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ノーパン羞恥でゴ〜!! Part 2



1 名前:名無しさん@ピンキー [2006/06/27(火) 22:58:04 ID:yuzZcFzy]
漫画や小説などのノーパン羞恥シーンの情報交換から、
ノーパン羞恥SSの投下まで、
女性の恥じらう様に萌えるノーパン総合スレ。

前スレ
ノーパン羞恥でゴ〜!!
sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1005459853/

241 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2006/10/15(日) 10:15:24 ID:ais8+Sxk]
夕菜がノーパンなのを知った深雪が趣味を共有出来る存在と勘違いし、ふたりでその道に。最初は拒んでいた夕菜も、深雪に感化され徐々に快感を覚え…。

242 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2006/10/15(日) 10:59:29 ID:KFiF9jzU]
>>241
それいいな

243 名前:名無しさん@ピンキー [2006/10/15(日) 12:08:46 ID:q002DALc]
作者さん 一つ聞きたい

深雪は今ぱんつ穿いてるんですか?
それとも今では学校でものーぱんで過ごすようになってるんですか?

244 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2006/10/15(日) 16:21:05 ID:SWuBWKAP]
それは書かれるまでのお楽しみではないか。

245 名前:夕菜 mailto:sage [2006/10/16(月) 13:36:05 ID:v7LeF2XL]
 もしも世界がひとつではないのなら──
 もしもあの時、差し伸べられた彼女の手を握っていれば、私はどんな世界でどんな風に
生きていたのだろうか──

「ゆ、夕菜ちゃんっ、ほら!」
「え……?」
 私は驚いて眼を見開いた。金森に大切なところを見られてしまった絶望に、一切の思考
を停止させた私に向かって──彼が手を差し伸べてくれていた。
 金森だった。
 気色の悪い、吐き気のする男。澱んだ眼は腐った魚のようで、何を考えているのか解から
ない。こんな男に毎日背中を凝視されているのは耐えられない──そう思っていた。
 だが、私の心は、彼の意図せぬ行動に揺れ動いた。
 差し伸べられた手を握れば、私は──
 そう思った瞬間、金森が私の腕を掴んだ。思っていた以上の力でぐいと引っ張られ、
私は呆然と立ち上がった。
「ご、ごめんね夕菜ちゃん……さぁ、行こう」
「え……?」
 私は彼の言葉を測りかねる。
「こんなとこ、い、居場所じゃないよ」
 そう言った彼は、私の腕を引っ張ると、走って! と大きな声を出した。
 わけも解からず腕を引かれ、クラス中が呆気にとられている中を、数学の時と同様に──
羽山君ではなく、金森によって教室から連れ出されていた。
 金森は私の腕を掴んだまま、廊下を走った。
 乳房が揺れるのも、スカートがなびくのも気にならなかった。それ以上に、どうして
自分は金森に引かれて廊下を走っているのだろうと思っていたからだった。
 階段まで来ると、羽山君の時とは逆に、私たちは上へと登った。
 金森はひいひいと息を荒げていたが、私が彼から離れようと走っていた時と違い、足取り
はしっかりとしていた。
 それが頼もしく思えてしまったのは、どうしてなのだろう──
 屋上に通じる重たい鉄の扉の前は、少し開けた小部屋になっている。扉は施錠されて
いて、自由に出入りする事はできない。
 金森は立ち止まると、ぜえぜえと肩で息をしながら振り向いた。
「ご、ごめんね、夕菜ちゃん」
 そう言った彼に、私は強い違和感を覚えていた。
 目の前にいる少年は、間違いなく金森なのに、何かが違って感じられた。
「夕菜ちゃん……や、やっぱり怒ってる?」
 そうだ──口調だ。
 さっきも私を夕菜ちゃんと呼んだが、そこではない。
 私の知っている金森は、粘っこくて聞き取り難い、ガムを噛んでいるような喋り方をして
いたはずだった。
 しかし、目の前にいる金森の言葉は、息が荒い事もあるのだろうが、多少どもりこそする
ものの、聞きづらいわけではない。そして、どこか一本、強固な芯が通っているかのような
印象を受けたのだ。
「金森、君?」
「え、ええと……」
 私が訝しんでいると、彼は慌てたような苦笑したような顔になった。
「ぼ、僕とキミとの仲だし、助けるのは、あ、当たり前でしょ?」
──助けてくれた……そうか、助けてくれたんだ。
 そう考えて、ふと思う。
 ついさっきまでの私なら、きっとこう思っただろう──お前と私の間にどんな仲があると
いうのだ、と。
 そう思わなかった自分に当惑してしまう。
──ああ、そうか。
 いつもの眼と違う。
 確かに、いつも通りの澱んだ瞳ではあったのだが、その奥に一筋の、ぎらぎらとした強い
光が煌めいている。
「金森君……」
「だ、大丈夫だよ。僕はゆ、夕菜ちゃんの為なら、なんだってできるんだ」
「え? ──えっ!?」
 私は彼に抱きしめられていた。

246 名前:夕菜 mailto:sage [2006/10/16(月) 13:37:22 ID:v7LeF2XL]
 私は咄嗟に、彼の太り気味の身体を突き飛ばそうとしたが、予想以上の力で抱き締め
られて、身動きが取れなかった。
 あまり意識した事は無かったが、どうやら彼はかなりの腕力を持っているようだ。
 そういえば、男子たちに雑用を押し付けられて力仕事をしている事があったが、さほど
苦にせずやっているようだったのを思い出す。
 こんなところを誰かに見られたらなんと言われるだろう。金森に腕を引かれて教室から
立ち去り、人気の無い場所で抱きしめられている──まるで恋人同士のようではないか。
 羽山君の時にも勝手に想像してどきどきしていたが、今の相手は金森だ。そんなロマン
チックな感傷に浸ることなどできはしない。
「やだっ──」
 小さくうめいて抗うが、離してくれない。それどころか、さらに強く抱きしめられる。
「く、苦しっ──」
「あっ、ごめん!」
 彼の束縛が弱まり、私はするりと抜け出した。
 背を向けて息を整えようとする。階段を駆け登った疲労がまだ残っていたのに、こんな
事をされては早打つ鼓動が収まらない。
──これが、守るっていう事?
 ふと彼の言葉を思い出す。
 彼がどんな考えを抱いてこんな行動に出たのかは解からないが、少なくともあの時、
私はクラスメイトたちの好奇の視線と、淫らな言葉を浴びせられていたのだから──
 そこから連れ出すというのは、守るという事になるのかもしれない。
 けれど、私は彼に守られる事など望んではいない。
 私は独りでいい。誰の力も借りずに、独りで生きていけばいいのだ。誰かに迷惑をかける
事も、誰かを傷つける事もせず、たった独りで生きて寂しく死んでいけばいい。それなのに、
金森は私を守るなどと言う。
 差し伸べられた手を──
 私は、彼の手を握るべきなのだろうか。
 しかし、彼の手を握ってどうなるのだ。彼だって孤独ではないか。彼に頼ったところで、
何も変わらないだろう。
 それとも──
 ほんとうに彼は私を守ってくれるのだろうか。からかわれ、虐められる私を、彼は守って
くれるのだろうか。私と同じ立場にいる人間に、そんな事が可能なのだろうか。
 お似合いのカップル──なのだろう。
 私たちは、虐められっ子同士、傷を舐めあって生きていくのがいいのかもしれない。彼の
気持ちを受け入れ、彼に保護してもらって──
──あ、そうか。
 私は今更ながら、彼の気持ちを理解できたような気がした。
 彼は私が今考えていたように、同類だと、仲間だと──むしろ、彼は私よりも自分の方が
優位にあるのだと思っているのだろう──私が彼を下に見ていたように。
 更衣室から教室に戻った私がブラをしていな事に、彼はすぐに気づいただろう。その時、
彼はどんな想像をしたのだろう。もし私が彼の立場なら──
──自分へのアピール……かな。
 自分が仲間意識を抱いている相手が、自分の前に無防備な姿で現れれば、自分に都合
のいいように、自分と特別な関係になる事を望んでいると──夢想するだろう。
 だとしたら、彼の中の私は、彼と仲良くなりたがっていると考えている事になる。彼も
私と同じなら、きっと自分の世界を持っている。自分だけが干渉し、自分の思い通りに
なる世界を。
 だから、私を守ると言ったのも、私を連れ出したのも、きっと保護欲のような──いや、
もっと強い、保有欲や独占欲、支配欲の表れなのだろう。
 あの瞳の奥に見えた光は、尋常じゃない。私を自分のモノとして見ている眼だ。
 もちろん正常な人間なら、空想と現実の区別はつくし、妄想は妄想だと割り切れる。
 しかし──
「ゆ、夕菜ちゃんっ!」
「あっ──!」
 私は後から抱かれた。垂らした両腕の上から、彼の両手が、左右の膨らみを掴んでいた。
 彼の中の私は空想の産物だが、今こうして乳房を掴まれている私は現実の女の子だ。
 彼の手が激しく動き出し、乳房を乱暴に揉みはじめた。彼はどういう気持ちで揉んでいる
のだろう。羽山君も、笹野先生も、どういう気持ちだったのだろう──
 二人の顔が浮かんで、消えていった。
 私は、金森の乱暴な愛撫に、身体を火照らせていた。

247 名前:夕菜 mailto:sage [2006/10/16(月) 13:38:05 ID:v7LeF2XL]
 最初のうち、金森はブラウスの上から乳房を揉んでいたが、やがてぎこちない手つきで
ボタンを外し始めた。
 夕菜ちゃん、夕菜ちゃんと耳元で囁かれ、私は身体の力が抜けていくのを感じていた。
 ボタンが上から外されるたび、ブラウスは徐徐に開かれてゆく。
 5つめのボタンが外され、金森が肩越しに覗き込むのが判っても、私は抗わなかった。
「夕菜ちゃん、お、おっぱい……おっぱい……見てあげるよ」
 そう宣言した金森は、羽山君のタンクトップを掴んで引きずり上げる。興奮して指が
滑ったのか、右手が跳ね上げられ、乳首を掠めた。その刺激にぴくんとなってしまう。
 布地を掴みなおした金森は、一気に胸の上まで捲り上げてしまった。
「あぁ、夕菜ちゃん……おっぱいだよ」
──見られた……金森に、胸見られちゃった……。
「お、おっぱい、やっと、み、見せてくれたね……嬉しいよ」
 見せてあげたわけではない。けど、同じ事なのだろう。
 保健室のような閉ざされた場所ではない。屋上に抜ける小空間で、大きな膨らみを露に
してしまった。
 こんなところで、こんな姿になって──階下を向いているわけではないが、もし誰かが
今の私を見たら、なんと言うのだろう。露出狂、変態、色情狂、淫猥症──
 熱を帯びた身体がどんどん昂ぶってゆくのを意識してしまう。
「ち、ち、乳首……勃ってるね」
 あれだけ乱暴に扱われれば、肌も萎縮してしまう。しかし、それだけでないのは私自身が
一番解かっていた。
「ほら、こんなに……おっきいよ」
 金森が両方の乳房を下から持ち上げた。乳房がさらに大きく見えてしまう。
「おっぱい……見たかったんだ。見て、触ってあげたかったんだよ」
──してあげる……か。
 金森の言葉は、全て押し付けだった。守ってあげる、見てあげる、触ってあげる──彼の
世界での、彼と私との力関係が現れているのだろう。
「こ、ここ、触ってあげるね」
 金森の指が乳首を抓んだ。痛みに身体がびくんと震えてしまう。
「こんなに、こりこりして……気持ちいいんだね」
 気持ちいいのだろうか──判らない。痛いけど、痛みだけではない。それは性的刺激と
いうよりも、もっと別の──もっと心の奥にある、何かが刺激されているような──
「いつでも、い、いじってあげるからね。ぼ、僕がずっと、一緒にいるからね」
 いじってもらいたくなったらいつでも言うんだよと言いながら、彼は抓んだ乳首をきゅっと
捻った。
「くぅっ、ひぁ……」
「エッチ、エッチな声が、で、出ちゃってる、ね」
「ひっ、んっ、ぐっ……」
「もっと、え、エッチになりたいんだよね」
 私は金森に突起を捻られる──彼の中の私は、痛みにすら快感を覚えるエッチな子、
なのだろう。なんて身勝手で、なんて自分本位な──
 それなのに、私は──
 逃げようと思えば逃げられる。大声を上げればすぐに誰かが駆けつけるだろう。けれど、
私はどちらもしなかった。
 私を守ってあげると言った彼の言葉を信じたわけではない。信じていたら、こんな行為を
受け入れてはいない。私は今どんな顔をしているのだろう。苦痛と快楽に苛まれ、淫らな顔
になっているのだろうか。
 ここでこのまま、金森に全てを許し、全てを受け入れて、身を任せてしまうのだろうか。
──それも、いいかな……。
 どうせ私なんて、彼ぐらいにしか相手にされないのだ。
 羽山君──彼は今、何をしているのだろう。クラスメイトとともに、金森と私の事を話して
いるのだろうか。もし彼がほんとうに私を好きだというのなら──
 羽山君の顔を慌てて掻き消した。私に彼を責める権利など、想う資格など無い。
 もう、金森に全てを任せてしまおう。
 金森に私の全てを預け、彼の望むまま、彼にされるがままになってしまおう。
 自分の意思なんて持たなければいい。そんなものがあるから苦しいのだ。
 私の居場所は、そこでいい。彼の閉ざされた世界の中で生きていこう。
「金森君……もっと、して欲しい」
 身体がすっと軽くなった。束縛から解放されたようで──
 何もかもが、空虚だった。

248 名前:夕菜 mailto:sage [2006/10/16(月) 13:38:59 ID:v7LeF2XL]
 床に仰向けに寝かされた夕菜──その双眸は、虚ろに澱んでいた。
「あ、はぁっ、んぅ……」
 竜介の手が乳房を掴み、乳首を刺激する。夕菜はそれに応えて身体を奮わせる。
「あっ! ん、ふぁ……」
 竜介の唇が、乳房に触れる。舌が伸びて肌を這いまわる。
「ひゃっ、はぅ!」
 淡褐色の突起を銜えて、吸いながら舌で転がしてゆく。
「美味しいよ、夕菜ちゃんの乳首」
「ふぁ、やっ、あぁっ!」
 両方の乳首を指と舌とで責められる。
「こっちも、いいよね?」
「ひゃぅっ!」
 竜介がいきなり蕾に触れた。
「ひっ、やぅ! そこっ、ふぁあっ!」
 夕菜自身の蜜を絡めた指が彼女の一番敏感なところを撫で、くちゅくちゅと音を立てる。
 竜介の頭を抱え、刺激に全身を震わせる夕菜。大きな乳房に顔を埋めた竜介が、白い
膨らみを唾液でびしょびしょにしてしまう。
 とめどなく溢れる夕菜の蜜は、秘処の周りをぬめぬめと濡らしていた。

「夕菜ちゃん、僕もうっ……い、いいよね?」
 夕菜がこくんと頷き、竜介はズボンのベルトを外して前を開いた。
 白いブリーフが下ろされ、竜介の怒張したペニスが飛び出した。
 彼のそれは、頭の半分を包皮に覆われたままではあったが、大人の男としての機能は
じゅうぶんに備わっていた。鈴口から溢れた透明な雫が、ぽたりと垂れて床を濡らした。
「大丈夫、大丈夫だよ夕菜ちゃん」
 竜介は彼女の股を広げ、両脚を抱え上げた。
「夕菜ちゃんの、お、おまんこ……綺麗だ」
「あっ、あぁぅ……」
 硬く怒張した彼のものが、夕菜の濡れそぼった秘裂に押し付けられる。
 亀頭を剥き出しにして、幼い裂け目に潜り込む。夕菜から触れた蜜と、竜介からも溢れた
露とが混ざり合った。
「金森君、私、初めてだから……お願い」
「も、もちろんだよ。大丈夫だよ、ゆ、夕菜ちゃん」
 竜介は緊張に震えながら、位置を確認して狙いを定めた。
「い、いくよ、夕菜ちゃんっ!」
 腰を押し込む──ぬるりという感触と、強い圧迫感に、竜介は包まれた。
「ひッ、ぎぅッ!」
 夕菜は破瓜の激痛に、うめき、顔をゆがめた。
 だが竜介は、初めて味わう女性のぬくもりに我を忘れていた。
「ゆ、ゆ、夕菜ちゃん……すごい、すごいよっ!」
 少し腰を動かしただけで、今までに感じた事の無いほどの快感が打ち寄せてくる。
「ひぃッ、ひぐッ、ひぁッ!」
 夕菜は竜介の二の腕に爪を立てるが、竜介はそれにすら気づかない。
 強烈に締め付けられながら、夕菜の初めてを受け取った悦びと、込み上げる本能の
ままに、奥まで突き進んでしまう。
「夕菜ちゃ──うあぁッ!」
 竜介が先端に硬いしこりを感じた瞬間、彼はあっけなく爆発した。
 竜介は、夕菜の胎内にどくどくと精を放った。
「あぁ、ああぁ……夕菜ちゃん……」
 包まれたままの射精は、今までのどんな絶頂感よりも激しく長い、至福の時間だった。
 夕菜は激しい痛みに苛まれ、わけも解からずにじっとしていた。
 ただ、金森の恍惚とした表情から、自分の中に精を注ぎ込まれたのだろうというのは
理解できた。夕菜の両腕が、ずるずると金森の腕を伝って床に落ちた。
 竜介は肩で息をしながら、自分のものを引き抜いた。竜介の精と、夕菜の秘蜜と鮮血が
混じりあった、艶めかしい色の液体が、どろりと溢れて床に零れた。
「夕菜ちゃん……これからもずっと、いつでも、してあげるからね」

 差し伸べられた手の先には、どんな世界が待っているのだろう──

                        夕菜 ── if / another case ── fin.

249 名前:夕菜の中の人 mailto:sage [2006/10/16(月) 13:59:33 ID:v7LeF2XL]
>>238がエロゲーのバッドエンドだなぁと思いまして。

プレイヤー/主人公 羽山恭也
ヒロイン 柏原夕菜

     *    *    *

 金森の前に、M字開脚〜御開帳〜! で倒れた夕菜。
 俺はどうしたらいいんだ?
 彼女を助けるべきか?
┌──────────────
   金森をぶちのめす
   金森より先に夕菜を辱める
ィア  なにもしない
└──────────────
 ……BAD END!

って感じで書いてみたり。
この先、金森の奴隷になってあれこれさせられるのも書こうかと思ったけど、
それはスレの趣旨ともずれるし、そんな事より本編を進めるべきだろうとw

>>243
一応、今までにアップした文章に書かれているはずですが、
判り難かったかなー?
ていうか、私の文章、くどくて読みづらいですよね……。
もっとシンプルですっきりした、それでいて厚みのある文章を書けるように
なりたいものです。

そんなわけで、本編はもちろん別の展開が待っていますので、また読んで
くださると嬉しいです。



250 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2006/10/16(月) 14:58:00 ID:Nf2Ahz19]
>>249            バッドとはいえ、金森の意外な男気にGJ!

251 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2006/10/16(月) 16:07:42 ID:84yKD8aL]
羽山か女の子以外は受入拒否です。

252 名前:名無しさん@ピンキー [2006/10/16(月) 20:59:10 ID:ooWuTwxl]
BADEDで安心したw
続き楽しみにしています。

253 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2006/10/17(火) 00:13:15 ID:os2GiHeG]
gj!バッドエンド良かった!

254 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2006/10/17(火) 02:22:54 ID:lMa9ODEU]
自分はバッドエンドで軽く泣きそうになったので
本編では是非、夕菜を幸せにしてやってくれ!
つか、自分でも動揺する位いつの間にか夕菜に感情移入しててオデレータw

255 名前:名無しさん@ピンキー [2006/10/17(火) 18:50:19 ID:1RFEo/Lb]
バッドエンドでホントよかった。
正直羽山以外との絡みきつかい
幸せにしてください

256 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2006/10/17(火) 19:08:54 ID:Y9NXl5a/]
↑sageろ ここは荒れてほしくない

なにはともあれバッドエンドでよかったよ。
夕菜を幸せにしてやってくれ。

257 名前:名無しさん@ピンキー [2006/10/17(火) 19:15:08 ID:4ZAGmP4o]
ノーパン好きのみんな集まれ

258 名前:夕菜 mailto:sage [2006/10/17(火) 21:35:42 ID:9uet5Nup]
 深雪は、眼の前で何が起きている事に我が眼を疑った。彼女だけでなく、この教室に
いたほとんど全ての生徒は、何が起きたのか理解できずに硬直していた。
 昼休みに入った直後に遡る──
 昼食を摂りながら、思い思いに雑談に興じるクラスメイトたち。
「そいやさー、あの巨乳、さっきノーブラだったよな?」
 少し離れた位置にいた男子グループの一人が、そんな事を言った。
「うそ、マジ?」
「お、俺も思った」
「マジマジ! 乳首透けてたよ!」
 彼の一言が、多くのクラスメイトたちが感じていた違和感に火を点けた。
「あー、やっぱノーブラだったのか」
「透けてるってか、勃ってたな、ぜってぇ」
「あー、あたしもそうかなって思ってた」
「あたしもー」
「マジで? 全然気づかなかったよ」
「俺も気づかなかったなぁ」
 下品な笑い声に呼応するように、男子も女子も夕菜の事を口にしだした。
「水谷に指されて立った時とか、いつもよりすごい揺れてたし」
「教室に戻ってきた時もなんかいつもと違うかも? って思ったよ」
「でしょー? あれー、へんだなーって思ってたよ」
「あいつさ、体育の前はブラしてたよな」
「だよなー。なんでさっきしてなかったん?」
「着け忘れたんじゃね?」
「んなわけねーね」
「じゃあ更衣室で落として濡らしちゃったとか?」
「そういえば着替えの時、なんか遅かったよね」
「なんで?」
「知らないよ、いつも遅いから気にしてなかったし」
「だよねー。いっつも着替え最後だよね」
「乳が重くて着替えが大変なんじゃね?」
「ばっかじゃない!?」
「変態!」
「ちょっ、俺は変態じゃねぇ!」
 ほとんどのクラスメイトが、彼女の話題で盛り上がってゆく。
──これって……うちら、やばくない?
 深雪は自分たちの仕業だという事がばれてしまわないかと冷や冷やした。幾人かが自分
たちの方を窺っているのにも気づいた。
──黙ってれば大丈夫。何も言わなけりゃ気づかれないよ。
 深雪は友人たちに目配せする。グループの全員が彼女と同様に考えているようだった。
 深雪の考え通り、誰も彼女らに言及する事はなく、深雪はほっとしていた。
 しかし、クラスメイトたちが口にしないのは、深雪たちの考えとは真逆であり、誰もが
彼女らの仕業だろうと思っていたからだった。
 深雪たちのグループが普段から夕菜にちょっかいをかけているのは言うまでもないし、
体育の授業が始まる前、更衣室から最後に──夕菜よりも遅れて──出てきたのは
彼女らだった。授業が終わった後の更衣室で、なかなか着替え始めない夕菜を見ながら
くすくすと笑っているのを多くの女子生徒が見てもいた。さらに、いつもなら先頭に立って
夕菜を貶めようとする彼女たちは、誰一人として加わらず、黙黙と食事を続けている。
 深雪たちが、水着に着替えた夕菜のブラジャーを、隠すか盗るかしてしまったのだろう。
だから夕菜は、体育が終わった後、ブラを着ける事ができず、ノーブラで教室に戻って
きたのだろう──
 そう結論付けるにじゅうぶんな状況証拠が揃っていた。
 それでも深雪たちの事を誰も言い出さないのは、夕菜に対して多少の同情心はあっても、
親しみを感じている者はおらず、自分に飛び火するのを恐れたからでもある。
 男子たちの言葉はますます下品になってゆき、女子たちがそれに非を唱え始めた時──
 夕菜が教室へ戻ってきた。
「おっ、噂のウシハラが帰ってきた」
 その声に顔を上げると、深雪たちが陣取っているところのやや斜め後、後ろ側の入り口
から、夕菜が教室に入ってきたところだった。
 戻ってきた夕菜は、やはりノーブラのままのようだった。ただ、ブラウスの下にもう一枚
薄い肌着を着けているようにも見えた。

259 名前:夕菜 mailto:sage [2006/10/17(火) 21:40:11 ID:9uet5Nup]
 クラス中のほとんどの少年少女たちが、戻ってきた夕菜の胸に注目していた。
 男子たちの卑猥な言葉があちこちから上がる。夕菜の顔が真っ赤に染まっていった。
 もし自分が彼女の立場だったらと、深雪は思う。密かな愉しみを得るため、下着を着けず
登校し、それがクラス中に知られてしまったら──
──やだ、そんなの……変態って思われちゃう。
 グループの子たちからも、奇異の目で見られることになるだろう。夕菜の下着を隠して
しまおうと言い出したのは、自分にそういう趣味があるからだと知られ──
 深雪ってこういうのが好きだったんだ?
 じゃあ思い通りにしてあげるよ。
 スカート捲っちゃえ!
 へぇ〜、深雪って、こんなに毛深いんだぁ。
 もう濡れてるんでしょ?
 おまんこ、よく見えるように、机の上に座って脚広げなよ。
 言われた通りやっちゃうんだぁ? 深雪っていやらしい子だったんだね〜。
 俺にも見せろよ……うわすっげ、深雪のまんこ丸見えじゃん。
 びちょびちょだよ、ここ。見られて感じてんの?
 俺も見たい──
 あたしも見る──
──やだっ、あたし、なに考えてんの?
 自分の性癖は、誰にも知られてはいけないのだ。知られてしまうかもしれないという緊張
は、えもいわれぬ昂揚感を与えてくれるが、実際に知られてしまうのは絶対に避けなけれ
ばならない。深雪はそれを理解していた。
 それなのに彼女は、こんな事を想像して、淫らな気持ちになってしまっている。男女の
経験はまだ無いが、知識だけは豊富に詰まっている。
──お兄ちゃんの所為だ……。
 兄に責任を転嫁したとき、夕菜の後から、竜介が入ってくるのが見えた。
 タイミングが悪いのか良いのか──夕菜は彼に気づかず、真っ赤になった顔を俯けて
教室から飛び出そうとし──ぶつかった。
「わあっ!」
「きゃっ!?」
 夕菜の身体は反動でよろめき、すっと腰が落ちる。
 プリーツスカートがふわっと広がり、夕菜の白い太腿が晒され──
──あっ……!
 深雪は、身体の芯まで凍りつくような感覚に襲われた。
 尻餅を着いた夕菜は、両手を後に着いて転倒こそ免れたが、三角座りのまま両脚を開い
てしまっていた。
──M字……。
 兄の成人向け漫画雑誌によく描かれている格好だった。
 夕菜のスカートは脚の根元まで捲れ、竜介の位置からは──
──見えちゃってる!?
 断言はできない。しかし、あんな目の前ならば、おそらくは──深雪は夕菜に自分を重ね
合わせて震えてしまう。
 夕菜が脚を閉じ、手でスカートを抑えてぺたんと座り込んだ。彼女もまた震えていた。
「リュウ、おっせーよ! ちゃんと買ってきたか?」
「ぶつかってんじゃねーよ、パン潰れるだろ!」
 深雪とは教室の対角線上にいた男子たちが、竜介を怒鳴りつける。竜介は、もごもごと
聞き取り難い声で、ごめんと呟いた。
「お前わざとぶつかったんじゃねーの?」
「ノーブラ巨乳の感触はどうよ?」
 野卑な言葉が飛び、あちこちから嘲るような失笑が上がった。
 夕菜が倒れたのは教室の一番後ろ、入り口の手前だ。深雪と彼女のグループ以外の、
ほとんどの生徒には、机や椅子、他の生徒たちの姿で視線を遮られ、夕菜がどんな姿
だったのか判っていなかった。
 突っ立ったままの竜介もまた、眼を白黒させて呆然としている。
「ゆっ、か、かっ、ぼ、ま、まっ……」
 だが、竜介は、どもりながらふらりと身体を揺らしたかと思うと──
──えっ!?
 深雪は自分の眼を疑った。
 深雪と同じグループの少女たちもまた、呆気にとられてただ眼を見開くばかりだった。
 竜介は、夕菜を床に押し倒した。



260 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2006/10/17(火) 21:43:08 ID:1RFEo/Lb]
sageたと思ったんだがsageてなかった。すまない。吊ってくる

261 名前:名無しさん@ピンキー [2006/10/17(火) 22:26:49 ID:PGw6EEcR]


金森が 深雪に 復讐のレイプ をする エンディング クルーーーーーーーーーーー


  

262 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2006/10/17(火) 23:14:20 ID:8hPzotRR]
深雪たんも ひどいめにあっては いけません

改心 羞恥 の流れへ

263 名前:夕菜 mailto:sage [2006/10/18(水) 12:16:54 ID:A4c4a9r7]
 ごつっ、と鈍い音がした。
 竜介までもが視界から消え、離れた位置にいた数人の生徒たちが、どうしたんだと言い
ながら立ち上がった。
 それを見た全員が息を呑んだ。
 竜介が夕菜を押し倒し、仰向けになった彼女の乳房を鷲掴みにしていた。はぁはぁと息を
荒げて、澱んだ眼を剥いていた。
 夕菜はぐったりとしていた。後頭部を打ち、気を失っている。
「え、なに?」
「どうしたの?」
「なんだぁ?」
 教室の後で何が起きているのか確かめようと、次々に生徒が席を立つ。
「やっ──」
「きゃっ!?」
 数人の女子生徒が悲鳴を上げた。
──え? やだ、なに? なにこれ!?
 深雪は我に返った。
 さっきまで彼女は、夕菜が戻ってきたら意地の悪い事をして恥ずかしがらせてやろうと
思っていた。しかし、さすがこんな場面を目の当たりにしてしまっては、そんな気は吹き
飛んでしまっている。
 だが、何故竜介はこんなところで夕菜を押し倒したのか、自分は何をすればいいのか
さっぱり解からず、おろおろするばかりだった。
「ん……ひッ!?」
 夕菜が、声にならない悲鳴を上げた。
 意識を取り戻した彼女は、自分の置かれた状況に、恐怖で身体を震わせた。
 竜介から逃れようと身を捩って抗うが、彼は夕菜の肩を押さえつけて封じてしまう。
 もがく夕菜の脚が床を蹴り、白い太腿が露出する。
 このままでは、夕菜はレイプされてしまうのではないだろうか。クラスメイトの面前で、
竜介は夕菜を好き勝手に弄んでしまう──そんな光景が深雪の頭を掠める。
「やだっ、嫌ぁッ!」
 夕菜が叫んだ。
──やばいよ、これ……。
 深雪は夕菜の事を心底嫌っていたわけではない。このクラスの誰もがそうだった。
 彼女たちにも、なにかとストレスは多い。気の合う仲間と遊んだりお喋りをする事で
それを紛らわすが、最も刺激的な手段のひとつは、誰かを攻撃する事だ。
 気の合う仲間同士で、嫌いな人の名前を挙げて話に花を咲かせていると、大して嫌い
ではない相手であっても、相乗効果で加速してしまい──最悪の場合、虐めへと発展
してしまう。
 最初はもちろん後ろめたさを覚えるだろう。だが、幾度となく繰り返される事で薄らい
でゆき、周りにも浸透してゆくと、個人が感じるそれはますます軽くなる。
 対象は孤独であればあるほど良い。一方的に攻撃できるからだ。対象が仲間を持って
いる場合、反撃される恐れもある。
 夕菜は小学生の頃から孤独で、虐めの対象になりやすかった。彼女の性格や態度に
問題が無いとは言えないが、かといって夕菜だけが責められるものではないだろう。
 深雪は小学生の夕菜を知らない。仲良くなった子が、夕菜はむかつく、あんな奴と同じ
クラスだなんてと言った、それだけで夕菜を虐げるようになったのだ。
 そんな深雪でも、心が揺さぶられていた。
 早くなんとかしないと、とんでもない事になってしまうかもしれないと焦る。と同時に、
夕菜を助ける事で、クラスでの、グループでの自分の立場が悪化するのではないかとも
思ってしまう。
 それもまた、深雪だけではなく、クラス中の誰もが同じだった。
「たすけ……はやっ、……くん……」
 途切れ途切れの夕菜の言葉を、深雪はよく聞き取れなかった。
 がたんと、椅子の倒れる音が響いた。
 深雪の視界を人影がよぎる──
 恭也だった。
 彼は立ち尽くす生徒たちを押し退け、真っ直ぐに二人の傍へと進み──
 恭也の爪先が、竜介の喉元にめり込んだ。
 竜介は蛙が潰れたような声を出して仰け反った。
 さらに、側頭部へ──竜介の身体がくるりと半回転し、ロッカーに叩きつけられた。
 ずるずると崩れ落ち、口から涎を垂らして痙攣していた。

264 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2006/10/18(水) 12:24:04 ID:xsX0exAp]
金森は死んだカエルみたいな奴だな
蛇のような執念、怨念を見せる恐怖の展開へ逝きましょうよ

265 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2006/10/18(水) 13:15:09 ID:HHXrDHWo]
>>264          凌辱スレで言ってくれ

266 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2006/10/19(木) 00:44:56 ID:8ibx8M+z]
羽 山君キターッ

267 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2006/10/19(木) 02:06:41 ID:4F8qcZDV]
はっやっまっ!
はっやっまっ!!

268 名前:名無しさん@ピンキー [2006/10/19(木) 15:00:11 ID:D4gRvelY]
羽山が深雪のパンティを

269 名前:夕菜 mailto:sage [2006/10/20(金) 00:11:10 ID:uWfKluh2]
 大丈夫、大丈夫だよきっと。今までも大丈夫だったもん。今日だって大丈夫。
 あそこがすーすーするよぉ。どきどきしちゃう。
 靴を履いて──玄関のドア、重たいなぁ。
 外に、出ちゃった──うわぁ、やっぱり恥ずかしい……。
 あたしパンツ穿いてないし、スカートこんなに短い──捲れたらどうしよう。
 そうだ、ちゃんと鍵かけなくちゃね──これでよし、っと。

 どきどきする──こんな事しちゃダメって解かってるのに、なんでしちゃうんだろ。
 やだ、先っぽがつんってしちゃってる。ブラしてないのに──だって、ブラって痒いし
苦しいし、嫌なんだもん。しかたないよ。でもつんってしてるの見えちゃうかなぁ。エッチ
になってるって、ばれちゃうかなぁ。
 おっぱい膨らんできたし、時々男子に見られてる……エッチな事考えてるのかなぁ。
 お兄ちゃんのエッチな本に載ってるような事……男子も考えてるのかなぁ。
 あたしがエッチな事するの、想像してるのかなぁ。あたしにエッチな事するの、想像して
るのかなぁ。裸にされて、おっぱい揉まれて、さきっぽくりくりって──
 やだっ! あたしこんなとこで胸触ってる!
 誰もいないよね? 見てないよね?
 良かった……外で胸いじってるなんて、あたしエッチだぁ。いじってるところ見られたら、
襲われちゃうのかな。お兄ちゃんの漫画みたく、レイプされちゃうのかな……。
 それはやだな……怖いよ。
 こんな事しなければいいのに……でも、どきどきするのが癖になってるんだもん。
 あっ、誰かいる。こっち見てる──変な人じゃないよね? 怖い人じゃないよね?
 だんだん近づいてくる──どうしよう、変質者だったら、襲われちゃうかも……。
 あとちょっとで、擦れ違う──お願い襲わないで……。
 通り過ぎた。足音、離れてく──よかったぁ、変な人じゃなかったみたい……。
 時々テレビでやってる。レイプとか、誘拐とか──あたしもされちゃうのかなぁ。
 お兄ちゃん、そういうの好きなのかな……。
 女の子を誘拐して、襲って、犯して、奴隷にしたいのかなぁ。
 そんなの犯罪だよ、しちゃダメだよ、お兄ちゃん!
 したかったら、あたしで──あたしは、お兄ちゃんになら、そういう事されても平気……。
お兄ちゃんになら、犯されてもいいよ。奴隷にされたら、御主人様って呼ぶんだ。
 お兄ちゃんの……おちんちんも、ぺろぺろしてあげるよ。
 この前、なかなか起きないお兄ちゃんのおちんちん、おっきくなってたから……しちゃおう
かなって思った──うぅん、しなかったよ。兄妹でエッチな事はしちゃダメだもんね。

 あ、あそこ、濡れてるかも──エッチな事考えてたからだ……。
 もう公園まで来ちゃってた──考え事してると早いよね。
 どうしよう……あたし、すごいエッチな気分になっちゃってる。
 しちゃおうかな、独りエッチ……。
 ダメっ、外でそんな事するなんてダメだよ。見られたら恥ずかしいし……。
 でも……今だってすごい恥ずかしい。さきっぽつんってなって、スカートこんなに短くて、
パンツ穿いてないし、あそこ、濡れちゃってるし……。
 トイレに入っちゃえば解からないよ。今誰もいないし、きっと誰も来ないよ。
 鍵もちゃんとかかる──大丈夫、ばれないよ。
 スカート捲って──あっ、やっぱり濡れてる……いっぱい濡れちゃってるよぉ。
 あたしのあそこ、ぬるぬるになってる──パンツ穿かずに公園まで来て、ここ、おまんこ
濡らしちゃってる……エッチな子だよぉ。
 ああぁ、気持ちいい、どうしよぉ……指が止まんないよぉ。
 ダメ、こんな事──やめなくちゃ、やめないと、見つかっちゃう、レイプされちゃう……。
 でも止まらないよぉ──すごい気持ちいい、どうしよう、どうしよう!
 くちゅくちゅって音がしてる。エッチな音、あたしのエッチな音──気持ちよくて、すごい
気持ちよくて、もっと、もっと気持ちよく──
 なにこれ? 何か来る! これなにっ?
 あっ、ああぁっ、お兄ちゃんっ──!

 すごい……すごかったぁ……今のが、イくっていうの、かな……。
 あたし、イっちゃったんだ……こんなとこで……。
 あたしって、ほんとにエッチな女の子だ……。

                          深雪 ── two years ago ── fin.



270 名前:夕菜の中の人 mailto:sage [2006/10/20(金) 00:15:15 ID:uWfKluh2]
ふと思いついたので書いてみました。
タイトルは、「深雪〜初めての絶頂〜幼い少女の秘密なお散歩」って感じでしょうかw

271 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2006/10/20(金) 00:29:37 ID:+AQv9bsp]
この変態めw

272 名前:夕菜 mailto:sage [2006/10/21(土) 12:08:14 ID:AnoYNv83]
 ぐぇっという奇妙な音がして、私に圧し掛かっていた金森の身体がふわりと宙に浮いた。
 黒い風が私の頭上を通り過ぎ、直後、がしゃんという大きな音がして、金森は動かなく
なった。
「立てる?」
 いつも通りの、淡々とした声だった。
 けれど、私を見る羽山君の眼は、春の日差しのように温かだった。
──羽山君……助けてくれたの? なんで……?
 身勝手なのは解かっていた。それでも、彼の名を呼んでしまっていた。
 震えて声にならなかったというのに、彼は助けてくれた。
──なんで、なんで私を……。
 信じてもいいのだろうか。あの言葉を、信じてもいいのかもしれない。
 差し伸べられた手を──
「うん……」
 私は差し出された手を握った。
 彼の掌の温もりが心地良い。羽山君が、優しく微笑んでくれたように見えた。
 ぐいっと引っ張られ、私は立ち上がった。
「怪我は無い?」
「うん、大丈夫」
 まだ頭や胸がずきずきと痛んだが、大した事はない。
「そう。よかった」
 彼が指の力を抜いた。
──離したくない。
 ずっと握っていたかった。
──でも、離さなくちゃ……。
 手を離すと、彼は私の制服についた埃を払ってくれた。スカートも払われ、恥ずかしくて
びくんと震えてしまった。
「ありがとう」
「ん」
 足元に金森が転がっていた。
 金森は横倒しになったまま痙攣していた。口からは涎も垂らしている。
──まさか……?
「平気だよ、これぐらいじゃ死なない」
 私の心配を悟ったのか、羽山君はそう言って、金森の腹に軽く蹴りを入れた。
 ぐうっとうめいた金森は、げほげほと咳をした。
「けっこう頑丈だし、こいつ」
 そうかもしれない。意外に腕力があるのは今ので判ったし、しぶとい男なのだろうと思う。
「ちょ、羽山!」
「恭也すげーじゃん」
「何したの? よく見えなかった」
「羽山君かっこいい!」
 クラスのあちこちから声が上がった。何人かは駆け寄ってきて彼の健闘を称えた。
「大した事じゃないって」
 彼はそう言って軽く笑った。
 床に顔をつけてもぞもぞと動いている金森を見下ろす。
 見られてしまったのだろうか。こいつに、秘処を見られたのかもしれない。
──それで、こんな事を?
 彼は私のそこを見てしまい、理性の糸が切れてしまったのだろうか。
 私に覆い被さってきた彼の目は、尋常ではなかった。濁った瞳がぎらぎらと鈍い光を
放ち、奥にはどす黒い靄が渦巻いていた。
 彼のような男は──私が自ら晒したのだと考えるのかもしれない。彼のような自分の
世界だけで生きているような男は、きっとそんな風に勝手に解釈して行動するのだろう。
 クラスメイトの言葉を浴びた時、一瞬でも金森なんかに助けを求めてしまった自分が
恥ずかしくて──
──私っ……!
 安堵感に忘れていたが、今の自分の格好を思い出した。
 私は今、ブラも着けていないし、ショーツも穿いていないのだ。こんな近くでクラスの
みんなに見られるのは、あまりにも恥ずかしい。
 こっそりと教室を出よう。
「あれ? 柏原さん──」
 クラスメイトの声が聞こえたが、私は無視して廊下へ出た。

273 名前:夕菜 mailto:sage [2006/10/21(土) 13:02:52 ID:AnoYNv83]
 私は人の疎らな廊下をトイレへと向かった。
 ポケットに手を入れると、そこにはちゃんとショーツが収まっていた。
──あった……よかった。
 さっきの混乱で、ポケットから落ちてしまっていたらどうしようかと思ったが、天も
そこまで見放してはいないようだった。
 これを穿けば、少しだけ安心できる。ブラは無いけれど、服を脱がされない限りは、
胸を見られてしまうという事は無い。ショーツがあれば、スカートが捲れても──
 トイレの入り口で、他のクラスの女子と擦れ違った。緊張したが、彼女は何も言わずに
去っていった。
──よかった。
 気づかれなかった。
 一番奥の個室に入り、ドアを閉めて鍵をかける。
 とはいえ、やはりブラを着けずに教室に戻るのは恥ずかしい。私がブラをしていないと、
みんなが知っていた。このまま戻れば、また好奇の視線に晒される事になるだろう。
──もう、諦めよう。
 彼女らが下着を返してくれない限り、帰宅するまでこのまま耐えるしかない。
 今はせめて、ショーツだけでも──
──その前に……しちゃおっと。
 私はスカートを捲り上げ、和式の便器を跨いだ。
 まだ少し頭が痛い。くらくらする。
 金森に押し倒されて頭を打ち、私はしばし意識を失っていたようだったが、失禁して
しまうなんて事態にはならなかったようだ。もしそんな事になっていたら──
 頭を振って想像を追い出す。考えたくもなかった。
──トイレする時って、心細いなぁ。
 腰までスカートを手繰り上げた私は、お尻を丸出しにしているのだ。もちろんそうしな
ければ用を足す事ができないし、皆がそうしているのだけれど──
──やっぱり、見られちゃったのかな……。
 しゃがんで腰を落とし、下腹部を弛緩させる。
 身体の中から溢れ出す感覚とともに、ちょろちょろと尿が滴った。
 用を足している時というのは、ぼーっとして何も考えていないのだなと、改めて思う。
 体育の前にもトイレに入ったからだろう、思ったほどは出なかった。
 ロールペーパーを千切って拭いた。
──羽山君……。
 彼の指を思い出す。ハンカチでそこを拭いた彼──
──助けてくれた……。
 彼は、保健室であんな態度をとってしまった私を助けてくれた。
 もし私が彼の立場なら、私は助けたりなどしなかっただろう。自分は相手に嫌われたの
だから自分が助けても喜ぶはずは無いと、誰かが止めるのを待っただろう。
 けれど、私はまた羽山君に助けられた。
 今日まで彼は、私に興味があるような素振りなど全く見せなかった。でもそれは、彼も
やっぱり他のクラスメイトたちと同じ、中学一年生の少年だったという事なのだろう。
 私に気があるような態度をとれば、周りから白い眼で見られてしまうに違いない。それを
恐れていたのだとしても、私は彼を責める事などできはしない。
 どうしてもっと早く手を差し伸べてくれなかったのか──そんな、自分本位な気持ちを
抱くのはやめにしよう。
 彼の想いを素直に受け止めて──いや、自分の気持ちに素直になろう。
──羽山君……私は、あなたが好きです。
 私は羽山君が好きだ。彼が迷惑だと思わないのなら、ずっと一緒にいたい。いつも一緒
にいて──何もしなくたっていい、ただ一緒に、同じ時を過ごしたい。
 顔が熱くなってしまう。
──恥ずかしい……。
 個室でしゃがんだまま、私は何を考えているのだろう。吹き出してしまいそうだった。
 私は立ち上がり、ポケットに手を入れた。
 丸められた布を握って、引っ張り出す──
 ぺちゃ、という小さな水音がした。
 足元を見ると、丸まった白い布が便器の中に落ちていた。
──えっ?
 私は目を疑った。手には柔らかな布をしっかりと握っているというのに──
 手に握られていたのは、ハンカチだった。
 便器に落ちたショーツは、出したばかりの尿を吸って、薄い黄金色に染まっていた。

