマスでは結局見れなかったし
「あーん♪」してあげたら、どげですか?w

ゲゲゲは食事シーンが印象的だな〜と、思ふ
実際中の人の話だと美味しいらしいし

480 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/28(月) 12:56:08 ID:PjL9wEHT]
>471
乙thx



481 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/28(月) 20:31:17 ID:gGVdWBXx]
布美枝サンお手製焼きたてのホットケーキを、
藍子「おいしいねぇ〜オトーチャン」
茂「んだな〜」
と親子でモフモフ食べている、というのもいいなぁ。

エロ無しでスンマセン

482 名前:いかないで1 mailto:sage [2010/06/28(月) 21:47:00 ID:hOpzwDVM]
「美智子さん。こんにちは〜」
「あらっ♪布美枝ちゃんに藍子ちゃんいらっしゃっい。
藍子ちゃん、こんにちは」
「こんちゃ♪」
「あら♪おりこうさん。今日は、おばちゃんパンケーキ作ったの♪藍子ちゃんおいで〜」

ひしっ。
藍子は、布美枝のスカートをきつく握り締めて離そうとしない

「あらっ。どーしたの藍子ちゃん?いつもは美智子さんに飛び付くくらいに懐いてるのに」
「そうなんですよ靖代さん。今日、藍子ヘンなんです。朝から私にくっついて、おもちゃで遊ぼうともせんし…
買う物いろいろあるけん自転車で行くから、おとうちゃんと留守番しとって。って言っても『一緒に行く』ってきかんくて…
どげしたの藍子?ほらっ、みんなのとこいっといで。太一おにいちゃんもおるよ」

ふるふるふるっ
藍子は、布美枝のスカートに顔をうずめ首を横にふるだけで離れようとしない

布美枝はしゃがんで藍子に目線をあわせ「どげしたの?」と、問いただす

「ふえっ…おかあちゃん、どこいくの?どこも…ぐすっ…いかないでぇ…」
「藍子。おかあちゃんどこにもいかんよ。いつも藍子と一緒におるよ。なしてそげなこと思ったの?」

483 名前:いかないで2 mailto:sage [2010/06/28(月) 21:48:19 ID:hOpzwDVM]

「だってぇ…うえっぐすっ…きのうおとうちゃんとケンカして…うぇぇぇえん」
「えぇっ?おとうちゃんとおかあちゃんケンカなんてしとらんよ(だって夕べは…////きゃっ♪)」

「だってぇ…きのうおとうちゃん『いけん!まだイッたらいけんっ…』おかあちゃんも『もうダメ!イクーっ!イクゥーー!!』って…どこにいくのー?あいこおいていかないでぇ…えーん」

「!?ちょっwww」←靖代
「……………!!!!あらっ♪」←美智子
「おやおやっ」←キヨ
「………………」←太一


「あっああああああああああいこ?なっななな………………………………きゃぁぁぁぁぁぁああぁぁぁーーーーーー」
「ふえっ」
「いっいかないっ!おかあちゃんどこにもいかんよっ!藍子、勘違いしちょるんよ」
「ほんとー?よかったあぁー」



ちゃんちゃん♪

おまけ
「ほいで奥さんどこさ行ごうとしてたんですか?」

……………………まだまだ純真な太一であった…


484 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/28(月) 22:51:26 ID:q2maPf23]
>>482
靖代さんと太一くんの反応wwwww

485 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/28(月) 23:13:25 ID:NAPSXkD5]
>>482
ぷっ…あ、藍子ちゃん勘違いでもおとうちゃんとおかあちゃんの
秘め事ばらしちゃいけんよwww

職人様、乙です!
めっちゃ笑ろうてしまいました。



486 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/29(火) 00:17:18 ID:YZEQrtNb]
>>481
かわゆい親子〜もふもふ食べちょるw
エロ無しだって、ええじゃないですか!
是非作品にして投下ごしない!
>>482
禿ワロタwwwwww
いや〜センスありますなぁ
どげなプレイだったのかkwsk!!www
また投下お待ちしちょります!

487 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/29(火) 00:26:09 ID:JUgiUr5l]
>>482
藍子wwwww
しかし太一はまだチェリーボーイかw確かにそんな感じだが。誰か店連れてってやれ!

488 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/29(火) 21:13:55 ID:RDGXJHFX]
浦木、出番だ

489 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/29(火) 21:49:31 ID:3kFS0X6z]
このスレが急に進んでるとwktkするのは自分だけ?
書いて下さる職人様、いつもありがとうございます。
>>476
有名になってからはそういう描写が多そう・・・
せめて萌え補完が出来る、このスレは盛り上がってるといいな。

490 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/29(火) 22:22:47 ID:AUHussJR]
>>482
藍子と太一の純粋さに泣いたww
太一は美智子の旦那に色々連れてってもらうべき



491 名前:名無しさん@ピンキー [2010/06/29(火) 22:49:11 ID:6BlHaYoi]
>>482
太一くんの東北弁にも萌え萌えだったべ

492 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/30(水) 11:03:42 ID:rj8XyOF5]
小説に「♪」とか「///」とか使うのやめろww

493 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/30(水) 13:40:47 ID:JKhrz59K]
同人誌のノリですね。

494 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/30(水) 23:49:20 ID:qmzYiOYx]
ここでは大活躍の藍子ww
本編ではお客様がいらしてるときは寝てることになってるのか、
影うすー。出てきてくれると和むのに。

ゲゲの夏服は白とグレーっぽいの2種類しかないのかな。
春夏秋冬通して、あのグレーの半そでシャツが一番萌え。
布美ちゃんも夏服だとノースリーブまではいかんが、
ギリギリまで腕が見えるのがこれまた色っぽい。

495 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/07/01(木) 06:54:33 ID:qp4ux69C]
>>494
分かる。
自分もゲゲの服はグレーの半袖が一番好きだ。
フミちゃんも細い腕やウエストが調教されてる格好が(・∀・)イイ!

496 名前:495 mailto:sage [2010/07/01(木) 06:57:44 ID:qp4ux69C]
うわっ・・・恥ずかしい

調教→×
強調→○ですな

ちょっと逝ってきますorz

497 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/07/01(木) 16:17:46 ID:2fUJmrZF]
急に過疎ったね

498 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/07/01(木) 18:31:45 ID:I7rOjWhs]
>496
むしろ訂正せずにその内容で書くんだ!

499 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/07/01(木) 19:47:58 ID:A33rZ3AS]
281タソお元気ですか?
良かったらまた投下して下さいね

500 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/07/01(木) 21:07:02 ID:R7XtVtUX]
細い腕やウエストが調教・・・

・・・し、縛る?



501 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/07/01(木) 21:58:46 ID:9SdgVNoN]

>>495
普通に読んだ。>>496見て、ワロタ。

>>500 そんな感じw

502 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/07/01(木) 22:24:06 ID:/fGDZRFW]
夏服夫婦イイよね〜
布美ちゃんの細くて長い腕、うなじに垂れるおくれ毛
開襟シャツからちらりと覗く華奢な鎖骨
裸足のつるつるの踵…堪らんなぁ〜(*´Д`)
恐らくしげぇさんもそう思ってるに違いないっ!

503 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/07/01(木) 23:07:05 ID:/lYg3UDj]
鞄をバンッと叩いた時、たまらなくなってフミちゃんを押し倒す気かと思った
無事に帰ってくるまでは一先ず我慢ですね

504 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/07/02(金) 01:39:40 ID:g1E0pAxX]
>>503
実況で「間接的におっぱい触った」とか書かれてて吹いたw

505 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/07/02(金) 12:49:26 ID:B7Tc2K+b]
>>454続きできたので、こんな昼間にアレだけど投下します。

506 名前:熱病1 mailto:sage [2010/07/02(金) 12:50:44 ID:B7Tc2K+b]

「雨に濡れたのがいけんだったですね…」
「んー…」

布団の中で、身の寒さに小さくなって震える茂を見ながら、
布美枝はいたたまれない気持ちでいた。
その日二人で出かけた深大寺で、いたずら好きの妖怪に
雨を降らされて二人は足止めをくった。
雨宿りした狭い手水場で、茂の左側がびしょびしょになってしまったのは
布美枝が濡れないようにしてくれていたからで…。

夜、寒い寒いと言いながら、それでもしっかり夕食をたいらげたので
布美枝はさほど茂の様子をおかしいとは思わなかった。
異変に気づいたのは、片付けがひと段落ついて、
温かいお茶を淹れた湯のみを襖の向こうに持っていったときだった。

かろうじてペンは持っているものの、
ぼーっとして一点を見つめている茂の顔色は真っ青で、
しかし顔の色とは対照的に、身体の熱は異常に高かった。

「よっぽどなら、お医者様を呼びましょうか」
「そげなことはせんでええ…。寝とったら治る…」
「そげなら、卵酒でも作りましょうか」
「…ええ。酒と名のついとるもんは…」
「あ」
「大丈夫だけん。お前も寝ろ…」
頭からかぶった布団の向こうから、茂のくぐもった声。
まだ冬には早かったが、あまりにも震える茂のために
半纏を出してきて布団の上からかけてやった。

507 名前:熱病2 mailto:sage [2010/07/02(金) 12:51:35 ID:B7Tc2K+b]

どのくらい時間が経ったのか、茂はふっと目を覚ました。
既に明かりは消されており、隣には布美枝が寝ている様子。
喉が乾いていることに気づき、布団を脱ぐと、水を汲もうと立ち上がった。
薄暗い中、月にうっすら照らされた室内の風景がひどく歪んで見えて、
立ち上がったとたんにフラフラと前のめりに転んでしまった。

横になっていた布美枝が気づいて、慌てて飛び起きる。
「大丈夫ですか?!」
「おお…世界が歪んどる、こりゃたまらん」
なぜかへらへらと笑いがこみ上げてしまった。

「喉が渇いた。水をくれ」
「はい」

立ち上がった布美枝を認めると、茂は這うようにして布団に戻り、
ごろりと仰向けに倒れこんだ。ふう、とため息。
瞼を閉じて、さらに右腕をその上に乗せて肩で息をしていると、
水を汲んできたであろう布美枝が、横に座ったのが気配で分かった。
目を閉じたまま、手を差し出すが
「寝たままでは飲めんですよ」
「ん…」
布美枝が茂の身体を起こそうと、背中を抱えてくれるのだが、
非力な女房には鉛のように感じるほど重い身体だった。

喉は渇いているが、起き上がる気力がない。
このまま眠ってしまえば、朝には干からびているかも知れない、
ちょっこし滑稽だな、などと薄笑いを浮かべたとき。

508 名前:熱病3 mailto:sage [2010/07/02(金) 12:52:16 ID:B7Tc2K+b]

ひんやりと。

冷たくて柔らかい感触が茂の唇に降りてきたかと思うと、
ゆっくりと水が口の中に入ってきた。
まるで力水のように、たったその一口だけで、
喉どころか身体全体が潤っていくのが分かった。
視界がぱあっと広がり、ぼんやりとしか見えていなかった周りの景色を
ようやくその目ではっきりと確認することができた。
心配そうに、そして恥ずかしそうに覗き込む布美枝の顔。

「大丈夫ですか?」
「ん…もう一杯」
「あ…は、はい…」

もう一度、目を閉じるとまた先ほどの感触。そして冷たい水。

「…美味い」
「そげですか…」
にっこり

微笑んでから、茂の額に手を当ててみる。

「だいぶ下がっとるようですけど、まだ熱はありますね」
「…ん」
首に巻いてあったタオルはすっかりぬるくなっていたので、
冷たい水で洗ってまた巻きなおしてやった。
ほっと息を吐く茂を見て、布美枝も少し安心したようなため息をついた。

509 名前:熱病4 mailto:sage [2010/07/02(金) 12:52:54 ID:B7Tc2K+b]

たった一口の水が、これほどに心身を楽にするとは、驚きだ。
まさか先ほど飲まされた水は、神水だったのだろうか?
茂はそんなことを考えながら、天井を見上げていた。
その視界の端には、ちょこんと座ってこっちを見ている布美枝があった。

水が神水だったのか?
もしくはこの女房、実は神か仏の化身…。
唇を通して、何やら不可思議な力を吹き込んだのかも知れん。

などと。
妙なことを考えていると、茂は自身の下半身の異変に気づく。
(なんでこんなときに…?)
先ほどの口移しのキスだけで、まさか興奮したのだろうか?
それにしても、まだ熱っぽい身体は気だるいことこの上ないのに、
そこだけは独立してモノゴトを考えているらしい。

はて、そう考えてみるとこの一週間近く、
今まさに茂の横に鎮座する仏の化身の月の事情で、
営みについてはおあずけをくっていたのであった…。
腹が満たされていて、よく眠ったあとに来るのは…性欲か。
我ながらこのような身体の時にも、持ち合わせた欲には敵わない。

510 名前:熱病5 mailto:sage [2010/07/02(金) 12:53:39 ID:B7Tc2K+b]

ちらっと布美枝を見ると、「ん?」と首をかしげて茂を見る。
その仕草に、実は弱い。
いつも髪留めで持ち上げている長い髪も、
今は無造作に肩から胸にまで垂れていて、それもまた艶っぽい。
寝巻きの合わせ目から少し見える胸の谷間に、
髪を耳に引っ掛ける小さな所作に、
そして茂を見つめるあの印象的な目玉に、
とにかく布美枝の全てに弱い。茂は慌てて目を逸らした。

「まだ寒いですか?」

動揺している茂を見て、まだ具合が悪いのかと心配する布美枝。
「ああ、うん…」
実はそれほどでもなくなってきていたが、曖昧に頷いておいた。
布美枝はしばし考えていたが、何を思ったか茂の掛け布団を持ち上げると
その細い身体を同じ布団の中に滑り込ませてきた。

「な…」
「寒いときは人肌で温めるのがええですけんね」

にっこりと微笑んだこの女房は、どこまで本気なのか?
涅槃の境地に至る仏の化身の前で、頭の中が煩悩一色の茂は太刀打ちできない。
ぎゅっと抱きついてきた布美枝の髪の香りに、さらに欲望の海が荒らされ始める。



511 名前:熱病6 mailto:sage [2010/07/02(金) 12:54:17 ID:B7Tc2K+b]

「も、もう、ええ!風邪がうつったらいけん」
「心配ないです。あたしは丈夫にできとりますけん」

布美枝を心配した風を装ったが、実はそんなことは言い訳に過ぎず、
今この状況は「茂的に」非常に逼迫しているのである。

「そういえば冬に猫をアンカにされとったことがありましたね」
「ええ〜っと…」
「さっさと逃げられとりましたけど。
 心配せんでも、このアンカは逃げません。ずっと一緒におりますけん…。
 とか言って…えへへ」
「ああ…そげかぁ…」

独り照れている布美枝と、布美枝の声などは右から左へ流れている茂。
その間も、理性と欲の小競り合いは続いていた。

「明日になったら良くなっとるとええですね」

自分の胸のあたりから、おそらくは笑顔でこちらを見ているのであろうが、
茂にはそんな布美枝を見やる余裕は既になかった。

やがて布美枝はふと自分の内股のあたりに触れる、硬い存在に気がついた。
布美枝が身体を強張らせたので、茂は背中あたりにひやりと汗をかいたが、
しかしもうどうにも抑えきれないところまで来てしまっているのも事実で…。
布美枝が恐る恐る茂の身体から離れようとした瞬間。

(…あ、もう、無理)

辛うじて耐えていた理性の壁を、打ち破るように怒涛の欲が押し寄せた。

512 名前:熱病7 mailto:sage [2010/07/02(金) 12:54:59 ID:B7Tc2K+b]

茂は今持っている可能な限りの全体力を総動員して、布美枝を組み敷いた。
意外と簡単に身体は起き上がり、布美枝を捕まえることができた。

びっくりする布美枝を無視して、乱暴に唇を奪う。
布美枝は必死に抵抗するが、のしかかってきた重い身体と、
乱暴だけれどうっとりするような、熱い口づけに段々その力が弱くなってしまう。
その唇が、やっと離れたかと思うと既に胸の谷間にまで下りてきていた。

「いけんです…よ。まだ、熱が…あ…」
「お前が悪い。誘うようなことするけん…」
「さ…誘ってなんか…」
「本当に何も考えんともぐりこんで来たのか?」

なんという無防備な。茂は少し可笑しくなって笑った。

「も、もっと弱っとられると思って…ぁ、ん…嘘、ついとったんですか」
「嘘ではない、だるいのは本当だ。けど、どうも下の方のヤツは独立採算制をとっとるらしい」
「どくりつ…もぅ、何言って…や…あ…」

冗談のような会話の間にも、茂の手は布美枝の乳房を揉みしだき、
首筋から鎖骨、そこから胸の先端まで、舌が降りてきて舐めまわされる。

513 名前:熱病8 mailto:sage [2010/07/02(金) 12:55:36 ID:B7Tc2K+b]

覆いかぶさる茂の肩を押して、布美枝は形ばかり抵抗の意思を見せてみたけれど、
茂がそんな制止に応じるとは布美枝も思っていなかったし、
布美枝自身も、茂の熱が感染したかのように、身体が火照り始めていた。

頭はまだぼーっとしていたが、本能の赴くままに茂は布美枝の身体を愛撫した。
うなじ、乳房、臍、太腿、足の先まで舌を這わせた。
布美枝のなまめかしい声が、茂の原動力となって、やがてその舌は内腿に辿り着いた。

「やぁ…そんな…見んで…」

悶える布美枝をちらりと観察して、もうすっかり潤いを溜め込んだ秘所を舐め上げると、
また一段と悩ましい嬌声があがる。
突起の部分を指や舌で弄んだり、どんどん溢れてくる泉の水を舐めていると
段々突っ張っていた足が緩んできて、熱い声も喘息に変わっていく。
もう少しで達するのだろうか…。
熱い入り口から指を一本差し入れると、簡単に飲み込んでいった。
指を二本にし、抜き差しを繰り返し、突起には舌で刺激を与えてやる。

「あ…いや…あ、あ、あ…」

悲鳴のような声が上がると、やがて布美枝の全身から力が抜けていくのが分かった。

514 名前:熱病9 mailto:sage [2010/07/02(金) 12:56:18 ID:B7Tc2K+b]

さて、そこまできて茂はさすがに体力の限界を感じていた。
このまま布美枝を組み敷いて、最後まで続けられる自信がない。
しかしそれとは逆に、独立国家は今まさに隆盛を極めている。
(どうなっとるんだ…)
我ながら、自分の身体の神秘に首をかしげずにはいられない。

肩で息をしていた布美枝が、熱っぽい目で明後日方向を見ていた茂に気づくと
「あの…あたしが上に、なりましょうか?」
思わず問いかけてしまった。
言ってから、ずいぶんと恥ずかしいことを口走ってしまったことに気づく。
「あわわ…」
慌てて顔を覆って布団にうつ伏せた。

すると、茂は布美枝の背後に回り、その尻を撫で上げて持ち上げると
潤い滴らせるその場所へ、一気に欲望の塊を挿入した。

「ああ…っ!」

いつもとは違う角度で侵入してきたそれを、布美枝の内部はきつく抱きしめようとする。
茂が腰を引けば、襞がそれを追いかけ、腰を打ち付ければ、ぎゅっと締める。

「あっ、あ…っ!あぁ、っ…あぁ…!」

布美枝の悩ましい声が、茂をいっそう突き動かす。
自分の身体を支えなくて済む分、茂は楽だったが、
それでもフルマラソンを走ってきたかのようなだるさはつきまとう。
ただ動物的な本能だけで無心で腰を打ちつけた。

快感の絶頂に達する瞬間は、二人とも同じだった。
崩れるように二人は重なり合って布団に倒れこんだ。

515 名前:熱病10 mailto:sage [2010/07/02(金) 12:57:01 ID:B7Tc2K+b]

「なるほど…性行為は精気の循環を促し、心身の充実を…」
「な、何の本ですかっ、それ?!」

翌朝、茂の熱はすっかり下がり、昨日の弱り具合はどこ吹く風。
机に向かって仕事をしていたかと思えば、急に妙な独り言をつぶやいた。
難しそうな小さい字がいっぱい並んでいる本をめくりながら、

「中国の方ではそういう考えがあるらしい。ちゃんとした学問だぞ」
「…」
「そうやって睦みごとを恥らうのが、そもそも間違っとる」
「…」
「何も恥らうことではない、正々堂々とコトに臨めばええのだ」
「…」
「然るに、夜中にこそこそ声を殺してすることでもないのか」
「…」
「昨日は起き上がることもできんだったのに、あの後からすっかり元気だわ。
 ということは、昨日の営みが結果的に…」
「あーあーあー、もうええです!みなまで言わんで!」

真っ赤になって耳を塞ぐ布美枝。
いたずらが成功したときの子どものような茂の意地悪い笑み。

「まあ、ウチの水道から神水が出るか、
 はたまたお前が神か仏の化身であることもまた、否定できんのかも知れん」
「え?何か言いましたか?」
「…いや」

そしてまた、ふっと茂は独り、微笑んだ。


おわり


516 名前:名無しさん@ピンキー [2010/07/02(金) 17:21:47 ID:eVodzqyX]
独立国家www言葉のチョイスが素晴らしいですなあ。なんか本当に茂が言いそうだw
フミちゃんに布団に入ってこられたら、そら独立国家も隆盛を極めますわ。

517 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/07/02(金) 17:23:12 ID:mFJyPh92]
>>515
すごく良かったです
ゲゲがムラムラする所、萌え萌えです!

518 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/07/02(金) 20:14:14 ID:ske3yeA1]
>>506
だんだん!GJ!
「とか言って・・・えへへ」なんて、フミちゃん本当にカワイイな
そしていつも、>>281さんのフミちゃんは喘ぎ方がエロくて萌えるw

519 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/07/02(金) 21:32:35 ID:g1E0pAxX]
本当に布美枝が可愛い。しかし茂が最後に読んでる本はどこの本なんだw

520 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/07/02(金) 23:04:14 ID:aBM0kxlP]
うっひょ〜投下だんだん!
ゲゲが元気すぐるw色んな意味でwww
あと布美ちゃんが本当に可愛いに禿胴!
仕草とか言葉とか反応とかイチイチツボにくる
ゲゲが弱いのも解るわ〜
我慢出来る自信、自分もないw



521 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/07/02(金) 23:13:03 ID://5E0wbm]
水木作品ワールドとリンクする話はどうか
あるとき地相眼をヘソにつけてしまった茂は妖怪の世界が見えるようになり、妖怪漫画の成功で一躍売れっ子になる
しかしある晩、野田圭一の声で喋る大ミミズがやってきて、新しい地相眼を生み出すため奥さんを差し出せと…

522 名前:名無しさん@ピンキー [2010/07/02(金) 23:29:29 ID:ntF0IpUZ]
独立採算制・・・いい言葉ですね。
エロでもどこか品の良い、やさしくいやらしい2人がいいですわー

523 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/07/03(土) 06:56:33 ID:zfX+eaUQ]
>>519
浦木が持って来たんだよ

524 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/07/03(土) 10:30:30 ID:+SMQt4h3]
>>519

つ「夫の心得」

525 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/07/03(土) 22:51:30 ID:XaUp3DOn]
おお投下されてる!だんだん>>506
萌えるわ可愛いわでいいなー
さすが茂の本棚は守備範囲広いな

526 名前:家族 注意書き mailto:sage [2010/07/04(日) 01:59:32 ID:3btskWkB]
どうもいつもお世話になってます
今日の放送見てたら、ふと書いてみたいくなって
布美枝、茂はでてません。
エロなしです
太一、美智子の数年後設定です
興味の無い方はすみませんスルーしてください


527 名前:家族1 mailto:sage [2010/07/04(日) 02:02:14 ID:3btskWkB]
千葉県某市――

若い男女が辺りをキョロキョロと見回しながら、あるお宅を探していた…
男の方は、何度か訪ねた事があったとはいえ、ここ数年の急速な街の発展に短期間で様変わりした街中では記憶と相違して目的地がなかなか見つからず内心焦っていた
だが、女の前で格好悪いところは見せたくないと
平然を気取っていたが女にはすでにバレバレだった
「えっどぉ…こっち…あっ。こっちだ!!
ぃゃぁ…1〜2年でこの辺も変わっだなぁ」

女は、初めて来るこの街で頼れるのは、この男だけ…なのに迷子気味で緊張と不安で、気持ちが滅入りはじめていた
「はぁ…本当、大丈夫ー?」

「大丈夫だっで!ほらっここだ!こんにちはー!」
やっと目的の一軒家を見つけて安堵して意気揚々とチャイムを鳴らす

「はぁーい。」男にとって懐かしい声が聞こえて自然と笑顔が零れる
そんな男の様子を横目に見て嬉しそうに微笑む女。『まずは第一印象!』気合いを込めて極上の笑顔を整える

528 名前:家族2 mailto:sage [2010/07/04(日) 02:04:04 ID:3btskWkB]
ガチャ
「あらっ。太一くん!太一くんじゃないの!!いらっしゃい。久し振りね〜来てくれて嬉しいわ
あらっ!そちらの方…お手紙にあった花子さん?そおね?初めまして!」
「初めまして!いつもおば様の事、太一くん……っと…コホンッ。夫からお話伺ってます。太一の妻で花子と申します!」
緊張しつつも極上の笑顔とハキハキとした明るい口調で自己紹介する花子に美智子は、慈愛にみちた優しい笑顔を返した
「まぁそう。お会い出来て嬉しいわっ
……ねっ…その腕の中にいるのは…そぅ…太一くんお父さんになったのー!まぁ…あっ。ごめんなさい。玄関先で…
さっ上がって!あなたー!おばーちゃん!太一くんよー!それにねーー…フフッ」

太一達が茶の間に上がるとキヨと政志が変わらぬ優しさで温かく迎え入れてくれた
そして、太一の腕の中には花子から受け取った赤ん坊が…
それを見て目を見開いて驚く二人
「あらーっ太一くんそーかいそーかい!お父さんになったのかい!!
嬉しいねー赤ちゃん連れて来てくれたのかい
おやおやっ。こんにちはー」

「あんちゃんが親父かー名前!名前なんつーんだい?」

529 名前:家族3 mailto:sage [2010/07/04(日) 02:06:47 ID:3btskWkB]
「はいっ!名前は「さとし」です。字は「悟士」って書きます」

「えっ…」
「なっ…」
「………太一くん…」

「名付けたのは女房なんです。生まれたこの子の顔見で…」
「私の父「悟」って名前で、夫の父親の名前が「武士」って言うんです。二人から名前いただきたくて考えたら自然と…
そしたら、夫がビックリしてて…こちらの皆さんの事はいつも聞いてたんですが、お子さんの事はその時、初めて聞いて…
あぁこの子、この名前で間違ないんだって…そう思ったんです」

「おばさんにすぐ手紙で書いで知らせだかっだんだけど、どうせだったら顔直接見で欲しくっで
内緒にして驚かせだくっで」

「まぁ…本当…おばさんびっくりしちゃったわぁ」
「おばさんは、俺の東京での『お母さん』だから…この子の『おばあちゃん』にもなっで欲しくっで、おじさんとおばあちゃんにも可愛がってもらえだら嬉しいっつーか…」ポリポリ…「よがったら、こいつの…悟士の心配しでもらえますが?」

「…太一くぅ…ん…ぅっ…ありがとうぉっ……………」
「良かったねぇ…良かったねぇ美智子!ありがとうねーありがとうねー太一くん…」

530 名前:家族4 mailto:sage [2010/07/04(日) 02:08:40 ID:3btskWkB]
「…あんちゃん……………ありがとうよ」
「あのっ抱いてやってもらえますか」
「いいのかっ?」
「はい!悟士、おじいちゃんだよ」
太一から恐るおそる受け取った赤ん坊…忘れたくても忘れられなかった
忘れたくないのに薄れゆく記憶を鮮明に思い出させてくれる温かさと腕に感じる確かな重み
「……………うっ…くっ…そっか…ズズッ………おめぇ悟士ってのか…おぅっ!じーちゃんだぞ!」

政志の腕に抱かれて安心したように欠伸をする悟士の姿を見て美智子はハンカチで拭っても拭っても、とめどなく涙が溢れて
「うっ…んっ…うぅっ…ありがとう!太一くんありがとう!
はじめまして!美智子おばあちゃんよ悟士くんっ!
こっちは、大おばあちゃん?ふふふっ」
「よしとくれよっ!!そうだね〜あたしゃキヨおばあちゃまだよ。悟士くん〜」

「あははははっ」
久しぶりに明るい笑い声がいつまでも響く田中家だった



531 名前:家族5 mailto:sage [2010/07/04(日) 02:12:24 ID:3btskWkB]
涙を拭いながら美智子は、幸せそうな笑みを浮かべて
「ねっ!おばさん今日は、腕によりをかけてご馳走作っちゃう
食べてってくれるでしょ?」

「はいっ!いだだぎます!おばさんの料理ほんどうめーがら、はなちゃんにも食わせだかったんです!」

花子は勢いよく立ち上がって
「あのっ…私にもお手伝いさせてください」
「いいのよーゆっくりしてて」
「いえっ!いつもおばさんのお料理は美味しいって太一くんから聞いていたので…ぜひ教えていただきたいんです!!」

