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世界の神話でエロパロ創世



1 名前:名無しさん@ピンキー [2006/10/10(火) 00:03:07 ID:aRf15XEu]
やってみよう

500 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/04/30(月) 00:09:08 ID:fLF+yyyC]
しゅ

501 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/05/02(水) 08:29:15 ID:2sO/BhfW]
マルス(アレス)×レア・シルビアってのがあったらいいかも。
今まで馬鹿にされたアレスが彼女と恋に落ちて偉大なマルスになれたとか。
もしくは、マルス×ベローナが見たいな。同じ戦の神同士で。

しかし、純正のローマの神を求めるとギリシャより酷くマイナーになるな。

502 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/05/03(木) 02:02:45 ID:CyLt1H+f]
アレス×アテナ見てみたい
喧嘩するほど仲がいい法則で

503 名前:g1 古典戦争 mailto:sage [2007/05/04(金) 02:44:16 ID:02e6yOIM]
この大地、クルの平原にいま集う、幾万とも知れぬ戦士たちを見よ――
ここに対陣する両勢力は、今日を決戦と定めて終結した。
一方はクル勢、一方はパーンドゥ勢。同じクル王の血統の同族。

陣中には今やの開戦を控えた、重ったい空気が流れている。
警戒をうながす戦さ太鼓が、ゆっくりと、絶えず打ち続ける。
点呼の声、兵器を数える声。ひっきりなしに伝令が駆ける。
馬たちは戦車に繋がれた。戦士は、出陣の合図を待っている。

金銀あるいは宝石で飾り立てた戦車は、おのおの一人の御者、一人の戦士を載せ、
戦場を高速で駆け違いながら、たがいに射合う。
徒歩の兵は容赦なく踏み潰す。戦車を駆り、戦士と呼ばれる者たちのみが
現代の戦場の華。

戦士らは自らの血統と種姓を誇り、使命を重んじ、
命を惜しまず、今日、喜んで死に赴くであろう、
命というものがかくも儚く、かくもたやすく消えていく日があろうか。
戦いに高揚した無数の顔は、夏の日に無残な美しさ。

ここにクル族の総帥ビーシュマは、
法螺貝を手に取り、高らかに吹き鳴らした。
陣鼓が速鳴り、軍勢が動き始める。

504 名前:g2 錯乱 mailto:sage [2007/05/04(金) 02:45:33 ID:02e6yOIM]
まさに戦端開かれんとするこのとき、パーンドゥ勢の最先鋒たるアルジュナ王子は、
あい対峙する両軍の間を戦車で駆け、
知った名、知った顔、ともに語らった記憶をもつ、懐かしい人々を敵中に認めた。

親と子、近親、友と友とが、思い思いに引き分かれ、両陣営に分かれて戦わんとする
おぞましい光景をそこに見た。
戦車上、アルジュナは暗澹とせざるをえなかった。
これは何のための戦いか。われわれは、いったい誰と戦うつもりなのか。
親を、子を、友を殺して、そのうえで何を得ようというのか。

まだしも。
この戦争はいずれが勝つか。いずれが勝つとしても、
勝ち側に立った者は負けた縁類を救い、敗者は勝った近親を頼る。
打算して、あえて親子が敵味方となるのも、兵家の生存戦略とはいえる。
ひるがって自分はどうか――

王権を簒奪した者たち、敵軍が掲げるのは、クル王家正統の旗。
血統でいえば王位はアルジュナの兄、ユディシティラが継ぐべきであった。
正統の旗は、ほんらい彼らの掲ぐべきである。簒奪者たち……しかし
あれも、かれも、もとはみな同じクルの一族ではないか?

長年にわたる派閥抗争と陰険な工作の応酬、その果てに、アルジュナは
骨肉といえるその人たちを、真に殺したいほど憎み、いま殺そうとしていた。

アルジュナは心底ぞっとした。取り返しのつかぬ過ちと、痛切に悔いた。
一瞬前まで、戦いに高揚し、無残な美しさを湛えていた彼の顔は
憂鬱にかきくもり、彼は錯乱した。

ついに彼は弓を投げ捨て、戦車上に伏して叫んだ。「われは戦わぬ」と。

505 名前:g3 修羅殺し mailto:sage [2007/05/04(金) 02:46:46 ID:02e6yOIM]
「臆したのか、アルジュナ」
冷たい声が問いかけた。

意気消沈し、倒れ伏したアルジュナ王子は、顔を上げ声の方を見やった。
それは彼の戦車上、その御者台より、朗々と呼びかける声。
「たった一騎で神々に立ち向かい、万軍のアスラを蹴散らし、
万夫不当の勇者と謳われたアルジュナ王子が、
戦に臨んで怖じ気づく。アルジュナとは、じつは臆病者だったのか」


その戦い。
神々の王インドラは恐るべき雷撃を投げたが、アルジュナの秘術に退けられた。
ガルダの一族が襲いかかる。続いてナーガ蛇たちが、アスラの群れが。
そのときアルジュナの放つ矢は
一矢ごとに一つの首を刎ね、
五体を切り刻んで大地に撒いた。
神弓ガーンディーヴァ、無限の矢。

戦車上にてアルジュナは
半眼、夢想のうちにあり、
ただ撃ち続け、殺し続けた。
カーンダヴァ森を血の海とした――。

アスラ百万の修羅道が、このときアルジュナを悪魔と恐れた。

506 名前:g4 少女クリシュナ mailto:sage [2007/05/04(金) 02:47:45 ID:02e6yOIM]
「クリシュナ、僕はもう戦わない。僕は殺戮の罪に気づいた。
これまでの敵の不正は、すべて許す。もう終りにしよう」

クリシュナと呼ばれた御者は、聞いて驚きもしなかった。
振り向いて微笑した。端正な笑顔だった。
「なにを泣き言……。いまさら彼らに通じない。彼らは聞き容れないだろうな。
きみだって、彼らの友をすでに幾人殺した? パーンドゥの王子たるきみが、
恥も外聞も捨てて和を乞うたとて、彼らが許すとでも思うのか。
彼らはきみを嘲笑し、喜んできみを殺す。それだけだ」

言うだけ言うと、クリシュナは御者台を立ってアルジュナのもとに来た。
彼は――いな、男装しているが、クリシュナは女だ――彼女は、
アルジュナ王子を王子とも思っていない。奇妙な御者であった。

「そして、」 嘆きに顔を覆うアルジュナを見下ろし、少女クリシュナは告げた。
「そして同族殺しの輪廻の果ては、堕地獄」
「その通りだ! もしも彼らを殺せば、僕は同族殺しの罪を負うことになる。
いや、相手が誰であれ、もうこれ以上の殺人はしない」

アルジュナ王子は絶望して繰り返した。
「なぜ僕は、こんなにも沢山の人を殺さなければならないんだ。
兄君の、たかの知れた王権のために?馬鹿げている。
思えば王宮を追われてから、兄弟してがつがつと権力ばかり夢見てきたよ。
王座など、ドゥルヨーダナにくれてやってよかったじゃないか」