274 名前:名無しさん@ピンキー [2006/10/21(土) 13:29:48 ID:0Fi7nJHO]
ここから金森が復活して追い掛けてくるのか・・・

夕菜が可哀想になってきた
羞恥よりも不運、恐怖、不安が目立ちすぎる

275 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2006/10/21(土) 14:01:50 ID:+L5H+i2B]
>>274
作者さんも別の展開にするって言ってることだし、
これだけ夕菜の幸せを願う人がいるわけだから、悪い事にはならない筈だ。

276 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2006/10/22(日) 07:56:41 ID:+UisQhJE]
助けに来てくれると信じてたよ羽山くん

277 名前:夕菜 mailto:sage [2006/10/23(月) 21:07:45 ID:99tAxEWO]
 この世に神様がいるとしたら、私の事など見守ってはくれないのだろうか。
──どうしよう……。
 泣いてしまいたくなった。
 せっかく笹野先生が貸し出してくれたのに、こんなあっけなく役目を終えてしまった。
 呆然としていても始まらない。私はまだ濡れていないところを抓んで持ち上げた。
 ぽたぽたと汚水が垂れる。汚物入れに捨ててしまおうかとも思ったが、これも学校の備品
なのだし、勝手に捨てるのはまずいだろうと思い止まる。
 洗って返すべきなのだが、どうやって──
 今なら、トイレには誰もいない。他の個室も空いていたし、私が用を足している間に
誰かが入ってきた様子も無い。まだ昼食を摂っている子がほとんどだろう。
──今のうちに……。
 私は、水の滴るショーツから少しでも水分を抜こうと、ロールペーパーで拭いてみた。
雫が垂れる事はなくなったが、それでもかなりの汚水を吸っている。
──自分のおしっこでも……やだなぁ。
 それに、一年生だけでも、百何十人もの女子生徒がいるのだ。そんな大勢の排泄物を受け
止める便器に落ちたものを、素手で洗わなければならないと思うと気が滅入る。
──洗った後、どうしよう……。
 しっかり絞っても、湿ったまま穿くなんて考えられない。どこかに干せるわけもないし、
机の中や鞄の中に仕舞うのは問題があるだろうし──
──あ、あるじゃん。
 体育は水泳だったのだ。水着やタオルを入れるバッグなら、濡れていても平気だ。
 しかし、絞ったショーツを教室まで持っていかなければならない。小さく丸めても、
私の手にすっぽり収まるほどにはならない。
──ハンカチで包めば……。
 教室まで行く間なら、ハンカチで包み、ポケットに入れておいても、スカートまで染みる
事はないかもしれない。
──うん、そうしよう。
 急いで水を流し、誰かがいきなり現れない事を祈って個室を出た。
 大丈夫だ、誰もいない。
 私は洗面台に駆け寄り、蛇口を捻った。ハンドソープを少し出して、ショーツに染み込ま
せる。ばしゃばしゃと音を立てながら、さっと洗う。
──誰も来ないで、お願い……。
 願いも虚しく、複数の女子生徒がトイレへと入ってきた。
──気づかないで、ほんとに、お願いだから!
 大丈夫、気づきはしないはずだ。じっと見られない限り、私がショーツを洗っているなど
とは思われないだろう。ハンカチかタオルでも洗っているのだと思うだろう。
 彼女たちは何やら話しながら私の後を通り過ぎ、それぞれ個室に入っていった。
──よかったぁ……って、また来たぁっ。
 安堵するのも束の間、また別の女子生徒が現れる。私は身体を屈め、手元が見えないよう
にする。
 その子もまた、こちらの事など気にも留めずに個室へと入っていった。
 もし私が洗っているのがショーツだと判れば、私が粗相をしたのだと思われてしまう
かもしれない。中学生にもなって、トイレを我慢できない、恥ずかしい子だと思われて
しまうかもしれない。
 小さい方ならともかく、大きい方だと思われたらもっと大変だ。そんな噂が広まったら、
私は今まで以上に肩身の狭い思いをしなくてはならないだろう。
──スカトロ……。
 そんな言葉が浮かぶ。
 世の中には排泄物で性的に興奮し、欲情する人たちがいるという。ただ見るだけでなく、
互いの排泄物を掛け合ったり、頬張ったりする事もあるらしい。汚物と悪臭にまみれて
恍惚を得るのだそうだ。
 そんなもののどこが良いのか解からないが、性的な嗜好も十人十色なのだろう。私だって
人の事は言えない──校内だというのに羽山君に責められ、保健室では自慰もしてしまった。
同性の笹野先生にも──
 水泳が終わってから、いろいろ起こりすぎて感覚が麻痺してしまいそうだった。
 これだけ濯げば大丈夫だろう。ショーツをぎゅっと絞る。あまりきつく絞ると型崩れして
しまうかもしれないが、そんな悠長な事は言っていられない。ショーツをハンカチで包み、
スカートのポケットに押し込んだ。嵩張るが仕方が無い。
 私は結局、さっきまでと何も変わらない心細い姿のまま、教室へ戻る事になった。
 しかし、誰にも気づかれずにバッグに入れるにはどうすればいいのだろう──

278 名前:夕菜 mailto:sage [2006/10/23(月) 21:25:35 ID:99tAxEWO]
 結局良い案は何も浮かばない。羽山君に助けられたて喜んだのも束の間、こんな事に
なってしまうとは思いもしなかった。
 迂闊な自分を悔やみながら、私は教室へ戻った。
 何人かの生徒がちらちらと眼を向けてくる。あいつやっぱりノーブラだ、と確認されて
いるようで恥ずかしい。
 私が羽山君に──階段で、保健室で、彼に責められた事を、みんなが知っているのでは
ないかと思ってしまう。
 だとしたら、私はどう思われているのだろう。学校で身体を弄ばれ、刺激に身を震わせ
ている淫らな子だと思われているのだろうか。だから金森は私に襲い掛かって──
 ふと気づく──あいつの姿が見えない。私のすぐ後が金森の席だが、小太りの身体が
見えなかった。もちろん教室の入り口で横たわってもいない。
 クラスメイトたちの面前で私を──犯そうとしたのだろうか。理性が切れて我を忘れて
しまったのだろうか。あの時の金森の眼は、狂気に満ちていて、とてもまともな人間の
ものとは思えなかった。
 でも、羽山君が助けてくれた──
──あれ? いない……。
 羽山君の姿も見えない。金森を職員室にでも連行していったのだろうか。それにしては、
クラスの雰囲気がいつもと大差無いように思える。それとも、私がいない間に彼らの興味
は他へ向いてしまったのだろうか。
 自分の机の上には、数学の教科書とノートが開かれたままになっていた。
 席に着いてそれらを仕舞う。
──今なら……。
 ポケットに手を入れる。
 みんながまだ食事をしている間に、水泳のバッグにショーツを入れてしまおう。みんなが
食事と雑談に夢中でいる今なら、きっと気づかれない。
 ポケットの中で握り、なるべく不自然にならないようにそっと引き出す。
──机の下だし、大丈夫。
 そう言い聞かせて身を屈め、バッグの口に手を伸ばす──
「柏原さん、大丈夫?」
──ッ!
 慌てて手を引っ込めた。
 いつもは話し掛けてくることの無い、斜め前の席の少女がこちらを向いていた。
──こんな時に……。
「あいつ、どっか行っちゃったけど」
「え?」
「金森。みんなに笑われて、顔真っ赤にして出てったよ」
 ショーツを握った手を机の下にしたまま、身体を起こす。緊張して目を合わせられない。
「ほんとに、大丈夫?」
「別に……平気だけど」
「そう? でも驚いたぁ。あんな事するなんてね」
 私が素っ気無いのはいつもの事だが、今はいつも以上に気の無い声に聞こえるだろう。
 彼女は、私がショーツを握っている事に、気づいてはいないようだ。だが、このままでは
いずれ気づかれてしまう。握ったままでいるわけにはいかない。
「なんかふざけて、って感じじゃなかったじゃん」
「あいつおかしいって思ってたけど……ねぇ?」
 彼女と一緒に弁当を食べていた他の子たちも混じってくる。
「あいつ絶対そのうちこういう事すると思ってたよ」
「だよねー。将来絶対あれ、レイプとかして捕まるって」
「えー、犯人の金森竜介は、中学時代、教室でクラスメイトの少女に乱暴を働こうとした事
があります。その時は、別の男子生徒が止めに入って事なきを得ましたが──」
「また始まったよ、千華のワイドショーごっこ!」
「ええ、はい。驚きませんでした。あの人ならきっとやると思っていました──彼を知る
同級生の女性は、そう語ります──」
「あははっ、ありそー!」
「お前らレイプとか何言ってんだよ」
「うるさいなー、関係ないじゃーん」
「つーか誰がお前らなんか襲うんだよ」
「ちょっ、失礼な!」
 盛り上がる彼女らの話に、近くにいた男子までもが加わって、私は眩暈すら覚えていた。
 これでは、ショーツをバッグに仕舞う事などできそうもなかった。

279 名前:夕菜 mailto:sage [2006/10/23(月) 21:26:48 ID:99tAxEWO]
 大勢の生徒たちがこちらを見ている中では、ポケットに戻すのも難しい。
──机の中なら……。
 自分の身体もあるし、気づかれ難いだろう。ショーツを入れては、教科書やノートまで
湿ってしまうかもしれないが──他に手段が無い以上、どうしようもなかった。
 気取られぬように机の中に手を入れ、一番奥にショーツを押し込み、直接触れないように
位置を工夫する。
──大丈夫、誰も気づいてない……。
「羽山君すごいよねー」
 唐突に彼の名前を耳にして、びくっと震えてしまう。
 助けてくれた彼は──たとえその相手が私なんかでも、彼女らにとってみればヒーロー
のようなものなのだろう。
「ほんと! やっぱりかっこいいよ〜」
「あれ、なにしたの? あたしよく見えなかったけど」
「蹴ったんだよ、キックキック! すごかった〜」
「喉に爪先めり込んでたよな。追い討ちのローキックもすげー」
「あいつ何者だよ?」
「あんたらとは大違いだね」
「うっ、うるさいなぁ!」
「なんにもできなかったくせにー」
「ねー。男の癖に女子も助けれないなんてさー」
「べ、べつに、柏原なんか──」
 どうなってもいい、助ける必要なんかない──とでも続けるつもりだったのだろう。
 だが、さすがに、一応は被害者である私を前に、言い澱んだのだろう。
「つ、っつーか、あいつはどこ行ったんだよ」
「そうそう、リュウどこ行ったん?」
「知らないよそんなの、どーでもいいじゃん」
 確かにどうでも良い。そんな事より──こんな格好でいるのが嫌だった。
 いつもなら私などに構いもしない子たちが、私の周りで盛り上がっている。囲まれている
わけではないし、皆が私を見ているわけでもない。
 それでも、ブラを着けていない、ショーツも穿いていない時に、すぐ近くに人がいると
思うと、恥ずかしくて顔から火が出そうだった。
 きっと何人かの生徒は、私の胸を見ているのだろう。いくら羽山君のタンクトップがある
といっても、ブラジャーほどには隠してくれない。
 そう意識すればするほど、身体が火照り、スカートに直に触れている秘処までもが、熱く
潤ってくるような気になってしまう。
 ブラを着けていないのは、もうみんなに知られてしまっている。どうしようもない。
 だが、ショーツはまだ知られていないはずだ。気づかないで欲しい。お願いだから気づ
かないでもらいたい。
 そのためには、私は極力平静を装うのが良いのだろう。胸を見られてもそうと意識せず、
いつもの事だと思っていれば良い。そう、いつもの事なのだ。
 いつもはブラを着けていて、今は着けていない、それだけの違いだ。たったそれだけの
違いなのだ。
 けれど、その違いは、あまりにも大きすぎる。ほとんど膨らんでいなければ──小学生
の頃、まだ胸が膨らむ前は、こんな気持ちにはならなかった。
 いや、小さければ小さいで、早く大きくなりたいと思うのかもしれない。実際、ほとんど
胸が膨らんでいない子が、そう言っているのを聞いた事もある。
 大きくたって良い事なんて無いのにと思っていたし、今もそう思う。
──でも、羽山君は好きだって言ってくれた……。
 それがせめてもの慰めかもしれない。
 いや、しかし──もし私の胸が平均以下だったなら、きっとこんな目に合う事は無かった
のだろう。けれど、もしそうだとしたら、羽山君から好かれる事も無かったのだろうか。
──こんな事考えても、意味ないか。
 周りにいる子たちは私の話題から離れ、好きなアイドルグループの話や、ファッションの
話へと変わっていた。安堵するとともに、空腹感が込み上げてきた。
 バッグから弁当を取り出し、机の上に広げる。仕事で忙しい母親が作ってくれる弁当は、
いつも朝食とほとんど同じメニューだった。
 心の中で手を合わせ、いただきますと呟いてから食べ始めた。
 ふと思う──食べ終わった弁当箱に、洗ったショーツを隠すというのはどうだろう。
 ダメだ──私は即座に否定する。トイレに落とした下着なんて、入れるものじゃない。
 ひとつ大きな溜め息をついて、梅干しを口に運んだ。強い酸味が心地好かった。



280 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2006/10/24(火) 00:05:19 ID:XgVwyY8N]












K

281 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2006/10/24(火) 00:46:01 ID:62d7NSTL]
マムコ見ちゃったシーンを金森視点で読みたい……

282 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2006/10/24(火) 23:01:22 ID:YBRpMYs9]
アレは金森の妄想で未遂ってことか?
夕菜、羽山と幸せになって欲しいぜorz

283 名前:名無しさん@ピンキー [2006/10/24(火) 23:26:40 ID:XgVwyY8N]
おまえらの思い通りにはならないw

284 名前:名無しさん@ピンキー [2006/10/25(水) 02:18:13 ID:qqe+wPiw]
無料携帯アダルトwebゲーム
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285 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2006/10/25(水) 19:15:40 ID:f+Ec66Wz]
単純に小説として楽しい
応援してます

286 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2006/10/26(木) 03:02:37 ID:s04zRSVy]
個人的には間延びしてきた感があるなぁ
おもしろいしケチつける気はないんだけど、
楽しみにしてるからこそまとめて投下してくれると嬉しいかな
専スレみたいになってるのはいかがなものかと

287 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2006/10/26(木) 22:05:16 ID:dbUz7Dfa]
数日に一回の投下で専用化してしまう現状に涙する

288 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2006/10/27(金) 02:01:18 ID:O2U1UYvK]
若人が続いて 新たな投下をすればよい

289 名前:夕菜 mailto:sage [2006/10/27(金) 03:26:04 ID:BYZZgBHb]
──羽山君……どこ行ったのかなぁ。
 彼の席に目をやると、食べかけのままの弁当が広げてある。
 その周りにいる数人の男子たちは、ゲームか何かの話をしている。彼らは羽山君がどこ
へ行ったのか知っているのだろうか。
 私の近くにいる子たちも知らないようだった。彼の事だから、誰にも言わずにふらっと
出て行ったのだろう。どこへ行くのか聞かれても、ちょっとね、とだけ残して行ってしまう
のだ。そんな光景が容易に浮かぶ。
 大勢で盛り上がって騒ぐような事はない彼だが、私と違って孤立しているわけではない。
それなりに親しい友人もいるようだし、そうでないクラスメイトともごく普通に会話を
している。私のように、親しい友人もおらず、会話もほとんどないような人間とは違う。
 私もそういう付き合い方ができれば良いのかもしれない。けれど、そのためには、自分
独りではどうしようもないと思う。自分がいくら回りに声をかけたとしても、相手がそれ
を好ましいと思わない以上、逆効果になるだろう。
 ならば私は、独りで構わない──そう思っていた。
──羽山君……。
 胸がどきどきする。彼の事を想うと、落ち着かない。
 彼に触れられた膨らみが、突起が熱を持ち、下腹部からもやもやと沸き立つ気持ちが
抑えられなくなる。
──こんな格好なのに……。
 乳首が硬くなっていくのが判る。彼のタンクトップを内側から押し上げてゆく。
 周りに人がいるというのに、教室でクラスメイトの視線に晒されているというのに、その
気持ちを抑える事ができなくなる。
──こんな格好だから?
 私は、恥ずかしい姿を見られて感じてしまっているのだろうか。
 羽山君に見られるのなら──興奮もするし、淫らにもなる。けれど、ただのクラスメイト
というだけの間柄の者たちに囲まれて、そんな気持ちには──
──羽山君とだって、ただのクラスメイト……。
 いや、でも、私は彼の事を好きだったから──彼も私を好きだと言ってくれたから──
──笹野先生は?
 クラスメイトですらない、そして同じ女である笹野先生に、私は最後まで──
 きっと、こんな事を考えている時点で、私はいやらしい子なのだろう。
 他の子たちはどうなのだろう。教室でこんな淫らな事を考える事があるのだろうか。
 男子たちは、あるだろうと思う。教室で女の子の身体の話をしている事もある。水泳の
授業中だって、女子たちの水着姿をあれこれ批評したりしていたし、ちらちらと、時には
じろじろと見られたりもする。
 けど、女子はどうなのだろう。時々、そういう話をしているのを聞かないではないが、
それは回りにほとんど人がいない時に限るし、男子のような、直接的な会話ではない。
 私のように、身体を見られて淫らな気持ちになってしまう子もいるのだろうか。
 ブラを着けず、乳首の浮き出るままに視線に晒され、見られる事で気持ちを昂ぶらせ、
あそこを濡らしてしまう──そういう子もいるのかもしれない。
 そんな子から見たら、私はどう映るのだろう。仲間意識を持たれ、一緒に愉しもうと
誘われるのだろうか。ブラもショーツも着けずに人目に晒し、昂ぶった気持ちを慰める
ため、お互いの火照った肌を見せ合いながら、笹野先生がしてくれたように──
──ほんとに変態になっちゃう……。
 まったく──私は何を考えているのだろう。
 乳首が硬く尖ってしまっている。これ以上こんな想像を続けたら、秘処に触れている
スカートが濡れてしまうかもしれない。表にまで染みてしまったら大変だ。
 二度も達してしまったというのに、私の身体はどうなってしまったのだろう。もっと
快楽を貪りたいというのだろうか。
 クラスメイトに囲まれ、羞恥に身体を昂ぶらせ、尖った乳首や、濡れた秘処を晒して
刺激に身を委ねてしまう──そんなふうになってしまうのだろうか。
──あそこ……。
 見られてしまったのだろうか。金森はどこへ行ったのだろう。羽山君も──
 考えても判らない。今は目の前にある弁当をさっさと空にしてしまおう。
「おっ、羽山どうしたん?」
──羽山君……?
 ウインナーを箸で抓んだところに、彼が帰ってきた。男子が声をかける。
「いや、ちょっとね。ああ、深雪──」
 彼は意味ありげに微笑んで、そばにいた女子──私を虐めているグループのひとりに
声をかけた。



290 名前:夕菜 mailto:sage [2006/10/27(金) 03:27:52 ID:BYZZgBHb]
「え?」
 彼女が応える。深雪──木嶋深雪という名だ。
 羽山君と彼女は、どうやら幼馴染みというやつらしい。小学校は違うようだが、幼稚園は
同じ所へ通っていたそうだ。といっても、別段仲が良いようには見えない。
 羽山君は彼女と二言三言交わすと、自分の席へと戻っていった。
「お前どこ行ってたんだよ?」
 羽山君に男子が声をかける。それは私も知りたい──
「トイレだよ」
「なんだ、うんこか」
──えっ?
 思わず、彼がトイレにいる姿を想像してしまう。
──なに考えてんの私……。
「そんなとこ」
「弁当食い終わってから行けよ〜」
「明日からはそうするよ」
 確かに、食事中にトイレに立つのは行儀が良いとはいえない。
 けど、きっとそうじゃない。
 私が教室を出て、トイレで──用を足し、汚れたショーツを絞って戻ってくるまで、五分
以上、十分近くは掛かっていただろう。既にほとんどの生徒が食事を終えている。食べ
始めの遅かった私の弁当も残り僅かだ。きちんと時計を見てはいないが、十分は経過
しているはずだ。
 羽山君がいつ教室を出たのかは知らないが、いくら大きい方だとしても、そんなにかかる
ものではないだろう。何か他の事をしていたに違いない。
 金森が関わっているのだろうか。私の後ろの席の彼は、まだ戻らない。
──見られちゃったのかなぁ……。
 ふと横に目をやる。私にいつもちょっかいをかけてくるグループ──木嶋深雪たちは
弁当を食べ終え、雑談に興じているようだ。
 彼女らはどういう気持ちでいるのだろう。私の下着を奪い、どこかへ隠したのだろうが、
どこにあるのだろう。更衣室のどこかに隠したのだろうか──
──そっか、そうなら……。
 私は急いで残りの弁当を食べてしまう。
 昼休みはまだ十五分近く残っている。今ならまだ五時間目に使う生徒も、そこへは行って
いないだろう。廊下や階段で、何人もの生徒と擦れ違うかもしれない。けれど、このままの
姿で下校する事を考えれば──
 更衣室を探してみよう。掃除用具を収めたロッカーや、水泳部員が使う個人用のロッカー
もたくさんある──いや、個人用のものには鍵が掛かっているだろうから──とにかく
探そう。見つかったらその場で着れば良い。そうすれば、もう問題は無い。
 でも、見つからなかったら──
 また、下着の無いままで教室へと戻らなければならない。何人もの生徒に見られてしまう
かもしれない。ブラも着けずに大きな胸を揺らしながら歩く私は、他の生徒たちにどう映る
のだろう。スカートを捲れば、そこが露になってしまうような姿で校内を歩く私は──
 羞恥プレイ──そんな言葉が浮かぶ。
──違う、私はそんな……。
 言い切れるのだろうか。事実、四時間目の前に更衣室から教室へと戻る間、三年の先輩
たちと擦れ違って、そして教室に戻ってからも、クラスメイトに見られて、気持ちを昂ぶら
せていたではないか──
──あれは、だって、擦れて……。
 とにかく、更衣室へ行こう。とにかく、探してみよう。
 空になった弁当箱を仕舞い、腰を浮かせる。
 スカートの裏に淫らな染みができてはいないかと思う。手でさっとスカートの後を撫でて
みる──大丈夫だ、濡れていない。
 椅子を鳴らして立ち上がると、何人かがこちらを見た。胸が揺れて擦れる──
 恥ずかしい。でも、我慢するしかない。
 更衣室まで行く間、何人の生徒と擦れ違うのだろう。その度に、揺れる胸を見られるの
だろうか。スカートの中がすうすうして気になる。少し濡れているのも判る。染みてはいな
かったが、内側には少し付いてしまったかもしれない。
──大丈夫、気づかれないよ。
 出口へと歩きながら、羽山君に目を向ける。
 私の位置は彼からは死角だ。当然私には気づかず、周りの男子たちと喋っていた。
 ついて来て欲しい──そう言いたい気持ちを飲み込んで教室を出た。

291 名前:夕菜 mailto:sage [2006/10/27(金) 03:29:22 ID:BYZZgBHb]
 廊下にも、階段にも、たくさんの生徒がいた。
 羽山君のタンクトップのおかげで、多少の揺れは抑えられるが、それでも揺れてしまうし、
先端が擦れて刺激されてしまう。
 湿っているその部分が冷やされるが、火照った身体を冷ましてくれるわけでもない。
 むしろ自分の姿を意識させてしまい、余計に熱を帯びてしまうような気になってくる。
──恥ずかしい……。
 擦れ違う生徒たちが皆、私を見ているようだ。心の中で、どんな事を囁かれているのかと
思ってしまう。通り過ぎた後、いやらしい事を言われているのではないかと思ってしまう。
 羞恥心が掻き立てられ、生地と擦れる先端と、ひんやりした秘処とともに私の心を蝕んで
ゆくようだった。
 長い階段を降り、更衣室へと続く渡り廊下へ向かう。
 重たいドアを開くと、真夏のむっとした熱気に見舞われた。校舎内はエアコンのおかげで
快適な温度に保たれていたが、一歩出ただけで別世界のような蒸し暑さだった。
 私はどうやらあまり日焼けしない体質らしい。屋外での体育のあとも、多少肌が赤くなる
程度で、他の子たちのように焼ける事は無い。私のような地味で内向的な子が、健康的
な小麦色の肌をしているというのは、滑稽かもしれない。
 そんな無意味な事を考えながら、気持ちを紛らわす。
 ほんの数歩歩いただけで汗が吹き出てくる。天気予報では、三十五度を越すと言って
いたのを思い出す。
 汗が出れば肌着に染み込んでしまう。羽山君から借りたタンクトップに、私の汗が吸われ
てしまう。それはとても恥ずかしい。
 けれど、恥ずかしいだけでなく、どこか淫靡な、足を踏み込んではいけない世界へ続いて
いるような気がしてしまう。
 私の汗──体液が、彼の持ち物へ──彼の中へ染み込んでゆく──私の淫らな体液が
彼の中へと──
──またこんな事考えてる……。
 校舎の外にも、たくさんの生徒がいる。渡り廊下の近くにも、運動部であろう生徒や、
ボールで遊んでいる子たちが大勢いた。
 そんな彼らの全てが私を見てるわけではない。だが、ブラも着けず、ショーツも穿かな
いで、淫らな想像をしてしまう私は、どこかおかしいのだろうか。
──羞恥プレイ……。
 ほんとうは私はそういう行為を望んでいるのかもしれないとも思う。
 羽山君に突然あんな事をされ、抵抗できなかった。たとえ羽山君であっても、密かに想い
を寄せていた相手であっても、いきなりあんな場所であんなふうにされて──普通なら
抵抗するのではないだろうか。
 羽山君だったから──というのは言い訳にならないだろう。笹野先生にだって、される
がままだったのだから。
 彼の、彼女の指遣い、息遣い、温もり、快感──
 燦燦と照りつける太陽は地面を焼き、空気を焼き、私の心まで火照らせてしまうようだ。
 屋根があるとはいえ、うだるような熱気は遮りようがない。
 汗が溢れて、胸の谷間を流れ落ちるのが判る。ブラをしていると、痒くなっていけない。
汗疹ができてしまう事もたまにあった。
 ブラが無ければそうはならないが、着けないわけにもいかない。ブラが無いというのは
心細いものだ。今だって心細いのだ。
 暑さの所為だろうか、身体が弛緩して、つんと張っていた乳首もおとなしくなっている
ようだ。興奮して勃つ、というのは間違っていないと思うが、興奮していてもずっと尖って
いるわけではないし、勃っているから興奮している、というわけでもない。どういう原理なの
かはよく解からない。
 それでも、私は今、性的興奮状態にあるのは間違っていない。
 下着を着けずに人目に晒されて興奮している。
 どうしてだろう。
 私は羞恥心で気持ちを昂ぶらせてしまう、いやらしい子になってしまったのだろうか。
羽山君と笹野先生に責められ、そういう世界に足を踏み入れてしまったのだろうか。
 どうにもいけない。同じような事ばかり考えてしまう。
 急がなければ。急いで更衣室に行って、下着を探さなければ。
 足早に渡り廊下を進む。
 胸が揺れて乳首が擦れる。
 どうやら、スカートの中のその部分は、かなり濡れているようだ。
 数人の男子と擦れ違う。こんがりと焼けた肌は、水泳部員だからだろうか。
──恥ずかしい、恥ずかしいけど……。

292 名前:夕菜 mailto:sage [2006/10/27(金) 03:30:50 ID:BYZZgBHb]
 女子水泳部員や、五時間目に使う生徒がすでにいるのではないかと思ったが、更衣室
には誰もいなかった。
 私は安堵した。人がいたら、何をしに来たのか詮索されるだろうし、そうでなくとも、
私はこんな格好なのだ。何を言われるか判ったものではない。
 と同時に、どこか物足りなさを感じてしまっているのも確かだった。
──私、おかしい……。
 恥ずかしいというのに、気持ちが昂ぶる。ほっとしているのに、満たされない。
 ほんとうは、誰かがいる事を期待したのだろうか。恥ずかしい姿を見られ、羽山君や
笹野先生にされたような、淫らな行為を受ける事を望んでいたのだろうか。
──そんな事は……。
 無いと断言できない。そういう気持ちがわずかでもあった事を否定はできなかった。
 コンクリートにすのこを敷いただけの、簡素な床。四時間目に使っていた三年生たちが
残した雫で湿っている。
 三時間目の間ずっと、私のバッグが置かれていた場所まで進む。
 更衣室の一番奥。コンクリートの壁に、明かり取りの型ガラスが填められていて、柔らか
な光に照らされている。無造作に置かれた長テーブルには、所所に水滴が光っていた。
 周りを見回す。いくつも置かれたロッカーが並んでいる。
 私は一番隅にある、掃除用具の入ったロッカーの前に立った。ノブに指を掛けて、ぐいと
引く。軋んだ音をたてて扉が開かれた。
──うわぁ、くっさぁい。
 饐えた匂いが鼻を突く。雑巾かモップか──日に干される事も無くずっと湿度の高い処に
仕舞われているのだろう。こんなところに下着を隠されたのだとしたら、かなり嫌だ。
 ざっと見てみるが、それらしいものはない。バケツやモップを取り出してみても、やはり
無かった。
──ここじゃないか。
 とすると、個人用のロッカーだろうか。彼女らの中に水泳部員はいなかったはずだが──
いくつかノブを引いてみるが、どれも鍵が掛かっているようだった。
──どこだろう……。
 ここではないのだろうか。更衣室に隠したのでないとすれば──彼女らのうちの、誰かの
バッグに仕舞ってあるという事か。それとも、更衣室から教室に戻る間、どこか他の場所に
隠したのだろうか。
 だとしたら、探す場所は膨大に増えてしまう。更衣室から教室までの間に、どれほどの
部屋、ロッカー、物置があるのだろう。もちろん入念に隠す時間があったとも思えないが、
手当たり次第に探すというわけにもいかない。
──どうしよう。
 全てのロッカーを開こうとしてみるが、いくつか開いたところには、何も入っていないか、
水泳部員の私物であろう細細したものが置かれていただけだった。
 他に隠せそうな場所は──
 コンクリート打ちっぱなしの殺風景な更衣室に、そんな場所は見あたらない。壁や天井を
這うパイプ類の影にも、私のブラとショーツは無かった。
──やっぱり、あの子たちが持ってるのかなぁ。
 彼女らが持っているのだとしたら──やはりバッグの中だろうか。授業の前、私が水着に
着替えて更衣室を出た後で、下着を抜き取り、そのまま自分のバッグに仕舞っておく。授業
が終わって戻ってきた私は、下着が無いのに気づき──彼女らはくすくすと笑いながら
教室へと戻った──
 いくら自分のものでなくとも、女の子が下着を人目に晒すのは気が引けるだろう。ならば
今もまだ彼女らのうちの誰かのバッグに潜めてあると考えるのが妥当かもしれない。
──そうだ、羽山君……。
 彼は、私が下着を着けていない事が、彼女らの仕業だと気づいていたようだった。
 さっき、木嶋深雪に声をかけていたのは──
 二人は幼馴染みらしい。そうでなくても、羽山君なら彼女らから下着を取り戻す事など
簡単だろう。彼は女子に人気があるし、一目置かれてもいる。そんな彼が言えば、下着の
隠し場所を吐かせる事ぐらい雑作もないだろう。
 やはり彼に頼るのが一番なのだろうか。でも、それは彼の立場を悪化させかねない。彼女
らが隠したというのは、推測に過ぎず、確定事項ではないのだから。間違っていれば、彼に
迷惑が掛かる。
──それでも、羽山君なら……。
 私のためにしてくれるかもしれない、と思うのは、身勝手だろうか──
 そろそろ次に使うクラスの生徒たちが現れるだろう。
 そう思ったとき、ドアの外に、何人かの話し声が近づいてきた。

293 名前:夕菜の中の人 mailto:sage [2006/10/27(金) 03:38:43 ID:BYZZgBHb]
最近ちょっと止まってました。すみませんです。
ある程度区切りの良いところまで書き溜めてから投下するように
していこうかなと思います。
今回はここまで。

他の方のも読みたいですねー。
自分が書いたのだけだと物足りないし、妄想の逞しい方もたくさん
おられるでしょうし!w

294 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2006/10/27(金) 13:46:39 ID:GW+W/R9t]
最後は夕菜たんと深雪たんの二人が、
羽山と笹野先生に同時に愛でられる4Pだな。

295 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2006/10/27(金) 17:56:09 ID:RPrYtSES]
>>294
ハーレムエンドかw

296 名前:名無しさん@ピンキー [2006/10/27(金) 18:34:29 ID:sULOiUA5]
金森もいれてヤレよ

297 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2006/10/27(金) 23:10:03 ID:CdgKJNbF]
参加しようとして羽山に蹴りを入れられる金森

298 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2006/10/28(土) 18:24:42 ID:BGEHverU]
金森はこれ以上生き恥を曝すくらいなら、もう出しゃばらない方が…

299 名前:夕菜 mailto:sage [2006/10/28(土) 22:14:45 ID:PTrJJ4KW]
 コンクリートの壁と分厚いドアの所為でよく聞こえないが、近づいてくるのは男子生徒
のようだ。
──どうしよう。
 男子生徒なら、女子更衣室には入らないだろう。ならばしばらくここに留まって、やり
過ごすか。今はなるべく人に見られたくない。もう今日は我慢するしかないと腹を括っては
いるが、できる限り人目に触れないようにしたい。
 足音がドアの前で止まり、話し声が続く。
 よりにもよって、女子更衣室の前で立ち話だなんて──どういうつもりなのだろう。
 壁の時計に眼をやると、一時十二分を指していた。あと八分で五時間目が始まる。
 早くここを出なければと思うのだが、ドアを開けるのを躊躇ってしまう。
 何年生かは判らないが、男子生徒の前にこんな姿で出たくない。それに、昼休みの
更衣室にたったひとりでいるのを訝しがられたら、なんと答えれば良いのだろう。下着を
探しに来ました、なんて言うわけにはいかない。
 いや──やましい事など無いのだ。変に意識するからびくびくしてしまうのだ。問い詰め
られるとも限らない。むしろ、そんな事になる方が珍しいだろう。
──もういいや。
 見られるとは言っても、ほんの少しの間だけだ。何事も無かったようにここから出て、
そのまま教室へ戻れば良い。
 ドアノブに手を伸ばす。
「かし、かしはら、だっけ?」
──え?
 表の声が、はっきりと聞こえ、手が止まる。
「そうそう、柏原夕菜!」
 私の名前だった──聞き違いではないかと耳を澄ます。
「一年、何組だっけ? 知らんけど、あれほんとすごいよなー」
「一年とは思えないって」
 数人の声のうちひとつは、聞き憶えがあった。ほんの数十分前に聞いた声だった。
──保健室の、あの先輩……。
 顔はよく思い出せない。背が高く、日焼けした肌と、臙脂のラインが入った三年生を示す
上履きが印象に残っているだけだ。笹野先生と親しげに話していた事から、保健室の常連
なのだろうというぐらいしか判らない。
「目の前で見てマジすげーって思ったわ」
「あの巨乳は一度揉んでみたいよなぁ」
「しかもノーブラだぜ?」
「うっは、乳首勃ってた?」
「勃ってた勃ってた!」
「うわマジ?」
「さおりんとエロい事してたんじゃね?」
「かもなー」
「お前、揉んだのか?」
「いや、それはないけど──」
「揉みたいよなぁ!」
 彼らの会話に眩暈がしそうだった。
──やっぱり、気づかれてた……。
 名前も知らない三年の先輩に、ブラを着けていないと気づかれていた。
 さおりんというのは──そうだ、笹野紗織──
 先生との事も、気づいていたのだろうか。いや、それよりも──彼女は噂どおり、校内の
生徒とああいう事をよくしているのだろうか──
 胸が高鳴り、汗ばんだ身体がさらに熱を帯びてしまう。そんな気持ちは収まっていたはず
なのに、ぶり返してしまう。
──んっ……。
 ノブに伸ばしていた自分の手が、胸に触れた。持ち上げるように包み、指で──
「はぁっ……」
 乳首がきゅっと尖っている。指を動かすと、ぞくぞくとした刺激が広がってしまう。
──私、なんでこんな事……。
 自ら乳首を抓んでいる私は、きっととても淫らな顔になっているのだろう。
 いきなりドアが開いたら──こんなところを見られるわけにはいかない。
 それなのに──



300 名前:夕菜 mailto:sage [2006/10/28(土) 22:17:37 ID:PTrJJ4KW]
「夕菜ちゃん、やらせてくれねぇかなぁ?」
「やりてぇよなー」
「なんか暗い子だし、襲ったらおとなしくやらせてくれそうじゃね?」
「ありそうありそう」
 表にいる三年生たちの声がはっきりと聞こえる。
 彼らは、私と淫らな事をしたいらしい。こんな、胸が大きい以外に取り得の無いような
私と、そういう事をしたいらしい。
 強引にされたら、私は抵抗できないかもしれない。羽山君や、笹野先生に、されるが
ままだったように──
「レイプは拙いだろ〜」
「でもさ、レイプして下さいってお願いされてるようなもんじゃね?」
「あの乳でノーブラだろ? 襲ってくださいって言ってるようなもんじゃん」
「いや、ブラしてたってなぁ、あの乳だけで誘ってるようなもんだな」
 レイプ──私がどれだけ悲鳴を上げても、どれだけ涙を流しても、彼らはそれを気にも
かけず、自分本位でただただ快楽と征服欲を満たそうとするのだろう。
 乳首を強く抓むと、痛みと快感が同時に湧き立ってしまう。
 まさか彼らも、猥談の対象がドア一枚隔ててこんな事をしているなんて思ってもみない
だろう。
「あー、あの乳むちゃくちゃにしてみてぇー」
「揉みたいよなぁ。頼んだら揉ませてくれるんじゃね?」
「ちょ、マジ?」
「知らねぇよ。頼んでみたら?」
「うは、今度見たら頼んでみるか!」
 彼らに頼まれ、乳房を好きに弄ばれる私──
 両手を乳房に重ね、乱暴に指を動かしてしまう。ずきずきと痛むのに、どういうわけか
快感へと変換されてしまう。
「でもさ、巨乳って鈍感っていうじゃん?」
「ああ、言うよな」
「あんだけでかいと感覚無いんじゃね?」
「そうかも〜」
「揉まれてる事にも気づかないとかな」
「それはありえねー!」
 鈍感なわけがない。こんなにも痛くて、こんなにも──気持ちいい。
 服の上からなのに、乳首も乳房も、こんなにも敏感に反応してしまう。
「でもさおりん、けっこう感じてるじゃん」
「いや、さおりんはヤリマンだからだろ」
 やっぱり彼女は──彼らと、しているのだ。
 匂い立つような大人の色香に、何人もの生徒が囚われてしまっているのだろう。
──私もその一人……。
 ヤリマン──誰とでも身体を交わらせる女性をそう言うらしい。私はそんな子じゃない。
誰とでもだなんて──
 けれど、顔も知らない先輩たちに、好きなように弄ばれる自分を想像してしまう。
──こんな風に……おっぱいも、乳首も……。
「あの子あんだけ乳でかいんだし、マンコもすごいんだろうなぁ」
「毛もぼうぼうでさ、すごいマンコしてそうだな」
「スジマンとかありえねぇな。ぱっくり口開けてそうじゃん」
──すごくなんか……。
 片手でスカートの裾を手繰り上げる。汗ばんだ太腿が露になってゆく。
──私のここ、まだこんなに子供っぽい……。
 スカートを捲り上げ、そこを晒してしまう。
 産毛しか生えていない私の恥丘。ぴったりと閉じた秘裂からは、とろとろと熱い蜜が溢れ
出ている。
──すごくエッチになってるよぉ。
 スカートを捲ったまま、秘処を晒したまま、硬くなった突起を抓みながら、先端を撫でる。
びくびくと身体が震えて、ますます止められなくなってしまう。
──気持ちいい、気持ちいいよぉ。
 ほんの数十分前に、二度も達してしまったというのに、また私は自ら慰めている。
 二つの乳首は硬く尖って、ブラウスの内側から──彼らの言うように、いじって下さいと
言わんばかりになっている。溢れた蜜は太腿を伝い落ちそうなほどだ。
──いやらしい……気持ちいい……どうしよう……。

301 名前:夕菜 mailto:sage [2006/10/28(土) 22:21:42 ID:PTrJJ4KW]
「いや、でもあれは処女だろ、どう見ても」
「そうかぁ? なんか虐められてるっぽいし、とっくに犯られてんじゃねーの?」
「教室で輪姦されたりとかな」
「セックスショウとかやってんだよきっと」
「何本も突っ込まれて、ザーメンまみれになってんだ」
「いややっぱ中出しだろ〜」
「妊娠させられてんじゃね?」
「おい、今の一年はそんな事してんのかよ〜」
「いや、してねーだろ!」
 教室で、クラスメイトに──
 男子に代わる代わる犯されてしまう。女の子たちも見ている前で、軽蔑の眼差しを受け
ながら、乱暴に突き入れられ、身体中に精液を浴びせ掛けられ、子宮に子種を注ぎ込まれ
てしまう──
「わかんねーぞぉ? ノーブラも命令されてやってんのかもしんないじゃん?」
「命令って、奴隷かぁ?」
「そうそう、クラス中の性奴隷!」
「エロい事いろいろさせられてんだな、きっと」
 性奴隷の私──
 男子だけでなく女子からも奴隷のように扱われてしまう。下着を着けないよう強制され、
言われるままに双丘を晒し、脚を開いて秘処を露にしてしまう──
「休み時間なんか、いつも犯られてんだ」
「同時にフェラとか手コキとかさせられて?」
「あの乳でパイズリして欲しいな〜」
「マンコにバイブ突っ込まれて授業受けたりとか」
「クリにローターくっつけてたり?」
「乳首もな」
「イきすぎて漏らしちゃったりとかな」
「うわ、おもらしかよ。マニアックだなー」
 休み時間になるたびに、何人もの男子の相手をさせられてしまう。欲望に貫かれながら、
口にも銜えさせられ、手で扱くようにと言われ、乳房であれを挟んで──
 大人のおもちゃ──バイブやローターまで使われてしまい、授業中も刺激されてしまう。
止む事の無い強い刺激が私を何度も絶頂に導く。快楽に飲み込まれてしまった私は、教室
だというのに粗相をしてしまう──
──そんなっ、そんなぁ……。
 自分の噂話──そんな生易しいものじゃない。卑猥で下品で、まるでアダルトムービーか
青年コミックのような、非現実的な戯れ言なのに──私はそれを想像してしまっている。
──いやらしいよぉ。
 きっと彼らは本気であんな事を言っているわけではないのだ。自分たちの下らない空想を
ぶつけあって盛り上がっているだけなのだ。
 それなのに、私は──されるがままに弄ばれる自分を想像し、淫らな気持ちを昂ぶらせて
いる。自ら刺激し、淫らな汁を溢れさせている。
 スカートを捲ったまま、もう一方の手を下腹部へ伸ばす。
 指が汗ばんだ肌の上を滑り、ぷくりと膨らんで顔を覗かせた蕾に──
「ひゃぅ──あっ!」
 その瞬間、予鈴が鳴った。一気に現実に立ち戻る。
──私……!
 つんと突き出した乳首、雫が零れ落ちそうなほどに濡れた秘処──自分が何をしていた
のか再認識してしまう。
 スカートを戻し、ブラウスも整えて、頭を振って気持ちを切り替えようとするが──
 そんな簡単に冷めるようなら、こんな事などしてしまわないだろう。
──私やっぱり、エッチだ……。
「あんたら、そこで何してんの!?」
 遠くから、女子生徒──おそらく三年生だろう──の大声がした。
 彼女の声に弾かれるように、ドアの向こうにいた先輩たちが、うわぁとか、やべぇとか言い
ながら立ち去っていくのが判った。
 きっと彼らは、五時間目にプールを使うクラスなのだろう。のんびりしていては、もっと
大勢の三年生が現れるだろう。
 急いで教室に戻ろう──その前に、トイレに入って秘処を拭おうと思った。
 重たいドアを押し開く。
 日差しがあまりにも鋭くて、眼が痛かった。

302 名前:名無しさん@ピンキー [2006/10/28(土) 22:30:24 ID:pXOJC6iv]
ウンコはでないの

303 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2006/10/29(日) 14:14:47 ID:FBZPqd1U]
どんどん開発されていきますねw

304 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2006/11/02(木) 14:08:17 ID:jcTXzsCW]
パンツ強奪もの キボン

305 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2006/11/02(木) 20:29:27 ID:QlhwN2PP]
このスレの4日ぶりのレスが「パンツ強奪もの キボン」かよ。>>304
それはさておき、見事なスレッドストッパーでした。>>303

306 名前:名無しさん@ピンキー [2006/11/03(金) 10:18:38 ID:Yoncp7mJ]
age

307 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2006/11/03(金) 13:43:14 ID:u2euXv9f]
>>304
そういうのは二次元排泄系妄想廃棄所で。っていうか金森にトイレ覗かれて羞恥に頬を染める夕菜萌え

308 名前:夕菜の中の人 mailto:sage [2006/11/07(火) 12:58:26 ID:F49kd+eY]
長らく間が開いてしまいましたが、ようやく投下できる程度にまとまりました。
7レス、エロ要素は低いですがw

