- 492 名前:名前は誰も知らない mailto:sage [2007/06/29(金) 14:44:47 ID:OKYVHZvg0]
- ビョウドウイン・ムスイは焦燥していた。
あの強いヒマツリ・ナナセが死んでしまったのだ。 プラトはそんな事は気にもせずに最前線に舞い戻った。 彼女のゴッド・クライシスの咆哮が遠くから聞こえる。 プラトはプラトでカンナミ・アゲハを殺された事で怒り狂っているのだ。 ムスイはそれとは違ってひたすらにダウナーな気分になっていた。 自分もいずれ死ぬのだろうか。この数瞬後にでも。 ムスイは身震いした。今日が自分達の命日なのだ。 何度目かの最終決戦。 人間達の反抗は凄まじさを増している。 自分達レッドラムは今日という日に絶滅されるのではないか? 現に幹部の自分も含めた4人の内2人はもう死んでしまった。 自分は・・・もう此処で蹲って最後の時を待つしかないのではないか? 黒い影が上空を飛んでいった。 プラトのゴッド・クライシスだ。 戦線が此処まで後退したらしい。 ゴッド・クライシスの着地音が爆音の如く辺りに木霊する。 敵が来る。 死ぬ。 ムスイの右手が武者震いを始め勝手に魚眠洞を握り締める。 俺はこんな所ではまだ死ねない。 ムスイは思った。 本当はプラトより強い自分がこんな所で蹲っているわけにはいかない。 ナナセは死んだ。俺も死ぬかもしれない。だがしかし・・・ 「竜宮の使いの章!!!」 ミナセは叫んだ。 魚眠洞がその本来の姿を現す。 ムスイの右手と同化した魚眠洞は竜宮の使いの頭の形を象った。 「逝くぞ・・・弔い合戦だ・・・!」 ムスイは踵を返して戦火の中に舞い戻った。 ゴッド・クライシスの哀しげな咆哮が後ろから迫ってくる。
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