- 661 名前:男です女です名無しです [2012/03/06(火) 09:12:27.10 ID:jsA/KQGm]
- では青春歌謡全盛最後の時代となった昭和42年度の舟木と橋のシングル比較をしてみよう。
この年の橋のシングル発売は、殺陣師一代、名なし草、バラ色の二人、恋のメキシカンロック、 東西南北音頭、そばにいておくれ、若者の子守唄、佐久の鯉太郎、思い出のカテリーナの9曲。 一方、舟木は一心太助江戸っ子祭り、星の広場へ集まれ!、夏子の季節、心こめて愛する人へ、 夕笛、センチメンタルボーイの6曲。 曲数では橋の方が多いが、各曲のヒット度では舟木が圧倒する。 特に舟木のシングルはこの年は両A面曲が多い。星の広場へ集まれのB面は映画主題歌北国の旅情、 夏子の季節のB面は日本テレビドラマ主題歌あいつと私、夕笛のB面はファンに人気の高いさんざしの花咲けば。 つまり、少数精鋭でレコード発売を絞った結果年間6曲と、舟木デビュー以来一番少ない発売枚数となっている。 一方橋・西郷はともに10枚前後レコードを出しているが、当時の芸能誌によると5万行くか行かないかで 完全に折柄のGSブームに足をすくわれたカッコウだと書かれている。そんな中でも舟木は少数精鋭で レコード戦略を立てたお陰で橋・西郷を大きく上回るヒットがこの年も続いたのである。 橋のこの年のヒットは、殺陣師一代、恋のメキシカンロック、佐久の鯉太郎だろうが、 殺陣師一代対一心太助江戸っ子祭り、バラ色の二人対星の広場へ集まれ、恋のメキシカンロック対夏子の季節、 若者の子守唄対心こめて愛する人へ、佐久の鯉太郎対夕笛と比較してみて、明らかに橋の勝利と言えるのは 恋のメキシカンロックのリズム歌謡のみ。しかもこの曲も西郷輝彦の両A面盤・願い星叶い星&メキシコ娘に対しては弱い。 恋のメキシカンロックは80年代にザ・ぼんちや清水アキラが物まねをして世に再び出る前はベスト盤にも収録されない ロスト歌謡になってたところからも、橋のリズム歌(吉田作品)の中では一番売れなかった作品だと思われる。 それが橋にとってこの曲がリズム歌謡の最後になったことからもよくわかる。 この頃から舟木に対する橋の劣勢に気を揉んだ橋ファンの間から「原点に戻って股旅の新曲を」という願望が出てくる。 当時の歌本等を見るとそれが書いてあり、それによって久しぶりにヒットを狙える股旅の新曲として 10月に佐久の鯉太郎が発売されて、おそらく37年の中山七里以来の久々の股旅のヒットにはなったが、 一方の舟木は8月に最強力盤「夕笛」を出していて映画共々話題性も高く歌本人気アンケートでも1位独走状態だから 結局、佐久の鯉太郎はこの年のレコ大ノミネート曲にすらなれなかったのである。 舟木はこの年映画主題歌を前年同様数多く歌っている。 一心太助江戸っ子祭り、北国の旅情、心込めて愛する人へ、夕笛、センチメンタルボーイ、(ドラマ主題歌・あいつと私) この年出した舟木のレコードのA・B面どちらか一方は必ず映画主題歌かテレビドラマ主題歌という勢いである。 この年後半の舟木の十八番である叙情歌謡心をこめて愛する人へ・夕笛の強力盤に対しては 橋も西郷も対抗する手段が無かったのである。それは、この年半ばから西郷がむしろ舟木路線に近づいてきて はまなす日記、潮風が吹きぬける町等の舟木的叙情歌謡の新曲を出した事実を見てもわかる。 つまり昭和42年度の御三家青春歌謡の売れ線は舟木路線であり、洋楽志向の西郷ですら舟木模倣の 叙情歌謡の新曲を出させるような結果を生んだのである。 以上のことから、青春歌謡ブームの成熟期〜終末期にあたる昭和41・42年のレコード面での勢いは 舟木の圧勝と言うことがわかる。だから舟木一夫は御三家筆頭なのである。 ちなみにこの年の舟木と橋の映画の比較をすれば、それがより鮮明になる。
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