309 名前:夕菜 mailto:sage [2006/11/07(火) 12:59:21 ID:F49kd+eY]
──恥ずかしい……。
 歩くと乳房が揺れる。ブラウスとタンクトップに隠れてはいるものの、ぷるぷると震えて
いるのは誰の目にも明らかだ。
 スカートを捲れば晒されてしまう秘処はとろとろに濡れている。
 それどころか、ぬるぬるとした感触は内腿にまで伝わってしまっている。スカートの中の
空気が揺れ、ひんやりと感じられる。
──垂れちゃったらどうしよう……。
 更衣室を出て、擦れ違う三年生たちの奇異の視線に耐えながら校舎に入った私は、
一階のトイレへと急いだ。
 空調の涼しい風が、腿に伝う雫をいっそう意識させる。
──急がないと……。
 早足に進むが、胸が激しく揺れて刺激されてしまい、雫がさらに溢れ出す。
 学校でこんなにもそこを濡らしてしまっている自分は、なんて淫らなのだろうと思う。
 三年の男子たちの下品な会話を聴きながら、クラスメイトに身体を許し弄ばれる自分を
妄想していた私は、なんといやらしい女の子なのだろう。
 羽山君に責められ、保健室で自慰をしてしまい、笹野先生にもされておきながら、今も
また熱く潤ませてしまっている。
 ドアを挟んでいたとはいえ、向こう側には三年生の先輩がいたというのに、乳房を揉み、
乳首を抓んでしまった。スカートを捲り上げ、雌蕊に指を伸ばしてしまった。
 ブラを着けていない事が、クラス中に知れ渡ってしまった。保健室に現れた三年生にも
気づかれていた。今頃は、より多くの生徒たちに、私の噂が広まっている事だろう。
 数人の生徒や教師と擦れ違う。彼らの全てが、私がブラをしていない事を知っているの
ではないかと思ってしまう。
 それどころか、ショーツも穿いていないのだと気づかれ、スカートを捲り上げられて
しまうのではないかとまで思ってしまう。
 淫らな気持ちが抑えられない。いやらしい事ばかりが浮かんでしまう。
 恥ずかしいのに、恥ずかしさが身体を熱くしてしまう。
 乳房が揺れて生地に擦れた突起が、もっと刺激して欲しいと言っているようだ。
 スカートの下の剥き出しの秘処が、自分も刺激して欲しいと言っているようだ。
 今ここで、乳房を揉んでしまったらどうなるのだろう。
 下から持ち上げるように、大きな乳房を強調させてしまうのだ。ブラウスに浮き上がった
乳首を抓み、くりくりと指で転がすのだ。
 スカートを捲って、秘処を露にしてしまったらどうなるのだろう。
 制服のスカートを持ち上げて、とろとろになったそこを露出させてしまうのだ。指を伸ば
して蕾に触れ、びくびくと身体を震わせながら嬌声を上げるのだ。
──廊下でそんな事……。
 生徒や教師が歩いている廊下で、こんな想像をしてしまうなんて──
 身体中が熱く火照り、タガが外れてしまいそうだった。
 そんな事になってしまう前に、理性を保っていられるうちにトイレに入らなければ──
 あとほんの数メートルの距離が、永遠にも感じられる。
 行き交う生徒に、ちらりと視線を向けられただけで、びくんと震えてしまう。そんな視線
ですら、私の身体を刺激する力になってしまっている。
 もし今私が教室にいたのなら、三十七人七十二もの視線を浴びて、全身を震わせて達して
しまうのではないだろうか。だらだらと涎を垂らしながら、淫らな露を滴らせ、びくびくと
四肢を痙攣させて──
 ふらふらと歩きながら、ようやくトイレの前に辿り着いた。
 一階のトイレは普段あまり使われていない。壁に手をつきながら一番手前の個室へ入る。
 早くこの淫らな気持ちを拭き取ってしまわなければならない。
 ロールペーパーを三十センチほど引き出す。折り畳んで右の掌に乗せ、左手でスカート
を捲って和式の便器を跨ぐと──
 ぴちゃ、と小さな音が響いた。
──垂れちゃった……。
 こんな事は初めてだった。
 そこから溢れた淫汁が脚の付け根を濡らす事はあったが、零れ落ちるほどになった事など
初めてだった。
 つまり、私がそれほどにまで淫らになっているという事なのだ。
 無意識に──
 掌に乗せたペーパーごと右手でスカートを握り、空いた左の指を伸ばしてしまう。
「ひゃぅっ!」
 触れた瞬間、驚くほど大きな声が出てしまった。



310 名前:夕菜 mailto:sage [2006/11/07(火) 13:00:29 ID:F49kd+eY]
 冷や水を浴びせられたように身を縮めた。
 自分の発した嬌声のおかげで、理性が戻ってきた。
 淫らな気持ちがすっかり消えてしまったわけでもないが、判断力が持ち直しただけでも
よしとするべきなのだろう。
 耳をそばだて、周囲を窺う。
──大丈夫、誰もいない……。
 トイレの中に人の気配は無かった。あまり使われない一階のトイレでよかった。ここが
各学年の教室のある二階から四階までのトイレだったら、きっと今の声は誰かに聴かれて
しまっていただろう。
 そんな事にならなっていたら──
──ダメダメ、また変な事考えちゃう。
 くしゃくしゃになったペーパーを内腿へと当てて雫を拭う。
 便器に落として、もう一度ペーパーを引き出した。
 自分のものとは思えないほどに濡れそぼった秘処を、丁寧に拭ってぬめりを取る。
 火照った身体はペーパーの刺激に反応してしまう。
 ぴくぴくと震えてしまうが、刺激に身を任せてはいけない。
 しかし、拭っても拭っても溢れてくる。
 いっそこのまま最後まで達してしまえばと思ってしまう。
──流されちゃダメ……。
 そんな気持ちをなんとか堪え、痛みを覚えるぐらいにまで拭い取った。
──ひりひりする……。
 こすりすぎて粘膜が炎症を起こしてしまったかもしれない。
 じんじんと痛むが、これ以上淫らな気持ちになるよりはましだった。
 積み重ねられたくしゃくしゃのペーパーと一緒に、そんな気持ちが流れていってしまえば
いいと思いながら、流水レバーを下ろした。
 スカートを調えてドアを開けると、チャイムが鳴った。
 五時間目が始まってしまったようだ。
──次は、たしか……。
 国語だった。
 担当の教師は、杉山──
 線が細い割に角張った印象を受ける杉山という男性教師は、見た目通り融通の利かない
性格のようで、授業時間をオーバーして休み時間を潰してしまう事がしばしばあった。
 当然、生徒からは疎ましがられ、まだ二十代半ばと若いこともあって、陰では新米や素人
などと、あまり好ましくない呼ばれ方をされていた。
 杉山はもう教室にいるだろう。いつも、チャイムとほぼ同時にやってくる。
 遅れて教室に入ったら、なんと言われるだろう。
 水谷のように粘着質ではないし、ねちねちと責められる事も無いとは思うが──
 授業中の教室に一人で戻れば目立ってしまう。
 クラス中に知られてしまっているし、またみんなに見られるのは恥ずかしい。
──それに……。
 ブラウスに突起が浮かんでいる。
 また淫らな気持ちになってしまうかもしれない。
 三年男子の先輩たちの言葉──クラス中の性奴隷にされてしまう私の姿が甦る。
 考えてはいけないと解かっているのに考えてしまう。
 きっと、私が淫らな子だからなのだ。
 普通の子はこんな想像なんてしないだろう。好きな男の子との関係は妄想したとしても、
好きでもない男子たちに身体を弄ばれる想像なんて、誰がするというのだろう。
 ブラも着けず、ショーツも穿かずにクラスメイトの前に出るなんて、そんな子は私以外に
いないだろう──
 洗面台で手を軽く流す。
 気が滅入る。またこんな格好のままで教室に戻らなければならないのだ。
 私は更衣室へ何をしに行ったのだろう。擦れ違う生徒たちの視線に晒され、先輩男子たち
の下らない猥談に身体を火照らせただけだった。
 私の下着は、彼女らのうちの誰かのバッグに仕舞い込まれているのだろうか。
 だとしたら、誰のバッグだろうか。
 楠井舞香──だろうか。彼女は私と同じ小学校の出身で、その頃から私への嫌がらせを
していたのだ。きっと恨みも深いだろう。
 脇田千穂だろうか。彼女はグループのリーダー格だし、クラスでも発言力がある。彼女を
敵に回す事は、クラス全体を敵に回すに等しい。
 それとも、木嶋深雪だろうか──

311 名前:夕菜 mailto:sage [2006/11/07(火) 13:01:59 ID:F49kd+eY]
 いっそ彼女たちに声をかけてみるのも良いかもしれない。
「私の下着を隠したの、あなたたちでしょう?」
 そう言ってしまいたい。
 彼女らはどんな顔をするのだろう。
 きっと──嘲笑われて、逆に辱められるのが落ちだろう。
 私一人ではどうしようもないのだ。
 助けてくれる人など──
──羽山君なら……。
 彼なら、助けてくれるだろうか。
 羽山君の言葉になら、彼女らは素直に従うのだろうか。
──羽山君に頼るのはダメだよね……。
 確かに彼はさっき、金森から助けてくれたが、また助けてくれるという保証は無い。
 私は彼に酷い事をしたのだ。
 さっきはきっと、金森の暴挙を止めようとしただけなのだろう。押し倒されたのが私で
なくても、羽山君なら止めに入っていただろうから──
 蛇口を閉めて水を止める。
 手を拭こうとして、ハンカチが保健室で借りた下着ごと机の中なのを思い出した。
 ぷるぷると手を振って水気を飛ばす。
 手を振るたびに、胸も揺れてしまう。
──なんでこんなおっきいんだろ……。
 この濡れた手で、ブラウスの上から乳首を抓めば、透けてしまうかもしれない。急に降り
出した雨に濡れ、制服がぴったりと張り付いて透けてしまった事があった。その時はブラを
していたからまだ良かったが、今はきっと、鳶色に透けてしまうのだろう──
──またこんな事……。
 頭を二、三度振って溜め息をついた。
 考えても仕方が無いのだ。私はこのまま教室へ戻るしかない。
 そう思って廊下に出ようとした時、外からぺたぺたとだらしない足音が聞こえてきた。
 くたびれたスリッパでも履いているのか──五時間目の授業へ向かう教師だろう。
 人がいるとなると、躊躇してしまう。
 その足音が不意に止まった。
「お〜い、お前そこでなにしてんだぁ?」
 低くて太い間延びした声だった。聞き覚えはあるが名前が思い出せない。
──私の事じゃなさそうだけど……?
 他に誰がいるのだろう。廊下から人の気配は──
「ちょっと、クラスメイトを待ってます」
──今の、声って!?
 すぐそばから聞こえた声は、耳に馴染んだ声だった。
 落ち着いた調子の、よく通る澄んだ声色──顔が脳裏に浮かぶ。
「すぐ教室に戻りますから」
──やっぱり……。
 間違えようが無い。
 羽山君の声だ。
「おぉ? もう授業始まっとるぞぉ」
「はい」
「急いで戻れよぉ。でも、廊下は走るなよぉ〜」
 教師は、羽山君を咎めるでもなく、のんびりした声で言った。
「はい、走らず急ぎます」
「階段は気をつけろぉ。転ぶと痛いぞぉ〜」
「はい、転ばないように気をつけます」
「おう、じゃあなぁ〜」
 ぺたぺたという足音が外を通り過ぎてゆく。
 羽山君が動いた様子は無い
 私はぺたぺたが遠ざかるまで待って、トイレを出た。
 そこにいたのは、やはり羽山君だった。
 羽山君がわずかな微笑を浮かべて私を見た。
「長かったね」
「えっ……」
 妙な想像をされているのではないかと思ってしまう。
 彼がいつからそこにいたのかは判らないが、もし私がトイレに入った時からいたのだと
したら──

312 名前:夕菜 mailto:sage [2006/11/07(火) 13:02:48 ID:F49kd+eY]
──聴かれちゃった……?
 そこに触れたときに漏らしてしまった声──
 トイレが長かったという意味ではなく、その声から想像される行為が長かったと──
──そんな……。
 彼は、内心を読ませてくれない笑みを浮かべたまま、私を見ている。
 どういうわけだか、眼が逸らせない。
 恥ずかしくて顔が真っ赤になってしまうのに、私は彼の瞳から視線を逸らせない。
 彼の微笑みが私の心を惹き止めて離さない──
 くすりと彼が笑った。
「冗談」
「え……?」
「ちょうど俺しかいなくて良かった」
 それは──
「可愛かったよ、声」
「──ッ!」
──やっぱり、聴かれてた……。
 羽山君に聴かれていたのだ。
 触れたときに出てしまった声を。
 そんなにも大きな、廊下にまで聞こえるような声だったのだ。
「わ、私……して、ない……から」
 私は何を言っているのだろう。
 勝手に言葉が出る。
「ちょっと、だけ……ちょっと、触ったら、声が……」
 しなくてもいいのに、言い訳をしてしまう。
「勝手に、出ちゃったの……変な声……」
 私の他には彼しかいないといっても、ここは学校の廊下なのだ。
 そんなところで、私は何を言ってしまっているのだろう。
 自分で自分が解からなくなる。
 ふふっと笑った彼の右手が、すっと持ち上がった。
 首を竦ませた私の頭に、ぽんと乗せられた。
「触っちゃったんだ?」
「ちょっと、だけ……すこしだけ……当たっただけ……」
 頭を撫でられる。
 親に責められている小さな子供のようだ。
「してもいいのに」
「え……えっ?」
 気が付けば、彼の左腕で腰を抱かれてしまっている。
 咄嗟に身を縮ませると、ぐいと抱き寄せられ、彼の肩口に顔を押し付けてしまう。
「胸、柔らかい」
「あっ、や……」
 彼の右手が私の首にふわりと巻きつき、優しく抱き締められる。
 幻ではない。
 彼はまた、私のもとに現れてくれた。
 私は彼を突き放してしまったのに、彼の差し出してくれた手を払い除けてしまったのに、
彼は教室で私を金森から助けてくれた。
 今、どうして彼がここにいたのかは解からないが──
 彼の体温が布越しにはっきりと感じられる。
「こうされるの、嫌?」
 耳元で囁く彼の言葉が、私の心を揺るがせる。
「……嫌じゃ、ない」
「こういう事も?」
 腰に回された彼の手がするすると下がり、スカートの上からお尻に触れた。
──ここ、廊下なのに……。
 ぴくんと震えてしまう。
 小さな丸みを確かめるように、ゆっくりと撫でられる。
 首に回された手が髪を撫で、耳たぶをくすぐられる。
 ぞくぞくと震えて、私もまた、彼の身体に腕を回してしまう。
 私には、彼のようにストレートに大胆に抱く事はできないが──
 おそるおそる腰を抱き、ワイシャツをきゅっと握った。
 いつまでもこうしていたいと思った。

313 名前:夕菜 mailto:sage [2006/11/07(火) 13:03:38 ID:F49kd+eY]
「パンツ、まだ穿いてないんだ?」
 スカートの下にショーツの感触が無いのに気づいたのだろう。
 彼はきっと、私が保健室でショーツを借りたと思っていただろう。それなのに今の私は、
相変わらず下着を身に着けていない。
「う……うん」
「借りられなかったの?」
「借りた……けど……」
「けど?」
──恥ずかしい……。
 便器に落としてしまったなんて──
 彼のワイシャツを握る手に力が篭もる。
「わ、私……」
「うん?」
 頭を撫でられる。
 お尻に触れていた手は、腰に戻っている。
 彼の身体が温かい。
「私、せっかく、借りたのに……」
 言いたくない。便器の中に落としてしまったなんて、馬鹿みたいではないか。
「ごめん、なさい……」
「なんで謝るの?」
 彼が私の耳元で苦笑した。
「だって……」
「ノーパンが癖になった?」
「そんなっ──!」
 そんなわけない。癖になるなんて──
 でも、ほんとうにそう言えるのだろうか。
 下着を盗られて以来、ずっと淫らな気持ちに囚われている私は、ほんとうはこの状態を
望んでいるのではないだろうか──
 そんな事は無いはずなのだが、違うのだと言い切れない。
「冗談」
 彼がぎゅっと私を抱き締めた。
 どこまで本気なのか解からない。
 けれど、このぬくもりは本物に違いない──
「パンツ……」
「うん?」
「落としたの……トイレに」
「トイレに?」
「うん……トイレに落としちゃって、穿けなくなって……」
「……そっか」
 髪を撫でられる。
 ほんのりと香る彼の汗の匂いが心地良い。
「ドジだなぁ、夕菜は」
「う、うぅ……」
 くすりと笑う羽山君。
 笑われて恥ずかしいのに、名前で呼ばれて嬉しい。複雑だった。
「これからどうしようか」
「え?」
「教室戻ったら、またみんなに見られちゃうだろ?」
「……」
 自分で解かっていても、改めて言われると、余計に意識してしまう。
 またクラスメイトの視線に耐えなければならない。
 授業中に、よからぬ妄想に耽って身体を熱くしてしまうかもしれない。
 ショーツの無いままで、さっきのように零れるほどに潤ませてしまっては、スカートに
大きな染みを作ってしまいかねない。
 そんな事になったら、席を立つことすらできなくなってしまう。
「見られたい?」
「えっ──」
「見られて、感じちゃうんでしょ?」
──そんなっ、そんな事……。
 彼の手が、スカートを捲ってゆく。

314 名前:夕菜 mailto:sage [2006/11/07(火) 13:04:29 ID:F49kd+eY]
 午後の授業が始まり、周りには羽山君と私以外に人の気配はない。
 だが、ここは一階の廊下なのだ。ほぼ東西の方向に延びた校舎の、百メートル近くも
続いているまっすぐな廊下なのだ。
 そんなところでスカートを捲られてしまう。
 スカートの下には、肌を隠すものが何も無いのに──
「は、羽山君……」
「大丈夫、誰も見てない」
「でもっ」
 正面から抱き締められている私には、自分の後ろ側はまったく見えない。彼がそちらへ
と注意を向けているであろう事が解かっていても、不安で身体が震えてしまう。
 彼は、ふふっと笑って手を止めた。
「エッチな気分、続いたままなんだね」
「そんな……」
「あのあと、保健室で何があったの?」
「えっ──」
 羽山君の気持ちを踏み躙り、独り保健室に残った私──
 彼を想って自慰をしてしまった。
 笹野先生に責められ、達してしまった。
 それを説明するなんて──
「夕菜、昼休みになるまで戻ってこなかった」
「……」
「笹野先生に、されてた?」
「──ッ!」
──気づかれてた……?
 いや、違う──
 彼の耳にも、笹野先生の噂は届いているだろう。生徒を喰っている──更衣室の前で
三年の先輩たちが話していた事からも、その噂は事実なのだ。
 もしかしたら、羽山君も彼女と──
「俺もされそうになった事あるよ」
 なった事ある──けど、しなかった、という事なのだろう。
 彼は私を責めた時、その手の行為は知識だけだと言っていた。
「笹野先生の噂、知ってるでしょ?」
「……うん」
「夕菜は、されたの?」
「わ、私は……」
 されてしまった。彼女の指に身体を震わせ、達してしまった。
 でも、それを彼には言いたくない。好きな人を目の前にして、そんな事をされただなんて
とても言えない。
「夕菜──」
 彼の両手が私の肩を掴み、正面から向き合う。
 羽山君のいつもと変わらぬ微笑が、私の眼を捕らえて離さない。
「夕菜は、可愛いなぁ」
「羽山君……」
 見つめられるだけで、くらくらしてしまう。とろけそうなほどの穏やかな視線──
 吸い込まれそうになって、眼を開けていられない。
 刹那、唇が──
「んっ……」
 温かくて柔らかい。
──キス……こんなとこで……。
 ちゅっと音を立てながら、彼の唇が触れては離れ、離れては触れを繰り返す。
 小鳥が木の実を啄ばむように──
 ふらふらとよろめきそうな私を、背中に回された腕が支えてくれる。
「んっ、んぅ……」
 ミントの香りが口に広がる。彼の舌が、私の唇を割って侵入してきた。
「んぅ……ふぁ」
 くちゅ、と小さな音がした。
 彼の舌と、私の舌とが触れ合う。
 肩と腰を抱かれ、逃げる事は叶わない。
 いや──私には逃げる気など無い。
 自ら、彼の舌を求めてしまっていた。

315 名前:夕菜 mailto:sage [2006/11/07(火) 13:05:32 ID:F49kd+eY]
 二人の舌が絡み合う。
 彼はまだ私を想っていてくれた。
 あんな風に突っ撥ねてしまった私を、こうやって抱き締めて、深いキスをしてくれる。
 私はなんて愚かだったのだろう。
 彼はこんなにも私を想ってくれていたというのに──
 自分の事ばかり考えて、彼を信じられなかった。今まで彼が助けてくれた事が無いから
といって、保身に走ってしまった自分が情けない。
 私だって──
 他の男の子たちとは違う雰囲気をもつ彼に、一方的に密かな想いを密かに抱いていた
だけだったではないか。気持ちを表に出さずとも、彼に手助けした事など一度も無かった
ではないか。
 いくら彼が優秀で抜きん出ていると言っても、同い年の男の子なのだ。彼にだって、でき
ない事はいくらでもある。
 さらりと受け流してしまうが、彼もからかわれる事があったし、上級生や、たちの悪い
教師から無理難題を吹っかけられる事もあった。
 それを見ていた私は、彼になにかしただろうか──
 なにもしてはいない。
 自分には関わりが無いと、眼を逸らしていたではないか。
 なのに、自分の事を棚に上げて、彼にはそれを求めるなんて。
──私、やっぱり自分勝手だ……。
 頭の中で、くちゅくちゅと響く音が不意に止んだ。
「どうした?」
 唇が離れ、眼を開けると、彼が心配そうに覗き込んでいた。
 頬を伝う感触──
 涙だった。
「夕菜?」
 伝い落ちる雫を、彼の指がそっと拭う。
「羽山君……」
「うん?」
 彼に謝らなければ──
「保健室で、私……ごめんなさい」
「夕菜──」
「私、羽山君に助けてもらって……なのに、私……」
 眼を逸らしてしまいたい。
 でも逸らしてはいけない。
 彼の眼を真っ直ぐに見ながら言わなければ、嘘になってしまうような気がした。
「ごめんなさい、羽山君。私……」
 彼は黙って私の眼を見つめ返している。口元に、ほんのわずかな笑みを湛えて。
「私、自分が可愛くて、羽山君を、傷つけた」
「……」
「だから……ごめんなさい」
 彼が眼を伏せる。
 ゆっくりと瞼が閉じられ、少しだけ首を傾げ、眼を開いた。
「俺、すごくショックだったな」
「──ッ!」
 身体中の血液が、一瞬にして凍りついたようだった。
 彼の腰にまわしていた腕が、ずるずると落ちてゆく。
「夕菜は俺の事、好きなんじゃないかなって思ってた」
 抑揚の無い声だった。
 私は顔を伏せた。
 彼の言葉を正面から受ける事なんてできなかった。
「階段であんな事したのに、本気で抵抗されなかったし……いや、それ以前から、夕菜が
俺の事を好きなんじゃないかって思ってた」
 淡々と続ける彼。
 ここから逃げ出したい。
 けれど、脚が竦んで動けない。立っているだけでやっとだった。
「保健室で胸まで見せてくれた時、やっぱりそうだったんだって思った」
 聞きたくない──
「なのに、あんな事言われて──」
 彼の言葉をこれ以上聞いたら、私は──

316 名前:夕菜 mailto:sage [2006/11/07(火) 13:06:24 ID:F49kd+eY]
「……ごめ……なさ……」
 俯いたまま、だらりと下げた両手を握り締めて言った。
 かすれて、声にならなかった。
「ごめんなさい……」
 もう一度言った。
「夕菜──」
 彼の声が、耳元で──
 私は、抱き締められていた。
「俺の話、まだ途中だってば」
「羽山君……?」
 声色が、変わった。
「ここからがいいところなんだからさ」
 凍りついた私の身体を優しく解かしてくれるような、冗談めかした声音だった。
「あんな事言われてさ、俺、ショックだったんだよ」
 彼の手に、髪を撫でられる。
「ああ、俺は失恋したのかな、って」
 口元に浮かんだ笑みは──自嘲、だろうか。
「それで、気づいた」
 髪を撫でていた指が、すっと頬に触れた。
「──本気だったんだな、俺、ってね」
 羽山君は、私を──
 本気だったと言った彼の言葉は、震えているように思えた。
「俺、昔は泣き虫だったんだよ。だから──」
──羽山君が、泣き虫……?
 今の彼からは想像ができない。
 けれど、ならば、だとしたら──
「あの時、俺ほんとは、泣きそうになっちゃってね」
 振られて泣くなんて、かっこ悪いだろ? と彼は笑った。
 あの時彼は、泣きそうな自分を見られるのが嫌で、背を向けたという事なのか──
「色々と鍛えられて……もう泣く事なんて無いと思ってたのになぁ」
 独り言のように呟く。
 濡れた頬を撫でる指も、私を抱き締めている身体も、わずかに震えているようだった。
「教室まで独りで戻る間……正直言って、寂しかったな」
 ほんとに泣きそうだったよ、と続けた羽山君の指が、私の涙の痕を拭う。
 ならば──
──同じなんだ……。
 私も──寂しかった。
 自分の言葉に悔やみ、やりようのない気持ちを、自ら慰めて誤魔化した。
「まぁ、当たり前だよね」
 彼の身体が離れる。
 両手で頬を挟まれ、上を向かされた。羽山君の、照れたような笑みがそこにあった。
「あんな事されて、好きなんて言われても、信じられないよな。夕菜は謝らなくていい」
 彼ははにかんだように少しだけ眼を逸らした。
 手が離れ、彼が背を向ける。
 背を向けたまま、天を仰ぎ──
「でもさ、俺って諦めが悪いんだ」
 どういう意味かと思う間も無く、彼が振り向いた。
「何度でも言うよ」
 透き通った暗褐色の瞳に、真っ直ぐに見つめられる。
「俺は、夕菜の事が好きだ」
 はっきりとした、曇りの無い言葉だった。
 私は遠回りをしてしまっていたのだ。
 今なら確信できる──彼はこんなにも、私のことを想ってくれていたのだ。
「夕菜、好きだよ」
「羽山君……」
 もう迷う事などない。
 思うままを口にしよう。
 私は素直に、その言葉を紡ぐ──
「私、羽山君の事が……好き」
 二人の唇が、重なり合った。

317 名前:夕菜の中の人 mailto:sage [2006/11/07(火) 13:12:34 ID:F49kd+eY]
今回は以上です。
どうやらエロい事ばかり考えていて数も数えられなくなってしまったようです。
8レスでした(´・ω・`)
夕菜はまだパンツ穿いてないので、これでは終わりませんw

>>307
それはそれでステキなシチュエーションですなぁ〜
金森は書いていて楽しいキャラなので、まだ出番はありますでございますですわ♪

318 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2006/11/07(火) 15:55:31 ID:L0F6WXU/]
いいよいいよー
次もまってるよー

319 名前:名無しさん@ピンキー [2006/11/07(火) 16:41:16 ID:kQtn6Lct]
>>317
羽山か金森のちんぽをチョンパ汁



320 名前:名無しさん@ピンキー [2006/11/07(火) 18:26:15 ID:FzprZ9lN]
>>317
GODJOB
また続きお願いします
夕菜可愛すぎ
幸せになってもらあたいな

321 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2006/11/07(火) 19:11:32 ID:s9y46ifh]
>>320
興奮しすぎて手元が狂ったか

>>317
ネ申

322 名前:佐奈 mailto:sage [2006/11/07(火) 20:30:30 ID:g3Rm1Nvh]
私は中3です。3月10日、卒業式でした。
そして、卒業式が終わっていえに帰って、友達と遊びに行っていました。
そしたら!!彼氏に見つかって(?)彼氏の家に急遽行く事になりました。
そして行き成り彼氏は私の胸を触り始めて、ベッドにたおれました。
そしたら制服のスカートをめくり上げて、パンツの中に手を入れて、
チンコの中に指を入れて・・・「クチュクチュクチュ」って。わざといやらしい音を立てて・・・。
そして彼氏はこういいました。「服脱いで」と。
私はビックリしたので「え?」と聞き返しました。私はもちろんエッチはやったことはあります。その彼氏と。ほかの人ともやった事はありますが・・・(藁
そして、彼氏は「オレ、脱いでる所とか写メとるの好きだから」っていいました。
私は納得して、自分でぬぎはじめました。
そして彼氏は私の体で遊び始めました。チンコに指を入れてクチュクチュいやらしい音を出したり、胸をもみもみしたり、なめたり。
そして彼氏は写メもとりまくってました。私のチンコの穴。胸。全体など。
そして彼氏は我慢できなくなったらしく、こういいました。
「オレのズボン脱がせて」と。私は喜んで脱がしました。
ズボンのチャックを開けて、ズボンを下ろして、ガラパンを下ろして。
そしたら彼氏のもうすでに大きくなっているあそこが出てきました。
そして私は彼氏をベッドに寝かし、私はうえにのぼって彼氏のあそこと私のチンコを押さえつけるようにしながら写メをとりました。
とても気持ちよかったです。
この写メを見たい人はこのスレを8箇所に張ってください。
そしたら[               ]←ここにアドレスが出てきます。
それをクリックすると、彼がとった写メすべてのってます。
私がとった写メも、動画も載せてます。
動画はわかりにくいようにしています。
「☆」をクリックすると動画がみれます。
このスレを1箇所にも張らなかった人は、不幸がおこります。
大好きな人が一年以上学校に来なかったり。
嫌いな人があなたの席の隣になったり。
親戚が亡くなったり



323 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2006/11/08(水) 00:20:30 ID:jQITqIOD]
突っ込むばかりがエロ要素じゃないってことだよ
素晴らしいよ神

324 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2006/11/08(水) 01:39:56 ID:Q0JkT0HQ]
憑き物が落ちたような気分だ。
羽 山君とお幸せに。


で、この後さらにどんな事態が待ち受けているのだろう・・・

325 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2006/11/08(水) 02:06:00 ID:7LW3fNPr]
よかった…
いろんな意味でよかった!

326 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2006/11/11(土) 13:44:02 ID:zZpfPxGO]
エロ要素少なめでもこれスゲェ好きなんだが

327 名前:名無しさん@ピンキー [2006/11/14(火) 10:14:48 ID:wqt9dt/C]
営業で来る女の子なんかに

「ノーパンで来たら契約する」
なんて言ったりしたツワモノ
いませんか?

328 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2006/11/14(火) 11:57:26 ID:Yrh3SP9/]
タイーホされるお

329 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2006/11/14(火) 12:45:33 ID:BQQaHajp]
>>327
妄想の世界ではいいかもしれない
現実には危険
相手が怖い女性団体とかの団員だったらヤバいことになるよ

集団が会社へやってきて実名で抗議活動
生きていけなくなります



330 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2006/11/14(火) 13:10:54 ID:azR1xV8O]
このスレから逮捕者がでたら
記念カキコとか来るのかなあ

331 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2006/11/14(火) 13:13:57 ID:azR1xV8O]
tokyo.cool.ne.jp/myuyan/satomi52.html
コウシン キテタ

332 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2006/11/16(木) 07:59:30 ID:EQz+4+dT]
派遣、アルバイト女性を狙う テレビ業界の悪質セクハラ体質
news.livedoor.com/webapp/journal/cid__2723387/detail?rd

アナウンサーもの おながい

333 名前:名無しさん@ピンキー [2006/11/16(木) 15:12:05 ID:i4UidZjW]
ノーパン部活少女
ノーパン制服美少女

334 名前:名無しさん@ピンキー [2006/11/16(木) 20:25:43 ID:/p/wwGQ5]
いぬかみっ!でのノーパンねたがすばらしかった!舞ーHIMEといい深夜放送アニメは要チェックだぜ!!

335 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2006/11/16(木) 20:36:53 ID:0K1r0Koe]
>>334
何話?

336 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2006/11/16(木) 23:10:14 ID:ZJMgNIhK]
20話 白布に想いをっ!

337 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2006/11/17(金) 16:18:19 ID:mGnKoHtf]
>>336
素晴らしい

338 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2006/11/17(金) 16:27:12 ID:lQ8hqrJ2]
もう一つの方は
 舞ーHIME 第四話「風のイ・タ・ズ・ラ」
であってる?

339 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2006/11/17(金) 21:44:37 ID:lASi/vB+]
>>338
ご明察。あれこそはノーパン羞恥の極みだった。



340 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2006/11/18(土) 09:03:21 ID:Bz2ODfqQ]
玖我なつきはいいな!

341 名前:名無しさん@ピンキー [2006/11/18(土) 09:35:15 ID:yClBPmT3]
この変態どもめっ!!

342 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2006/11/18(土) 13:28:16 ID:y9p4QW3V]
>>341
ありがとう。最高の(ry

343 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2006/11/19(日) 01:15:30 ID:6pW0rOkS]
今日初めてこのスレを発見し、一気に最初から読みあさった。
何このネ申スレ・・・
たった一人の職人さんだけでここまで盛り上がるか?

344 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2006/11/19(日) 08:10:31 ID:wLAGGLms]
職人だけじゃなく、多くの変態たちがいてこそのスレだ

345 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2006/11/20(月) 03:38:52 ID:we4txc1N]
返す返すも、1スレ目にあったノーパン学園(勝手に命名)が荒らしの所為で
うやむやになったのが悔やまれる。(あんぐらいブッ飛んでるのも好きだったのに)

346 名前:夕菜の中の人 mailto:sage [2006/11/20(月) 15:34:37 ID:IKGztgEX]
また日が開いてしまいました。
しかも困ったことに、内容が……。
異論反論覚悟で投下したいと思います。

347 名前:夕菜 mailto:sage [2006/11/20(月) 15:35:24 ID:IKGztgEX]
──夕菜ちゃん、夕菜ちゃん……ごめんね夕菜ちゃん。
 竜介はずきずきと痛む喉と側頭部をさすりながら廊下を歩いていた。
 夕菜を追って教室へ戻り、いきなり彼女が抱きついてきた時には、驚いて抱きとめて
あげる事ができなかった──と、竜介は思っている。
 自分の身体に弾かれて倒れてしまった夕菜を、抱き起こしてあげようと思った。
 しかし、クラスメイトたちは下品な言葉で自分たちをからかった。
──あいつらっ、あいつら許せない!
 彼女の大きな膨らみを揉んだのは、あの下品な連中に、彼女と自分の仲を見せ付けて
やろうと思ったからだった。彼女の乳房に触れるのは、自分にだけ許されている事だ。
夕菜は自分のものなのだと認識付けるには、ああするのが一番だったのだ。
 竜介は、自分が何をし、どう見られたのかを解かっていない。竜介は自分と夕菜とが、
固い絆で結ばれていると、主従関係にあるのだと勝手に思い込んでいる。
 いや、思い込みなどではなく、彼の世界には事実として刻まれていた。
──あいつ! 羽山の奴ッ!
 恭也に蹴り飛ばされ、夕菜は窮地を救われた。
 だが、竜介の中での恭也は、自分と夕菜を暴力で引き裂こうとする、最低で凶暴な極
悪人という事になってしまっている。
──でも大丈夫だよ夕菜ちゃん。僕が守ってあげるからね……。
 竜介は意識を取り戻すと、おもむろに立ち上がり足元に落ちたビニール袋から、クラス
メイトに頼まれたパンとドリンクだけ取り出し、ロッカーの後に置いて、何も言わずに
教室を出たのだった。
 自分の分だけビニール袋に残し、左手にぶら下げて廊下を足早に歩いている。
──夕菜ちゃん、どこへ行ったのかなぁ。
 ふと嫌な気配を感じて顔を上げると、廊下の壁に寄りかかっていた恭也と眼が合った。
──あいつ! なんで、こんなとこに……。
 竜介は濁った眼で睨みつける。
 しかし、恭也はおどけたように眼を丸くして、すぐにいつも通りの涼しい顔に戻った。
──気取りやがって……。
 恭也の口元に湛えられた笑みが、竜介の心を抉る。
──あいつ……いつも僕を小馬鹿にしたような眼で見やがって!
 鼻息荒く恭也の方へと歩いてゆく。
 たまたま自分の進行方向に恭也がいるというだけなのではあるが、竜介はこれから彼と
殴り合いの喧嘩でも始めるような気分になってしまっている。
 さっき自分を蹴り飛ばしたのが、恭也である事は認識している。あの時は油断していた
から喰らってしまったが、今はそうはいかないぞ、と意気込む。
 澄ました顔をしていられるのも今のうちだと、両の拳をぎゅっと握り締める。
──こいつで不意をついて……。
 まず、左手にぶら下げた、パンとドリンクの入ったビニール袋で牽制する。そっちに
気を取られた隙に右の鉄拳を叩き込む──
 竜介は体格は良いのだが、喧嘩はからっきしだった。小学生の頃には地域の柔道教室に
通っていたが、格闘技をやっているからと言って喧嘩に勝てるわけでもない。そもそも、
彼は下級生にすら遅れをとる程度の技量しかなかったのだ。
 取っ組み合いになれば体格を活かして抑え付ける事も可能だろうが、まともに喧嘩した
経験も無く、頑丈なだけで俊敏性に欠ける彼が、恭也に敵うはずもない。
──でも、学校で喧嘩はダメだな……。
 あと数歩で恭也に手が届くというところになって、竜介は拳を緩めた。
──いつかきっと落とし前はつけるからな!
 竜介本人は、理性を働かせて殴りかかるのを抑えたつもりになっているのだが──
 実際はそうではなかった。
 恭也は、左手を学生ズボンのポケットに突っ込んで、右手はだらりと下げたまま、壁に
もたれていた。口元に僅かに笑みを浮かべ、緊張感の欠片も感じられない姿だというのに、
一分の隙も無い──
 つまり、竜介は本能的に悟ったのだ。
 自分では刃が立たないと──
 そういう意味では、竜介は格闘者としての才能があるのかもしれない。自分より強い奴
を嗅ぎ分ける力を備えていると言えるのだから。
 ともかく竜介は戦意を喪失し、恭也から眼を逸らして廊下を進んだ。
 恭也の前を通り過ぎ、今頃になって、これからどこへ向かおうかと考える。
 竜介は行き先を考えていなかった。教室にいるのは我慢ができず、しかし食事は摂らね
ばならないのでパンとドリンクだけは持って、無意識のうちに教室を出たのだった。

348 名前:夕菜 mailto:sage [2006/11/20(月) 15:36:40 ID:IKGztgEX]
──図書室はダメだなぁ。
 飲食物の持ち込みが禁じられている事を思い出す。
──屋上にしようかな……。
 屋上なら滅多に人が来ない。
 校舎の屋上へ抜ける金属製の重たい扉には、大仰な南京錠が掛けられ、普段は生徒の立ち
入りが禁止されている。
 ここで彼が屋上と意識しているのは、屋上の手前の小さなスペースの事だった。
 屋上へ続く階段を登りきると、数メートル四方の小部屋のような空間があり、屋上自体が
立ち入り禁止のため、生徒も教師もほとんど寄り付かない場所になっていた。
 竜介はそこで独りで昼食を摂ろうと考えたのだが──
「なぁ、どこ行くの?」
──ッ!?
 すぐ後から聞こえたのは、恭也の声だった。
 足を止めて振り返ると、竜介の嫌いなあの微笑があった。
「俺も一緒していい?」
──なんでこいつが……なんの用なんだ?
 全く恭也の意図が掴めず、竜介はただ立ち尽くす。
「どっかで飯食うんだろ?」
 竜介の下げたビニール袋を指差す。
「ど、ど、どこだって、いいだろ」
 どもりながら言って、前を向いて歩き出した。
 恭也も、竜介に並んで歩き出す。
「まぁ、どこでもいいんだけど」
 そう言って、ふふっと笑う。
──お前、なんなんだよぉ!
 怒鳴りつけたい衝動に駆られるが、それを抑え込む。本能的に──
 竜介が無言で歩く。
 恭也も無言で歩く。
 廊下にはそれほど人がいなかったが、二人の名はクラスだけでなく、学年全体にも知れ
渡っている──もちろん正反対のラベリングを施され──この異色の取り合わせは、
擦れ違う全員の眼を奪った。
 竜介がやや先導し、斜め後に恭也が従う形になっている。しかし、恭也に促されておず
おずと先を行く竜介──と見る者の方が多かった事だろう。
──なんなんだ、なんなんだよまったく!
 竜介の思考は、ずっとその繰り返しだった。それ以外には何も浮かばない。
 それでも彼は歩を進め、廊下を折れて階段を登った。
 二人はそのまま竜介の目的地へと辿り着いてしまう。
「ここで食うのか。暑くない?」
 恭也は、暑いと感じているようには見えない顔で言った。
 たしかにここは、空調の吹き出し口が取り付けられていないし、いくつかの小さな窓は
全て填め殺しで、屋上へ抜けるドアに無骨な南京錠が掛けられている。
 その所為か、校舎の中では一番高いここは、階段を通して全ての熱気が集まってくる
ような気にさせられる場所だった。
「あ、暑いなら、きょ、教室戻ればいいだろ」
 竜介はその壁際にどっかと腰を下ろし、胡座をかいてビニール袋からパンとドリンクを
がさがさと取り出した。
「けっこういいね、ここ」
「……な、何が?」
 自分で言っておきながら恭也は竜介の問いに答えず、階段の手すりにもたれて階下を
覗き込んでいる。
──なんだよ、用が無いならさっさと帰れよ。
 恭也の態度に苛立ちを隠せず、包みを乱暴に引き千切り、パンをがぶりと頬張った。
 水気の少ない菓子パンに咽ながら、コーヒー牛乳のパックにストローを突き刺す。
「それ、美味い?」
 恭也が後を見もせずに言う。
「……べ、べ、別に。普通だけど」
「ふうん」
──なんだよ! 興味あるのか無いのかどっちなんだよ、はっきりしろよ!
 その台詞を面白おかしく表現できたのなら、竜介ももっと周りと打ち解ける事ができる
のかもしれない。

349 名前:夕菜 mailto:sage [2006/11/20(月) 15:38:37 ID:IKGztgEX]
 恭也はまるでうしろが見えていたかのように、竜介が最後の一口を飲み込むのと同時に、
振り向いた。
「ご馳走様は?」
 すっとぼけたような口調でそんな事を言う。
「食べる前は頂きます、喰ったらご馳走様だろ?」
「……う、うるさいな」
「俺も毎回言うわけじゃないけどさ」
──だからなんなんだよ、何が言いたいんだ!
 こんなに苛々した食事は久しぶりだ、と言ってやろうと思った時だった。
「リュウは、なんであんな事したの?」
「は……?」
 恭也は手すりに背を預け、竜介を真っ直ぐに見る。
「夕菜を、押し倒したじゃん?」
──夕菜……夕菜だって? 僕だってちゃんづけなのに、呼び捨てか!?
 ちゃんづけは竜介の頭の中だけに過ぎないのだが、そんな事は彼にとっては些細だ。
恭也が夕菜と呼び捨てにした事は、極めて重大で我慢ならない。
 彼女と親しくしていいのは自分だけなのだ。女子たちが呼び捨てにするのはまだ許せるが、
他の男、特に恭也のような女誑しが呼び捨てにするなんて、自分を差し置いて夕菜と呼び
捨てるだなんてのは、絶対にあってはならない事なのに──
 瞬間湯沸かし機のごとくに沸騰した頭だが、しかし別の考えも浮かんでくる。
──押し倒した? 僕が? 夕菜ちゃんを?
 あれは自分が抱き留めてあげられなくて、彼女が倒れたしまったのであって、押し倒した
わけではない。その後の事を言っているのであれば、もっと簡単だ。
 二人の絆をクラスの連中に知らしめるため──押し倒したなどと人聞きの悪い言い方を
するこいつは──
「は、は、羽山君は、う、う、羨ましいの?」
「どうかな」
──そうだ、羨ましいんだろう? そうだよ、そうに違いない!
 竜介は残っていたコーヒー牛乳をずずっと吸い上げて飲み干すと、にやりと笑った。
 柔らかな乳房の感触が甦る。剥き出しになった夕菜の二本の白い脚が──
「む、胸、や、や、柔らかくて……す、スカート捲れてただろ? あ、脚だって、きき、き、
綺麗なんだぞ」
 虚勢を張った竜介の台詞に、恭也は眉をぴくりと動かした。
「ふうん? スカート捲れてたもんな。見えた?」
「え? あ、あ、当たり前だよ」
 夕菜ちゃんは僕だけにスカートの中を見せてくれたんだ──と。
「し、白、白くて、可愛いかったぞ、ゆ、夕菜ちゃんの、ぱ、ぱ、パンティ──」
 竜介のどろどろと濁った眼を、恭也は射抜くように見据えている。
「ま、真っ白で、あの、あ、あの毛、毛だって、す、透けてたんだ」
 スカートが捲れ上がり、竜介にだけ見えた純白の下着。そこにうっすらと透けた夕菜の
秘密の茂み──
 眉を顰めて、毛? と訊き返した恭也に、勝ち誇って踏ん反り返る。
「け、け、毛だよ、ま、まん──い、陰毛、知らないのかい?」
 知ってるけどさ、と答えた恭也の声は震えていた。
──どうだ、お前なんて一生かかっても見る事は叶わないんだぞ!
 竜介の得意げな顔に、だが、恭也は複雑な笑みで応えた。
──なんだよ、なんだその顔は?
「ふうん、なるほどね」
 恭也は納得したように、眼を閉じて溜め息をついた。
「想定外って奴だけど、面白いな。それに、そんなイメージなのか」
──想定外? 面白い? イメージ? 何を言ってるんだこいつは?。
「なんか、リュウって、思ってたより凄い奴なんだな」
──褒めて取り入ろうって考えか? 悔しくないのか? もう降参か?
 恭也は、よっ、と声に出して、跳ねるように手摺りから離れた。
「夕菜のあそこ、つるつるで可愛いよな」
──ッ!? なんだよ、なんだそれっ!
 竜介の世界がぐらりと揺らぐ。
 自分が世界の中心から追い出されたような気になってしまう。
「つつ、つ、つ──ッ!」
 竜介は自分でも驚くほど俊敏に立ち上がり、恭也の二の腕を掴んでいた。



