- 1 名前:ボラえもん ★ [2022/06/30(木) 12:35:15 ID:dncgLJZG9.net]
- 参院選では「物価高」が争点となり、「岸田インフレ」と呼ぶ野党やマスコミもあるが、
物価の状況などを踏まえると、日本の現状は「物価高」「インフレ」といえるのだろうか。 5月の消費者物価指数をみると、総合指数(前年同月比、以下同じ)は2・5%上昇、生鮮食品を除く総合指数は2・1%上昇した。 生鮮食品およびエネルギーを除く総合指数は0・8%上昇だった。4月とほぼ同じ水準だといえる。 5月の生鮮食品は12・3%上昇、エネルギーは17・1%上昇だった。 これらが大きく上がっているので、「総合指数」と「生鮮食品を除く総合指数」がそれぞれ2%超の上昇となった半面、 「生鮮食品およびエネルギーを除く総合指数」は0・8%上昇にとどまったわけだ。 海外をみると、「食品およびエネルギーを除く総合指数」が4~6%以上の上昇になると「インフレ」と騒ぎ出す。 この意味で、日本のマスコミが「生鮮食品を除く総合指数」の2・1%上昇をとらえて、「インフレ目標を2カ月続けて超えた」と大騒ぎするのには、かなり違和感がある。 そもそもインフレ目標は、2%ピタリを目指すものではない。 国際的には、目標値のプラスマイナス1%は許容範囲内なので、インフレ目標を超えたという言い方はしないだろう。 しかも、インフレ率の基調を示す「生鮮食品およびエネルギーを除く総合指数」が0・8%の上昇なら、目標をクリアしているかどうかも怪しい。少なくとも長期にわたりクリアしているとはいえない。 いずれにしても、今の状況で「インフレ」とは言いがたい。 もっとも、岸田文雄首相が言うように「日本のインフレ率は欧米より低く、物価対策が功を奏している」というのも難しい。 インフレ率が低いのは、日本でまだGDPギャップ(総需要と総供給の差)があるからだ。 GDPギャップの存在は、まだ完全雇用を達成できていないことを意味する。 つまり、補正予算を渋り、失業を容認しているわけで、岸田首相が胸を張って誇れることではない。 電気・ガス料金や食品価格上昇に対する正統派の政策は、ガソリン税や個別消費税の減税だ。 その上で、コロナ禍の行動制限で消費に回らなかった「強制貯蓄」を動かすのがいい。 4、5月の消費者物価指数を見る限り、「強制貯蓄」はまだ動いていないとみるべきだろう。 これは補正予算で、強制貯蓄を動かすための「呼び水」措置を取らなかったからだ。 補正予算で「Go To トラベル」の再開でもしておけば、夏休みの前倒しにも、旅行需要の喚起策にもなっただろうが、 岸田政権は参院選後に先送りした。その不作為が、4、5月で物価統計に変化がなかった大きな要因ではないか。 ガソリン税や個別消費税の減税、呼び水措置を実施すれば、「生鮮食品およびエネルギーを除く総合指数」が2~3%上昇というマイルドなインフレになるだろう。 これは、同時に完全雇用に近い状況も達成できるので、マクロ経済政策としては合格点だ。 (元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一) https://www.zakzak.co.jp/article/20220629-HQ7CSLU3EVJBBD6VGKWK3MXSMM/
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