- 1 名前:初のスレ建て [2007/10/01(月) 17:48:19 ID:/aR7sTR+]
- 無口な女の子をみんなで愛でるスレです。
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- 414 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/11/25(日) 22:30:26 ID:kQ33eP4M]
- 【his side】
図書館を出た後、俺達は昨日電話で紹介した店―――洋菓子店へと向かった。ワッフルが有名だが俺としてはシュークリームが一押し。 彼女もそこのシュークリームを気に入ってくれたようだ。証拠に、持ちかえりでいくつかシュークリームを買っていった。家族へのお土産らしい。 その頃になると、図書館の時に感じた沈んだ様子も消えていた。まあ、最初から俺の勘違いだったのかもしれないけれど。 店を出たらウィンドウショッピング。クリスマスまで一か月というこの季節、街は華やかで見ているだけで楽しい気分になる。 一緒に歩いていて俺はいろいろと彼女に話しかけたが、やがてそれもせず隣を歩くようになった。話題が尽きた、というわけではない。 彼女が求めるのはあれやこれやと話題を振ることではない。一緒に何かを見て、何かを聞いて、一言か二言感想を交わす。そんな静かな時間の共有だ。 気の早いクリスマスソングが流れる街の中、穏やかな無言に混ざる小さな声。胸がときめくようで、けれど落ち着くような、そんな時間を過ごした。 確信を持った。俺は彼女のことが好きなのだ。彼女以上の美人や可愛い人は、この世に何人もいるだろう。 けれど俺は彼女を選ぶだろうし、願わくば……彼女に選ばれたい。 俺の心は膨れ上がり、そして揺るがないものになっていった。 「今日はありがとうな、誘ってくれて」 「……こちらこそ……ありがとう」 俺達は街灯と窓からの明かりを頼りに住宅地の道を歩いていた。彼女を家に送るためだ。 吐く息が白い。時間は五時過ぎだが、この時期になるとすっかり日は沈み、女の子を一人で歩かせるわけにもいかない。 ―――と言うのは建前で、本当は彼女の家を知っておきたかったから。別にストーキングするつもりはないので勘違いするなよ? それだけ言葉を交わして、再び無言。気まずくはない。お互いの心が通じ合ってるという確信が温かい。 けれどそんな確信が幻想であると突き付けられるような言葉が、彼女の口からでた。彼女の家の前に来た時だ。 「ここ…」 「あ、うん。それでさ…ハンカチのことなんだけど……」 それをネタにして、俺は次に会う約束を取り付けようとした。だが… 「住所…教えて」 「え?」 まさか家に来てくれるのか!?と、期待した俺だが 「小さいものだから……郵便で送るね」 「………え…?」 幸福で膨れ上がった俺の心に、不意打ちの一言が亀裂を入れた。 なぜ……会えばいいものを……。 茫然と俺は彼女の顔を見る。彼女の顔は、家の窓から差す光で逆光になり、良く読み取ることができなかった。 【her side】 「わざわざ……その為だけに会う必要もないよね」 自分の口から出る言葉は、私の胸を切り裂いていく。けれど、止めることはない。諦めるために必要だから。 彼は、私のことを好きではないのだ。 嫌われている、というわけではないと思う。好かれているのだとは思う。けれどもそれは友達として。私が望む形ではない。 もちろんそれだけで、幸せだと思った。けれど……私の心はそれで納得しないだろう。 彼と街を歩いた時、とても楽しかった。 私の遅い足に合わせてゆっくり歩いてくれる彼。口下手な私の言葉を、急かさずに待ってくれる彼。私の言葉に、しっかり答えてくれる彼…。 好き。彼のことが好き。彼の存在を確認する程に、そんな気持ちがあふれる。叶わない想いが溢れる。それが、堪らなく辛かった。 これ以上彼といたら、彼への想いが溢れ続けたら、叶わない願望と不自由な現実の間で、私は壊れてしまう。 