350 名前:夕菜 mailto:sage [2006/11/20(月) 15:39:20 ID:IKGztgEX]
 恭也の左腕を握り締め、鬼のような形相で睨みつける。
 横を向いた身体で、顔だけを竜介に向けた恭也の口元には、平時と変わらぬ僅かな笑みが
浮かんでいた。
 しかし竜介には、それが自分を嘲り、蔑んでいるように見えてしまう。
「な、な、なんだっ、お、お前っ、なな、な、何が言いたいんだよっ!」
「何って、本当の事だよ」
 竜介の怒声を、恭也はさらりと受け流す。まるで相手にしていないように。
 つるつるで可愛いよな──恭也の台詞がフィードバックする。
「つ、つ、つつ、つる……」
 舌が縺れて言葉にならない。
 ただでさえ喋るのが苦手な竜介は、恭也の言葉に思考を掻き乱されてまともに話せない。
「つるつるがどうした?」
「つ、つっ、つるって──」
 恭也の身体が揺れた──と思う間も無く、彼の自由な右手が翻り、二の腕を掴んでいた
竜介の右手首を捻り上げていた。
「痛ッ!」
 それほど力を篭めたようにも見えないのに、手首を内回りに捻られた竜介の身体が、痛み
から逃れようと、くるりと回ってしまう。
 体格差をものともせず、流れるような動作を一呼吸で終えた恭也は、苦痛に歪んだ竜介と
は対照的に、顔色ひとつ変えていない。
「そんな強く握ったら痛いだろ?」
 そうと思えない口調で、完全に背中を見せてしまった竜介を解放する。
──くそ! くそっ、くそくそくそくそくそぉっ!
 竜介は、よろめいた身体を壁に手を突いて支えた。
 肩越しに恭也を睨みつけるが、恭也は僅かな笑みで応える。
「もう一度よく思い出せよ」
「な、なにを──」
「夕菜のスカートの中身だよ」
 竜介の思考が停止する。
──こいつは、何を……。
 恭也の言葉が理解できない。理解不能の焦燥に駆られて冷や汗がにじむ。
「下着は穿いてたのか?」
「し、下着──」
「本当に透けてたのか?」
 教室でぶつかった夕菜は、竜介の前で、膝を立てたまま尻餅をついてしまった。白い
太腿が露になって、捲れ上がったスカートは──
「あ、あ、当たり前だ! 当たり前だろっ!」
「いいか、リュウ。もう一度だ」
 がなり立てる竜介をなだめるように、恭也は穏やかな声を投げかける。
「もう一度、落ち着いて、ようく思い出すんだ」
 何度思い出しても変わらない。夕菜のスカートからは、白い下着が見えていたのだ。
「下着は見えたのか?」
 白い布が、そこを覆っていた。夕菜のそこは、白い布に覆われ──
「ほんとに、毛が透けてたのか?」
 恭也の声が、竜介の意識に染み込んでゆく。
 竜介の世界に亀裂が走る──
 白い布は、そこを覆ってはいたが、ショーツのように密着していたわけではなかった。
皺を作ってそこに被さっているだけで──
「それは、本当にお前の眼に映ったものなのか?」
──違う……違うんだ。
 自分の眼が捉えた光景が、今ははっきりと竜介の脳裏に甦っていた。
 彼の世界が、音を立てて崩れ始めた。
「あ、あ、あっ、あれは……」
 白い布地は確かに見た。
 だがそれは──ブラウスの裾だ。
 ブラウスの裾が、夕菜のスカートの裾から覗いていただけなのだ。
 彼女のしなやかな太腿の間から、それが顔を出していただけで──
 竜介は俯いた。
「せ、せ、制服の、す、裾だよ……」
 恭也の眼が、ふっと緩んだ。

351 名前:夕菜 mailto:sage [2006/11/20(月) 15:43:33 ID:IKGztgEX]
「そっか、裾だったのか」
 恭也の言葉で、それを改めて認識する。
──僕は、見てなかった……夕菜ちゃんのパンティーを、見てなかったんだ。
 自分の眼の前で尻餅をついてしまった夕菜は、白い太腿を剥き出しにしていた。眼を
奪われた竜介は、スカートから覗くブラウスの裾を、ショーツだと勘違いしたのだ。
 しかも、皺が寄って陰になったそこに、夕菜の陰毛を幻視してもいた。
 それどころか、彼女の脚の付け根の映像が、竜介の記憶には存在しなかったのだ。
 全身の力が抜けてしまうようだった。ひどく心細い。
 世界の中心から追い出され、虚空を漂っているような寂然とした気持ちだった。
「リュウは、見なかったんだな」
 恭也はいつの間にか、彼の横の壁に背を預けていた。
 うん、と頷き、竜介も壁にもたれた。
「み、見えなかったよ」
 竜介は恭也を嫌っていたはずなのに──どういうわけか、今は彼が隣にいる事で、
寂しさが和らぐような気になっていた。
「残念だったな」
「はは……そ、そうかもね」
 力無く笑った。
 やはりこいつには勝てない、と竜介は思う。
──いや、最初から勝負になるわけがないんだ……。
 横目で恭也の顔を見ると、彼も竜介を見ていた。
 全てを見抜くような彼の視線から、眼を逸らしてしまう。
「リュウは、おっぱい好き?」
 ぶっと吹き出してしまう。
 いきなり何を言い出すんだと、表情の読めない彼の顔をまじまじと見てしまう。
「夕菜のおっぱい、すごいよな」
「ゆ、ゆ……か、柏原さんの……」
「夕菜ちゃん、って言えばいいじゃん。さっきは言ってたろ?」
 慌てて顔を伏せたが、視線は痛いほどに感じられる。
「俺、実は巨乳好きなんだよ」
「えっ……」
「好きなんだろ、夕菜の事?」
「──ッ!」
「やっぱ、巨乳は良いよな」
「な、なっ、そ、そんな事で、僕はっ──」
「最初はそんなもんでいいじゃん。切欠はそんなんだろ? 見た目が好みとか、喋り方が
可愛いとか、ちょっと優しくされて嬉しかったとか、さ」
 そういうものなのだろうと、竜介も思う。
 最初に興味を持ったのは、彼女の胸だった。規格外の乳房に触れてみたいと思った。
日が経つにつれ、どうやら彼女は自分と似た境遇なのだと理解できるようになり、仲間
意識を覚え始めた。そして、日々妄想に耽り、彼女への想いを強めていったのだ。
──妄想、なんだよな……。
 それは彼のたったひとつの拠り所だった。
 自分の世界を創り上げ、そこに心を留め置く事で、辛い外界から守っていたのだ。
「まだ痛むか?」
 言われて思い出す。教室で蹴られた痛みは、まだ少し残っていた。
「謝らないからな」
「うん……」
 今の竜介には、自分が何をしたのか理解できている。
 夕菜は嫌がっていた。恐怖に怯えていた。謝るのは自分の方だ。
「たぶんリュウはさ、どっかでギアが噛み合わなくなってただけなんだろうな」
 責めるでもなく、慰めるでもない淡々とした口調で言い、俺にもそういう時期があった
からな、と恭也は笑った。
 彼がそんな事を自分に言う理由が解からず、竜介は何も応えられずに床を見続けた。
 不意に、恭也はもたれていた壁から身体を起こした。
 竜介の肩に手を乗せ、顔を上げた彼の顔を正面から見据える。
「ま、あの胸から、つるつるなのは想像できないよなぁ」
 不敵に笑って、初めて歯を見せた。真っ白で、濁りの無い歯だった。
 竜介は、敗北を悟った。
 と同時に、どこか安らかな気持ちに包まれているのも感じていた。

352 名前:夕菜の中の人 mailto:sage [2006/11/20(月) 15:45:11 ID:IKGztgEX]
というわけで今回は以上です。
エロ要素もノーパン要素も皆無で……すみません。

353 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2006/11/20(月) 16:37:20 ID:1SvNNKpR]
ムキー!
この我慢汁をどうしてくれるんだ。
次まぁだぁ〜まぁだぁ〜チンチン
待ってるよ〜チンチン

354 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2006/11/20(月) 17:34:15 ID:XlCKGjrh]
恭ちゃん男前だな……
惚れたぜ

355 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2006/11/20(月) 23:17:13 ID:6lilnOfE]
なんていうか大人だな

ゆっくり自分が書きたいものを書いてください。

356 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2006/11/21(火) 17:00:00 ID:M8wpVZB1]
>>352
待ってたよ。
羽山はちょっとスーパーマンすぎるかな?とも思ってたんだけど
今回のエピソードで俄然親近感わいたよ。
まんこ見られたか知るためにあんなまわりくどい聞き方したり、独占欲丸出しだし
可愛いじゃないかwちゃんと夕菜の事好きみたいで安心したよ。
今後の夕菜と羽山の絡みが楽しみだ。中の人ガンガレ。

357 名前:夕菜の中の人 mailto:sage [2006/11/23(木) 13:14:12 ID:Wiee+zf5]
こんにちは。皆様コメントありがとうございます。
ひとまとまり書けたので投下します。
今回は深雪タンのお話。エロ要素はは相変わらず……(´・ω・`)


358 名前:夕菜 mailto:sage [2006/11/23(木) 13:16:41 ID:Wiee+zf5]
「おっ、羽山どうしたん?」
 男子の声に、深雪は顔を上げた。
 あと少しで弁当を食べ終えようという時、恭也が教室に戻ってきた。
 深雪が顔を向けた時にはもう、恭也は深雪の眼を捉えていた。
「深雪、ちょっといい?」
「え?」
 突然声をかけられ、深雪は戸惑ってしまう。
 勘の鋭い彼の事だ。夕菜の下着を自分たちが隠したのだと気づき、追及しようというの
かもしれないと、不安に駆られる。
 それとも──自分の秘密の趣味を知られてしまったのだろうかとも思う。
「まだ途中か。食った後で良いよ。俺も途中だしさ」
 え、そう? という、呆けたような深雪の返事に恭也は苦笑する。
「さっさと食えよ。込み入った話になるかもしれないし」
 深雪は、心臓を鷲掴みにされたようだった。
 そんな彼女を気にも留めない様子で、恭也は自分の席に戻ってしまう。
「お前どこ行ってたんだよ?」
「トイレだよ」
「なんだ、うんこか」
「そんなとこ」
 男子の台詞は下品だったが、恭也は意に介さず、食べかけの弁当を突付き始めた。
「ねぇ、ちょっと深雪。今のって……」
 隣にいた楠井舞香に囁かれ、深雪は我に返った。
「羽山君、気づいてるんじゃ……」
 彼女もそう思っていたのかと、いっそう不安になる。
「何も言わなきゃ判んないって」
 しかし、机を合わせている脇田千穂は、さらりとそう言った。
 舞香は、小柄で可愛らしい顔立ちと幼い体型の所為か、小学生に間違われる事も多い。
甘え上手で男子にも人気が高い。だが、彼女こそが、深雪に夕菜へのマイナスイメージを
植え付けた張本人だ。
 一方の千穂は、すらりと背が高く、凛とした美貌の持ち主で、アイドル顔負けの美少女
だった。何事もはっきりと自分の意見を出すタイプで発言力があり、彼女を敵に回す事は、
クラスメイト全てを敵に回すのに等しい。
 千穂は深雪とは小学生の頃からの付き合いで、家が近所だったのもあって、よく一緒に
遊んでいた。舞香とは中学になってから知り合ったのだが、同じテニス部で席も近かった
ため、よく喋るようになり、入学してひと月もする頃には、三人はグループを形作って、
夕菜に対する攻撃をするようになった。
「うん……そうだよね」
 深雪は千穂の言葉に頷いたが、どうにも調子が狂っているのを自覚していた。
──あんな姿を見ちゃったから?
 脚を広げて尻餅をついた夕菜の姿が頭をよぎる。はっきりとは判らなかったが、夕菜は
竜介に秘処を見られてしまったかもしれないのだ。
 深雪があんな提案をしなければ、夕菜はそんな目に合わなかったかもしれない。深雪は
夕菜の事を嫌っているが、どうしてなのかと問われれば、答えに詰まってしまう。
 舞香がそう言っていたから。千穂もああいう子は気に入らないと言ったから──
 その程度なのだ。出所は、深雪自身の意思ではない。
 中学生になり、初めてのクラスに幼馴染みの千穂がいたのは嬉しかった。クラスの大半
が知らない顔で心細いところに、仲の良い千穂がいてくれたのは、えもいわれぬ安堵感を
与えてくれた。
 千穂がテニス部に入るというので、自分もそうした。一年生は基礎練習と玉拾い、用具
の手入ればかりで、部活のメニューは大して面白くもなかったが、部員たちとのお喋りは
楽しかった。
 ちっちゃくて可愛らしいクラスメイト、舞香とも部活を通じて仲良くなった。
 舞香は、深雪の斜め前の席の夕菜の事を嫌っていた。確かに、地味でおとなしく、少々
とっつき難い子だとは思っていたが、胸の大きな暗い子、という程度の認識だった。
 舞香を中心に夕菜への風当たりが強まり、深雪もなんとなく一緒に夕菜を疎外している
うちに、夕菜を疎む気持ちが大きくなっていった。
 千穂がクラスでの発言力を高めていくのも手伝って、深雪たち三人は夕菜虐めの急先鋒
のような立ち位置になっていた。
 深雪の席が今の位置──教室の後の出入り口の近く、千穂の斜め後ろ──になった
のは、ついひと月ほど前であり、千穂の影響力の強さを表していた。

359 名前:夕菜 mailto:sage [2006/11/23(木) 13:18:23 ID:Wiee+zf5]
──別に、あの子がどうなろうが、私の知った事じゃ……。
 夕菜の最初の印象は、自分より胸が大きい、というものだった。
 中学に上がったばかりとしては、深雪もかなり目立つサイズだ。
 深雪も小学生時代には、その膨らみをからかわれる事もあったが、夕菜と違って深雪は
大きな胸に嫌悪感を抱いた事は無い。むしろその逆で、表に出す事はなかったが、同級生
よりも大きい事に優越感を持ってもいた。
 それに、そばにはいつも千穂がいたため、虐められるという事が全く無かった。
 深雪は、虐げられる側に回った事が無い。からかわれる事ぐらいはあっても、夕菜の
ように、クラス中からそっぽを向かれるような状況は経験していないのだ。
 故に、夕菜の気持ちなど考える事も無く、彼女に辛く当たる事に抵抗が無かった。
──でも、やっぱり……。
 あんな場面を目の当たりにしてしまって、そんな彼女も良心の呵責を覚える。
 竜介の行動は予測も理解もできなかったが、自分が発端となったようなものなのだと
思うと、あんな案を口にしなければ良かったと後悔する。
 と同時に、夕菜に同情している自分を意識し、複雑にもなる。
 下着を着けていない夕菜と、人に言えない趣味を持つ自分とが重なり合う。
 家の近くのごく短い距離を歩く間だけの、誰にも言えない秘密の趣味──
 一度だけ、独りで遠出した時に試した事もあった。
 今年のゴールデンウィークのある日、千穂と出かける予定だった深雪は、彼女が急な
用事でキャンセルになってしまったおかげで、しおれた気持ちを持て余していた。
 舞香を始め、親しい友人は軒並み家族で旅行中なのを知っていたし、兄も学生時代の
友人と集まるとかで留守だった。
 家にいてもつまらないと、深雪は独りで駅に向かった。繁華街方面に向かうつもり
だったが、なんとなく、反対方面行きの各駅停車に乗ってみた。
 がらがらの座席に腰を下ろし、バッグを膝の上に置いてぼーっと揺られていると、
通路を挟んで反対側に座っていた大学生ぐらいの青年の視線に気づいた。
 彼は携帯電話を弄びながら、ちらちらと深雪に眼を向けていた。
 それもそのはず、その時穿いていたスカートは、深雪の手持ちで一番短く、バッグが
無ければ容易く下着を拝めるほどだったのだ。Tシャツにパーカーを羽織っただけの
上半身も、中学生になったばかりにしては大きい彼女の胸が目立っていた。
 若い男が彼女の剥き出しの健康的な膝と、幼いながらもふくよかな膨らみに眼を奪われ
てしまったのもむべなるかな──
 深雪は、男の視線を気にすれば気にするほど、危険な想いに駆られてしまった。
 脚を開けば見られてしまうだろうか。バッグをどければ見えてしまうだろうか。見られ
たらどうなってしまうのだろうか──兄の成人向け雑誌で見た、いくつもの淫らな場面が
浮かび上がった。
 それらをかろうじて押し留め、平静を装っていた。
 窓の外は、高層建築と低層住宅のひしめくごみごみした住宅街から、次第にのどかな
郊外の景色へと移ろっていった。
 やがて青年は電車を降り、その車両にいるのは、深雪から離れたところにいる数人だけ
となった。
 深雪は、少しだけ脚を広げた。さっきまでいた青年に見られているところを、その先
までもを想像し──官能的な昂ぶりに支配され、湧き上がる熱を抑えられなくなった。
 家を出てからおよそ一時間の後、深雪は、一度も降りた事の無い小さな駅のホームに
立っていた。
 改札口の手前にあったトイレに入り、ショーツを下ろした。そこは驚くほどに潤んで
いて、淡いピンクの生地に大きな染みを作っていた。
 深雪は高鳴る鼓動を聴きながら、ショーツを脱いでしまった。
 股下が十センチ程度しかないデニムのスカートだ。ローライズのヒップハングだから、
下ろして丈を稼ぐ事もできない。
 そんなあられもない姿で、深雪は知らない町を歩いた。
 駅前商店街だというのに人影は疎らで、所々に畑が見えたりもする小さな町は、深雪の
育った都心に近いごみごみした街とは大違いだった。祖父が暮らす山間の田舎町とも違い、
異界にでも迷い込んだような気にさせられた。
 深雪は羞恥に頬を染め、濡れた秘処をさらに潤ませて、ふらふらと彷徨った。
 一度、ふらつく脚が縺れて転びそうになった時は、心臓が飛び出るような思いだった。
 見慣れたファーストフードを見つけ、安心したようながっかりしたような気分でポテト
とコーラを注文した。
 それを口にするより先に、深雪はトイレに向かった。
 呆れるほどに濡れそぼった秘処に触れると、あっけなく達してしまったのを憶えている。



360 名前:夕菜 mailto:sage [2006/11/23(木) 13:20:11 ID:Wiee+zf5]
 深雪はそんな性癖を、一番の親友である千穂にも話していない。その切欠を作ったとも
言える兄にだって話した事は無い。話せるはずも無い。自分一人だけの真の秘密なのだ。
 恭也にだって知られたくない──
 幼い頃を知っている恭也にだって、こんな自分を知られたいとは思わない。
──あたしが、こんなエッチな事してるなんてばれたら……。
 どう思われるのだろうと、不安になる。
──きっと軽蔑されちゃうよね……。
 いや、既に軽蔑されているのかもしれない。
 恭也は勘が良い。洞察力が鋭い。きっと──
 舞香の言葉が甦ってきた。
──恭ちゃん、気づいてるのかなぁ。
 バッグの中の夕菜の下着──
 男子の中には夕菜の身体に触れたりするような者もいたし、彼女らも多少はそういった
嫌がらせをした事もあったが、中心になっていたのは、いかにもこの年頃の少女らしい、
精神的な、社会的な虐めだった。
 いや、虐めなんてものはどんな年代であっても大した差は無いのだろうが──
──もし、気づいてたら……どうしよう。
 今現在、深雪たちのグループは千穂のおかげでクラスの主流派であり、彼女らに敵対
しようとする者は誰もいない。
 だが、千穂に対抗しうる存在を敵に回したとなると、話は別だ──
 向かいに座った千穂は、空になった弁当箱を包み直していた。
 猫をモチーフにしたキャラクターの描かれたハンカチは、凛としたイメージの千穂とは
結び付き難いが、彼女が幼い頃からそれに目が無いのを、深雪はよく知っていた。
 千穂はいつもと変わらず、悠然とした佇まいをしている。
 なのに──深雪は、どこか違和感を覚える。
 よく見れば、千穂の眼はほんの僅かに潤んでいる。
──千穂……動揺してる?
 原因が、さっきの恭也の台詞にある事は考えるまでも無かった。
 千穂もまた、恭也が夕菜を二度も庇ったのを目にしているのだ。
 恭也はあまり表に出ないタイプだが、男女どちらからも一目置かれている。中学生とは
思えぬ泰然とした雰囲気は、きりっとしていて物怖じしない千穂とも通ずるものがあるが、
あまり人と連まないところは大きく違っていた。
 恭也にもそれなりに仲の良い友人はいるが、千穂と深雪のように、べったりというわけ
ではない。男女の違いもあるだろうが、群れるのが苦手という彼の性質でもある。
 一匹狼と言ったら大袈裟だろうが、それでいて、周りとも上手くやってゆける。
 それは彼の心の強さであり、人望の高さも物語っていた。
──恭ちゃんが、もし……。
 夕菜の側に立ったのだとしたら、深雪たちに宣戦布告したのならば──
 千穂は、自分たちが砂上の楼閣にいるも同然だと理解している。
 舞香もまた、無意識的に悟っていたし、深雪も漠然とした恐れを抱いていた。
 だからこそ、舞香は恭也の態度に不安を表し、千穂も動揺しているのだ。
──恭ちゃん、やっぱりあの子の事が……。
 認めたくない。たとえクラス全員を敵に回しても、それだけは認めたくない。
 自分の立場がどうなろうと、恭也の心を夕菜に奪われてしまうのだけは我慢できない。
 しかし、深雪自身にも解かっていた。
 彼の心が、夕菜へと向いている事を──
「そ、そういえばさっ、昨日のあれ見た?」
 唐突に、舞香が不自然なほどに明るい声を上げた。
「あっ、見た見た!」
 深雪は心の中で感謝し、彼女に倣ってわざとらしいくらいに明るく応えた。
 舞香のこういうところに深雪は時々感心する。いつもはきゃいきゃいと騒がしいだけに
見えるが、話題の転換が巧いというか、空気を入れ換えるのが巧いというか──
 場を読む力に長けているのだろう。それは深雪には真似できない事だった。
 千穂もまた、舞香のそんなところに感謝していた。
 三人は、鼻先の問題から眼を逸らそうと、テレビドラマの話題に花を咲かせた。
 深雪は直前までの暗澹とした気分が吹き飛び、ドラマの主演を務める男性アイドルと、
ヒロイン役の女性アイドルとの噂話にのめり込んでいた。
 夕菜が教室を出て行った事など気づきもせず──
「深雪、もういい?」
 恭也の声に驚き、がたんと大きく椅子を鳴らして笑われてしまった。

361 名前:夕菜 mailto:sage [2006/11/23(木) 13:21:44 ID:Wiee+zf5]
 深雪は、恭也に連れられて席を立った。
 縋るような眼で千穂を見たが、眼を伏せた彼女は、深雪の視線に気づかなかった。
──千穂っ、助けてよぉ!
 自分がピンチの時には、いつも傍にいてくれた千穂が、今は助けてくれない。
 彼女が意図的に逃れようとしているのではないとは解かるのだが、恨めしく思う。
 教室を出て、廊下を並んで歩く。
 廊下には多くの生徒が出て、お喋りに興じたり、よくわからない遊びで盛り上がったり
していた。それぞれの教室からも、がやがやとざわめきが溢れている。
「何の話か、判るよな?」
 深雪はびくりと肩を竦ませた。
 恭也の声は普段と何も変わらないのに、詰問されているような気になってしまうのは、
深雪の心に疚しさがあるからだ。
 深雪は答えられずに無言のままだった。
 恭也もそうと予測していたのか、何も言わずに歩き続ける。
「こっちだよ」
 階段へと折れ、二人は登ってゆく。
 屋上へ抜ける階段は、誰も通らない。この季節は空調の利き難いそこへ生徒が来る事は
ほとんど無い。
 顔を上げると、深雪の視界に一人の男子生徒の姿が映った。
「あれ? まだいたのか」
「あ、は、羽山君……」
 見知った少年が座っていた。太り気味でがっしりした体格の、陰気なクラスメイト。
 アニメや漫画、ゲームなどのオタク趣味に傾倒し、ぼそぼそと聞き取り難い声で喋る彼を、
深雪は嫌いだった。クラスの誰もが、彼に良いイメージを持っていない。
 突然夕菜に襲い掛かり、恭也に蹴り飛ばされた後、どこかへ行ってしまったと思って
いた金森竜介が、そこにいた。
──まだいたのか、って……どういう事?
 恭也は竜介がここにいた事を知っていたというのだろうかと、深雪は疑問に思う。
 恭也に助けられた夕菜は、知らぬ間に教室からいなくなっており、すぐ後、恭也も教室
を出て行った。その後に、竜介が男子たちから何か言われながらも、何も答える事無く
出て行ったのを憶えている。
 恭也が出て行ったのは、夕菜を追いかけたのだろう。竜介が出て行ったのは、教室に
居辛かったからだろう。
 恭也と竜介はどこかで合流し、二人でここに来ていたのだろうか。それとも、夕菜も
一緒だったのだろうか──
──あれ? そういえば……。
 それからしばらくして、夕菜は独りで戻ってきたはずだった。だが、今自分が恭也に
連れられて席を立った時には、彼女の姿は無かったように思える。
 あんな格好のままでどこへ行ったのだろう──と思うと同時に、自分が連れ出された
わけを思い出す。
──あたし、どうしよう……。
 夕菜をそんな格好にさせてしまったのは、自分が元凶なのだ。
 恭也は気づいている。問い質し、追及するために連れてきたのだ。
「ちょっと、ここ借りて良い?」
「え? え、あ……うん」
「込み入った話になりそうだから、いいかな?」
 言外に、席を外して欲しいと言っている。
「あ、ああ、いいよ、ぼ、ぼ、僕もそろそろ、も、戻ろうと思ってたし」
「そっか、悪いな」
 立ち上がった竜介が自分の方を見ているのに気づき、深雪はふと違和感を覚えた。
 それがなんなのか理解する間も無く、恭也に腕を引かれて屋上手前の開けたところへと
登ってゆく。
「い、いいよ、別に、ぼ、僕の場所ってわけじゃ、ないし」
「ありがとな」
 手に提げたビニール袋に、パンの包み屑とコーヒー牛乳の紙パックが透けていた。
「き、き、木嶋さん……」
 不意に竜介に名を呼ばれ、びくっとそちらを見た。
 彼は眼が合うと、怯えたように逸らしてしまう。
 そして、俯き加減で、落ち着き無く床と深雪を交互に見ながら言った。
「し、し、下着……その、や、や、やりすぎは、よくないよ」

362 名前:夕菜 mailto:sage [2006/11/23(木) 13:23:45 ID:Wiee+zf5]
──下着? やりすぎ、って……!?
 こんな奴にまで気づかれていたのかと、深雪は愕然とする。
「じゃ、じゃあ僕は、い、行くよ」
「ああ、またあとでな」
「う、うん、また」
 竜介を、恭也は片手を上げて見送った。
 階段を降りてゆく竜介の姿を、深雪は見ている事ができなかった。
 竜介にまで気づかれているのなら、クラス中の全員が気づいていると思うのが妥当だと、
深雪は絶望感に打ちひしがれていた。
 夕菜の下着を隠し、恥ずかしがらせてやろうと提案した自分。大はしゃぎして面白そう
だと頷いた舞香。そして、実行の意思を固め、計画を練った千穂──
 千穂が決めたんだ、自分が決めたわけではない。夕菜のバッグから下着を取り出したの
は舞香だし、自分はバッグを提供しただけで直接手を下したわけではない。言い出しっぺ
は自分でも、やろうと決めたのは千穂だし、やったのは舞香だし──
 だが、恭也に、いや、クラスメイト全てに追及されたとして、自分はやってないなどと
言っても、誰も聞いてはくれないだろう。
──千穂……舞香……。
 自分だけ責任逃れをしようとすれば、今までずっと一緒にいた千穂や、せっかく親しく
なった舞香との仲が壊れてしまいかねない。
「深雪」
「えっ、なに?」
 呼ばれて振り向くと、恭也がじっと見ていた。
 全てを見抜くような瞳にたじろぐ。
「夕菜の下着、どこやった?」
「──ッ!」
 抑揚の無い、単刀直入な台詞だった。その言葉を予想はしていても、深雪の心は激しく
揺さぶられ、彼が夕菜と呼び捨てた事も意識できなかった。
「あ、あっ、あたし──」
「隠したんだろ?」
「あ、あたしは……」
 言い訳をしてしまいそうになる。
 だが、そんなものは無駄だとも解かっている。
「どこに隠したの?」
 幼い頃の恭也は、こんな自信に満ちた言葉を吐けるような子ではなかった。
 小学生の六年間で、恭也はすっかり変わってしまった。
 同級生とは見違えるほどに逞しい心を持った、一人前の男とも言える少年になっていた。
 深雪も変わっていた。
 弱者を虐げる側になってしまっていた──
「深雪、どうしたんだ?」
「あ、うっ──」
──怖い……!
 恭也の眼が、自分を責めているようで、全ての罪は自分にあるのだと言っているようで、
罪を償うには罰が必要だと迫られているようで──
 恭也に咎められるのが辛い。恭也に糾弾されるのが辛い。
 あんな事を言わなければ良かった。あんな提案をしなければ良かった。
「深雪は、そんな子じゃなかっただろ?」
──あたしは……。
 幼い恭也は、いつもびくびくしていて、力の強い子たちから虐められていた。
 深雪はお姉さん風を吹かせて、そんな恭也の世話を焼いたり、庇ったりした。おかげで
酷い目に遭った事もあるが、恭也を守ったという満足感の方が大きかった。
「俺をいつも助けてくれたじゃないか。俺、嬉しかったぞ」
 なんで夕菜を虐め始めたんだろう。舞香の言葉に乗せられなければ、幼い頃のように、
人としての道を逸れずにいれば、こんな想いにはならなかったろうに──
「うっ、うぅっ……ひっ、うぐ……」
「深雪……」
 恭也の口元が緩んだ。しょうがない奴だなぁ、と呟く。
 潤んで霞んだ深雪に眼は、彼の戸惑ったような、なだめるような顔が映っていなかった。
「泣くなよ、深雪」
「あぅ、うぅっ、恭ちゃん、ううぅっ──」
 立ち尽くしたまま、深雪は子供のような泣き声を上げた。

363 名前:夕菜 mailto:sage [2006/11/23(木) 13:25:23 ID:Wiee+zf5]
 恭也のハンカチが、深雪の涙を拭い取ってゆく。
 ひとしきり泣いた深雪を、恭也は包み込むでもなく、突き放すでもなく──いつも通り
幽かな笑みを浮かべたままで、涙を拭いてあげた。
 そんな恭也の態度が、深雪には嬉しくて、しかし、寂しかった。
「ごめんね、恭ちゃん……」
「ん?」
──だって、ハンカチ、汚れちゃったでしょ?
 うっすらと乗せたファンデーションがついてしまっただろうから。
 千穂から教わったメイクはまだ慣れていなくて失敗する事もあるが、自分でない自分に
なったような気分になれるのが嬉しかった。魔法のような、という言葉通りだと思う。
 あまり派手にはできないが、学校のある日もメイクをしていたし、コンパクトや化粧水
などを入れたポーチをいつも持ち歩いている。今日は水泳があったから──
──違う、そんな事どうだっていい……。
「恭ちゃん……」
「どうした?」
 恭也の表情は変わらない。
 深雪にはそれが責めているようにも見えるし、全く無関心のようにも見えた。
──そんなの、やだ……。
 責められるならいい。だが、無関心なのは嫌だ──
「深雪は、後悔してる?」
 後悔──していた。
 夕菜と自分とは、ほんの少ししか違わないのだと理解したから。
 自分の傍にはいつでも千穂がいたが、彼女には誰もいなかった。千穂がいなければ、
深雪だって夕菜のようになっていたかもしれないのだ。
「……うん」
「ならいいじゃん」
「え──?」
「やりすぎた事を反省して、後悔して……だから泣いちゃったんだよな?」
 やりすぎは、よくないよ──
 竜介の顔が浮かんだ。
 見るだけで嫌悪感を抱く、暗く濁った眼をしていていたのに、さっきの彼は──
「あっ──!」
 違和感は、そこだったのかと──深雪は納得する。
 ん? と眉を上げた恭也に、ふるふると首を振った。
 少しだけ色を抜いたセミロングの髪が、軽やかに揺れた。
「うぅん……なんでもない」
 あんなにも澱んでいた彼の瞳は、吹っ切れたかのように透き通って見えた。
 恭也と交わした言葉も、いつものようにどもってはいたが、別人のような声だった。
 その響きは、幼い頃の内気で気弱だった恭也のようで──
「恭ちゃん……金森と、何か話したの?」
「んー、色々とね」
 どんな内容だったのかは解からない。だが、きっと、恭也の言葉は竜介に大きな衝撃を
与え、彼の中にあった何かを解き放ったのだろう。
 深雪は改めて、恭也の懐の深さを見せ付けられたような気になった。
「ま、それはそれとしてさ──」
 謝る相手が違うだろ? と言った恭也に、深雪は素直に頷いた。
「夕菜の下着、ちゃんと返さないとな」
──やっぱり、恭ちゃん……。
 夕菜、と口にした彼の、穏やかな表情に、つい口にしてしまう。
「あの子の事……好き?」
 言ってから、しまったと思う。無意識に口を抑えたが、もう遅い。
 恭也は照れたように眼を逸らし、すぐに戻した。答えは解かりきっていた。
「うん、好きだよ」
 一点の曇りも無い言葉が、深雪の意識に染み渡ってゆく。
「ごめんな、深雪──」
 謝らないで欲しかった。謝られたら、余計に惨めになるから──
「今のままじゃ、深雪をお嫁さんにもらうわけにいかないよな」
 恭也のはにかんだような笑みは、深雪の心を熱くした。
 そんな言葉を憶えていたなんて──
 嬉しさと恥ずかしさと、悔しさでまた泣いてしまった。

364 名前:夕菜の中の人 mailto:sage [2006/11/23(木) 13:28:06 ID:Wiee+zf5]
今回は以上です。
サブキャラ三人の絡みを続けたおかげで、夕菜が置き去りに……。
タイトルに異議あり! ですねぇ(´・ω・`)

365 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2006/11/23(木) 13:38:24 ID:27a2p8EO]
おつであります!
今最初から全部読もうとしてます(`・ω・´)
これからもがんがってくらさい

366 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2006/11/23(木) 14:15:18 ID:dXD1x8zw]
超乙

367 名前:名無しさん@ピンキー [2006/11/23(木) 14:45:59 ID:US2OAO+C]
なんてこった
金森 x 深雪のカップルが誕生してしまうなんて

ご主人様の複線が
露出っこ深雪に関連づけられるなんて気づかなかった

368 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2006/11/23(木) 18:32:54 ID:UIcNxi98]
GJ!深雪可愛いな
恭ちゃんは相変わらずかっこいい。

369 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2006/11/23(木) 21:01:39 ID:HU4IMXy+]
下着隠したこと誰にもバレてないと思ってる辺りまだ子供なんだなぁ
なんか安心してしまったよw



370 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2006/11/24(金) 03:26:50 ID:rMeg9fHn]
>359だけでも充分エロかったよ

>>367
ちょwww
流石にそれはwwwww




371 名前:変態さんの個体生息数調査 [2006/11/24(金) 12:54:03 ID:vzPpfA5P]
vote.rentalcgi.com/html/myuyan.html

やいっ、変態ども!!投票汁

372 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2006/11/24(金) 19:23:57 ID:/Xn8K4Vm]
反省&仲直りの5Pエンドで

373 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2006/11/27(月) 02:30:27 ID:QhW6YdhV]
なんつうか早くエロ書けよ



とか言えないくらい読み物としておもすれぇGJ!

374 名前:夕菜 mailto:sage [2006/11/27(月) 15:37:46 ID:tT8m5P9W]
「このあと、どうする?」
 長い長いキスの後、羽山君が言った。
「今更教室戻っても、杉山の奴がうるさいよな」
 肩を抱きながら、頭を撫でてくれる。
 五時間目は国語だ。担当教師の顔が浮かぶ。
「フケる?」
「え?」
「サボろう」
 彼の顔は今までと変わらない。うっすらと笑みを湛えたポーカーフェイス。
 それでも私には、前よりも彼の表情が解かるようになっていた。
 彼の口元に浮かんでいるのは、悪戯っぽい微笑み──
 そこは二人の唾液で潤んでいて、私は恥ずかしくなって眼を逸らしてしまう。
 とろけるようなキスだった。
 二人の舌が絡み合い、私たち以外には誰もいない静かな廊下に、くちゅくちゅと淫靡な
音が響いていた。
 その音は、潤いを取り戻した私の秘処から聞こえてくるようで、むずむずと湧き上がる
恍惚に支配されてしまいそうだった。
「よし、行こう」
「え……どこへ?」
「いいところがあるんだ。先客がいるかもしれないけど」
──先客って……?
 人がいるかもしれないようなところへ、連れて行こうというのだろうか。私が未だに
恥ずかしい格好なのを知っているのに──
 戸惑う私を見ながら、羽山君は笑っていた。
 意地悪な顔だった。
「行くよ、夕菜」
 小さく頷いた私は、彼に促されて歩き出した。
 一階の廊下を進み、階段を登る。乳房が揺れて、幽かな刺激が私を責める。
 あの場所に来ると、羽山君もそれを意識していたのか、足を止めた。
「羽山君……?」
「また、する?」
「えっ……」
「冗談だよ」
 冗談に思えない。
 事実、彼は私の背中を押していた手を、すっと下ろしてお尻に触れたのだ。
 私はぴくりと震えてしまう。
「やっぱ、しちゃおうかな」
「ええっ?」
 片方の手で腰を抱かれ、もう片方の手でスカートをたくし上げられる。
「あっ──」
 四時間目の途中で彼に助けられた私は、ここで淫らに責め立てられ、そしてまた、こう
して恥ずかしい事をされようとしている。
 長いキスに身体を火照らせてしまった私には、抗う事ができない。
 しかしまだ、自ら求めるほどには乱れていない。
 どうする事もできずに立ち尽くしてしまう。
 羽山君は頬が触れそうなほどに顔を寄せ、じっと私の眼を見つめている。恥ずかしいのに
逸らせない。恥ずかしがる私を見て欲しい──そんな気持ちにさせられてしまう。
「可愛いなぁ、夕菜は」
 耳元で囁いた彼は、私のスカートを捲り上げてしまった。
 スカートの中に押し込んだブラウスの裾ごと持ち上げられ、子供のような腰周りが露に
なった。小さなお尻も、つるりとした恥丘も、隠すものも無く晒されてしまった。
 こんなところで、そんな格好をさせられて、私の身体はさらに熱を帯びてゆく。
 秘処がますます潤んでゆく。
 更衣室から戻った時のように、滴るほどに濡れてしまいそうで、自分がとても淫らに
思えてしまう。
 しかし彼はきっと、そんな私を優しく受け入れてくれるのだろう。むしろそれを望んで
いるのだろう。
 でなければ、こんな事をしようとは思わないだろうから──
「夕菜って、エッチだな」
 彼の口元が、もっといやらしくなって欲しいと言っているようだった。

375 名前:夕菜 mailto:sage [2006/11/27(月) 15:38:57 ID:tT8m5P9W]
「自分で持って」
「うん……」
 羽山君のそんな言葉にも、素直に従ってしまう。
 彼の手が纏め上げたスカートとブラウスの裾を、お臍の上で両手で握る。
 学校の階段の踊場で、私は自らそこを露にしてしまっているのだ。
 剥き出しのそこから淫らな匂いが立ち昇ってくるようで、呼吸を躊躇ってしまう。
 上階からも下の階からも、授業をする教師と、生徒たちの声が聞こえてくる。
 誰も来るはずはないと思っても、もし誰かが現れて、私を見たらどう感じるのだろうと
考えてしまう。
 こんな格好をしている私を、淫らな一年生だと思うのだろうか。無毛のそこを、中学生
にもなってまだ生えていないのかと笑うのだろうか。
 隣に立つ羽山君は、どうするのだろう。
 私をもっと恥ずかしがらせようとするのだろうか。ブラウスのボタンを外し、自分が
借したタンクトップを捲り上げて、私の膨らみを晒してしまうのだろうか。乳房を揉み、
尖った蕾を弄び、私をもっと淫らにさせてしまうのだろうか。
 はぁっ、と大きく息を吸い込んだ。
 大丈夫、匂わない──
 いや、大丈夫なものか。こんなところでこんな格好をしているのだ。大丈夫なわけが
ないのだ。
 それなのに、いやらしい光景を想像し、それに忌避も抱かず身体を火照らせている。
──私、エッチだ……。
 顔を上げていられなかった。
 すぐ下に膨らんだ乳房には、尖った突起がぽつりと浮き上がっている。
 私は昂ぶりを抑える事も忘れ、ますます淫らな気持ちに侵されてゆく。
──羽山君は、どうなんだろ……。
 彼も興奮しているのだろうか。
 俯いたまま、視線を滑らせる──
──おっきく、なってる?
 彼のそこが、盛り上がっていた。
 羽山君の──男性の象徴は、学生ズボンの中から自らの存在を声高に叫んでいるよう
だった。
「どこ見てるの?」
「あっ──」
 彼の囁きが、私を震え上がらせた。
「そんなとこ見て、やらしいなぁ」
 言われるまでもなく解かっている。私はいやらしい女の子だ。
 でも、そう言われるのは嫌じゃない──
 もっと言って欲しい。
「夕菜はエッチだな」
 この言葉を聞くのは何度目だろう。
 小学生の時から、男子にも女子にも、いやらしいから胸が大きいのだと言われたり、
胸がエロすぎるとからかわれたりした。
 そんなふうに言われるのは苦痛でしかなかった。
 こっそり自慰をしている事を見抜かれているようでもあり、快楽に溺れて気を紛らわす
自分が嫌になるのに、それでもやめられなくて──
 いっそ本当にいやらしい子になってしまえば、誰にでも身体を許すような子になって
しまえば楽になれるのかもしれないと、刹那的な深みに沈みそうになった事もあった。
「すごくエッチだ」
 彼の言葉に、身体が疼く。彼の前でなら、もっと乱れてみたいと思ってしまう。
 彼の思うまま、彼の望むままに、全てを受け入れてしまいたい。
 けれど──少しぐらいは抵抗させて欲しい。素直に従うだけなのも癪ではないか。
 私は顔を上げた。
 口を尖らせ、眉を顰めて言ってやる。
「は、羽山君だって……エッチだよ」
 子供じみた私の反撃に、羽山君は頬を緩ませた。
「そうだな。俺もエッチだ」
「ひゃっ──」
 耳に息を吹きかけられ、びくんとなってしまった。
 身体中が敏感になっている。きっとどこを責められても、声を上げてしまうのだろう。
 やはり私は、彼に責められている方が似合ってる。反撃なんて柄じゃない。

376 名前:夕菜 mailto:sage [2006/11/27(月) 15:40:07 ID:tT8m5P9W]
「夕菜、行くよ」
「えっ──」
 背中を押される。
「そのままで、ね」
「──ッ!?」
──そのままって、このまま? こんな格好のままで……?
 捲り上げたスカートを掴み、下腹部を晒したままなのに──
「そのまま、階段登ろう」
「ええっ……」
 なんて事を言うのだろう。
 こんな格好をしているだけでもおかしくなってしまいそうだというのに、このまま移動
しろと言うのだ。
 そんな事──
「できない?」
「あ、ぅ……」
 できるわけがない。
 今ここで、こんな姿になっているだけでも危険なのだ。移動すれば、それだけ人目にも
つきやすくなる。
 空想だけなら何も危険は無い。だが、現実に見られてしまっては、どうなってしまうか
予測もつかないではないか。
 だというのに、理性はそう訴えているのに──
──してみたい……。
 そう思ってしまう。
 つるんとした丘も、子供っぽいお尻も、しとどに濡れた秘処も晒して、校内を歩いて
しまいたい。
 淫らな露をぽたぽたと滴らせながら、羞恥の快楽に包まれたい──
 そんな想いに駆られてしまう。
「羽山君……」
「ん?」
 彼の意地悪だけど優しい瞳を、縋るように見つめる。
「お、お願いだから──」
 彼がいるから、そんな事を思ってしまうのだ。
「離れちゃ、やだ……」
 彼がそばにいていくれるなら、私はどんな恥ずかしい事でもできてしまう。
「解かってるよ」
 彼は優しく微笑む。
「絶対、だよ?」
「ああ。絶対、離れない」
 唇が重なった。
 彼の柔らかな唇から、彼自身も昂揚しているのが伝わってくるようだった。
 短い口付けのあと、背中に添えられていた手がすっと下がる。
「んっ……」
 彼の左手が、剥き出しのお尻に触れた。
「ずっとこうしてる。離れたら判るだろ?」
「うん……」
 温かな手に安堵する。
「でも、時々悪戯するかも」
「えっ?」
「こんなふうに──」
「ひぁぅッ!」
 彼の指がお尻を伝ってそこに触れ、私は自分でも驚くほどに声を上げてしまった。
 いきなりの刺激に、全身から力が抜けてしまうようで、羽山君が咄嗟に支えてくれなけ
れば、その場に倒れこんでしまっただろう。
「すごいね、大洪水だ」
 私の腰を抱き支え、まだそこに触れたまま、耳元でそんな事を言う。
「うっ、ん……はぁっ、あっ……」
 秘処に触れられているだけで、掻き乱されているわけでもないのに、断続的な刺激が私の
身体を侵してゆく。
 びくびくと身体が震えて、もっと強い刺激を求めてしまう。
 羽山君の意地悪な指で、今すぐそこを掻き回して欲しかった。