「まあっ!そう〜それじゃあ〜お願いしようかな。」
「はいっ」

美智子と花子が台所に立ち
キヨは台所のダイニングテーブルに腰掛けてサヤエンドウの筋剥きをしていた

政志と太一は、茶の間でなにやらあれこれと話が盛り上がっていた
その傍らで悟士はスヤスヤと眠っている

一生懸命、野菜の皮剥きをする花子に目を細める美智子
「今日はわざわざ遠いところから本当ありがとうね。おばさん、太一くんのお手紙読んで花子ちゃんに一度会ってみたかったの
想像してた通りの明るいお嬢さんで、会えて嬉しかった」

532 名前:家族6 mailto:sage [2010/07/04(日) 02:13:53 ID:3btskWkB]
「私こそ、お会いでけて…あれっ…お会い……………会えて嬉しかったです!
って、すみません…敬語使うの下手で…」

「いいのよー普通にして。あなたらしい言葉でいいのよー肩の力抜いてちょうだい」
「………はいっ」
「ねぇ。太一くんとは、どこで知り合ったの?『結婚しました』って手紙はもらったんだけど馴れ初めは教えてもらってないの。
よかったら聞かせて」

「お恥ずかしいんですが………実は太一くんと知り合った頃、私かなり荒れてたんです。髪も真っ赤で…不良でした」
「まぁそうなの!全然そんな風に見えない。」
「あはっ。全部、太一くんのおかげです。
不良の時、太一くんと道端でぶつかって。その時、落としたもの届けるためにわざわざ走って追いかけてきてくれて…それがきっかけで…
最初は、反発してたんだけど、その後、何回か会ううちにだんだんと…えへへっ…」
「そうだったの」

533 名前:家族7 mailto:sage [2010/07/04(日) 02:18:37 ID:3btskWkB]
「私、両親小さい頃に死に別れてて…親戚たらい回しにされたあげく、施設に放り込まれて…
その後は、お決まりコースの如く不良街道って感じで…
周りを妬んで恨んで…人を傷つける事でしか自分の居場所感じる事できなくて…
そんな私に太一くん真っ直ぐに向かい合ってくれて…
余計なお世話だって言っても『はなちゃん。俺だって、はなちゃんと変わらなかったと思う…
拗ねて、いじけて、幼稚で自分を心配してくれる人達に酷い事言って傷つけた…
だけど許してくれた。広い心で受け止めてくれたから、道を間違えなかった!
だから俺は、はなちゃんを心配したいんだ!
心配させてくれっ!』って…」
「えっ…」
「それで凍っていた心が溶けていくように気持ちが温かくなって」
「そぅ…そうだったの…」
美智子の脳裏に調布にいた頃の懐かしい日々が鮮明に蘇った

「太一くんから『東京のお母さん』の話聞いて…だから今日、会えて嬉しくって…
私、母親と並んで料理とか買い物とかしてる子を見掛けると、いつもすごく羨ましかった
でも、その夢叶った気がして…」

534 名前:家族8 mailto:sage [2010/07/04(日) 02:20:54 ID:3btskWkB]
「まぁ…おばさん、はなちゃんの『お母さん』になってもいいのかな?
おばさんも娘か、息子のお嫁さんとこうして並んで料理するの夢だったのよ」

「…………私の…お母さんになってもらえますか…?」

「よろこんで!………………あらっやだ…この玉葱…目に染みるわね…涙が出ちゃう…こんなに嬉しいのにね…」

「ははっ…本当だ…目に染みて涙止まりませんね…あははははっ」
「うふふふっ」

「ちょいと二人して、あたしの事忘れてもらっちゃ困るよ!
…………………たくっ、このサヤエンドウも目に染みるったらありゃしないよ………はなちゃん今日から、あんたのおばあちゃんもいるからね……………」

「はいっ!おばあちゃん」

女3人涙、鼻水垂らして互いに笑い合った


535 名前:家族9 mailto:sage [2010/07/04(日) 02:23:59 ID:3btskWkB]


楽しい団らんもあっと言う間に過ぎ
別れを告げる時刻となった

「今日は本当ご馳走さまでした!」
「またいつでもいらっしゃい!ここはあなた達のもう一つの実家なんだから」
「はいっ」
「ありがとうございます!」

美智子、キヨ、政志は、太一達が見えなくなるまで、いつまでもいつまでも手を振り続けた

太一、花子も美智子達の姿が見えなくなるまで何度も何度も振り返って笑顔で応えたのだった


ちゃんちゃん♪


536 名前:家族10 mailto:sage [2010/07/04(日) 02:25:10 ID:3btskWkB]

後日談
美智子、キヨ、政志は3人でデパートへ―――

「あらっこれいいわねー」
「おやっ美智子こっちも可愛いよ」
「本当ねぇ〜どれがいいかしら迷っちゃう」

「おいっ。いっそこれなんかどうだ」と、政志が見せたものを
「ダサいっ」と、一蹴する美智子とキヨ
「なんだよっ」と、いじけて売り場を離れた政志は店内をブラブラすると子供用のバットとグローブが目に止まった
なにげなく手にとった政志だったが………

―――――熱い日差しの中
木陰でゴザを敷いて、ご馳走を並べて笑いながらこちらを見守る美智子とキヨと花子

政志の少し離れた所に帽子を被ってバットを持った少年とキャッチャーの真似ごとをして、しゃがんでいる太一
政志が放ったボールを力一杯打ち返そうと勢いよくバットを振る少年
少年の顔は帽子に隠れて見えない―――――――

自然と笑みが零れる政志
「よしっこれだ!」
バットとグローブを手に取ってレジへと駆けて行った

537 名前:家族11 mailto:sage [2010/07/04(日) 02:26:11 ID:3btskWkB]

コツコツコツッ…

いまだ買う物が決まらない美智子とキヨ
その後ろから忍び寄る人影が…
「いらっしゃいませ!本日は、男の子用のお洋服をお探しでしょうか?」
にっこりと微笑む店員
その声に弾むような笑顔と共に振り返る美智子

「ええっそうなんです!!孫がねっ遊びに来るの!うふふふっ」

ちゃんちゃん♪


538 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/07/04(日) 02:27:00 ID:3btskWkB]
駄文しんずれいしました!!

539 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/07/04(日) 09:13:00 ID:Q3JHHvEm]
>>527
だんだん!
ジーンときました。
もう明日から、こみち書房組は出ないんだよなぁ(´д⊂)

540 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/07/04(日) 10:17:29 ID:ux41C+ml]
だんだんです!

太一クンの出番も減っていくのかな…ちょっこし寂しい。



541 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/07/04(日) 12:13:38 ID:RDnR7orU]
花子って誰

542 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/07/04(日) 14:32:32 ID:TjT9k+id]
生きてる人間には、同情せんのです


受け取り方によってはいい言葉だよな。オレは好き

543 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/07/04(日) 22:07:06 ID:q1trX+kv]
「生きてる人間には同情せんのです。」
「自分をかわいそがるのはつまらんことです。」

ゲゲのこの言葉…いろいろ考えさせられました。
すごく深い言葉ですよね。

あとはフミちゃんの
「おとうちゃんは機械に弱いんだから」
の言い方が可愛かったな…
またそう言われてムキになるゲゲもwww

544 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/07/04(日) 23:11:03 ID:iIE+9ica]
>>541
> 花子って誰

水木スレ的には魔女さんちの花子さんだなw

545 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/07/05(月) 00:14:00 ID:ftP6Rg8W]

「機械にヨワイ」発言、自分もほほえましく思った。

日曜日は燃料がないので、安来編の結婚までの道のりのやつ
録画してるのをまた最初から見てしまったよ。

初夜に2人が寝巻きで話してるとこ、自分的に一番萌える。
あと浦木に電車ん中で冷やかされるとこも好き。
(↑ここ総集編ではなかったけど)

ああ〜萌えが足りねえ、職人様、投下してごしない〜

546 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/07/05(月) 00:29:39 ID:o8yVuuxz]
>>545
寝間着姿の2人萌えるよね。
あれ以来、本放送でああいうシーンが一度も出てこないのは何故だ?

あと、電車の中で浦木が子どもの話題した時に、
照れて下向いちゃうフミちゃん可愛いw

自分は今日やっと総集編が見れた。
ここで挙がってる予告のイチャイチャ3カットも見れて嬉しかった。
放送が楽しみだ

547 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/07/05(月) 23:04:17 ID:ftP6Rg8W]

連合艦隊を再建するときに、風邪ひいた布美ちゃんが寝巻きだったな。
ゲゲはどうだったっけ?

今気づいたけど、今日は兄貴夫婦がずっと寝巻きだったのに
さっぱり萌えなかったw

548 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/07/05(月) 23:15:32 ID:o8yVuuxz]
>>547
連合艦隊再建の時のゲゲは洋服だったと思う。

そういえば兄夫婦、たまに揃って寝巻き着着てるな。
自分も萌えた事は無いがw

今日はイカルに怒られて並んでgkbrしてる2人が可愛かった。

549 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/07/05(月) 23:19:04 ID:dCgRJVQR]
>>547
セーターにドテラじゃないっけ?

萌えシーンは、結婚記念日の朝に2人で手振り合ってるのが好きだな
あれ、茂からはふみえが手振ってるかは後ろ向いてるから見えないのにそれでも振ってるって所がいい

550 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/07/05(月) 23:28:42 ID:dCgRJVQR]
ごめん言葉足らずだった
第9週で風邪ひいた時の茂はセーターにドテラ、の意味>>549



551 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/07/05(月) 23:31:54 ID:iyje9Sj8]
>>547
ゲゲは冬用の茶色いとっくりセーターの上に半纏をはおってました。


今日のイカル劇場はおもしろかったですね。
ゲゲとフミちゃん二人して説教受けてたけどその様子見てたら
二人ぴったりくっついて座っているように見えた。
最近イチャコラが少ないから近い距離にちょっこし萌えw

でも萌え足りないなぁ〜


552 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/07/05(月) 23:43:41 ID:ftP6Rg8W]
 >>549
結婚記念日の朝ね!禿胴!
あのムカイリの手のキレーなこと!
んでもって、絶対あれは「今日は帰ったらヤル」と思ってた顔だよなw

553 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/07/05(月) 23:57:15 ID:DO29yKaL]
>>552
原稿執筆よりも、夜のお勤めに熱心なゲゲル先生ワロタw
あげな風にかわゆく布美ちゃんに
早く帰って来て&ご馳走です(はぁと)なんて言われたら
ゲゲでなくても、アッチの方を思い浮かべるよね!ね?!

554 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/07/06(火) 00:11:58 ID:HOkKI5hJ]
>>553
ゲゲの中で「ご馳走」=「布美ちゃん」に脳内変換されたとオモ。
その日結局、帰りは遅かったけどちゃんと帰ったし、
それなりのことがあったはずだ。

んでもってIDがイカルww

555 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/07/06(火) 21:17:02 ID:cRLqnAuC]
>>554
ご馳走=フミちゃん
プレゼント=フミちゃん

プレゼントのシーンの二人も本当に可愛かったな

556 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/07/06(火) 22:23:41 ID:TiNPtBab]
本スレに書かれてた「藍子ちゃん役がもし布美枝一号だったら…」ネタがなんか萌えたwべとべとさん再びをやって欲しいな。


557 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/07/07(水) 00:52:22 ID:XmO0hs5g]
ケンカの翌日
調布の星の原稿を取り合うシーンが大好き

でもやっぱり、ゲゲの大きな手でフミちゃんの頭ポンポンシーンが一番好き

558 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/07/07(水) 01:44:32 ID:q0zPp2X4]
眼鏡なしのムカイリが物足りないのは私だけか?

559 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/07/07(水) 04:49:45 ID:XPCmGGMY]
片腕だとおっぱいを左右同時に揉めないのが辛いなー
あと三点同時責めも出来んし
浦木か深沢か太一辺りに
初めて両おっぱい同時揉みされたら、フミちゃんどげなるかな?
潮吹くくらいイクか?
う〜ん、イカンか〜ゲゲじゃないしな

560 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/07/07(水) 05:09:00 ID:XPCmGGMY]
なんか語弊があるな
相手がゲゲじゃないと、ダメだろうな〜と言いたかった
あと体の相性もあるか…
片腕がなくても愛情と体力とテクニックでカバーだ!

もう寝る



561 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/07/07(水) 21:31:43 ID:8kQqHR5R]
>>559
フミちゃん不倫展開か・・・

しかし、不倫展開とまではいかなくても、ゲゲの方がハラハラさせられる展開は見てみたいぞ。
いつもフミちゃんばっかりハラハラさせられてて「何だかな」と思う。

しかし、そんな萌え展開やらさそうだから、ここで補完するしかないだろうな。

562 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/07/07(水) 22:16:36 ID:eeRfv6qs]
妖怪チンポなみに3本ついてれば良かったのにな。

563 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/07/07(水) 22:26:55 ID:tktg8u1M]
>>561
ゲゲがハラハラさせられる展開は見てみたいですね。
フミちゃんに対しての独占欲丸出しのやきもち妬いてる姿見てみたいな。

今日が鬱回だったから気持ち下がりっぱなし…
ほんと、はるこいらんわ!

564 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/07/07(水) 22:57:05 ID:94i6xtGc]
むしろはるこはフミエ狙いだと信じている

はるこ「お姉さんって呼んでいいですか?
フミエ「わ、私には夫と子供が…(混乱中)

エスって言い方はフミエ世代だっけ?

565 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/07/07(水) 23:02:29 ID:gbZWukYf]
ハラハラというか何というか

こんな感じでカン違いネタ走り書きしてみたw


566 名前:嗚呼勘違い-1 mailto:sage [2010/07/07(水) 23:07:57 ID:gbZWukYf]

「なして…あの写真。大事に持っとられたんだろ…」



寝かしつけた藍子からふと目をそらし、夕闇を見やる。

どんなに耳を澄ませても川のせせらぎは聞こえない。

ここには河童はいない。

そして狐の声も、聞こえない。

かつて一夜を過ごした郷里とは違い、ただ混沌とした闇が広がるばかりだ。



「……何…考えとるんだろ…私」



すぐに口元に笑みを浮かべてみたが、うまく笑えない。

すぐにまた、重い心ごと気持ちが沈み、こうべを垂れた。



「おぉ。藍子寝ついたか」

階段を上がる気配さえ気付かず、突然のその声にびくりっと振り返る。

同時に茂の方も驚いて、一歩たじろいだ。



「ど…げした?」

「……いえ」

すんません…と小さく頭を下げて、さっさと背を向けて床につく。


567 名前:嗚呼勘違い2 mailto:sage [2010/07/07(水) 23:11:06 ID:gbZWukYf]

「おい?」
「……おやすみなさい」
「お…おぉ」

今日は妙なことばかりだ。
何やら地球上で『女が妙な態度をとる日』でも決まっているのだろうか。
茂はしばしあごをさすって考え込んだが、到底女心など判るはずもないこと。
すぐに諦めて、並んだ寝床に腰を下ろした。

「……」

こんなふうに旦那に背を向けているということは……
こんな無防備な背をさらしているということは……
都合のいい解釈を己の肉体が後押しし、
茂はそっと布美枝のなだらかな腰のカーブに手を滑らせた。

「……ん…」
もぞもぞと、虫でも這ったのを嫌がるような素振りで身を揺する。
茂は「お?」と口をしぼませて、布美枝の布団に潜り込んだ。

「……っ! な…何しとるんですか…っ」
「何…って……。いや、ナニをだな…」
「こんな時に…っ。信じられん…!」
「こんな時? ドンナ時だと言うのだ??」

振り向いた布美枝の唇は悔しげに噛み締められたまま。
ふと気を緩めたら、その大きな瞳から涙が溢れ出しそうだった。

今日は『女の涙腺が緩む日和』だったのだろうか…?


568 名前:嗚呼勘違い3 mailto:sage [2010/07/07(水) 23:14:22 ID:gbZWukYf]

「深大寺で、何かあったのか?」
「……はい?」
「様子がおかしいでないか」
そのくらいは判るだぞと、茂は自信満々にふんぞり返って鼻をふくらませた。

「まあ、イカルはキョーレツだが根に持つ性質ではない。きっと、
 お前に何か言ったところで、すぐに忘れとるわ。気に病むことは…」
「あなた…。とぼけとるんですか?」
「あ?」

「もっと、他に。大事件があったではないですか?」
「大事件?」
「あぁあ、もうっ! そげな不貞な腕で触れんでください…っ」
らしからぬ拒絶に驚いて、布美枝の言葉が意味するところがわからない。

「フテイ…」
不定…フテイ…不貞?

やっと思い当って、茂はぽんっとひざを叩いた。

「だらっ。なーにくだらんヤキモチやいとるんだ。
 アレは違うのだと説明しただろ。お前も納得しとったでねーか」
「ヤキモチ…って、そげなもん焼いてませんっ」
「よー焼けとるわ、食べごろじゃ」
「妬いてませんよっ! だって私…知っとったもん」

「何を知っとったと言うんだ??」
「……」

押し黙ったところで、頑固でいて気の長い茂に敵うはずもない。


569 名前:嗚呼勘違い4 mailto:sage [2010/07/07(水) 23:17:34 ID:gbZWukYf]

「……」

押し黙ったところで、頑固でいて気の長い茂に敵うはずもない。
布美枝は仕方なく、ぽつりぽつりと話し出した。

はるこがお守りのごとく大事にしていた写真。
そしてそれを胸に潜めたはるこの表情。
とても目を合わせて語ることはできず、畳の目を見つめながら言うと、
毛羽立った目がぼんやりと歪んだ。

「……それは…問題だな」
「……はい」

がしっと肩を掴まれて、はっと顔を上げる。
茂は険しい表情で、半ば睨みつけるように布美枝を見た。

「気を、しっかり持たんといけん」
「は…はあ……?」
「お前はお嬢さん育ちだけん、そげんことには疎い疎いとは思っちょったが…。
 いくら娘時代の気の迷いとは言え、真に受けてはいかんぞ」
「は…い?」

「世には百合だの何だの…、宝塚というものに憧れる娘も多いと聞くが、
 いくらあの子が一心な娘とは言え、お前は俺の女房だ。藍子もおるんだぞ」
「……え?」
「そげん、暢気な顔をして……。あぁあ、だからっ。いくら娘子相手とはいえ、
 憧れだの何だのにいい気になって、ふらふら惑わされてはいけんのだっ」


570 名前:嗚呼勘違い5 mailto:sage [2010/07/07(水) 23:21:11 ID:gbZWukYf]

どこからか、ご近所の庭から遠く鹿威しの音がひとつ。

無言で睨みつける茂の目にめらめらと燃え上っているのは、
さっきまで布美枝が焼いていたはずのものだった……のに。

「あ…の……。何言うちょってですか? わからん…」
「ああ、わからんでええ」
「ずるい…。教えてごしない? 私もちゃーんと話しましたよ」
「〜〜〜っ」

茂にしてみれば。
親と子ほど年の離れたはるこが自分に想いを寄せるということよりも、
気を張って上京する中、愛情たっぷりに優しい声をかけてくれる、
すらりとした同性の布美枝に奇妙な疑似恋愛感情を抱くはるこの方が想像に容易かった。

何を言ったのかは知らないが……
布美枝に悪いことを言ったというのも、思慕の裏腹なのだろう。
慣れぬ恋心に翻弄される青年時代には間々あることだ。
合わせる顔がないと言うのも、一目その瞳がかち合えば、
それこそ少女漫画のごとく辺りに花びらが広がり、
その瞳には星のごとく光が宿り……
ついでに犬っころも飛び跳ねて。
とてもとても、茂には立ち入れないような女同志の世界が広がるのではないかと……




571 名前:嗚呼勘違い6 mailto:sage [2010/07/07(水) 23:23:45 ID:gbZWukYf]

「知らんでええっ!」
「は…? でも…あなた……」
「お前は俺だけ見とればええっ!」

「な……」
思わず張り上げた声に反応して、藍子が寝返りを打つ。

「!」
互いに息をひそめてそっと小さな寝床に目をやる間も、
ふたりの胸は早鐘を打っていた。

「……よう寝とる」
「お…おぉ」

向かい合って人差し指を「しぃ〜っ」と立て合いながら、
やはり娘の藍子は大人物だと、笑い合った。


終わり


572 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/07/07(水) 23:35:58 ID:tktg8u1M]
>>566
リアルタイムで読めたー♪
職人様乙です。

ゲゲのどうやったらこういう考えにいくんだ?という不思議な思考回路に
途中笑いが止まらずwww
でも最後の「お前は俺だけ見とればええっ!」 にちょこし萌えw


573 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/07/07(水) 23:50:26 ID:94i6xtGc]
おお!GJ!!!

574 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/07/08(木) 00:07:29 ID:qHAXnhrY]
>>566
GJ!!ワロタw
犬っころが飛び跳ねるとこ、特にw

575 名前:名無しさん@ピンキー [2010/07/08(木) 00:51:48 ID:NcGWf9al]
>>568
「よー焼けとるわ、食べごろじゃ」 に((*´∀`))でした。
罪が無いな〜、しげ〜さん。

576 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/07/08(木) 01:33:40 ID:PyP5q7wO]
犬っころ似の鹿が飛び跳ねてるのを想像してわろたw

577 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/07/08(木) 06:48:02 ID:1zL1PVJY]
>>566
GJ!和んだ

本放送でもこういう2人が見たいなー
早く鬱回が終わりますように!

578 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/07/08(木) 19:17:10 ID:gWJtheTQ]
だんだん!
本編では、フミちゃんの目をしっかり見て
「お前はなんも心配することないけえ」とか
ゲゲに言って欲しかったもんなあ…
職人様がタイムリーにこういう作品うPして下さるの嬉しいっす
癒されますた

579 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/07/09(金) 00:30:18 ID:LsbAiknk]

ゲゲ嫉妬ネタは自分も好きです。
というわけで、小ネタ投下させてください。

580 名前:まんじゅうこわい1 mailto:sage [2010/07/09(金) 00:31:49 ID:LsbAiknk]
「村井さん、お届け物です」
よく晴れた日の朝、布美枝が洗濯物を干していると、
安来の実家から荷物が届いた。

実家で採れた蜂蜜、
姉のユキエの嫁ぎ先からの野菜、
そして母ミヤコからの達筆な手紙など、
布美枝にとってはどれも心に染みるありがたい贈り物ばかり。

その中に…。

「あーっ!にしきやのお饅頭!」
「饅頭?」

仕事をしていたはずの茂が、「饅頭」の言葉に反応して、いそいそと寄って来る。

「安来では老舗の和菓子屋さんなんですよ」
「そげか」

そんなことはどうでもいいとでも言いたそうに、茂は饅頭の包みに手をかけた。
そんな茂を見ながら、布美枝は呆れたようなため息をついて、
お茶を淹れようと立ち上がった。

懐かしいな、「にしきや」か…。
ふふっと、昔を思い出して笑った。

それに気づいた茂が
「ん?」
びりびり、子どものように包みを乱暴に破きながら布美枝を見上げた。

湯呑みを差出しながら
「あたし、今頃この和菓子屋さんの女将さんだったかも知れんのですよ」
にこにこしながら言った。

「え?」
「あなたとお見合いするずーっと前、このにしきやの若旦那さんとの
 お見合いの話があったんです」
「…」

ぴたり、茂の手が止まる。

「初めての縁談の話だったけん、すごくドキドキして。
 洋裁学校の帰りに友達と相手の顔、見に行ったりして。ふふふ…」

茂の周りに怪しげな雲がかかってきたのに、布美枝は気づかずに話し続けた。

「客商売の家の方だけん、すごくにこやかで、親切で、優しそうな方だったな」

「布美ちゃん」そう呼ばれてにっこり振り返る自分の姿。
想像してワクワクしていたっけな。



581 名前:まんじゅうこわい2 mailto:sage [2010/07/09(金) 00:32:26 ID:LsbAiknk]
布美枝が回想的妄想に浸る横で、茂はむっつりして

「…にしきやの女将さんよ、その話、いつ終わるかね。
 もう俺は饅頭を食べてもええかね」

いらいらして訊いた。

「な、なんか怒っとりません?」
「ふぇふに(別に)」
乱暴に饅頭を口に放り込んでそっぽを向いた。
小声でブツブツと「どーせ、俺は愛想が無うて、気が利かん男だわ」

布美枝は向こうを向いた茂を、無理矢理覗き込んだ。
茂はさらにそっぽを向く。
負けじと覗き込む布美枝。
ぐいぐいと顔をそむける茂。

しばらくそんなことを続けたかと思うと、
「ぷっ…あはははは」
とうとう布美枝は笑い出してしまった。

「何が可笑しい!」
「だって…あはは、こ、子どもみたいに、何拗ねとるんですか」
「…」
ぐう、という音が聞こえたような気がしたが、
またしても茂はぷいと首を向こうへ向けて、仕事机に戻ってしまった。

「…もう」

布美枝は茂の傍へ這って近づくと、下からその顔を覗き込む。

「…和菓子屋の女将になれんで残念だったな」
「…漫画家の女房にはなれましたよ?」
「ずいぶん段が下がったでねか」
「そうでしょうか」
「貧乏だし」
「うふふ」

582 名前:まんじゅうこわい3 mailto:sage [2010/07/09(金) 00:32:57 ID:LsbAiknk]
布美枝は姿勢を正して茂に向かい、

「こーう、この辺に…」

人差し指をくるくると、茂と自分の間を行ったり来たりさせて

「ご縁の糸があるんです。見えんけど、ある」
「糸…?」
「あなたとは、それで繋がっとる。
 にしきやさんとご縁がなかったのも、いずれあなたと会うように
 糸がちゃあーんと、導いてくれとったからです」
「…」
「それから布美枝は、ご縁の糸で繋がっていた茂さんとお見合いをして、
 漫画家の女房になりました。こっぽし」
「めでたし、なのかね?」
「まだこの話は続いとりますけんね。でも終わりが良ければ全てめでたし、です」
「そげか」

二人は顔を見合わせて、同時に微笑んだ。
茂が布美枝を抱き寄せて、たくさんのキスをくれた。

…までは良かったのだが、次は胸をまさぐりだしたので、
さすがの布美枝もストップをかける。

「こっちの饅頭のが、やらかくて美味い」
「ちょ、もう、何言っとるんですか」

などというやりとりをしながら、二人はごろんと転がって、
何度かキスを繰り返したり、くすぐり合いをしたりして嬌声を上げていた。

「おい、ゲゲ上がるぞ。おっ、美味そうな饅頭って…オーイ!」

寝転がったままの二人が見上げたその先に、ニヤニヤ顔のイタチが出現した。

「お前らほんとに、昼間っから好きだねぇ」

「…浦木…お前は…ほんっっっっっとに…!!!!!!」

そして毎度お馴染みの光景が繰り広げられるのであった。


おわり



583 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/07/09(金) 02:13:26 ID:6lImgIJU]
>>580
職人様だんだん!
2人とも可愛すぎて禿萌えw
「ふぇふに」にワロタw

今日の放送、イカルとイトツが泊まりにきて
「布団が足りない」とかいうシーン、
「ゲゲふみが一枚の布団で一緒に寝る展開クルー!?」・・・ってwktkしちゃったぜorz

584 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/07/09(金) 02:25:39 ID:SjH95k7n]
>>583
あれ、自分がいる・・・
あれはwktkした

585 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/07/09(金) 03:25:45 ID:/pz/Q7ah]
浦木わざとタイミングはかって来てるんじゃないのかw

586 名前:名無しさん@ピンキー [2010/07/09(金) 06:36:18 ID:lp5B/Mft]
>>583
それで、イカルイトルが一枚の布団で一緒に寝る展開かww

587 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/07/09(金) 07:31:59 ID:+rvGFH4/]
浦木邪魔www

>>586

イトツ('A`)('A`)('A`)('A`)

588 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/07/10(土) 02:04:39 ID:Lf3rMNDm]
>>580
GJだんだんGJ!!
子どもみたいな仕草乱発のしげぇさん可愛杉!
セリフもどれも秀逸で、イチャコラで…最高でした!
でも未遂に終わっちゃって、しげぇさんは残念かもねw
是非とも次は念願果たさせてあげてごしない!w
昼間から本番でも大歓迎ですけんwww

589 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/07/10(土) 02:09:26 ID:e+uDbIKZ]
>>582
拗ねたところが良いなあ〜
じぇらすぃゲゲ大好きです
ありがとう

590 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう mailto:sage [2010/07/10(土) 06:21:48 ID:3dK0rdm8]
>>578
わかる!
結婚当初からどんな極貧状態でもゲゲは
「あんたは何も心配せんでええですからね」
と気付かってたもんね

今やそんな格好つけや気遣いもしなくていい絆があるとはいえ
やっぱりはっきりと言って欲しいなぁ



591 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう mailto:sage [2010/07/10(土) 11:34:29 ID:LjMxI0ts]
一番萌えたのは見合いだな
フミちゃんが立ち上がっちゃって、しまった!って顔がかわいい
そのフミちゃんを驚きながら上から下まで舐めるように見るゲゲがかわいい
なんであんなでっかい夫婦がこんなに萌えるんだw

592 名前:渚の怪談1 mailto:sage [2010/07/10(土) 16:19:27 ID:qknu7djc]
 安来への里帰りの日程も終わりに近づいたある日、フミエは藍子を連れて
叔母の輝子の家に遊びに行った。叔母が、店の若い衆にオート三輪で迎えに
来させてくれたのだ。
 よく晴れた気持ちのいい日で、フミエは義姉から借りた乳母車に藍子を乗せ、
海岸へ散歩に出た。

