- 1 名前:しじみ ★ mailto:sage [2018/03/22(木) 21:16:49.71 ID:CAP_USER.net]
- 人混みの中にいるとパーソナルスペースがなくなり、不快な気持ちになることがあります。
さらに人混みが過剰になると、将棋倒しが発生することがあり、最悪の場合、死に至ることすらあります。 2017年にはアンゴラのサッカースタジアム、 イタリアのサン・カルロ広場、モロッコの食糧援助で大きな群集事故が発生しました。 これらの事故はとても悲惨ではありますが、科学者によると全て回避できるはずの事故だったとのこと。 現在は、群衆事故の発生を最小限に抑えるための方法を検討しているそうです。 BBC - Future - The secret science that rules crowds www.bbc.com/future/story/20180312-the-secret-science-that-rules-crowds サセックス大学で社会心理学の群衆管理を専門としているジョン・ドゥルーリー博士は 「群衆は個人と同じように心理的に特殊です」と話しています。 実際に、心理学者や災害専門家の研究によると、緊急時には集団固有の行動が現れるそうです。 例えば、2005年7月7日に起きたロンドン同時爆破事件で被害に遭った人々のインタビューによると、 群衆の間では互いに慰め合い、水を共有し、応急処置を施すなど協力関係にあったことがわかりました。 また、特殊な群衆を支配する「ルール」を知ることも重要とのことです。 パンクやメタルのライブなどでは観客同士が体をぶつけ合うモッシュがいたる所で発生します。 この集団は外から見えないかもしれませんが、ファンが踏みつぶされないように集団の中で配慮がされているとのこと。 安全管理の担当者はこの騒ぎを見ても、止めに入ることはせず、一定のルールに基づいて行われていることを理解しています。 しかし、状況の把握ができない経験の浅い警備員が対応した場合、群衆事故を引き起こすケースがあるとのことです。 1989年の群衆事故であるヒルズボロの悲劇は、イギリスのシェフィールドにあるヒルズボロ・スタジアムで発生しました。 この事故は、同スタジアムで警備経験のない警備員の誤った判断により、 観客席のキャパシティを超える観客を次から次へと入場させてしまったことで、将棋倒しを引き起こし96名が死亡しました。 ドゥルーリー博士によると「群衆事故は人災や災害以外では、通常ほとんど起こることのない稀な災害です。 それにも関わらず、メディアなどでは危険性を誇張しすぎています」と語っており、 群衆の危険性を過大評価しないことが重要であると指摘しています。メディアによる誇張により、 人々が群衆の中にいると、周囲の人がパニックになってしまうと錯覚してしまい、 自分自身も慌ててしまう可能性が高いというわけです。 ビューロハッポルド・エンジニアリングのシュリカント・シャーマ氏によると「人がとる行動はとても合理的であるため、 簡単に予測することができます。このため、人が空間内をどのように移動するか、 その行動が環境にどのような影響を及ぼすかを想像することができます」と語っています。 シャーマ氏のチームでは、風の状態からパーソナルスペース、文化的な優先傾向など、 群衆の行動に影響を与えるさまざまなデータを収集しているそうです。 そして、これらのデータを基にした独自の群衆シミュレーションソフトウェアを使用して、 さまざまなシナリオで過密状態を回避できるか検証しているとのことです。 シャーマ氏によると「私たちのデータは、常識的な考えを逸脱することがあります」と語っています。 たとえば、ニューキャッスルにある学校は廊下が細く、 学校の鐘が鳴るたびに廊下での移動が困難になる問題が発生していました。 学校側は工事コストがかかっても廊下を広くする案を検討していたようですが、 シャーマ氏のチームが出した結論は「学校のチャイムを廃止すれば良い」というものでした。 実際にチャイムを廃止する方法を採用してみたところ、廊下の混雑が見事に解消されたとのことです。 学校のチャイムがなくなることで、教師の裁量で授業時間の終了を決めることとなり、 各教室から生徒が出てくるタイミングがバラバラになりました。 この結果、生徒が同じタイミングで一斉に廊下に集まることがなくなったため、移動がスムーズになったそうです。 群衆のモデル化については、まだ考慮すべきことがあると指摘する意見もあり、 今後も群衆のモデルがさらに高度化していくことが予測されています。 また、集団心理を理解するための技術も増えているため、今後の群衆事故の減少が期待されています。 GIGAZINE https://gigazine.net/news/20180322-science-rules-crowds/
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