抵当証券法
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抵当証券法
(昭和六年三月三十日法律第十五号)

最終改正:平成二三年五月二五日法律第五三号

第一条
 土地、建物又ハ地上権ヲ目的トスル抵当権ヲ有スル者ハ其ノ登記ヲ管轄スル登記所ニ抵当証券ノ交付ヲ申請スルコトヲ得
○2
抵当権ノ目的物ガ数個ノ登記所ノ管轄地ニ散在スルトキハ抵当証券ノ交付ハ其ノ一ノ登記所ニ之ヲ申請スルコトヲ要ス

第二条
 左ノ各号ノ一ニ該当スル場合ニ於テハ抵当証券ヲ発行スルコトヲ得ズ

 抵当権ガ根抵当ナルトキ

 抵当権ニ付本登記ナキトキ

 債権ノ差押若ハ仮差押ノ登記又ハ抵当権ノ処分禁止若ハ抵当権ヲ他ノ債権ノ担保ト為シタル旨ノ登記アルトキ

 債権又ハ抵当権ニ附シタル解除条件ノ登記アルトキ

 抵当証券発行ノ特約ナキトキ

第三条
 抵当証券ノ交付ヲ申請スルニハ左ノ書面ヲ提出スルコトヲ要ス

 申請書

 抵当権者ノ登記識別情報ノ内容ヲ記載シタル書面

 手形其ノ他ノ債権ニ関スル証書

 抵当証券発行ノ特約ノ登記ナキトキハ抵当権設定者又ハ第三取得者及債務者ノ同意書

 代理人ニ依リテ申請スルトキハ其ノ権限ヲ証スル書面

○2
前項第三号ノ証書ナキトキハ申請書ニ其ノ旨ヲ記載スルコトヲ要ス
○3
第一条第二項ノ申請ヲ為スニハ申請書ニ其ノ旨ヲ記載シ且他ノ登記所ノ管轄ニ属スル目的物ノ登記事項証明書並ニ其ノ登記所ノ数ニ応ジ申請書ノ副本及附属書面ノ写本ヲ提出スルコトヲ要ス
○4
抵当証券ノ交付ヲ申請スルニハ命令ノ定ムル所ニ依リ手数料ヲ納付スルコトヲ要ス
○5
前項ノ手数料ノ納付ハ収入印紙ヲ以テ之ヲ為スコトヲ要ス

第四条
 申請書ニハ左ノ事項ヲ記載シ申請人之ニ記名捺印スルコトヲ要ス

 申請人ノ氏名及住所

 代理人ニ依リテ申請スルトキハ其ノ氏名及住所

 抵当権ノ目的タル土地、建物又ハ地上権ノ表示

 抵当権設定者及第三取得者ノ氏名及住所

 抵当権ノ順位及登記ノ年月日

 抵当証券発行ノ定アル旨、債権額及元本又ハ利息ノ弁済期並ニ利息ニ関スル定アルトキ、債務ノ不履行ニ因リテ生ジタル損害ノ賠償ニ関スル定アルトキ、債権ニ条件ヲ付シタルトキ、民法(明治二十九年法律第八十九号)
第三百七十条但書ノ別段ノ定アルトキ又ハ元本若ハ利息ノ支払場所ノ定アルトキハ其ノ旨

 債務者ノ氏名及住所

 抵当権、質権又ハ先取特権ノ登記アルトキハ債権額、債権者ノ氏名及住所並ニ登記ノ年月日

 地上権、永小作権、地役権又ハ賃借権ノ登記アルトキハ其ノ権利者ノ氏名及住所並ニ登記ノ年月日

 登記所ノ表示
十一
 申請ノ年月日

第五条
 登記官ハ抵当証券交付ノ申請ガ左ノ各号ノ一ニ該当スルトキハ理由ヲ付シタル決定ヲ以テ之ヲ却下スルコトヲ要ス但シ申請ノ欠缺ガ補正スルコトヲ得ベキモノナル場合ニ於テ登記官ガ定メタル相当ノ期間内ニ申請人ガ之ヲ補正シタルトキハ此ノ限ニ在ラズ