377 名前:夕菜 mailto:sage [2006/11/27(月) 15:41:30 ID:tT8m5P9W]
「して欲しい?」
 訊かなくたって解かるだろうにと恨めしく思いながらも、意地悪な言葉に被虐の悦びが
湧き立ってしまう。
「ここ、いじって欲しいの?」
「んっ!」
 指がほんの僅かに動くだけで、私はがくがくと身を震わせる。
「夕菜?」
「い、いじって、欲し──ひっぁ!」
 言い終わるより早く、彼の指が秘裂を抉った。
「はっ、はぁっ、はぅっ、あぁっ……」
 ぐしょぐしょの入り口を掻き乱され、私は淫らな声を上げてしまう。
 階段の踊場だというのに、彼がもたらす刺激に飲み込まれてゆく。
「声、聞かれちゃうよ?」
「あぅ、やっ、だめ……ひゃっ、んくぅ──」
 腰を引き寄せられ、身体が密着した。
 大きな乳房が押し潰され、彼の襟元に口を押しつけた。
 けれど、くちゅくちゅという水音を消す事はできない。
「んっ、ふぁ、ひっ!」
 淫らな音が私を責める。口を抑えているのに声が漏れる。
──気持ちいい……すごい気持ちいい……。
 身体から力が抜けてしまう。ふらふらと倒れてしまいそうな私を、羽山君が心強い腕で
しっかりと抱き留めてくれている。
 羽山君の左手は、私の卑猥な露が絡み付いて、ぬるぬるになっているのだろう。
 私の劣情は、止め処なく溢れ出している。
「はぁっ、あぁっ、んはぁっ!」
 最も敏感な膨らみにはまだ触れられていないというのに、羽山君が与えてくれる激しい
刺激に、私は全身を震わせてしまっている。
 二時間近く前にも、この場所で責め立てられた。
 その時よりもはるかに強く感じてしまうのは、あの時と違って、全てを受け入れたから
なのだろう。
 彼に疑いを持つ事も無く、自分自身の気持ちにも素直になったから──
「んっ、ふぁっ、んぁぅっ!」
 だからこんなにも声が出てしまうのだろう。
 刺激に耐えるように、手にしたままのスカートをぎゅっと握り締める。
 その手は彼と私の身体に挟まれていて──
──硬い……これって!?
 手とお臍の下に触れている、こりこりした感触は──彼の、その部分だろうか。
──羽山君の、こんなになってる……。
 男の子のモノなんて、小学校の低学年の頃に見たきりだ。羞恥心など全く育っていない
少年が、女の子をからかうためにそれを曝け出していたのを憶えている。
 でも、その時に見たものは、小指ほどの大きさしかない可愛らしいもので、こんなにも
硬くいきり立ったものではなかった。
 もちろん父親のものは見た事があるが、当然それは硬直してなどいなかったし、いつも
仕事で帰りの遅い父とは、もう何年も一緒に入浴した記憶が無い。
 インターネットのアダルトサイトを見れば、無修正の画像や動画がいくらでも転がって
いるが、私はわざわざそれを見たいとも思わなかった。
 当然、触れた事など一度も無く、空想の中にしか存在しないものだった。
──羽山君、気づいてるのかな?
 きっと気づいているのだろう。
 彼の事だから、意図的に押し付けているのかもしれない。
 触れているのを私が意識しているのも、とっくに気づいているのだろう。
──触ったら、どう思われるかな……。
 もっと触れたい。
 握ってしまいたい。
 彼を両手で包み込んだら、感じてくれるのだろうか。
 私ばかりがされているのではなく、彼にもしてあげたい。
 彼の望む事を、私の望む事の全てをしてしまいたい。
「夕菜はエッチだなぁ」
「あぅ、うぅっ……」
──やっぱり、見透かされてる……。

378 名前:夕菜 mailto:sage [2006/11/27(月) 15:42:28 ID:tT8m5P9W]
 不意に彼の指が離れた。
 私の腰を抱いていた腕の力が緩む。
「羽山、君……?」
 不安になる──が、それも一瞬の事。
「歩ける?」
「えっ──」
 そうだった。彼は私に、こんな格好のままで歩けと言ったのだ。
「そのまま、階段を登るんだよ」
 腰に回されていた彼の右腕が、促すように私を押し出す。
 彼が傍にいてくれる。離れずにいてくれるなら、私は──
「うん……」
 お腹までスカートを捲って握り締めたまま、私はぐらつく身体を支えられて、なんとか
歩き出す。
──恥ずかしい……こんなの、恥ずかしすぎる……。
 一歩ずつ交互に脚を出すというだけの単純な動作が、今の私には気が遠くなるほどに
困難だった。
 彼に腰を支えられていなければ、すぐにでもよろめいて崩れ落ちてしまいそうになる。
 脚を上げ、一段々々登ってゆく。
 上階の、廊下と教室を隔てる壁が眼に入り、何人もの生徒に見られているような錯覚に
陥ってしまう。
──誰か来たらどうしよう。見られちゃったら……どうしよう。
 恥ずかしくて震えているはずなのに、彼の指遣いにとろけてしまった私の頭は、そんな
震えですら、官能の疼きに変換されてしまう。
 並んで歩く羽山君は、温かな手で私を支えてくれる。
「羽山君……」
「ん?」
「わ、私……恥ずかしい……」
 言いながら、一段登る。
 声まで震えてしまっている。
「こんな格好だもん、恥ずかしいよな」
「うん……」
 また一段。
 少しずつ、上の階へと近づいてゆく。
「夕菜は自分でスカート捲って、丸見えにして、階段登ってる」
「あ、ぅ、だって……」
 彼の囁くような声が、私を責める。
「あそこ、あんなにびしょびしょにして」
「うぅ……」
 三階の廊下が水平に見えたところで、脚が止まってしまう。
「嫌なら、手を離せば良いだけだろ?」
「あっ、う……」
「そんな簡単な事なのに、夕菜はどうしてしないのかなぁ?」
 彼の言う通りなのだ。嫌ならそうすれば良い。
 だが、私は彼の言うままに、こんな格好を保っている。
「ほら、脚が止まってる」
 彼の右腕が、腰を押す。
「う、うぅ……いじわるぅ」
「ふふ、俺は意地悪だぞ」
 彼の左手が眼の前に翳された。
「あっ──!」
 その中指には、ぬらぬらとした半透明の粘液がたっぷりと絡み付いていて──
「夕菜をいじってたら、こんなになっちゃったしなぁ」
「あぅ、ううぅ……」
「綺麗にしてくれる?」
「えっ──」
「夕菜がこんなにしたんだから、夕菜に綺麗にしてもらわないとな」
 それは、私に、自らの──
「夕菜の口で、綺麗にしてよ」
 羽山君はエッチだ──私なんかより、ずっと淫らで刺激的な想いを持っている。
 だから私は、もっと彼を知りたくて、彼に近づきたくて、頷いてしまったのだった。

379 名前:夕菜 mailto:sage [2006/11/27(月) 15:43:58 ID:tT8m5P9W]
 口を開き、舌を伸ばす。
 鼻先に迫った彼の左手の指に、舌で触れた。
 つんとした淫らな匂いが鼻を衝く。
 自らの淫液が絡み付いた指に、伸ばした舌を滑らせる。
「自分の愛液の味はどう?」
「うぅ……」
 恥ずかしい事をさらりと言ってしまう。
 すっぱいような、しょっぱいような味だった。
「舐めた事ある?」
 私はふるふると小さく首を振った。
 そんなところ、好き好んで舐める子などいないだろう。
 同級生にも、もう大人の男性と淫らな経験をした子もいるというが、彼女らもこんな事
をさせられているのだろうか。
「口開けて、銜えて舐めて」
「ん……」
 内側に折り曲げられた中指を、口に含んでしまう。
 いやらしい匂いが口の中に広がって、舌に触れる。
 塩気と酸味と苦味とが複雑に入り混じった、すぐにでも吐き出したくなるような奇妙な
味がした。
「んっ」
 彼の指が蠢く。
 そこを刺激していた時のように、細かく震えながら私の口内をまさぐっている。
「夕菜の舌、柔らかくて温かいね」
「んぅ」
 ついさっきまで秘処に触れていた指が、ねっとりとした私の露と、溢れ出す唾液を掻き
混ぜて、くちくちと淫靡な音を立てている。
 内側から響くその音は、脳を直接刺激されているようで、私は舌を指に絡ませてしまう。
 私は階段で恥ずかしいところを曝け出し、自身の汁の絡んだ指をしゃぶっている。
 恥ずかしいのにやめられない。いやらしいのに求めてしまう。
 彼の指が奥歯の内側に当たり、歯茎を撫でてゆく。
「んっ、うぅ……」
──気持ちいい……。
 どうしてだろう。身体が震える。
 口の中というのは、こんなにも敏感なところだったのだと、改めて気づかされる。
 歯茎も舌も粘膜なのだから、敏感なのは当然かもしれない。
 けれど、こういう刺激を覚えるような器官だとは思ってもいなかった。
 そういえば、口は第二の性器だなんて言われたりもするらしい。
 という事は──人は誰も、いつも人目に性器を晒し、性器で会話しているのだろうか。
口紅を塗るのは、性器を強調して異性を惹きつけるためなのだろうか。口淫は擬似性交
などではなく、性交そのものなのだろうか。
 私は今も、彼に性器を蹂躙されているのか──
 なんていやらしいのだろう。
「んぅ、んっ……!」
 歯茎を伝い降りた指が、舌の裏側に潜り込んでゆく。
 びくびく震えてしまう。
 人差し指と薬指が、鼻の頭と頬に触れている。それらの指にも自身の露は絡んでいて、
顔を穢されているような官能が湧き立ってくる。
──エッチだよ……すごい、エッチだよぉ。
 ここは学校なのに──神聖な学び舎なんて言葉は、今時流行らないだろうが、それでも
こんな淫らな行為に似つかわしくない場所である事には変わりあるまい。
「夕菜、このまま登れる?」
「んっ……!」
 彼に腰を押される。ふらふらしながら、階段を一歩ずつ登ってゆく。
 目線が上がり、廊下の幅が広がってゆく。授業中の教室から、ざわめきが聞こえている。
 すぐ目の前の教室のドアが開かれたら、どうすればいいのだろう。
 スカートは、手を離せばすぐに元通りになるだろう。顔を背ければ、彼の指も抜ける
だろう。彼も、何事も無いかのような顔をするだろう。
──でも、見られちゃったら……。
 それでも私は、こんな姿のまま、三階の廊下を足で踏みしめた。
 震えながら半時計回りに廻り、四階──私たちの教室がある階へと向かった。



380 名前:夕菜 mailto:sage [2006/11/27(月) 15:46:00 ID:tT8m5P9W]
 ゆっくりと、一段ずつ登る。
 階下に人が現れたら、お尻を見られてしまうだろう。両脚の付け根の潤んだところも
見られてしまうだろう。
 急がなければと焦るのに、脚を思い通りに動かせない。羽山君に支えられていなければ、
その場に蹲ってしまいそうだった。
 彼の手が腰を支えていてくれる。彼がいるから、こんな姿でいられる。
 いやらしい自分は、いやらしい彼の言うままに、彼の指を口に銜え、恥ずかしいところを
丸見えにして──それが私を昂ぶらせ、そこは零れそうなほどに潤んでいた。
 あと少しで、踊場に届く。
 あと五段、あと四段──
──垂れちゃう……。
 溢れた雫が、内腿にまで流れ出す。
 並んで歩く羽山君は気づいていないだろう。
 彼が見たらなんと言うのだろう。また、エッチだと言われるのだろうか。
──羽山君の方がエッチなのに……。
 あと一段。
 右脚を踏み出し、重心を前に向け、ふらつきそうになりながら、脚に力を篭める。
 腰に触れていた彼の手が、手伝ってくれた。
「夕菜」
 羽山君の指が、ちゅっと音を立てて抜かれた。
 ぐいと左から抱き寄せられ、頭を抱えられて撫でられた。
「よくがんばった」
「うん……」
 耳元で囁いて、彼は私の頬に口づけた。
──当たってる……。
 彼のそこが左の腰骨に触れていた。
 彼も興奮している。学生ズボンの下で、硬く反り返っているのが判る。
 彼の手が私の強張った指に触れ、一本ずつ解きほぐしてくれる。スカートが、はらりと
垂れ下がって、剥き出しになっていた腰周りを覆い隠した。
 だが、彼のものが触れている左の腰に引っかかり、そこだけが不自然に捲れあがった
ままになってしまっている。
 今腕を下ろすと、彼のそこに触れてしまいそうで、私はそのままお腹の前で手を握る。
 彼にだってそれは解かっているのだろう。何も言わずに頬にキスを繰り返す。
「ん……」
 舌が伸ばされ、つつぅと肌を滑った。
 身を震わせてしまう。
──綺麗に、してくれてるんだ……。
 彼の舌が触れているのが、私の露が付着したところだと気づく。
 鼻の頭も舐められてしまい、恥ずかしくて眼を開けていられなかった。
「夕菜」
 彼の舌が離れ、腰との間にできた空間を、スカートが降りる。
 開けようとした私の瞼に、キスが降ってきた。
「夕菜って、睫毛長いんだね」
 そんな言葉が嬉しい。
「髪伸ばして、化粧したら、みんな振り返るぐらいの、すごい美人になるんだろうな」
──お化粧なんて……。
 小学生の頃から、化粧をしていた子もいる。学校で直している子もいる。
 けど、私は小さな頃に、親を真似てこっそりと試した事があるくらいで、今は興味が
無いし、知識も全く無かった。
 でも、彼が望むなら、試してみようかとも思ってしまう。
「お化粧……した方が良い?」
「どうかな。今のままでも好きだし──」
 おでこにキスされる。
「独り占めできないのは、嫌だな」
──独り占め……。
 彼は、化粧をすれば私は美人になると言う。
 私なんかでも、きっと彼の言葉通り、美少女になれるのかもしれない。
 私も彼を独り占めしたい。彼に独り占めされたい。
「私……羽山君の前でだけ、お化粧する」
 彼が微笑んだ。

381 名前:夕菜の中の人 mailto:sage [2006/11/27(月) 15:49:30 ID:tT8m5P9W]
今回はここまで。
週末ぐらいには続きを投下したいと思います。

しかしほんとに長々と続いてしまっていますね。
皆様のレスを糧に、目指してがんばります。

382 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2006/11/27(月) 15:51:34 ID:eXmNhtHE]
お疲れ様です!!
・・濡れちゃいますね(´Д`*)

383 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2006/11/27(月) 17:05:53 ID:bT4vroN5]
エロス! エロス!

384 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2006/11/27(月) 17:47:17 ID:LbcjAhw/]
読んでて不思議な書物だなぁと思った。主人公はエロい松田優作みたいだ。

385 名前:夕菜の中の人 mailto:sage [2006/11/28(火) 01:09:20 ID:ReK5XvGL]
>>381だと何を目指すのかよくわかりませんねw
完結目指してがんばるのです。
もうじき、この話は終わりそうです。

>>384
羽山の将来は、刑事か探偵?w

386 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2006/11/28(火) 01:11:25 ID:YjjC6zB2]
変態神は深夜に活動してる方なんですか?

387 名前:名無しさん@ピンキー [2006/11/28(火) 13:38:32 ID:IiWKNA09]
こんなネ申作品を読んだのは2年ぶりだw

388 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2006/11/28(火) 13:43:26 ID:Hiw15PJo]
>>387
2年前の神作品のURLぷりーず


389 名前:夕菜の中の人 mailto:sage [2006/11/28(火) 14:07:31 ID:ReK5XvGL]
いや、私は神などではないですが……。
でも素直に嬉しいです。皆様ありがとうw



390 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2006/11/29(水) 00:47:16 ID:mti7dfy1]
こいつアンマニアか?

391 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2006/11/29(水) 05:19:39 ID:4lx213rU]
最後どうなるか気になるけど終わって欲しくない…
そんな気持ちに久々になったよ
楽しみにしてます

392 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2006/11/29(水) 06:51:38 ID:0M2rMhUx]
>羽山の将来は、刑事か探偵?w
いや、俳優か孤高のサラリーマンだなw

393 名前:名無しさん@ピンキー [2006/11/29(水) 13:55:57 ID:3h/+oJUt]
>>388
探してるんだが見つからなんだ(´・ω・`)
菅能小説スレに投下されてた気がする。

394 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2006/12/01(金) 18:22:20 ID:RibvW2lf]
ノーパンメイド喫茶の話を読みたい。
御奉仕とかでなくて、メイドがドキドキしながら濡れちゃうような。

395 名前:夕菜の中の人 mailto:sage [2006/12/04(月) 03:32:54 ID:FGz3FGox]
ええと、週末に間に合いませんでしたが、続きです。
相変わらずな内容ですが……。

396 名前:夕菜 mailto:sage [2006/12/04(月) 03:33:48 ID:FGz3FGox]
「あっ、あ、ご、ごめん……」
 深雪が階段を降りると、そこには竜介がいた。
──聴かれてた……!?
 真っ赤になった眼を慌てて擦る。
 竜介の佇まいは、おどおどして怯えているようだし、自信無さそうに背は丸められている。
深雪を真っ直ぐに見ないのは、女の子に免疫が無いからなのだろうとよく解かる。
 それなのに、今までと違って感じられるのは、その眼が暗く濁っていないからだ。
 恭也とどんな話をしたのかは解からない。だが恭也の言葉は、竜介に大きな衝撃を与え、
彼の閉ざされていた心を解放したのだろう。
 深雪は、さきほど覚えた印象を、改めて確認する。
 彼はずっとここにいたのだろうか。だとしたら、きっと恭也と自分との会話も、泣き声も
聴かれていただろう。こんな奴に聴かれたなんて──
 そう思いはしたが、深雪は以前のような嫌悪を抱かなかった。
「だ、だ、大丈夫?」
「え?」
──こっち見るなよぉ……恥ずかしいんだから。
 そう思っても口には出せない。
「あ、え、えっと、だから、その……な、泣いて──」
「別に」
 冷たく言い放ってから、ちょっと悪かったかなと思って言い直す。
「別に……大丈夫だよ」
 そんな自分に、深雪は違和感を覚える。以前なら、言いっ放しだったはずだ。
──なんか、調子狂うなぁ……。
 泣いた直後だからかな、と思って自嘲する。
「ごめん……ほ、ほんとに……」
 竜介はちらちらと深雪の方を見て、心底申し訳ないという顔をしている。
──そんな顔されたら、余計恥ずかしいじゃん。
「き、き、聴くつもりじゃ、な、なかったんだけど……」
「別にいいって。どーせ他にも聴いてた人いるんでしょ?」
「あ、え……う、うん」
──やっぱ他にもいるのかぁ……恥ずかしすぎだよぉ。
 屋上の手前の小部屋は、まず人が行く事は無いが、その下は深雪たち一年生の教室が
並んでいる。
 あれだけ泣けば、きっと誰かがそれを聴いていただろう。自分だと気づかれたかどうかは
判らないが、それでも鳴き声を聴かれて恥ずかしくないわけはない。
──ていうか、こいつには聴かれてたんだし……。
 事実、深雪の鳴き声を耳にして、怪訝に脚を止めた生徒は何人かいた。
 だが、竜介がそこに佇んでいたおかげで、上へ見に行こうと思った者がいなかったのだと
いう事を、深雪は知る由もない。
 竜介が意図してそうしていたわけではないにせよ、深雪は竜介に借りを作った事になる。
 二人とも、そんな事は意識していなかったが。
「か、か、顔、あ、洗った方が……」
「解かってるよ、そんな事」
「ご、ごめんっ」
──ったく……調子狂いすぎ……。
 今この瞬間まで、深雪と竜介はほとんど言葉を交わした事が無かった。
 おそらく、入学から今までの数ヶ月間での会話は、この場でやりとりされているものと
変わらない程度だろう。
 竜介など、女子生徒と会話する事自体が稀なのだから、然もありなん。
 深雪は竜介を置いて歩き出す。顔を伏せ、擦れ違う生徒たちになるべく顔を見られぬよう
意識しながら。
──なんでついてくんの?
 すぐ後から、竜介が歩いてくる気配を感じる。
 深雪は足早に歩き、手洗い場に着く。少し離れたところで竜介が立ち止まった。
──なんで止まんの?
 居心地の悪さを覚え、何か言ってやろうかとも思う。
 けれど、それはそれで、自分が意識しているように思われそうなのが嫌だった。
──まぁいいか……。
 深雪は蛇口を捻り、冷たい水を顔に浴びせた。
 恭也の顔が浮かび、また少し泣きそうになってしまった。

397 名前:夕菜 mailto:sage [2006/12/04(月) 03:35:19 ID:FGz3FGox]
──やっばー、鞄の中かぁ……どーしよう。
 涙を流し終えてから、深雪はハンカチを持っていない事に気づく。
 とにかく手を振って水気を飛ばし、顔を数度拭って雫を拭き取る。
 当然、それだけで全て拭き取れるわけがない。
 スカートに手を突っ込んでみるがハンカチは無い。反対側は携帯電話が入っているので、
外側からぱんぱんと叩くだけだったが、やはりハンカチの感触は無い。
──どうしよう……。
「おいリュウ、なにしてんだぁ?」
 突然掛けられた、クラスメイトの男子の声に、深雪はびくっとしてしまう。
 竜介と二人でいる──そう思われたら嫌だと、反射的に思う。
──あ、こういうのって、よくないかなぁ。
 だが、すぐにそうも考える。恭也の言葉を思い出した。
「お前今、ミッチーのスカート覗いてただろ?」
「えっ? ち、ちがうよっ!」
 ミッチーというのは、男子が深雪につけたあだ名だった。深雪っち、転じてミッチー。
 あまり好きではない呼ばれ方だった。
──ていうか……見えるわけないじゃん。
 確かに、顔を洗っている間は前屈みだし、後に立っていれば、覗いているように見える
かもしれない。だが、そう簡単に見える事が無いというのは解かっている。
 一瞬、自分の秘密の趣味の事が頭に浮かび、深雪は慌てて掻き消した。
 雫の滴る顔を男子の方へ向ける。二人の男子が深雪と竜介を見ていた。
「やらしいなぁ、お前」
「牛の次はミッチーかぁ?」
 牛というのが夕菜の事であるのは言うまでもない。
「あーそーか、お前巨乳好きなんだろ?」
「ホルスタインだけじゃ満足できなかったんかぁ?」
「途中で羽山に蹴られたしな」
 二人はそんな事を言いながら笑っている。
「べ、別に、そ、そんなんじゃ……」
 横で竜介がおろおろしている。
──なんか、腹立つなぁ……。
 恭也に諌められたからだろうか──夕菜や竜介といった弱者を攻撃する彼らに、嫌悪を
抱いている自分に気づく。
「ってか、後からがばーって揉むつもりだったんじゃね?」
「あー、やりそうやりそう!」
「ち、違うって……」
──こいつら……頭悪いなぁ。
 彼らは竜介を馬鹿にしているつもりだが、すぐ横に深雪がいるのを意識していない。
 自分たちの台詞が、深雪をもからかっている事になるのだと、彼らは気づいていない。
「つかさぁ、教室であんな事しねぇよな、フツー?」
「だよなぁー、お前アニメ見すぎでおかしくなってんだろ」
「現実とアニメの区別ができません、って言われるぞ?」
──ほんっと、腹立つ……ったく。
 それは深雪自身に対する苛立ちでもあった。
 今まで自分は、立ち位置に甘えて他人を蔑ろにする事をなんとも思っていなかったのだと
改めて思い知る。
 わはは、と下品に笑う彼らを、深雪は生ゴミでも見るかのような眼で睨みつけた。
「あんたらさぁ──」
 雫が流れてブラウスに垂れる。透けちゃうかも、と少し躊躇う。
「あたしがいるのによくそういう事言えるねぇ」
「え?」
「な、なんだよ……」
 相手はクラスの中心グループの一人、深雪だ。さっきまでの威勢が消える。
「別にいいけどさぁ、女子の前でそういう話する?」
「あっ──」
「気づくの遅いよ、馬鹿」
 深雪が吐き捨てると、彼らは、ばつが悪そうな顔をして背を向けた。
──こういうのも、まずいかなぁ。
 虎の威を借る狐、という言葉を思い出す。それとも、祖父が好きな水戸黄門だろうか。
 まぁいっか、と呟いて振り返ると、竜介がハンカチを手にしていた。

398 名前:夕菜 mailto:sage [2006/12/04(月) 03:37:08 ID:FGz3FGox]
「あ、あ、えっと……こ、これ」
 おずおずと差し出されたハンカチ。
 深雪は無意識に受け取ってしまった。
「ありがと」
 そう言ってから、しまったと思う。
 男の子のハンカチで顔を拭く? しかも相手は竜介、クラスの嫌われ者──
 反射的に突き返しそうになり──しかし、押し留める。
──ああもうっ! こういうのダメだって……。
 恭也とのやりとりを思い出す。
──後悔か……してるよ、後悔。
 中学に上がってから、深雪は恭也とあまり会話していなかった。時々言葉を交わしても、
素っ気無い態度で、軽く流されているような印象だった。
 子供の頃はあんなにも親しかったのに、今では他の子と扱いが変わらない。むしろ避け
られているように思う事もあった。
 それは、自分自身の招いた結果だったと、深雪はようやく気づいた。
──今のままじゃ、お嫁さんは無理かぁ……。
 幼い頃の宣言──今のままでは無理と言った彼の言葉は、気持ちが夕菜に向いていると
いうだけでなく、自分の心が醜いからだろう、と深雪には思えた。
「……ありがとう」
 深雪はもう一度、竜介に言った。
 真っ白なガーゼのハンカチを顔に当て、水滴を拭き取る。
──あー、なんか……うー。
 竜介は学年でも有名人だ──悪い意味で。そんな彼と一緒にいて、しかも彼のハンカチで
顔を拭いているところを、何人もの生徒に見られているのだ。
 複雑な気分だった。
 竜介なんかと親しくしていると思われるのは嫌だ、という気持ちは、簡単には抜けるもの
ではなかった。ずっとそういう態度で接してきたのだから、当然だ。
 だが、少なくとも、表に出すのはやめようと思う。
 そう簡単にできない事だとは思うが、なるべく、少しずつでも、そうしてゆきたい。
──恭ちゃんのお嫁さん……なんて、気が早いけどっ。
 嫌われたくない。お嫁さんになれないのなら、友達でも良いから──
「サンキュ」
 顔を拭き、手も拭いて竜介にハンカチを返す。
 ここはやっぱり洗って返すべきなのかな、なんて事を思っていると、
「あ、あ、あの……ぼ、僕も、あ、ありがとう」
 竜介は、深雪と眼を合わせようとしないし、言葉もどもってはいるが、以前のような
陰鬱さは感じられない。彼もまた、変わろうとしているところなのだろうと思う。
「た、助けて、もらったから……」
──助けた? あたしが?
 そういう事になるのかもしれない──けれど、それは彼のためではなく、
「別に、あんたのためにやったわけじゃないけどね」
「あ、あっ! そ、そうだね……ごめん」
──あれ? これって、なんかどっかで……。
 自分の言葉に、どこかで聴いたような台詞だと思ってしまう。
 たしか、あれはティーン向けの情報誌で──
「あーっ、あれだっ!」
「えっ?」
「あー、なんでもないなんでもないっ! さっさと教室戻るよ!」
「う、うん……?」
 男の子が大好きな女の子はこれだ! という見出しの躍る、馬鹿馬鹿しい記事だった。
 少し前に流行った、オタクの青年と美女との恋物語──その影響で、オタク的な内容が
その手の雑誌にも氾濫した事があった。
──あー、きっと知ってるよね……好きそうだもんなぁ、そういうの。
 自分の言葉にそんな意味を勘繰られては困る──と考えてしまう自分がどうかしている
のかもしれないとも思う。
 二人はそれっきり無言のまま、少し離れて教室へと歩いた。
 教室に戻った深雪は、千穂と舞香を廊下に連れ出した。
 二人だけに聴こえるように小さな声で、しかし、きっぱりと言った。
「もう、やめにしない?」
 竜介と同じく、深雪の眼から濁りが消えているのを、彼女自身まだ気づいていなかった。

399 名前:夕菜の中の人 mailto:sage [2006/12/04(月) 03:39:57 ID:FGz3FGox]
以上3レス。
時間が空いた割に少ないのは、ちょっと他のスレにも
書いたりしてたもので……スミマセン。

これと関連した話を別スレに投下してたり。
直接関係は無いですがw

次は恭ちゃんと夕菜の本筋に戻ります。
ではまたノシ



400 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2006/12/04(月) 04:25:29 ID:9BcvCqle]
GJですが、ノーパン羞恥だけどテーマがそこじゃない小説は余り見ない気がします。
関連小説も読んでみたいですが、どのスレでしょうか。

401 名前:夕菜の中の人 mailto:sage [2006/12/04(月) 15:06:04 ID:FGz3FGox]
>>400
GJありがとうございます。
本来ならそうあるべきスレなのでしょうけど……
なんかこんなんなっちゃっててすみません。

関連した話というのは、サイドストーリィのような感じで、
夕菜の話に登場してるキャラのお話です。
「依存」で検索>「密会」というタイトルですので、よろしければ
どうぞ〜。


402 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2006/12/06(水) 09:38:37 ID:GKDz/itE]
GJ
心理描写上手いなー

「密会」も同じ作者さんだったのか
知らずに読んでた

403 名前:夕菜の中の人 mailto:sage [2006/12/06(水) 21:36:12 ID:Vy8qvMMr]
>>402
ありがとうございます。
そう言っていただけると嬉しいです〜。

というわけで、続きというか、ようやく本編終了──です。
投下します。


404 名前:夕菜 mailto:sage [2006/12/06(水) 21:37:53 ID:Vy8qvMMr]
「私、お化粧した姿、羽山君にだけ見て欲しい……」
 彼の手に頭を撫でられる。
 子どもをあやすような、優しい手が心地好い。
「それって、俺と二人きりで、誰にも見られないところで、って意味?」
「え……?」
──そっか……そうだよね。
 その通りだ。
 無性に恥ずかしくなる。
「……う、うん」
「例えば──」
 彼の言葉が想像できた。
「俺の部屋とか、夕菜の部屋とか……それに、ホテルとか──」
 一度も見た事の無い彼の部屋、見慣れた自分の部屋、そして、そういう事をするための
大人のホテル──
「でも、ホテルは入れてもらえないかな」
 彼は苦笑する。
 私たちはまだ中学一年生なのだ。そんなところへは入れないだろう。いくらぐらいなのか
知らないが、お金もかかるだろう。
「今度、うちに来る?」
「えっ?」
「俺の部屋。両親は帰りが遅いし、俺は一人っ子だし」
 いろいろできるよ、と続いた言葉に、淫らな空想を掻き立てられる。
 二人きりで、いろいろ──いやらしい事をしたい。いやらしい事をされたい。
「またエッチな事考えたでしょ?」
 頭をぽんぽんとされて、私は俯いてしまう。
「うん……」
──なんでばれちゃうんだろ……。
 彼に全て見透かされる事は、恥ずかしいけれど、嬉しかった。
 彼が私を解かってくれていると思えるから。彼に受け入れてもらえたのだと思えるから。
「エッチなとこも好きだよ」
 頤に指を掛けられ、上を向かされた。
 眼を閉じて、彼を待つ──
 唇が重ねられた。
 どちらからともなく、舌が絡み合い、水音が木霊する。
 私の恥ずかしいところから、とろりと雫の垂れる感触があった。
──垂れちゃってる……。
 内腿を雫が伝い落ちてゆく。
 それはくすぐったくて、ほんの僅かに触れた指で撫でられているようでもあった。
──当たってる……。
 身体が密着し、彼の硬く突き出したものが押し付けられている。
 きっと、わざと押し付けているのだろう。
 自分も興奮しているのだと、私に伝えるために──
「夕菜」
 唇が離れ、羽山君が私の名を呼んだ。
 彼の眼が、意地悪な色を湛えている。
「夕菜のあそこ、どうなってる?」
「──ッ!」
 彼の言葉は私を震わせ、蜜を零れさせる。
「いっぱい濡れてるんだろうね」
「うぅ……」
 触れてもいないのに、露を溢れさせてしまう。
「垂れちゃってる?」
「あぁっ!」
 びんっと震えた私に彼も刺激されたのか、んっ、とうめいて口を緩ませた。
 少しだけ、やり返せたような気分になった。
「俺も、濡れてる」
「えっ……」
──羽山君も……。
 彼もまた、露を溢れさせ、下着を湿らせているのかと思うと、私はいっそう興奮する。
 見上げれば、私たちと同じ一年生の階。そんなところで、私は──

405 名前:夕菜 mailto:sage [2006/12/06(水) 21:39:20 ID:Vy8qvMMr]
 俯いて、自らスカートを捲り上げた。
 同級生に見られてしまうかもしれないというのに、私はそんな事をしてしまう。
「触って欲しいの?」
「うん……」
 彼に促されてではない。私は、自分からそれをしてしまったのだ。
「いじって欲しいの?」
「うん……羽山君に、いじってもらいたい」
 自分からお願いするなんて、彼はどう思うだろう。
 そんな卑猥な私でも、彼は愛してくれるのだろうか。
 彼の顔を真っ直ぐに見られない。
──ほんとは、もっと……。
 彼のそれを見てみたいと思ってしまう。
 私もこうして晒しているのだから、彼も晒してくれはしないだろうか。
 いや、それだけじゃない。もっといやらしい事をしたいと思う。
 彼のそれを、手で握り、口に銜え──
「夕菜はエッチだなぁ」
「うぅ……」
 毎度、見透かされたようなタイミングだ。
 身体が反応し、露が腿を伝い落ちる。
「羽山く──んぅっ!」
 彼の指が、腿の内側に触れた。
 垂れ落ちる雫を、指で掬われてしまう。
「すごい、こんなに……」
「あっ、あぁぁ……」
 そうされているだけで、私はぞくぞくと震えて倒れそうになってしまう。
 片手で彼にしがみ付いてなんとか堪えるが、指がそこへと近づくにつれて、身体中の力が
抜けてしまうようだった。
「こんなに濡れるなんて、夕菜はすごいんだね」
 腰を抱かれる。支えられて立っているのがやっとだった。
 私をこんなふうにしたのは羽山君だ。
「ブラもパンツも着けないで、学校でエッチになってる」
 確かに私は、もともとエッチだったのだろう。ネットでもアダルトサイトは時々見るし、
部屋で自慰に耽る事もあった。
 でも、学校でこんなふうに、いやらしい事をしてしまうなんて思ってもいなかった。
「おっぱいこんなに大きいのに、ノーブラだ」
 小学生の時から、大きすぎる胸をからかわれてきた。触られた事もあったし、いやらしい
事も散々言われてきた。
 けれど、私にとってそういうものは、羞恥と屈辱だけしか与えなかった。
「ノーパンで、こんなに濡らして」
 それなのに、彼の言葉に、私は反応してしまう。
 彼のいやらしい言葉が、私をどんどん淫らにする。
「はぁっ……んっ、羽山君……」
 彼の指が、付け根に触れた。
 たっぷりと濡れてとろとろになった秘処を、彼の指が撫でている。
「ここ、まだ溢れてくる」
 もっと言って欲しいと思ってしまう。
 いやらしい言葉で、私を責めて欲しい。
「また出てきたよ」
 身体が震えるたびに、そこから蜜が溢れ出す。
 彼を導いているかのように、彼の心を絡め捕ろうとするかのように──
 彼のそれを、受け入れたがっているのだろう。
 彼としたいと──男女の交わりをしたいと──
 学校なのに、授業中なのに──
 木嶋深雪と、その友人たちの顔が浮かんだ。彼女らは今、どうしているのだろう。
 私の下着を奪った彼女らは、私が教室にいない事を、どう思っているのだろう。
 羽山君と一緒だなんて、こんな事をされているなんて、思ってもいないだろう。
──ちょっと優越感、かも……。
 そんな事を考えてしまい、少しだけ自己嫌悪した。
 こんな事を考える子は、嫌われるだろうか。嫌われたくない──と、無意識的に彼を
求めた手が、あろうことか、その部分に触れてしまった。

406 名前:夕菜 mailto:sage [2006/12/06(水) 21:41:32 ID:Vy8qvMMr]
「あっ……!」
 思わず手を引っ込める。
 自分から触ってしまうはしたない子──そう思われたらどうしよう。
 羽山君は微笑みながら、私の露で濡れた手を、私の手に重ねる。
「俺も、触って欲しい」
「えっ?」
「俺も同じだよ、触って欲しい。夕菜に、ここを」
 導かれ、膨らみに触れさせられる。
 ズボンの前は、さっきよりも盛り上がっているように思えた。布地の奥に、彼の硬く
そそり立った男の象徴が感じられる。指で触れているだけなのに、とくとくと脈打つ音が
聴こえてくるような感じがして、羞恥と興奮が、私の意識を集中させてしまう。
 ここは学校なのに、すぐそこには、私たちの学年の教室があるというのに、私は彼の
ものに触れて──
「このまま登ろうか、階段」
「えっ……」
「そっちは、さっきみたく」
 もう片方の手は、スカートを持ち上げたまま──
「あぅ」
「こっちも、このままね」
 彼自身のそこに触れた私の手に、自分の手を重ねながら言う。
 彼も興奮しているのだろう。私に触れさせて、いやらしい事をさせて興奮しているのだ。
 二人の昂ぶりが共鳴するかのように、私の気持ちも昂揚してゆく。
 彼がいてくれるなら──
「……うん、できる」
「もっと、持ち上げて」
「うん」
 言われるままにしてしまう。
 三階の廊下を横切った時のように、お腹まで持ち上げて、ブラウスの裾も巻き込んで、
私は下腹部を丸出しにしてしまう。
 子供と変わらないつるりとした丘も、淫らな露を溢れさせた裂け目も、零れた雫に濡れた
太腿も、全て曝け出してしまった。
 そこを覆うべきショーツは無い。木嶋深雪たちの誰かが持っているのだろう。保健室で
借りたショーツも机の中だ。
 授業中の校舎は、教師の声と生徒たちのざわめき、チョークが黒板を擦る音、エアコンの
低い唸りが響いている。学校の傍を走る通りから、車の音がする。窓を開ければ、小鳥の
さえずりも聴こえるだろう。
 ごくありふれた、夏の昼下がりの光景だった。
 だが、私は、こんなにもはしたない姿で、階段を登ろうとしている。
 教師や生徒、車や小鳥たちと同じ空間を共有していながら、羽山君と私の二人だけは、
別の世界に存在しているかのようだった。
 ならば──
 私たちだけの世界には、誰も入る事はできないに違いない。
 たとえ侵入者が現れても、腰に手を触れている羽山君が、きっと守ってくれる──
「大丈夫?」
「……うん」
 ゆっくりと、促すように押され、踏み出す。
「あっ! うぅ……」
──また、零れた……。
 内腿を伝い落ちる感触に、私は震えてしまう。
「どうした?」
「また、垂れちゃった」
 羽山君に訊かれ、素直に応えてしまう。
「誰かに見られたら、大変だ」
 そんな事を言う。自分で言い出しておいて──なんて無責任な言葉なんだろう。
 誰かに見られてしまえば、きっと今までの、根暗で内向的、自己中心的で、胸が大きい
以外に取り得の無い女の子、という私への評価に、学校で男子の股間を触りながら自分の
股を晒していた変態露出狂、とでもいうものが加わるのだろう。
──でも……それでもいい……羽山君が望むなら……。
 そう思ってしまう私は、どうかしている。
 けれど、私は心の底から、そう感じていた。

407 名前:夕菜 mailto:sage [2006/12/06(水) 21:43:55 ID:Vy8qvMMr]
 私が一段登るたびに、羽山君も一段登る。
 彼のそこに触れた手は、彼の興奮を伝えてくる。
──ッ!?
 ぽた、という音がした気がして、足元を見る。
──やだっ、垂れた……。
 両足の間の階段に、小さな雫が丸い玉を作っていた。
「どうした?」
 歩を止めた私に、羽山君が訊く。
「うぅ……階段に……」
 ん? と下に目を向けた彼も、それを見つけたらしい。
「夕菜……濡れすぎ」
「うぅ」
「これじゃ、教室なんて戻れないな」
 戻る気でいたのだろうかと思ってしまう。
 そんなのは無理だ。彼がいても、そんな事はできない。
──でも……。
 やれと言われれば、してしまうかもしれない。彼に言われれば、全裸のまま歩き出して
しまいかねないほどに、淫らになっている。
 ここで自慰をしろと言われれば、してしまうかもしれない。彼のものをしゃぶれと言われ
れば、しゃぶってしまうかもしれない。
 ずっと触れている彼の膨らみ。男の子の象徴が、私の掌に収まっている。
 いや、収まりきらない。私の小さな手にはありあまる大きさだ。
──羽山君の……見たい……。
 男の子のそれを見たいなんて思ったのは、何年ぶりだろうか。小学生の低学年、幼稚園の
頃以来だろうか。その頃は、異性の身体を知りたいという単純な好奇心だった。
 けれど、今は──
 興味と言えば興味なのだろう。だがそれはもっと生物的な欲求のように思う。雄のDNAを
求める雌としての本能──そんな気がする。
「夕菜、この上に行くんだよ」
「う、うん」
 羽山君が片手の親指を立てて上階を指差して、私の背中を背中を押す。
 階段を登った先には、屋上へ抜ける小部屋がある。
 そこが目的地なのだろう。屋上へのドアは大きな南京錠が掛けられていたはずで、屋上へは
出られないだろうから。
 彼が先に脚を上げると、私の掌にそれが押し付けられる。
──羽山君……硬いよ……。
 月並みなのだろうが、硬くて大きいというのが素直な感想だった。
 これが私の中に──そう思うと、身体が震える。
 どんな気持ちなのだろう。最初は痛いという。指ですら痛みを訴えるのだから、こんな
大きなものが入ったら──その痛みは想像に難い。
 けれど、その震えは恐怖への怯えではなく、その先にある悦楽への希望の身震いのように
思える。
──あたし……その気になってる。
 私たちはまだ中学生になって数ヶ月だというのに、そんな事を想像してしまう。
 無理も無い、と思うのは言い訳だろうか。
 私たちは、お互いの気持ちを確認し合った仲なのだから──お互いを求め合うのは何も
おかしな事ではない。ただ、年齢が低いというだけで──
 私は震えながら階段を登った。
 目の前には四階の廊下。一年生の教室が並ぶ階は、一番見慣れた空間だ。
 見慣れた場所に、こんなあられもない姿で近づいてゆく。
 ふらつく脚をなんとか持ち上げ、一段ずつ登ってゆく。
 脚に力を入れるたび、乳房が揺れて身体が震え、蜜が溢れ出す。
 とろりと零れて腿を湿らす。ぽたりと垂れて床を濡らす。
 所々に雫を残しながら、私は少しずつ、少しずつ四階へ近づいてゆく。
 そこには、小学生だったときの同級生も、中学生になってからの顔見知りも、たくさんの
生徒がいる。三階への階段を登ったときよりも、その一歩は重たく、恥ずかしい。
 腰に触れる羽山君の手からも、私が触れているそこからも、彼の興奮が伝わってくる。
 目線が廊下を越えて、視界が開け、ぽたりと雫が音を立てた。
 その音が、廊下に響き渡ったような気がして──
 身体が、びくんと跳ねた。