ドゥルヨーダナ、彼らを放逐した敵。それに対しても、もう何も求めない。
ただ悪をこうむるも、悪をなさじ。
「今からでも遅くはない。これ以上人を殺すくらいなら、僕は今ここで殺されていい」
豪奢な天蓋に覆われた戦車の上で、アルジュナ王子は、心身冷え切って突っ伏した。

そのさまを、少女クリシュナが冷徹に見下ろした。

507 名前:g5 ビーシュマ mailto:sage [2007/05/04(金) 02:48:40 ID:02e6yOIM]
「ビーシュマ!」
高らかに名を呼ぶ。一族の長老ビーシュマ。
デーヴァヴラタ、超戦士ビーシュマ。

老躯にまとった古鎧は、古傷だらけ、彼はクル族最古の戦士。
王租を父に、ガンガー女神を母に持つ。なかば神的な存在である。
衆議に参する全将兵、全軍が彼を待ちわびた。
クル族の総司令官として、当然、彼は最上座につく。

誓って一生を不犯で通し、限りない修行を積み終えた。
すでに人類の三倍の寿命を経てきた男。
その男は、神より強い。

「この戦争はそも、ドゥルヨーダナが悪い。骨肉の内紛となったのは、
クルにはなんとも不幸な始末であった。
できることなら今からでも、パーンドゥの子らと和解したいものだ。
しかしドゥルヨーダナ、カルナの両名は、和睦には断固反対という」
歯に衣きせぬ自家糾弾が始まった。戦士たちは目を剥いた。
彼ビーシュマには人間すべてが小児に見える。遠慮すべき相手はいない。

「戦争は悲惨だ。私はここ三百年、飽きるほどその悲惨を見てきた。
若い諸君は戦争の何たるかを知るまい。
踏みにじられた土地、焼かれた街。女子供、弱い者が、その悲惨を舐めるのだ」
最長老の慨嘆に、粛として声もない。

「が、こと戦場にあっては――」
ふっふっと不敵な笑みをもらす。
「ビーシュマに敵する者こそ憐れ」

508 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/05/04(金) 02:49:29 ID:02e6yOIM]
『バガヴァッド・ギーター』

『マハーバーラタ』より
gはギーター



509 名前:名無しさん@ピンキー [2007/05/04(金) 12:37:14 ID:eX+BI4YS]
投下はよそでやれって上の方のレスに書いてあるのに

510 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/05/04(金) 17:06:34 ID:eX+BI4YS]
ごめん誤爆

511 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/05/05(土) 09:28:33 ID:ilBELx4G]
誤爆て書いてあるけど、なんか身動きならなく

512 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/05/05(土) 12:14:25 ID:WeIecpvO]
>>503-508
がんばれ。応援してる。
……当然この続きはクリシュナがアルジュナに生きる意味を体で教えるんだよな?
あと女性化がアリならヤンデレドゥルヨーダナとか見てみたいですプリーズ。

513 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/05/05(土) 15:24:03 ID:ECTgrggy]
白鳥座の神話のレダ王女が
毎夜やってくる白鳥に扮したゼウスに
いろいろされてしまう処女喪失ものを
読みたす

514 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/05/05(土) 23:29:06 ID:1xthKq3L]
>>513
それ(・∀・)イイ!!

515 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/05/06(日) 05:55:09 ID:EoSemGVi]
>>513
しかし獣姦とかなりマニアックになる罠。セックス中のみ人型なら・・・。
でも、ミノタウロス然りギリシャ神話には獣姦も普通にあるしなぁ。
でも、一説ではレダが白鳥をさすっただけで孕んだともあるし。
しかし、後世の芸術作品では明らかにそれとわかる絵もあるし・・・。

516 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/05/06(日) 06:00:29 ID:EoSemGVi]
>>481
少なくとも、ヘス、デメ、ヘラ、ハデ、ポセ、ゼウの6姉弟は、
そろいもそろって超グラマーで爆乳、超ガタイが良く爆根のイメージがある。
そんで、姉弟間で生まれたアレス、ヘパイストス、ペルセポネも。
きっとアレイオンは松風並みの巨体。すると両親のクロノスとレアもか。

まあ、冥界夫婦には似合わんかもしれんけど、あどけないロリ顔にナイスバディとか、
のっぽで体格がいいのに虚ろっていうのもギャップ萌えがあってよくね?

517 名前:g6 抹殺兵器 mailto:sage [2007/05/06(日) 10:40:06 ID:6OvU1Bc7]
パーンドゥの王家の長兄、ユディシティラ王は陣を見やり、
「アルジュナが遅いな」
とひと言、いった。

アルジュナ王子の戦車上、少女クリシュナが語っていた。
「いま何を為すべきか、分かってるはずだ。アルジュナ王子。
すでに戦局は、戦いたくない、殺したくないでは済まない。
きみも軍の指揮官だ。殺されてもいい、では済まない。
ところできみは、戦いで自分が負けるということは全く考えないようだな。
ドゥリタラーシュトラ王の子らをなめているのか?」
彼女のソプラノは辛辣だった。

「僕は戦ってはならない」
アルジュナは低く呟いた。

天蓋を閉ざした戦車の外は、パーンドゥ勢の集結した戦陣。
軍兵のざわめきが届いてくる。しかしここは、それとは別世界のようだった。
「僕が戦うということは、人間の争いに神々の兵器を持ち込むことだ。
このガーンディーヴァの弓も、無限の矢も、本来人間のものではない。
僕が戦い続ければ、やがては、ブラフマ・アストラをも使うことになる。そうなれば」
「人類は滅ぶ」
無感動にクリシュナは言った。

「人類を滅ぼせというのか」
「人類のことを考えるのはきみではない」

518 名前:g7 聖者 mailto:sage [2007/05/06(日) 10:40:56 ID:6OvU1Bc7]
人類のことを考えるのはアルジュナではない。
少女クリシュナ、彼女は神の心を知る聖者。
「五感にとらわれるな、アルジュナ。
今きみは五感の対象に過度にとらわれ、そのため迷妄に陥っている。
同族と、人間の血と、この地上的なる戦争と…。
きみの憐れみなるものは、つまりは、きみの迷いだよ」

迷うなアルジュナ。少女は言った。
「この世は幻」

試みに、この地上を平坦なものと見よ。
山もなく、海、川のごとき窪みもない。
天もなく地もない。どこに執着するところがあろう?
人は自由になれる。その眼を持てば――

「黙れ! きみまでが、そんな詭弁を吐くとは思わなかった。
それとこれとは話がべつだ。だから人殺しを続けろと言われる僕の気持ちが、
きみにわかるのか」

瞬時クリシュナの表情はこわばり、口をつぐんだ。
感情をぶつけてしまってから、アルジュナは目を逸らした。
クリシュナの細身は所在なく揺れて、そんなアルジュナを見下ろした。
「そうね…」



519 名前:g8 善について mailto:sage [2007/05/06(日) 10:43:38 ID:6OvU1Bc7]
かすかに微笑んで、クリシュナは彼に間近く寄った。
息を感じるほどに…。アルジュナのそばに膝をついた。

