- 1 名前:樽悶 ★ mailto:sage [2021/08/02(月) 21:49:02.25 ID:7YpUPV8Q9.net]
- 「祖父はホロコースト(ユダヤ人大量虐殺)を逃れました」。日本在住約20年になるユダヤ人女性はホロコーストで多くの親戚を亡くした。東京オリンピックの開会式直前に明るみに出たホロコーストをやゆするコントに胸を痛めた。東京五輪が開催される中、女性は今、何を願うのか。【木許はるみ/デジタル報道センター】
◇取引先への準備中に知った「やゆ」 女性は、エフラット・エデリーさん(45)。夫のビンヨミンさん(44)は、イスラエルで最も規律の厳しい「超正統派」に所属する、同国政府公認の日本の首席ラビ(宗教指導者)だ。夫妻で1999年に来日し、4〜20歳の子供10人と暮らす。ユダヤ教の規律に沿った品物であることを示す「コーシャ」を認証する日本初の株式会社「コーシャ・ジャパン」を夫婦で営んでいる。五輪期間中は取引先にコーシャの食品を提供するため、準備に追われる日もあるという。 ホロコーストのやゆを知ったのも、取引先への準備の最中にあった知人からの連絡だった。東京五輪開会式のショーディレクターだった、元お笑いコンビ「ラーメンズ」の小林賢太郎さんの過去のコント映像が21日夜からインターネットで拡散したのだ。これに対し、米国のユダヤ系人権団体が非難声明を発表。東京オリンピック・パラリンピック大会組織委員会が、開会式の前日に小林さんを解任する事態に発展した。 騒動発覚から4日後の7月25日、都内の礼拝所を兼ねた自宅を訪れると、エフラットさんがにこやかに迎えてくれた。室内の本棚には聖書が並び、子供たちは机でビーズを広げていた。 「一般に、ホロコーストや人の苦しみをジョークに使う人は厳しく叱られるべきです。なにも対処しなければ、それに賛成していることになってしまいます。まして公人は、その言葉がたくさんの人たち、特に若い世代に影響を与えるので、自分の言葉に細心の注意を払わないといけません」 エフラットさんの笑顔が消え、丁寧に言葉を選んで話し始めた。 「私たち家族はほとんど全員が殺されましたが、私の祖父と祖父の妹だけが生き残りました」 ◇生存者の祖父から学んだこと エフラットさんの祖父のギドン・クルト・ライヒさんは、ユダヤ人の大量殺害が始まった1941年ごろ、ウィーンで家族と暮らしていた。ライヒさん一家は収容施設に移送されることを恐れ、ライヒさんはスイスへ、ライヒさんの妹は英国へ逃げた。「スイスとの国境付近で、スイスの警察に見つからないように、何日もかけて監視の目をくぐり、入国ができたと聞きました」(エフラットさん)。一方、ライヒさんの両親は、ライヒさんの高齢の祖父母がいたために逃げることができず、列車に乗せられて移送され、収容施設で亡くなったという。 ※省略 ◇「責め続けても何も生まない」 エフラットさんがライヒさんから得た経験は、今回の問題に対する思いにも通じている。 「小林さんの場合は違うと思うんですよね。(ジョークを言った)当時の小林さんは未熟で経験不足だったからです。彼が悪意を持ってホロコーストをジョークにし、それを何度も繰り返したのであれば問題です。しかし、これは一度だけのことで、小林さんは公に謝罪しました」 小林さんが組織委を通じて発表したコメントには「思うように人を笑わせられなくて、浅はかに人の気を引こうとしていた頃だと思います。その後、自分でも良くないと思い、考えを改め、人を傷つけない笑いを目指すようになっていきました」「当時の自分の愚かな言葉選びが間違いだったということを理解し、反省しています」などとつづられている。 「本人が後悔しているのなら、その気持ちを受け止めたいです。本人が自分を責め続けても、何も生まれません。間違った言葉を使ってしまったら、周りの人がそれを指摘すればいい。そうしないと、みんな、批判を恐れるばかりで、失敗から学べなくなってしまうのではないかと思います」 エフラットさんは穏やかな表情で、語りかけるように続けた。 「私たちは、不幸に直面しても前を向くことの大切さを歴史から学んできました。今後、間違った言葉を選ばないために、差別を防ぐために、私たちは何をすればよいのでしょうか。小林さんは、その経験と影響力を使って、若い人たちに何が良い言動かを伝えることができるはずです。一連の小林さんの過ちと後悔と謝罪がスプリングボード(跳躍台)のように働いて、共感と前向きな考え方や言動、そして他者への寛容さなど、良い影響が広がっていくことを望んでいます」 毎日新聞 8/1(日) 15:00配信 https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20210801-00000032-mai-cul https://amd-pctr.c.yimg.jp/r/iwiz-amd/20210801-00000032-mai-000-1-view.jpg
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