- 1 名前:きつねうどん ★ [2020/10/01(木) 19:28:25.67 ID:CAP_USER.net]
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「スカスカおせち」事件よりも、その原因が問題だ。(*画像はイメージで本文とは関係ありません) 共同購入型クーポンサイトの米グルーポンが2020年9月28日、日本市場からの撤退を発表した。2010年8月、同社がその2カ月前に光通信<9435>出身者が創業したばかりだった同業ベンチャーのクーポッド(Q:pod)を1000万ドル(約8億5000万円)で買収して日本に進出。「格安で商品購入やサービスを受けられる」と一世を風靡(ふうび)した。 「スカスカおせち」の背景にあるもの しかし、同年末に半額の触れ込みで販売したおせち料理の内容がウェブサイトで紹介された画像とは全く違う「スカスカおせち事件」で信用が失墜。同年1月から3カ月連続でクーポン売り上げが減少し、リクルート<6098>が運営する競合サイトのポンパレに初めて首位を明け渡した。 その後は「鳴かず飛ばず」の状況が続き、進出から10年で日本から引き上げることになった。同社は撤退を発表した28日をもって、クーポン販売を停止。販売済みのクーポンは有効期限内であっても12月27日までしか使えないが、その場合は返金に応じるという。 一般にグルーポンが日本市場で失敗した理由は「スカスカおせち」などのトラブルで顧客の信用を失ったことにあるとされる。確かにトラブルは多かった。クーポン客向けの商品の質や量を落とすダウングレードや、本来は5000円の商品やサービスを「通常1万円のところを半額提供」とする定価水増しなども発生している。問題は、なぜこうしたトラブルが頻発したのかということだ。 「一見客狙い」のクーポンがトラブルに 実は同じ共同購入型クーポンサイトと言っても、米国と日本では全く違っていた。正確にいえば、グルーポンは米国型の共同購入型クーポンサイトでサービスを開始したが、早々に日本型へ変更せざるを得なくなる。それが「スカスカおせち」のような商品のダウングレードや、定価の水増しを生んだ。 共同購入型クーポンサイトは「フラッシュマーケティング」の一種。これは一般に24時間から72時間程度の短時間(フラッシュ)に、割引価格や特典がついたクーポンをインターネット上で販売する手法。短時間で集客と販売、見込み顧客の情報収集ができる特徴を持つ。 米国の契約店では集客と販売以上に見込み顧客の情報収集が重視されるが、日本の契約店では集客と販売のみに関心が集まり見込み顧客の情報収集は切り捨てられるケースが多かった。つまり、フラッシュマーケティングを米国は「固定客づくり」に、日本は「一見客集め」のために利用したのである。 一見客目当ての契約店はクーポン利用客が「価格に見合わない」と不満を持ち、二度と来てくれなくても構わない。クーポン発行で一時的に売上が増加すれば「大成功」なのだ。だから、商品のダウングレードや定価の水増しなどのモラルハザード(倫理観の欠如)が発生したのである。 その背景にはグルーポンが設定した手数料率が50%と高かったこともある。たとえば通常1万円の商品やサービスが半額になるクーポンを発行した場合、契約店の売り上げはクーポン価格の5000円のさらに半額の2500円になる。間違いなく赤字だ。 日米で違う「マーケティング」の意味 本来、マーケティングには市場や顧客の創造という意味がある。米国では契約店の多くが、グルーポンに50%の手数料を支払っても「固定客をつかむためのコストと考えれば十分に見合う」と考えた。実際、グルーポンが日本に進出した2010年に米ライス大学が実施した調査によると、回答した米国企業の66%はクーポンの発行が利益につながった回答している。
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