「諸行無常――」
聖なる乙女は目を閉じて唱えた。
「この世にうつろわぬものはない。五感の捉える対象はすべからく無常。
その移ろいに一喜一憂する迷いが、恐れを生じさせる。…の、だけど」
クリシュナは言葉を切り、戦車の外の喧騒を聞いた。
ここには二人のほか誰もいない。

「生身の人間が、永遠なるものを見るのは楽じゃない。
きみを導く聖者クリシュナは、つねに『アルジュナよ、戦え』と、
理を尽くして説くべきだけど…」
ふたたび、言葉をためらった。黒い瞳が揺れた。

「アルジュナ」
アルジュナは彼女を見、クリシュナは彼の瞳を覗き込んだ。
「きみは、私にはきみの気持ちが分からない、と言った」
「それは…」
「殺すより殺される方がましだという、アルジュナ、きみの言うことは正しい。
それがここ戦場でなく、またそれが、きみアルジュナでないならば。
戦場で戦士が戦いを放棄すれば、それは怯懦でしかない、アルジュナよ――」

声にふたたび力を込めた。クリシュナはわずかに身を寄せた。
「アルジュナ」
「違う。誰も傷つけず、誰も殺さずに済む方法があるはずだ……きっと」
あるのだろうか。

520 名前:g9 ドローナ mailto:sage [2007/05/06(日) 10:45:00 ID:6OvU1Bc7]
「ドローナ!」
老仙ドローナは、子息アシュヴァッターマンを伴って登場した。

ヒョコヒョコと杖ついてゆく老人を、陣に並み居る戦士らは唖然としてみる。
あれがドローナ? あらゆる武芸の奥義に通じた、クル族の師。
子息を伴い、飄然とゆく。

伝説のドローナ。彼はクル族の最高指揮権を委任され、それを拒否した。

「アルジュナ、ユディシティラ、ビーマ。かつは、ドゥルヨーダナ、百の王子。
みなわしの弟子でない者はおらぬ。それがあい争うさまは、見るに耐えぬ…。
この争いを避けるすべは、本当になかったのか」

彼に従う子息にして、一番弟子アシュヴァッターマン、
寡黙にしてその表情は窺われない。
老ドローナはひとめぐりクルの陣営を視察し、天を仰いで長嘆息した。

「あるまいなあ」と…。

521 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/05/08(火) 01:04:50 ID:ag5Mg1fq]
前言ってたスサノオ×クシナダの話の続き見たいな

522 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/05/08(火) 06:52:15 ID:T4GIDryi]
アテナやアルテミスのような処女神ってどこまで禁止されてるんだろうな。
キスもしちゃだめなのか、膜を破らなければ大丈夫なのか。
一応アテナはぶっかけされたけど処女神だったし。
もしかするとアルテミスは処女を奪われてないだけで、
オリオンと口とかアナルとかはしてたのかもしれん。

523 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/05/09(水) 00:05:33 ID:OIsUVz0y]
あると思う
ようは処女膜を守ればいいんだからな

524 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/05/09(水) 01:45:13 ID:VYYnRfzI]
つまりアポロンはオリオンに対し、「俺のアナルを横取りするとは許せん!」
って思っていたんだろうな。
もしくは「アルテミスのアナルが狙われた!?次は俺のアナルの番か!」
と恐怖したのかもしれん。

525 名前:名無しさん@ピンキー [2007/05/09(水) 22:33:03 ID:4Pmlx6Q5]
>>524
>「アルテミスのアナルが狙われた!?次は俺のアナルの番か!」



わろたw

526 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/05/10(木) 09:10:50 ID:LVA1tyw9]
思いついたプロット

アルテミス、オリオンをアポロンに紹介する。
          ↓
アポロン「男嫌いのアルテミスが男を連れてくるのはおかしい、
      処女神と付き合おうとする男がいるのもおかしい」
          ↓
アポロン「まさかオリオンの狙いは私か!?アルテミスは仲介役!」
          ↓
アポロン、アルテミスとオリオンがアナルセックスをしているのを目撃、
本人たちは、処女神の契約が解けるまでできる限りのHを楽しんでるだけ。
          ↓
アポロン「やはり、アルテミスの次は私のアナルを狙っているのだ!!」
          ↓
アポロン「いくら私が美しいからと言えどもオリオンの奴は許せん!
      こんな計画に共謀したアルテミスも許せん!」
          ↓
後は知っての通り、アポロン、アルテミスを嵌めてオリオンを殺させる。

こんな感じの新説物語がみてぇなw

527 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/05/10(木) 10:10:47 ID:nK+IHEEh]
web2.megaview.jp/topic.php?&v=721271&vs=0&t=17011117&ts=0&m=n&lmx=37

528 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/05/10(木) 15:13:04 ID:uoMV1YgF]
なんという自意識過剰……まさしくこのアポロンはオリンポスの住人



529 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/05/10(木) 19:31:52 ID:nK+IHEEh]
web2.megaview.jp/imageout.php?m=org&ty=1001&pt=d3%2F20070425%2Fimg%2Fjzxyszjy2366610.jpeg&ctv=103&v=721271&t=17011117&l=23666&ds=75604947

530 名前:名無しさん@ピンキー [2007/05/11(金) 00:14:11 ID:2MQoeRH2]
ほしゅあげ

531 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/05/12(土) 01:14:46 ID:0y12vdtr]
>>515
レダの絵はエロいのがあるねぇ。

532 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/05/12(土) 15:40:12 ID:DqirAe9T]
>>526
アポロン妄想しすぎだろwwww

533 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/05/12(土) 16:28:56 ID:bcuziE+m]
アポロンがアホの子w

534 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/05/13(日) 10:17:15 ID:xjN48ccr]
大抵の同人系サイトじゃアポロンはシスコンって言われてる。
ネタの入ったギリシャ神話紹介サイトですらオリオンの件でシスコン扱い。
しかしそれじゃあ面白くないよなぁ〜?

535 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/05/13(日) 16:15:43 ID:C65RpPmV]
>>534
サイトを晒せ

536 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/05/13(日) 16:26:23 ID:xjN48ccr]
>>535
他人のサイト晒しできるわけないよ。しかも一つじゃないし。
しかもそういうサイトはリンク先がお互いに繋がっている。

537 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/05/13(日) 17:21:36 ID:m2TO0CXu]
漫画ギリシア神話のアルテミスとアポロンは萌える。

538 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/05/13(日) 21:08:43 ID:Ls6EE5g0]
アポロンが美青年の神なら、アルテミスも美人なはずだよね?
男女の双子だから一卵性双生児なみに似てることはなくとも
そこそこ似てるはず。なのにアルテミスに美人と言う描写が
あまりないのは少年っぽい格好をして着飾ったりしないからかなぁ。




539 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/05/13(日) 22:57:58 ID:xjN48ccr]
俺はその辺も考えて、実はアポロンはナルシストで普段から自分の美しさをアピールしてるのではというぶっ飛んだ結論に至っている。