 其ノ登記所ノ管轄ニ属セザルトキ

 第二条ニ規定スル事由アルトキ

 申請書ニ記載シタル事項ガ登記簿ト符合セザルトキ

 申請ノ権限ヲ有セザル者ノ申請ニ因ルトキ

 申請書ガ方式ニ適合セザルトキ

 必要ナル書面ヲ提出セザルトキ

 手数料ヲ納付セザルトキ

○2
第一条第二項ノ申請アリタル場合ニ於テハ登記官ハ申請書ノ副本及附属書面ノ写本ヲ各管轄登記所ニ送付シ其ノ管轄ニ属スル目的物ニ付抵当証券ヲ作成スベキ旨ヲ嘱託スルコトヲ要ス

第六条
 抵当証券交付ノ申請ヲ受理シタルトキハ登記官(前条第二項ノ規定ニ依ル嘱託アリタルトキハ其ノ部分ニ付テハ嘱託ヲ受ケタル登記所ノ登記官)ハ遅滞ナク抵当証券ノ交付ニ付異議アラバ一定ノ期間内ニ之ヲ申立ツベキ旨ヲ抵当権設定者、第三取得者、債務者、抵当権又ハ其ノ順位ノ譲渡人及先順位ヲ抛棄シタル者ニ催告スルコトヲ要ス但シ抵当証券ノ発行ヲ妨グル事由アルコトヲ発見シタル場合ハ此ノ限ニ在ラズ
○2
嘱託ヲ受ケタル登記所ノ登記官ガ抵当証券ノ発行ヲ妨グル事由アルコトヲ発見シタルトキハ其ノ旨ヲ嘱託ヲ為シタル登記所ニ通知スルコトヲ要ス
○3
第一項ノ催告ニハ第四条第一号及第三号乃至第七号ニ掲グル事項ヲ記載スルコトヲ要ス
○4
債務者ニ対スル催告ニハ前項ノ事項ノ外第三条第一項第三号ノ証書ガ手形ナルトキハ其ノ表示及同条第二項ノ規定ニ依ル記載ヲモ記載スルコトヲ要ス

第七条
 抵当証券ノ交付ニ関スル異議ハ左ノ理由ニ基クトキニ限リ之ヲ申立ツルコトヲ得

 申請ニ付第二条ニ規定スル事由アルコト

 債権ノ質入、差押又ハ仮差押アリタルコト

 催告ニ記載シタル事項ガ登記簿ノ記録又ハ事実ト符合セザルコト

 債務者ガ抵当権者ニ対シ相殺ヲ以テ対抗シ得ベキ債権ニシテ其ノ弁済期ガ抵当権者ノ債権ノ弁済期以前ニ到来スルモノヲ有スルコト

○2
異議ハ他ノ利害関係人ノ権利ニ関スル理由ニ基キ之ヲ申立ツルコトヲ得ズ
○3
異議申立ノ権利ハ予メ之ヲ抛棄スルコトヲ得ズ

第八条
 異議ニ関スル裁判ハ抵当証券交付ノ申請ヲ受理シタル登記所ノ所在地ヲ管轄スル地方裁判所ニ於テ非訟事件手続法(平成二十三年法律第五十一号)ニ依リ之ヲ為ス
○2
前項ノ裁判ニ対スル即時抗告ハ執行停止ノ効力ヲ有ス
○3
異議ノ申立ヲ受理シタルトキハ登記官ハ事件ヲ管轄裁判所ニ送付スルコトヲ要ス

第九条
 異議ニ関スル裁判確定シタルトキハ裁判所ハ遅滞ナク其ノ旨ヲ関係登記所ニ通知スルコトヲ要ス

第十条
 第六条ノ催告ヲ受ケタル者ハ異議ノ申立ヲ為スコトヲ得ル事由ニ付テハ其ノ申立ヲ為シタルモノニ非ザレバ之ヲ以テ抵当証券ノ善意ノ取得者ニ対抗スルコトヲ得ズ
○2
異議ノ申立ヲ理由ナシトスル裁判確定シタル場合ニ於テハ其ノ申立ヲ為シタル者ハ二月内ニ訴ヲ提起スルニ非ザレバ申立ヲ為シタル事由ヲ以テ抵当証券ノ善意ノ取得者ニ対抗スルコトヲ得ズ
○3
前項ノ訴ノ提起アリタルトキハ裁判所ハ之ヲ公告スルコトヲ要ス