408 名前:夕菜 mailto:sage [2006/12/06(水) 21:46:08 ID:Vy8qvMMr]
 ひくひくと、身体中が蠢動しているようだった。
 軽く、達してしまったのかもしれない。
「夕菜、エッチだなぁ」
──気づかれちゃった……違うっ!?
「あっ──」
 慌てて手を離そうとして──彼に抑えられる。
 身体が跳ねた拍子に、私は彼を──彼のそこを、握ってしまっていたのだ。
「そのまま、ね?」
「う、あぅ……」
 彼の隆起したものが、私の掌に包まれている。触れているだけではない。学生ズボンの
上からではあるが、握っているのだ。
「うぅ、羽山君……」
 彼の顔を見ていられない。
「どんな気分?」
 耳元で囁かれ、はぁはぁと喘ぎながら私は答える。
「恥ずかしい……いやらしいよぉ」
「すごいよな、今の夕菜。階段で、あそこ丸出しで、俺のを握って……な」
 こんなところで、こんな格好をして、こんな事をしている。
「うん……すごい、私……」
 どうかしている。理性はどこへ行ってしまったのだろう。
 彼も時々びくんと震える。
 気持ち良いのだろうか。私の手に包まれて、彼も快感を覚えているのだろうか。
 私にこんな事をさせて、気持ちを昂ぶらせているのだろうか。
 私なんかよりはるかにいやらしい羽山君は、もっとすごい事を知っているのだろう。
 もしこのまま、彼とうまくやっていくためには、彼のそういう性癖にも応えなければ
ならないのだろう。
──したい……色々、してみたい。
 そう思ってしまう。
 羽山君に求められたのなら、なんだってしてしまうだろう。
 もっと淫らな事も、もっと過激な事も、私には想像もつかないような官能的で蠱惑的な
秘戯を、彼はきっと色々知っているだろう。
「夕菜、上に行くよ?」
「あ、う、うん」
 止まっていた脚を持ち上げる。
 片手でスカートを纏め上げ、下腹部を曝け出したまま、もう片方の手で彼のそこを握り
ながら、私は階段を登る。
 目の前には、一年生の教室──五組の教室が、迫っている。
 誰かが廊下に現れれば、私の姿は丸見えになるだろう。恥ずかしい姿で階段を登る私と、
一緒にいる羽山君は、どんな風に見えるのだろう。
 さながら、いやらしい格好をさせられている性奴と主人だろうか。
 彼の奴隷になら、なってもいい。彼のために一生尽く奴隷になってしまうというのは、
とても魅力的に思えた。
 彼の望むまま、私の身体の全てで奉仕するのだ。
 そんな時、きっとこの大きな乳房は、役に立つだろう。そのためにこんなにも大きいの
かもしれない。
 大きな胸が好きだと言ってくれた。好きなだけ、弄んでもらいたい。その後には、私が
彼自身──彼のこの、硬くなったものを胸に挟んで奉仕する。じっとりと汗の浮かんだ
谷間に挟み込み、彼に満足してもらいたい。
 彼の精を──さっき、更衣室の前で三年の先輩たちが言っていたように、胸や顔に浴びせ
られてしまいたい。
「夕菜、後少し」
 彼の声は、いやらしい想像を見抜いているようで、しかし、それは心地好い快楽で──
 階段を登る。
 あと三段──二段、あと、一段。
 崩れ落ちそうになりながら、彼に支えられて──
 四階に到達した。
 自分たちの学年の教室がある四階の廊下を踏みしめる。
 身体が震える。彼が背中を押す。
 促され、私はまっすぐ歩いてしまう。階段から離れ、教室とを隔てる壁が迫る。東西に
伸びた廊下は、私を隠すものなど何も無く、そんなところで、私は──

409 名前:夕菜 mailto:sage [2006/12/06(水) 21:48:36 ID:Vy8qvMMr]
 彼の身体が私の後ろに回る。
 それを握った私の手も、後に回った。角度が変わり、手が離れてしまう。
「あとでまた、触ってもらうよ」
 彼の囁きは、今は触らなくても良いと言っているのだろう。
 彼の指が頬に触れた。
 滑るように唇を撫で、中へと侵入されてしまう。
 左手の指が──中指なのだろう。つんとした匂い──私の香りが、まだ残っていた。
 他の指が、私の唇を塞ぐ。口を抑えられてしまった。
 つぎに何をされるのか、想像に難くない──
「んっ──」
 彼の右手が、私の胸に触れた。
 私の背中と、彼の胸が密着する。お尻には、怒張が押し付けられている。
「こりこりだ」
「んっ、んぅ」
 胸の蕾を撫でられて、びくんとなってしまう。
 口を塞がれているため、声は出ない。小さなうめきだけが漏れる。
 ブラウスの上からでも、突起がはっきりと見て取れる。
 右の乳房を包まれて、人差し指と中指で、きゅっと尖ったそこを交互に転がされる。
 びくびくと震えてしまう。
 廊下の真ん中で、遮るものも何も無い場所で、こんな事をされてしまう。スカートを
捲ったまま秘処を晒して、恥ずかしいというのに、抗う事もせずに身を任せている。
 私が嫌だと言えば、彼はきっとやめてくれるだろう。そうは思うのに、されるがままに
なってしまう。
 私自身が望んでいる。恥ずかしい事をされるのを、彼に虐められるのを、望んでいる。
 乳房を揉まれ、乳首を抓まれる。
 快楽の波が、身体を跳ねさせる。羞恥と快感に飲み込まれてゆく。
「んっ、ん、んぅっ……」
 気持ちいい。恥ずかしい。もっとしてほしい。もっと恥ずかしく──
「自分でいじれる?」
 彼が囁く。
──自分で……こんなとこで……。
 さっきまで、彼を握っていた手で、自分のそこを──
「うぅ……ん」
 恥丘に触れる。未だにほとんどヘアの無いそこは、汗が滲んでいた。いや、身体中の
いたるところから汗が吹き出しているのに気づく。
 身体が熱を帯びている。顔は真っ赤なんてものではないのだろう。
 指が降りてゆく。
 彼の愛撫に刺激されながら、自らそこへと指を伸ばしてしまう。
 一番恥ずかしい場所に顔を覗かせた、一番敏感な蕾──
「ひんッ──!」
 触れただけで、身体が弾けた。
 乳房を包んでいた彼の手が、崩れそうになる身体を抱き留めてくれた。
 膨らみのすぐ下で、彼の腕に抱かれている。ずり落ちそうになる身体のおかげで、乳房が
持ち上げられているのが判る。
 乳首がぷっくりと浮いている。彼に借りたタンクトップの生地が、優しく包んでくれて
いる。
「大丈夫?」
「ん、ん……」
 彼の指を銜えたまま、私はこくんと頷いた。
 大丈夫、なのだろうか。
 自分でもよく解からない。
 気持ちよくて、恥ずかしくて、興奮して、もっと刺激を味わいたくて──
 指を股の間に滑らせた。
──こんなに……。
 驚くほどに濡れていた。
 ぴたりと閉じた割れ目も、その周囲も、両腿の内側も──私の秘処の周りは全て、私自身
の蜜で溢れかえり、粗相をしてしまったかのような状態だった。
 裂け目に指先を埋めると、とろりと溢れて指に絡み付いてきた。
 指を伝い、重力に引かれ──
 ぽたっ、と雫が垂れた。



410 名前:夕菜 mailto:sage [2006/12/06(水) 21:51:39 ID:Vy8qvMMr]
「んぅッ! んっ、んんっ……ふぁ」
──私、こんなとこで……。
 学校の廊下──目の前には自分たちの教室が並んでいる。
 そんなところで、私は秘処を晒し、自慰をしていた。
 どろどろになった秘処を指で掻きながら、ぷくりと膨れ上がった蕾を刺激する。
 頭がおかしくなってしまったのだろうか。まともな思考ができなくなっている。
 恥ずかしくて、いやらしくて、気持ちよくて──
 羽山君の指が口の中で動いている。
 舌を撫でられて、私も応えるように舐めてしまう。
 胸を責めてくれないのは、私が倒れてしまわないように支えてくれているから。
 お尻に当たるこりこりした感触は、彼の欲望の象徴。
 今すぐにでも、貫かれてしまいたいと思う。
 彼とひとつになりたい。
 こんなところでするわけにはいかないと解かっている。
 けれど、欲望が抑えられない。
 だから、私は──自慰をする。
「んっ、んっ! はぁッ、んんっ!」
 刺激が身体中を駆け巡る。
 私はなんていやらしい子なんだろう。
 深雪たちに下着を奪われ、羽山君に責められ、保健室で自慰をしたばかりなのに、笹野
先生にもされてしまったというのに、更衣室では淫らな妄想に耽り、今こうして、廊下で
また自慰に溺れている。
 ほんの数時間の間に、私は何度達してしまうのだろう。
「んぅ、んっ、ふぅっ、くぅッ!」
 もう、すぐそこまで来ている。
 身体ががくがくなる。
 時折、びくんと反り返り、彼に支えられる。
 小さな波がいくつも重なって、大きな波になってゆく。
 力が抜けてしまう。
 気持ちいい。
 彼に抱かれながら自慰をしている。
 口の中で、羽山君の指が蠢いている。
 舌と指が絡み合っている。
「んんっ、んッ、んっ! んぅッ!」
 限界が近い──
 達してしまう。昇り詰めてしまう。
「夕菜」
 囁きとともに、彼の手が、そこに触れていた私の手を掴んで引き離した。
「あっ──」
 あと少しで、ほんの少しでイってしまいそうだったのに──
「おあずけ」
「えっ……?」
「おあずけだよ、夕菜」
 もう少しだったのに──
 寸前で止められ、喉元まで込み上げていた衝動が次第に力を失ってゆく。
「そんな……」
「夕菜のイく顔、見たいから」
──イく、顔……?
 彼の身体が離れた。
 私はふらついて倒れそうになってしまい──
「よっ、と」
 視界が回る。
 一瞬、何が起きたのか解からなかった。
「お姫様抱っこ、一度してみたかったんだ」
──それって、ええと……。
 文字通り、白馬の王子様が可憐なお姫様を抱くような──
 彼の腕が私の背中と膝の下に回されていて、私は抱き上げられていた。
 羽山君の、はにかんだような笑みが、すぐ近くにあった。
「お連れしますよ、夕菜姫」
 本当にお姫様になったような気分がして、私は彼の首に腕を回して頬を押し付けた。

411 名前:夕菜 mailto:sage [2006/12/06(水) 21:54:26 ID:Vy8qvMMr]
 羽山君は私を横抱きにしたまま、階段を登る。
──男の子って、すごい……。
 華奢に見えても、しっかりと筋肉はついているという事なのだろうか。彼は私を軽々と
抱え上げている。
──重たいって、思われてないかな?
 春の身体測定では、体重が三キロほど増えていた。平均よりも下だし、気にするほど
ではないと思うが、羽山君にそう思われるのは嫌だった。
──あそこ、見えちゃってるんじゃ……?
 スカートは捲れて、腿が剥き出しになって、だらりと垂れ下がっている。
 ついさっきまでは、廊下の真ん中で自らそこを晒していたというのに、状況が変われば
また違った羞恥に見舞われるらしい。
「あっ、あぅ」
「ん?」
──垂れてる……。
 腿を伝うほどに濡れたそこから、お尻の方へと雫が零れてゆく。
 くすぐったくて、いやらしい。
 反射的にきゅっと力を篭めると、また垂れてゆくのが感じられた。
「どうした?」
「お尻に……垂れてる……」
「たっぷり濡れてたもんな」
「うん……」
──やっぱり意地悪だ……。
 踊場で折り返すと、屋上へ抜ける扉が見えた。
「誰もいないか」
 羽山君の言葉にほっとする。
 彼は先客がいるかもしれないと言っていた。
 入学直後は、物珍しさもあって男子生徒たちがよく遊んでいるのを見たが、最近はもう
ほとんどそういう光景は眼にしない。もっとも、私自身ほとんどここに来ないのだから、
私が見ていないだけなのかもしれないが。
 とはいえ、さすがに授業中に人がいる事など稀だろう。サボるにしても、もう少しサボり
易い場所があるはずだ。体育館の裏や、部活動の部室──
「いたら、面白かったのになぁ」
「えっ……」
「冗談」
 そうは思えない。羽山君は意地悪な笑みを浮かべていたのだから。
 私を恥ずかしがらせ、いやらしい事をさせて、そんな私を見て、彼は愉しんでいるのだ。
──悪趣味だよ。
 本心からそう思う。それでも私は、そんな彼を拒絶しようとは思わない。
 当然だった。私もまた、それを望んでいるのだから。
──ほんと、変態になっちゃう……。
 身体が疼く。
 寸前でおあずけを喰らった私の身体は、火照りに満ちて疼いている。すぐにでも続きを
して欲しいと、快楽を求めて熱が渦巻いている。
 羽山君にこんなふうに抱かれているなんて、数時間前の私は考えもしなかった。
 彼に抱かれているだけで幸せだと思う。
 彼にもっと刺激して欲しいと思う。
 陶酔感とも言える満ち足りた気持ちと、おあずけされた快楽を貪りたいという欲求が、
同時に私の心に並存している。
 どちらも、私の本音だった。両方が私の昂ぶりを消さずにいた。
 彼にも伝わっているはずだ。
 彼もまた、昂ぶりを抑えられずにいるのが解かる。彼の胸からは早打つ鼓動が聞こえて
いるし、私を抱く腕も熱を帯びていた。
「夕菜」
 呼ばれて初めて、屋上手前の小部屋まで登っていたのだと気づく。
「降ろすよ?」
 私が頷くのを待って、彼は膝を折った。
 視線が下がり、足が、続いてお尻が床に着いた。ひんやりとした床が剥き出しのお尻に
じかに触れた──少し埃っぽい。
 私の背中を支えていた彼の左腕は、その役を壁に譲る。
 彼の顔が近づいて──唇が重なった。

412 名前:夕菜 mailto:sage [2006/12/06(水) 21:57:55 ID:Vy8qvMMr]
 羽山君とのキスは、私をとろけさせてしまう。
 くちくちと静かな音を立てて、二人の舌がお互いを求めて絡み合っている。
「んぅっ……ふぁ」
「夕菜……んっ」
 ぼーっとした頭に響く水音は、私をどこまで連れてゆくのだろう。
 恥ずかしくて眼を開けていられない。
 彼の舌が緩急をつけて私の口内を掻き回す。唾液が混じりあい、それにつられるように、
私の心も掻き乱されて、高みへと昇ってゆく。
 彼の手が、そこを覆っていただけのスカートの下へと潜り込んできた。
「んっ! はぁっ……ひッ!」
 びくんと跳ねて、壁に背を押し付けてしまう。
 悲鳴のような嬌声を上げた私の肩を、抱きながら引き寄せた羽山君は、
「声、聴かれちゃうよ?」
「あぅ、うぅ……んッ」
 意地悪な眼で微笑んで、貪るように唇を責め続ける。
 彼の激しいキスに翻弄され、下の唇もまた、彼の巧みな指遣いに苛まれる。
「んっ、んっんぅっ!」
 口を塞がれて声を上げる事もできず、身体をびくびくと震わせて刺激に身を委ねる。
 ぴちゃぴちゃと淫らな音が響いている。
 硬いコンクリートの壁は、音を反響させる。階段の空間を伝って、私の音は全校に響き
渡ってしまうのではないかと錯覚する。
 しかし、それを聴かれてしまう恐怖より、官能と興奮が勝ってしまう。
 溢れ出す露は、お尻にまで垂れて、床を濡らしているのだろう。埃っぽい床が、じとっと
湿っているのが判る。
 汗も酷い。胸の谷間を滴り落ちてゆく。
 熱い所為だろうか。空調の吹き出し口の無いこの空間は、むっとした熱気に包まれている。
 私たちの放つ熱も加わっているのかもしれない。
 熱くて、いやらしくて、恥ずかしくて、気持ちよくて──
 気づけば、促されもしないのに、私は脚を広げてしまっていた。
 教室で、金森にぶつかって尻餅をついてしまった時と同じ姿──
 彼に見られてしまったかもしれない。恥ずかしいところを、あんな奴に晒してしまった
なんて──
 すぐ後の席で、いつも私をいやらしい眼で見ていた金森竜介──彼の濁った眼が浮かび、
「大丈夫だよ、夕菜」
「えっ……」
 唇が離れ、優しく包み込むような羽山君の瞳に見つめられる。
 いつもよりも熱の篭もった、温かい瞳──
「リュウの奴、見てないって」
「え──」
「夕菜のここ、見えなかったってさ」
 羽山君も同じ事を考えていたのだろうか。顔に出てしまっていたのだろうか。
 彼は、金森と何か話をしたのだろうか──二人が話している姿を見た事はあまりない。
「それにさ、深雪も──」
 私にちょっかいをかけてくるグループの一人、木嶋深雪。
「たぶんもう、夕菜に手出ししないよ」
「えっ……?」
 ちょっと気の弱そうな女の子──それが第一印象だった。入学直後は、席がすぐ傍だった
事もあって、時々話し掛けてきた。
 私なんかに構うと良い事なんか無い、と思いながらも、もしかしたら──そんな希望も
持たないではなかった。
 だが、いつしか、小学生の頃からの馴染みらしい脇田千穂と、同じ部活の楠井舞香と連み、
私を疎み、虐げ、私の孤立を先頭に立って推し進めるような立場になっていた。
「まぁ、判んないけどな」
 おでこにキスされる──
「でも大丈夫」
 俺ももう逃げないから──彼はそう続ける。
「羽山、君……」
「今まで、見て見ぬ振りしてて、ごめんな」
 彼はにっこりと微笑んだ。
 私は泣きそうになってしまった。

413 名前:夕菜 mailto:sage [2006/12/06(水) 22:02:16 ID:Vy8qvMMr]
 羽山君は、苦笑しながら私の髪を撫でた。
「それと、やっぱ、あいつらだった」
「あいつら……」
「夕菜の下着、深雪の水泳バッグの中だって。さっき本人から訊き出した」
──羽山君……そんな事まで……。
 私は嬉しさと感謝と、自分の情けなさを痛切に感じた。
 私の知らないところで──私が意味も無く更衣室に向かっていた時だろう──羽山君は
私の代わりに彼女らの口を割らせてくれたのだ。
 私は──
 下着を奪われたのに、彼女らには何もせず、羞恥に怯えるだけだった。
 いや、私は──
 羞恥のもたらす官能に、はしたなく秘唇を潤ませていた。
 初めから、彼女らに訊いていれば良かった。更衣室で、下着が無いと気づいた時、すぐに
彼女らを問い質していれば良かった。
 どうせ白を切られると判っていても、誰も加勢してくれないと判っていても──
 それでも私は、彼女らに、意志を示すべきだった。彼女らのバッグの中身をぶちまけて
しまえば明白だったのだから。
 そうすれば、数々の恥ずかしい想いなどせずとも済んだだろう。乳房を揺らしてあちこち
歩き回る必要も無かった。淫らな想いに耽ってしまう事も無かった。
 けど──
「夕菜、気にするなって」
「羽山く──んはッ! あッ、はぁっ!」
 鋭敏な突起を転がされる。
 温かな手で、頭を撫でてくれる。
 しかし、それで良かったのかもしれないと考えてしまうのは、私のエゴだろうか──
 私が彼女らに反旗を翻していたら、こういう事にもならなかったのだろうから。
 下着を着けずに教室に戻らなければ、彼に助けてもらう事は無かった。彼に助けられ
なければ──
「はっ、ひっ……んッ、はぁっ」
 身体が跳ねる。
 彼の刺激に反応して、私の四肢がびくびくと震えている。
 私は知らぬ間に、彼のワイシャツをぎゅっと握っていた。
 ワイシャツから腕に──腕から首に──
 彼を感じたい。身を任せて昇り詰めてしまいたい。
「気持ちいい?」
「うんっ、気持ちいっ……んッ!」
 穏やかな声をしていながら、指では激しく私を揺さ振っている。
 正反対の彼の行為が、私の心を解かし、身体を解かす。
「あぁぁ、はぁッ……んっ、はっ」
 全身が波打ち、声が抑えられない。
 羽山君の責めに応えるように、頂点へと駆け昇ってゆく。
「はぁっ、あッ、あっ! はやまっ、くんぅ……」
「夕菜……」
 彼に抱かれている。彼に責められている。
 彼に、愛されている──
「ひゃぅ……あっ、あっあぁッ! はぁっ、んぁッ!」
 全身ががくがくと震えて、身体の真ん中に熱が集まってゆく。
 たった二時間程度の間に、色々な事が起きすぎていた。
 呼吸が苦しい。
 気持ちが揺らいであちこちに振れ、どこに収まれば良いのか判らなかった。
 彼の腕に抱かれて、背を反らして波に飲み込まれてゆく。
 けど、私の収まる場所は、きっと──
「あぁんっ! ひッ……ひぁっ、あっ!」
「好きだよ、夕菜──」
 ひときわ大きな衝撃が、凝縮された熱を弾けさせた。
「ひッんぁっ、あッ、あぁぁっ──ッ!」
 とてつもない大波に、全身が飲み込まれ──
 真っ白になった──
 何度も何度も訪れる波に、私は身体中を震わせていた。
 彼はずっと私を抱いていてくれた。

414 名前:夕菜 mailto:sage [2006/12/06(水) 22:05:28 ID:Vy8qvMMr]
「──というわけで、男子!」
 教室の正面、黒板の前に立った脇田千穂が、突然大声を上げた。
 五時間目と六時間目の休み時間──
 あれから私はしばらくの間、羽山君とあの場所にいた。
 五時間目の終業を告げるチャイムが鳴って、私たちは教室へ戻った。国語担当の杉山は
すでにおらず、がやがやと騒がしい、普段通りの休み時間の光景だった。
 ただ、いつもと違って──
「千穂ー! 戻ってきたよー」
 私が教室に入った途端、楠井舞香がそんな声を上げ、教室は静まり返った。
「おっけ──」
 舞香の声にこちらを向いた千穂は、羽山君の姿を見て、少しだけ怯えたような顔をした。
 が、すぐにいつも通りの澄ました顔に戻った。
 そして、私たちには何も言わず、席を立つ。
「じゃあ、私は──」
 そう言い残し、教室の前の方へと歩いていった。
「ちょっと、深雪っ?」
「あ、うん……」
 舞香に促され、俯いていた木嶋深雪も、こちらを向いた。
 彼女は私より、羽山君の方を意識しているようで──
「ただいま。杉山の奴、なんか言ってた?」
「えっ? えっと……」
 ポーカーフェイスの羽山君。
 口篭もってしまった深雪の代わりに、舞香が明るい声を上げた。
「羽山くーん、あとで怖いよー? 杉山センセーに殴られるかも〜」
「ははっ、それは怖いな」
 とても怖そうに思えない彼の台詞だった。
 クラスのほとんどの生徒たちが、こちらを見ていた。
 恥ずかしい──私はまだ、下着を着けていないし、ついさっきまで、羽山君の指に淫らに
喘ぎ、達するまで責められていたのだから。
「ていうわけで、夕菜」
 舞香がこっちを睨んだ。口を尖らせている。
 私はたじろぐ──
「あの時の事、あたしずっと怒ってんだぞっ!」
 あの時──小学生の、時の事だろう。私は彼女の友達に手を差し伸べられ、しかし、その
手を払い除けてしまった。
 あれが発端だったのだろうか──今となっては、何が始まりなのかよく思い出せない。
 けど、舞香の言葉に、私は改めて思い知らされる。
 自分の蒔いた種は、自分で摘み取らねばならない──そういう事なのだろう。
「あたしもちょっと……なんか、色々して、悪かったと思ってるけどぉ……」
 眼を逸らし、再び視線を合わせてきた。
「ご、ごめんねっ! だからあんたも謝れ!」
 そんな顔で、そんな口調で言われても、とても誠意の篭もった謝辞とは思えない。
 けれど、私は──
「私も……ごめんなさい」
「よしっ! 深雪っ!」
「え? あ、うん……」
「ちょっとぉ、深雪が言い出したんじゃん。なんでそこで固まってんのー?」
 なるほど──
 なんとなく、理解できた。深雪はきっと、私と似た部分を持っているのだろう。
 千穂のような引っ張ってくれる友人や、舞香のようなムードメーカーに支えられていな
ければ、きっと──
 私にはそんな友人はできなかった──ちょっと、羨ましい。
「あ、あっ……あのさ、夕菜……」
「いいよ、もう」
「え?」
「別にいい……伝わってるから」
 羽山君を通してだけど──彼女に変化が起きたのだろう事は知っていた。
 素っ気無い口調でしか言えない──こんなだから、友達ができないのだろう。
「──というわけで、男子! 速やかに教室から出る事っ、いいねっ!?」
 そこに、千穂の声が教室中に響き渡った。

415 名前:夕菜 mailto:sage [2006/12/06(水) 22:08:38 ID:Vy8qvMMr]
 それまで私たちのやり取りを遠巻きに静観していたクラスメイトたちが騒ぎ出す。
「なんだよそれー?」
「いきなりそりゃねーだろ」
「なになに? どうしたの?」
「あっ、もしかして……」
 女子の何人かは、千穂の意図に気づいたようだった。そして──
「そういうわけだから、俺らは外に出てようぜ」
 羽山君が声を上げた。
 爽やかでいて重みのある、よく通るテノール。
 クラスの中心人物二人に言われては、黙って従うしかないと判断したのだろう。渋々と
いった調子で、男子たちが外へ出てゆく。
 その中に、金森の姿もあった。
 背筋を冷たいものが流れたが、しかし、ほんの一瞬交差した視線からは、以前の彼とは
どこか違うものが感じられた。それが何かを考える間も無く──
「それじゃ、みんなうるさいから、急げよ」
 羽山君が最後に、教室を出て行った。
 千穂と舞香によって、前後の出入り口が閉められた。
 深雪は椅子から降り、机の横にしゃがんで何かごそごそとやっていた。水泳用具の入った
バッグから引き抜かれた手には、白い上下の下着が握られていた。
 私のブラジャーとショーツ──
 そのために男子を追い出したのかと、私はようやく理解した。
「これ……ごめん」
 深雪が立ち上がり、おどおどと言いながら、こちらに手を伸ばした。
 ブラのストラップが垂れ下がり、ショーツはくしゃくしゃに丸められていた。
「やっぱりそうだったんだ……」
「やりすぎじゃない?」
「酷いって……」
 教室に残っていた女子たちがざわめく。彼女らの眼は、千穂と舞香、深雪の三人に向け
られていて、千穂は普段通りの毅然とした顔で、舞香は口を尖らせて拗ねる子供のように、
深雪は俯いたまま──三者三様でその視線を受けていた。
 いい気なものだ──三人を責めるような、女子たちの空気が腹立たしい。
 自分を棚に上げて、何を善人ぶっているのだろう。私たちはやってません、今回の事は
彼女ら三人だけの罪です、とでも言うつもりなのだろうか。彼女らをエスカレートさせた
のは、自分たちの醸していた空気も要因のひとつだと、何故解からないのだろう。
 いや──解かっているのだ。解かっていても、何もできないものなのだ。私はずっと、
そういう空気を見てきた。
 彼女らだって解かっている──自分たちにも咎があるのだと。
 でも、それを認めるのは、容易ではない。私だって──
「いいよ、もう」
 笑顔なんて作れない。けど、できる限り穏やかに言ったつもりだった。
 下着を受け取る。体育の前に脱いだ下着は、ようやく私の手に戻ってきた。
 知らぬ間に、千穂と舞香も傍に来ていた。
「今までごめん、悪かった」
「あたしはもう謝ったからね。さっきのでチャラ!」
 千穂は感情の篭もらぬ冷めた口調のまま、舞香もそんな調子で──
「なにあれー?」
「それで謝ったつもり?」
 案の定、他の女子たちが非を上げる。
「もういいよッ!」
 私の叫びに、教室がしんと静まり返った。
 私自身、ものすごく久しぶりに荒げた声に、少し驚いてしまう。自分にもこんな大きな
声が出せたのだなと思うと、何故かおかしかった。
 三人の心境の変化はよく解からない。こうも簡単に覆るものなのだろうか。
 羽山君は彼女らにいったい何をしたのだろう。
 そんな事は知る由も無い──きっと、知らなくても良い事だと思う。
 この事で、私のクラスでの立ち位置が変わるかどうか、それは解からない。
 三人がこれからも私にちょっかいをかけないとも限らないし、他の子の態度が改まるか
どうかも解からない。
 けれど、私には──
 羽山君がいてくれる。それだけで、私は満足だった。

416 名前:夕菜の中の人 mailto:sage [2006/12/06(水) 22:13:32 ID:Vy8qvMMr]
以上、12レス──これにて、「夕菜」終了です。

長々とスレを占拠したような状態になってしまって
申し訳ありませんでした。
でも、楽しんでいただけた方がいらっしゃるのなら、
作者冥利に尽きます。
ありがとうございました。


で、後日談がちょっとあったりしてw
エピローグ、です。
それはまたのちほど……。

417 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2006/12/06(水) 22:21:32 ID:jGVEnClW]
おつであります(`・ω・´)

418 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2006/12/06(水) 22:22:21 ID:uHJDVlnf]
そーにゅーやおしゃぶりはー?

419 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2006/12/06(水) 23:20:18 ID:VTWdsez5]
生えてないのもいいが剃られちゃうのも期待したい

ノーパンブルマ

ノーパンミニスカ

ノーパン自転車

ノーパンしゃぶしゃぶサイダー総裁



420 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2006/12/06(水) 23:35:17 ID:V1Yhfr+p]
いい読後感だな。乙でした。

>418
後日談か他スレで書いてくれることに期待しよう

421 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2006/12/07(木) 14:37:12 ID:tbYeWFpP]
乙乙乙乙乙

422 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2006/12/07(木) 22:20:40 ID:nZmEUQSU]
結果的に、蛇の睨みに蛙がひるんだ形に、いじめに一石を投じた小説になりましたな。
羽山君はあまり好きじゃないキャラでしたが、小説としては興味深かったです。

423 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2006/12/08(金) 01:52:42 ID:lFNHlAM0]
>>416
結婚のシーンも読みたい
もちろん式中はノーパン

424 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2006/12/08(金) 01:59:28 ID:m9uPF5H9]
ノーパソウェディングとはマニアックだな

425 名前:名無しさん@ピンキー [2006/12/08(金) 02:53:33 ID:yhZAGAlF]
ノーパソウェディングと読んで、たしかにマニアックな響きだと思った

426 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2006/12/08(金) 10:35:02 ID:IGbmqkns]
>>416
今更っぽいけどgj
羽山君は18禁乙女ゲーのおっさんキャラみたいだな

427 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2006/12/10(日) 11:55:03 ID:zmzDNoKF]
>>416
是非また作品書いてくださいな

428 名前:夕菜の中の人 mailto:sage [2006/12/10(日) 23:25:01 ID:ViNpNrKk]
エピローグ的なお話、投下します。
そーにゅーは無いですが……。

429 名前:夕菜 mailto:sage [2006/12/10(日) 23:25:57 ID:ViNpNrKk]
 正午を少し回ったターミナル駅は、驚くほどの人で混雑していた。
 背の低い私には、ごったがえす人の群れを見通すのは難儀だったが、大きな柱にもたれて
文庫本に眼をやっていた彼の姿は、すぐに見つけられた。
 人波を掻き分けるようにして、足早に彼のもとへと急いだ。
「お待たせ、恭也」
 まだ少し言い馴れないが、私も彼を下の名で呼ぶようになった。
 恭也は普段どおりの僅かな笑みを浮かべ、片手を上げた。
「おはよう、夕菜。今日は一段と可愛いなぁ」
 開口一番そんな事を言う。
 真新しい洋服と、薄く施したメイク。似合っているのだろうか。
「あ、ありがと……待たせちゃった?」
「俺も今来たとこだよ」
 そんなはずはない。彼は時間に正確だし、いつも十分前には着いている。急いだつもり
だったが、十五分ほど待たせてしまった事になる。
 でも──遅れたのには理由がある。
「その服、着て来てくれたんだな」
 うん、と言いかけた私は、次の言葉に絶句した。
「ちゃんと、言った通りしてきた?」
 今日から夏休み──私たちは、デートの約束をしていた。
 そして、今朝起きてすぐに届いた彼からのメールはこうだ──
『おはよう夕菜 今日のデート楽しみだよ 当然ノーパンだよな?』
 まったく──朝っぱらからなんてメールを寄越すのだろう。
 半ば呆れて、半ばドキドキしながら、私は返信した。
『おはよう恭也 私も楽しみ でもノーパンはちょっと……』
 二人とも、絵文字や顔文字はほとんど使わない。そんなもの使わなくても、お互いの
気持ちは通じ合っていると思うから──
 返事はすぐに来た。
『あれ? 夕菜はノーパンでおまんこ濡らしちゃう エ ッ チ な 子 だよねぇ?』
 わざわざスペースを空けて強調するのが意地悪で──
「馬鹿……恭也の馬鹿っ」
 顔が真っ赤になっているのが自分でもよく解かる。
 そんな事をさせようとする彼はどうかしている。
 けれど──それをしてしまう私も、どうかしているのだろう。
 私は彼の言う通りに、ショーツを穿かずに来てしまったのだ。
 今日も三十度を越す真夏日。汗が滲む──
 上は少女趣味的な白のブラウスで、下は膝上十センチほどの、これまた少女趣味な黒い
フレアミニスカート。以前、彼とデートした時に選んでもらった服だった。
 こんなにも短いスカート──他の子たちにとっては短いうちに入らないかもしれないが、
私にとっては十分すぎるほどに短い──を穿いて、しかも、ノーパンだなんて──
 これでは公序良俗に反するのではないか。公然猥褻罪で捕まるのではないだろうか。
 出かける直前、私は散々迷った。その所為で遅れてしまったのだ。十分かそこら待たせ
ても、大した事ではない。恭也の自業自得だ。
「ははは、夕菜は可愛いなぁ」
 まったく──本当に、恭也はいやらしい。
 こんなにいやらしいとは思っていなかった。
 いや、あの日──今までほとんど口を利かなかった私にあんな事をしたのだから、予想は
していたが──
 それにしても、予想以上だ。
 学校でも人目につかないところで私に淫らな事をしようとする。
 私が抗えばやめてくれるし、私の気が乗らない時にはしようとしない。そんなふうに、
私の気持ちを量ってくれる辺りは、彼らしいと言えるのだが──
 言い換えれば、私にほんの少しでもその気があると、見抜かれてしまうという事だ。
 学校では──あの日以来、達するまではされた事は無い。それは、つまり、中途半端な
刺激で終わってしまうという事で──
 私は人選を誤ったのかもしれない。私は人を見る眼が無いのだろうか。どうしてこんな
男の子を好きになってしまったのだろう。
 他の男子とは別格に見えた恭也。周りの子たちとは違う、大人びた雰囲気に惹かれた。
 だがそれは、もしかしたら、大人びていたのではなく──
 呆れて溜め息が出た。
──オヤジくさいだけなのかなぁ……?



430 名前:夕菜 mailto:sage [2006/12/10(日) 23:26:40 ID:ViNpNrKk]
「どうした?」
 呆れ顔の私に、彼は鞄に文庫本を仕舞いながらきょとんとした眼を向けてきた。
 きっとこれも演技なのだ。私が何を考えているかなんて、お見通しだろうから。
「……なんでもない」
「そう?」
 面と向かって彼にオヤジくさいなんて言えない。言ったら、何をされるか解からない。
 今この場で、公衆の面前で、スカートを捲り上げられかねない──さすがにそれはない
だろうか──いや、でも、彼の事だから解からない。
「恭也って……」
 エッチだよね、と言うのに重ねて、駅のアナウンスが響いた。
「え?」
「なんでもないー」
 はぁ──また溜め息が出てしまう。
 落ち着かない。ミニスカートなんて滅多に穿かない。ミニスカート自体、これの他には
一着しか持っていない。
 こんなにも短いスカートを穿いているのに──
「濡れちゃった?」
「──ッ!」
 周りには何人も、何十人もの人がいるというのに、なんて事を言うのだろう。
「馬鹿っ……」
 きっと私は、耳まで真っ赤だ。
 しかし──彼の言葉は真実を言い当てていた。
 私は家からここまで、およそ二十分ほどの間──いや、彼のメールを受信してからだと
考えれば、四時間近くもの間、そこを潤ませていた事になる。
 家を出る直前まで穿いていたショーツには、くっきりと染みができていた。とろりとした
蜜を含んで、悲しいぐらいに濡れていた。当然今も、私のそこは潤っていて──
「私……怖かったんだから」
「まさか、痴漢とか──」
「されてない」
 されてたまるか。考えただけでもおぞましい。
「そっか……よかった」
 この駅に来るまでは私鉄を使った。混雑はしていたが、座席はいくらか空いていた。
 だが、私は座らなかった。スカートに染みができてしまいそうで──
「ちょっと、心配だったんだ」
 心配ならこんな事初めからさせなければ良いのに、と思う。
「夕菜って、なんか、抵抗とかしなさそうだしさ」
 それは、否定できない。
 痴漢なんて遭った事は無いが、きっと私には、大声を上げて助けを求めたり、駅員に
突き出したりなどという勇気の要る事はできないだろう。羞恥と恐怖に耐えて、じっと
しているだけだと思う。
「恭也の馬鹿……」
 それにしても、落ち着かない──こんな可愛らしい洋服は、私には似合わない。
 白いブラウスは、ボタンに沿って小さなフリルがあしらわれている。よく知らないが、
ロリータ系というのだそうだ。ウェストが絞られたデザインは、私の胸を隠すどころか、
大きさを際立たせているように思える。恭也が選んだものだ、きっとそれを狙っての事
だろう。しかも生地は薄く、白いブラがうっすらと透けている。
 下は黒のフレアミニで、途中の折り返しが大きなフリルになっている。裾は白いレースが
あしらわれていて、腰には大きなリボンがついている。
 脚は黒のオーバーニーソックス。絶対領域がどうのと言っていたが、おそらく竜介から
聞いた言葉なのだろう。というか、この格好は竜介に影響されたのではないだろうか。
 竜介──私のすぐ後の席の金森竜介とは、時々話をするようになった。
 恭也と彼が話す事が多くなったというのもあるが、恭也を間に挟まなくとも、私に話し
掛けてくる事は多い。
 以前なら無視を決め込んでいたのだろうが──変われば変わるものだと思う。
 それはともかく──
 はっきり言って、この格好は恥ずかしい。私が自分で選べばこんな選択は絶対に無い。
 しかも、ショーツを穿いていないのだ。恥ずかしくないわけが無い。
 まったく──それなのに、彼の望む格好をしてしまう自分自身に呆れて、また溜め息を
ついてしまった。
 でも、可愛いよ、と言われたのは嬉しかった。

431 名前:夕菜 mailto:sage [2006/12/10(日) 23:27:16 ID:ViNpNrKk]
 たたんたたん、と刻まれる車輪の響きも、弱冷房のゆるやかな風も心地好い。
 あの日、恭也に言われてからずっと伸ばしている髪は、まだ半月ほどしか経っていない
のに、もう肩に届きそうなほどで、エアコンに撫でられてゆらゆらとなびいている。
 履き慣れないショートブーツはややソールが高く、揺れる車内では不安定だが、いつも
より彼の顔が近いのは嬉しかった。
「ほんと、なんでこんなに人ばっかなんだろうな」
「今日から、ん、夏休み、だし……」
 少し詰まりながら、平静を装って言葉を返す。
「やっぱり初日はみんな遊びたいもんなのか」
「さぁ……んっ」
 他の人がどうかなんて知らないが、私は恭也と一緒におでかけできるのが嬉しい。
 今の格好は恥ずかしいけど──恥ずかしすぎるけど、恭也が望むのだから──
 さっきは階段を降りるのが恥ずかしかった。
 あの日、学校の階段でとんでもない事をした私だったが、あの時は周りに恭也以外誰も
いなかった。突然誰かが現れるかもしれないという不安はあったが、しかしあの時の私は
どこかおかしくなってしまっていたのであって、今のようにきちんと理性を──
 いや、今も理性を保っていられているのかどうか、私には判然としない。
 駅の改札を抜け、ホームへ降りる階段は──正面から何十人という人が登ってきて、
たまらなく不安だった。彼がいなければ回れ右をして逃げ出していたかもしれない。
 デニム地のトートバッグで隠しても、不安は消えなかった。
 それなのに、悲しい事に──たぶん悲しい事だろう──私が感じていたのは、不安だけ
ではなかったのだ。
 私はあの日、あまりに強い刺激を短時間に受けつづけた所為か、どうやらこういった状況
に興奮する身体になってしまったらしい。
 それとも、もともとそういう性質を備えていて、開花してしまっただけだろうか。
 どっちでもいい──とにかく私は、羞恥に性的な昂ぶりを覚えてしまうのだ。
 家を出てからそろそろ三十分──
 車内は混み合っていて、恭也とドアの間で小さくなって電車に揺られている私のそこは、
自分でも判るぐらいに濡れていた。
 しかも、しかもだ──どうして彼は私のそこに手を伸ばしているのだろう。
「んっ、うぅ……」
 剥き出しの秘処に彼の指が軽く添えられている。
 車両が揺れると、彼の指が秘裂を撫でる。
 おかげで、私はそのたびに声を上げそうになって、必死に堪えなければならなかった。
──痴漢は恭也自身でしょっ!?
 上目遣いに恨めしく睨みつけても、彼は余裕の笑みを返すだけ。
 悔しい──なんとか反撃してやりたい。
 幾度か彼に反撃した事はあったが、それはことごとく受け流され、または躱わされて、
全くダメージを与えられなかった。
──たまには手加減してよ……。
「はぅっ、ううぅ……」
 そんなところに触れられたら、私は恥ずかしい声を上げてしまう。
 小さな蕾も、ぷくりと膨れ上がっているのだろう。彼はそこを責めるのが好きだった。
 私が激しく身を震わせて、切なく喘ぐのがいいのだと言う。
 本当に、彼はSなのだと思う。
 いやらしくて、サディストで、変態で、まったく──どうしてこんな人を……。
「夕菜、可愛いよ」
「うぅ……」
──そんな事言ったって、許してあげない……。
 あの日以降、深雪や千穂、舞香とも言葉を交わす機会が増えた。今までは一方的に悪態を
吐かれたり、なじられたりするだけで、普通の会話などほとんどしていなかった。
 深雪はまだわだかまりがあるようだし──それはきっと、私と恭也が付き合っているから
という事が大きいのだろう──、千穂も何を考えているのか解からない事が多い。
 しかし、舞香の変わり身は、天地が引っくり返ったかと思うほどだった。
 小学生の頃から私を疎外し、虐めていた彼女は、中学になってからもクラス中の全員を
巻き込んだ張本人なのに──何かと私に声をかけ、私にはよく解からない芸能人や音楽の
話をしたり、班分けなどでも私を引き込んだりするようになった。
 メイクを教えてもらえたのは嬉しかったが、あまり付き纏われるのは、少々鬱陶しいと
感じる時もある。
 けれど、それが彼女の償いの仕方なのかもしれない──とは、恭也の言葉だった。

432 名前:夕菜 mailto:sage [2006/12/10(日) 23:28:14 ID:ViNpNrKk]
 私は今日、少しだけお化粧をしていた。ファンデーションを塗り、薄桃色のリップを
引き、薄く目元を撫でただけの簡単なメイク──
 昨日の終業式の前、眉を整えてくれたのは千穂だ。そんなんじゃ羽山君に愛想尽かされ
ちゃうよ、と言って、淡々と整えてくれた。
 その横で深雪は、全部剃っちゃえばいいじゃん、と毒を吐き、舞香はきらきらした眼で
覗き込んでいた。他にも何人かのクラスメイトに囲まれ、気恥ずかしかった。
 彼女らとそんな関係になれるなんて、ひと月前の私には想像もできなかっただろう。
 もちろんまだ、友達と言うには距離があると思う。舞香などはとっくに友達になった
気分でいるかもしれないが──
 それもこれも、恭也のおかげだ。
 結局私は、恭也に頼りっぱなしなのだと思う。
 彼がいたからこそ、私はクラスに馴染み始める事ができたのだし、自分でもそうなろうと
思えるようになったのだから。
 そんな、心の恩人とも言うべき恭也は──
 あろうことか、私のそこにずっと触れているのだ。
 私の感傷など知りもしないという顔で──
 時折、彼の指が立てる小さな波が打ち寄せてくる。
 スカートの中に触れるには、当然だが、捲り上げなければならない──私は電車の中で
スカートを捲られ、そこをいじられているのだ。
 車内は混雑し、人と人との間隔が狭い。捲られたところを見られはしないと思う。
 しかし、声を漏らせばすぐに気づかれてしまうだろう。
 そんな事になったら、どうしてくれるのだろう。
 いっそ恭也の手を握り、この人痴漢です! と叫んでやろうかとも思う。
 デイパックを肩に掛けた彼は、左腕を私の腰に回し、右手の指でそこを撫でている。
 彼の指は私の蜜で覆われているだろう。指が触れた内腿は、私のそこがどれほど濡れて
いるかを伝えてくる。
 私もトートを肩に掛け、両手で彼のTシャツにしがみついていた。
 何かに掴まっていないと、恥ずかしくて卒倒しそうだった。
 いくら羞恥が興奮を湧き立たせるといっても、それ自体が消えて無くなるわけではない。
恥ずかしいのは恥ずかしい。それにプラスして、官能が湧き──
 ダメだ、こんな事を考えていては、彼の思う壺だ。
 彼はこうやって私を虐めるのだ。
 中学に上がってからずっと受けていた虐めとは違う、恭也だけの虐め方──
 クラスメイトからの嫌がらせは、最近はあまり無い。ちょっとしたからかいの言葉を受け
たりはするが、コミュニケーションの一環だと思えばどうという事も無い。
 それに、からかわれるのは主に、恭也との関係についてなのだから──やっかみなのだ。
そういうものは、軽く流しておくのが正解だと思う。
 彼と私の噂は瞬く間に広がった。恭也は教師にすら一目置かれる存在だったし、私は
クラス中から疎まれているような子だった。そんな二人がくっついたとしたら、私だって
興味を覚えただろう。
 それに、どうも恭也が──下品な言い方をすれば、巨乳好きという噂は以前からあった
らしい。噂どおりに──学年一、胸の大きな私と付き合っているのだ、話題にならない
わけが無い。
『ご乗車ありがとうございます。間も無く──』
 スピーカーから、車掌のアナウンスが聴こえてきた。
「次だね」
「う、うん」
 列車がブレーキを掛けて減速し、駅の手前で左右に大きく揺れた。
 慣性で乗客も揺さ振られ、私は恭也とドアに挟まれて潰れそうになる。
「んっ! ううぅ……」
 しかも、彼の指はここぞとばかりに私のそこを責め立てる。
 最近ますます技巧を増した彼の指が、私の蕾を弾き転がす。
「んぅ、んっ、んんッ……」
 必死に声を押さえ込む。
 周囲を人に囲まれているというのに、私はびくびくと震えてしまう。
──ダメだってば、やめてってばぁ……!
 そんな台詞、声に出すわけにいかない。もちろん恭也はそれを承知で私を苛んでいる。
 酷い男だと思う。とんでもない奴だと思う。どうしようもなく、変態だと──
 けれど、そんな彼に責められて感じてしまう私も、同類に違いない。
 やっぱり私には、彼が必要なのだろう。

