- 1 名前:Egg ★ [2021/11/28(日) 09:14:04.60 ID:CAP_USER9.net]
- 原作は大ベストセラー、当代の人気俳優をこれでもかと並べ、予算をたっぷり使った最先端CG映像……と鳴り物入りだったが、TBS系ドラマ「日本沈没―希望のひと―」(日曜夜9時)の評判はさっぱりである。いくらSFだとしても、登場人物たちがあまりにも嘘っぽいというのだ。
主人公の天海啓示(小栗旬)は「日本を救うのは自分しかいない」と思い上がったエリート官僚で、まるで2.26事件の青年将校みたいだし、石塚平良(ウエンツ瑛士)ら「日本未来推進会議」の他のメンバーは、各省の精鋭を集めたというのにボンクラばかり。関東沿岸が沈没しても、東山栄一総理(仲村トオル)は首相官邸の緊急対策本部で指揮を執るでもなく、山あいの避難所を訪れて「みなさん、ご苦労さまです」では、まるで村長である。 週刊誌記者の椎名実梨(杏)も、数々のスクープをするのに取材場面は描かれない。異端の地震学者・田所雄介(香川照之)、自民党の二階俊博元幹事長と麻生太郎副総裁を重ねたような里城弦副総理(石橋蓮司)の怪人ぶりも、ギャグとしてはオモシロいが……。 「リアリティーのなさは、脚本の橋本裕志がアニメ・コメディー系を得意としていて、政治家や官僚をステレオタイプでしか知らないからでしょう。『華麗なる一族』『官僚たちの夏』の脚本も手掛けてますが、そのときも登場する医者や官僚たちはワンパターンで、底の浅い印象でした」(ドラマプロデューサー) しかし、このドラマ、数字は絶好調だ。世帯視聴率でも個人視聴率でも、お化け番組「ドクターX〜外科医・大門未知子〜」(テレビ朝日系)とトップ争いを演じている。人気の秘密はどこにあるのか。毎週見ているという中年テレビファンはこう話した。 「首都直下地震はそう遠くない将来に必ず来るわけで、その時どうなるんだろうという怖さというか、興味から見てしまいます。まあ、ドラマの陳腐さはともかく、地割れが走ったり、ビルが倒壊したりは実際に起こることですからね」 阪神・淡路大震災、東日本大震災の後も強い地震は各地で続いていて、このドラマが始まる直前には東京、埼玉で震度5強、始まってからも震度3以上の地震は21回も起きている。沈没や大地震のCG映像は決して絵空事ではないということで、それが高視聴率を叩き出しているのだろう。 残念なのは、そのCG映像と実写映像のマッチングが悪いことだ。たとえば、地割れから天海と椎名が逃げるシーンでは、背後のビルの崩壊と2人が走るスピードがバラバラで、昔の円谷特撮映画のようだった。せっかく豊富な予算を使っているのにもったいない。本物のデータに基づいてもうちょっと丁寧でリアルな映像はつくれなかったのか。NHKスペシャルの防災ドキュメントに明らかに負けている。 ドラマはクライマックス。日本列島は太平洋にのみ込まれるのか、迫力ある映像で見せて欲しい。 日刊ゲンダイ 11/28(日) 9:06 https://news.yahoo.co.jp/articles/c065b2ff583ea9ec3032cb10168340f5fb4b50df 写真 https://newsatcl-pctr.c.yimg.jp/r/iwiz-amd/20211128-00000008-nkgendai-000-1-view.jpg?exp=10800
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