- 709 名前:名前は誰も知らない mailto:sage [2007/07/02(月) 17:31:03 ID:GZRIPvOT0]
- 「こっちだ!テレーゼ!!」
「馬鹿ミナセ・・・私はあんた等ほど体丈夫じゃないのよ・・・。」 テレーゼが角ばった足場を何とか這いずってミナセの方に向かっていく。 足に怪我をしていて思うように体が動かない。 「私は・・・こんな最低最悪な男の為に・・・まだ動かなきゃならんのか・・・。 ここらで・・・しまいにしてしまいたい。」 「ほっといたら終いになるぞ!!中間界はカントの手の中だ!! 邪宗門!!なんとかテレーゼを引っ張り上げてくれ!」 ミナセが叫ぶと窪地に溜まった水が動き出しテレーゼの手を取った。 「よし!引き上げろ!邪宗門!!」 水がずいずいとテレーゼを引っ張り上げる。 「い・・・痛い痛い・・・痛いよ・・・。」 「邪宗門!そっと頼む!」 20分くらい悪戦苦闘した挙句、二人は手を重ねあった。 「やったぞ!テレーゼ!!さぁ、此処から出よう!!」 「・・・待って私はいけない。アンタ一人で行かないと間に合わないよ。」 「何言ってるほら、早く行くんだ!」 「あなた・・・私を一度は捨てた男・・・私の両親を殺した男・・・ 私なんか・・・あなたの敵でしょう?」 「そんなわけない!お前は俺の女房だ!!」 「私は・・・冷たい人間よ・・・ほら・・・あなたの手の方が温かい・・・。」 「テレーゼ。証拠を見せようか。」 「?」 「此処で最後までお前と手え繋いでくたばってやるよ。」 「・・・・!!!そんな事しないで外に出て!あの子を守って!!」 「俺にはガキ共よりお前の方が大事なんだ!!!」 「!!!・・・。」 テレーゼは項垂れて右手を差し出してミナセの右手を包み込んだ。 「馬鹿・・・。」 テレーゼは最後にそう呟いた。 「中間界!!収束!!!」 カントが叫ぶと手に持った水晶が硝子のように方々に飛び散った。 それに紛れる鮮血・・・ 「母上!!親父ー!!!」 ネプトが叫ぶ。 「さぁ、パスカル。一仕事終わったぜ。この塵屑をさっさと片付けようぜ。」 「油断するな・・・有象無象。」 パスカルが呟いた。 「うわああ!!!ああ!!わああ!!!うわああああらああああああ!!!!!」 ネプトが無茶苦茶に叫ぶ。 「ルナ!!!!親父が!!!!母上が!!!!うわああああああああああ!!!」 天から緑色の閃光がネプトめがけて落ちてきた。 轟音が辺りに響き渡る。 「なんだ!!?」 カントが狼狽する。 「魚眠洞!!!最終章!!!!シーサーペントの章!!!!」 ネプトの後ろに緑色にてらてらと輝く巨大な蛇の姿が一瞬映し出される。 「いーーーいぜ!!そうこなくっちゃ面白くねえ!!!逝くぞパスカル!!」 「油断するな・・・。」 ビョウドウイン・ネプトの第三次レッドラム大戦における最後の戦いが今幕を開けた。
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