540 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/05/13(日) 23:17:35 ID:xjN48ccr]
あんま娘や妹に比べると話題にならないけどデメテルもいいよね。
娘依存のヒステリーなストライキママってイメージで定着してるけど、
農耕や豊穣の神だし鍬持って畑耕す姿が似合うカントリー系の女性かもしれん。
そんで口調日本語訳にしたら東北弁になるぐらい訛ってたら萌えるわ。書こっかな。

541 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/05/13(日) 23:33:09 ID:QQl/G2DR]
あまり話題でない三大処女神の残り一人、身持ち硬い長女ヘスティアも好きだな。
色恋も醜聞も満載のギリシア神話で地味だが大人の女といったイメージ。

542 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/05/14(月) 01:31:13 ID:KCPKtSxV]
昔読んだヘロドトスか何かのに出てきた、
かかとの細いペルセポネという一文を読んで以来、
ペルセポネのかかと萌えだ。
ハデペルの続きが待たれる。

543 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/05/14(月) 05:57:56 ID:b4WLrMmY]
デメテルとのカップリングといえばまずポセイドンだよな。
ポセイドンって海王として有名だけど、元々はデメテルの夫なんだよな。
名前自体も大地の夫って意味だし、地母神と夫婦関係がある事が前提。
ポセイドンは元々地震とか馬のような交通手段の大地の神なんだよ。
で、一番関係が深いのがデメテルなんだ。二人が結婚してる像もあるしね。
二人の間にデスポイナもペルセポネと同一視されるし。

それなのに、ポセイドンはアンピトリテと結婚して海の神になっちゃった。
そりゃデメテルは怒るわ。自分とセットの神が自分捨てちゃったからな。
それでのこのこと戻ってきては自分を押し倒してくるしもうどうしようもない。

でも馬を与えられると素直に喜ぶあたり、未だにポセイドンの事を好きかも。
とどのつまり、デメテルはオリンポス一のツンデレ。
ツンデレデメたんとポセイドンの組合せって萌えね?

544 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/05/15(火) 21:56:05 ID:aU3vq3bO]
むしろそうなったのはゼウスを崇拝する民族のせいなので、
デメテルを手に入れるためにゼウスが二人を引き剥がし、
ポセイドンはアンピトリテの所に押しやってデメテルを寝取ったとか。

545 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/05/16(水) 23:28:51 ID:k3Gv8/2r]
自分もスサノオ×クシナダよみたいのら

546 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/05/18(金) 22:34:26 ID:HTJXIySq]
スサノオ×クシナダって完結したっけ?

547 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/05/19(土) 06:10:09 ID:6P8t2Y7J]
お前は、今まさに自分が書き込んでいるスレのSSの顛末すら、人に聞かないと確かめられないのか・・・

548 名前:名無しさん@ピンキー [2007/05/20(日) 14:17:47 ID:ZMFUEaRx]
ほっしゅ



549 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/05/20(日) 18:49:52 ID:teCdhuQq]
マイナーと思われる中国神話です。
人名がうまく表示されるか微妙なので
別の漢字を当てようかと思ったのですが、
代用漢字がないようなのでそのまま使わせていただきました。
文字化けした場合、本当に申し訳ありません。

※人名注記
羿(「羽」の下に「昇」の下半分):げい
嫦娥(「女」「常」と「女」「我」):じょうが


550 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/05/20(日) 18:51:10 ID:teCdhuQq]

窓の向こうには下弦の月が皓々と浮かび、静まり返った人里を照らし出している。
この集落のはずれにあるごくささやかな庵でも、一組の夫婦が床に就いていた。
(とうとう明日だ)
羿はその思いに興奮が抑えられず、横になってしばらくたつというのに一向に眠りに落ちることができなかった。
(明日こそ、晴れてこの厭わしい人身を捨てられる)
羿はふたたび寝返りをうった。ふいに、妻が身を起こす気配があった。

月明かりを横顔に受けて、妻は黙ったまま彼を見下ろしている。
もとより神籍にあった女であれば人間離れして美しいのは当然だが、今夜の彼女は名工の手になる塑像のように端麗に見えた。
月光に染められた玉肌は涼やかというより冷ややかな風情をたたえている。
「嫦娥?」
羿は妻に劣らず端正な顔をそちらに向け、囁くように問うた。
「どうした、そなたも眠れぬのか」
「いいえ」
嫦娥は微動だにせず、睫毛ひとつ動かさずに長らく夫を見つめていたが、つと身を動かした。
夫の逞しい長身に覆いかぶさり、唇を重ねる。
「―――嫦娥」
羿は驚いたように固まっていた。
天界にて華燭の典をあげ夫婦の契りを結んでから何百年となく経つが、
神仙のあいだに貞淑を謳われた妻がみずからこのように触れてきたのは初めてのことだった。


551 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/05/20(日) 18:52:56 ID:teCdhuQq]

「どうしたのだ」
妻は答えず、彼の唇に白い指を押し当てて閉じさせたまま、どこか寂しげに微笑んだ。
そしてその頬に、耳たぶに、首筋に、接吻を繰り返した。
ついに夫の帯に手をかけ、胸元からはだけていく。
「我が君、いとしい我が君」
羿に聞こえるか聞こえないかの声で囁きかけると、嫦娥はその筋骨隆々とした肉体の隅々へ接吻を降らせた。
鎖骨から肩、そして両の腕をいとおしむように指で撫で、ゆっくりと唇を這わせる。
人界を旱魃に陥れた九つの太陽を次々に射落としたその腕は、
何百年にもわたる夫婦の房事において、彼の身体の下で反り返る嫦娥の柳腰を何度となく抱きしめてくれた腕でもあった。
そして人々を旱魃から救いはしたものの、
九つの太陽すなわち上帝の九人の息子たちを殺めてしまったがために不浄なる人界に落とされたときも、
「何があろうとそなたをこの地上の穢れに触れさせはせぬ」
と抱き寄せてくれた腕でもあった。

「ああ、嫦娥よ」
妻の小さな朱唇が乳首に触れたとき、羿は思わず声を漏らしてしまった。
「我が君」
彼女は顔も上げずに、柔らかい舌で硬くなった乳首を舐めつづけた。
墨で染めたような黒髪が彼の肌にそっと触れ、ますます官能を刺激する。
「まさか、そなたが・・・こんな、ことを」
「お許しください」
嫦娥はやがてさらに下へと進んだ。硬い腹筋を指でなぞり、臍のくぼみにくちづけし、その下の茂みに顔を近づけた。
「―――そんなことはせずともよい」
羿は驚いて妻の頭部を離そうとしたが、その手に力はこもっていなかった。
嫦娥は夫の命に従うこともなく、お許しください、とただ呟きながらそれを口と手で愛し始めた。
肉体のほかの部位に劣らず、夫のそれは尋常でなく逞しかった。
このような愛撫を試みるのは初めてなので、嫦娥も内心では羞恥に震えながら恐る恐る触れるばかりだが、
自分が唇と舌を下から上へ熱心に動かせば動かすほど愛する人の息が荒くなることに、ひそかな喜びを覚えていた。


552 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/05/20(日) 18:55:00 ID:teCdhuQq]