だから…もう会わない。そう決めた。その為に自傷の言葉を紡ぐ。もう私に会わないで。もう私に構わないで。もう私に想わせないで。もう私に… 「…楽しかったよ。バイバイ」 せめて、最後は笑顔を彼の記憶に残したい。泣きそうになった私は、逃げるように家に入ろうとして… 「待てよ」 手首を掴まれ、引っ張られた。 驚く。顔を上げて彼を見る。目が合う。顔が近い。引っ張られた。もっと近づく。小さく声が漏れた。彼の吐息を唇に感じた。そして… ―――私と彼の、唇が重なった。 手から紙箱が落ちた。音がして、真っ白になった頭のどこかが、なぜかシュークリームの心配をしていた。
- 415 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/11/25(日) 22:32:06 ID:kQ33eP4M]
- 【>>his side】
解らなかった。何もわからなかった。 なぜ彼女がそんなことを言うのか?なぜ言ってる彼女の方が悲しそうな顔をしているのか?俺はどうしたいのか?俺が何をするべきなのか? 解らなかった。何もわからなかった。 レポートのために調べたところ、頭蓋骨の中で鎮座している1400t少々の脳味噌様は体が必要とする酸素と栄養をかなりの割合で消費しているらしい。 普段から贅沢させてるんだからこんな時ぐらい働けよ! そんな気持が通じたのか、俺の心の承諾を受けるより早く俺の脳は運動野を中心として行動を起こした。 去ろうとする彼女の腕を掴んで引っ張り寄せて……キスをした。 柔らけえ…。 焦りより、感動が勝った。どれほどの時間が経っただろうか。キスを追え、けれども暴走した脳味噌が支配する俺の体は止まらなかった。 「好きだ」 おいおい。ドラマみたいだな。麻痺した心がそんな感想を漏らす。 「好きなんだ。俺、君のことがずっと好きだったんだ」 繰り返して、俺は言う。眼鏡のレンズを通して見つめた彼女の眼は、丸く見開かれていた。びっくりとか、茫然とか、まさにそんな感じだ。 その彼女の様子を見て、ようやく満足した俺の意思が自分の体の支配権を取り戻す。 最初に俺の心がしたことは、大脳を利用した客観的な状況把握。 ―――女の子を捕まえて、強引にキスをしました。 完 爆死。 「そ、それだけだから!っていうか、だからまた会いたいっていうか…!」 慌てる。俺は慌てまくる。なんてことをしちまったんだ俺は! 「あ、じ、じゃ、じゃあ!また電話する」 なんとかそれだけ言って、逃げるように…というか逃げだした。扉の音がしないことから、彼女はキスをされたまま外にいるらしい。 当然のごとくヘタレな俺は、振りかえることはできなかった。 【>>her side】 「キス……されちゃった」 現実が自覚できたのは、寝る直前だった。パジャマに着替えるまでの記憶がない。髪やお腹の様子からし、お風呂も晩御飯も済ましたようだけど…。 「〜〜〜〜〜っ!」 そんなことはどうでも良い。あ、家族に不審に思われるのはいやだけど…けれどどうでも良い。 「ファーストキス……っ、そ、それに……」 『好きだ』 信じられない! 信じられないっ!! 信じられないっっっ!! まるで子供のように、ベッドの上で足をパタパタする私。どうしたいとか、どうするべきとか、そんなことを考える余裕はなかった。 ただただ、その信じられない現実に、私の頭はパンクしていた。 どれだけそうしていたろうか。私は机の上におかれたポシェットを見る。いつの間にか手に取り、彼のハンカチを取り出していた。 「…>>333くん……の…」 単に、濡れただけの布切れ。けれど私の混乱しきった、そのハンカチには彼の一部のように思えた。 パジャマが濡れるのも気にせずそっと抱き締め、彼に奪われた唇を指先で撫でて… 「>>333…くん……」 ……気づけば、私は変な気持に……Hな気持ちになっていた。 【こ、これ以上は無理っす!誰か、誰か続きを…!】
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