「ああ〜、やっぱり海はええなあ・・・。」
 松林の日陰に腰かけ、おだやかな海をみつめているうちに、フミエはつい
うとうとと眠ってしまった。

 強烈な磯の香りに目を覚ますと、
「これ・・・女!」
フミエの前に白い着物を着た女が立っている。
髪は長く、ところどころに枝サンゴや貝がら、海草が絡まり、背はすらりと
高い。何より恐ろしいことに、青白いその顔はフミエにそっくりであった。
金縛りにあったように動けないでいるフミエにかまわず、女は語りだした。
「だいぶ落ちぶれておるようじゃが、そなたは私のけん族じゃな。
 それゆえ波長が合って私が見えるのであろう。」
(落ちぶれたなんて、し、失礼な〜><)
「わが名はフミ姫。いくさの世に、安来一帯をおさめる飯田家に生まれた。
 幼少の頃よりあらゆる武術にしたしみ、特に櫓をあやつっては漁師にも
 勝ると言われたものじゃ。」
 突然、フミエは自分がフミ姫と一体化し、馬を駆って山野をかけめぐり、
波濤を割って海にこぎ出だすのを感じた。
城とは名ばかりの、堅牢な塀や櫓に囲まれた館。姫とはいえ、いくさとなれば
女たちと兵糧作りに精を出す、そんな生活・・・。
「私は家中の誰よりも背が高く、男勝りなものじゃから、巴御前よ板額よと
 はやされ、二十歳を過ぎても輿入れの話もなく、父上も半ばあきらめて
 おいでじゃった。それをよいことに、乳母の実家の網元の屋敷を根城に、
 舟ざんまいの日々をすごしておった。」
(女のノッポは、苦労しますよね・・・。)

593 名前:渚の怪談2 mailto:sage [2010/07/10(土) 16:24:17 ID:qknu7djc]
「・・・あの方に出会うたのは、いつものように舟をあやつり、沖にこぎ出した
 時じゃった。転覆した小舟に乗り上げ、気を失っている若者を助け上げ、
 岩屋に運んだが、身なりや持ち物から見て、敵方の隣国の村井家の次男と
 知れたので、身動きできぬよう岩に縛っておいたのじゃ。」

男「う・・・ここは・・・?」
姫「気がついたか?村井のうつけどの。」
男「そういうそなたは、飯田の板額どのじゃな。」
姫「そなた、うつけをよそおって絵を描いておるふりをしながら、地形などを
  さぐっておるとの噂じゃったが・・・。どうやら本物のうつけらしいの。
  風景やら花やら虫の絵ばかり・・・!」
フミ姫は、男が懐に入れていた画帖を放り投げた。
男は、このような状況でも駘蕩とした面持ちで、画帖を大切そうに目で追った。
男「わしは、武張ったことが大嫌いで、こういった絵を描くことが好きじゃ。
  板額も巴も、大そうな美女であったと聞く。ぜひそなたの姿を写したい
  ものじゃと念願しておった。予想にたがわず美しい・・・。生きて戻れた
  ならば、必ず描いてみせよう。」
(わ〜、この人、お父ちゃんのご先祖さま?顔だけじゃなくて性格も似とるわ。)

姫「痴れ者め・・・!そもそも板額じゃ鬼女じゃと評判をたてたは、そなたの家中の
  者どもであろう!悪評は近隣諸国に知れわたり、他家と縁組して家の役に
  立つこともかなわなくなったわ。このうえは、いくさがあらば打ち物とって
  加わり、よき死に場所もがなと思うておる。・・・そなたのことは、間者として
  父上にお引渡し申せば、何かにお役立てくださるであろう。」
男は、悲しそうな顔をしてフミ姫をみつめた。
男「そのように美しいのに、なぜ戦場で死にたいなどと申される?女の幸せは、
  もっと他にあるであろう。・・・わが名は茂之介。・・・そなたの名は?」
姫「その方ごときに名乗る名などないわ!かほどの大うつけなれば、村井家でも
  見放しておろう。父上にお渡ししても人質の役ににさえ立たぬかもしれぬ。
  二度とくだらぬ絵など描けぬよう、目玉をくじり取って村井の城下に
  放逐してやろうか?覚悟しておくがよい!」

594 名前:渚の怪談3 mailto:sage [2010/07/10(土) 16:25:41 ID:qknu7djc]
だが、フミ姫はなぜかそうしなかった。男は以前にかかった瘧(おこり)が
ぶり返して高熱を発し、生死の境をさまよった。姫は男を漁師小屋に移し、
懸命に看病した。
「そしてあの方と私は、いつしか愛し合うようになったのじゃ。ふたりとも
 親兄弟の持て余しもの、似合いの夫婦じゃと笑い合うた日もあった・・・。」
幸せな思い出、フミ姫の感じる愛の歓びが、フミエの身体をも貫いた。
 敵同志でありながら、二人の間にいったん燃え上がった情熱は、もはや
消し去ることなどできなかった。
いくら親に半ば見放されている二人とはいえ、そろそろ家に帰らないとまずい。
茂之介が対岸で合図の灯をともしたら、それを目印にフミ姫が得意の舟で
中海をわたっておちあうことを逢瀬の取り決めとし、二人はいったん別れた。
「暗い中、広い中海をこぎわたるのは危険なことじゃったが、私にとって中海は
 庭のようなものじゃし、あの方に会えると思えば、何もこわいことはなかった。
 けれど、うれしい逢瀬も長うはつづかなんだ。・・・私は身ごもった。あの方に
 それを告げると、『国を捨て、三人で暮らそう。』と言うてくださった・・・。」

595 名前:渚の怪談4 mailto:sage [2010/07/10(土) 16:29:29 ID:qknu7djc]
 決行の日、合図はなくとも薄闇の中をフミ姫はこぎ出した。暗くなったら
灯をともしてくれる約束だった。嵐が近づいていたが、延期するわけにはいかなかった。
フミ姫には監視がつけられるようになっていた。
「なんとこの私に、縁談が持ち上がっていたのじゃ。相手は新たに同盟を結んだ家の
 嫡男、父御は『巴御前おおいにけっこう。この乱世に強き子を産んでくれる女子は
 願ってもない。』といたく乗り気じゃそうな。もし私が敵方の男の子を
 身ごもっていることが知れれば、ふしだら娘の親不孝者よと成敗されても
 文句は言えぬ。」
決死の思いで舟をこぐフミ姫。しかしあたりがすっかり暗くなっても、約束の灯は
ともらなかった。里の家々の灯もやがて消え、まったく方向がわからなくなった。
嵐が追いついてきた。フミ姫の心を絶望が黒くぬりつぶす。波と激しい雨風が
小さな船をほんろうした。
ついに力つき、フミ姫は荒波の中に放り出された。身をさすように冷たい水、
底知れぬ深い海の恐ろしさ・・・。
愛する男に裏切られたくやしさ、お腹の中の赤子とともに死んでいかねばならぬ
悲しみを、フミエも容赦なく味わわされる。
「くやしや・・・。くちおしや。かくなるうえは怨霊となりてあの男をとり殺し、
 末代までも祟らんと願いしが、あの方を信じたい心がわずかばかり残って
 消えてくれぬゆえ、鬼ともなれず、長の年月、ただ海底をさまよっておった。
 そして今日、そなたと出会うて、顕現することを得たのじゃ。」
愛の歓び、裏切られた悲しみ、死の苦しみを全て体感させられたフミエは、
(いけん、このままこの人と同化しておったら、連れていかれてしまう!)

596 名前:渚の怪談5 mailto:sage [2010/07/10(土) 16:30:42 ID:qknu7djc]
愛の歓び、裏切られた悲しみ、死の苦しみを全て体感させられたフミエは、
(いけん、このままこの人と同化しておったら、連れていかれてしまう!)
あがいたが、自由になることはできない。その時、
「さがしたぞ、姫!」
目の前に若い武士が立っていた。長身でなかなかの男ぶりだが、顔は茂とそっくりで
なんとなくのほほんとした感じがした。
姫「・・・お怨みにぞんじます、茂之介どの・・・!なにゆえに、私をたばかって、お腹の
  ややまでも・・・。私が邪魔になったのであれば、あなたの手で殺してくだされば
  よかったものを・・・。」
茂「待て、話を聞け!フミ姫。
  あの日、わしは出奔の準備をととのえ、日没を待っておった。ところが、めのと子の
  浦木克之進にたばかられ、一服盛られて眠らされてしもうたのじゃ。きゃつは
  父の意をうけて、わしを監視するようになっておった。
  翌朝、浜にそなたの遺体があがったと聞いて、止める浦木を切り捨てて駆けつけ、
  わしはそなたのなきがらを抱いて去った。そして初めて出会うたあの岩屋で、
  自害してそなたの後を追うたのじゃ。わしもそなたも、誰に弔われることもなく、
  風雨にさらされて朽ち果て、骨は交じり合って今も散らばったまま・・・。
  魂魄となりて再び相まみえんと、そなたを探しつづけたが、そなたの怨みが
  深すぎるゆえか、はたまた冥府の理(ことわり)か、どうしてもみつけることが
  できなんだ。それがこんにち、こうして相会うことを得たのは、そこな赤子の
  おかげぞ。」
(はっ!藍子・・・!藍子はどうしてる?!)
フミエは思わず我に返ったが、やはり身動きはとれない。しかし、藍子は乳母車の中で
無事に眠っていた。
茂「その娘は、わしとそなたの、両方の血統につらなっておる。すなわち、父なる男は
  わしがけん族、そこなるそなたのけん族の女が母というわけじゃ。・・・その子の
  血の力が、われら二人を引き合わせてくれたのじゃ。
  さあ、長い間待たせたな。いっしょにあの世とやらへまいろう。そして三人で
  幸せに暮らすのじゃ。」
姫「うれしや・・・。長い、長い歳月、あなたに裏切られたと思い込んだまま、私は鬼に
  なるところじゃった。けれど、わずかばかり残ったあなたを信じる心のおかげで、
  罪を犯さないですみました。」

597 名前:渚の怪談6 mailto:sage [2010/07/10(土) 16:32:31 ID:qknu7djc]
フミエの中から、フミ姫がぬけ出し、茂之介に寄り添った。
姫「わがけん族の女よ・・・。そなたの名は?そして娘御の名はえ?」
フ「私はフミエ。・・・娘は藍子と申します。」
姫「そなた達のおかげで、いとしいお方とまた一緒になることができました。礼を申す。
  我ら二人、藍子の守護霊となりて、末永く守るであろう。では、さらばじゃ。」

「  あ   り   が   と   う  。」

 フミエは、はっと目覚めた。傍らでは藍子がすやすやと眠っている。太陽の位置を
見ると、たいして時間は経っていないらしかった。
(私ったら、あんな夢を見るなんて・・・欲求不満なんだろうか?お父ちゃんと離れて、
 まだ五日やそこらなのに・・・。)
フミ姫として茂之介に抱かれた時の感触がなまなましくよみがえり、フミエはあわてて
それを振り払うように藍子をのぞきこんだ。
藍子の髪に、小さな小さなももいろサンゴがからまっている。フミ姫の髪についていたのと
同じものだ。フミエの笑顔が固まった。
海からの風が急に冷たくなったように感じられ、フミエは急いで叔母の家に帰った。

 翌々日、フミエは調布の我が家に戻った。いつもどおりの茂の顔を見ると、
心の底からほっとした。
おみやげのようかんをつまみながらお茶を飲んでいる茂に、フミエは聞いてみた。
フ「なぁお父ちゃん、あの世ってどんなところなんでしょうか?」
し「ええ所に決まっとる。働かなくても食うには困らんし、いつでもあったかくて
  花が咲き乱れとるんだ。まあ現世では、南方の島がそれに近いな。」
唐突な質問だったが、茂の最も得意とする分野なので、昔描いた絵までひっぱり
出してくわしく解説してくれた。
フ「じゃあ、死んだ後もそこで家族で暮らせるんでしょうか?」
し「・・・お前、妙なことを考えとるんじゃなかろうな。いくら貧乏だからといって・・・。」
フ「いやだ、違いますよ。安来で昔話を聞いたけん。」
フミエはあのことを茂に話そうかと思ったが、もうしばらく自分の胸だけにしまって
おきたい気がして、やめておいた。
その後、フミエはあのももいろサンゴをていねいに真綿にくるんで、おばばの形見の
紅色サンゴのかんざしの箱にしまった。
「フミ姫さま、茂之介さま、しあわせにお暮らしですか?藍子のこと、どうぞ
 末永くおまもりください。」
フミエが手を合わせて祈ると、かすかに磯の香りがした。

598 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう mailto:sage [2010/07/10(土) 20:12:44 ID:UQ/13aqe]
>>592
おお〜GJ!なんかスペクタクル?だな。
すごいんだが、浦木がどうしてもこの板だと
邪魔モノ要員になってて、そこだけワロタw

しかも今回は茂(之介)にぶった斬られてたw

599 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう mailto:sage [2010/07/10(土) 23:19:01 ID:ZoWvcOe/]
>>592
おおなんか鬼太郎テイストな感じの物語が…GJ  
つか「村井のうつけ」に笑ったw

600 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう mailto:sage [2010/07/10(土) 23:44:47 ID:9m+qALvS]
>>592
だんだん!
本スレで「結婚前から恋愛してる2人が見たい」って書きこみ読んで以来、
自分も「それ見たい!」って思ってたから、ここで補完出来て嬉しい。
(ご先祖様の話だけど)

ロミオとジュリエット的展開がまたいいですな。

勿論、自分はほのぼの系も大好きですがw



601 名前:大トラ布美ちゃん1 mailto:sage [2010/07/11(日) 14:38:44 ID:cklKFUXH]
漫画家に盆も正月もない。あるのはそこに、ただ締め切りのみ。
しかしやっとここにきて、原稿の完成の目処がたちそうだった。
暮れも押し迫る師走の夜、この分だと正月には珍しくゆっくりできるぞ、
茂が机から顔をあげ、凝った肩をほぐすように首をぐいぐい捻っていると。

「ごめんください」

遠慮したような女性の声が玄関の向こうから聞こえた。
漫画に集中していたら、きっと聞こえなかっただろう。
襖を開けて、出窓の置時計を見やると、すでに22時をまわっている。

玄関を開けると、こみち書房の女将が申し訳なさそうに、引き戸のところで佇んでいた。

「こんな遅くなってしまって、申し訳ありません」
「…いや、なんだ、こちらこそ。送ってもろうたんですか?
 てっきり今日はもう、そちらで厄介になるのかと思っとりました」

すると、後ろからひょこっと
銭湯の女将、床屋の女将、乾物屋の女将の「商店街の拡声器トリオ」も顔を見せた。
三人とも少し赤ら顔で、茂を見上げて挨拶をすると、えへへ、と作り笑いをした。

「?」茂は四人の顔を代わる代わる不思議そうに見る。
靖代が暗闇に向かって、
「太一君、大丈夫?早く早く」と手招きをする。

近眼の茂が目を細めてそちらの方を見ると、
暗闇の向こうから、細身の太一がゆっくりと、いや、ふらふらと、何かを抱えて歩いてくる。
やがて外灯に照らされて、浮かび上がったその「何か」は
太一と肩を組んで千鳥足で歩く布美枝だった。

「はにゅう〜〜の〜〜やど〜〜〜も〜〜♪」
十八番の歌を口ずさみながらよたよたと歩く姿を信じられない思いで茂は凝視した。
布美枝は女将連中に囲まれている茂に気づくと

「あっ!これはこれは、ちょーふの星っ!水木しげる先生」
と、まるでどこかの太鼓持ちのような口調で言った。
「え…?」
あまりのことに茂は半歩後ずさった。


602 名前:大トラ布美ちゃん2 mailto:sage [2010/07/11(日) 14:40:01 ID:cklKFUXH]
話を遡ると、昨日のことになる。
布美枝は買い物から帰ってきて、茂に「ちょっとええですか」と話かけた。

「明日、商店街の皆さんと、こみち書房で忘年会をしようってことになって」
「おう」
茂は原稿に向かったまま返事をした。
「夕方から集まることにしたんですけど。あなたも行けますか?」
「俺は無理だわ。年内にこれを仕上げて、出版社に届けんといけん」
「…そげですか」
「お前は行って来い、ゆっくりしてきたらええ」

締め切りが近いことは分かっていたので、その返事は大方予想していた。
少し気が引けたが、布美枝は茂の厚意をありがたく受けることにして
今日、茂一人分の食事を用意して出かけたわけであるが…。

やっと玄関先まで辿り着いた太一が、ぺこりと茂に挨拶をすると、
横で肩を組んでいた布美枝も一緒になって、だらりと頭を下げた。
すぐに頭を上げると、敬礼をして
「ただ今帰還致しました」にっこりした顔が紅潮している。

言葉も出ない。
あまりにも普段と違う女房の姿に、唖然として開いた口が塞がらないの図。


603 名前:大トラ布美ちゃん3 mailto:sage [2010/07/11(日) 14:40:35 ID:cklKFUXH]
そんな茂の心境を察した美智子が、何度も頭を下げる。
「先生、本当にごめんなさい。
 主人がおもしろがってどんどん飲ませるもんだから…」
「アタシが悪いのよ。布美枝ちゃん、最初は飲まないって言ってたのに
 無理矢理飲ませちゃったから!」
と、風呂屋の女将の靖代が、布美枝と茂を交互に見ながらフォローする。
後ろで徳子と和枝もうんうん、頷いている。

「中まで運びましょうか」
この寒いのに、太一は汗をかいていた。
「いや、大丈夫だ。わざわざすまんだったな」
憧れの人物に礼を言われて、太一は照れくさそうにはにかんだ。

太一の肩から離れると、布美枝はふらふらと茂の胸に吸い寄せられた。
慌てて右腕で支えて、ようやくバランスを保つ。

女将四人衆は、何度も茂に頭を下げて、太一とともに帰っていった。
玄関先でそれを見送った茂は、ふうとため息をつき、
にこにこ顔の布美枝を見やった。

「うーわ、酒くさ…」
「あっ、酷いですね。自分はいっつもおならばっかりしとるくせに」

そんなことを言いながら家の中へ歩みを進めようとするのだが、
布美枝の足元がおぼつかないものだから、部屋に辿り着くまでに相当の時間を要した。


604 名前:大トラ布美ちゃん4 mailto:sage [2010/07/11(日) 14:41:04 ID:cklKFUXH]
置時計は23時を報せた。

やっとのことで布団を敷き終えると、茂までもうっすら汗をかいた。
布美枝はちゃぶ台を抱えて目を閉じていたが
相変わらず「埴生の宿」を歌っているところをみるとまだ気分上々なのだろう。

それにしても珍しい光景だ。
というより、布美枝が酔っぱらっているのを見るのは初めてのことだ。
酒が飲めたのか。それすらも知らなかった。

「…おい、着替えてもう寝たらどげだ」
「…んー…はい…」

つぶやくと、布美枝はカーディガンをやや乱暴に脱ぎ捨て、
ブラウスのボタンに手をかけてはずそうとする。が、その手元がおぼつかない。
やがてブラウスのボタンは2個目までで諦め、
スカートのホックをもたもたと緩めると、靴下も脱ぎ散らかした。
そして四つん這いで布団まで行くと、ぱたっとに倒れこんだ。

「…おい」
あまりの状態に、茂はかける言葉も失ってしまった。

この中途半端な状況をどうすれば?

肌けたブラウスの向こうには胸の谷間が見え、
緩めたスカートはすでに膝までおりている。
乱れた髪が、潤いつややかな唇にからんで、
半開きの瞳の先端で、うっすら震える睫毛が、これまた長い髪を掴まえていた。

茂はとりあえず手を伸ばして、顔にかかった髪をとかしてやった。
すると、その手に気づいた布美枝が、目だけを動かして茂をじっと見つめた。
なぜか悪いことをしていたのを見つけられた気分で、息を呑んだ。


605 名前:大トラ布美ちゃん5 mailto:sage [2010/07/11(日) 14:41:32 ID:cklKFUXH]
「…夢の中でおるようです…」
布美枝は弱々しくつぶやいた。
「身体が、ふわふわする…」

分かっているのかいないのか、自分で剥ぎ取った衣服は
もう布美枝の身体を覆っているわけではなく、
ただ引っかかっている布切れに過ぎないのである。
茂にとってはある意味、据えられた膳のような状態になっているわけで。
息を吐いて、身体をしならせる布美枝の動きに、どきりとする。

「…だいぶ、酔うとるみたいです」
「そげか」
「あなたが、ずいぶん男前に見える」
「…正気のときはそう見えんのか」
少し、笑った。

「グレゴリーペックかと思いました」
「…そげならお前はヘプバーンか。あげな小顔は無理だ。空母みたいな顔のくせに」
「あー、もう」
起き上がって茂の両頬を思い切りつねった。
「いてて」
「ちっとはロマンチックなこと言うてみたらどげですか」
「だら言うな、酔っ払い。酒屋の娘のくせに」
「酒屋の娘が酒に酔うたらいけんのですか」
「みっともない」
「メガネ屋の娘はメガネかけとかんといけんのですか?」
「はあ?」
「魚屋の娘は肉を食べたらいけんのですか?」
「…あのなぁ」
「八百屋の娘は…」
「もうええ、うるさい」

おしゃべりな唇を、無骨な唇が塞いだ。
苦手な酒の匂いが布美枝の全身を包んでいるので、茂はそれだけで酔いそうだった。
ふたつの身体はぴったりとくっついたまま、ゆっくりと布団に沈んでいく。


606 名前:大トラ布美ちゃん6 mailto:sage [2010/07/11(日) 14:41:57 ID:cklKFUXH]
「…んん……」

熱い息を漏らしながら唇を離すと、布美枝はじろりと茂を睨んで口を尖らせた。
「…ええ男と言ったのは撤回します。ただの助平だった」
「だら。『ローマの休日』は悲恋でねか。最後に二人は別れなならん」

茂がどういうつもりでそんなことを言ったのか、
悲恋に終わるような恋人たちに、自分たちを例えるなとでも…?

「そげでしたね…」
布美枝はそれだけつぶやくと、また降りてくる茂の唇を受け止めながら、
セーターに手をかけて脱がす手伝いをしてやった。
露わになった逞しい胸を手でなぞりながら、うっとりと茂の顔を確認すると、
もう一度自分の唇へと誘導する。

熱いキスのその間に、今度はその手を茂のズボンへと伸ばす。
ズボンの上から、今まさに傾きかけた茂の欲望をゆっくり撫でた。
そしてボタンをはずしてチャックをおろすと、それに直接触れてみた。
いつもなら、茂の愛撫がゆっくりと布美枝に熱を持たせていくのに、
今日は布美枝がいつになく積極的で、茂は内心驚いていた。

途中までしかはずせていなかった布美枝のブラウスのボタンを
茂が器用にひとつづつはずしていくと、やがて下着に隠された美しい乳房が現れて
またその下着を一枚ずつ剥いていくと、その丘陵の先端に咲いた蕾がピンク色に萌えていた。
その蕾をひとつ甘噛みする。それから舌で転がす。
「あ…ん」
甘い吐息と嬌声が布美枝の口から洩れて、お礼にキスの嵐が降ってきた。
しばらくすると、布美枝が茂の肩を押しながら上体を起こし、
今度は茂が下に、布美枝が茂を見下ろすような格好になった。

607 名前:大トラ布美ちゃん7 mailto:sage [2010/07/11(日) 14:42:23 ID:cklKFUXH]
首筋から鎖骨へ、鎖骨から乳首へ、視線と指先をつつつ…と移動させて
茂の骨ばった身体を確認してから、その進行経路に今度は唇を落としていく。
熱を帯びて潤った唇と、酒を含んだ唾液が舌先から、茂の身体を這って行く。
その妖艶な動きと舌遣いに、茂の身体が思わずびくっと反応した。

「…ええ、…ですか?」
「ん…」

この間はこそばゆいだの、なんだのと言われたので、今日の反応は嬉しかった。
布美枝は再び舌の侵攻を進め、さらに手で茂の硬くそそり立つモノを弄びはじめた。
ふと、茂の心臓がざわめいた。
布美枝の愛撫は、胸から腹へどんどん降下していく。
このままだとまさか、と思って頭を上げたとき。

「あっ…」
思わず声を上げた。
茂の欲望が詰まったそのモノに、布美枝の舌は到達してしまった。
先の方からこぼれだす、てらてらした液を舐め吸うと、
根元から先端まで余すところなく舌を這わす。
しばらくして今度はそれを咥えて上下し始めた。
「ちょ…っ、ま…」
思わず顔をしかめる。当然、快感が支配していくのに抵抗しているからだ。
布美枝もまた、口に収めるにはあまりにも大きすぎるそれを相手にかなり苦戦していたが
茂が快感に震える様子が手に取るようにわかるので、そのままずっと愛撫を続けた。
「は……あっ…」
悶える声が、いつもの意地悪な茂をかき消して、いっそう布美枝を突き動かす。
何度も何度も、出し入れを繰り返して、もう顎がくたびれてしまった頃。
「も、もう、ええ、これ…以上は、いけん…」
快感の波間で、茂が制する。
「も、やめぇ…」
力なく、布美枝の肩を押す。
布美枝は、やめなかった。むしろいっそう激しく攻めた。
「…い…くっ」
そして次の瞬間、どくっと布美枝の口内に精が放たれた。
あまりの勢いに、むせてしまう。
「げほっ、げほ!」
「おい、大丈夫か?!」
「げほ…っ…だいじょぶ、で、す。けほっ」
涙目だったが、微笑んでみせた。

608 名前:大トラ布美ちゃん8 mailto:sage [2010/07/11(日) 14:42:46 ID:cklKFUXH]
茂は少し照れくさそうに「無茶するな」とだけ言って、布美枝を抱きしめた。

「えかったですか?」
まるで子どものように無邪気な布美枝は、率直に感想を問い合わせする。
「…そりゃ、えかったけど」
「ふふ」
「けどお前、俺をいくつだと思っとんだ」
「え?」
「もう無理だけんな。…多分」

くるっと後ろを向いて何やらブツブツと「貴重な一回を…」などと言っている。
布美枝はその背中から茂に抱きついて、顔を覗き込んだ。
どこか、してやったりという風の布美枝の表情が、
憎たらしくも愛しく思えて、照れ隠しに、振り向きざまに布美枝の鼻をつまんでやった。
「むっ…」
「…酒くさいんだよ」
「むぅ」
そして鼻から手を離すと、キスと一緒に勢いで押し倒した。
「勝ったと思うなよ」
「え…?」
そう言うなり、茂の右手は布美枝の尻を撫で、そこから秘所へと指を滑り込ませた。
「あっ」
割れ目の上の突起部分をつまんだり、転がしてみたりすると
じわじわと快感の証拠に液が溢れ出してきた。
さらにそれを引きずり出すように、指で侵入して掻きまわしてやる。
一方、口と舌では乳房を余すことなく舐めまわし、ピンク色の蕾を刺激してやる。
柔らかい胸に顔をこすりつけて、二つの山を行ったりきたりしていると
酒の匂いと、もうひとつ、いつもの布美枝の香りがして茂はその香りに酔ってしまった。


609 名前:大トラ布美ちゃん9 mailto:sage [2010/07/11(日) 14:54:49 ID:cklKFUXH]
今度は布美枝の白く、細い足の先から、ずっと内股を通って舌を這わせ、
先ほどまで指で刺激していた突起部分へ到着した。
あたり一帯を舐め上げると、布美枝がのけぞって嬌声をあげる。
「は…っ!あ…あん、あぁ…」
いつもは思慮深げに、手を当てたり布団で覆ったりして、
声を出すことには慎重な布美枝が、今日は大胆にも艶かしい声を隠そうとはしなかった。
その喘ぎに動かされるように、舌と指をさらに駆使して快感を与えてやった。
「あっ…あぁ、は…え、ええです、すご…く…もぅ…」

ふと気づくと。
(あれ…復活しとる…?)
あまりの布美枝の淫靡なさまに、茂の興奮が再び力をつけてきていて、
貴重な二回目の装いを呈してきた。

すぐさま茂は上体を起こして、力の入らない布美枝の足を開かせ一気に挿し込んだ。
「ああぁっ…!」
待ちくたびれたように、熱を帯びた布美枝の膣内は、茂の侵入を離すまいとぎゅっと締め上げる。
「も…無理って…さっき…あっ、あん、んっ…」
「俺もまだ若いな」
「なに、言って…ああ、や…、も、ぅ…っ」
うっすら視界がぼやけてきて、茂の顔もにじんでくる。
布美枝は必死に茂にしがみついて、うわごとのようにつぶやいた。
「あ…な、た…」
「ん?」
「…ずっと、傍に居らせて、ください、ね…」
「え…?」
「ずっと…離れんと、一緒に…居りたいんです…」

そう言ってから、布美枝は絶頂を迎えて、力を無くしてだらりとなった。
茂もそのあとに今日二回目の精を、布美枝の奥底へ放った。

610 名前:大トラ布美ちゃん10 mailto:sage [2010/07/11(日) 14:55:31 ID:cklKFUXH]
布美枝は下着も付けずにそのまま眠ってしまった。
熱く火照った身体が、師走の夜の冷気にさらされ冷たくなりかけていた。
茂は二人分の布団を上からかけ、自らの体温で冷気から布美枝を守るべく
その細い身体を後ろから強く抱きしめた。

酒に言わされた戯れ言だろうか…。
しかし素手で心臓をわし掴みにされたように、
さっきの布美枝の言葉は、茂の胸を熱くさせていた。
茂は、乱れた布美枝の髪を撫でながら、その耳元で
「…………」
何かを囁いた。
深い眠りに落ちた布美枝に、茂の囁きは聞こえなかった。


翌日、上がった原稿を出版社に届けた帰り、茂はこみち書房へ立ち寄った。
正確に言うと、立ち寄ろうとした、のだが。
店の机を囲んで、昨日の女将四人衆が集って大声で井戸端会議に花を咲かせていた。
少々、あの勢いは苦手だ。茂は手前で立ち止まった。
しかし、布美枝から昨日の迷惑を詫びるために、必ずここには寄って欲しいと言われてある。
どうしたものかと考えあぐねていると。

「布美枝ちゃん、スポンジみたいによく吸収したわね〜」
「酒屋の娘さんって言ってたから、強いのよ、きっと」
「先生が下戸だって言ってたから、飲む機会がなかったのね」
と、布美枝の噂話が始まる。



611 名前:大トラ布美ちゃん11 mailto:sage [2010/07/11(日) 14:56:10 ID:cklKFUXH]
「それにしても、昨日の靖代さんたらなかったわ〜」
「何よ、それ?人生の先輩として色々アドバイスをしたんじゃないの」
「布美枝ちゃん、真剣に聞き入っちゃってさ、ねえ、美智子さん」
「うん…でも、あれは、ちょっとねえ…太一君も居たのに」
美智子の声のトーンが少し下がった。
「太一君には政志さんが色々伝授してたじゃない」
「本当にもう、みんなお酒が入るとそういう風になるんだから」
そういって美智子は奥に引っ込んだようだった。
残された「拡声器トリオ」が、きゃっきゃと盛り上がる。

「布美枝ちゃん、酔いつぶれてなければ実践してくれたかなあ」
「さあ、そもそも覚えて帰ったかも疑問だけどね、靖代さんの四十八手講座」
どっと笑いが起こる。

一部始終を立ち聞きして、茂は心底入って行かなくて良かったと思った。
また、昨日の布美枝のあの行動にも合点がいった。
どこからあんな行為の情報を入手したのか、気がかりではあったのだ。

「酒が入ると女は怖い…」

つぶやいて帰ろうと振り返ると、通りの向こうから太一がこちらに向かってくるのが見えた。
慌てて茂の方から駆け寄って制止する。

「今、あの店に入るのはやめとけ。もうちっと経ってからの方がええ」
「え?そ、そうなんですか?」

まだ恐らくは女の怖さを知らないであろうこの青年を、魔の手から救った、と茂は思った。
が、こみちの主人が何を伝授したのだろうか、大丈夫か?と心配でもあった。
まあ、男としては通り抜けていかねばならん道でもあるか。

「先生?」
「あ、いや、これ、うちのからだ。みんなで分けてくれ。昨日は世話になった」
来る途中で買った饅頭を太一に託す。
「寄っていがねんですか?」
「うん、ちょっこし、用がある」
「今日は、布美枝さんは?」
「二日酔いだわ。頭抱えて寝込んどる」

茂は太一と顔を見合わせて笑った。


おわり


612 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう mailto:sage [2010/07/11(日) 21:25:09 ID:jyLvxkvc]
GJ
エロも勿論だが、すずらん組がおおらかで良いな

613 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう mailto:sage [2010/07/11(日) 23:08:46 ID:Nb5U/RWk]
>>601
職人様だんだん!
フミちゃんのフェラと告白が堪らんw
ゲゲはフミちゃんの耳元で何て言ったのか気になるな。

そして靖代さんはテクニシャンだったというw

614 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/07/12(月) 00:07:09 ID:LYSYXi9/]
積極的なフミちゃんもええですなあ。しかし何者なんだ靖代w

615 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/07/12(月) 00:54:48 ID:iKVKQvdu]
>>601
職人様乙です!
積極的なフミちゃんたまりませんなあ〜

そして靖代さんの四十八手講座、他にもなにを教え込んだのか気になりますw


616 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/07/12(月) 01:13:53 ID:Im+f3fKL]
>>611
ありがd!
ゲゲの囁きが、気になりまする〜
ちょっとドジ(死語ww)なフミちゃんって可愛いなあ
ゲゲに萌え〜!!