433 名前:夕菜 mailto:sage [2006/12/10(日) 23:28:57 ID:ViNpNrKk]
 改札を抜け、駅を出た私たちは、横断歩道の信号待ちをしていた。
「やー、大変だったね、夕菜」
「……馬鹿」
 大変にさせたのは自分ではないか──
 恭也に腰を抱かれていなければよろめいてしまいそうなのは、履き慣れない靴の所為
だけではない。私のそこはまだひくひくと疼いていた。
 若者の集まる街──私がここに来るのは二度目だった。一度目は先週の日曜日、今私が
着ている服を選んでもらった日だ。その時よりも十代の少年少女たちの割合が多いように
思えるのは、夏休みだからか。
 人込みは苦手だったが、恭也と一緒なら大丈夫──恥ずかしいところはいやらしく濡れ
ているけど──たぶん、大丈夫。
 ありふれたものから極彩色の奇抜なものまで、色とりどりの衣服に身を包んだ、十代から
二十代、三十を超えているであろう男女様々な人たちでごった返していた。
 スーツ姿の男性は仕事の最中なのだろうか。制服姿の女の子は、午前の補習授業に出た
足で来たのだろうか。アイドル歌手かと見紛うほどの派手な衣装で歩いている子もいるし、
ここには似つかわしくない地味な子もちらほらと見受けられる。真夏だというのに真っ黒な
レザーという男性はバンドでもしているのだろうか。金髪を逆立てたり、形容し難い色に
染め、珍妙なヘアスタイルをした者もいて、眼がちかちかする。
 私の知らない世界──
 この街は、刺激に満ち溢れていた。
「夕菜?」
 知らぬ間に信号が青に変わっていた。恭也に手を引かれて歩き出す。
 彼は臙脂に白抜きでプリントのされたTシャツと、くすんでほつれたジーンズ。
 履きくたびれた感のあるグレーのスニーカーは、左の紐が少し緩んでいるような──
「腹減ってる?」
「うん、少し」
「じゃあ軽くなんか食うか──」
 私たちは、恋人同士に見えるのだろうか。
 くすぐったいような、どきどきするような、なんとも言えない気分。
「それとも、カラオケでも入ってついでに食べる?」
「どっちでも、いいけど」
 カラオケに入るなら、彼の靴紐を直してあげよう──でも、歌は苦手だ。
 大きな声を出すのが苦手なのだ。歌うのはあまり好きではない。
「あー、夕菜ってカラオケ嫌いだっけ?」
「……うぅん、大丈夫」
 嫌いではない。聴くのは好きだ。彼の歌を聴くのは、大好きだった。
「じゃあ、ちょっと店見てから、カラオケ入るか」
 恭也の口元が、少しだけゆがんだ。これは──意地悪な笑みだ。
「そっちも、疼いてそうだし」
「──ッ!」
 そんな事を言うから──極力それを意識しないようにしていたのに、彼がそんな事を言う
から、そこの疼きが盛り返してくる。
 彼はサディストなのだから仕方が無いのだろう。
 そして私は、マゾヒスト──彼に虐められるのが、快感なのだ。
 そういえば──数日前、保険委員の仕事とやらで恭也に付き合って保健室へ出向いた時、
笹野先生に艶っぽい声で言われた。
 彼に虐めてもらってる? ──と。
 硬直した私に、たまにはあたしともしようよ、と、くすくす笑いかけてきた。
 私は恥ずかしさと恭也への後ろめたさに──どうやら泣きそうな顔をしていたらしい。
 恭也はそんな私を抱き締め、俺の彼女ですから、と言った。
 柏原さんのおっぱい独り占め? ふたつあるんだからひとつぐらい──
 ダメです。両方俺のもんですから──
 なんという会話なのだろう。こんな教師と生徒のいる学校からは、とっとと逃げ出すべき
なのではないかと思った。
 彼女は相変わらずらしい。今日も誰かを──喰っているのかもしれない。
「ま、それはあとのお楽しみ、っと」
 恭也は私の頭を撫でた。彼はにやついている。この顔はそういう顔だ。
「……馬鹿っ」
 彼の脇に肘を打ち込んだ。いてて、と涼しい顔で笑った彼は、とてもこんな趣味を持って
いるようには見えなかった。

434 名前:夕菜 mailto:sage [2006/12/10(日) 23:29:44 ID:ViNpNrKk]
 恥ずかしくて死にそうだった。
 人間が羞恥心で死んだという事例はあるのだろうか。その場合は、精神的ストレスに
よるショック死とでも診断されるのだろうか。PTSDという言葉も時々聴くが、それが人を
死に至らしめる事はあるのだろうか。苦しんだ末に薬物依存になったり、自殺してしまう
という事はあるのかもしれないが、羞恥それ自体で人は死ぬ事があるのだろうか──
 無意味に小難しい事を考えていなければ、どうかなってしまいそうだった。
 駅前の横断歩道を渡ってすぐ、ほんの数百メートル程度の細路の左右には、数え切れない
ほどの店が建ち並んでいる。その途中で交差する路地の奥にも、いくつもの店があり、主に
ファッション関係──洋品店だが、その客を目当てにした飲食店も多い。
 この街から広まった若者文化も多いという。流行に敏感な者から、独自のセンスで飾り
立てた者まで──いったい何百人、何千人がこの細い通りを歩いているのだろう。
 私は恭也と二人、そんな中の洋品店のひとつを物色していた。
 若者向けのカジュアルショップ──らしい。
 私には違いはよく解からないが、こっちはなんとか系で、こっちはまた別のなんとか系と、
どうやら微妙な差異があるらしい。
 そんな事はどうでもよくて──
「恭也っ……んぅ、やっ……」
 狭い店内は見通しが悪く、さらに奥まった場所で──
 私のそこに、恭也の指が触れていた。
 吊るされたシャツやスカートを眺めながら、彼はそこに手を伸ばしているのだ。
 彼は今、私の服を選んでくれている。
 片手だけで器用に服をよりわけて品定めしている。
 しかし、もう片方の手は、私のスカートを捲り、露を溢れさせた秘処を撫でていた。
 商品の吊るされたラックの向こう側には、別の客がいるのに──
 私は羞恥に耐え、込み上げる刺激を堪え、声を抑えて震えていた。
「ね、こういうのどう?」
 彼が手にしているのは、デニム地のミニスカート。薄汚れた風合いの加工が施された、
シンプルで誰にでも──私でも似合いそうなスカートだ。
「……わかん、ない」
「ちょっと、夕菜には短すぎるかなぁ」
 そう言って、彼は私から指を離した。
 刺激が止まり、疼きだけが残る。物足りない──と思ってしまう自分が恨めしい。
 恭也が首を傾げて笑みを浮かべた。
 私の心を悟られたのか、それとも、初めから何か考えて──
「試してみなよ」
「えっ?」
「試着室、そこにあるし」
 どうやら、後者だったようだ。
 押し留める暇も無く──
「すみませーん」
「はーい、なんでしょう?」
 小さな店だ。彼に文句を言う前に、店員が駆けつけた。
「試着いいですか?」
「はいはいどうぞー、こちらですよー」
 私はおろおろしているうちに、彼と店員に連れられてしまう。
 誰に助けを求める事もできず、スカートを手渡され、試着室に押し込まれてしまった。
 カーテンが閉められ、大きな鏡と薄い壁に囲まれた狭い空間に立ち尽くす。
──どうしよう……。
 試着という事は、今穿いているスカートを脱ぐという事だ。
 それは街中で、店の中で──ショーツを穿いていない下半身を曝け出してしまうという
事ではないか。
 もちろん、カーテンは引かれているし、誰にも見られる事は無い。
 しかし──
 心臓がどくどくと早打って、体温が上昇する。クーラーなんて意味が無い。
「夕菜、どう?」
 済ました声。しかし、私には解かる。恭也は興奮している。私にこんな事をさせて、彼は
興奮しているのだ。
「まだ……」
「そう? ゆっくりでいいぞ」
 とんでもない彼氏を持ってしまった──またしても私は、溜め息をついてしまった。

435 名前:夕菜 mailto:sage [2006/12/10(日) 23:30:27 ID:ViNpNrKk]
 デニムのスカートを脇に置く。
 黒いスカートのホックを外し、ジッパーを下げた。
 ふりふりのスカートは、はらりと落ちて、足元に丸く広がった。
 ちょっと、綺麗だと思った。
 しかし──鏡に映し出された自分の姿は、なんていやらしいのだろう。
 上半身は、うっすらとブラの透けた白いブラウス。ウェストできゅっとくびれていて、
胸の大きさが強調されているように思える。
 その下は──
 子供っぽいままの腰周り。未だにほとんど発毛していない恥丘には、股の間から伸びた
割れ目がくっきり見えている。ぷくりと盛り上がった小さな突起も覗いている。
 彼の指が掻き集めた露が周囲を濡らしている。そこから、いやらしい匂いが立ち昇って
くるようで──
 どうして自分は、こんなにもエッチなんだろうと思う。
 この街にひしめく、自分と同年代の少女たちは、きっとこんな格好はしないだろう。
 ショーツを穿かずに街に出るなんて──そんな事をする子は私以外にいないだろう。
 いや、少しぐらいならいるのかもしれない。もしかしたら、同じクラスにもそういう子が
いるのかもしれない。
 きっと、もっと過激な事をしている子もいっぱいいるのだろう。公園や建物の陰で恋人と
絡み合っている子たちもいる。夜になれば、人目につくような場所で交わる大胆なカップル
もいるだろう。
 そんな人たちに比べれば、私なんてたかが知れているのかもしれない。
 けれど、そうだとしても──
「んっ……」
 そこに触れる。淫らな露が溢れて、ぐっしょりと濡れている。
 こんな状態で、試着なんてして大丈夫なのだろうか。商品についてしまわないだろうか。
 バッグを漁る。ポケットティッシュを取り出して──
「うぅ……」
 鏡の中に、胸の大きな女の子がいる。彼女は、こんなところで、濡れた秘処を拭き取って
いる。拭いても拭いても、その刺激でさらに溢れさせてしまう、とてもエッチな子だ。
──あたし、ほんとにエッチだなぁ……。
 周りは綺麗になった。その部分にスカートは触れないだろうから、大丈夫だろう。
 汚れたティッシュを丸めて鞄に押し込んで、彼の選んでくれたスカートを手に取る。
 脚を通して引き上げる。
 タイトミニのスカートは、ウェストがぶかぶかだった。少し大きいのだろうか。
 でも、彼は私のサイズを知っている。この前も選んでくれたし、こういうところは、彼は
間違えない。
 鏡を見る──股下五センチあるかないかだ。あまりにも短すぎる。
──こんなの穿けないよ……あれ? もしかして……。
 深雪たちから聴いた事がある。ウェストでなく、腰骨に引っ掛けるように穿くズボン──
ではなく、パンツと言うらしいが──や、スカートがあるのだと──
 おそらく、それなのだろう。という事は──
 少しずらしてみる。
 なるほど──ちょうどいい感じに、腰骨に引っかかる。
 でも、落ち着かない。というか、それでも短すぎるように思う。
 股下十五センチぐらいだろうか──
 それに、こんなにずり下げて穿いたら、下着が見えてしまうではないか。腰から下着を
覗かせている人もよく見るが、私にはそんな格好は無理だ。
 でも──
 恭也は、こういうのが好きなのだろうか。私がこれを穿いたら、彼は喜ぶだろうか。
 彼が喜ぶのなら──恥ずかしくても我慢できるかもしれない。今日の上下だって最初は
似合わないと思ったのだ。でも今は──気に入っている。
 可愛いと言ってもらえるから。似合うと言ってくれるから──
 黒いオーバーニーソックスが少し落ちてきていた。指を掛けて引っ張り上げる。
 ブラウスの裾はそのままだけど──
「恭也……どう?」
 カーテンの隙間から顔を覗かせた恭也は、少しだけ眼を丸くし、微笑んだ。
「いいね、似合うよ」
「あ、ありがと……」
 顔がほころぶのが自分でも判った。
 今日はこれを買おう──

436 名前:夕菜 mailto:sage [2006/12/10(日) 23:31:13 ID:ViNpNrKk]
「恭也の馬鹿っ、馬鹿ぁ!」
「ごめん、悪かった」
 部屋のドアを閉めるやいなや、私は恭也をなじった。
 ソファに置かれていたクッションを投げつける。
「馬鹿、馬鹿馬鹿っ、痴漢、変態っ、変質者っ!」
「酷い言われ様だ」
 ぽふっと受け止めて、彼は苦笑いした。
 本当に悪いと思っているのだろうか。
「酷いのは恭也だよ」
 ははは、と乾いた笑いを浮かべてクッションを弄んでいる。
「夕菜だって、どきどきしただろ?」
「う──」
 言い返せない。
「しなかった?」
「……」
 本当に、どうしてこんな人を好きになってしまったのだろう。
「……した。死ぬかと思った」
「あはは、夕菜に死なれたら俺、悲しいな」
「……馬鹿」
 スカートは恭也が買ってくれた。自分で払うと言うと、俺が選んだんだし、と言われた。
 その後、カラオケ店に入り、カウンターで部屋番号を告げられ伝票を受け取った私たちは、
エレベーターに乗った。
 そこで私は、あの日のように──スカートを捲り上げられたのだ。
 他に二人乗っていたというのに──
 いくらその二人が背を向けていたといっても、ショーツを穿いていないのだ。思わず声を
上げそうになり、すんでのところで堪えられたから良かったものの──
 まったく、なんて事をするのだ。セクハラオヤジだってそんな事はしないだろう。
 はぁ──と溜め息が出た。
「はい、これ」
「うぅ……馬鹿ぁ」
 クッションを放り出した彼から、ティッシュを渡された。
 濡れたあそこを拭け、という事だろう。さっきの店でも拭いたが──また濡れていた。
「スカート、汚れちゃうぞ?」
 言われなくたって解かっている。
「それとも──」
「──ッ!」
 抱きすくめられる──
 温かい──外は暑すぎるほどに暑く、二人の汗ばんだ肌はべとべとしていたが、それすら
心地好く感じてしまう。
 彼の胸に私の胸が押し付けられている。
 最近は、笹野先生に言われたように、胸の大きさに見合うブラを着けるようにしている。
 なかなか気に入ったものは見つからなかった。
 私に合うサイズのものがあまり無いし、あったとしても、大人っぽいデザインで、買う
のは躊躇われた。
 けど、今日着けてきたのは──
 ブラウスにうっすらと透けている白いブラは、乳房を覆うカップが総レース。もちろん
裏当てはあるが──1/2カップの、ちょっと大胆なデザインだった。
「して欲しい?」
「うぅ……やっ」
 彼が片手で、ブラウスの上から乳房を包んだ。
「夕菜の胸、柔らかいなぁ」
「んっ……」
 こうなるともう、私の負けだ。
 大きな彼の手でも包みきれないほどの乳房を揉み解される。
「はぁっ……」
 既に頂点の突起は硬く尖っている。
 電車でも、店でも、歩いているだけでも恥ずかしくて──そうなっていて当然だった。
 彼の指先は、すぐにそれを探り当ててしまう。
「こりこりしてる」
 私は恭也に抱かれながら、彼の愛撫を受け入れた。

437 名前:夕菜 mailto:sage [2006/12/10(日) 23:32:10 ID:ViNpNrKk]
 二人は立ったままキスをした。
 乳房を優しく責められながらのキス。最初は優しく、次第に激しく──私の心をとろけ
させるキスの嵐。
 唇が離れると、二人の間には細く透き通った橋が架かって消えた。
「そろそろ、ドリンク来るかな」
「あっ──」
 カウンターで注文したアイスカフェオレとアイスミルクティ。
 この店に入るのも二回目だ。前回はどれぐらいで持ってきただろうか──
 と思う間も無く、ドアがノックされた。
 私は慌てて恭也から離れ、すぐ近くにあったマイクに手を伸ばして、今ちょうどマイクを
取りにソファを立ったところですよ、といった小芝居を演じてしまう。
 なんとなく、背後で恭也が笑っているような気がした。
「失礼しまーす」
 きぃ、という軋みと共に、可愛らしい女性の声がした。
「お待たせしましたー。アイスカフェオレと、アイスミルクティになりまーす」
 どうもー、と恭也が言った。
 私は何も言えずに顔を背けたままだった。
「ごゆっくりどうぞ〜」
 定番の台詞を残し、店員は出て行った。
 ごゆっくり、キスをどうぞ──そう言われたような気がして──ごゆっくり、もっと色々
してくださいね──なんて、そんな言葉すら浮かんでしまう。
「キスしてるとこじゃなくて良かったな」
 後から抱かれ、びくっとしてしまう。
 腰に──当たっている。
「今の子、けっこう可愛かったなぁ」
「えっ──」
 顔はよく見ていない。声からすれば高校生か、もう少し上だろうか。
「胸、大きかった」
「え? あっ──」
 両手が乳房に重ねられる。
「でも、こっちの方が大きいか」
「あっ! はぁぅ……」
 下から持ち上げられ、揉まれてしまう。
 大きな胸なんて要らないと思っていたけれど──笹野先生が言っていたように、きっと
私の乳房はもっと大きくなるのだろう。
 恭也が満足してくれるなら、もっともっと大きくなってもいい──そう思ってしまう
自分が、なんだかおかしい。
「ほんとに、おっきいおっぱい」
「うぅ……あぅ」
 彼の指が、ブラウスのボタンにかかる。
 私は両手に一本ずつマイクを握ったまま、どうもできずにいた。
 襟元から、ひとつ、ふたつ──よっつのボタンが外された。
「んっ」
 開いた隙間から、手が差し入れられる。
 彼の指が、私の汗ばんだ肌に触れる。
「汗、すごいな」
「暑かった、から……」
「身体も、熱いんでしょ?」
「うん……」
 それは恭也だって──
 腰に押し付けられた硬さから伝わってくる。
 おもむろに、彼の手がブラウスを広げてしまう。
 ブラに覆われた大きな膨らみが露になった。お腹も肩も隠れているというのに、乳房の
周りだけが晒されている。
 ブラの上から彼の手に撫で回され、緩い刺激が浸透してゆく。
 慈しむような指先に、私の身体はじわじわと侵される。
 オレンジがかったルームライトは、柔らかく二人を照らし出している。
 ふと思う──こんな事をしても平気なのだろうか。防犯カメラがあるのではないかと。
 不安がよぎり、緊張してしまう。
 こんな恥ずかしい姿を、店員に見られてしまったら──

438 名前:夕菜 mailto:sage [2006/12/10(日) 23:32:57 ID:ViNpNrKk]
「大丈夫」
 私の不安を察したのか、恭也が囁く。
「ここ、カメラとか無いらしいよ」
 そうなのか──
 でも、どうしてそんな事を知っているのだろう。
「先輩が言ってた。先輩の先輩が、したけど平気だった、ってさ」
 した──というのは、つまり──
「このブラ、新しい奴?」
「う、うん……」
 ブラの縁に沿って指が這う。
「エッチなブラだなぁ」
「あぅ」
 恭也の指が、ブラに覆われていない、柔らかな傾斜を撫でてゆく。
「おっぱい、はみ出してる」
「うん……」
 膨らみの下半分を斜めに──双丘の内側は低く谷間が強調されていて、外側を高く覆って
いる、大人びたデザインのブラ。少しずらしてしまえば、淡い鳶色の突起が容易に窺える。
 汗ばんだ谷間をくすぐられ、身じろぎする──と、指がブラの内側に侵入してくる。
「あぅ、あっ──」
 じかに触れられて、ぴくぴくなってしまう。
 そんな私の反応を愉しむように、彼の指が乳房を責める。
 撫でたり、抓んだり、押し込んだり──
「夕菜のおっぱい、おっきくて、柔らかくて、ぷりぷりしてて……俺、もう手放せないな」
「うぅ……んっ」
「お持ち帰りして、ずっといじってたいぐらいだ」
「あ、んっ……あっ」
 突起の周りをなぞられる。
 指に撫でられ、ブラの裏地に擦れ、二つの刺激に身体の震えが止まらない。
 腰に当たる彼自身は、ますます硬く大きく反り返っているようにも感じられる。
 あの日、学生ズボンの上から触れたそこ──それ以降も、幾度か同様に触れてはいた。
 彼の部屋にも行ったし、私の部屋に招いた事もあった。
 でも──
 私の身体は隅々まで彼に晒されてしまったが──学校でも、家でも──脱がされ、責め
られはしたのだが──
 私はまだ、彼の全てを知らなかった。
 彼のそれを見た事も無いし、じかに触れたことも無かった。
 私たちはまだ、一度も交わっていない──まだ早いと思う気持ちもあるし、破瓜の恐怖も
ある。妊娠という不安もあった。
 けれど、見るだけなら、触れるだけなら──
 そうは思いもしたのだが、私からは言い出せない。そんな事を言うのは──女の私から
言うのは、恭也相手でも恥ずかしかった。
 彼も言わなかった。見て欲しい、触って欲しい──彼からそう言って欲しいのに、彼は
いつも言ってくれない。
 私とはそこまでする気は無いのだろうかと、私を責めるだけで彼は満足なのだろうかと、
彼の態度に、不安と寂しさを覚えてしまう事もあった。
 でも、彼もしたがっている──それはよく解かる。
 あの日、彼は触って欲しいと言った。
 反射的に握ってしまった時も、そのままで、と言った。
 恭也は、私を拒絶なんてしていない。ならば、私は──
「……って、いい?」
「ん?」
 恥ずかしい──やっぱり、自分から口にするのは恥ずかしい。でも──
「恭也の、お、おちん……」
「俺の……何?」
 顔から火が出そうだ。こんな台詞、口にした事など──当たり前だが、初めてだった。
「恭也の、おちんちん……触って、いい?」
 背後の恭也が、ぴくりと震えたような気がした。
「夕菜はほんとにエッチだなぁ」
「ううぅ……」
 恥ずかしくて、でも、それが私を昂ぶらせて──

439 名前:夕菜 mailto:sage [2006/12/10(日) 23:34:06 ID:ViNpNrKk]
「俺も──」
 恭也の手が胸から離れ、私の肩に添えられた。
「触って欲しい」
 くるりとその場で半回転──
 正面から向き合い──私は俯いてしまう。
 眼を見ていられなかった。
──すごく、エッチな眼……。
 私がそんな台詞を言ったから──
「やっと、言ってくれた」
「あ、あぅ……」
──やっぱり、そうだったんだ……。
 彼は私が言うまで待っていたのだ。私が自分から、彼を求めるのを待っていた。
 いや──私に言わせるよう、いやらしい言葉を自分で言うように仕向けていたのだ。
 私は、まんまと彼の罠に嵌まったのだ。
 上目遣いに睨む。
 恭也は、意地悪で、嬉しそうな、優しい眼をして私を見下ろしていた。
「恭也の馬鹿……」
 悔しい──けど、満たされるような恍惚──
「こっち来て」
 手を引かれ、部屋の中央に置かれたテーブルを回り込む。
 よっ、とそれを少し押しやってスペースを作った恭也は、私をそこに立たせると、自分は
ソファに腰掛けた。
「夕菜の好きなようにしてみて」
「えっ」
「夕菜がしたいように、ね」
──そんな……。
 したいようにする──そんなのは、恥ずかしすぎる。
 だって、私は──彼のそれを、じかに見て、じかに触って、そして──
「おっぱいって、見上げるのも良いもんだなぁ」
「あっ──」
 腰掛けた彼の眼の高さより少し上に、ボタンを外され、はだけた私の胸がある。
 見上げられるのは初めてだ。何度見られても、恥ずかしいのは変わらない。
「ブラ、ずらしてみて」
「え……」
「ずらして、さきっぽ見せて」
「……うん」
 言われるままに──
 ブラの縁に指を掛け、斜めにカットされたカップをゆっくりと下げ広げる。
 彼はその様を凝視している。瞳がオレンジ色のライトを反射して、期待に胸を躍らせる
少年のようにも見えた。
 事実、恭也はまだ、私と同じ十三歳の少年だ。この歳にして、すでに風格のようなもの
すら漂わせている彼だが、中学一年生の子供なのだ。
 好きな女の子──と自分で言うのは照れ臭い──が、眼と鼻の先で乳房を露にしようと
しているのだから、そんな眼にもなるだろう。
 彼も、私の胸を、何度見ても飽きないと──そう思ってくれているのだろう。
 それは嬉しい事だった。
 まだ付き合い始めて二週間と少し。もう飽きたなんて言われたら、ショックで寝込んで
しまう──寝込むだけでは済まない。
「乳首、見えた」
「……うん、見えちゃった」
 二つの膨らみの上に、ちょこんと乗っている敏感な蕾。
 彼の指に刺激され、その以前から──朝からずっと私を苛んでいた衝動で、きゅうっと
尖っていた。
 カップを乳房の下に追い遣ってしまう──ただでさえ大きな膨らみが、より強調されて、
恭也の口元を緩ませる。
「ほんとに、おっきいなぁ」
 自分でも思う。本当に、大きすぎる乳房だと──
 学校でも、街を歩いていても、相変わらず周囲から向けられる視線は不快に思う。
 でも、以前と違い、乳房そのものを嫌悪する事は無い。注目を浴びるのはやはり苦手だが、
彼が好きだと言ってくれるから──自分でも、好きになれる。



440 名前:夕菜 mailto:sage [2006/12/10(日) 23:35:04 ID:ViNpNrKk]
「んっ……あっ」
 自分で乳房を揉む私を、恭也がじっと見ている。
 四本の指を膨らみに沈ませて、浮き出た突起を残りの一本で弾き転がす。
「はっ、ん……はぁ」
 こんなところで自慰をしている私は、なんていやらしいのだろう。
 自らの刺激に、彼の視線に、昂ぶってゆく。
「すごくエッチだ」
「うん、んぅ……」
「夕菜はエッチな子だもんな」
「うん……私、エッチ……」
 恥ずかしいのに気持ちよくて、いやらしいのに止められなくて──
 でも──彼にも感じて欲しい。彼にも刺激を与えたい。
 私はその場に膝を突く。
 膝まで覆う黒いオーバーニーソックス。せっかく彼に選んでもらったのに、汚れてしまう
だろうか──
 足元、解けた彼の靴紐が眼に入った。そうだった。あとで結んであげよう──
 軽く開かれた彼の膝の間に身を落とし、彼の──それへと手を伸ばす。
 ごわごわとしたジーンズが盛り上がっている。
 彼も興奮している。私に恥ずかしい事をさせて、いやらしい私を見て──
 両手でベルトを外す。幅広の黒い革のベルト。
 震える指が、おぼつかない。
 彼の顔なんて、恥ずかしくて見られない。
 ここに、こんなに顔を近づけたのは初めてだ──そう思うと、私はいっそう興奮する。
「ん……」
 掌が盛り上がりに触れてしまい、彼が小さく吐息を漏らした。
「恭也……気持ちいい?」
 顔を上げずに訊く。
「ああ、気持ちいいよ」
 彼が感じてくれる──もっと、感じさせたい。感じて欲しい。
 ベルトをぎこちなく外し、ジーンズの袷を抓んでホックを外す。
「はっ、ぅ」
 乳首がソファに擦れて、ぴくんとなってしまう。
──気持ちいい……。
 私も気持ちよくなりたい。
 わざと、擦りつけてしまう。
「はぁ、ん……はぁっ」
「なにしてるの?」
「あぅ──」
 気づかれてしまう。当然だ──
「ほんと、エッチだなぁ」
 頭を撫でられる。
 髪を伝って、恭也の掌の温かさが感じられた。
 心地好さにうっとりしながら、彼を求めてジッパーに指を掛ける。
「んっ──」
 盛り上がったそこに掌を沿えると、彼が再び吐息を漏らす。
 そのまま、ゆっくりと、降ろしてしまう。
 自然と開かれたジーンズから、彼の下着──トランクスが、ぬっと突き出した。
 ダークグリーンの地に、デフォルメされた動物たちの絵が散りばめられていて、そんな
可愛らしい下着なのに、中央は突き上げられたようにそそり立っていて、そのギャップに、
私はどぎまきしてしまう。
 よく見れば、突端にじわりと染みができている。
「なんか、恥ずかしいな」
 照れた彼の声。
「夕菜と同じだ。俺も濡れてた」
「……うん」
 恭也の興奮が染みた下着──
 彼も私と同じ──興奮し、蜜を溢れさせていた。
 右手の中指と、人差し指で触れた。
「んっ──」
 ぴくんとなった彼を、ちょっと可愛いと思った。

441 名前:夕菜 mailto:sage [2006/12/10(日) 23:36:22 ID:ViNpNrKk]
 あの日──以外の日も、恭也は私を虐めながら、こんな風に溢れさせていたのだろう。
 あの時、私は達してしまい、彼に抱かれたまま五時間目の終了のチャイムを聴いた。
 それまでの間、放心した私の濡れたところを、汗に塗れた全身を、埃に汚れたお尻も、
全部綺麗にしてくれた。
 彼も刺激されたかったのだろうに、熱い滾りをほとばしらせたかっただろうに──彼は
私を労わってくれた。
 教室へ戻る途中、彼はトイレに立ち寄った。廊下で待っていた私のところへすぐに戻り、
拭いてきた、と苦笑いしていた。
 彼の部屋に行った時も、私の部屋でした時も、彼は私を悦ばせる事を優先していた。
 私の快楽を最優先にするのは、彼がサディストだからなのだろうか。私が感じる姿を見て
愉しむのが好きで──
 どうなのだろう。よく解からない──サドはマゾを好きに弄ぶのではないかとも思うが、
SMは愛と欲望が入り混じった複雑な愛情表現なのだという記事を、どこかのサイトで読んだ
記憶もある。
 とにかく──私はまだ、一度も彼に満足してもらった事が無い。
 彼を満足させたい。満足して欲しい。
 私にできる事なら、なんでもするから──
「夕菜」
 恭也の指が、頬を撫でる。
「してくれる?」
「……うん」
 下着の上からそっと触れる。
 ぴくんと、彼が震えた。
 なんとも言えない匂いが漂ってくる。私の本能を刺激する薫りだった。これがフェロモン
という奴なのだろうか。
 指先で、硬く衝き勃った竿を撫でる。
 しかし、ここまで来て、私にはどうすれば良いのかよく解からない──
「握って」
「う、うん」
 彼に言われて、手に握る。
 硬くて、太くて、大きくて──ぴくぴくと脈打っている。
 温かい。これが彼の──
 それなりの知識はあるつもりだった。
 男の子はこんな風にすると喜ぶ──そういった記事の載った女性向けアダルトサイトを
見た事だってあるし、雑誌や漫画にも性表現は溢れかえっている。
 だから、知らないわけではないのだが──
 染みが、広がっている。
 汚れてしまう──脱がすのが良いのだろうか。それとも──男性用の下着には窓がある
はずだから、そこから──
 躊躇いながら、下着の窓を探る。手前が大きく割れていて、ボタンがひとつついている。
 ここから──
 ボタンを外し、左右に開く──
「あっ!」
 それが、ぴょこんと飛び出してきた。
 これが、恭也の──恭也の、男性器──
 思っていたより、グロテスクさは感じられなかった。
 ぴくぴくと脈打つ、反り返った肉茎──先が茸の傘のように膨らんでいて、ピンク色で
少し可愛らしい。ハートマークを逆さにしたようにも見える。ハートの中央から先端に
かけては二つに割れていて、裂け目からは、とろりとした露が溢れていた。
 茎に絡みつくように血管が浮いていて、これが彼の身体の一部なのだと感じられる。
「そんなじろじろ見るなよ」
「あっ、うん……ごめん」
 照れ臭そうな恭也の声に、慌てて目を逸らす。
 けど、すぐに戻してしまう。
「やらしいなぁ、夕菜は……」
「うぅ……」
 恥ずかしい。けど──嬉しい。
──恭也の、おちんちん……こんな風になってたんだぁ……。
 無性に愛しくて──
 私は衝動的に、口づけてしまった。

442 名前:夕菜 mailto:sage [2006/12/10(日) 23:37:27 ID:ViNpNrKk]
「んぅっ! 夕菜……」
「あっ──」
 恭也の声に我に返って、唇を離す。
 いきなり、私はなんて事をしてしまったのだろう──
 顔が沸騰する。
「夕菜、もっとしてよ」
「えっ……」
「キス、もっと、してほしい」
「……うん」
 唇を寄せる。
 透明な蜜の溢れた先端に、キスをする。
「んっ……」
 咽かえりそうなほどの、彼の匂い──
 恭也の先端と、私の唇が触れ合っている。
 男の子の、恭也のこんなところに、私はキスをしている。
 彼がぴくぴくと震えている。
 気持ち良いのだろうか。彼も感じてくれているのだろうか──
 上目遣いに見上げると、彼は優しく微笑みながら、頭を撫でてくれた。
──気持ちよさそう……嬉しい。
 もっと感じてもらいたい──
 口を開いて、舌を伸ばした。
 とろりとした蜜の膜を簡単に破り、彼自身に触れる。
「ん、くっ……夕菜」
「恭也……気持ちいい?」
「うん、すごい……気持ちいいよ」
「嬉しい……」
 そこに舌を這わせる。
「んんっ」
 彼の身体がびくんとなって、吐息が漏れる。
 彼が私の舌で、感じてくれている──もっと感じてもらおうと、私はそれに手を伸ばす。
 私の小さな手では、包みきれない長さの彼──
──これって、フェラチオ……だよね。
 いきなりこんな事を、こんな場所でする私は、やっぱりエッチな子なのだ。
 でも、彼が喜んでくれるから──
 硬くて温かい竿を握り、先端を舌先でちろちろと舐める。
「んっ、ん……夕菜、もっと……」
「ん……」
 彼の腿に、乳房が触れる。
 乳首が擦れて、私も感じてしまう。
 いや──彼の先を責めているだけでも、私は感じてしまっていた。
 彼の昂ぶりを示す、塩気を帯びたぬめりが、私の舌に絡みつく。
 敏感な舌先から、彼の熱と興奮が私の中へと入り込み、私自身を昂ぶらせてゆく。
 きっと、フェラチオというのは、相手を責めながら、自らを責める行為なのだ──私は
彼を刺激するだけでなく、自慰をしているのだ。
 なんていやらしい行為なのだろう。
「ん、んぅっ……夕菜、もっと……」
 もっと、気持ちよくなって欲しい──
 唇をさらに開き──彼を、含んでしまう。
「あぁっ……すごい、夕菜」
 彼がびくびくと震えている。
 それが嬉しくて、私は深々と銜え込んでしまう。
 口の中に、彼の匂いが充満する。
 彼のぬめりはしょっぱくて、ほんの少し、苦味が混じっていた。
 舌で傘の周りを撫でつけ──
「んっ、くぅ!」
 びくんと大きく震える恭也。
 恥ずかしそうな、でも、気持ちよさそうな笑み──
「夕菜……フェラ、すごい気持ちいいよ」
 私の頭を撫でるのは、照れ隠しなのかもしれない。
 銜えたままでは喋れない──私は眼を細めて頷いた。

443 名前:夕菜 mailto:sage [2006/12/10(日) 23:38:32 ID:ViNpNrKk]
「はぁっ、うっ……」
 再び、傘の周りを舌で一周する。
 恭也がうめき、びくんとなる。こうすると、彼は感じてくれる──
「それ……いいよっ」
 同様に、何度も何度も繰り返す。
 私の口の中で、彼の分身がひくひくと脈打っている。
 くちゅくちゅといやらしい音が、頭の中に響いている。彼の露と私の唾液が混じりあい、
淫らな水音を立てている。
 奥深くまで銜えると、喉に当たってえづきそうになる。
 けほけほと、咽てしまう。
 それは、無理矢理彼に蹂躙されているようで──
 私の口が──第二の性器が、恭也の性器に、犯されているようで──
「ふぁっ! あッ……はぁっ」
 左手で、自分のそこを、いじってしまう──
 私の秘処は、たっぷりと濡れていた。
「夕菜……何、してるの?」
「んっ、ふぁ……んッ」
 彼のものをしゃぶりながら──私は、自分の股を慰める。
 口を犯され、下を自ら掻き乱し、乳房を彼に押し付けて──
「やらしい、な……んっ」
──恭也だって、やらしいもん……。
「んッ、んぅ……」
 そこを握った右手を、動かしてやる──彼は身体を震わせる。
 舌で舐めながら、手で上下にしごく。
「あぁッ、あっ……すごいって」
 嬉しい──いっぱい感じてくれている。
 彼は私の舌と手に、素直に快楽を表してくれている。
 今までは私ばかりが受けていた。でもこれからは、私も彼を感じさせよう。
 受け取るばかりでは意味が無い。彼にも受け取って欲しいのだ。
 私が与える刺激に、身体を震わせて声を上げて欲しい。
 男の子は、女の子のように激しく喘いだりしないのかもしれないが──
「俺……んッ、そろそろ……」
 恭也は腰を突き出すようにして、びくびくと震えている。
「夕菜、やばい……んっ」
「んぅ……」
──イっちゃいそう……なの?
 眼だけで問い掛ける。
「俺、もう……出そうッ」
──精液……出ちゃう?
 恭也の限界が近い──それが私を昂ぶらせる。
 彼を責めながら、自らをも刺激する。
 恭也の精液──このまま続けていれば、私の口に──
 私はさらに激しく責め立てた。
 彼のそれを、受け止めたくて──
 上の口から、下の口からも、水音を淫らに響かせる。
 ぷりっとした滑らかな頭を舌で舐め回す。
 握った手で、熱くて硬い竿をしごいてゆく。
 自身の秘処から離した手を、さらに重ねる。
「夕菜……夕菜っ、出してもいい?」
 拒否する理由など何ひとつ無い──
 こくんと頷く。
「出るっ、んッ! くぅ──ッ!」
 恭也の身体がびくびくっと震え──
 びゅっ、びゅっ、と──
 スポイトで口の中にぬるま湯を浴びせられたような──
 咽てしまい、吐き出しそうになって、慌てて両手で彼のものごと口を覆う。
 つんとした臭いが鼻を衝く。
 なんとも言い難い──薬のような、どろりとした生温かい液体だった。
 ひくひくと脈打つ彼のそれ──
 恍惚の笑みを浮かべた恭也に、私も笑みを返した。

444 名前:夕菜 mailto:sage [2006/12/10(日) 23:39:56 ID:ViNpNrKk]
 私は、口に残ったそれを、嚥下してしまった。喉に絡み付いて吐きそうになったが、
ミルクティで流し込んだ。
 恭也は苦笑した。そうすれば喜ぶと思ったのだが──変なビデオの見すぎ、と笑われて
しまった。自分でも、そうなのだろうと思った。
 それから、ソファに寝かされて、彼の愛撫に身を委ね、私も達してしまった。
 食事を頼むのを忘れて淫らな行為に没頭し、疲れ果てた私は、少し眠ってしまった。
 彼は、眠った私をずっと抱いていてくれたらしい。
 結局、私は一曲も歌わなかった。彼も最後に一曲歌っただけだった。
 彼が歌い終わってから、私はショーツを穿いた。鞄に一枚入れておいたのだ。
 毎日ずっとノーパンにしよう、なんて言うから、頭を叩いてやった。
 靴紐を結んであげていると、フェラさせながら結んでもらうのも良いかも、なんて言った
から、紐を両方解いてやった。
 冗談冗談、と笑っていたが、きっと半分以上は本気だったはずだ。
 本当に監視カメラは無かったのか──カウンターで支払いをするのが恥ずかしかった。
 カラオケ店を出て、ハンバーガーショップで遅い昼食を摂った。
 彼が鼻の頭にテリヤキソースをつけていて、子供っぽくて笑ってしまった。
 しかし、私も頬にタルタルソースがついていたらしい。二人してくすくす笑い合った。
 その後、彼は古着屋で黒いジーンズを一本買った。けっこうな値段だった。
 私のスカートも買ってくれたのに、お小遣いは大丈夫なのかと訊いたら、時々親戚の店を
手伝ってバイト代をもらっているのだと言っていた。
 そんな事をしているなんて、やはり彼はすごいと思った。
 日も傾き、空が茜色に染まる頃、私たちは帰途に就いた。
 帰りの電車も混雑していて、私はずっと彼にくっついていた。
 彼はそっと私を抱いていてくれた。
 私鉄にも一緒に乗ったが、私は恭也よりひとつ前の駅で降りた。
 降りる直前、いきなりキスなんかするから、眼が眩んで車両とホームの隙間に落ちそうに
なってしまった。
 私は耳まで真っ赤な顔をして、ホームから、彼を乗せた列車を見送った。
 見えなくなるまで見送った。
 駅を出たところで、深雪と舞香に、ばったり出くわした。
 真っ先に浮かんだのは、ショーツを穿いていて良かったという安堵だった。
 舞香は眼を丸くして、デートデートっ? 羽山君と!? と私の手を掴んで振り回した。
 その服可愛い、ちょー似合うー! などと大声ではしゃがれて恥ずかしかった。
 しばらく三人で立ち話をした。
 最近、明るくなったね、と言われた。自覚はあまり無いが──以前より、人と話すのが
好きになったようには思う。
 別れ際、深雪が厳しい顔で言った。
 恭ちゃんの事、あたし諦めてないからね、と──
 宣戦布告だった。
 言葉を探していると、舞香が、あたしも恭ちゃんラブー! と言って深雪に叩かれた。
 なんだか、安らぐ──そう思って、自然に笑みが零れた。
 二人と別れ、家に着く頃、恭也からメールが来た。
『今日は楽しかったよ またデートしような もちろんノーパンで!』
 まったく──呆れながら、私はすぐに返信した。
『私も楽しかった 今度は恭也がノーパンね』
 玄関の鍵を開け、ブーツを脱いだところに返事が来た。
『オッケー了解! って、マジで!?』
 彼が下着を着けずにスカートを穿いているところを想像して、おかしかった。
『マジだよー』
 それからしばらく、メールのやり取りをしながら、夕食を作って独りで食べた。
 両親の帰りは夜遅い。
 あまり親の事は好きではないが、それでも少し寂しい。
 でも、私には恭也がいる。
 とんでもない彼氏だと思うけど──
 私は恭也が好きだ。
 深雪には悪いが、彼女に譲る気はさらさら無い。
 これからどれぐらい彼との関係が続くか解からないけれど──
──ずっと、一緒にいられたら良いな……。

                      夕菜 ── a girl meets a boy ── fin.

445 名前:夕菜の中の人 mailto:sage [2006/12/10(日) 23:42:01 ID:ViNpNrKk]
エピローグ長っ! て感じですがw
これでホントに終わりです。

お付き合いくださいましてありがとうございました。

446 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2006/12/10(日) 23:50:25 ID:TqHd5EDH]
おおお、GJ!
お疲れ様でしたー

447 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2006/12/10(日) 23:53:11 ID:pHLpIk2F]
おつでした!
後からゆっくり読みますね♪

448 名前:名無しさん@ピンキー [2006/12/11(月) 02:32:44 ID:6Jk8WW/6]
GJ

これで終わりってなんか切ないな

449 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2006/12/11(月) 12:23:33 ID:m0w2QDrp]
書きたくなったら書いてくれればいいです

今は次のネタを期待して待ってます



450 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2006/12/11(月) 14:05:28 ID:Hs1/CjBz]
乙乙乙乙乙乙乙乙

451 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2006/12/11(月) 22:10:55 ID:akT3PvB8]
GJ!!   有り難うございました

なんか若干文体が変わったような気がしましたが、意識してそうしたのでしょうか?

452 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2006/12/13(水) 20:59:11 ID:2lMkOXX6]
しばらく見ないうちに随分と打ち解けてるな、この二人。
夕菜をとりまく人間関係の変化を見てて
こっちまで性格改善されそうな錯覚を覚えるよ。

それでいて最後までスレ違いにならない辺りがもう神としか・・

453 名前:夕菜の中の人 mailto:sage [2006/12/14(木) 21:29:00 ID:cjOexltU]
みなさまありがとうございます。
最後まで書き上げられたのは、いつもコメント頂けたからです。
心より感謝しています。

最初はほんとに思いつきだけで書いたので、こんなに長くなるなんて
考えてもいませんでした。
ある程度書いてから、これどうやって終わらせたらいいんだ? と首を
捻りつつ、思いつきに任せてあれやこれやと話を進めているうちに、
だんだん見えてきて、こういう結末になりました。

夕菜は好きです。ロリ巨乳、蝶サイコーです。おかげで、ノーパンが主体
なのかノーブラが主体なのかかなりあやふやになってしまったのは反省。
おっぱい大好き。

恭也は最初、掴み所の無いキャラ、というイメージで作ったものだから、
自分でも把握できずに困りました。最終的に、エロオヤジだというラインで
落ち着いたのですが、>>426で見抜かれましたね。

竜介は自分の不の部分だけを集めて凝縮して増殖させたようなキャラ。
あれぐらいでころっと変われるもんか、はなはだ疑問ではありますがw
しかし、BADENDとはいえ、夕菜とセクロスしたのはこいつだけ。恭也哀れ?

