- 234 名前:名無しは無慈悲な夜の女王 mailto:sage [03/06/23 22:33]
- 僕が一番好きな比喩表現は、「テラプレーン」の
「ドクの額が、石を投げこまれた水のようにざわめく」 というやつです。 黒く沈んだ顔の上で陽光に照らされた額に、突然 深いしわがぎゅっと刻まれるイメージが鮮やかに浮かびました。 "His brow rippled like water into which a stone had been dropped" 原文だと意外にモタモタしていて、これについては黒丸訳のほうが 圧倒的に美しいと思います。 翻訳者が原作者に「勝つ」ところを見るのって、ちょっと痛快。 あと、「ヒーザーン」の 「男女間の真の友情という希有な関係にセックスをもちこむのは 真珠に自分のイニシャルを刻むようなものだ(要約)」 という一文も、ものすごく好きです。 アフォリズムという言葉も知らなかった二十歳まえのSFっ子に、 なにやら「ブンガク的」なものへの憧れを植え付けてくれた作家でした。
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