- 1 名前:みつを ★ mailto:sage [2017/11/19(日) 09:51:28.09 ID:CAP_USER9.net]
- www.afpbb.com/articles/-/3150468
2017年11月19日 9:00 発信地:ベルリン/ドイツ 【11月19日 AFP】ディズニー(Disney)のトップスターといえば、世界中ほとんどどこでもミッキーマウス(Mickey Mouse)だが、ドイツは例外。この国ではドナルドダック(Donald Duck)が王様だ。文豪ゲーテ(Goethe)の国に、かんしゃく持ちのドナルドダックを主人公とするコミックが上陸してから50年以上にもなるが、雑誌の売店では今なおベストセラーとして根強い人気を誇っている。 短気なドナルドダックとその家族──金貨のプールの中で泳ぐのが好きな裕福でけちな伯父さんスクルージ・マクダック(Scrooge McDuck)や、ドナルドのいたずら好きなおいっ子ヒューイ(Huey)とデューイ(Dewey)とルーイ(Louie)を描いたいわゆる「Lustiges Taschenbuch、LTB(「おかしなペーパーバック」の意)」を読んで育った子どもたちは、この国には何世代もいる。 今でも夢中になっている大人の読者も多く、「ドナルディスト」という名称もあるほど。中でも熱烈なファンは、定期的に集まっては最新刊を一緒に熟読、分析し、色鮮やかなコミックの版ごとの違いを指摘し合う。 「(分析した)結果は私たちの業界誌「ザ・ドナルディスト(The Donaldist)」に掲載され、年次総会で発表され、皆で論議します」と語るアレクサンダー・ポス(Alexander Poth)氏(46)が初めてLTBに出会ったのは2歳のとき。ポス氏はこの年次総会を主催しているドイツ・ドナルディズム非商業会員組織(D.O.N.A.L.D)の会員だ。 エリカ・フックス(Erika Fuchs)氏はドイツでのドナルド人気に一役買ったが、初めて編集者からコミックの翻訳を依頼されたときはおじけづいたという。 フックス氏は結局その仕事を引き受け、ディズニーのイラストレーター、カール・バークス(Carl Barks)氏が生み出した架空の町ダックバーグ(Duckburg)を永遠に造り替えてしまった。コミックの原作を直訳する代わりに、ドイツ南部オーバーフランケン(Oberfranken)地域に舞台を設定し、物語にバイエルン(Bavaria)の典型的な農家とパン屋を加えたのだ。 ■ドナルドダックが浮き彫りにするドイツ人の真のメンタリティー 出版社エグモント・エハパ(Egmont Ehapa)の販売責任者クリスティアン・ベーア(Christian Behr)氏は、LTBの年間売上部数は500万部、月間売上部数は平均約42万部に上り、今月初めに第500版が刊行されたことを明らかにした。ベーア氏によれば、中心的な読者層は25歳以上。この層は熱心なコレクターでもあるという。 独フランクフルトのゲーテ大学(Goethe University)でグラフィックノベルを研究しているベルント・ドレバインカウフ(Bernd Dolle-Weinkauff)教授は、手軽に読めるペーパーバックという形態と、ディズニーのコミックの品ぞろえが豊富なことがこれほど長く人気を呼んでいる理由だと指摘する。 一方で、ドナルドダックにドイツ人がこれほど執着する理由は、販売戦術だけでは説明し切れないとドレバインカウフ氏は語る。「これはマーケティングの問題ではなく、おそらくドイツ人特有のメンタリティーの問題でしょう。研究してみるべきですね」 ドレバインカウフ氏はこう分析した。「ミッキーマウスと対照的に、ドナルドダックは永遠に不運なアヒルです。何をやってもうまくいかないルーザー(敗者)ですが、絶対にあきらめない」「皆、どうやってドナルドダックがいつも問題を解決するのか、どんな突拍子もない考えを思い付くのかを見たがっているのです」 実際、ドナルドダックは「プロイセンの役人、兵隊、常にきちんとしている、という外国人が思い描くドイツ人気質」とは「正反対」だとドレバインカウフ氏は指摘する。 ■「利口ぶった」ミッキーマウスに比べて… 「ドイツ人に対する先入観が間違っていることがこれで分かります。これは認識される必要があると思いますね。そうでなければ、ドナルドダックがこれほどドイツ人に好かれるわけがない。いずれにしろ、ドイツ人の自分たちに対するイメージは(外国人がドイツ人に対して抱いているものとは)違います」 「ドナルドダックは完璧ではない。そこが好ましいのです。私たちがドナルドダックを笑うときは、自分のことを笑っていることが多いのです」 「ミッキーマウスは利口ぶっている印象が多々あります。そういう面は、そねまれても、人気にはつながりません」と言うと、ドレバインカウフ氏は続けた。「ドナルドのそばにいると心地よいのです。ミッキーの隣にいるより自分が良く見えますからね」(c)AFP/Hui Min NEO
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