617 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/07/12(月) 22:43:23 ID:hV4ejoL+]
ゲゲがヤられてるのもまたいいw
そして浮腫んだときのマッサージから四十八手まで、
守備範囲の広い靖代スゴス。

618 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/07/13(火) 01:20:51 ID:FUGDUrVa]
>>601
うわ〜職人様だんだん!!!

酔っ払い責めフミちゃんマジ最高!
可愛いし、エロいし、堪ら〜ん!!(*´Д`)ハァハァ

あと祝!フミちゃん初フェラwww
おめでとう御座います先生www
これから四十八手で毎夜勤しむ夫婦が楽しめるんですねわかります
てか、酔っ払いフミちゃんがこのスレで流行ればいい!

619 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/07/13(火) 23:27:01 ID:NmeqkWEJ]
祝☆最高視聴率更新

村井夫婦の頑張りが報われ始めた回で更新したので二重の喜びだ

620 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/07/13(火) 23:36:40 ID:V5KPflRC]
これから投下させてもらいます。
にしきやさんが出てくる所が少し>>580さんとかぶっちゃってますが
スルーでお願いします…

藍子が生まれて数ヶ月後あたりで



621 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/07/13(火) 23:38:31 ID:V5KPflRC]
 その日、茂が散歩から帰ってくると布美枝の姉の暁子が家に居た。
年始にやってしまったぎっくり腰も良くなり、今日は自分の息子達の
赤ん坊の頃の産着やらおむつやらのお下がりを持ってきてくれたという。
「男の子用だけど、これなんて黄色だから使えるでしょう?すーぐ大きくなって
着れんようになるからこれもまだまだ新しいし」
などと色々説明している。茂は軽く挨拶してすぐ仕事部屋に引っ込んだ。
暁子も、だいぶこの風変わりな義弟に慣れてきたため特に失礼とも思わなく
なってきている。そのうち女同士の話に花が咲いた。

話題は弟の貴司の事だった。もう三十路間近なのに未だ身を固めていない
彼を、安来の家族も心配しているという。
「うかうかしとったらじき30だけんねえ、早いことまとまるとええんだけど」
「うん…貴司も、ええご縁があるとええね」
布美枝はつい自分の身と重ねていた。たとえ遅い結婚でも、縁あるひとと、
毎日笑っていられるような結婚をしてほしい。
妹の心中を察し、暁子は微笑ましく思った。
「フミちゃんもええ人に巡り会えたもんね」
布美枝は目を見開いた。「な、何言うとるのアキ姉ちゃん」
暁子はちょっとからかう口調になる。「あんたが昔、背が高いいうてお見合い
断られた時にはそりゃ心配したもんだけど」
「もう!そげな昔の話、今頃言わんとって!」
『にしきや』の若旦那から見合いを断られたのも、今となっては懐かしい話だ。
姉妹は笑いあった。


622 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/07/13(火) 23:41:26 ID:V5KPflRC]
大声で喋っていた訳ではない。だが、襖を一枚隔てて向こう側、
茂の耳に単語が飛び込んできた。見合い?断られた?
もちろん相手は自分ではない。そんな話は初耳だ。
見合いを断られた過去など、仲人側や飯田家がわざわざ伝えるはずもないので当然だった。

「藍子もう寝付きましたけん、お仕事手伝いましょうか?」
洗濯物を畳みながら、襖の向こうで布美枝が尋ねた。
「いや、今日はまだ下書きだけん大丈夫だ」そう茂は答え、それから布美枝に
早く寝るよう促した。
「すんません、ほんならこれ終わったら先に休ませてもらいますね」

 てきぱきと洗濯物を畳む布美枝を見ながら、ふと茂は日中の話を思い出した。
それとなく詳細を聞き出してみる。
もうずっと昔の話なんですけど、と前置きして布美枝は話し始めた。
「それ以来、背が高い事を余計気にするようになって、ずっと実家におって
肩身が狭い思いもしましたけど…あの縁談がなくなったから、今こうして
お父ちゃんと一緒になれて、藍子も授かる事ができて…結局は、これで
良かったんですね」そう話を結んで、布美枝は照れたように微笑んだ。
本心だった。運命の人とはちゃんと出会えるのだと、祖母の言葉は、
慰めではなく真実だったと、心から言える自分が嬉しかった。
    

623 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/07/13(火) 23:42:43 ID:V5KPflRC]
 布美枝が二階にあがっていった後、茂は鉛筆を持ちながら、珍しくあまり
集中していなかった。頭の中はさっきの話で占められていた。
布美枝と最初に出会ったのは見合いの時。二度目に会った時には既に
彼女は花嫁になっていた。そのせいか茂は、布美枝は自分の女房と
なる為に現れた女のような気がしていた。飯田布美枝、十歳年下で、安来出身。
それだけ把握していれば十分だと思っていたのだ。
しかし当然ながら、布美枝にも今まで生きてきた過去があり、また、
茂以外の男と連れ添う未来が在り得た。そして、どんな人生であろうとも、あの
大人しい割に意外と度胸のある女房はすべて受け入れて生きていくの
だろう。そう思いを馳せて、茂はふいに胸の内側を撫でられた様に
心がざわついた。
布美枝と結婚した事も、藍子が藍子として生まれた事も、思っていた程
必然ではない。まさしく人の縁とは、妖怪よりも不可思議なものだーーー、
そんな風に思った。


624 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/07/13(火) 23:43:34 ID:V5KPflRC]
 二階では布美枝がもう横になっていたが、まだ寝てはいなかったようで、
茂が畳を踏む音をぎしりとさせると、布団から身を起こした。
「お仕事もう終わったんですか?」
「今日はもうええんだ」曖昧に言うと、茂は布美枝を抱きすくめた。
「お、お父ちゃん?」右腕の中で布美枝が身を固くする。
「しばらくお母ちゃんと仲良くしとらんだったせいで、つまらん事を考えた」
「つまらんこと?」
「ああ。考えてもしょうもないのにぐだぐだ考えるのは、まったくつまらん」
「?……何の話です?」説明する気はなかった。話が掴めない女房を
置いてきぼりにして、茂は布美枝の浴衣の中をまさぐった。

 仲良うする、の意味をやっと察し、布美枝は赤くなる。そういえば、
藍子がお腹に出来たのがわかってから、随分ご無沙汰だった。
もはや話を聞けるような状況ではない、と観念する。
「もう……。お父ちゃんは何も教えてくれんのですね」苦笑しながらも、
受け入れる態勢になる布美枝にほっとした。
 とにかく今はこいつは俺の女房で、こうやって、いつも受け入れて
くれる。それでいい。先程の不安が霧散していくのを感じた。
そして、茂は布美枝に覆いかぶさった。


625 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/07/13(火) 23:44:28 ID:V5KPflRC]
 二人が体を離した後。
茂は布美枝の横で寝息をたてていた。夫を起こさないように布美枝は
慎重に動いて布団をかけてやる。暦の上では春、などと言っても
まだまだ夜は寒かった。
 久しぶりに受けた夫の愛撫は、記憶にあるよりも熱っぽかった。
あるいは自分も、久しぶりだったから嬉しかったのかもしれないと
布美枝は一人で照れて、茂の寝顔を見つめる。
そういえば、さっきうやむやにされた話はなんだったのだろう?
結局聞けずじまいになってしまった。そっとその寝顔につぶやく。
「あなたの考えてる事はいつもようわかりませんけど…私はずっと
付いていきますけん」
藍子のミルクの時間まではまだ間がある。布美枝もようやっと
横になった。願わくば、親子三人、同じ夢を見れますように。
そんな事を思いながら、目を閉じた。


(終)

626 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/07/14(水) 00:01:46 ID:Jr1urf6V]
>>621 GJ!
これがリアルタイムというやつですね!
ありがとうございます!

エロがないのに、色っぽいのはなぜだ。
布美ちゃんの過去を意識するゲゲがすごくイイ!


627 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/07/14(水) 00:14:09 ID:wYrKDa5V]
>>621
新作キテタ!
職人様だんだん!

藍子ちゃんが生まれてからの作品はあまりなかったので
自分的に嬉しかった。


628 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/07/14(水) 01:00:12 ID:gudbsA3m]
>>621
投下だんだん!
いや〜夫婦がお互いを思い合ってるのが
じんわり伝わってくる良い作品でした(´ー`)
ゲゲの
>俺の女房
発言に禿萌えた〜!!
もっともっと仲良うして欲しいですなw

629 名前:名無しさん@ピンキー [2010/07/14(水) 01:19:32 ID:Tp6zlpWI]
>>621
だんだんだ〜ん!
ふみえちゃん「結局はこれでよかったんですね」
と言いながらもゲゲの求めには赤くなる所が可愛い
理想の女房ですな!



630 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/07/14(水) 22:42:21 ID:UQ0q6rVR]
>>621
だんだん!
動揺して不安になるゲゲと照れるフミちゃんが良いですなぁ〜



631 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/07/14(水) 23:54:46 ID:U8Cjhqmq]
今日の放送内容は激しくこのスレ向け?!
ふみちゃんが帰った後のスピーカー三人組の会話はどげなっとったんだろーかw

632 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/07/14(水) 23:55:23 ID:Q7EPwX+b]
今日のゲゲゲ、やっと今録画したの見れた。
「精のつくもの」を連発されると
どうしてもこっちのスレを意識してしまう。
しかも女房が4人も集まってそれを考えているなんて
狙っとるとしか思えん…!

633 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/07/15(木) 23:53:59 ID:yn7ufSrz]
本スレで「通帳の桁を数えるフミちゃんをゲゲが優しく見つめてた・・・」って
書きこみがあったけど、本当か!?
あとで録画分確認してみようっとw

今週は夫婦のシーンが多くて良いな。
しかも萌え夏服ありだしww

634 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/07/16(金) 00:14:41 ID:Bh2uyuJ8]
>>633
振込み間違いじゃ…って心配してるフミちゃん
お人好しで可笑しくて、でも凄く可愛かったなー
それを笑っていなすゲゲも優しげで…
ラブラブ夫婦で良かったよね〜(´ω`)
こんな何気ない一コマが好きだ<ゲゲゲ

635 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/07/16(金) 00:26:59 ID:eZFF+ud8]
電話番の布美ちゃん&藍子も可愛かったね。
冷やし中華ネタはなんつーか、お約束にもほどがあるくらい古臭いけど
自分的には好きだ。後ろで「よしっ」ってするゲゲも…w

せっかくの夏服だ、高校生ゲゲでなくて
グレーの落ち着いた方のゲゲを見せてくれ〜〜

636 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/07/16(金) 00:54:50 ID:IqKedSCt]
>>633
本当です。
さっき録画分もう一度見直したら一生懸命通帳に振り込まれた金額の桁を
数えてるフミちゃんをすごく優しい目で見つめてました。
一生懸命数えてるフミちゃんが可愛かったんでしょうなw



637 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/07/16(金) 01:06:00 ID:S0w7014/]
>>633
お前さんのレス見てじっくり見直してきた
・・・・あれは萌える
なんつー愛情部会、いや深いまなざしなんだ


あのシーンのゲゲの心の内も読んでみたいような・・・(さりげなくリクw)

638 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/07/16(金) 03:14:28 ID:1h8k0s83]
その後の大激怒でスルーしがちだけど
フミちゃんの為にラジオを受け出してきた時も
彼女の喜ぶ姿に、優しいぃ笑顔を浮かべてたなあ。。。
新婚時代から、フミちゃんの喜んでる(はしゃいでる)顔を見る時のゲゲは
すごく幸せそうだよね

それはそうと、ゲゲってさ、時々エロい目でフミちゃん見ない?
例を挙げると、みかんの時とかナズナの時もそう
ああいう目は一度もハルコなんかにはしなかったよ!

639 名前:ゲゲ先生のご趣味1 mailto:sage [2010/07/16(金) 03:51:44 ID:Xm0PDmuN]

「う〜む…」

編集部より送られてきたペラ紙一枚を前に、茂は首を捻っていた。

原稿に向かうのとは少々異なる様子に、布美枝はそっと背中から覗き込んだ。

「…水木先生…徹底解剖……?」
「あー。今時の読者は作品だけでなく、作者にも興味を持つもんなんだのー…」

羅列された質問を、虫食い問題のようにいくつか空欄を残して進める姿は、
苦手なテスト用紙を前に時をやり過ごすゲゲ少年の姿を思わせた。
「こげなもん聞いてどうするんだか」
「ふふっ。あ、でもこの『先生の趣味は?』なんて、簡単じゃないですか」
「あ?」

ふとひとつ思い当ってペン先を押しつけると、
「お墓巡り、ですよね?」
「む……」
「あ…れ? 違いました??」

別の答えを書きかけた手を止めて、茂はきょとんと見開いた布美枝の瞳を見つめた。


640 名前:ゲゲ先生のご趣味2 mailto:sage [2010/07/16(金) 03:53:36 ID:Xm0PDmuN]

俺の趣味は──
確かに墓巡りもいい、戦艦作りも好きだ。
いまやテレビ鑑賞も趣味といえるかもしれないし、何より食うことが好きだ。

けれど一番の趣味・鑑賞といえば……
いつからか、目の前の布美枝が喜ぶ顔を見るのが一番好きになっていた。

墓場鬼太郎の連載を喜ぶヤッターダンス──あれは良かった。
たまに上機嫌で鼻唄を歌うのは知っていたが、まさか奇妙な踊りまで堪能だとは知らなかった。

そもそもこの家へ初めて訪れたタクシー内では──夢見る少女のごとく
きらきらした瞳で東京の街並みを車窓から見上げていたっけ。

空母のごとく長い茂好みの顔が様々な表情を見せるのを、茂はこよなく愛していた。
少しでもその喜ぶ顔がみたくて、布美枝も知れず発奮していることも間々あった。

けれど、あまりやり過ぎてもいけない。これは微妙なさじ加減だ。

ラジオを一六銀行から出してやった時は、期待通りの笑顔がみれて満足だったが、
自転車を買ってやったりなどすれば、喜びを通り越して泣いてしまったりもする。
あれは本当に驚いた。何も泣かんでも……。




641 名前:ゲゲ先生のご趣味3 mailto:sage [2010/07/16(金) 03:54:59 ID:Xm0PDmuN]

それに心配ごとに頭を悩ませている時も、やはりうまくいかない。
ご近所連中……あの時は太一の心配だったろうか?
せっかく喜ぶだろうと鬼太郎の新刊を一緒に見ようと開いてやったというのに、
思うようには喜んでくれず、ついこっちも当てが外れてムッとしてしまった。

この趣味は、本当に奥が深いのだ。

やり過ぎがいけないといえば……
せっかく悦ばそうとして発奮しても、失敗する夜もある。

あんな処やこんな処をまさぐっている間は、嬉々として身を捩るのに、
それならもっと……と執拗に舌を走らせれば、その喘ぎが苦しげに潤んでしまう。
こっちがどれほど辛抱して、湧き出る泉への侵入を耐えているのか知らんのだろう。

ふとやり過ぎて目を上げると、熱を帯びた瞳が潤んでいる。
あれはいかん。あの、猫のような瞳で見つめられるのには本当に弱い。

それでいて、こちらの我慢すらも振り切れてしまい、もっと啼かせてしまうことになってしまう。

事後。ぐったりと横たわる姿をみて、しまった…とは思うのだが、
翌朝になれば鼻唄交じりの上機嫌で台所に立ち、朝飯の一品も多いところをみると、
これはこれで失敗ではないのかも、しれない。



642 名前:ゲゲ先生のご趣味4 mailto:sage [2010/07/16(金) 03:56:32 ID:Xm0PDmuN]

テレビくんの原稿料に目を丸くして、ひと桁ひと桁数える無邪気な表情は、
思わずじっと凝視してしまうほどだったな……などと思い起こしているうちに、
また無意識に微笑んで眺めていたらしい。

「どげしました? あの…違っとってですか……ね」
「ん? あ…ああーそげだな。墓巡りだったわ」
よもや何十万部数もの雑誌に、嫁の笑顔鑑賞が趣味です、などと惚気るわけにもいか
ない。

茂は気恥ずかしさを噛み殺し、口元を歪めながら、
達者な字で『墓場めぐり』と書き入れた。


終わり



643 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/07/16(金) 07:29:24 ID:q2QTIEA5]
投下キテター!ゲゲって幸せ者だよなあ、ホント


>>638
いいじゃないか、自分の女房をエロい目で見たってww

644 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/07/16(金) 15:27:25 ID:etXalcDf]
ふみちゃんかわいいからね。
ゲゲの趣味になって当然w

>>642の最後2行がたまらんですよー!

645 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/07/16(金) 17:33:20 ID:1h8k0s83]
>>642
ありがと〜ぉ♪♪♪
ここでの雑談をふんだんに取り入れてくれてるね!!
こういうゲゲって本当に萌えるわ

646 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/07/16(金) 18:30:48 ID:+jQLI2m/]
>>639
ぐっじょ〜〜〜〜ぶ!!
今日の本編でも、着物返ってきて喜ぶ布美ちゃん見て
にんまりしてるゲゲがいた。
このスレ思い出してこっちもにんまりw

嗚呼、明日が楽しみでならん。

647 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/07/16(金) 22:41:14 ID:TMSvOszr]
>>642
投下GJ〜
もう、趣味:嫁の笑顔鑑賞って書いちゃえよと思った

648 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/07/16(金) 23:16:02 ID:01aH5Aq4]
>>639
GJ!
ゲゲはフミちゃんの笑顔見て喜びすぎだw
いいぞwもっとやれwww

>>634
自分もそこ可愛くて可笑しくて声に出してワロタw

今日はゲゲが豊川さんに一反木綿を紹介するシーンでこのスレを思い出した
あの時のゲゲ、惚気すぎじゃねーか?とw

649 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/07/17(土) 00:25:52 ID:WfGb6AnU]
ゲゲって案外、惚気るよね
自慢の模型も、深沢さん&戌井さん、豊川さんに
フミちゃんと作ったって、言ってるし

そういや、戌井さんにはよく惚気ているような・・・
「いつもはおかずはメザシ一匹ぃ〜」とか
フミちゃんのしぶい大蔵大臣ぶりを指して「うちも〜」とか
(戌井さんが出産祝いに来てくれた時かな)

650 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/07/17(土) 06:33:22 ID:znEv+M3S]
>>639
GJ!!!!!

さーて

フミちゃんの着物が一六銀行からかえってきました。
満足そうなゲゲとちょっとうるっときたフミちゃんの視線からみあってましたよね?

その夜はどんな着物プレイ?
wkwk



651 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/07/17(土) 08:43:02 ID:c3VJ2BNg]
本日の視聴終了。
開始1分から涙腺崩壊・゚・(つД`)・゚・

ネクタイエピとお見送りの際のフミちゃんの「ええ男」発言に
萌え転がされました…


652 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/07/17(土) 09:59:27 ID:Kh9JBRLk]
>>650
大事な着物汚しちゃらめえええええ。

つーことで汚さない方向でプレイよろしくです。

653 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/07/17(土) 11:20:00 ID:MGog9WiT]
あの着物は受勲の時に着るんだよ

654 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/07/17(土) 15:42:28 ID:LtoeRliS]
一昨日〜今日は涙と萌えによる感謝カンゲキ雨嵐だったw

>>651
ハゲド
そこ特に萌えたww>ネクタイとええ男発言

来週はフミちゃん二人目妊娠クルー?!

655 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/07/17(土) 22:16:52 ID:1AOkj0G0]
忙しくてもやることやってんだな

656 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/07/18(日) 00:20:59 ID:WrtULtuu]
予告であんなごちゃごちゃ家の中に人いたのによくやることやれたな
というのが率直な感想

657 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/07/18(日) 01:09:48 ID:LIx5EP08]
普段一緒に寝てるのかな?そういう描写がないよね

658 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/07/18(日) 01:54:02 ID:ZKjMJ536]
藍子ちゃんが産まれる前だけど、二回ほど
2階の元中森さん部屋に、布団並べて敷いてあるシーンあったよ〜

659 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/07/18(日) 02:28:27 ID:UcPft0dk]
実話だとテレビくん受賞の時はすでに妊娠がわかってたから、少し歴史がずれてんだね。
ええ男だなあ発言の後の、「おうっ、フフッ…。」の茂の照れ方が可愛かったな。原稿を早く終わらせて頑張れw

660 名前:受賞記念1 mailto:sage [2010/07/18(日) 13:40:06 ID:ijin+jwv]
甘く、優しい唇の愛撫の一方で
茂の分身は布美枝を強く、激しく攻めたてる。
剣を収める鞘の中は、出し入れに伴って強く痙攣し、
攻める茂はもちろん、必死に理性にしがみつく布美枝をも狂わせようとする。
茂の腰の動きに合わせるように、布美枝の喘ぐ声。
しかし、隣に眠る愛娘に気を遣うように、布団を頭からかぶって、限界まで音量を抑えてある。
やがて布美枝は快感の渦の中に飲み込まれて、だらりと力尽きた。
それを見届けると、茂も布美枝の中へ精を吐き出して果てた。

ふう、と布団から頭を出すと、二人の視線がぶつかった。
離れがたい思いで二人は、繋がったまま口づけを繰り返す。
その甘い時間のくすぐったさに、布美枝はにやけてしまう。
「ん?」
「うふふ」
「変なヤツ」
「あなたほどではないです」
言われて茂はむくれるでもなく肩をすくめると、やっと布美枝から離れた。

いったん眠ると朝まで起きない藍子だが、その様子を一応確認して、
布美枝は母の笑顔でほっと息を吐いた。
すると後ろから茂が布美枝の腕をひっぱって、布団へ招く。
そうなると、今度は妻の顔ではにかんでみせて、それに応じた。
二人は、お互いの顔を撫でたり、
ときに唇で遊んだり、ぽつりぽつりと話をしたりしていた。

今日はさすがの茂もすぐには寝付けないようだった。
茂の渾身の作、「テレビくん」が雄玄社の漫画賞を受賞したと
昼間、豊川から電話があったのだ。
受賞は当然のことと踏ん反り返ってみた茂だったが、
布美枝の反応が、茂以上にその受賞を「必然」と言い切ったものだから、
改めてこの女房に対して、並々ならぬ感情を抱いたのだ。

一方の布美枝も、今回の受賞については心底、夫の偉大さに敬服するばかりだった。
知り合ったばかりの、全く将来の見えない隻腕の漫画家と、
結婚すると決めた5日後にはもうこの家に居た。
とまどいの中で、しかしひたむきに机に向かう茂の姿に、
布美枝はいつしか覚悟を決めていた。付いていこう。きっと、ずっと…。

移り変わる季節と、次々とめまぐるしく起こる出来事の中で、
二人の絆は強くなり、互いの存在をかけがえのないものとしていた。



661 名前:受賞記念2 mailto:sage [2010/07/18(日) 13:40:46 ID:ijin+jwv]
茂の目にかかりそうな前髪を、そっと避けてやると
10歳もの年の差を感じさせない、あどけない瞳が布美枝を見返してきた。
愛しいと、言葉にするのは恥ずかしすぎたが、
その想いは大きく膨らんでいくばかりで、
布美枝はぎゅっと茂の胸に顔をうずめて、それを悟られないようにした。
そんな布美枝をどう思ったのか、茂は額にキスをひとつ落とすと、
布美枝の頭の下にくぐらせた右腕に力を込めて、強く抱きしめてくれた。

漫画家の魂を魅せつけてくれた背中。
優しく頭を撫でてくれた手。
大きな広い胸。
ぼさぼさの髪の一本一本でさえも。

―――全てが愛しい。

ふと顔を上げると、茂は寝息をたてていた。
ふふっと笑ってから、布美枝も小さくあくびをすると、
茂の胸の中で、その匂いを感じながら眠りにつこうとした。

「…ぉぃ」
「え?」

ぱっと顔を上げる。

「…ぁい………しとるぞ…」

―――え?

茂は確かに眠っている。寝言?
けど、何と言った?
まさかまさかまさかまさかまさかまさか。

愛してる?

布美枝の顔が、かーっと赤くなるのがわかった。
寝言とは言え、そんなことを言われるなんて!
もう一回、もう一回、もう一回だけ!!

「な…なん…ですか?」
おそるおそる、耳元でそっと囁いてみる。
茂は目を閉じたまま、口元だけをむにゃむにゃとさせて
「……あい…こ…原稿に、落書き…しとる」

しゅーーーっと、一反木綿の布美枝は、折りたたまれるようにしぼんでいった。
「さすが、俺の娘…」
そう言って茂はにやりと笑って、またしんとなった。

布美枝は、はーーっと大きなため息をつくと、
ちょっと頬をふくらませて、茂の鼻をつまんだ。
「ふがっ」
それでも眠るこの偉大な漫画家を、やっぱり愛しいと思った。
軽く、キスをした。茂が微笑んだ気がした。
布美枝も、ふっと微笑った。


おわり


662 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/07/18(日) 22:23:04 ID:Pi8kM0vo]
>>660
GJ!!
ゲゲにメロメロで、寝言にまで振り回されるフミちゃん可愛すぎw

663 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/07/19(月) 00:17:32 ID:NOClLowR]
>>660
投下GJ!
言うのかと思って期待したけどやっぱ言わないんだなw

664 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/07/19(月) 03:40:46 ID:PoDI4jvC]
>>660
だんだん〜!
幸せイチャコラ夫婦大好きだー泣きそうになった…
お互い思いあってるのがビビビンって伝わってきたよ

寝言オチもワロタw
ゲゲ絶対言いそうにないわな〜夢の中なら言うかな?w

また是非投下してごしない!

