1 名前:田杉山脈 ★ [2022/01/26(水) 22:51:34.54 ID:CAP_USER.net] マツ 「MacはLinuxだった」という趣旨のツイートが話題になっていて、ああそういうこともあったなあ、と思い出したので、ちょっと昔語りしようかなと。茶でも飲みながら。 ヤマー 私は紅茶を用意してきます。 戻ってきました。macOSは何がベースになっているかって話ですよね。 マツ 結論から言っちゃうと、現在のmacOSはUNIX系列のOSではあるけど、Linuxではないです。macOSのベースになっているのはDarwin。DarwinというのはAppleが買収したスティーブ・ジョブズの会社NeXTが作っていたOS、NeXTSTEPをベースにAppleが作ったオープンソースOSで、そのコアはMachという、CMU(カーネギーメロン大学)が開発したマイクロカーネルだったという話になります。 ヤマー おっと、いきなり饒舌になりましたねw マツ 長くなるのよ、この話は。そもそもLinuxって何なのよ、macOSの元になったというNeXTSTEPって何なのよ、という話になっちゃうから。それらの源流であるUNIXって一体どういうもので、Macとの関わりはどうだったのか、という話にもなる。 ヤマー 大元はUNIXだってのは知識としてあります。 マツ UNIXというのはAT&T(携帯電話会社である今とはだいぶ様相が違う、IBMと並ぶ巨大企業だった)が開発してライセンスを持っていたOSで、そこから仕様や著作権を巡って大きく2つの派閥に分かれるというところはOK? ヤマー 分からないですw マツ System V系とBSDという2つの系統に分かれていたんですよ。BSDというのはBerkeley Software Distributionの略で、カリフォルニア大学バークレー校が作ったディストリビューションという意味で、UNIXのソースコードを作って開発された分家みたいなもの。だけどこっちの方が使いやすいってんで人気があった。 ヤマー System VがUNIXを開発したAT&T直下のもので、分家のBSDの方が使いやすかったと。よく聞くBSDってここが出発点なんですね。 なぜMacでUNIXが使えるのか マツ で、このMachを開発していたのがCMU。それを開発していたのがアヴィー・テヴァニアンという学生で、彼がNeXTに入って、そこでNeXTSTEPを作り上げていった。 ヤマー NeXTはジョブズがAppleを追放された後に作ったワークステーションなどを手掛ける企業ですね。 マツ そうです。この頃のPC用OSは、低機能なものだったんだけど、テヴァニアンが中心となって作っていたMachはマイクロカーネルで移植性の高いものだった。NeXTSTEPではMachマイクロカーネルにBSDカーネルなどを追加したXNUというコアOSを採用していて、これはマイクロカーネルとモノリシックカーネルという2つのいいとこどりをしたハイブリッドカーネルという方式らしいんですが。 で、当時のワークステーションメーカーはみんなUNIXを自社向けに移植・拡張したものを使っていた(もともと独自OSを使っていたIBMやDECのような例外もあったけど)。PCの先にはこうしたワークステーションで使われているUNIXがあって、それが未来像だ、というのは多くの人が共通認識として持っていたんですよ。 ヤマー どれもUNIXベースだけど、ワークステーションメーカーごとにバリエーションが存在していたんですね。当時のPC用のOSって、MS-DOSやそれから派生したWindows、あとはSystem 7から発展したMacOSですよね。 マツ そうです。でも、MicrosoftもUNIXやってたんですよ。 ヤマー え、そうなんですか?? マツ XENIXというのを作ってました。 ヤマー 完全に初耳の単語ですw マツ だから、MicrosoftがUNIX系のLinuxを包含するようになったというのも、そうおかしなことではない。 ヤマー おおお、XENIXってAT&Tからライセンスを受けつつ、BSDの要素も加えたハイブリッドなOSだったわけですね。 マツ で、この頃はSystem VかBSDかという論争があったくらいだったんだけど、いつの間にかLinuxという新参者がやってきて市場をかっさらっていってしまった。 以下ソース https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2201/26/news077.html