- 1 名前:しじみ ★ mailto:sage [2018/07/12(木) 14:10:16.48 ID:CAP_USER.net]
- ケニアに、女性だけの小さな小さな共和国がある。25年前、男性から暴力被害を受けた女性たちが、故郷を逃げ出し、
自分たちで共同体をつくったのだ。「国の支援など当てにしていられない」と自ら行動を起こし、 自分たちの手で「女性が輝く社会」を実現させた。しかし、彼女たちのささやかな抵抗と成功に、既存社会は──。 ■「宿命」を断ち切るために 草木も生えない平原の真ん中に、木材やプラスチックで作られた10棟ほどの小屋が立っている。 夜にはゾウやヒョウがやってくることも珍しくない。モプコリ村は、暮らすには過酷な環境だと誰もが思うだろう。 だが、当の村人たちにとっては、平和な隠れ家なのだ。 「ここで暮らせてすごく幸せです。だって自由ですもの。ここには、私たちを縛るものは何もない。 私たち自身が力を持っているんです」 ネピ・レレグウェニはそう言って微笑んだ。穏やかな目つきで、幸せそうにはにかむ彼女は、42歳にして村の長老を務める。 この特殊な共同体の住民は26人。その一部が、大きなアカシアの木陰に集い、彼女を取り囲んでいた。 すべては、生まれ育った村での宿命から逃がれるためだった。ナイロビから約300km北上すると、 アーチャーズポストというサンブル族の町がある。そこから数km離れたところに、数人の先駆者が、 この小村をつくり上げた。いまから25年前のことである。 遠縁にあたる部族のマサイ族と同じく、サンブル族は結婚前に、女性器切除(女子割礼)をおこなう風習がある。 もともとは伝統儀礼として、もっと幼い年齢でおこなわれていたものだ。 貧しく、孤立したこの地域では、女の子は早々に学びの機会を奪われる。 ケニアでは、英語やスワヒリ語は小学校で学ぶのだが、この地域の人々はどちらもほとんど話せない。 女性は母親の役割を徹底的に求められ、社会的にもきわめて軽んじられている。家庭内暴力は日常茶飯事だという。 モプコリ村の女性たちは、そんな宿命を断ち切ろうと決意した。ジェルネサ・レキロイもその一人。 いまのところ、彼女が村一番の新参者だ。 「だいたい28歳ぐらい」というジェネルサは、2017年10月、夫や家庭、村を捨て、 40km以上離れたこの場所に徒歩でやってきた。女性のための避難所があるというのを耳にしたことがあったからだ。 「5人の子供を連れて、歩いてきたの。小さい子供もいたから何度も休憩を取らなければならなくて、2週間かかったわ」 ジェネルサは、子供のような表情で語る。 「私が結婚した相手はすごく暴力的で、お酒もめちゃくちゃ飲む人だった。 ヤギを300頭所有していたのに、全部お酒に代えてしまった。とにかくあの男だけは戻ってきてほしくない。 どうせまた私のことを殴るもの」 ■男性のプライドをくすぐりながら じつはこの村では、男性の存在が一部、認められている。 https://courrier.jp/media/2018/07/06035934/s_GettyImages-490529610-e1530785470199-625x352.jpg https://courrier.jp/media/2018/07/06050013/s_GettyImages-490528980-e1531127475484.jpg https://courrier.jp/news/archives/127131/
|
|