665 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/07/19(月) 10:20:46 ID:WgB/uXai]
なぜか知らんが、新OP映像萌えたw
あと今日はイチャイチャ漫画描きもw

666 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/07/19(月) 17:25:06 ID:4+OqTUj+]
>>665
同意!
動きとか画的には同じことやってるんだけど、
二人の間に、なんつーか年輪というか
歴史みたいのを感じるんだよね。

667 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/07/19(月) 17:39:58 ID:GpCQy70D]
>>660
寝言の勘違い可愛いですなぁ〜。いちゃいちゃ具合がナイス!

668 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/07/20(火) 13:15:23 ID:i3YYW+5S]
今日のゲゲ、この 展 開 は … !!!

フミたん4Pか?
もしくはゲゲるさんの嫉妬フラグが立った

669 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/07/20(火) 14:01:45 ID:bqMjNeWE]
>>668
フミちゃん可愛いからなぁ
誰かフミちゃんの魅力に気づかないとおかしいよね

テレビジョンの「読者が選ぶドラマカップルランキング」って特集に
ゲゲフミがランクインしとるw

670 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/07/20(火) 22:36:49 ID:J9G7AjaM]
レモンを持ってにっこり笑ってるゲゲフミも見てみたい



671 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/07/21(水) 13:22:21 ID:33nMt0DJ]
あんなに忙しくていつやったんだろう…

672 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/07/21(水) 14:21:09 ID:h4GQOEp+]
相手がゲゲとは限らない

673 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/07/21(水) 18:35:49 ID:/nu2EIIi]
フミちゃん不倫とか正直想像すらつかんわ
仲良しイチャコラ夫婦って言葉もピッタリだしなぁ

674 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/07/21(水) 20:51:55 ID:QfdnB0kL]
>>673
フミちゃんが不倫するんではなく、相手が惚れる展開
なら思いつく

フミちゃんはゲゲ一筋がデフォ

675 名前:ヒゲのひと1 mailto:sage [2010/07/21(水) 21:32:13 ID:qz/Mq2L+]

「ほんと…別人みたいでしたねぇ…」
川の字で寝床につき、寝ついた藍子にうちわ風をあてながら、
布美枝が呟いた。

「ン? ああー…あのアシスタントか」
「はい」
「仙人のような顔つきがいいだろう。腕も確かだ」
自らスカウトして見つけてきたことを誇らしげに鼻息を荒げるが、
布美枝はまだぼんやりとした顔つきで首を傾げている。

「仙人…というか……」
「何だ? ごぼうか? タロイモか?」
「うふふ。髪を整えたら随分男前が上がっちょってでしたよね」

まるでテレビの人みたい…と呟いた布美枝に、無論他意はなかった。
が。
(何を上の空な顔つきをしとるんだ…うちのは)

無意識にちょちょいと前髪を分けてみる。
授賞式のごとくじっと見つめたまま首を傾げた布美枝は、
それに気付いてそっと手を伸ばした。

「お父ちゃん」
「お…おぉ」
やっと、目の前の”いい男”に気付いたかと、胸を反らした…が。
伸ばされた布美枝の手はそっと茂の額から前髪を払い、
寝ついた藍子の代わりに今度は茂にうちら風を送った。

「今夜も暑いですねぇ…。髪が汗で張り付いちょってですよ?」

676 名前:ヒゲのひと2 mailto:sage [2010/07/21(水) 21:34:00 ID:qz/Mq2L+]
「……む」

扇ぎ寄せられた風に顔をしかめて、ひとつ大きな息をついた。
「……何じゃ…。こういう髪型が好きだというわけではないのか…」
「はい?」
「何でもない!」
ぷいっと背を向けてしまった茂を見て、布美枝はまた首を傾げた。

「お父ちゃん?」
「もううちわはええっ。お前ぁもさっさと寝いっ」
「はあ…。何…へそを曲げちょってだろーか…」
明かりを落としてちらりみれば、眼鏡を外すのも忘れてムスッと口を噤んでいる。

(いくら急務だったとはいえ…。若い男連中を家に入れるのは早まっただろうか…)
ぎゅっと目を閉じたまま、ブルブルッと首を横に振る。
(いや、そげん余計な心配はいらん。まさかうちのに限って…間男をつくるなどと…)

ますます顔をしかめていると、頭の上からくすくすっと布美枝の笑い声が聞こえた。
「……ン?」

「ふふっ…お父ちゃん、なしてそげん百面相しとるの? 可笑しくて…寝られんよ」
「ああ? だらっ、そいなら見んがええだろーが…。どーせテレビの人のような男前な
 面でもないけん…」

「へ?」
枕の横でおひざしていた布美枝は、茂の眼鏡を取ってそっと顔を寄せた。


677 名前:ヒゲのひと3 mailto:sage [2010/07/21(水) 21:35:26 ID:qz/Mq2L+]
「……お父ちゃんはどこへもいかんでね」
「ああ?」
「テレビくんみたぁに…。テレビの中だの別の世界だの…いかんで、ね?」

「何を…言うとるのだ。お前が……」
ぐっと唇を噛み締めて見上げる瞳は、薄明かりの中でも潤んで光を集めている。
胆の据わったことを言うと思えば、すぐそんな繊細さも見せるから、
茂は吸い寄せられるように身を起して、布美枝を胸元に引き寄せてしまう。

「……藍子じゃあるまいし。何を子供みたぁなこと言うとるんだ」
「……ほんとですねえ……」
「俺はこの家を気に入っとるんだぞ? 裏に墓場もあるし…静かだし……。
 ここにはいい風が吹いとるんだ」
茂だけには見える不思議な風が、このあばら屋には吹いている。

「すんません……。私も…子供みたぁなこと…言いません、から。だから……」
胸元から顔を上げた布美枝は、ぺろりと舌を見せた。

「お父ちゃんも、子供みたぁに、ヤキモチ妬かんでください、ね?」
「あ?」

抱き寄せたままの布美枝の肩は、まだ震えている。
それは、泣き声を押し殺していたのではなく、込み上げる笑いを押し殺していたのだ。


678 名前:ヒゲのひと4 mailto:sage [2010/07/21(水) 21:37:16 ID:qz/Mq2L+]
(やられた……)

梳いた髪は日中の縛りで流れるようにうねっていて、豊かな黒髪が揺れる。

「だらっ。だ、誰がヤキモチなぞ…」
「そーですよね? 妬いてなんかしませんよね?」
「当たり前だっ!」
「はい、はい。だから、そげんヘソ曲げる必要だって、なぁですものね?」

「お…おぉ」
またもしてやられた…と口ごもる茂に、布美枝は駄目押しにひとつ頬に口づけて、
「おやすみなさい、あなた♪」と、優しく囁いた。


終わり


679 名前:名無しさん@ピンキー [2010/07/21(水) 23:52:17 ID:D7ppD9Ys]
>>675
だんだんだん!
なんと心地よい風の吹く物語なのでしょう。
ふみちゃん、お願いしているようで、実はしげ〜さんの
心を操っていますねvさりげなく対等の言葉を使っているのが
萌える!

>>674
小峰さん希望。
ムッツリしていながら心の中で「奥さん・・・」
と思ってそう




680 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/07/22(木) 00:39:04 ID:m3jra/D9]
>>675
GJ!!めっちゃ可愛いゲゲ!
布美ちゃんの手の中で転がされとりますなw

あの3人の中だと、対抗馬は小峰しかいないと思ってた。
けど、一番布美ちゃんに興味津々なのは、かんぴょうだとオモ。

2人目妊娠キターーー!明日も楽しみ。



681 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/07/22(木) 01:01:15 ID:HfbWZeny]
>>675
やきもちゲゲが可愛いですな〜!実は手玉に取ってる感じのフミちゃんがいい!
そういや小峰のモデルになった漫画家さんを、布枝さんもかっこいいって実際書いていたねw

682 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/07/22(木) 01:57:52 ID:6jOwohQW]
>>675
だんだだーん!!!
小峯の使い方、上手いっ!
嫉妬ゲゲは皆の大好物ですけんwww
そして布美ちゃんの可愛いこと…堪らんなあ〜
第ニ子と言わず三人・四人と出来ちゃいそうなゲゲフミ
…ええですねぇw

683 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/07/22(木) 02:00:45 ID:6jOwohQW]
今週の放送見ていたら悶々としてきた

倉田→布美ちゃんは
憧れのお姉さん…的な思慕を感じたな
犬っころみたいな倉田が布美ちゃんに懐いたらいいな!

菅井→布美ちゃんは
要領は悪いが何にでも一所懸命な菅井が
昔の引込思案な自分と重なる…なんてどげでしょう?
かんぴょうと一反木綿w

小峰→布美ちゃんは絵になる!www
ゲゲが実力を認めてる+元貸本漫画家っていうのも
ゲゲと対して良い構図になりそう…
>>675みたいなのもっと読みたいな〜

でも結局はゲゲフミに戻ってくる、と…こっぽし

684 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/07/22(木) 03:35:48 ID:a9yF9Hy/]
>>675
だんだん!
小悪魔フミちゃんと嫉妬ゲゲも大好きだw

685 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/07/22(木) 04:54:28 ID:VAYa+u1g]
二人目妊娠おめ!
気持ち悪いと言ったふみちゃんを心配するゲゲの不安そうな顔たまらなかったよ。何事も動じない人が焦ってるのはいい。
台詞ではなく、ゲゲのふみちゃんへの色んな感情が一瞬の表情で表現されて毎回画面が見逃せない。


686 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/07/22(木) 16:53:00 ID:nz3+vebx]
今日のゲゲフミと浦木のシーンって
このスレ向けっぽい気がした
こzそり拍手と看板のシーンがw

687 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/07/22(木) 17:12:11 ID:0sN6ZMWy]
そういえば最近フミちゃんは精の付くもの食べさせなきゃって必死になってたもんな

688 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/07/22(木) 19:35:45 ID:CnH7G3p8]
>>675
だ、だ、だんだーん!!!!!!!
ゲゲのツンデレパねぇww
も、もしや自分の大好物「ひとりでできるもん」の書き手さんでは?
「はい、はい」の区切る感じがすっごい好きです可愛い禿げ萌える!

小峰とかとフミたんをどんどん絡ませてゲゲを悶えさせて頂きたい!
GJ!!


689 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/07/22(木) 23:27:32 ID:DyAf/dLT]
>>687
なるほどそういう伏線だったのか
すごいなギョーザの力

690 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/07/23(金) 00:33:14 ID:zGXKIKxd]
つーことは今日
妊娠報告したフミちゃんが帰った後のスピーカー三人衆の反応や如何に?w


>>674
アシさんがフミちゃんに惚れるネタ色々出てるけど
そういえば太一はフミちゃんに対してそれっぽい想いはなかったのかな



691 名前:授賞式の夜 mailto:sage [2010/07/23(金) 07:47:21 ID:NYV1y1ZD]
漫画賞の授賞式夜、二人で見た星空。流れ星に願いを唱える事が出来なかったが、この星空を忘れる事は無いだろう。
慣れない場所や人混みで、身体は疲れているのに、興奮して中々寝れそうにない。
「おとうちゃん、肩揉みましょうか?」
風呂あがりの布美枝は、真っ白な肌が、ほんのりピンクに染まり、甘い匂いがする。甘いのは石鹸の香りか?茂は、ドキッとする。
布美枝は、そっと茂の肩に手を置き、優しく茂を揉みほぐす・・・・。
「今まで、苦労かけたな・・・・」
「えっ?どげしたとですか?」
「これからは、食うに困らんはずた。」
「・・・・・」
背中越しに泣いてる布美枝。
「どげした?そんな辛かったのかっ!」
「違うんです。おとうちゃんが一生懸命頑張ってた姿を見てきたから・・・嬉しいんです」
茂は、ゆっくり後ろを振り向き、布美枝の頬に手を触れ、流れ落ちる涙を拭き、そっと、額に口づけをした。
布美枝をそっと抱きしめ・・・・
今度は、唇に口づけをした。
甘い香りにクラッとする。首筋に華奢な鎖骨に口づけを落とす。
器用に、浴衣をほどき、小ぶりだが、形の良い乳房を揉みしだく。中央の赤い果実を親指でそっと触れると、何とも悩ましげな表情で「あっ」と、小さく声をあげる。今度はその果実を口に含み、舌で転がす。
布美枝をそっと倒し、太股の間をまさぐる。溢れ出た密は、すでに茂を受け入れる準備をしている。本当は、全身をもっと愛撫したいが、甘い香りのせいか、我慢の限界だ。そそり立つ茂の分身を布美枝にあてがう。
静まりかえった部屋に、パンパンと打ち付ける音、お互いの息遣いが響く。
愛おしくてたまらない。その表情も声も・・・・。「うっ」限界がきた。しばらくは、お互い結合したまま抱き合った。
「これからも・・・・よろしくな」


すみません。何か書いて見たくなりました
スルーしてくれ〜

692 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/07/23(金) 10:38:23 ID:Ml2AAXhi]
>>691
スルーしてくれなんて、言わんでください。
あなたの気持ちは、ようわかりますけん。・・・なんつって。

あの流れ星のシーンはよかったね。茂はどんなに偉くなっても
基本は変わらないと思う。フミちゃんのごちそうも食べてくれたし。
戌井さんと握手したときも、万感こもってた感じだったんだから、
二人とも茂を信じてあげてほしいと思う。
と言いつつ、昨日からちょっと悲しい話を考えててブルーになってたから、
>>691を読んでちょっと明るくなったよ。
その日があったか!ってw。でも第二子の仕込にはちょっと早いネ。

693 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/07/23(金) 13:39:46 ID:ANZIpFIi]
今日の浴衣にもくらっと来た


694 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/07/23(金) 15:36:40 ID:r28ZJbBo]
昨日の展開で、ちょっと寂しくなってしまったので、新婚時代の話をひとつ。
ドラマに黒いバナナは出てきたけど、カステラの切れはしは出てこなかったので、
特別出演wしてもらいました。

これから、もっと寂しくなる展開になりそうだけど、そういう時はまたこの
スレで読んだり書いたりして萌え補填していきたいです。

695 名前:記念日1 mailto:sage [2010/07/23(金) 15:37:45 ID:r28ZJbBo]
 茂がその花に気づいたのは、2月のとある昼下がりだった。
仕事のスケジュール用に使っている、商店街でもらったカレンダー。
1月31日は、この間ロールキャベツで祝った結婚記念日。黒で丸がしてある。
だが、今日の日付には、赤で花丸がしてあるのだ。
(結婚記念日より大事な日なんてあったかな?)
いぶかしく思いながら仕事机に目をやると、牛乳瓶にナズナがさしてある。
(そういえば、去年もこれが飾ってあったな。結婚してすぐのころだ。
 フミエに自転車を買ってやって、深大寺までサイクリングに行ったら、
 そこにも咲いておったっけ。あいつ、子供のようによろこんどったな。
 婚礼からしばらくは、締め切りに追われて相手してやれんかったから、
 あれから仲良うなったな。・・・待てよ、そういえば、あの日の夜・・・。)
「ふーむ、そういうことなら、期待に応えんといけんな。」

 フミエはその日、忙しかった。そうじをしてナズナを飾り、自転車を
ピカピカにみがいた。昼食がすむと、商店街に買い物に行った。
今日はフミエにとって結婚記念日より大事な日だった。
1年前、2回しか会ったことのない茂と結婚式を挙げ、調布のこの家に
来たものの、勝手もわからず、茂は仕事仕事でろくに話もしてくれず、
寂しい思いをしていた。そんなある日、茂が自転車を買ってきてくれて、
深大寺に連れて行ってくれたのだ。早春の日差しの中、水の音を聞きながら、
茂と初めていろいろな話をした。二人の距離がぐっとちぢまった。
そして、その夜・・・。
「今日はお仕事で忙しいけん、私の心の中でだけお祝いしよう。」
茂は覚えていないかもしれなかった。わざわざ説明するのも恥ずかしい。
あの日の思い出は、フミエの宝物だった。

696 名前:記念日2 mailto:sage [2010/07/23(金) 15:38:14 ID:r28ZJbBo]
 その日の夕食は、1年前と同じ、野菜たっぷりの鍋だった。あの日とちがって
今日は、二人っきりの差し向かい。締め切りも近いというのに、なぜか
茂はゆっくり味わうように食べている。しっとりとした時間が流れた。
デザートは、コーヒーと、茂に教えてもらったカステラの切れはしだ。
「おっ。コーヒーにカステラか。サービスがええのお。」
コーヒーの湯気の向こう側に見える茂の目が、やさしく微笑んだ。

 茂は仕事に戻り、フミエは布団を敷いて寝支度をしていた。
フスマが開いて、茂が入ってきた。抱きすくめられ、口づけされる。
そのまま抱き倒されて、フミエはもがいた。
「あ、あなた、お仕事は?」
「後ですればええ。それより、今日はこういう日なんだろ?」
「こ、こういう日って・・・?」
「あー、だからっ、お前と初めてこうなった日だ!」
(覚えてくれとったんだ・・・。)
茂と深く唇をむすび合わせながら、フミエはうれしい気持ちで胸が
いっぱいになった。
深い口づけとやさしい愛撫にとろけていると、茂がゆっくりと押し入ってきた。
いつもは意地悪に焦らしたり、激しく責めてフミエを啼かせたりする
茂なのに、今日は初めての時のようにやさしかった。
「初めの頃は、こげな風におっかなびっくり抱いとったなあ。お前が
 あんまりおぼこなもんだけん。それが今では堂々としたもんだ。
 大きな声は出すし、自分から腰をf・・・むぐぐっ。」
フミエが両手で茂の口をふさいだ。その手のひらを茂がぺロッとなめる。
「ひゃっ。」
フミエが思わず手をひっこめた。ふたりは顔を見合わせて笑った。
フミエは心から満たされ、大きな波に身をまかせていった。

 その後、茂は仕事に戻った。茂の胸で眠りたかったが、締め切り間近
となればしかたもない。
茂のにおいがする布団に顔を寄せる。茂にいとおしまれた身体のあちこちの
部分に触れてみる。今しがたの記憶がよみがえり、胸がどきどきした。
「今日もええ日だったな・・・。」
フミエの心の中の宝物が、またひとつ増えた。

697 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/07/23(金) 16:12:04 ID:erJkil0H]
おおぉ投下されちょる〜だんだん!
ちゃんと記念日を思い出したゲゲぐっじょぶ。

たしかに忙しくなってちょっこしさびしくなるかもしれんけど、
ゲゲは出前のよりふみちゃんの太ったぎょうざのほうが好きなんだから大丈夫。

>>692さんの言う通り、基本は変わらんと信じてますけん!

698 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/07/23(金) 19:04:34 ID:wS0XFIbx]

>>691
だんだん!!
そういう、妄想を文にする積み重ねが大事だと思うんだ!!
個人的にちょっこし二人の会話多めにしてもらえると嬉しいです!!

>>694
記念日=ごちそう=性欲=フミたん
という図式がすぐ浮かぶゲゲ最高ですww
いつもは意地悪に焦らしたり、激しく責めて〜
ってくだりに床ローリングで萌えました!!


699 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/07/23(金) 23:42:23 ID:YsfOnYzy]
新作続々キテル━━━ヾ(◎)ノ━━━!!

職人様だんだん!だんだん!!
イチャイチャぶりに激しく萌えましたけんww

今日は思わぬ所で萌え展開になってニヤニヤが止まらなかったw

>>490
太一君は失恋をだいぶ引きずっていたようだから
自分はそこまで考えがいかなかったな。

700 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/07/23(金) 23:47:34 ID:I+wbEL5r]
>>691
だんだん!
肩揉みスキンシップええですな!…その手があったかw
また是非投下してごしない!

>>695
此方もだんだん!
記念日にいそいそするフミちゃん可愛い〜
いつまでも二人仲良くして頂きたいな…
ゲゲゲの何が好きって、この二人が好きなんですけん!
またイチャコラな作品待っちょります!



701 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/07/24(土) 12:25:45 ID:I3hInvCL]
なんという良スレ
ドラマにはまってる人はもれなくここで
空白部分を埋めるといいとまじめに考えちゃったぜ

つかスレ最初から10回も読み直したの初めてかも

702 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage688ご明答 [2010/07/24(土) 20:20:26 ID:8pZ2ZsgI]
「でしょ?」
萌え〜

以前の「お母ちゃん此処におるよ?」も悶えたが
こういう松下口調は堪らん!

703 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/07/24(土) 21:52:40 ID:CpM8EzPl]
>>702
録画見返した。
あれは萌えるな。
その前の「うちの人はスゴイ人なんだよ」も萌えたw

そしてノースリーブの夏服姿がまた良い!

704 名前:喜びの日 1 mailto:sage [2010/07/25(日) 00:10:49 ID:Qa0MUOMt]
 「まさか…赤ん坊か?」
口元を押さえながら、布美枝はこくりとうなずいた。心なしかその顔色が青い。
「あ…でも、とりあえず明日病院行ってみんことには、何とも…」
「今日行け」
「え?」
「こげな事は早いこと調べた方がええんだ。今日行け。今すぐ行け」
強い口調に圧され、半ば追い出されるように布美枝は家を出た。

布美枝を送り出し、玄関先でにわかに落ち着かなくなった茂の背中から
浦木が声をかける。
「いや〜おめでとうゲゲ。俺も親友として祝福するぞっ」
そういって茂の肩に腕を回した。そのニヤニヤ笑いに、茂は思わず仏頂面で返した。
「…まだ出来とると決まってはおらん。喜ぶのは早い」
「女がああ言うのは大抵、確信しとる時だ。それに…」
演出めかして言葉を切り、顔をずいと寄せた。
「身に覚えが無い訳ではないんだろ?んん?」
「ダラ言うなっ、身に覚えがないのに赤ん坊が出来てたまるか!」
ぶんっと体を振って浦木の腕をほどいた。
「夫婦円満で、結構なことじゃないの〜」

カラカラと笑う浦木を、もうお前帰れ、といつものとおり首根っこを掴み
家から叩きだした。

「赤ん坊か…」仕事に戻ってみても、早く布美枝が帰ってこないかとばかり
考えていた。ぬか喜びでは困る、あまり期待しすぎないようにと心がけても
はやる気持ちは抑えられなかった。

705 名前:喜びの日 2 mailto:sage [2010/07/25(日) 00:12:46 ID:Qa0MUOMt]
  一方、診察を終え帰路につく布美枝は、どことなくふわふわした気持ちで
歩いていた。
お腹の中に赤ちゃんがいる。二人目の子供が生まれるのだ。
布美枝はそっと腹部に手をやった。最近おめでたい事続きだったが、
自分にとって一番身近に感じられて嬉しいのはこのニュースに思えた。
経済的な事情が許せば、藍子にもきょうだいの賑やかさを与えて
やりたいとも密かに思っていたのだ。

「お父ちゃん、喜んでくれるかなあ…」布美枝はつぶやいた。

『子供は、大変だぞ…』
藍子を身籠った時の茂の言葉を思い出した。
今思えば、急に妊娠を告げられてあの人も不安だったのだろう。だが。

あの時よりはだいぶ暮らし向きも良くなったけど、また漫画の仕事が
いつ途絶えるとも限らない。子供が二人となると、確実にお金がかかる。
「喜んでくれるとええけど…」嬉しさの中に、ほんのひとさじの
不安を落とした。
 「ただいまー」布美枝がドアを開けると、なんと玄関の前で茂が
待ち構えていた。「遅かったな」
「病院混んでて…。お父ちゃん、もしかしてずっとここで待っとったの?」
「ずっとではなーぞ。お前が遅いけん…、それより、どうだった」
やや緊張しながら布美枝は報告した。
「やっぱり、出来とりました」
一瞬、間があいた気がした。



706 名前:喜びの日 3 mailto:sage [2010/07/25(日) 00:14:27 ID:Qa0MUOMt]
「予定日は?」
「来年の1月です」
「今何ヶ月目だ」
「もう二ヶ月目に入ったと…」
「男か女かわからんのか」
「無茶言わんでくださいっ」矢継ぎ早に飛んでくる質問を受けながら、
布美枝は妙な気分を味わっていた。

(あれ、なんか…)茂はそうか、そうか、と確認するようにうなずき、
せわしなく足踏みしている。
(この人…もしかして、はしゃいどるんだらか)
表情からは判りづらいが、実家に連絡しなければとか、栄養がどうとか喋っている夫は
興奮していると形容できる様子だった。

思わず観察するような目つきになった布美枝に気付いたのか、
茂は取り繕うように一つ咳払いをした。そして、布美枝の目を見て、
「大事にせえよ」と言った。

喜んでくれている…。体の内から幸福感が湧き上がった。
何を不安になっていたのだろう。新しい家族が増える事を、この人は喜んでくれている。
「だんだん…」
布美枝は微笑んだ。茂も照れくさそうに笑い、
妻の、まだ目立たない腹部に手の平をあてた。その大きな手から
体温が伝わる。布美枝も、その上から両手を重ねた。
「……」夫婦は見つめ合った。

707 名前:喜びの日 4 mailto:sage [2010/07/25(日) 00:17:21 ID:Qa0MUOMt]
「おかあちゃーん」そこに、藍子が居間から駆け寄ってきた。
慌てて二人は手を離す。

「藍子、来年にはお前もお姉ちゃんだぞ」
「おねえちゃん?」
「ああ。お母ちゃんのお腹に赤ちゃんが出来たんだ。お母ちゃんが
大変そうな時は手伝ってやらんといけんぞ」
「わーい、あかちゃん!あかちゃん!」
まだよく呑み込めていないなりに嬉しそうな娘を、茂が頭を撫でてやった。

(皆、あんたの事、楽しみに待っとるよ)
布美枝がお腹に呼びかけた。

幸せそうな村井家を、居間の一反木綿が、これまた幸せそうに見つめていた。

(終)

708 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/07/25(日) 00:37:02 ID:+XOUXKYt]
>>704
うわ〜GJ!!
ってか、かなり自分も同じようなことを脳内で思ってて
ぴったり文章にしてもらったって感じですごい嬉しい!
ありがとう!そして布美ちゃんの「だんだん」久々に聞いた気がする。

はしゃぐゲゲ萌え…w

709 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/07/25(日) 02:36:03 ID:WxpNzT7l]
>>707
すごい!!
ドラマの一場面を観ているようでつ
「身に覚え」のシーンも、いつか読みたいですなあ♪♪♪

710 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/07/25(日) 11:41:41 ID:HPHwa2aU]
>>704
だんだ〜ん!
ドラマであっさりスルーされたシーンが読めて嬉しい!