>>451
エピローグですが、重い事を書いてないから、文体が軽くなっているのでは
ないかなと思います、たぶんw

>>452
ノーパン絡めて最後まで持ってくのなんて無理だーと思ってましたが、
なんとかノーパンで〆る事ができたので良かったかな?w
性格改善ですかー。そう言われると嬉しいです。

またそのうち、何か投下しようかなと思っております。
ではノシ

454 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2006/12/14(木) 21:33:46 ID:KkHDOhqP]
夕菜の中の人さんに
うっかりパンツを履き忘れて登校してしまった少女の羞恥を表現して欲しい

455 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2006/12/14(木) 21:39:45 ID:a8dg7R9T]
学校に置いてあるブルマを穿いてノーパンブルマで体育の授業
その後の着替えでなぜかブルマを脱ぐことになるというご都合もつけて・・・

   ∧∧ // / // // ノヽ// /// / /´ ',   l ∧∧
  < 変 >,、 1。  / ̄`メ、./'ヽ /´ /ノ/ ,-‐‐、',   l< 変 >
  <    > |  |  く  ( 。)  u   ノ'  /-、  l〉V  l< 態 >
  < 態 > il .l1. lヽ ヘ` ===ニ       u 、⊥゚⊥ノ / /<  !! >
  < !!!  >',  ヽ. Vミキ', \\\\\\〉\\\  人ノ /VVV
∧∧VVVヽl ,',   Yミ彡',.  u   _______´___. u   /. l  ノ ノト、
変  >( t、 l ',   !   lヽ  ./,-------ヽ    u l ∧∧ \
   > ヽ  l  ',  ヽ、 l. ヽ H´ ________  }   ij. / < 変 >ミ
態  >iwi v`-l ,|ヽ   r、! uヽ,'/    ' ,d    /い< 態 >、
!!! . >iノ H  l i 1   ',ヘ、  `,\ 、______ノノ u/',l lハ<  !! >ヽ
VVV  .ノノ  l ! .l   ',. `メ、', ` ̄ ̄.  /ヽ  ',   VVVヽ ヽ

456 名前:名無しさん@ピンキー [2006/12/14(木) 22:15:00 ID:29J+VTcW]
このスレは変態の巣窟

457 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2006/12/15(金) 00:59:26 ID:0V5g3wBD]
この板は だろ

458 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2006/12/16(土) 00:16:20 ID:7tuI4U3x]
>>454-455これにプラスして、自転車登校という設定かつ真面目な委員長という役柄を・・・

漏れも変態ですがなにか?

459 名前:夕菜の中の人 mailto:sage [2006/12/16(土) 01:00:31 ID:0xIueve0]
自転車登校なのに、うっかりパンツ穿き忘れて登校して
恥ずかしい思いをしてしまい、仕方なくブルマを穿いて
ノーパンブルマで体育をしたあと、着替えで間違えて
ブルマ脱いじゃう真面目な委員長……。
そんなドジっ子に委員長が務まるのだろうかw



460 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2006/12/16(土) 02:23:21 ID:8uMR/Pwh]
大事なのは 正しい心だから 無問題です

皆に愛される委員長

461 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2006/12/16(土) 03:33:50 ID:oJaEKGyX]
アグレッシブな愛され方しか思い浮かばんw

462 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2006/12/16(土) 04:29:02 ID:9PSCxboa]
無茶な設定だが楽しそうww

登校時は、遅刻しそうなので急いでいて「のーぱん立ちこぎ」ということで乗り切れるか

日頃しっかりとしていて、すべてを予定通りに勧める優等生的な委員長が
予想外の出来事にパニックになって
ノーパンがばれないように
過剰なまでに普段と同じ行動を継続しようとしてしまう
そのためにブルマを脱いでしまうという方向で話をすすめる?

血液型A型
高校2年生
テニス部もしくはバスケ部
ということでおながいします

期待してますw

っていうかこんな要望をだしてもいいんですか?


463 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2006/12/16(土) 04:50:54 ID:xkdRFq08]
普段は優等生
だが裏を返すとドジっ子が眠っている

自分は優等生なつもり
しかし友達は委員長がドジっ子でもあることを知っている

奥手でエッチなことに興味を持ちだしたばかり
そのため羞恥心が強い

464 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2006/12/16(土) 16:43:09 ID:sMDkYvoE]
ブルマは、体育で汗かきすぎたとか
転んで水溜まりに…とかイロイロ考えられるんジャマイカ?

465 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2006/12/16(土) 18:59:12 ID:yq/wdTfp]
汚れたブルマを脱ぎ脱ぎ
あぁ・・・、これでまたノーパンになるのね

中の人さんがんばれー

466 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2006/12/17(日) 14:41:03 ID:AQFip6fQ]
ノーパン+アンスコ=陰毛透け透け
そうならないために自ら剃毛という展開をーーー

オレって変態だwww

467 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2006/12/18(月) 01:13:42 ID:aclKZf/U]
wktk

468 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2006/12/18(月) 23:23:35 ID:zyYLMY3K]
ノーパン
全裸に制服(どうせならノーブラも?)
自転車
登校
授業中=ノーパンでイスに座る(直接股間触れて恥じる描写)
体育前=ノーパン
体育中=ノーパンブルマ
ブルマを汚してしまう
体育後=ノーパン
放課後=部活動 剃毛→ノーパンアンスコ
部活後=ノーパン
自転車のサドル

469 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2006/12/20(水) 01:09:08 ID:9CDtA0a9]
生徒会長にしようぜ



470 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2006/12/21(木) 18:10:01 ID:OahLy+5P]
>>468
どうして下着を着け忘れるのかが最大の難関のような気がするwww

471 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2006/12/21(木) 18:17:54 ID:SvGF+cHZ]
>>470
人間、ぼんやりしていると、
時に途方もない間違いに気付かないことも
往々にしてあるものであります。

小学生の頃、上履きを下履きに履き替えずに下校したことがある私が言うのだから間違いないです。
気付いた瞬間、世界が絶望に覆われる・・・そんな気分でした。

まして、それがパンツであったならば、いかほどの衝撃と羞恥でありましょうや。

472 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2006/12/21(木) 22:15:42 ID:QCsuwNm3]
>>470
じゃあ、こうしようぜ
身体測定がある日だから
キレイでかわいいパンツに履き替える途中に
お母さんに「ちょっときて〜○○!」とよばれて慌ててそっちにいく
そこで衝撃的出来事(お父さんがお母さんのパンツをかぶって踊っていた等)があり
パンツを穿いていない状態であることを忘れる

473 名前:ネタ振りです mailto:sage [2006/12/22(金) 01:20:27 ID:4LRpOWsZ]
高校二年生ですか?
私なら

仮に、佐祐理さんとか、亜佑さんとか。
と有る田舎町
曽祖父がいとこ同士である、男の子が昨年の冬から同居、同級生。
仮に、潤?瑞穂?それとも、雄一?
コレは7年前までは、その男の子は両親と一緒に隣の家にいたが、引越して行った。
2家族とも分家では有るが、一応、長子の家系。
そして、親は海外に行くことに、男の子は、この家に居候となる。

陸上部所属、母娘で暮らす、父は出稼ぎ、
この男の子はいじめっ子、女の子はいじめられっこ。
だけど、女の子はこの男の子が、嫌いになれない。
って言うか、麻痺状態?洗脳状態?

季節は、まだ少し肌寒い5月に行われる身体検査
とりあえず新しい下着、パンツ、ブラジャー、その上にスリーマーかキャミソール、
そして
赤い太腿丈で前ボタンのサークルフレア(スソがふわふわで、大きく広がっている)ワンピース、赤いボレロ、胸にリボン、膝下丈ソックス。
学校についてから、身体測定で、胸部レントゲン検査のためブラを外し、スリーマーかキャミソールを着る
そして体操着(半そでシャツとハーフパンツ)

ホットパンツやハーフパンツは、エロ妄想世界の小女は
ブルマみたいに腿でしぼってなく、腿の部分が開いているから、覗かれて中を見られるし
上まで上げられて食い込ませられ(ドコに?)、感じてしまう。

さてと身体検査で一応滞りなく・・・・
しかし体育の授業と違い、待ち時間は教室にいる
そこで、イジメに合う
そのブラを隠され、腕を頭の上で縛られた状態で、体育着の上着を頭の上で縛られる、
どういったら良いかな。腕や手と頭を体育着でくるむ様な格好。
そして、パンツごとハーフパンツを食い込ませられ、脚をもてあそばれたり、アンマを掛けられたりで・・・・

で身体検査などが終わり、制服に着替えるのだが
スリーマかキャミソールに例のワンピ、ボレロ、リボン。
パンツ、ハーフパンツは染み付きで、ソレを囃し立てられるのが、すごくいやで、気持ち悪く、例の男の子の説得で脱いでしまう。

で、後は、陸上で着るランニングシャツとブルーマー。


制服の構造上
(と言うかボタン位地が意地悪で、首と胸の間、から、おヘソの少し下までに、5ヶ所)
股の少し上からスソまでは止める物がなく、
結果的には、下手に座ると股部分がさらけ出されてしまう。
その上、スカート部分の布を敷きこみ忘れると、パンツ(お尻)が直に椅子に乗る。

474 名前: mailto:sage [2006/12/22(金) 01:52:55 ID:TQXXEQ1h]
意味分からないんだが

475 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2006/12/22(金) 02:23:29 ID:FcV9F0q6]
僕の考えた設定ですは痛いので
作品まで昇華してから書きましょう

476 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2006/12/22(金) 02:57:24 ID:WCljS4mR]
Kanon
イジメパターン

477 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2006/12/22(金) 08:56:41 ID:cmsjstfP]
今の時期にイジメ的ノーパンはあまり読みたい気がしない
テレビが悪いのか

478 名前:名無しさん@ピンキー [2006/12/23(土) 07:51:25 ID:MJF5HYjN]
ノーパン

制服
紺のハイソックス
ピンクのブラジャー
純白のパンティ

のーぱん

479 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2006/12/26(火) 16:36:54 ID:1XvxZUIs]
ハヤテのごとく!のヒナギクのようなキャラがノーパンになっちゃう話が読みたい読みたい読みたい



480 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2006/12/27(水) 12:52:57 ID:4VEycBTt]
ハヤテスレで言えばいいんじゃないか?w

481 名前:名無しさん@ピンキー [2006/12/28(木) 03:19:31 ID:Tu++B9nN]
おまいさん達
BE TAKUTO って知ってますか?
女教師がノーパンになっちゃう

482 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2006/12/29(金) 17:36:02 ID:g0/asdur]
今月のMUJINでじゃみんぐがノーパン物を書いてたような。

483 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2006/12/30(土) 06:50:48 ID:dJQTnzKU]
>>479
そんな時は「秘儀白布返し」をヒナギクにお見舞いしろ!どんな娘か知らぬが。

エロマンガのノーパンはセックスシーンより序盤のノーパン話が萌える。

484 名前:名無しさん@ピンキー [2006/12/31(日) 15:47:43 ID:RiVVi6oU]
cfdream.kir.jp/saki01.htm


485 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2006/12/31(日) 15:56:38 ID:0SoGHeSA]
>>484
このサイトの管理人が実力試しに
このスレの空気を読んだ小説を書けば
人気がでるかもしれないなあ

と言ってみるテスト

486 名前:名無しさん@ピンキー [2006/12/31(日) 16:26:13 ID:adTmeaTH]
myuyan氏の聡美に酷似している
影響を受けているというレベルを超えている
こういうのをインスパイヤというんだ

487 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2006/12/31(日) 19:05:57 ID:a4P6UXvc]
設定だけで羞恥の描写がないですね
パンツを脱がされるときだけで1話まるまる使わないと設定がもったいない



488 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2006/12/31(日) 22:31:14 ID:wzRtzmsi]
設定を用意して、女の子の羞恥のセリフ、表情は各自想像してください
っていうのは読者の妄想力(舞台設定から)以上の評価は得られないんですよ

変態達の想像を超えるナイスな羞恥表現が感動を呼ぶんですよ

我々の妄想を超える展開見せられたときに
人は作者を羞恥神とよぶ
そして伝説へ

それが変態スレッドくおりてぃ

489 名前:名無しさん@ピンキー [2006/12/31(日) 22:44:36 ID:9DU3xLC7]
このスレの変態さんたちは、パンツは嫌いじゃないんですよね?




490 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2006/12/31(日) 23:54:57 ID:56WzKZDG]
パンツが好きです
でも、ノーパンがもーっと好きです

491 名前:はつもうで 1/6 mailto:sage [2007/01/01(月) 02:52:59 ID:AXUMBCoJ]
 今年も女二人の初詣──
 いいよね、彼氏とラブラブ初詣のできる子は……。
 でも、神様って嫉妬深いって言うじゃない? 彼氏と一緒に行ったりしたら、
嫉妬されて破局〜なんて事にはならないのかな。
 っと、それはともかく──
 由香はびしっと着物で決めてきた。
 あたしはふつーに、コートにミニスカだけど。
「えっへへー♪ 買ってもらっちゃったんだ〜」
「レンタルじゃないんだ? すごーい」
「今年は卒業でしょ? 成人式にも使うしね。それに着物って憧れてたしー」
 そんな風にはしゃいだ由香だったけど──
 でもさ。
 そりゃあね、着物はノーパンって言うけど、寒いのは解かってるんだから、
穿いてくればいいのに、って思うんだ。
 しかもね、どうしてあたしまでノーパンにさせられるわけ?
「だって、親友じゃーん」
「意味解かんないないよ、それ」
「ちょっと恥ずかしいの。梨奈ちゃんも一緒に恥ずかしくなろうよぉ」
「どーしたらそういう発想になるのか解かんないんだけど……」
「だって、親友でしょ?」
 はいはい、わかったわかった……。
「ちょっとそこのトイレ行ってくるから待ってて──」
「だーめっ、今すぐ〜♪」
「ええぇ!? 今すぐって、あのさ、確かにまだあんまり人いないし、日の出も
まだ先だし、ここ薄暗いし、うちらの事見てる人なんていないけど……」
「あたしずっとノーパンだったんだよぉ? 家からずっと。早く仲間が欲しいん
だよぉー」
 だから意味解かんないっての……。
「お・ね・が・い♪」
「そういう媚びた顔は男の前でしたら? 馬鹿な男、いっぱい釣れるよ?」
「こんな事、梨奈ちゃんにしか言えないもん」
 顔は可愛いし性格も良いのに、男と縁の無い由香は、口を尖らした。
「しょうがないなぁ……」
「やった♪」
 あんまりはしゃがないで。人に見られたら恥ずかしすぎるから……。

492 名前:はつもうで 2/6 mailto:sage [2007/01/01(月) 02:53:35 ID:AXUMBCoJ]
 あたしはこの小さな神社の境内に、まばらに立った街灯の下、ちょっとだけ
木陰を意識してスカートの中に手を入れた。
 由香がきらきらと眼を輝かせてこっちを見てる。
 いくら由香とはいえ、こんなところでショーツを脱ぐところを見られるのは
さすがに抵抗がある。
「あんまりこっち見ないでよ……」
「うぅ〜、梨奈ちゃんの意地悪ぅ」
 意地悪なのはどっちだ。
 溜め息をつきながら、あたしはショーツに指を掛け、するすると下ろした。
「わ、ピンク♪」
 口に出すなってば……。
「わぁ、すごいかわいい〜」
「口に出すなってば……」
 レースとフリルのついたショーツ。
 まぁ、ね。
 一年の最初の行事だし、一番のお気に入りを穿いてきたわけで。
「わぁ……なんか、あたしまでどきどきしてきたぁ」
 あたしがどきどきしてるって言いたいのか。
 ええ、してますよ。してるとも。
 周りにはそれほど人影は無いが、しかし屋外でショーツを脱いでいる事には
変わり無い。
 こんな事したの、初めてだ。
 いや、そりゃ小さい頃ならあったけどさ。おしっこしたりとか。
 でも、あたしは花も恥じらう高校三年生。
 ていうか、すっごい恥ずかしい。
 膝まで下ろし、そこからは脚を交互に上げて抜き取る。
 ブーツだから脱ぎづらい。
「えへ〜、梨奈ちゃんもノーパン♪」
 だから言うなって……。
「なんか、あっちにいる人がこっち見てるような気がするんだけど……」
「だいじょうぶだよぉ、あたしもノーパンだもん」
「どこがどうだいじょうぶなのか教えて欲しい」
「うぅ〜ん……ほら、赤信号、みんなで──」
「渡ったら死傷者続出だっての」
 って、ちょっと待って!?
 あそこにいるのって……。
「あ、あれって川根君たちじゃない?」
 同じクラスの男子が数人。
 川根将人は、近所に住んでいる、いわゆる幼馴染みというやつだった。
 まぁ、高校に上がってからはほとんど口も利いてないけど。
「どうしよ、あたしたちノーパンだって気づかれたら襲われちゃう……」
 いや、それは飛びすぎだって。
「こっちから声かけなけりゃ、向こうも気にしないでしょ」
「そう? 川根君ってけっこう梨奈ちゃんの事気にしてるみたいだけど……」
「そういう根も葉もない噂をすぐ信じるなってば」
「そうかなぁ」
 そうですよ、と。
 あー、でも確かに──
 っとと、手にショーツ持ったまんまだった。
 さっとポケットに突っ込む。
「お参りしよっか」
「そうだねー」

493 名前:はつもうで 3/6 mailto:sage [2007/01/01(月) 02:54:20 ID:AXUMBCoJ]
 無事に(?)初詣を済ませたあたしたちは、そのまま神社の裏山に登った。
 登ったと言っても普通に舗装された道を歩いて登るだけなので、大した労力
ではない。
 山を越える道路から少し脇に入り、林の中、ちょっと開けた二人だけの秘密の
初日の出スポット。
 上がった息を整えながら、東の空を仰ぎ見る。
「まだ暗いね〜」
「そりゃまぁ、まだ五時だしね」
 空はまだ暗く、日の出までは二時間近くもある。
 あたしは手近な岩に腰を下ろした。
 お尻がひんやり冷たくて、ショーツを脱いだのを改めて意識する。
 さっき神社で、将人たちに声を掛けられた時は少しどきどきした。
 由香の言葉を気にしたわけでもなかったけど、やっぱりノーパンで男の子と
話すのは緊張した。
 ちょっと、変な気分になりかけもしたのは内緒だ。
 一緒に初日の出見に行こうと言った彼らの言葉を、由香はにべもなく断った。
 それはもちろん──
 途中、自販機で買った缶コーヒーをカイロ代わりに手を温めながら、近くを
うろうろと歩き回る由香をぼーっと眺める。
 着物いいなー。
 紺の地に白く染め抜かれた鳥と花が散りばめられた着物は、穏やかな由香に
よく似合っていた。
「着物似合ってるよ、由香。アップにした髪も可愛いし」
「ありがと〜。梨奈ちゃんも可愛いよ〜」
「さんきゅ」
 でもほんと、二人ともぜーんぜん男っ気が無い。
 なんでかなー。こんなぴちぴちじょしこーせーなのに。
 自分で言うのもなんだけど、それなりに可愛いつもりなんだけどなぁ。
 なんて、まぁ、解かってはいるんだけど。
 そんなことを考えていたら、由香がじっとこっちを見ていた。
「梨奈ちゃん、そんな座り方してたら……丸見え」
「えっ?」
「あはは、暗くて見えないけどね〜」
 腰掛けている岩はそんなに大きなものじゃない。
 暗いのと由香しかいないのもあって、膝を開いて座っていたあたしは、確かに
明るければ丸見えだったかもしれない。
 由香がもじもじしながらあたしの横に座った。
「なんか、へんなかんじ……」
 由香の眼が潤んでいた。
「梨奈ちゃんと二人で、ノーパンなんだよね」
「……そうだけど」
「なんかさ、さっきも、川根君たちと話してるとき……」
 とろんとした瞳であたしを見てる。
 こういう顔になった時の由香は──

494 名前:はつもうで 4/6 mailto:sage [2007/01/01(月) 02:55:46 ID:AXUMBCoJ]
 あたしのそこを、由香の指が刺激する。
「梨奈ちゃん、濡れてる」
「んっ、やっ……」
「声、可愛いよぉ」
「ばか……ふぁっ」
 ぷくりと盛り上がった蕾を突付かれて、あたしは変な声を上げてしまった。
「梨奈ちゃんって、敏感だよね」
「ばか、由香が……ひゃぅっ」
 とろりとあふれた蜜の絡んだ指に、一番感じるところを責められる。
 いつもマイペースな由香だが、こういう時もマイペースは変わらない。
 つまり、あたしたちに男っ気が無いのは、由香のこの嗜好の所為だ。
 間違いない。
 学校でもいつもあたしにべったりだし、あたしが男と喋ってると、嫉妬剥き
出しといった感じにあたしを別のところへ引っ張ってゆく。
「んっ、はっ……由香、んっ!」
「おまんこ、とろとろだね」
「はぁっ、あぅ……」
 たしかにちょっとは濡れてたけど、でも、今こんなになっちゃってるのは、
由香がするからなんだ。
 由香に責められ、あたしは嬌声を上げながら身体を奮わせた。
「梨奈ちゃんエッチ〜。お外でエッチな声出してるよ」
 だから、由香がするから……。
 頭がぼーっとして、何も考えられなくなってゆく。
「おまんこ、くちゅくちゅいってる。聴こえる?」
「んっ、聴こえる……エッチな、音……」
「あたしのも……ね?」
 由香が着物の裾を割って、あたしの手を潜り込ませる。
 由香のそこも、熱く潤んで蜜を溢れさせていた。
「んっ、梨奈ちゃん、そこぉ……ひゃっ!」
 あたしも由香の蕾を責める。
 お互いに敏感なところは知り尽くしていた。
 初詣のあと、初日の出を見るまでの間──
 ちょっと早めに初詣を済ませたあたしたちは、秘密の場所でお互いを責め合う。
 中学三年の頃から続く、毎年最初の恒例行事になっていた。
「由香っ、あっ……ん、はぁッ!」
「梨奈ちゃんっ、ひゃぅ、んっ!」
 二人の淫らな声が、しんと静まり返った林に響く。
 二人だけの秘密の場所で、あたしたちは思いっきり乱れた。

495 名前:はつもうで 5/6 mailto:sage [2007/01/01(月) 02:56:55 ID:AXUMBCoJ]
 座っていたところから少し離れた大きな岩に背を預け、零度を少しだけ上
回った程度の早朝の外気に、あたしは肌を晒していた。
 コートははだけ、セーターも捲られている。
 ちょっと自慢のFカップの胸もあらわにされて、あたしはもう一方的に由香に
責められていた。
 由香は着物だから、あまり乱れるわけにもゆかず──といっても、だいたい
いつもあたしが責められ役なんだけど。
 受け? ネコ?
 どっちだっていいか──
 由香の責めで身体は火照り、気温の低さも気にならない。
 あたしは立ったまま、ごつごつした岩にもたれて由香の指にびくびくと身体を
震わせている。
「はっ、んぁっ、ん……ひゃっん、あぁッ!」
「梨奈ちゃんのエッチな声、いっぱいいっぱいだね」
 そんな言葉にも、刺激されてしまう。
 由香の指が心地好くて、気持ちよくて、身体がびくびく震えてしまう。
 あたしも由香の秘処に指先を差し入れているけど、彼女を刺激する余裕なんて
全く無い。
 それぐらい由香はあたしを知り尽くしてる。
 由香のそこから彼女の熱が流れ込んできて、あたしはさらに熱くなる。
「おっぱい、おっきくて美味しい〜」
 大きな乳房をむにゅむにゅと揉まれ、乳首をちゅぷちゅぷと音を立てて吸われ、
舌でれろれろと転がされてる。
「おまんことろとろ〜。くちゅくちゅびちょびちょって、いやらしいね〜」
 指があたしの中を掻き回して、クリも同時に責められる。
「由香っ、きもちい、もっ、……ひゃっ、ひんッ!」
 刺激の波が身体中を駆け巡り、突き抜けるような快楽に満たされてゆく。
「梨奈ちゃん、もう、イっちゃいそうなの?」
 訊かなくても解かっているのに、由香はあたしに言わせたがる。
「んっ、うんっ、もう……」
「エッチぃ……梨奈ちゃん、イっちゃいそうなんだぁ?」
 そんな言い方する由香の方がエッチなんだ。
 由香がエッチだから、あたしもエッチにさせられて、あたしがエッチになって
由香もエッチになって、二人ともエッチで……。
 もうだめ、イきそう……。
「イっちゃ、ひッ! イっちゃいそぉ、だよぉ!」
「イっちゃおうね、梨奈ちゃん?」
 由香の責めが加速する。
 いくつもの波が重なり合い、大波になってあたしを覆い尽くしてゆく。
「うんっ、イくっ、ひゃぅ! ひんッ! イっちゃうよぉ!」
 気持ちよくて、すごくて、由香にイかされる。
 またイかされちゃう。
 中学の時から、何度もイかされて、今日もまた、今年もまた……。
 由香の唇が、あたしの唇に重ねられて──
「ひあぁッ、イくぅっ! イくぅぅん──ッ!」
 びくんびくんと何度も仰け反りながら、あたしは今年最初の絶頂を迎えた。

496 名前:はつもうで 6/6 mailto:sage [2007/01/01(月) 02:57:58 ID:AXUMBCoJ]
 すっかり冷めてしまった缶コーヒーを飲みながら、二人で抱き合ったまま、
白々と明けてゆく空を見ていた。
 もちろんもう服はちゃんと着てる。
「由香は……いいの?」
「うん♪ 私は梨奈ちゃんがイく顔が見れれば幸せだもん〜」
「もう……ばかぁ」
「えへへ〜、梨奈ちゃん可愛い♪」
 ちゅっと音を立ててほっぺにキスされた。
 はぁ……。
 あたしの親友は、あたしの恋人なのかもしれない。
 恋愛感情とは少し違う気がするけど、由香に責められるのは嫌いじゃない。
 由香の責めに身を委ね、達した時の満足感は、ひとりでするのとは大違い。
 ただ、もうちょっと、場所を選んで欲しいな、と思う。
 学校でされそうになる事が多いんだもん。
 それに──
「今度、学校もノーパンで行っちゃおうよ」
「それはやだ」
「残念……そしたら梨奈ちゃん、学校でもエッチさせてくれると思ったのにぃ」
 やっぱりそれが目的だったのか。
 まぁ、たまになら、いいかもね──
 とは言わないでおく。
 あたしは今もまだショーツを穿いていない。由香もノーパンだから。
 あたしたちは抱き合ったまま、ぼーっと空を眺めていた。
「梨奈ちゃん」
「ん?」
 不意に由香が言った。
「そろそろだね」
 携帯で時間を確認する。
 あと五分──
 あたしたちは立ち上がった。
 手を繋ぎ、じっと東の空を見続ける。
 やがて、山の稜線に眩い光が現れ、二〇〇七年の夜が明けた。
 初日の出に手を合わせ、とりあえずは、眼の前に立ち塞がる受験という壁を
乗り越えられるよう頑張ります、とお祈りした。
「梨奈ちゃん、あけましておめでと〜♪」
「おめでとう。今年もよろしくね、由香」
「あたしもよろしくねっ♪」
 この国の太陽神──天照大神は、女神だそうだ。
 女同士でのキスなら、問題無いかな、と思った。

497 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/01/01(月) 02:58:49 ID:AXUMBCoJ]
ノーパン成分薄いですが、思いついたので書いてみました。
年越しながらこんなの書いてる自分が(´・ω・`)

というわけで、あけおめこー

498 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/01/01(月) 03:16:56 ID:dnNRg4Py]
新年早々GJ
ノーパソ百合ラヴGJ

499 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/01/01(月) 12:41:27 ID:u35l+drv]
パンツがあったからノーパンが生まれたんだ
パンツに感謝しない筈が無いじゃないか



500 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/01/04(木) 07:23:53 ID:N/KfKlvA]
>>483
そういえば原作の10巻にもノーパン話があったな
「白布返し」ほどブッ飛んではいなかったが

>>491-497
GJ!
お陰でいい年越しだ


501 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/01/04(木) 15:27:01 ID:AIjjXYpl]
新年穿き忘れておめでとう!

ノーパンでググッたらチャンピオンREDいちごって雑誌の付録で舞-乙姫のノーパンねたがあるとあったので買ってきますた。なかなかだったけど女しか出てこないので感動が薄い。
本誌のほうにもノーパンねたが二つもあったし、こいつは春から縁起がいいや。

502 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/01/05(金) 16:23:14 ID:ZoQBdle7]
スパッツにノーパン
じわじわと染み出す愛液

503 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/01/05(金) 21:47:22 ID:DLcW/Bww]
>>500-501
kwsk。買うから

504 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/01/06(土) 00:48:24 ID:isy5cPdo]
紐でサイドを縛るタイプのパンツはいてて紐が切れちゃう→ノーパンってのはどうかな

505 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/01/06(土) 01:24:43 ID:4ypzFmk5]
良いと思います
そういうの好きです

506 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/01/06(土) 01:29:16 ID:gawcKdUF]
>>503
500だがちょっと説明不足だったな
item.rakuten.co.jp/book/4104418/

507 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/01/06(土) 09:24:32 ID:/VoTTWye]
>>504
GJ!!!
新たなる妄想ネタの誕生に乾杯!!

508 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/01/06(土) 16:02:29 ID:8633XUoX]
>>481
空手部顧問の女教師がパンティを盗まれて
着替えるときにパンティがない・・・
ノーパンスカートで下校
駅で下から覗かれる

509 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/01/06(土) 16:04:15 ID:Z2Xd+cAZ]
あ〜それ見たい



510 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/01/07(日) 01:02:17 ID:WDrVE59H]
ノーパンと満員電車は係り結びの関係

511 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/01/07(日) 07:37:45 ID:nD2Uf89V]
中学三年生ぐらいのノーパン羞恥快感少女も読んでみたい。

512 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/01/07(日) 09:25:53 ID:D25/DYYA]
>510
満員電車ではなく、すいてる電車内での着席が重要だと思います。
ホームのベンチに座って対面ホームに向かって…ってのもありかな?
あとは駅の階段、通過電車の巻き起こす風もシチュ的にいけるかと。

513 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/01/07(日) 14:55:08 ID:KiCDFPgp]
 あたしの小さな冒険は、パンツを穿かずに登校する事。
 見られちゃうかも――そう思うとエッチな気分になっちゃう。
 乳首がつんってして、あそが濡れてきちゃう。
 ちょっと短くしたスカートの下には、恥ずかしいところを隠してくれるものが何もない。
 駅の階段――下から見上げられて、見られちゃってるかもって思うとどきどきしてくる。
 風が吹いたり、走ったり、ちょっと躓いたりしてスカートが翻ると、見られたかもしれないって思って、びくってなっちゃう。
 ブラの下で乳首が硬くなって、うずうずしちゃう。
 冬服の間は、体育のない日なら、ノーブラで行っちゃう事もたまにある。
 自慢じゃないけど、あたしは結構おっぱいが大きい。
 あたしよりおっきい子もいるけど――クラスで一二を争うぐらいで、男子たちにじろじろ見られたり、たまにふざけて触られたりする。
 そういうのはもちろん恥ずかしい。
 恥ずかしいけど、エッチな眼で見られるのは――嫌いじゃない。
 嫌いじゃないっていうか――
 佐奈はエッチだ――そう思われたいっていう気持ちがあるのを否定できない。




っていう妄想。

514 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/01/08(月) 10:23:08 ID:MoLwNSIQ]
ワッフルワッフル

515 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/01/09(火) 06:19:50 ID:RPAI6ig2]
クロワッサンクロワッサン

516 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/01/10(水) 13:53:07 ID:BdR49OGB]
ベーグルベーグル

517 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/01/10(水) 16:43:08 ID:BzY9EcEa]
コッペパンコッペパン

518 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/01/10(水) 20:35:09 ID:ULAdVnog]
ノーパンノーパン

519 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/01/10(水) 22:22:15 ID:hFfa2Q4r]
パイパンパイパン



520 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/01/12(金) 16:33:12 ID:rTPnYEwA]
プールや海にビキニで泳いでたら、いつのまにか下がなくなってた事が





ねーよwww

521 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/01/12(金) 20:35:33 ID:7kTNQ7FZ]
週間少年チャンピオンだっけ?椿ナイトクラブだっけ?今週販売のだっけ?
椿クンというお姫様(少年)を守る騎士(?)五十六ちゃんがパンツはかないでかなり短いスカートでいて、双方の両親も巻き込んで大騒ぎになってる。

ヤングガンガンの「咲」だけど、ぱんつはいてない 気がする。
はいてるのか、はいてないのか、良くわからないが。でもねぇ。
はいているとしたらかなり細いのか、かなり食い込んでいるのか。

522 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/01/14(日) 17:30:25 ID:Ik/1odf5]
おパンツ ちょうだい

523 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/01/14(日) 17:33:19 ID:F+FQYLxx]
おしりが寒いよ〜〜

524 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/01/14(日) 18:38:50 ID:LAWgWJzv]
      Y^´       ∨// /,∠ ,. ' /l/// /, ' , '/ ! | l }´     〈
       〉    変  〈/ , ' // ̄`>< /// /// _,.=‐|'"´l l〈  変  /
        〈    態.   ∨, '/l|   ,.'-‐、`//`7/  /''"´__ | ハ l丿  態   {
     人)   ! !   (/!  |ヽ〈_ ・.ノ〃  〃 /  '/⌒ヾ.! ,' !く   ! !  (_
 ト、__/   ヽ、_,.イ    /l l |:::::::```/:::::/...´..   //´。ヽ }! ,'  !! )     /
ト'    亦   ,イ⌒ヽ/   !l l ! l し   J ::::::::::::::::::::``‐-</ /  ,'、`Y´Τ`Y
l      夂   (ハ ヽ l i   ! l ', !   , -―-、_   ′::::::::::::: //! Λ ヽ、ヽl
ヽ          〉,\ ! i   ',.l `、'、/_,. ―- 、_``ヽ、  ι  〃,'/! ヽ、\ ヽ、
 !     能   // ,' lヽ! ii  ',l  ∨\'⌒ヽー-、 `ヽ、!   / ハ ノヽ._人_从_,. \
 |    心   { / ,' ' ,! ll  l`、 { ヽ' \     ヽ  '  '´   Λ ',}      ( \
.丿         ∨ // ,',! l l  l ヽ`、 \  \   ∨   し /! ∨  変   ,ゝ、
∧     / /   ヾノ //l l l  l、_ヽ\ \   ヽ , '   ,.イ |ノ    態   (ヽ
/ノ__  ゚ ゚  (⌒`〃'j | l  l   l `ヽ `ヽ、.ヽ _,.}'′ ,.イl {  | ヽ   ! !   ,ゝ\
/ /`Y⌒ヽ/⌒ 〃 ノ | l   l   l   } ヽ、._ } ノ,.イ l | ! !  |  )_


525 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/01/14(日) 19:15:26 ID:gjZPg4AI]
軽く小ネタをば。

「よーし、授業を始めるぞー、せいれーつ」
ああ、体育始まっちゃったよ〜
いつもなら好きな時間なんだけど、今日だけは憂鬱、と言うか緊張?
なんで今日に限っていつものトイレが故障中なのよ!
慌てて遠いトイレに行ったんだけど、間に合わなくて目前で…
スカートとソックスは救えたんだけど、パンツだけはどうしようもなくて…
「次は柔軟体操だー しっかりやれよー」
後始末してたら、教室に換えのパンツを取りに行く時間も無かったのよ。
次の授業が体育だから、着替えなきゃいけなかったしね。
幸いうちの学校はブルマじゃないから、ラインが見えないでばれる事は無いんだけど…
「もっと脚開けー パンツが見えても先生は気にしないぞー ホモだからなー」
下らない冗談にお愛想の乾いた笑いが起こるけど、今の私にそんな余裕は無いの。
何がまずいって、ショートパンツは脚との隙間から中が見えちゃうって事よ!
そりゃ私はパンツ見られる心配は無いわよ?
見られちゃうのは身! 具! アワビ!! ハマグリ!! 赤貝!!
うー 見られちゃったらどーしよー
でも、確か今日はバスケだから気をつけてれば大丈夫よね。
この時間さえ乗り切ればいいんだし…
「今日は予定を変更してマット運動だー」
なぜ? どうして? ほわーい?
「前の授業のやつらが片付けていかなかったからなー ついでだー」
一年のやつら、見つけたらけちょんけちょんにしてやる。
あああ、そんなこと言ってる場合じゃない。
「まずは前転からだー」
これは余裕、ぴったり脚を閉じて慎重に… ゴロン
「次は後転だー」
これもなんとか… ゴロン
「次は開脚前転ー」
あんたは悪魔か!! きちゃったよ、どーしよー
って、私順番が先頭じゃん、これなら脚を開く方向に誰もいない!
神様! ありがとう! この調子で最後までお願いね!
よいしょっと ゴロン ガバッ
「最後のヤツ、その姿勢から開脚後転ー」
え? え? え?
「順番逆にして、開脚後転で続けー」
なに? なんて言った? 今なんて言った?
私最後ジャン! 脚開く方向にみんないるジャン!!
神様、あなたは私が嫌いなんですね?
初詣でお賽銭を一円しか出さなかった事を、まだ根に持っているんですね?
「ほら、どうしたー 早く回れー がばっとなー」
この人でなし〜 えーん ゴロン ガバッ

             人生オワタ\(^o^)/

526 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/01/15(月) 16:05:16 ID:TBilCJIJ]
のーぱん委員長はどうなりますた?

527 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/01/15(月) 23:58:24 ID:+qBw2LUO]
>>526
不覚にも\(^o^)/藁田

528 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/01/18(木) 22:35:12 ID:DYkMuSXC]
あのぉ。どういうものまでがぱんつなんですか?

例えば
小包に使うような細くて丈夫な荒縄みたいな物を
8の字みたいに結んで、股下にくぐらせ、腰骨の辺りに引っ掛けた物でもぱんつなのでしょうか?

例えば、週間少年チャンピオン掲載の「茜ナイトクラブ」での
マサカツさんのぱんつみたいに正面に小さな布で後は紐のでも、ぱんつ、ですか?



529 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/01/19(金) 16:45:44 ID:GUiH0oRJ]
それを見てパンツと思えばパンツ



530 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/01/19(金) 19:35:13 ID:GUiH0oRJ]
いやちがうな。
本人がどう思っているかが問題なのかもしれない。

531 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/01/21(日) 09:44:12 ID:QaV9crL5]
今日は大事なセンター試験。
なのあたしは……ノーブラノーパンで会場に……
あぁ、恥ずかしいけど……どきどきして濡れちゃう……。




隣りにいる子がそんな事を考えている!
なんてシチュエーション。

532 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/01/21(日) 10:56:16 ID:c6lb5tTc]
>531
試験に集中汁www

533 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/01/21(日) 17:01:30 ID:ctHFWU35]
>>531
消しゴム落として拾う振りして確認しる!!

534 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/01/22(月) 17:20:39 ID:OecZ+nxG]
だが消しゴムは試験官が拾った

535 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/01/22(月) 18:01:48 ID:DjwlRIZp]
>>534
まあ、普通の試験会場はそうだよな

つまり主人公は試験官なのだな?

536 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/01/22(月) 18:25:23 ID:ccUXVwaS]
試験中は動いたり騒いだりできないのをいいことに
イスに座っている制服美少女の股間に手を入れ
パンティを抜き取るわけですね

雪の降る帰り道
ノーパンの少女がドキドキしならが帰宅中

537 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/01/22(月) 22:53:18 ID:nwX6Zvei]
試験監が行ったらマズイっしょ。

実は親が雇った家庭教師がヘンタイで勉強を教えるよりも調教の方が上手。
そして、携帯電話の写真メール機能、GPS追跡機能を使った公開遠隔操作調教。
これを毎日行っていた。しかも逐一ネットにウp。
同好者にIDとパスワードを知らせて。

さて土曜日、試験1日目。
パンツは透けレース、太腿が見える丈で袖なし、両脇と背中が腰まで開いているキャミソール・ドレスとボレロ、膝上丈ソックス、膝下丈外套で試験を受ける指示。
その通り行っているか写真メールを送らせる。

その格好で、家から試験会場、試験会場からより道させず、帰宅させる。
そのまま、部屋着に着替えさせ、風呂、夕食、そして寝間着は透けて丈の短いネグリジェだけ。

日曜日、試験2日目。
昨日と大体同じ格好。ただし、色やデザインなどは少し違う。
決定的な違いは、「ぱんつ禁止」と太腿丈外套。
つまり、ドレスよりは5cmほど長い。・・・
試験後、
帰り道、飲食席が螺旋階段を上った2階、3階に有る、ファーストフード店に寄らせ、飲食させる。
筆記用具の入ったバッグを肩から下げ、脱いだ外套をバッグと反対の腕にかけさせ、飲食物を持った盆を両手で持って、3階席に行かせる。
ちゃんと店に寄っているかGPS付き携帯電話で確認。
確かに測位にズレはつき物だが、レシートと窓からの風景を写真で送らせて確かめる。

538 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/01/23(火) 00:39:37 ID:YON7V0MI]
>>537
変態だ!おまいさん具体的な変態だ!



さあそれでSSを一本書くのだ!

539 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/01/23(火) 00:53:49 ID:4RUGULve]
紐パン女子中学生を主人公にしてください



540 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/01/23(火) 02:12:17 ID:HrifUswb]
「え……こんなの穿くの?」
「そうだぞ。記念すべき中学の入学式じゃないか。それ相応の格好というのが
あるだろ?」
「なにそれ……意味わかんないよぉ」
 今日はあたしの中学生生活第一日目──お兄ちゃんの言った通り、入学式。
 新しい学校生活が始まるのに、そんな朝にお兄ちゃんがあたしに見せたのは、
とんでもないパンツだった。
 パンツって言って良いのか判らないぐらいの、ほとんどただの紐。
 申し訳程度に、前の部分が三角形だけど──それだって、一番幅があるとこでも
3センチぐらいしかない。
 こんなの穿いて入学式に出るだなんて──
 ほとんど、ノーパンと同じだよ。
 恥ずかしすぎる──
 制服のスカート短いのに、もし捲れちゃったりしたら、見られちゃったら、あたし、
恥ずかしくて死んじゃいそう。
 中学生になったとたんに、変態だって思われちゃう。
 そんなの──
「ドキドキしてきただろ? お前は顔に出やすいからな〜」
「うぅ……」
 お兄ちゃんは意地悪だ。
 意地悪だけど──そんなお兄ちゃんが大好きだから、あたしは──




勢いだけで書いた。

541 名前:537 mailto:sage [2007/01/23(火) 13:59:47 ID:qo6/VN8E]
>>538
そんなにおだてるなよ。SSにするには、発想が貧弱すぎだ。

例えば
 天気、風の強さとかも有るだろう?
 試験会場までの交通手段、会場内のふいんき、
 SSを書くのは、教師視点か学生視点か。それともギャラリー視点か。
   つまり、公開してるんで、ストーカーしてるのがいる。
 螺旋階段だって、室内設置は外から見えないように保護してるのが多い。
  しかし屋外、非常用は、足台が雨抜き穴の開いてる板で作ってあるし
    外枠は鉄棒で作って有るので下から見上げれば。。。。
そんな色々な条件が欠落している。

さて
神奈川県の箱根町に有る、彫刻の森美術館、での話し。
 www.hakone-oam.or.jp/
幸せをよぶシンフォニー彫刻 というステンドグラスで作った塔が有るのだがその内部は螺旋階だ。
何年か前、その階段ビデオカメラを隠し、女性のスカートの中を盗撮したものがネット上で公開され、一部のビデオ晩売店で売買されていた。
公開元、販売元が ttp://www.av-navi.co.jp/ActNews01.html だ。

542 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/01/26(金) 12:15:13 ID:6L+tcHnB]
惨事
 h ttp://www.autonet.x0.com/001/0022/index-pan208.htm
 h ttp://219.120.114.148/image/act-img/PYNDV201/04f.jpg
 h ttp://219.120.114.148/image/act-img/TNTDV002/img/img-big07.jpg

理由はどうであっても、実際におるのな。
ミニスカートで ノーパン または ぱんつはいてない(くい込んでいて布地や紐が見えない) 人
これだけ逆さ鳥があって、実際にこれだけの枚数だからカナリ数少ないんだろうけど。


543 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/01/28(日) 14:49:17 ID:bYoxdSAG]
バレンタインのチョコでノーパンネタなんてどうだろう。


544 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/01/28(日) 14:50:59 ID:JxSx/3ZL]
どう結びつけるというのかね?

545 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/01/28(日) 15:08:35 ID:zde3GOXk]
間違ってチョコレート履いてきちゃった!

546 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/01/28(日) 15:39:16 ID:JxSx/3ZL]






  






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