とうとうそれは限界まで膨張した。身を隠すべき渓谷を欲して力強く脈打っている。
それは初夜の床でどれほど彼女に苦痛を与えたことか、しかしその後どれほど彼女に深い歓喜とこまやかな情愛を教えたことか、
それを思い出すと嫦娥はますます寡黙になった。
しかしただなすべきすることをなすために、彼女はそれ以上の沈思を自らに許さず、
音もなく腰帯を解くと寝衣を脱ぎ捨てた。
羿はまぶしそうに妻の端正な肉体を眺めた。
人間として有する四肢もむろんたいへんな美体ではあるが、今目の前にいる妻は、
まるで神女であったころの真珠色の肌を取り戻したかのように月光の中で輝いていた。
「嫦娥よ、今ほどそなたを美しいと思ったことはない。
 明日、儀式をあやまたずにあの薬を服すれば、
そなたの花顔も玉肌も永遠不滅のものとなる」
羿はそう囁くと妻の身体を引き寄せた。
いつものように寝台に押し伏せるつもりだったが、彼女は従わず、夫の上に自らまたがった。

羿が目を見張るのも構わずに、嫦娥はそそり立った夫のものをみずからの玉門にあてがい、ゆっくりと腰をおろしていった。
夫のものを口に含むあいだ自然に潤い始めていた牡丹色の花弁は、
いまは静謐な閨房に水音を響かせながら硬く熱いそれを滑らかに受け入れていた。
「そなたは、―――今宵はいったい、どうしたのだ」
別人のようにふるまう妻の姿を眼前にしながら、羿は驚愕と陶酔の混じったような声で吐息混じりに問いただした。
「お許しください」
夫の顔を見下ろしながら嫦娥は囁いた。
口では自らの淫行を詫びながらも、その腰は休むことなく前後に動いている。
このような営み方は初めてなので嫦娥は内心不安に満ちているが、
時間がたつうちにどのように動けば夫が悦ぶかが分かってくる。
彼女の吐息も夫に劣らず熱く激しくなりつつあった。
「責めているのではない。
 ―――そなたも、明日が待ちきれぬのだな」
羿はふっと笑うと、彼女の細い腰をつかみ、下から突き上げ始めた。


553 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/05/20(日) 18:56:19 ID:teCdhuQq]
「我が君、許して」
嫦娥は絹を裂くようなか細い声で夫の激しい責めに応えた。
彼女の弱点を知り抜いている夫に緩急をつけて苛まれながらも、嫦娥はみずから腰を動かすことをやめなかった。
乳房は小ぶりながらも羿の顔の上で悩ましく揺れつづけた。
よく見れば、薄紅をさしたような乳首は触れられてもいないのに硬くとがっていた。
「今宵のそなたは人界の娼妓という女たちのようだ」
羿はふたたび微笑し、揺れ動く乳房を両手で包み込んだ。
そして親指でその頂点を小刻みになぶってやる。
「我が君、いけません」
「娼妓はこのような扱いを受けるというぞ」
「お許しください、我が君。この身を、嫦娥を」
息も絶え絶えにそう囁きながら、乳首をもてあそばれるまま、嫦娥は夫に激しく貫かれることに耐えていた。
その細い肢体からは力も抜け気って、もはやみずから腰を動かす気力も残っていない。
「許さぬぞ、嫦娥。
未来永劫我が妻たる女人がかような淫婦と化すとは、決して許さぬ」
息を乱しながらも羿は諧謔まじりに妻を責めた。

明日になればふたりは不老不死の身体を取り戻せるのだ。
もはや飢えや寒さや人の目に悩まされることもない。
ふたりで霊験あらたかな山中にこもり清浄に暮らそう。
ふたりで一粒ずつ服用するだけでは神として天界には戻ることは叶わぬとはいえ、ふたりが互いにいれば十分ではないか。
ふたりは永遠の伴侶たることが明日、たしかなものとなるのだ。

「お許しください、我が君」
嫦娥はふたたび呟いた。そこには嗚咽が混じっていた。
貞淑であろうとするあまり切々と詫びる妻を心からいとおしいと思いながら、
やがて羿はかつてないほど多くの精をその深奥に放った。
そしていつものように妻を抱き寄せて眠りに落ちた。


554 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/05/20(日) 18:57:21 ID:teCdhuQq]
夫がよく眠っているのをたしかめてから、嫦娥はそっと身を起こした。
寝台からおりるとき、彼が授けてくれた精がゆっくりと太腿を伝っていくのが分かった。
それはまだ温かかった。羿の体温そのもののようでもあった。
何百年となく、ふたりはこのようにして求め合ってきたのだ。
雲を枕に初夜を迎えたときも、天界のはずれの渓谷でその地に住まう神仙の目を盗んで肌を重ねたときも、
人界に落とされた最初の晩、神籍にあった者の目には家畜小屋にしか見えない陋屋で身を寄せ合ったときも、
ふたりはいつもこうやって互いを何者にも替えがたいと確かめてきたのだ。

嫦娥の漆黒の瞳にはふたたび涙が浮かんできた。しかしなんとか自分を抑えつけようとした。
嗚咽を漏らしでもしたら羿に気づかれてしまう。
彼女は裸のまま寝台から離れ、部屋の隅の小卓に近づいた。そこにはふたつの小壷があり、それぞれひとつずつ丸薬が入っていた。
嫦娥はふたつの丸薬を手のひらに載せ、寝室を出て庭に向かった。
あづまやの屋根の下に立ったとき、ふと、自分が服を着ていないことに気がついた。
しかしそれはたいしたことではない。どうせすぐに人の姿は捨て去るのだから。
嫦娥は丸薬を口元に近づけ、そこで手を止めた。唱えるべき文言は分かっている。
しかし声が震えてしまいまともなことばにならない。
屋敷のほうを振り返ると、閨房の窓枠が照らし出されているのが見えた。
その奥にあの方が安らかに眠っている。今ならまだ戻れる。戻れるはずだった。

でも、わたくしはもう決めたのだ。
今宵はわたくしの思うままに愛させていただいた。
玉の肌よ、と愛でていただいた。
あれが最後、それでよいのだ。

お許しください、と最後に呟き、嫦娥はついに上帝の英邁を称える文言を唱えた。
そして丸薬をゆっくりと嚥下した。

月明かりを浴びながら、嫦娥の肉体は徐々に輪郭を変えていく。
丸薬の効果がついに現れきったと思ったとき、彼女の耳元で至尊のお方の玉声が響いた。


555 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/05/20(日) 18:58:37 ID:teCdhuQq]
(困った女人よの、そなたも)