711 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/07/25(日) 12:11:45 ID:6dau+GR1]
>>704-707
まるでドラマの続きを見ているように場面が目に浮かびます!
職人さんは凄いなぁ〜

これから夫婦仲がぎくしゃくする時代を迎えるらしいので、
このスレで懐古することが多くなりそうです

職人さんたちこれからもよろしくたのんます〜


712 名前:寂しい日々 mailto:sage [2010/07/25(日) 16:45:31 ID:48t5lYk8]
授賞式以来、仕事は沢山舞い込み、家も増改築。さらに第二子の妊娠。人は皆、口を揃えて「良かった」と。確かに、生活はだんだん安定してきたが、今までに味わった事が無かった寂しさを感じはじめていた
「最近、おとうちゃんと話したの・・・いつだったけ」
何とも言えない寂しさに涙ぐむ布美枝。
「おとうちゃんは一生懸命頑張っとる、私も頑張らんと!」
必死で気合い入れるも・・・
「やっぱし、寂しい・・・・。おとうちゃん。」涙がポロポロ溢れ出てくる。
「おい、コーヒー頼む」茂が台所に行くと、泣いている布美枝を目にする。
「どけした?腹でも痛いか?」慌てて、布美枝の元に駆け寄る。
「何でもないですよ、あっ、コーヒーですね。」布美枝が慌てて、やかんに火をかける。
「どけした・・・。何でもないはずないやろ」と茂は少し声を荒げる。
「漫画で手いっぱいなんだ、心配かけてんでくれ」
「ひ、ひどい。私は、私はただ」
「ただ?」怪訝そうな顔をする茂。
「おとうちゃんと話がしたい」涙が溢れ出し止まらない。
「話ならしちょるだろ」
「違う!もっと・・・」「意味が分からん!」怒り出す茂
「私は、寂しい。寂しよ、おとうちゃん」
「家族の為に、頑張っとるだけだ」
「こんなんなら、貧乏で良かった、おとうちゃんがどんどん離れていく」
「えっ?」
「仕事の手伝いも食事も・・・なんも関われん」
「腹に子供がおるけん」
「私は、頑張ってるおとうちゃんの力になりたい・・・」
ポリポリ頭をかく茂。
「力になっとる」
「えっ?」
「おかあちゃんが、居るだけで、仕事が安心して出来る」
「で、でも」
「あんたが居るだけで十分だけん」
「おとうちゃん・・・」「今日は、よー肥えた餃子が食いたい」
「はい。皆さんの分も作らないといけんですね。忙しくなりますね」
「いや、今日はわしの分だけでええ」
「?」
「今日は久しぶりにゆっくり過ごそうか」
「おとうちゃんだんだん」


このあと、誰か続き頼みます

713 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/07/25(日) 18:38:44 ID:zab3GK2S]
なんかこのフミちゃん違うし


714 名前:すみません mailto:sage [2010/07/25(日) 18:46:04 ID:48t5lYk8]
削除して下さい。お願いします。マタニティブルーの布美枝ちゃんを想像したのですが、削除仕方分かりません。削除お願いします

715 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/07/25(日) 20:36:33 ID:RL5Wc33Z]
>「力になっとる」
>「えっ?」
>「おかあちゃんが、居るだけで、仕事が安心して出来る」

ここのところで胸を打ち抜かれたごとく感動。
削除だとか言わんでごしない。
フミエちゃんの本心を汲んだ想像と、お見受けしました。

716 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/07/26(月) 13:04:54 ID:X0VdIrty]
今更なんだが


>>693
ゲゲが狭い暑い人が多いつってキレ改築したのって

フミたんがみんなに遠慮してセックルできんくて欲求不満

が理由なんではと思ったあの浴衣姿見たらww



717 名前:ヒゲの人(いずみの場合)1 mailto:sage [2010/07/26(月) 16:03:33 ID:UBV2ruGd]

「お茶ですよ〜」
盆に冷えた麦茶と茶菓子を用意して仕事部屋に入ったのはいずみ。

途端、扇風機の風よりもずっと爽やかな風が吹き抜けたように思えて、
倉田はふとペンを止めたが、それを悟られぬよう咳払いひとつしてまた原稿に向かう。

「あ…れ? そっか…菅ちゃんは藍子と散歩か……」
先ほど玄関を出て行ったことを忘れるほど、東京の夏は暑い。

「でも……小峯さんも、いない」
編集者から逃げて出て行った兄の茂同様、小峯の席も空いていた。

この、第一印象最悪の関西人だけが、事情を知るのだろうが……
いずみ物問いたげに立ち尽くす。口を聞けばまた怒鳴られるかもしれない。

「……お茶、ここに置いときますね」
別のテーブルにお茶とお菓子をひとつひとつ並べると、くすりと笑い声が聞こえた。

「俺一人でそんなにもいらんわ」
「え…? あ、それも…そっか」
「あんたもおやつにしたらええ。一人で食ってもつまらんさかいな」

実家でも看板描きの仕事場でも大所帯でいたせいか、
意外と寂しがりなのかな? と、いずみは笑ってイスに掛けた。


718 名前:ヒゲの人(いずみの場合)2 mailto:sage [2010/07/26(月) 16:05:11 ID:UBV2ruGd]
「何や?」
「いえ。ウフフ」
「何や、含み笑いして…。気になるさかいに言ってくれんと」
「フフッ。倉田さん、ひとりで寂しかったのかなーって」
「なっ…」

あほんだら…とブツブツ呟きながら、まんじゅうにかじりつく。
「いいですよ。居てあげます」
「いい大人が寂しがったりするわけないやろうがっ。全く…」

言うほど大外れではなかったのだろうか。
頭にくることもある程に口も達者だが、その表情は本当に素直で、見ていて飽きない。

「小峯さん、今日はお休みですか?」
「用事があって昼にあがったわ」
「へえ〜。もしかして……デート?」
「はあ? 知らん!」

同僚でありながら、小峯には謎なところが多い。
所帯は持っていないことは労働条件の相談の時に聞いたが、いい仲の女がいるかどうか
までは聞く機会はなかった。

「小峯さん男前だもんね〜。無口やし、ニヒルで…ええ男やわぁ」
まんじゅうを胸にきらきらした瞳で呟くいずみを前に、倉田は自然と口端が歪んだ。

「何ですか?」
「……いや。別になんでも」


719 名前:ヒゲの人(いずみの場合)3 mailto:sage [2010/07/26(月) 16:06:55 ID:UBV2ruGd]
「東京にもあんな寡黙な方もおるんですね。編集さん達はみんな忙しなくって…。
 こっちの男の人はみんなあんななのかと思ってましたよ」
「……」

思えば自分も随分とお喋りだと言われてきた。
自分では無意識でも、つい何かあれば突っ込みのひとつも入れずにはいられない。

「でも寡黙過ぎて、ええ人もつかまえられんかもしれないなぁ…」
「……」
斜に構えて無口に黙り込んだ倉田に気付き、いずみは口を尖らせる。

「何ですか。そげん黙りこくって…倉田さんらしくもない」
「……あ?」
何をいずみ好みの男を演じていたのかと、倉田自身やっと気付いて笑い出す。

「あんた、小峯に気があるんか?」
「へ? あははっ、ヤーダそんなんじゃないですよっ。
 あげんテレビん中の俳優みたぁな人…初めて会ったから…」

「ふうん?」
ちらちらと見る丸い目は、成人にしては犬のように愛らしくて、
いずみは思わず笑い出してしまう。

「もうっ。からかわんどって下さい!」
「ははっ。あんたはいつも上っついとるんやなぁ」
「えっ?」
「あの大人しい奥さんの妹さんとは思えんわ。ほんまに姉妹なんか?」

720 名前:ヒゲの人(いずみの場合)4 mailto:sage [2010/07/26(月) 16:08:44 ID:UBV2ruGd]
倉田が二つ目のまんじゅうに手を伸ばすと、いずみは俯いた。
「……やっぱりお姉ちゃんは、ここでもそうなんだ」
「ん?」
「安来でもずっと、大人しく家業を手伝っとりました。
 忙しい母に変わって、私や甥っ子の面倒もよう見てくれちょりましたけん、
 私や甥は、お姉ちゃんを守らなきゃ、って……いつも思っとったんですよ」
大家族とはそういうものだ。倉田も実家を懐かしく思い出した。

「言いたいことも言えん人生は、つまらんですから」
「ふふっ。あんたは随分勇敢な女騎士なんやなぁ」
「はい。もはや戦後ではない、ですから」

これからの時代、女も靴下も俄然丈夫になっていくのだろう。
同じく家を守るにも、やり方が変わっていく。
こんな明るく強い女ならばきっと、浮き草稼業の漫画家の嫁になっても、
きっと心強く支えてくれるのだろう……が。



721 名前:ヒゲの人(いずみの場合)5 mailto:sage [2010/07/26(月) 16:10:15 ID:UBV2ruGd]
「……ん。何考えとるんだ…俺」
自分で自分に驚いて、思わず詰め込んだまんじゅうに喉を詰まらせる。

「倉田さんっ!? だ、大丈夫ですか? お茶! お茶!」
麦茶を飲み干してもまだつっかえが下りず、差し出された二杯目に手を伸ばす。
「倉田さんっ」
ばんばんっと、そこまで激しく背を叩くことはないだろう…と、

恨めしく思いながらも、おかげでようやく喉が通る。

はぁあ…とひと息ついた頃には、脳裏をよぎったおかしな感情を吹き飛んでいた。


終わり


722 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/07/26(月) 19:48:36 ID:4TSSCu0Z]
投下だんだん!

ヒゲの人の人気に嫉妬w
いずみが上京してきて村井家も騒がしくなりそうですねw

723 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/07/26(月) 20:09:55 ID:bMvBI9uM]
>>717
だんだん!
倉田ツンデレ展開キタ!
菅ちゃん、北村ガンガレw

>>716
浴衣姿やばいよなww
浴衣姿やら夏服姿、その他諸々載ってる二人の写真集出してほしいw
大河の龍馬写真集も出たことだし。

724 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/07/26(月) 20:56:30 ID:E+J9r/r+]
>>712
「いや、今日はわしの分だけでええ」

グッときました。。。

恐らく実際にもこんな風に寂しさを訴えるシーンがあったんでしょうね
水木さんのことだから、フォローちゃんと出来たか疑わしいけれどw

削除なんて仰らず、これからも読ませてくださいね

725 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/07/26(月) 22:32:34 ID:SYxfChxB]
>>717
投下GJGJ
「第一印象最悪のアイツ、でも気になる存在」ってのはやっぱ王道だ

726 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/07/27(火) 02:10:17 ID:pDKqOJjz]
「割れたせんべい」みてたら、
ゲゲ布美でもこういうの、あったらいいなと妄想。

というわけで、投下させてください。

727 名前:すれ違い、仲直り1 mailto:sage [2010/07/27(火) 02:14:16 ID:pDKqOJjz]
夕刻、家路につく布美枝の足どりは重かった。
今日は赤羽に住む、姉の暁子の家にお邪魔していた。暁子から呼び出しがあったからだ。
その呼び出しの用件とは…。

「布美ちゃん、貴方、村井さんとは仲良くやっとるの?」
家に上がるなり、暁子は眉をひそめて布美枝の顔を伺った。
「え?ど、どういうこと?」
暁子の質問の意味を理解しかねた布美枝は、ためらいながら訊いた。
「私…見たのよ、昨日。村井さんが、女の人と一緒におるところ」
「え?」
「楽しそうにデパートで買い物しとったのよ。間違いなく村井さんだった」
「…そんな。昨日は…嵐星社に原稿を届けに行っとったのよ」
「それ本当?」
「締め切りが昨日だったけん、間違いないわ」
「でも…片腕の人を見間違うことはないでしょう?私も気になって、しばらく後つけとったし」
「…ど、どげな人?相手の…」
「う…ん、髪はこれくらいで、くるっと巻いとったわ。かっちりしたスーツにハイヒールで、
 どこかの大きい会社の秘書さんみたいな。…美人だったわよ」
茂の知り合いで、布美枝が知る限り、その外見だと
(加納さん…?)
嵐星社に行っていたことが間違いないのだとしたら、
一緒に居た相手が加納郁子だと考えるのが自然ではないだろうか…。
「暁姉ちゃん、他に男の人は一緒でなかった?背が高くて、さわやかそうな男前の人」
「ううん。しばらく見てたけど、連れの人が居る様子はなかった…」
「…」
もしかしたら、深沢も一緒に居たのかも知れないと思ったが、それも否定された。
布美枝の心の中に、黒い小さなシミがぽつっと浮かんだ。

728 名前:すれ違い、仲直り2 mailto:sage [2010/07/27(火) 02:15:52 ID:pDKqOJjz]
「ただいま戻りました…」
茂とどんな顔をして向き合えばいいのだろう。
布美枝はとまどいの中で、藍子の手を引いて居間に進んだ。
「おとうちゃん、ただいま」
藍子が屈託のない笑顔で仕事場の茂に駆け寄った。
少し躊躇したが、布美枝は無理矢理笑顔を作って、茂を振り返った。

「遅くなってすんません。姉に色々持たせてもらいましたけん、今日はこれで夕食…」
そこまで言って、布美枝は茂の顔色にどきっとさせられた。
言い知れぬ怒りとも、哀しみともとれる、複雑な表情で布美枝を見ていたからだ。

「お前…どこ行っとったんだ」
「ど…どこって、今日は姉の所に行くって…」
低い、くぐもった声がますます布美枝を不安にさせる。
茂に置いてきぼりにされた藍子も、二人の間に流れる妙な空気を敏感に察知していた。

「…昼過ぎに浦木が来た」
こんなときに、浦木の話とはどういうことだろうか?眉をひそめる布美枝に、茂はゆっくりと近づいてくる。
「お前が、ずいぶん仲よさそうに男と歩いとるのを見たんだそうだ」
「えっ?」

心あたりが、ないわけではなかった。
確かに、傍目からはそう見えたかも知れないが。
「それは誤解です!仲よさそうにっていうか、その…」
布美枝は浦木の話を否定しなかった。
それに加えて、布美枝の煮え切らない態度に、茂はいっそうまくしたてる。

「そもそも赤羽の義姉さんのところに行くのに、なして藍子を商店街に預けなならん?
 藍子が一緒では都合が悪かったからか?」
「そげなことではないです!」
実は布美枝は、暁子の家に寄る前に、一件の先約があった。
その先約は、布美枝からその人物に依頼したことであって、
藍子が一緒では少し、時間や場所的に不便なことがあったので、
乾物屋の和枝に、藍子をまかせていたのだった。

729 名前:すれ違い、仲直り3 mailto:sage [2010/07/27(火) 02:17:00 ID:pDKqOJjz]
「ならどげなことだ!わざわざ俺に嘘をついてまで会わなならん男がおるのか!」
「違います!そげな人ではないです!」
「こっちは身を粉にして働いとるのに、お前はずいぶんええ身分でおるんだな!」
「…っ!」
あまりに酷い台詞に、涙腺が崩壊しそうになってしまった。
ぐっとこらえて、喉の奥から搾り出すように言った。

「…そげなら、おとうちゃんはどうなの」
「あ?」
「暁姉ちゃんが見たって言うとったわ、美人と楽しそうに買い物しとったって!」
「え…」
茂が一瞬戸惑いの表情を見せた。
その顔を見た布美枝の心中に、さっきぽつりと浮かんだ黒いシミが
ぶわっと一気に広がっていくのがわかった。
何かの間違いだと、さっきまで思おうと努力していたことが、
茂の表情ひとつでガラガラと崩れていくのがわかった。

「う…えぇえ〜〜」

藍子の泣き声に、二人ははっとしてそちらを振り返る。
父と母の大喧嘩に、小さな娘はぼろぼろと大粒の涙を零して震えていた。

「あ、藍子…ごめん。何でもないんよ…ごめんね」
慌てて布美枝は藍子を抱き寄せる。
茂は所在なさげに頭を掻きむしったり、ウロウロしたりしたが、
やがて襖をぴしゃっと閉めると、それっきり仕事部屋から出てこなくなってしまった。

その日以来、二人の間に、というよりも、村井家に会話がなくなってしまった。
茂は無言で仕事をし、布美枝も無言で家事をし、
藍子はそんな二人の間で戸惑いながら口をつぐんでしまった。
藍子を不憫に思う布美枝は、茂から逃げるように商店街に藍子と買い物に出かけたり、
茂も茂で、二人と極力顔を合わさないように、外出することが多くなった。

730 名前:すれ違い、仲直り4 mailto:sage [2010/07/27(火) 02:18:13 ID:pDKqOJjz]
そんなことが3日も続いた頃の昼下がり…。

「ごめんください」
洗濯物を藍子と二人で取り込んでいた布美枝に、今一番会いたくなくて、
しかし一番会いたかったとも言える人物が訪ねてきた。
玄関先にすらりと立ち、まっすぐにこちらを見つめる凛とした姿。加納郁子だった。

「先生と、次回作の内容と締め切りについてご相談しようと思って」
いつもの仕事の話、と思えばすんなり呑み込めることなのだが、
(そげなら電話で済むんじゃ…)
と、今の布美枝は素直に受け止められない。
郁子はきっと、茂に会いに来たのだ、そう思えてならなかった。

「すんません、多分散歩に出とるんだと思うんです…」
お茶を出しながら、布美枝は郁子と目を合わせないようにぼそっと言った。
「そうですか。先生は本当に散歩がお好きですね」
何だか、茂の全てを知っているかのようにも聞き取れる、今の布美枝はまさに疑心暗鬼の心境だった。

訊きたい、その衝動が布美枝を急き立てていた。
茂と会っていたのは本当に郁子だったのか。
二人で会うことは、もうこれまでに何度もあったことなのか。
そして二人は…ただ会って買い物を楽しむだけの関係ではない、ということなのか…。
同性の布美枝でさえ、郁子を魅力的に思うのに、男の茂がそう思わないわけがない。
自分とは正反対に、しっかりと自立した女を、茂の心は愛してしまったのだろうか…。
だとしたら、自分の存在など、茂の中にはすでにもうないのではないか。
じわっと浮かんできた涙を、必死で布美枝はこらえて、郁子にかける言葉を探した。
すると、郁子の方からやんわりと、布美枝に伺い口調で話しかけてくる。
「あのぅ…。例のもの、気に入っていただけましたか?」
「え…?れ、例の、もの?」
きょとんとする布美枝に、郁子は少し照れるように笑って続けた。
「私が選ばせていただいた、あれです。奥様のご趣味に合ったかな、と思って」
「???」
「色とか、柄とか。サイズはいかがでしたか?」
「???????」
「あれ」
郁子も、やっと会話が成立していないことに気づく。
そしてはっとして「もしかして…まだ?」と、あせったように呟いた。



731 名前:すれ違い、仲直り5 mailto:sage [2010/07/27(火) 02:19:07 ID:pDKqOJjz]
しんと、静まり返る。
藍子はそんな二人を首を傾げて、仕事部屋から見つめていた。

「あの…」
思い切って布美枝から切り出してみる。
「あたしの姉が…うちの人と、どうも加納さんらしい方が一緒に居るのを見かけたと言うんです」
「4日前のことでしょうか?デパートで」
「…はい」
「確かにそうです。でも…まだお渡ししてないようなら…」
やはり暁子が見たという美人は、郁子だったらしい。
が、どこか郁子の言葉の歯切れが悪い。
それは愛人がその妻と対峙したときの様子とはどこか違った様相を呈していて…。

布美枝がじっと郁子を見つめるので、郁子も降参したようにため息をついて話はじめた。
「先生に怒られてしまうかも知れませんが、ここまで喋ってしまったので、全てお話します」
布美枝は前のめりになって郁子の話しを聞いた。

「先生、背広を新調なさったんでしょう?漫画賞の授賞式用に」
「え?ええ、はい」
「自分だけ新しい服を買ったものだから、奥様に悪いと言って、
 奥様の服を選んで欲しいと、原稿を届けに来られたときに頼まれたんです」
「え…」
「いつも同じ服ばかり着てらっしゃるから、服の一着くらい、とおっしゃって。
 うふふ、羨ましいですね。お二人はお互いの考えてることが全く同じ」
「…」
「深沢から聞いています。先日、奥様も同じように先生の…」
すると、がたん、と玄関のドアが開く音がした。
のっそり、茂が居間に現れる。

「先生、お邪魔してます」
「ああ…この前はどうも。…次回作のことですか」
「はい、お時間よろしいですか?」
「結構です。どうぞ」

茂は布美枝をちらっと見て、少し落ち着かない様子で目を逸らした。
仕事部屋へ郁子を案内すると、藍子の頭を撫でながら
「おかあちゃんとこ行っとれ」と言って、郁子と二人、次回作の話を始めた。

732 名前:すれ違い、仲直り6 mailto:sage [2010/07/27(火) 02:20:19 ID:pDKqOJjz]
郁子が帰ったあと、また村井家には無言の時間が流れた。
三人で囲む食卓にも、藍子を気遣う布美枝の声が少しあっただけで、
茂は終始無言で食事を済ませ、また襖の向こうへ閉じこもってしまった。
しかし、郁子から全ての事情を聞かされた布美枝の中の、
茂への疑いの黒いシミは、もうすっかり跡形もなく消えていた。
そこにただ、前よりも大きな愛おしさがこみ上げてきていた。

藍子を寝かしつけ、階下に降りた布美枝は
風呂上りの茂が台所で水を飲んでいるところに出くわした。
茂はまた無言で仕事部屋に戻ろうとする。
「あのっ…おとうちゃん…」
ぴたっと足をとめ、背中で様子を伺う茂。
「渡したいものが…あるんです…けど…」
その言葉に、少し戸惑いながら、茂は振り向いてくれた。
布美枝は急いで戸棚の奥から、綺麗に包装されリボンまで付いている包みを取り出した。

「…なんだ」
「…開けて、下さい」
ちゃぶ台に向かうと、茂は器用に片手で包みを解いた。
中には、落ち着いた紺色のネクタイが入っていた。
「背広は新しくしたけど、ネクタイは手持ちがあるけんって、買わんかったでしょう。
 せっかくの晴れの日ですけん、びしっと新しいもので揃えた方がええと思って」
「…」
「これ、深沢さんに頼んで選んでもらったんです…。浦木さんに見られたのは、きっとそのときです」
「…」
「藍子、デパートに連れていったら、あちこち目移りして、
 深沢さんに迷惑かかったらいけんと思って、和枝さんに預けたんです。
 決してそげな、誤解されるようなことではないんです」

茂の目をしっかり見つめて、布美枝はゆっくりと話した。
二人の間に、またしばらく沈黙の時間が流れた。
やおら立ち上がった茂が、また何も言わずに仕事部屋へ向かったので
布美枝は少し不安になってドキドキし始めた。
しかし、すぐに戻ってきて、手に持った包みを少し乱暴に布美枝にずいっと突き出した。

「…今日、加納さんから聞いたのか」
「…はい」
「…そげなわけだ。別に、特別楽しそうにしとったわけではないぞ」
照れ隠しにぷいと向こうを向いて、もらったネクタイをいじくりまわした。
布美枝はそんなぶっきらぼうな茂を見ながら、3日ぶりに心から笑えた。

733 名前:すれ違い、仲直り7 mailto:sage [2010/07/27(火) 02:21:13 ID:pDKqOJjz]
包みを解くと、柔らかいクリーム色の、細かい格子柄のブラウスが入っていた。
郁子が布美枝の趣味を考えて、控えめな色を選んでくれたのがよくわかった。
「着てみよう。向こうむいとってください」
「別にええだろ、減るもんでなし」
「だめです」
しぶしぶ、といった具合で茂は目を閉じた。
「ええか?」
「はい、ええですよ」
目を開けると、にこにこ顔の布美枝が新しいブラウスに身を包んでいる。
「どげですか?」
「俺にはわからん。だけん選んでもらったんだ」
相変わらずの無愛想な答えだったが、それもまた布美枝は嬉しかった。
「…だんだん、おとうちゃん」
「うん…こっちも、な」
と言って、ネクタイをひらひらさせた。布美枝は笑顔でそれに答えた。

「勿体無くて着られん」
笑いながら、布美枝は茂の前に座った。
「…っとに、骨の髄まで貧乏症だな」
「だって…」
まじまじと、袖や裾を観察しながら、またふふっと笑った。
「嬉しい」
思わず笑みとともに、言葉がこぼれる。
そんな幸せそうな布美枝を見て、茂も自然と笑顔になった。
3日の間の居心地の悪い奇妙な空気を払拭するように、二人はしばらく微笑みあって、
それから、軽く口づけた。

734 名前:すれ違い、仲直り8 mailto:sage [2010/07/27(火) 02:22:49 ID:pDKqOJjz]
茂が布美枝の髪を結ぶリボンをしゅるしゅると解くと、さらりと長い髪が落ちる。
その瞬間にふわりと漂った髪の香りに、内側をさらっと撫でられた気がして茂はドキドキする。
ぎゅっと布美枝を抱きしめると、意外にも少し抵抗された。
「せっかくの服が、皺になります」
「…そげなら脱いだらええ」
そう言ったが早いか、茂の手はもうブラウスのボタンをはずしはじめて、
その唇も両鎖骨の真ん中のくぼみに落とされていた。

「…ぁ…んん…」
いつもの愛撫が始まる。
これでもかというくらいのキスの嵐が、布美枝の身体全体に吹き荒れて、
もうそれだけで、熱いコーヒーに入れられた角砂糖のように、
とろとろと蕩けていってしまいそうになる。
プレゼントのブラウスは、丁寧に脱がされてしまって、
布美枝の胸の中では茂が顔を埋めて舌を這わせていた。

ときおり強く唇を押し当てて、布美枝の乳房に自分の印を付けて満足げにしている。
「や…もぅ、なんですか?」
「俺のもんだという印だ」
「…」
茂は何の気なしにさらりと言ったのだろうが、布美枝はその言葉に心臓が跳ね上がった。
思わずぎゅっと茂の頭を抱きしめて、それから「あたしも」と言って、
茂の首筋に唇を落として強く吸い付いた。
「ま、待てっ」
「え?」
「そげな、見えるところはいけん」
「あ…」
服の隙間から布美枝の唇の印が見えていたのでは、明日以降の来客に差し支える。
茂の仕事はここのところ上向きで、来客も多いのだから…。
二人は顔を見合わせて笑った。それから布美枝は茂の胸に、自分の印を付けた。


735 名前:すれ違い、仲直り9 mailto:sage [2010/07/27(火) 02:23:24 ID:pDKqOJjz]
布美枝は茂の膝にまたがり、幾度となく舌を絡ませて口づけを繰り返していると、
茂の手は布美枝の尻の方から侵入して、熱く潤った場所へと辿り着いた。
突起を指で弄ぶと、茂の眼前で布美枝が快感に悶える。
「や…ん、あ…あ…」
艶かしい声とともに、とろとろと液が漏れ出して茂の手を濡らした。

いったん秘所から手を引っ込めると、茂は布美枝のスカートと下着を剥ぎ取り
ちゃぶ台にうつ伏せにさせて後ろからまた指で攻め始めた。
布美枝はちゃぶ台を抱えるようにして、茂の攻撃に必死で耐える。
二本の指が、熱くなった部分から出し入れされるたび、
さらに熱は高まり、それが身体中に広がって布美枝の喉で嬌声に変わる。
思わず、本音が出そうになる。
(挿れて…ください)
すると布美枝の心の声が聞こえたのか、はたまた茂の欲望の限界がきたのか、
後ろから布美枝の中へ勢いよく茂自身が挿し込まれた。
「ああっ!」
一気に鳥肌がたつ。ぞくぞくする快感。
激しく腰が打ち付けられる音、その度に意識が遠のきそうになる。
出し入れの最中、茂は布美枝の白い背中にも、自分の印を付けているようだった。
その唇がまた布美枝を悶えさせて、艶かしい声をもたらす。
「あんっ…あ…あっ…んっ…っ、んっ、んっ」
布美枝の中は灼熱の砂漠のように、熱でもって茂自身を溶かそうとする。
襞が刺激を与えて、早くその砂漠に液を吐き出せと迫ってくる。

茂の右手が、布美枝の右手をぎゅっと捕まえた。
そのままちゃぶ台に押さえつけ、さらに激しく腰を打ちつけた。
「あっ、あっ!も…っ…っいっ…ああっ…」
布美枝の身体が思わずのけぞる。頂点に達したときの証拠だった。
茂もやがて布美枝の最奥で、熱い熱い液を発した。

736 名前:すれ違い、仲直り10 mailto:sage [2010/07/27(火) 02:23:59 ID:pDKqOJjz]
茂に付けられた印を確認しながら、布美枝は風呂に浸かった。
先ほどの激しい営みに思いをはせると、思わず照れてしまって、ぶくぶくと鼻まで湯船に沈んだ。
結婚してもう4年も経つし、藍子もいるというのに、
相変わらず夜の茂は、何とも言えない甘美な時間をくれる。
お湯で流しても流しきれないほど、茂の唇の感触がまだ生々しく残っていた。

風呂から上がってそうっと2階へのぼると、めずらしく茂はまだ起きていた。
眠る藍子の傍らで、うつ伏せになってその顔を愛でている。
ふと見ると、藍子の横でヌイグルミのくまが一緒に寝ていた。
布美枝のブラウスを買ったときに、一緒に買ったものだという。
「藍子に悪いことしたな。小さいなりに、顔色伺って怯えとった」
「…はい」
そっと茂は、藍子の髪を撫でてやった。
布美枝は父としての茂を、夫としての彼とはまた違った意味で好きだった。
藍子に対して注いでくれる深い愛が、我がこと以上に嬉しかった。

「それはそうと、お前ネクタイ結べるのか」
身体を起こしながら、茂は布美枝に問いかけた。
「ああ、えっと、結婚式の前の日に、兄に教えてもらって…」
「ならええわ。兄貴に頼まなならんと思っとったんだが」
布美枝は哲也と練習したときのことを思い出しながら、空中で結んでみたが…
「…どげだったかな…」
「…おい、大丈夫か?」
茂が半分笑って、半分真面目な顔で布美枝を見やる。
「大丈夫です!…多分」
意気込む女房に少しだけ不安を感じながら、茂はぽんぽんと布美枝の頭を撫でた。
布美枝も実は自信がなかったが、茂に悟られまいと、とびきりの笑顔を返しておいた。

おわり


737 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/07/27(火) 08:47:25 ID:ulIiGQPt]
だんだん!
朝からご馳走様でした(^人^)

738 名前:火のタマの片思い1 mailto:sage [2010/07/27(火) 11:11:46 ID:uU61/wVY]
 小峰、倉田、菅井のアシスタント3人組は、お茶を飲みながら
雑談をしている。茂は出版社へ、フミエといずみは二人で買い物に
行っており、この家には今彼らしかいなかった。
菅井「なあ、いずみさんって年いくつかな?」
小峰「彼女に興味あるの?」
倉田「お前、女にうつつをぬかしとる場合か?」
菅井「なんだよ倉田くん、君こそ目ぇつりあげて明日なんかないって
   顔でマンガ描きまくってるけど、全然もてないだろ?」
小峰「まあまあ、二人とも落ち着いて。ところで、ウチの先生と
   奥さんって、すごく仲がいいよね。」
菅井「ああ、奥さんが先生にゾッコンって感じだよね。」
小峰「そうかな?先生の方が参ってるって、僕には思えるけどね。」
 
 倉田はドキッとした。小峰は世事の何事にも動かされないようで
ありながら、全てを見通すようなところがあった。
 死んでも口には出せない思いを、倉田は胸にかかえていた。
事もあろうに、先生の妻のフミエに懸想していたのだ。フミエの優しさ
と、それを負担に思わせない心遣い、そして矛盾するようだが、彼女の
夫に対する愛と献身に、倉田は心をわしづかみにされていた。
フミエに愛され、フミエの身体を自由にしているだろう茂。今、フミエは
茂の子供を身ごもっている。フミエと茂の間にかもし出される、濃密な
愛の気配は、倉田の心を毒のようにむしばんだ。茂に抱かれるフミエを
想像するだけで、倉田は気が狂いそうになり、下宿の黄ばんだタタミの上で
のたうちまわる夜がつづいていた。

 ある日、倉田は仕事場で茶色の布切れを拾った。いつもフミエが髪を
結んでいるリボンだ。手に取ると、フミエの髪の匂いがした。思わず
頬を寄せる。いとしい人の身体に触れたものだと思うと、いけないとは
思いつつも離すことが出来なかった。人の気配がして、あわててそれを
引き出しにしまった。
 その日、フミエは小さなハンカチで髪をしばっていた。
「おい、いつものやつはどうした?あー、髪をとめとるやつだ。」
茂に聞かれて、フミエはどこかでなくしたらしいと答えた。
「だらっ。女の匂いがするもんを、そこらに落としとくな。こいつらも
 若いけん、気が散っていかんわ。」
そう言いながら、茂は倉田にぴたっと目線をあてた。倉田は震えあがった。
その目は、何もかも知っているぞ、フミエは俺のものだ、と語っていた

739 名前:火のタマの片思い2 mailto:sage [2010/07/27(火) 11:12:52 ID:uU61/wVY]
 次の日。茂は台所にやって来てフミエのいれたコーヒーを飲んでいた。
「お前、あんまり仕事場に来るな。」
「なしてですか?そげに邪魔にせんで下さい・・・!」
泣きそうになったフミエに、茂はあわててつけたした。
「倉田がお前のことを好いちょる。」
「え??まさかそんな。若い人がこげなおばさんを・・・。」
「気がつかんかったのか?・・・鈍いな、お前。」
(朴念仁にニブイとか言われとうないわ・・・。)
「倉田は、若いのにエライ苦労してきちょる。それだけに純粋だ。あの
 火のタマの様な性格は、一歩間違えたら道を踏み外す。俺はあいつを
 立派にひとり立ちさせてやりたいんだ。お前は何事もなかったように、
 あいつらのお母ちゃんの様にどっしりかまえてな。たのんだぞ。」

・・・茂が仕事場に戻った後、フミエは思い出した。昨日、なくしたはずの
茶色のリボンが、箸やスプーンを入れる引き出しに入っていたのだ。
フミエはもとより、厳しくしつけられたいずみも、食器と同じ引き出しに
髪の道具を入れるはずがなかった。そして、こそこそと台所から出てくる
倉田の姿・・・。
(まさか・・・ね。でも・・・。)
はるこのことはさっぱり気がつかなかった茂なのに、人のこととなると・・・。
(意外に鋭いんだから。でも、お父ちゃん、少しはヤイてくれたのかしら?)
フミエはなんとなく面映い気持ちになったが、将来のある倉田のため、また
人を雇う立場の茂のため、これまで以上に自重しようと決心した。


740 名前:火のタマの片思い3 mailto:sage [2010/07/27(火) 11:13:40 ID:uU61/wVY]
 倉田は、すぐにでも逃げ出したい気持ちだったが、あの後、茂に
「倉田くん、家で描いとるマンガはどげなっちょる?ちょっと見てやるけん、
 明日持ってきてくれんか。」と言われ、夜逃げすることも出来なかった。
この人は、自分のけしからぬ気持ちに気づきながら、自分を育てようと
してくれている。倉田は、はちきれそうなフミエへの想いを胸にしまった。
 
 月が満ち、フミエは二人目の子を無事に産みおとした。退院の日、茂は
なぜか倉田にいずみのお供をしてフミエを迎えに行くように命じた。
「菅井じゃあ、赤ンボを取り落としそうだし、いずみちゃんは末っ子だ。
 あんた、弟や妹の世話をしちょったけん、小さい子のこともわかるだろ。」
 いずみが荷物を持ち、倉田が赤ん坊を抱いてタクシーに乗った。
甘く乳臭い匂いが鼻をついた。その子はまぎれもなく茂とフミエの愛の結晶だった。
不覚にも涙が流れた。
「倉田さん、泣いちょるの?」
いずみが大きな声で驚いたように言った。
「いや、その、故郷の弟たちのことを思い出して・・・。」
 家に帰ると、フミエは倉田から赤ん坊を受け取って、出迎えた茂にわたした。
赤ん坊をはさんで寄り添う二人の間には、何者の入り込む余地もなかった。
「よっしっ!描いて描いて描きまくっちゃる!!」
仕事に戻った倉田は、苦くて甘い青春の思い出を胸にしまい、バリバリと
マンガを描きはじめた。



741 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/07/27(火) 11:28:15 ID:nHunEXPT]
>>738
GJ!
今日の放送で倉田、フミエに惚れたな!wと思ったところだったので
自分のなかで神タイミングだったw

他のことに鈍感なのに他者→フミエにだけ敏いとか萌え設定だった

742 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/07/27(火) 14:32:16 ID:+DDMxDh2]
>>740
ありがd!

