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孤独な大学生77



719 名前:名前は誰も知らない mailto:sage [2007/07/02(月) 21:18:11 ID:GZRIPvOT0]
ユアイが其れに出会ったのは彼女が小学5年生の時だった。
通学路の脇の沼に其れは佇んでいた。
黒い表皮がてらてらと輝き足で水面の上に立っている。
体長は1メートルほど。
狐が二足歩行しているようなそのシルエット。
ユアイは恐れおののき其処を去ろうとしたが
其れに呼び止められてしまった。
「娘。少し頼まれてくれんかな。」
「ひぃっ!」
ユアイは耳を塞いでその場に倒れ伏した。
「私をこの沼から出してくれ。そしてワシの足となってほしい。」
「化け物!!」
ユアイは叫んだ。
其の生き物の方を見ると沼の淵まで移動している。
体が半分沼の中に沈んでいる。
「娘。そこの祠の刀を取れ。そして遠くに投げ捨てろ。」
「嫌だ!」
「しょうがない・・・。」
生き物は黄色い眼をかっと見開いた。
ユアイはそれを見てふっと意識を失った。
その間約5分。
気付くとユアイは祠の刀を投げ捨てていた。
「あっ・・・。」
ユアイは声を出して振り向く。
生き物が沼から這い出てずるずると水を滴らせながら歩いてきた。
表皮は黒く頭は狐のような形をしている。しかし体は痩せた人型だ。
ユアイはその不気味さに恐れおののく。
「ワシの足になれ・・・ワシと一つになるのだ・・・。」
「いやっ・・・。」
ユアイは逃げ出そうとしたが足が固まって動かない。
生き物はすぐ目の前に迫っている。
生き物の人間のような4本指の手がユアイの胸に近付く。
指はユアイの胸に触れるとそのままズブズブとユアイの中に入っていった。
「あ・・・。」
ユアイは違和感を腹に感じて身悶えする。
「ワシはお前の中で生き続ける。融合型フェリポンと言ってな。ひっひっひ・・・。」
生き物はさらに頭をユアイの胸に押し当てズブズブとユアイの中に入っていった。
其の日からカミヌマ・ユアイとフェリポン・鵺の共同生活は始まった。
鵺は夜には幼いユアイに性交渉を求めた。
力の無いユアイは鵺のなすがままに任せるしかなかった。
鵺の力は後のレッドラム、ユアイにとって最大の武器となる。

第二次レッドラム大戦まであと12年。







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