嫦娥はもはや、お許しくださいとは言わなかった。

(我が愛息たちを虐殺したあの不遜なる輩への罰は人界に落としたくらいではすまさぬつもりだったが、
そなたがすっかり呪薬を服用してしまうとは。
西王母から渡された際、何か聞いていたのか)
(いいえ、誰の罪でもありません。わたくしが自分でこれを望んだのです)
(ふむ、殊勝なことよ。
そなたは本来なら天界に身をおいたままでもよかったものを、大罪人たる夫に従い人界に堕ちていったというのに、
その程度の献身では気がすまなかったというわけか)
玉声はしばらくやんだ。ふたたび聞こえたときには、その声音は少し温和なものになっていた。
(罪人を庇いだてたとはいえ、その心根はたいしたものだ。
人界の汚濁にも染まらなかったようだな。神女の矜持を忘れたわけではないようだ。
褒美を与えよう。そなたは何を望む)
(このような身に成り果てた今、望むものなど何もありません。
 ただ願わくば、この醜悪な姿が二度と夫の目に留まらぬようにしてくださいませ)

玉声は返ってこなかった。
しかし次の瞬間、嫦娥は自分の疣だらけでじめじめした四肢が地上を離れたことを知った。
淡い月明かりのなか、彼女の小さな肉体は天空に吸い上げられていった。


556 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/05/20(日) 18:59:23 ID:teCdhuQq]

「嫦娥」
翌朝、羿は血眼になって妻の姿を屋敷じゅう捜し求めた。
夫婦の不老不死を約束するはずだった丸薬の壷はふたつとも空になっていた。
最後に庭に出たとき、あずまやに設けられた石卓の上に、文字が刻み込まれているのが見えた。
羿は駆け寄ると一字一字を目で追った。
「嫦娥よ」
羿は両手で顔を覆い、地に膝をついてうめいた。
妻があれほど丸薬の服用を諌めた理由がようやく分かった。
ひょっとして彼女がひとりでふたつ服用したいからではないかと一瞬でも疑った自分が愚かしかった。
西王母からは、ひとつ飲めば不老不死に、ふたつ飲めば神として天界に戻れるものだとばかり聞かされていたのだ。
何も呪薬を自分ですべて服用しなくても、ひそかに捨ててくれればよかったのに、と羿は心から恨めしく思った。
しかしこうして妻の身で実証されぬことには、彼はこれからも不老不死の薬を求め、
結局は上帝の命を受けた神仙によって呪薬を渡されることになっただろう。

これはもはや、人として寿命のつづくかぎり、人界の汚穢を受け入れよということなのだ。

それでも嫦娥さえいれば苦痛ではなかった。しかし彼女はいない。
いったい呪薬でどんな姿に変じられ、今はどこにいるというのだ。
「嫦娥よ」
涙が枯れきったころ彼はようやく立ち上がり、あたりを見渡した。
早朝の庭園に、答えるものは誰もいなかった。羿は天を振り仰いだ。
東の彼方には彼が射落とさずに残しておいた十番目の太陽がのぼりかけていた。
その反対側、はるか西の彼方には、白い月が消えかけたままたたずんでいた。


557 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/05/20(日) 19:05:08 ID:teCdhuQq]
(終)


読んでくださった方々、どうもありがとうございました。
大筋は神話に沿っているつもりですが、
嫦娥の性格とか薬の中身などは完全な創作なので
オリジナルのほうが好きな方には申し訳ありません。

558 名前:名無しさん@ピンキー [2007/05/20(日) 19:13:30 ID:/92ImKCd]
koknuj



559 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/05/20(日) 19:29:26 ID:nGhuqgj/]
GJ!
薬を盗む話よりもこのストーリのほうが辻褄が合うし
嫦娥の清らかさが強調されてて良かった。
貞淑な嫦娥が淫らに求める姿が可愛くて萌えたよ。

560 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/05/20(日) 20:45:41 ID:pvWum+zl]
実は嫦娥の話には幾つものパターンがあって
有名な物の一つにはげいの弟子で
有能であったが野心家の蓬蒙(ほうもう)は薬の存在を知って
嫦娥から薬を奪おうと刀を手に追い回すが
蓬蒙の本性を知った嫦娥は「悪人の手に渡すくらいなら」と
やけくそでみんな飲んでしまうという話もある。

561 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/05/26(土) 04:57:42 ID:ODN92q1L]
ネルガル×エレシュキガルが読みたい

562 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/05/27(日) 01:48:40 ID:glaNNFPj]
>>561
シュメール・アッカド神話は支持者がいないのかと思ってたよ
読みたいと思うがマイナーだからな


563 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/05/27(日) 01:49:25 ID:xUJSwRfB]
吉祥天女の話でなんか書きたいなとか思ったり思わんかったり

564 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/05/29(火) 00:36:40 ID:e11ITd52]
ほしゅ

565 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/05/29(火) 20:39:13 ID:FkE76cMp]
マハーバーラタのシカンディン(シカンディニー)はふたなりだって信じてる

566 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/06/03(日) 02:09:02 ID:gQ58AOJd]
ふたなりより女体がいい

567 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/06/05(火) 03:58:07 ID:+53Y79Mo]
ハデスとペルたんマダァ?(・∀・ )っ/凵⌒☆チンチン

568 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/06/06(水) 21:52:41 ID:6L/xsvG3]
保守



569 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/06/07(木) 18:27:10 ID:IVmuRn6H]
変な語尾や口調、特徴的な性格などのキャラ付けはあり?
・・・流石になしか。


>>522-526を見て、>>526のプロットでオリオン×アルテミス書いてみたいなぁ。
試験とか忙しいから多分完成は大分遅れるだろうけど。

570 名前:名無しさん@ピンキー [2007/06/10(日) 01:35:27 ID:8z/RuacE]
>>569
何か書いてくれるならアリ

571 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/06/10(日) 05:00:29 ID:DHl3P1dp]
今、ソロモン72柱でマルコシアス×グレモリーで書いてるんだが投下して桶?

572 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/06/10(日) 17:49:57 ID:Inj8TgeI]
カモーン!

573 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/06/10(日) 20:55:11 ID:iIzM7/sX]
来るんだな?!来るんだな?!神が来るんだな?!
いやいやこいつは違うな、間違ったな悪魔だ!
悪魔が来るんだな!?待ってるぜ

574 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/06/10(日) 23:01:26 ID:FIBS8o6w]
投下?勿論大歓迎。

ヘラの話がしばらく出ていないが、泉で水浴びをする度にあの女好きのゼウス
がメロメロになるぐらいの美少女になって、しかも処女に戻っているというい
い設定があったな。美少女⇔美女両方を楽しんでいるわけだ。
ゼウスが正妻にしたくらいだから、とんでもない美(少)女で間違いないはず。

美女といえば、黄金の林檎を争った内の二柱とへパイストスは関係しているの
だが、うらやましいとは言えない境遇だな。
だが、アテナはツンデレという気がしないでもない。アルテミスは確定。

575 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/06/10(日) 23:03:34 ID:FIBS8o6w]
連投ですまん。
うっかり水浴びしすぎてロリ化したヘラとゼウスのラブコメが思い浮かんだ。

576 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/06/11(月) 05:05:49 ID:+OWV7LDc]
まあ、基本的に神は不老不死だから、カナトスで入ろうが入るまいが外見年齢は変わらないんじゃね?
どちらかというとカナトスの効果は、ストレスや禍々しさを落としたり、処女を取り戻したりの要素が強いと思うな。