それにしても、ゲゲめちゃくちゃカコイイ!!!

743 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/07/28(水) 00:00:10 ID:TzeVudn/]
スゴイ作品が連続投下されとるw
職人様いつもあーがとございます!
>>727
ギクシャクが丁寧な分、本番が余計萌えますなww

>>738
嫉妬展開キタ!
>>727さんもだけど、独占欲丸出しのゲゲが良い!

今日は「しげぇさん」に萌えたww

744 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/07/28(水) 07:47:28 ID:n4DCihbB]
作品レベル高すぎでしょ!!
みんな凄いなぁ〜。ふみえちゃんの可愛いこと可愛いこと。

SS投下したくても、方言難しくていつも頓挫するww何故か倉田が博多弁になったりするしw
>>1からSS見直して勉強してきますノシ

745 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/07/28(水) 10:45:21 ID:PcxY03+o]
>>738
GJ! 昨日はこれ読んでから再放送見てニヤニヤし、今日は倉田の
「奥さん喜んどるやろな。」見てニヤニヤしっぱなし。
それにしても、倉田が悶々とするシーンがエロすぎる。

それと、茂が無言で「わかっとるぞ。」のシーンは、光源氏が柏木に
からむシーンみたいで、ちょっとゾクッとした。

746 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/07/28(水) 11:03:28 ID:l7e7yix3]
>>727
GJ!藍子にぬいぐるみ買ってあげてた優しさにも萌えました
>>738
倉田の思いをわかってても育てようとするゲゲ…ただのヤキモチ焼きさんじゃない大きな男で素敵です

747 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/07/28(水) 16:26:52 ID:Hxdz2CKa]
>>738
はるこにしても、倉田にしても、この夫婦のどちらかに横恋慕する人の願望は
略奪したいんじゃなくて、妻(夫)になりかわりたい、というか混ざりたいw
というか、とにかくムリなことなんだよね。
それがわかってるからせつないというか。

748 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/07/28(水) 22:31:19 ID:n+vyBMwJ]
>>727
今日録画見直しながら、あのネクタイはそういう話だったのかと思ってニヤニヤした

ところで、このスレもう容量が451KBになってるけど
スレ容量って500KBまでとかだっけ?>>1000まで行けなそう

749 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/07/28(水) 23:57:47 ID:klxxt51q]
>>727
亀レスながらgj!
細やかな描写とエロシーンが禿しく素晴らしかった
また是非投下してごしない!

フハッ!スレが落ちる前にどげするか〜
この素晴らしい作品達は、どうにかして保管したいもんですな

750 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/07/29(木) 00:30:06 ID:YpFwz0Ga]
保管庫があればいいね



751 名前: ◆ChdC8VZqyE mailto:sage [2010/07/29(木) 15:09:28 ID:IWZUklvf]
www.h01.i-friends.st/?in=llgegegell
わたくし貧乏神と申しますが、よろしければここに置いておきますね

752 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/07/29(木) 19:33:10 ID:TJJi5JJa]
福の神さんだんだん

753 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/07/29(木) 20:31:50 ID:kgQjY+wh]
>>751
片ぎ…貧乏神様あーがとございます!!!
トップページの上の言葉に激しくザラッときたwwww
いつか自分の駄文も載せてもらえるように頑張るぞ〜
まずは…点々からだな(`・ω・´)キリッ

754 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/07/29(木) 21:21:47 ID:huhY5Ma6]
>>753
がんがれスガちゃん!

>>751
貧乏神さまありがとうございます。
村井家から出て行ったのがちょっとさみしかったのですがw
このスレにいらしたのですね。

ゆっくりしていっt・・・もらってもよいものだろうかw

755 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/07/29(木) 22:50:55 ID:cwgbPRsY]
『アクメくん』なるアダルトビデオがリアルに存在する。
“ソロモンの笛”ならぬ“フェロモンの笛”で、呼び出した悪魔をエロっちく操るっていう
バカくだらないビデオで笑ったwwwww

756 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/07/29(木) 23:08:08 ID:+WkcR9ZP]
中野貴雄監督のだろ

757 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/07/29(木) 23:10:30 ID:cwgbPRsY]
いや“水子たたる”だww

758 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/07/30(金) 01:01:47 ID:6LVADPdD]
>>751さん
だんだん!
これでいつまでもゲゲゲ小説が読めるんですね。
有り難や、有り難や。

しげぇさんの「ここ座れ」っていう手招きに萌えましたね〜。
肩揉みも、あのまま後ろに頭を倒せば
フミちゃんのオパーイに当たるなぁと思ってしまいました。
村井夫婦が(色んな意味で)好きすぎて辛いですw

759 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/07/30(金) 18:35:42 ID:ySvH23Jy]
このスレレベル高いなあ…萌えまくる

760 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/07/30(金) 20:03:29 ID:grYZhxim]
おお!
保管庫だんだん!



761 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/07/30(金) 22:03:57 ID:jhU3uCk1]
>>751
あなたが神か
素早い仕事GJ!

762 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/07/30(金) 22:48:29 ID:xxuyqG5a]
>>751
保管庫だんだん!
あの夫婦への萌えは本物ですけん!
録画した今日のスタパを観てるが、萌えシーンのオンパレードだなw

763 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/07/31(土) 02:47:53 ID:52ZJfPKz]
>>751
おお!ジュモクさん!
じゃなかった、貧乏神様!だんだん!
福の神じゃないの?

>>762
マジですか?!
タダの音楽の人だと思って、ノーチェックだったんですけど!
どげな萌えシーンが…?!
エロイムエッサイムエロイムエッサイム
我は再放送求め訴えたり…
でも「基本再放送なし」って書いてた(号泣)

764 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/07/31(土) 09:40:44 ID:R9V+QpFV]
>>755
エロエロエッサイム

『悪魔くん』っていうと、アニメ版をリアルタイムで観ていたから、原作の笑わない悪魔くん
はイメージが違っていたからちょっとショックだった。
アニメ版、悪魔くんとメフィスト二世のツンデレな関係が笑えたww


765 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/07/31(土) 11:44:39 ID:JkSQj3/c]
鬼太郎と猫娘にしても水木漫画はツンデレを匂わすよね
漫画どころか村木夫妻も(ry

766 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/07/31(土) 16:05:33 ID:1Ql2W/sd]
今週は
ドラマシーンの続きで想像力爆発できるいいシーンが多かったねぇ。
でも妊婦さんだからむずかしいけど。

767 名前:762 mailto:sage [2010/07/31(土) 19:48:28 ID:V+Yr/hql]
>>763
まず冒頭のドラマの紹介シーンで、ゲゲ戌亥さん電話後→フミちゃんの肩ポン、シーン。

次にゲゲゲの音楽制作の裏側を話してる時は、
後ろにペンペン草のシーンの写真と夫婦のツーショット写真(公式の登場人物紹介と同じ写真)

その後、窪田さんが選ぶ名場面でエアひなまつりのシーン。

最後に「旅立ちの風」の生演奏中に、
お見合い→初夜の狐→東京出発前のゲゲ荷物持ち→
初めてのアシスタント→結婚記念日のプレゼントのシーンが流れてニヤニヤしたw

説明下手andどっか抜けてたらスマン。

768 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/07/31(土) 20:58:05 ID:52ZJfPKz]
>>767
なんだ、その怒涛のイチャコラ総集編みたいな後半?!
つくづく見逃したのがくやしい…orz
けど、親切に説明だんだん…。

ところで職人さんたち多分残りの容量うかがって投下しないんだと思うけど
次スレって>>1さんとかに期待していいのかな?
自分スレ立て童貞で、他力本願でゴメン…。

769 名前: ◆ChdC8VZqyE mailto:sage [2010/07/31(土) 22:05:00 ID:jMP3gmaO]
平日の朝7時頃も忙しい貧乏神です。
これからちょろっと更新してみようと思います。

現在458KB、とてつもなく長編なSSが来なければまだ次レスは必要ないかな、という漢字かと

770 名前:我慢我慢1 mailto:sage [2010/08/01(日) 02:07:56 ID:dZXyAyzv]
『悪魔くん』の初回のテレビ放送を、思いがけず境港の両親までも一緒に見届けて、祝杯に沸いた今日。
しかしその夜の茂は、祭りの後の侘しさに似た様相を呈していた。

キィ…キィー…
静まり返った仕事部屋に、イスの軋む音がしている。
風呂上りの布美枝がそっと部屋を覗くと、
イスに座って身体を揺すらせる茂の後姿があった。

「おとうちゃん?」
呼びかけられた茂が、首だけ後ろに向けて布美枝を見る。
「まだお仕事ですか?」
「うん…」

布美枝が肩を揉むと、茂は無言で背もたれに身を預け、目を閉じてじっとしている。
今日の放送に向けて、仕事を詰めていたから疲れているのだろうか。
それとも、こみ上げてくる何かに思いをはせ、感慨にひたっているのだろうか。
戌井との電話でのやりとりを聞いてしまった布美枝は、後者の茂を想像した。

「おとうちゃん」
「ん」
布美枝は少し意地悪く、茂の肩から首に手をまわして、顔のすぐ横から茂を覗き込んだ。
「泣いとったの?」
「だらっ。誰が」
ぷいと横を向いた茂に、少し微笑んで、それからそのままぎゅっと大きな背中を抱きしめた。
「…やめんで良かったですね、漫画」
茂は何も言わなかったが、うんうんと小さく頷いた。

「最近夜が冷えるようになったけん、もう寝ろ。身体冷やしたらいけん」
布美枝の手を解いて、イスごと布美枝に向き直ると、そっと大きくなったお腹に手をやった。
その優しさに感謝して、「おやすみなさい」一礼して立ち去ろうとした。
すると。



771 名前:我慢我慢2 mailto:sage [2010/08/01(日) 02:08:50 ID:dZXyAyzv]
「…あー…ちょ、っと」
イスから立ち上がった茂が、布美枝を呼び止めた。
「どげしましたか?」
「うん、ちょっと」
少しそわそわしていたが、やがて布美枝の腕を取ると、軽く引き寄せて口づけた。
しばらくして、布美枝の方から唇を離すと、追いかけてきて今度は舌を絡ませる。
熱を帯びたキスにドキドキして、茂の肩に置いた布美枝の手が少し震えた。

唇が離れたあと、つっかえるお腹に遠慮しながら、茂は布美枝を抱きしめた。
「お、おとうちゃん…」
「これくらい、ええだろ。ずいぶん我慢しとるんだけん…」
「…」
「うーむ…けどモノ足りん」
呟くと、茂の手が布美枝の背中から尻のラインを撫でながら辿る。
「やっ…」
「…だら、なんもせんわ」
「助平」
じとっと茂を睨みつけてみたが、拗ねたような顔の茂に思わず噴きだしてしまい…
「笑うなっ」
「あははははっ、だ、だって…」
ケラケラと布美枝は笑った。
むっつりとした顔で、茂はまた仕事机に向かう。

「もうええっ!仕事するっ!コーヒー持ってきてくれっ!」
「あは、は、はい…」
クスクスとほくそ笑みながら、布美枝は台所に行き、コーヒーを持ってまた現れる。
背中がいじけているのが分かって、またクスクスと笑いがこみ上げる。
その笑いの中には、たくさんの愛おしさが詰まっていて。

「はい、コーヒー」
仕事机の横の机に、コーヒーと夜食のどら焼きを置くと
「おやすみなさい」
去り際に、ぶすっとした茂の横顔にキスをひとつ落として、布美枝はにっこり微笑んだ。

おわり


772 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/08/01(日) 09:17:12 ID:hAB5r5/2]
(゚∀゚)=3 ムッハー
寝起きのコーヒー啜りながら読ませて頂きました〜
だんだん!>職人サン

773 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/08/01(日) 11:23:55 ID:4260WPz8]
>>769
貧乏神さん、いつもだんだん!
あんまり無理せんといてね

>>770
すんごいツボ小説だんだん!
ヤバイ〜凄い好きだ〜
フミちゃんのかわゆい小悪魔っぷりとか
ゲゲの思いやりつつスケベなとことか
>>770先生、ザラッときすぎます…!!大好きです!!!

深大寺デートみたいな、夏祭りデートや花火デートな
ゲゲフミが読みたい今日このごろ。
季節柄、怪談ものとか…お化けに怖がるフミちゃんが
「あの…手、繋いでごしない…?」とか萌え…ません?

774 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/08/01(日) 12:14:09 ID:UdZOKwou]
ぬおー萌える。
職人さんありがとう!

貧乏神さんもだんだん。
次スレ1に
「村井夫妻が好きすぎて今日も生きるのがつらい」を入れてほしいwww

775 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/08/01(日) 19:59:46 ID:n5d0LDKg]
>>770
だんだん!
ゲゲ、早く禁欲生活から抜け出せるといいなw

>>773
それイイ!
>夏祭りデート、怪談

776 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/08/01(日) 22:43:04 ID:+525vfJm]
墓場デートで怖さに慣れ親しんでるので、むしろ楽しく盛り上がってしまうかも知れないw

777 名前:だらず息子1 mailto:sage [2010/08/02(月) 02:08:23 ID:+T1lCiNf]

怒涛の重複締切をやっつけて、ふらふらな足取りで茂は寝間の襖を開く。
(ん…。流石にもう寝とるか……)

窓の外はもう僅かにほの白く明け始めていて、明かりがなくても愛妻の寝顔が見えた。
藍子が抱きついてきて寝苦しかったのか、しっとりと汗ばんだ浴衣の袂が開き、
なだらかな谷間が覗けている。

「……」
元より徹夜は得意ではない。
肩も目も、体全身が泥のように眠りを求めている状態だというのに、頭はどこかまだ、
締切戦争の興奮が冷めきらず、ほんの些細な寝乱れ姿でまた火がついた。

「……元気なもんだのー…」
己の身でありながら、熱を集めてそそり立ったものを見下ろして呆れてしまう。

自分に似て、一度寝ついたらなかなか起きない果報者の藍子の頬をつんつんと突つくと、
そっと壁向きに横たわらせて、茂は布美枝の背中を抱き寄せた。

耳元から滑り落ちる黒髪を唇で掻き分けて首筋にねぶりつく。
腰から胸元に回した右手で胸元を探ると、既に乱れた浴衣を開くのは容易だった。

「ん……」
幽かな寝息に甘い色が交じる。
眠っていても体は感じるものなのだなと、茂は注意深く様子を窺っていた。


778 名前:だらず息子2 mailto:sage [2010/08/02(月) 02:12:07 ID:+T1lCiNf]
どこまでしたら起きるだろうか……?

柔肉を揉みしだき、突端を摘まんでみれば布美枝の身が捩じれる。
吸いつくようにしっとりと指になじむ赤い蕾がやがて硬さを増して張っても、まだ起きない。
肩を引いて仰向けにし、今度は突端に舌を絡ませてみる。
上下する胸は明らかに速度を増してはいたが、まだ起きる様子はなかった。

(…まだ、起きんもんなのか…)
徐々に昂りの脈動が速度をあげる。興奮のままに茂は布美枝の胸に吸いついたまま、
浴衣の裾をまくし上げて腿をなぞり上げた。

「……ぁ……」
流石に気付いたのか、びくりと膝を震わせたが、
まるで茂が進める手を誘うように、そっと割り開かれた。

(……む。流石に…濡れとらんなぁ……)
しっとりとした秘唇はまだ茂の指を受け入れるほど湿ってはおらず、
無理に突き立てれば拒むように張り付いてしまう。

茂の頭が布美枝の体の上で、胸から腹、下半身へと移動して、
右肩に左足を担ぎあげて顔を埋めた。
秘めたる部分は堪らなく甘い匂いが立ち込めて、果実にむしゃぶりつくように
夢中になってしゃぶりつく。
居心地悪そうに腰をくねらせても逃さぬよう、左腰の付け根を掴んだまま
肉襞に舌を伸ばして奥まで味わっていると、
まるで茂の吐息に焚きつけられたように布美枝の秘所が熱く火照るのがわかった。


779 名前:だらず息子3 mailto:sage [2010/08/02(月) 02:14:09 ID:+T1lCiNf]
「……ゃん…」
まだ覚束ないうつろな寝言に茂はぴたりと舌を止める。
「…お父ちゃん……? 何…しとるの…」
うっすら開いた瞳を潤ませて、まだ夢見心地な様子で布美枝が尋ねた。

「何…って。決まっとるだろうが」
顔を上げ、濡れた口元を手の甲で拭う。
布美枝はまだぼんやりした表情で「そげですか…」などと呟いている。

「……すまんが、体力が持たん。お前が乗れ」
「はい…はい……」
半ば目を閉じたまま、茂が腕を引くままに胡坐をかいた茂の上に座り込むと、
ぎゅっと茂の肩に抱きついた。

「お父ちゃーん…」
愛おしげに抱きついたまま、安心したようにすうっと目を伏せる。
「おい…。ここで寝てはいかん…っ」
「はい…はい…」
「……仕方がないなぁ」
布美枝の片尻を掴み、引き掴むようにして位置を定めた。

「んっ…!」
抱き寄せた温もりに微笑んでいた布美枝の表情が変わる。
切なげに眉根を寄せ、突き上げた衝撃に肩を震わせた。

「あっ…ぉ……お父ちゃ…ん、何……しとるの…。んんっ」

再び開いた瞳には光が宿り、漸く覚醒したのだと気付く。
前後に揺らせば充分に濡れそぼった秘唇が水音を立て、
布美枝は頬から全身から真っ赤にして身を震わせた。

780 名前:だらず息子4 mailto:sage [2010/08/02(月) 02:15:38 ID:+T1lCiNf]
「やっ…」
「ほれ。ちゃんと動かんと…いつまでも終わらんぞ」
暢気な口調で無茶なことを言う。
まだ寝起きのぼんやりとした頭で混乱したまま、布美枝はきゅっと唇を食んだ。

「んんっ…ん…く……っ」
恨めしさを伝えるように茂の肩を爪立てるほど掴み、前後上下に腰を揺らめかせる。
突き立てられる茂自身に膣内を抉られて、布美枝は耐えるように首を左右に振った。
満足げに笑んでいた茂の表情もやがて苦しげに強張り、
荒い息を落として目の前に揺れる乳房にむしゃぶりつく。

「あ……っ…い、いけん……っ…いけんよ…」
全身に甘い痺れが走り、必死に手を口に当てて呻き声を覆い隠す。
それでも突き上げる律動は止まらず、布美枝の腰がびくりっとしなった。

「……っっ!」
硬直する間も身を突く痺れが止まらない。
火照った頬には熱い涙が伝い、事切れたように力を失った。

「ああ…おい」
仰向けに横たわった布美枝を追うように、繋がったまま覆いかぶさる。
まだ爆ぜているのか、昂りを包み込む肉襞はびくりびくりと締め付けてくる。
堪らない感触がビビビッと背に走るが……

「……おかしい」
「…え…?」
「いけん」




781 名前:だらず息子5 mailto:sage [2010/08/02(月) 02:17:38 ID:+T1lCiNf]
今にもはち切れんばかりに脈動を走らせているというのに、達する気配がない。
妙に興奮がいき過ぎてしまっているのか、疲労で体がバカになっているのか。

「っ……ああっ!」
再び律動が始まり、布美枝は両手で口を塞ぐ。
一度達した身はいつも以上に敏感で、確かめるように前後されただけでも
蕩けそうなほど熱く身の内に響く。

(どげしたんだ…? こんなに…心地ええのに……)
裂けんばかりに激しく前後すれば、さらに硬度は増す。
ねっとりと締め付けてくる具合も充分にいいというのに、果てが見えない。

焦れば焦るほど腰の蠢きは激しさを増し、苦しいのか快楽なのかも、
よく分からなくなってきた。

「しげぇ…さん……っ」
額に汗した茂の頬に手を伸ばし、ぎゅっとその頭ごと抱き寄せる。
腰を止めた途端、深く息をついたが、やはり達することができない。
呼吸も整わぬほど激しく鼓動が躍っていた。

「もう…堪忍……」

耳元に響く甘い声。
ふと顔を上げれば、潤んだ瞳が茂に嘆願するように歪んでいて…

「う…っ」
突如、背に響く痺れのまま腰を突き立てると、
茂は痺れるように溜まり切ったものを吐き出した。


782 名前:だらず息子6 mailto:sage [2010/08/02(月) 02:18:39 ID:+T1lCiNf]
突き上げる激情が布美枝の膣奥を満たす間、茂は身を硬直させて布美枝を掻き抱いていた。
息も止まる快楽の果てに、目の前が暗くなってこのまま意識が落ちるかと思うほどだった。

「……っっ」
崩れ落ちるように布美枝の上に覆いかぶさったまま、茂の広い肩が上下に揺れる。

「……お父ちゃん…?」
流石に脱力した大の男が圧し掛かったままでは布美枝も息苦しい。
苦しげに呻くと茂はごろんと横になり、仰向けになって息をついた。

「……だらず息子だ……」
「え?」
「全く。主人のいうことをきかん」

湯気でも出そうなほど赤く横たわった息子をちらりみると、
布美枝はくすくすっと笑い出して「もう…っ」と頬を膨らませた。

「お前ぁが甘やかすのがいけんのだ」
「何言うちょりますか。イタズラ小僧なのは、お父ちゃん譲りですよ」
直視しているのも恥ずかしく、そっと上掛けを掛ける。
「寝込みを襲うなんて…末恐ろしい。厳しーく躾せんといけんですね?」
まだくすくすと笑いながらそう言うと、茂はフガフガと口ごもりながら、
「……あまり厳しく躾けても…いけん……」と、ぽつり呟いた。


終わり



783 名前:名無しさん@ピンキー [2010/08/02(月) 08:49:05 ID:nuRURQuX]
(-.-)y-~~~

784 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/08/02(月) 16:58:40 ID:cQwkaQhv]
>>777
GJ!二人の会話がカワエエ〜!

今日のゲゲゲ、練習してるの見つかって鍋の蓋で顔を隠すフミちゃんと
それを見ているゲゲにニヤニヤしたw

785 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/08/02(月) 19:58:08 ID:GzmoKLwj]
何か…下手な人浮いてて可哀想だし萎える
携帯小説だと思えばいいのかな

786 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/08/02(月) 21:52:05 ID:P/VoQXX1]
スレ住人に女が多いスレではよくあること

787 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/08/02(月) 22:44:25 ID:uEKLJjnR]
>>777
フハッ!エロい!だんだん〜〜!
寝ぼけて抱きつくとこがかなりツボで萌え転がったw
そんで入れられてはじめて覚醒って、ゲゲ並みの寝坊介ですなw

788 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/08/02(月) 22:51:06 ID:PRe45fzZ]
ほのぼのかわええなあGJ!

789 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/08/02(月) 23:46:24 ID:7iB9M+7l]
今日の倉田が>>738設定にしか思えなくて
また読み直しにきましたw

790 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/08/03(火) 00:42:24 ID:s0MRCrjs]
>>777
フハッフハッ!辛抱堪らん作品だんだん!
フミちゃんの顔を見ないとイケないゲゲ…
正直すぐるのにワロタw
是非「厳し〜い躾・編」も読みたいです!

>>789
ナカーマw
鍋蓋で運転練習してたフミちゃんのあまりの可愛いらしさに
暫く声を掛けられなかったハズや!間違いない!!


最近ふとした時に「しげぇさん」って呼ぶからドキッとする
喜子を出産してから、益々綺麗に見えるのも自分だけ?



