- 420 名前:既にその名前は使われています [2009/03/13(金) 15:27:36 ID:6bEa2uc0]
- とある病院での夜中の出来事。
記録室で書き物をしていたらひょっこりと部屋を覗く気配がした。○さん。 「どうしたの?○さん」 声を失う手術をした○さん、困ったように立っている。 「家に電話?何かあった?書類なら今書いてるよ?」 小指を立てたあと、額に手を当てて頭をゆらゆらさせている。 小指・・・女・・・女房。・・・・気分悪い? いま、○さんに奥さんが付き添ってる事を思い出した。 「奥さん、気分悪い?見に行った方がいい?」 ○さんがうなずいた。急いで○さんのいる部屋に走る。 部屋が見えたとき、部屋から息子さんが出てきて「すいませんお袋が!」と叫んだ。 具合の悪そうな奥さんを息子さんと2人で病棟に移し 疲れによる貧血だろうということで、点滴をしてしばらく様子を見ることにした。 しばらくして様子が落ち着いたのを見て、家に帰れるように奥さんと息子さんに ○さんの診断書を渡した。同時に○さんが奥さんの不調を教えてくれた事も。 なんだか奥さんは泣いていて、息子さんは泣きそうだった。 迎えに来た車を見送って、つぶやいた。さよなら、○さん
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