最も泉の効果が暴走してロリになるって言うのも面白そうだがな。


そういや、ヘパイストスとアテナは神話以前は夫婦だったけど、アテナの処女神かによってアフロディーテと結婚って話も聞いたな。
ソースがネットの掲示板だから相当の電波と思っても差し支えないだろうけど。

577 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/06/11(月) 21:07:59 ID:7cHVPW+B]
ギリシャ神話の女神さまってみんな巨乳っぽいけど、
ていうか、豊穣とか出産とか性愛とかに関わる以上ちっさいと困ると思うんだけど、
でも、アテナだけはひんぬーでもいいと思うんだ。

578 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/06/11(月) 22:09:57 ID:BVCzFbLb]
むしろ貧乳じゃないと萌えません。



579 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/06/12(火) 03:07:20 ID:fG5xCzGa]
才女アテナはむしろ美乳がいいな。
っていうかむしろ俺は、個人的設定でアルテミスかフォルトゥナは貧乳でいい。

580 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/06/13(水) 01:23:00 ID:aK4/jamM]
>>576
つまり入らないとストレスや禍々しさが蓄積して
ゼウスがえらい目にあうのか。

581 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/06/13(水) 12:19:09 ID:N/usMb2H]
>>580
キレたヘラたんに逆レイプされます。
もしくは精神的に病んで近くにいる自分以外の女全てを殺しに参ります。

582 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/06/13(水) 12:19:54 ID:N/usMb2H]
そういや、実際の年齢はゼ<ポ<ハ<ヘ<デ<ヘだが、
外見上の年齢はゼ>ポ>ハ>ヘ>デ>ヘらしいな。

583 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/06/13(水) 20:54:34 ID:Vbpw/g5c]
他は知らんが、ヘラは毎年若返る。下世話な話だが、そのときに処女膜も再生する
詳しくは、カナトスの泉で検索されたし
ゼウスも一緒に浸かるって話も聞いたような

あと、こんなスレも
academy6.2ch.net/test/read.cgi/min/1124414138/

584 名前:妄想ギリシャ神話 mailto:sage [2007/06/14(木) 00:43:48 ID:EaAZz38x]
口を寄せる 舐める しゃぶりつく 噛み付いて吸い上げる
そうして 溢れる液を己の喉に流し込む



―――とある場所での野の獣の授乳風景である。


生まれてまだ日の浅い獣の子供は押し合いへし合いしながら母の乳に噛り付いている、そんな中
どうにも毛色の違う一匹が横たわる母獣の上体部でその身を擦り寄せていた。

獣の授乳口、つまりは乳首は6つ付いている。そして獣が一度に産む数は大体5匹前後。
で、乳の出というのは全てが一定だという訳でなく下腹部のものが1番出がいいので
その特等席を求めて兄弟間で仁義なき戦いが繰り広げられるのであるが
そんな獣生最初の生存競争を意に介さずその一匹はおそらく1番出の悪いだろう場所で戯れていた。

というよりも飲んでいなかった。

ただ、甘える様にその鼻や額、頬を目前の温かい場所に擦り付ける。
ゆるゆると口を滑らせるほんの少しだけ口で挟む。
小さい手で柔らかく温かい弾力を感じては、そこに背中を預ける。
時折、子からすれば大きい舌が宥める様に子供達を舐め上げるのが見えた。
そして自分の番が来るとその撫ぜる感触に身を任せていた。

他の子供達は、腹を満たしたのかうつらうつらし始める。
そんな子どもたちに歩み寄って擦り寄ると、
小さい温かいそれは自分と同じく頭を当て、頬を寄せ口を自分に這わせる。
そして思い思いに眠りに入る。

温かい時間は過ぎやがて

意を決した様にその一匹はその親子から離れた。

そして消える。

代わりに黒衣の男の姿が現れ―――獣の親子の前に膝まずく。
母獣の頭を撫で頬に手を滑らすと、こそばゆそうに応えてきた。

男は手を離し、また親子から離れる。
と、男の足元に地の割れ目が出来、そこへ彼は飛び込んだ。


ほどなくして割れ目は閉じられ、
安眠を貪る子らとそれを見守る母獣のみが、そこに残された。


585 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/06/14(木) 00:50:16 ID:EaAZz38x]
以上。



『なんつーか単純な愛情に飢えまくってて冥府での激務の折をみては地上の幸せ家族風景な獣を眺めては自分の願望と投影して孤独を慰め、それに飽きたらず遂には自分も子になって獣の愛情を擬似体験してみました☆』
な、ハデスの図をつい書いてもうた。


正直すまんかった。


586 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/06/14(木) 02:35:08 ID:yVcT0/5h]
きたーーーーーーーーーーーーーーーーー!!
久々の投下にGJを送ろう!!!

587 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/06/14(木) 22:34:08 ID:aZN13tC1]
一瞬逆獣姦かとおm(ry
GJ!このスレのおかげでハデス萌えだ。男だが。

588 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/06/14(木) 23:46:26 ID:up3eo8JP]
GJ!
同じくこのスレのおかげでハデス萌えだ
兄弟中で一番地味だと思っていたのに、今じゃ一番萌える



589 名前:ほん嫌ギリシャ神話 mailto:sage [2007/06/15(金) 22:53:01 ID:7ORkvu5b]

まだ、躯が熱い。

爆ぜてまだ間もない熱の余韻にを惜しむ様に彼の胸に顔を埋めて甘えると
背中と後頭部に添えられた手がゆるりと動きだした。
「……はぁ……っん…。」
くしゃくしゃと髪を掻き分ける指の感触と背中を這う掌に思わず吐息が彼の胸に零れる
一瞬、体を波打たせた反応が可愛くて同じ場所に軽く唇を落とせば
すぐに彼の唇の感触が額を滑った。

「そういえば、籤引きだったらしいですね。」
――行為の後、眠りにつくまでの一時の会話ももはや日課になった。
「何が。」
首筋を唇で撫でた後、夫が聞き返す。…当事者でしょうに。
「貴方方がどの領域を支配するか決めた時の話ですよ。」
「そうだったか?」
「あら、互いに天上の支配権を譲り合ったのでしょう?それでも埒があかず、
結局籤引きで決められたと聞き及んでいますわ。
…神々の間で結構な美談として広まっておりますのよ?ふふ…。」
夫に限って言えばその様子は容易に想像がつく。
父と伯父は…そんな頃があったのだと思うと……失礼ながら微笑ましくて
くすくすと笑いが零れたが――ふと気付く。
…いつもは嬉しそうな相槌をうってくれる彼の反応が、無い。
……………………。
「…ハデス様?」
不安になって夫の顔を覗き込む―――と

(;゜Д゜)…………

――な顔で冥王は固まっていた。
「は…ハデス様??」思わず上擦った声に彼は我に返り、一言。

「譲り合ってない。」
………………へ?
「だから、譲り合ってなんかなかった。というか…
ゼウスとポセイドンが冥府の押し付け合で喧嘩始めてた。…壮絶だったなあれは……。」
と言ってふるふる首を振りながら冥王は遠い目をしてますが……って
ぅえ???
「見かねて私が冥府を受け持つと言ったが…また取っ組み合いになったなあいつら。……天上の覇権賭けて。」あれ?…兄弟愛の美談は………。
「ああ、それでキレたヘスティアがあの二人を薙ぎ倒して叱り倒した後、籤引きさせたんだったか
……懐かしいな。」
「は………はぁ……。」
皮膚ごしに伝わる楽しそうな振動も
在りし日に思いを馳せて目を細める至近距離のとろけるような笑顔も
今は遠い。



………………………知らなきゃよかった。こんな真相。

590 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/06/15(金) 23:00:11 ID:7ORkvu5b]
以上ほん嫌。訳して
本当にあったら嫌なギリシャ神話〜冥府王妃は知った!兄弟愛美談の裏の真実〜

あと先日のGJありがとう。このスレでハデスに萌えたままにやってみたんだよ。


591 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/06/15(金) 23:41:18 ID:7wQ1zgms]
ハデスたん苦労人wwww GJ!