791 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/08/03(火) 07:13:13 ID:A97csiCj]
>>790
「しげぇさん」呼びは萌えますな。
「あの〜」「村井さん」なんて呼んでた初期が懐かしいぞ。

792 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/08/03(火) 10:29:03 ID:0ydfQeVR]
>>789
私は、カレンダーの悪魔くん放映開始日の赤い花丸見て、
>>695の「記念日」思い出したよ。
ほんとに、この二人のせいで毎日がつらいどころか、日常生活があやういですw。

793 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/08/03(火) 12:26:54 ID:Oiz1pWkS]
正直、妹の話はどうでもいいわ
あんなにモテる意味が解らんし
妹は早く退場してゲゲフミ増やせ

794 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/08/03(火) 14:03:47 ID:a7yD4Sf1]
うん、妹はね。
フミちゃんにきついこと言うしなぁ。

ゲゲも仕事で頭がいっぱいですれ違いが多いし。
このスレのおかげでなんとか萌えを持続させてる感じw

795 名前:バナナとスコッチ1 mailto:sage [2010/08/03(火) 15:38:09 ID:O+CKBshQ]
プロダクション設立の祝賀会が終わったあと、かたづけをしていたフミエは、
急にお腹が減っていることに気づいた。天ぷらやギョウザなどを大量に作って
いるうちに油酔いして食欲をなくしてしまい、また会の間は大勢の客の接待で、
食べている暇などなかった。
 手つかずのままたくさん残っているバナナが目に入った。祝いに駆けつけてくれた
ものの、大勢の人々に囲まれている茂に気後れを感じたのか、寂しそうだった
戌井が持ってきた手みやげだ。フミエも、茂とこのところほとんど落ち着いて
話す暇もない日々が続いており、戌井の気持ちがわかるような気がした。

「せっかく戌井さんが持って来てくれたバナナ、誰も食べんと。」
フミエはバナナを一本とり、皮をむいてひと口かじった。
甘くてやさしい味が口いっぱいにひろがり、ほっとひと息ついた。
「なんか、元気が出る味なんだよね・・・。」

 貧乏だった頃、藍子がお腹にやどったことを告げたら、茂に困った顔をされた。
姉の家でこれからのことを考えてみようと思った矢先、茂が連れ戻しに来てくれた。
「あの時公園で食べたバナナ、おいしかったなあ。本当に『なんとかなる。』
 って思えたもん。」

 藍子は無事生まれたが、その後生活はますます苦しくなった。そんなある日、
茂が売れ残って黒くなったバナナを買ってきた。おそるおそる口に入れてみると、
少し発酵している感じはするが、甘くてとろけるようにおいしかった。
「異国の果物なのに、なんだか懐かしい味・・・。それに、元気が出ますね。」
「そりゃあそげだ。俺の命を救った果物だからな。」
茂は、戦争中マラリアの再発で弱っていた茂にバナナを持ってきてくれた現地の
少年トペトロの話をしてくれた。

796 名前:バナナとスコッチ2 mailto:sage [2010/08/03(火) 15:38:36 ID:O+CKBshQ]
 フミエがバナナをむいて渡すと、茂は三口くらいであっという間に食べてしまう。
とうとうフミエがまだ持っているバナナにかぶりついて、フミエの指まで
食べてしまった。そのまま甘噛みされ、フミエはくすぐったがって笑った。
「やぁっっ・・・。くすぐったいっ。」
手を引っ込めようとしたが、茂は細い手首をつかんで引き寄せ、フミエの唇を奪う。
フミエも目を閉じて応える。しばらくむさぼっていたが、茂はフミエをそのまま
抱き倒し、ブラウスのボタンをはずした。いじらしい乳房の先端が、早くも
とがりを見せている。茂は片方を指でつまんでこすりあわせながら、もう片方を
赤子のように吸い始めた。
「や、やだっ。お父ちゃん、こげなところで・・・!」
フミエはあらがったが、次第に力が抜けていく。茂はスカートの中をまさぐり、
フミエの一番感じる部分をさがしあてた。あふれ出すぬめりをからめながら、
意地悪くその周辺を責め始める。フミエの腰が揺れた。
「あっ・・・あぁ・・・ん・・・ぃ・・・やっ。やぁぁっ・・・。」
フミエは茂にしがみつき、広い胸に顔をうずめようとしたが、茂はそれを引き剥がし、
「ちゃんと、エエ顔を見せえ。」
と言うと、まともに触れてもらえず、痛いほど感じているその核心を、あるか
なきかのような力でなで始めた。
フミエはつつしみも忘れ、腰をよじり立てて、あられもない声をあげて達した。
茂の背からパタリと両手を落としたフミエの目には涙がたまり、唇は半開きになっている。
「俺の方も・・・たまらん。」
茂は、フミエの乱れるさまに煽られて、はちきれそうになっている昂ぶりを、
イッたばかりのフミエの秘所に突きこんだ。
「!・・・だっ・・・だめっ・・・。」
「熱いな・・・。」
まだわなないている肉襞が、茂自身をおしつつみ、いきなりもっていかれそうになる。
茂は、どこもかしこも過敏になっているフミエの首筋や乳首を愛撫しながら、それを
必死でこらえた。力強いひと突きが、もう一度フミエを絶頂の波に押し上げた・・・。

797 名前:バナナとスコッチ3 mailto:sage [2010/08/03(火) 15:39:07 ID:O+CKBshQ]
「あっ。ずるいぞ!一人でバナナ食うとる。」
バナナの次のひと口をかじるのも忘れて、甘い想い出にふけっていたフミエは、
背後からの突然の大きな声に飛び上がるほど驚いて振り返った。
少しだが酒を飲まされ、気分が悪いと二階で寝ていたはずの茂がそこにいた。
今、自分が思い出していたことを茂に知られたら、死にたいほど恥ずかしい。
フミエはどぎまぎしながらバナナを一本とって茂に渡した。
「なんだー、むいてくれんのか。」
フミエは急いで皮をむくと、茂に差し出した。
「持っとってくれ。」
茂はフミエの手首をつかむと、得意の三口食いであっという間にフミエの指に到達し、
指の一本一本をおいしそうに味わった。
フミエの身体に戦慄が走った。手首をつかんで引き寄せられ、顔が近くなる。
だが、茂はフミエのほおにチョコン、と唇で触れただけだった。
「口を吸うたら、次が欲しくなるけんな。ガマンだ、ガマン。」
茂は、フミエを後ろから包みこむように抱くと、大きな手でお腹のふくらみにさわった。
「藍子の時は、苦しかったな。けど、今度は安心して産ませてやれる。」
「・・・はい。」
「会社もできたばっかりで、将来どげなるかわからんが、俺もバリバリ働くけん、
 お前は何も心配するな。」
「はい。」

 まだ酒が残っているから朝まで寝る、と立ち去りかけて、茂が言った。
「深沢さんからもらったスコッチな、戌井さんに届けてやってくれ。ウチにあっても
 無用の長物だけん。奥さんもイケるクチらしいぞ。それからな、俺はまだ
 北西出版の顧問だけん、いつでも相談にのります、と伝えてくれ。」
「・・・はい!」
(戌井さんのこと、ちゃんと考えてくれとったんだ!)
さっきまで茂の大きな手がつつんでいたお腹に両手でふれると、茂のあたたかさが
伝わってくるようだった。
「あんまりガマンというもんをせんお父ちゃんが、あげにガマンをしとるんだけん、
 私も強くならんといけんわ。二人の子のお母ちゃんになるんだけん・・・!」
この先、不安や寂しさを感じることもあるかもしれないけれど、いつでも私の
歩いていく道はひとつだけん、フミエはあらためてそう心に決めたのだった。

798 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/08/03(火) 15:39:38 ID:O+CKBshQ]
また、食欲の話を書いてしまいました。
戌井さんのバナナを成仏wさせてあげたくて・・・。
エエ話のはずが、うっかりエロくなってしまいましたが。

黒いバナナのエピソードは、原案で本当にむいてあげてるんです。
なぜこんな萌え設定を割愛したんでしょうか?ラブラブすぎて
朝から放映できないという判断でしょうが、残念なことです。

799 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/08/03(火) 17:57:23 ID:ARw/msX6]
>>795
だんだん!あの戌井さんのバナナにはそんなエピソードがあったとはw

>>793
hagedou!
本スレに「ゲゲが鬼太郎の歌詞考えて、フミちゃんがおもちゃのピアノでメロディ演奏してる所見たい」って
書き込みがあって、自分も見たいって思ってしまった。
塚、何でもいいからゲゲフミのシーン増やせ

800 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/08/03(火) 19:08:42 ID:/o6DI7kX]
>>795
だんだん!
ほっぺちゅだけで我慢するゲゲw
「次が欲しくなるけん」萌え。

>エエ話のはずが、うっかりエロくなって…

エエ話狙いだったのか。
タイトルの「バナナ」に絶対エロだと脊髄反射した自分…orz

戌井夫婦に幸アレ。
何度見てもゲゲが戌井さんに電話して声震わせるシーン泣く。



801 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/08/03(火) 19:09:54 ID:Y1A/rkME]
「せっかく戌井さんが持って来てくれたバナナ、誰も食べんと。」

(゚д゚)

『菅井く〜ん、バナナ全部もって帰って良いわよ〜』

802 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/08/03(火) 21:01:07 ID:s0MRCrjs]
>>795
だんだん!
夫婦イチャコラ最高です
戌井夫婦も絡めたええ話だなぁ〜
本放送で布美ちゃんが淋しそうにしてるから
此方で補完させてもらっちょります
やっぱりイチャコラはええ…

803 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/08/03(火) 21:08:27 ID:i07jelsW]
なんで?妹の方が活発で全然可愛いじゃん
はるこの時もそうだけど、ふみちゃんマンセーの空気キモイ

804 名前:名無しさん@ピンキー [2010/08/03(火) 21:31:44 ID:+STOKC0e]
今日の姉妹の喧嘩は
どっちの立場もわかるけん、
見てて胸がつまったけどなあ。
女の対立する、永遠のテーマ

805 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/08/03(火) 21:57:00 ID:A97csiCj]
>>803
敢えて釣られてやる。
嫌なら、お前が本スレに籠もってればよくねw?
他に仲間が居て不愉快な思いしなくてすむだろうよw
自分はもう本スレ見てないから、どーなってるか知らんけどな

806 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/08/03(火) 21:58:45 ID:yhbD5bba]
>>803
可愛いと思うなら、お前が妹マンセーな話を書くかリクエストすればいいじゃん

807 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/08/03(火) 22:05:31 ID:i07jelsW]
別にふみちゃんが可愛くないって言ってるわけでもないのに

808 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/08/03(火) 22:09:09 ID:i07jelsW]
別にふみちゃんが可愛くないって言ってるわけでもないのにどうしてそうなるかな
ゲゲ関係はこのスレしか覗いてないけど、どうしてふみちゃんしか受け付けない雰囲気になるのかわからない
自分は活発萌えだから妹タイプが可愛いと思うってだけで、
ふみちゃんが可愛くないなんて言ったつもりはないし、貶すつもりもない
何か間違ったこと言った?

809 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/08/03(火) 22:27:59 ID:4YGrr1cY]
ケンカはよせ、腹が減るぞ

810 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/08/03(火) 22:36:55 ID:OCwaE+LO]
夏ですなぁ
この間からミョーなのが湧いちょるよ



811 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/08/03(火) 22:42:54 ID:fErnKxnu]
ゲゲふみ以外でもどんと来い
倉田いずみで買い出しアシスタントという名のデートとか

812 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/08/03(火) 23:11:50 ID:x3q87xMK]
>>811
想像しただけで萌えた。
書きたいところだが文才がない。

813 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/08/03(火) 23:38:08 ID:fr97G1Us]
いずみが菅井に無理矢理やられそうになって倉田が助けるとか3Pとか、
倉田のアパートに突然いずみが押し掛けて同棲する話とか読みたい

814 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/08/03(火) 23:45:13 ID:IbyijKHD]
>>811 自分はゲゲフミ好きだが最近戌井夫婦が熱い。
ゲンベエとミヤコ、イカルとイトツ、マサシとミチコ、それぞれ性格が違うけど
ゲゲゲの夫婦は全部好き。
各夫婦のやりとり観てるとテレビの前でニヤニヤしちゃう。
戌井さんには泣かされっぱなしだけどね。

815 名前:名無しさん@ピンキー [2010/08/04(水) 00:09:42 ID:sUoqE2fl]
>>805
やっぱり釣られるのはやめた方がいいな

816 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/08/04(水) 00:17:10 ID:PSiDA8ET]
sageましょう

817 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/08/04(水) 00:43:43 ID:sUoqE2fl]
そうでした…

818 名前:犬夫婦 mailto:sage [2010/08/04(水) 00:51:34 ID:+QHn8Y90]
水木しげる、雄玄社漫画賞受賞の報せは、
茂の親友であり、ある意味では戦友の戌井にも伝えられた。
我がことのように感極まって泣き出した戌井の腕を
妻の早苗は、全く遠慮なくばしっと力いっぱい叩くと、
「ウィスキー、買ってこよっか!」
明るく言った。

とは言え、極貧の北西出版にウィスキーはなかなかの高級酒。
戌井夫婦は、極限まで薄めた水割りを囲んでしみじみと祝杯をあげた。

「どーしてこう差がついちゃったかなぁ」
薄い水割りでも、何杯も飲めばほろ酔い加減になるもので、
早苗はうっすら頬を朱くして、内職の山を見ながら呟いた。
「…そんなこと、言うなよぉ…」
酒の肴の煎り豆をぽりぽり食べながら、戌井はしゅんとして背中を丸める。

「水木さんてさ、よく見ると男前よね、背は高いし」
「うん…」
「愛想がないのはイマイチだけど、でもその分笑ったときにほっとするわよね」
「うん…」
「布美枝さん、喜んでるだろうなぁ〜」
「うん…」

どんどん小さくなる戌井を、ちらりと横目で伺いながら、
早苗ははあ、とため息をついて、またばしっと戌井の背中を叩いた。

「あんたねぇ、もっとしっかりしなさいよ!」
「お前が落ち込むようなことばっかり言うからだろぉ」

自分より男前で、自分より才能があって、自分より出世した親友を夫に持ち、
早苗にしてみれば、布美枝と比べて自らの立場を卑下する気持ちは痛いほどよく分かった。
出世も見た目もさっぱりの自分には、言い返す言葉もない。

「悪かったなぁ、水木さんみたいじゃなくてさ」
そう言うのが精一杯だった。

水に近い水割りを、かっと一気に流し込む戌井を見やりながら、
早苗はふふっと笑った。

「…けど。水木さんじゃどうしてもダメね」
「…えぇ?」

さっきまでの持ち上げぶりは何処へ行ったのか、急転する早苗の言葉に戌井は顔を上げた。

「だって、こうして一緒に呑めないダンナなんて、つまんないじゃない」
「あ…」

にこっと笑って、戌井の空のグラスを催促すると、次の水割りを作り始めた。
じわじわとこみ上げる感情に、また戌井の涙腺は緩んできてしまって…。

「早苗ーっ!」
「うわっ!」

感情の赴くままに、戌井は早苗をがばっと抱きしめてみたが、
次の瞬間には思い切り頭にげんこつをくらってしまった。
「いてー!何するんだよぅ」
「もう、こぼしちゃったじゃない!馬鹿っ!」

おわり

819 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/08/04(水) 14:38:17 ID:9sX6F679]
グーッジョブ!
戌井夫婦いいな、特に貧乏にへこたれない奥さんが好きだ。
編集者としてもたしかなら、男として伴侶を選ぶ目もたしかだわ、戌井さん。

しかし今日の放送、あいかわらず儚げな中森さん・・・。
トイレのふりして、毎晩下の部屋をのぞいてたのかなw

820 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/08/04(水) 15:45:01 ID:FxAxd2Fb]
GJ!

戌井夫婦はいいな
奥さんもだんなのお尻をぽんぽんはたいてハッパかけながらも
いたわりや優しさを忘れてない

当時ならお見合いが多かったんだろうけど
意外と恋愛結婚だったりするんだろうかこの二人



821 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/08/04(水) 20:22:03 ID:25LFoZh2]
>>818
だんだん!実際にウイスキーのCMになりそうだw

今日は見てるこっちも切なかった・・・
これからもっと辛くなるんだろうな

822 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/08/04(水) 21:08:36 ID:I99VekON]
早苗さんいい女だ〜
個人的には飯田家長男夫婦もかなり好き
>>819
ツイッターのネタに吹いたわw
ttp://img.ly/1P11

823 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/08/04(水) 21:38:37 ID:ALvsSA+u]
>>818
おお!早苗さんいい女だな〜。サバサバしてるし、本当に旦那さんを尊敬して愛してるって所がいいよね。

824 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/08/04(水) 21:59:55 ID:Sq0kAbMQ]
>>818
おお本当にありそうな雰囲気の話だ
早苗さんは男前ないい女だなあ

825 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/08/05(木) 01:08:08 ID:yA/k6G8X]
>>818 ヤバイ、早苗さんに抱きつく戌井さんかわい〜。嫌味なくさらっと言いにくいこと言える関係いいよね。
>>822 飯田家長男夫婦は美形夫婦だよね。もっと出番欲しいな。兄嫁とフミちゃんの絡みは癒された。
安来編見返して、いまさら源兵衛夫婦の初夜?エピに萌えている。

826 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/08/05(木) 14:22:32 ID:Updqmq63]
残りも少なくなったので、次スレ立てました。

【朝ドラ】ゲゲゲの女房でエロパロ2【昭和のかほり】
yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1280985565/

職人さんはどんどん投下してごしない。
あと補足あればヨロ。

827 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/08/05(木) 15:36:08 ID:oI+dzSnO]
>>826
乙です。
今日は鬼太郎の歌詞を最初にフミエに見せに来た茂に萌えましたなぁ。

828 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/08/05(木) 20:45:17 ID:wsbun7A+]
>>826
だんだんですけん!

>>827
「お前に先に見せたかったんだ」だっけ?
あれは良かったなw

829 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/08/05(木) 22:42:41 ID:wsbun7A+]
>>828
自己レス。
「一番にお前に見せようと思ってな」だったww

830 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/08/05(木) 23:20:41 ID:vHYDF4W3]
>>826
新スレ提供だんだん!
2スレ目もwktk

保管庫も更新されてるみたいで、だんだん>貧乏神さま
でも、自分の好きな
「拝啓イカル様」とか「寝坊之進さま」
あたりが見当たらんのですが…。編集上の都合だろうか。



831 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/08/05(木) 23:29:06 ID:f3pvgQjW]
>>826
素晴らしい仕事、だんだん!
とうとう2スレ目か〜感慨深いですな!
職人様方、張り切ってごしない!

>>828
“一番に”…“お前に”…(*´Д`)
しげぇさんってば、伏兵のようにさりげない優しさを
思い出したかのように繰り出してくるから困る…
布美ちゃんは、こうしたしげぇさんの優しさを、大事に接いで紡いで
日々生活を繋いでいっているのでしょうねぇ

832 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/08/06(金) 01:35:38 ID:ydMzxJQ/]
次スレだんだん!

しげる→ゲゲル
ゲゲル→ゲゲゲ
ゲゲゲの女房→しげるの女房

タイトルまでも萌えるなんて

833 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/08/06(金) 01:58:07 ID:d7q9rn3q]
歌詞の紙を後ろに隠してる所が何か可愛かったね

834 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/08/06(金) 18:40:16 ID:7kb8waDG]
>>832
最初からそういう意味じゃなかったの?

835 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/08/06(金) 22:31:50 ID:AlaPYeIz]
「ゲゲゲの」=「茂の」とナレーションで明言されたのは今日初めてだからじゃね




ちょっこし埋め

836 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/08/07(土) 01:50:44 ID:TFMgYiug]
>>835
そうなんです



837 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/08/07(土) 03:46:59 ID:EYl5PlsH]
倉田→フミエ 読みたいお

838 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/08/07(土) 08:35:25 ID:c47uha/w]
今日のニヤニヤポイント

・兄弟の前でのゲゲフミのやりとり
・喜びあってるフミちゃんと倉田

839 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/08/07(土) 08:49:18 ID:ruFROPuG]
>>838
超同意

プラス
夜の仕事場でのゲゲフミ
も入る

やってくれるかと言った後のフミエの返事にゲゲは惚れなおしたと思うw


840 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/08/07(土) 11:54:51 ID:53C83tJR]
受賞記念にごちそう作ってくれるふみちゃんに惚れ直す?倉田。

しかし貫禄でその前にたちはだかるゲゲ。


みたいな妄想した。
最近のゲゲフミの安定感がいい。



841 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/08/07(土) 12:51:56 ID:HruM0Zq3]
ほんと、倉田の「奥さん…」は何であんなに切なげ?萌えるわ

842 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/08/07(土) 21:00:50 ID:VR9MmlJr]
萌えポイント満載なドラマだね

843 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/08/08(日) 20:22:09 ID:Ax3HE1fw]
昨日のゲゲフミを見て>>621さんの作品を思い出したw

844 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/08/08(日) 22:36:07 ID:A/GW1Qdi]
>>843
「付いていきますけん」のあたりだな。
思わず読み返してしまって納得。

845 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/08/09(月) 22:21:28 ID:na9DV9/F]
うわあ…倦怠期の夫婦キター
ゲゲが白髪なのはわかったが、
布美ちゃんもなにげに年くったふいんき
一気に年齢があがったせいか、画が…枯れ葉のようだ。

先週のラストがあれだっただけに、
今日のゲゲの冷たさがしみる(泣)

846 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/08/09(月) 23:19:10 ID:ZsSMlACY]
>>845
覚悟していたとはいえ寂しい・・・

ここと録画分で沢山萌え補給しておかなくては・・・

847 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/08/09(月) 23:45:03 ID:Z5fkmKSs]
今日は、OPの最後に自転車乗ってる二人に加えて藍子と喜子もいたのが
なんかほのぼのして萌えた。


家族増えたなーと


848 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/08/10(火) 12:33:37 ID:tGYVN1rC]
週刊女性買ってきたよー

849 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/08/10(火) 13:13:53 ID:voljjPXa]
喜子ちゃんはえらい活発なんやなー。

その調子で夫婦の寝室に忍び込むとか・・・。
つか、あの二段ベッドの隣の部屋(ミシンがあるとこ)に夫婦は寝てるんかな。

850 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/08/10(火) 17:25:20 ID:pWT91xRU]
>>848
おおっ!レポよろ



851 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/08/10(火) 23:58:33 ID:gJVjXk5m]
>>848読んで、自分もソッコーで本屋に行ったんだが
海老蔵の結婚式の表紙のやつしかなくてガッカリorz
田舎だからなのか?今日が発売日じゃないの…。

852 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/08/11(水) 00:03:48 ID:VHYYMYhx]
>>851
自分も地方住まいで買えなかったよ

853 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/08/11(水) 05:25:24 ID:uut/gQJH]
>>851
地方は1日発売が遅いから今日ですよ。
自分は仕事行く前に買ってく。

854 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/08/11(水) 16:08:43 ID:5i9W71pV]
ほのぼのした写真が多かったよ。スタジオ撮影ばかりだから、たまのロケは楽しいんだろうな。

855 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/08/11(水) 18:40:49 ID:jKOPUJZy]
ここ見て週刊女性買ったw
ブランコの写真が特に良いな

856 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/08/11(水) 20:50:24 ID:OJFtDD1F]
遅刻させる程起こさず放置はちょっとね
フミちゃんの起こし方も起こしてるうちに入らないし、子供が約束してるの知ってるならゲゲの言うこと聞くなよと
あと小学生にもなったら自力で起きろよと
甘やかしてるよな

857 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/08/11(水) 22:33:58 ID:qKnull8E]
職業欄とか、茂の意見に結局折れちゃうとか、お父ちゃんとデパートに行くことが娘にとって最高に楽しいと信じて疑わないとか、フミちゃん茂のこと大好きだな。
ムリに旦那を立てているわけでなく、尊敬してるから、そうなっちゃう感じがフミちゃんらしくて笑った。
無意識にノロケられて思春期藍子かわいそう。

858 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/08/11(水) 23:58:08 ID:i0ieDbZA]
週間女性なんて買うことなかったけど
ここ読んでたら買いそうだ

859 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/08/12(木) 00:02:53 ID:tTzfX2SI]
生まれて初めてドラマのDVDBOXも予約購入したし
週刊女性も迷わず買いました。

ありがとう〜ってつたえた〜く〜て♪

860 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/08/12(木) 00:34:58 ID:7A7C8THa]
なんか最近のレスがエロくないw

「帰国」の予告を見てたら、裸の女と抱き合うムカイリがいて
これが民放と犬hkの違いだと思った。朝と夜の違いとも言うか。
あれを布美ちゃんに脳内で変換して萌えることにする。



861 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/08/12(木) 00:39:13 ID:jHUCbDQ2]
新スレの方に新作投下されてるよ

862 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/08/12(木) 00:43:08 ID:OyA3yMrT]
>>860
見て来た
髪型とか絶対狙ってると思ったw

863 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/08/12(木) 15:41:01 ID:Ow2rRcEp]
>>860
同じく見てきた
あの後姿はまさしく・・・だったw

週刊女性も良いけど、今週のステラも良いぞー

864 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/08/12(木) 17:56:56 ID:NzS3S7IW]
ステラよかったね
家族4人で自転車をこいでる撮影のシーンで
喜子は補助輪付きだったからどうしても左に反れていっちゃうって話が凄い可愛かった
あの光景だけでも可愛いのに

865 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/08/12(木) 23:14:28 ID:d0mf0rVe]
ところで、こっちのスレもう空白で埋めていいかね?
けっこう容量埋まるの遅いし、次スレに早く行ったほうがいいかと

866 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/08/12(木) 23:36:19 ID:ZApJAUO/]
それを するなんて もったいない!
普通に萌え話や埋めネタでおk

867 名前: ◆ChdC8VZqyE mailto:sage [2010/08/12(木) 23:49:38 ID:ZApJAUO/]
後出しで申し訳ありませんが、貧乏神と申す者です
母が原作を入手したり、お盆前で多忙だったり、手足口病に罹ったり(被害:口)、きせいったり大変でした
重ねてお詫び申しsあげます。
この度携帯電話機からも書き込めるようになったと耳に挟みましたが、本当だったようです
早速業務連絡

1スレ目のまとめ更新はまだ途中ですが、早いうちに2スレ目も確保してあります
なのでまだ載ってない作品が数点あります
それにしても抜けてるんじゃないか、という作品があればお知らせください
また、多少雑談やネタもまとめてあります

以下言い出しっぺの法則
エロパロ板は割とフリーダムな場所なので、余裕クールなムカイリゲゲがあってもいいと思うのです
また奇策フミも悪くないと思います。
例えばカフェーの女中姿で台所に立っていてもいいじゃないですか!

…明日は更新しようと思うので許してごしない。

868 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/08/12(木) 23:53:25 ID:OyA3yMrT]
>>867
>余裕クールなムカイリゲゲ

鼻息ムハーー

869 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/08/12(木) 23:59:14 ID:pm0KkiHF]
>>867
貧乏神さん、いつもだんだんです!
そして・・・
フミちゃんメイド喫茶クル━━ヾ(◎)ノ?!

870 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/08/13(金) 00:16:02 ID:9GAO0LAI]
「最近マンネリなのよね…」
「仲良きことは美しきかな」
「その…あの…もっと激しく求められ、たいの////」
「あのフミエが、変わったわね〜。よし!あたしも一肌脱ごう!これ貸してあげる」
「なぁに?…!!」
「ふふ」

アイデアが浮かばず、散歩に出ていたしげる。
「今帰ったぞー。…!?」
「あなた、おか…いらっしゃい、ませ」

んでカフェ女中姿につい本気が出てあんなことこんなことを(少なくとも口調は)余裕クールのしげるが、いざ脱がせてついに本番と思いきや桜色のガーターベルトを着けててもうくあせふじこって理性ぶっ飛んじゃうのなら是非読みたいです!!!!!!!



871 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/08/13(金) 10:46:10 ID:bfGSa8AR]
>>870
布美ちゃんに女中衣装貸したの誰よ?w
てかそのまま続き書いてください!


872 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/08/13(金) 20:38:52 ID:LKdlYr6K]
>>867
貧乏神様、いつもだんだん
更新有難い限りですが、お体大切になさって下さいね

>>870
堪らんwwwww 続けてごしない!
ふみちゃんウブだから、勧められるままにコスプレしちゃいそう
裸エプロンとか、あとゲゲのシャツ一枚羽織って…とか夢(ロマン)

873 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/08/13(金) 22:30:57 ID:bfGSa8AR]
>>ゲゲのシャツ一枚羽織って…
これは自分も萌えるシチュエーションだが、
いかんせん、あれはデカい男のシャツを
小さい子が羽織ってその小ささに萌えるのであって・・・
ゲゲと対等くらいの布美ちゃんの場合はどうなんだろう。
ありかな。ありかも・・・


874 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/08/13(金) 23:36:32 ID:ij9gtIBw]
ふみちゃんのほうが少し小さいし・・・ほら、細いから!
たぶんすれすれおk?

875 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/08/13(金) 23:52:24 ID:9GAO0LAI]
いまいち口調が分からんのです
カフェー服持ってたのは友人か姉かまだ迷い中

次の日。
台風が直撃するか、否か…
そんな天気、村井家にも嵐がおとずれようとしていた
「あなた…」
「どうした…! !?」
「この雨で洗濯物が乾かなくて、それで…」

って全裸にゲゲシャツ来て二連チャンとかにすれば完璧なんじゃね?

876 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/08/14(土) 00:30:42 ID:nciD6Re0]
あんなエロ雑誌に連載してるのか…凄いなゲゲ
勿論布美ちゃんは読んでるよな?
知識を蓄えて、夜にゲゲに実践してくれたら良いなw

「ひとりでできるもん」と「大トラ布美ちゃん」みたいな
布美ちゃん責めが好きだ〜

877 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/08/14(土) 00:41:17 ID:jOGyy6CK]
自分の着る服全部洗濯→ゲゲの服着る
パターンはこれしか思いつかんな。
下は履いてないバージョンだよね?
続きは新スレでwktkして待ってる!

実際ああいうエロ雑誌に連載してたのなら
藍子のイジメはそっち方面からの攻撃になりそうなもんだけど。
知識を蓄えるなら、やっぱり「妻の心得」が一番なんだろうな。
そういや最近このスレでも、本編でも浦木を見ない。

878 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/08/14(土) 02:55:32 ID:yCqUckaS]
茂が服を全部洗濯されてパンイチなのは想像しやすいな。茂もってる服少ないし。
洗濯が終わってから、茂が裸なのに気づいて恥ずかしがるフミエとからかう茂とか、着ている服を洗濯するため脱がしていたら意識しちゃうとかイチャイチャしてほしい。


879 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/08/14(土) 18:30:00 ID:P86S/Sba]
女優さんの力量のせいか、フミちゃんのお母さん度が低いなぁ
なんか、子連れ再婚をして養ってもらってる男に気を使って、
子供は二の次みたいなダメ母に見えて残念

やっぱ子供産まれる前がいいわ






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