第十一条
 第六条ノ催告ニ指定シタル期間内ニ異議ノ申立ナキトキハ登記官ハ抵当権ノ目的物ガ其ノ登記所ノ管轄地ノミニ在ル場合ニハ直ニ、抵当権ノ目的物ガ数個ノ登記所ノ管轄地ニ散在スル場合ニハ嘱託ヲ受ケタル登記所ヨリ抵当証券ノ送付ヲ受ケタル後直ニ抵当証券ヲ交付スルコトヲ要ス異議ヲ理由ナシトスル裁判確定シタルトキ亦同ジ

第十二条
 抵当証券ニハ左ニ掲グル事項ヲ記載シ登記官記名捺印シ且登記所ノ印ヲ押捺スルコトヲ要ス

 証券ノ番号

 第四条第一号及第三号乃至第九号ニ掲グル事項

 登記所ノ表示

 証券作成ノ年月日

○2
嘱託ヲ受ケタル登記所ヨリ抵当証券ノ送付ヲ受ケタルトキハ登記官ハ其ノ作成ニ係ルモノト一括シ之ニ各証券ハ同一ノ債権ノ為ニ作成シタルモノナル旨ヲ記載シ且記名捺印スルコトヲ要ス

第十三条
 第三条第一項第三号ノ書面ノ提出アリタル場合ニ於テ抵当証券ヲ交付シタルトキハ登記官ハ抵当証券ヲ交付シタル旨ヲ其ノ書面ニ記載シ登記所ノ印ヲ押捺シテ之ヲ申請人ニ還付スルコトヲ要ス其ノ書面中ニ手形アルトキハ其ノ手形ハ爾後効力ヲ有セズ

第十四条
 抵当証券ノ発行アリタルトキハ抵当権及債権ノ処分ハ抵当証券ヲ以テスルニ非ザレバ之ヲ為スコトヲ得ズ
○2
抵当権ト債権トハ分離シテ之ヲ処分スルコトヲ得ズ

第十五条
 抵当証券ノ譲渡ハ裏書ニ依リテ之ヲ為ス
○2
手形法第十三条第一項ノ規定ハ前項ノ裏書ニ之ヲ準用ス尚其ノ裏書ニハ被裏書人ノ氏名又ハ商号、裏書人ノ住所及裏書ノ年月日ヲ記載スルコトヲ要ス

第十六条
 抵当証券ノ発行アリタル場合ニ於テハ抵当権ノ変更ハ不動産登記法(平成十六年法律第百二十三号)ノ定ムル所ニ従ヒ其ノ登記ヲ為シ且抵当証券ノ記載ノ変更ヲ為スニ非ザレバ之ヲ以テ第三者ニ対抗スルコトヲ得ズ数個ノ不動産ニ付抵当権アル場合ニ於テ其ノ一ヲ消滅セシメタルトキ亦同ジ

第十七条
 抵当証券ノ記載ノ錯誤又ハ遺漏ガ登記ノ錯誤又ハ遺漏ニ基カザル場合ニ於テハ所持人ハ抵当証券ノ記載ノ変更ヲ申請スルコトヲ得債務者ノ表示ノ変更其ノ他ノ事由ニ因リ登記ヲ変更又ハ更正シタル為抵当証券ノ記載ガ登記ト符合セザルニ至リタル場合亦同ジ

第十八条
 前条ノ場合ヲ除クノ外抵当証券ノ記載ノ変更ハ
不動産登記法第六十六条ノ規定ニ依ル登記ヲ為シタル後ニ非ザレバ之ヲ為スコトヲ得ズ

第十九条
 抵当証券ノ発行アリタル場合ニ於テ登記官ガ抵当権ノ変更、消滅又ハ更正ノ登記ヲ完了シタルトキハ抵当証券ノ記載ヲ変更シ之ヲ其ノ所持人ニ還付スルコトヲ要ス

第二十条
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出典: 『法令データ提供システム
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