592 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/06/16(土) 00:09:13 ID:ZWumdVa4]
どこまでハデスに萌えさすのかとww
GJ!!できればもっとエロも…ペルタン(;´Д`)ハァハァ

593 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/06/16(土) 01:38:12 ID:hq4mB1cZ]
GJ!やっぱりハデスは一歩引いた感じだよね。

ゼウス「俺が冥界を受け持とう。」
ポセイドン「いやいや俺が受け持とう」
ハデス「ここは私が…」
ゼウス、ポセイドン「どうぞどうぞ。」


594 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/06/16(土) 18:30:05 ID:mi+UycdI]
ちょww
腹痛ぇww
ダチョウ倶楽部かよww

595 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/06/16(土) 23:01:14 ID:+fJUrjXb]
あの二柱ならやりかねんな。ポセイドンも結構無茶だし。他も大概だが。

596 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/06/19(火) 01:34:35 ID:eHTRLcmL]
やべぇ・・・冒頭だけで萌え死ぬかと思ったぞ
オチもGJww

597 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/06/19(火) 15:12:49 ID:jBTS6LGf]
ハデスGJ!!
できればもっとペルと甘々なふいん(ryを!!

598 名前:ソロモン35柱×56柱 mailto:sage [2007/06/20(水) 03:16:16 ID:T8GYnJC/]
ソロモン72柱の魔神。
35柱×56柱。
微獣姦風味、微グロ風味(殺人表現有り)につき、苦手な方は脳内消去願います。











 





599 名前:ソロモン35柱×56柱 1/8 mailto:sage [2007/06/20(水) 03:17:01 ID:T8GYnJC/]
「如何ですかな?契約のルーンに縛られては、貴女といえども逃れるのは容易ではないでしょう」
「…………嫌、です……あの子の………
 …マルコシアスの力をそんな風に使おうとする人の命令なんか聞けないです……」
「さても強情なお方だ。いい加減、考えを改めてはいただけませんかな、吟遊公爵殿…?」

竜涎香、麝香、白檀、薔薇、ガルバヌム、アロエ、珊瑚、鳩の血、雀の脳……。
魔方陣の中央に置かれた火鉢の中では金星に属するありとあらゆる香料が焚かれ、
石造りの室内に甘ったるい香りが充満していた。
部屋のあちこちに置かれた真鍮の容器や魔神の紋章が刻まれた真鍮円盤などの小物から見るに、
この部屋で天魔召喚法が試されているのは間違いないようだ。
事実、血玉髄で描かれた魔法円の中には、ペンタクルが刻まれた指環を嵌めた魔術師が…。
また、その傍らには、二つの護符が刺繍されたローブを纏った助手が立っている。
そして、そんな魔術用小物に身を固めた彼らの目の前……。
2フィートほど離れた場所に描かれた魔法三角陣の中に、一人の少女が座り込んでいた。
年のころは17~18歳というところだろうか。
ほっそりとした……それでいて胸の膨らみや腰から下のラインは恐ろしく肉感的な身体を、
金糸の刺しゅうを施したベルベットのドレスで包んでいる。
序列56番の吟遊公爵、グレモリーだ。
一見、所在無げに石の床に座り込んでいる彼女だが、それ相応の魔力を持った者の目には
彼女の豊かな胸や細い腰、柔らかそうな腿を縛る魔法鎖が見えるはずである。
魔法鎖とは、召喚者を守るための護符や陣の力が具現化したものだ。
この力に縛られている限り、召喚された天魔は召喚者に逆らうことはできない。
そして、魔法鎖に緊縛されたグレモリーの姿が見えているのだろう。
でっぷりと太った魔術師は、
好色そうな笑みを浮かべて魔法三角陣に囚われたグレモリーに猫撫で声で話しかけている。
だが、どこまでも要求に応じようとしない悪魔王に、とうとう痺れを切らしたのだろう。
眉をしかめた魔術師が、傍らの机に置いてあった小さな箱を取り上げた。

600 名前:ソロモン35柱×56柱 2/8 mailto:sage [2007/06/20(水) 03:17:43 ID:T8GYnJC/]
「そのように頑なですと、こちらとしても手荒な真似をしなければならぬでしょうなぁ」
「…………え…っっっっ、ま、まさか…それ、は……!?」

不敵な笑みを浮かべた魔術師が、手に持った小箱をグレモリーの前に掲げてみせた。
その箱の中には、グレモリーの名と紋章を記した紙片が入れられている。
彼女の名前と紋章が記された紙片が箱に収められているということは、
象徴的には彼女自身が箱の中にいるということになってしまう。
ようやく意を悟ったか、俯いて瞳を伏せていたグレモリーの頬がすうっと青ざめるのを見、
笑みを深めた魔術師は箱を炎に近づけ、幾許かの文言を口の中で小さく唱えた。
その途端、魔法三角陣に囲まれたグレモリーの身体がビクンと大きく跳ね上がる。
箱の中に納められた紙片を焦がす炎の熱が、彼女の体に伝わっているのだ。
己の腕で己の身体を抱きすくめ、胎児のように体を丸めながら、
囚われの悪魔王はその細い頤を仰け反らせた。

「あっ、あっ…いや、やめて……やめてくださ…あぁっっ!」
「それにしてもいい格好ですな。魔法円の中から出られないことが悔やまれますよ」
「んんっ!あっ…あっ…はぅ…ああっ!!」

肌を焼く苦痛に、グレモリーの身体が幾度も大きく跳ね上がる。
嬌声にも似た悲鳴を上げる悪魔王は、自身の純白のベールが埃に煤けていることも、
ドレスの胸元は肌蹴かけていることにも、
スカートの裾が太腿が見える程に捲れ上がっていることにも気がついていないようだ。
そのせいか、抜ける程に白い彼女の肌は、隠されることなく男たちの目の前に曝け出されていた。
魔法鎖で全身を緊縛され苦痛に喘ぐ悪魔王の姿を、魔術師の目が余すところなく見つめている。
彼が悪魔王を眺める視線は、よく調教された奴隷女を眺める主人そのものの目だ。






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