原爆詩集
峠 三吉 (著) - 暇つぶし青空文庫峠 三吉 (著)
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著者:峠 三吉

著者概要
峠三吉(一部に戸籍上は「みつよし」との表記があるが、「さんきち」が正しい)は、1917年2月19日、大阪府豊中市に生まれ、広島で育った。子どもの頃から病弱で、文学好きな母親・ステの影響は峠一家に及んだ。広島商業学校卒業後、発病(当時、肺結核と診断された)、入院と療養を繰り返すなかで、その思いを文学に求めるようになった。戦前は、長姉の影響でキリスト教受洗。短歌、俳句、詩を書き新聞や雑誌にしきりと投稿した。この時期、日本は全面的な戦時体制下にあり、峠三吉も他の日本人と同様、あの侵略戦争を「聖戦」としてそれらを謳歌するいくつかの作品を残している。1945年(28歳)自宅(爆心地より3キロ)にて被爆。直後、親戚や知人を捜し歩いて見聞した惨状を詳細に記し、その体験が『原爆詩集』の原型となった。敗戦後、広島青年文化連盟に参画、広島詩人協会の結成、「われらの詩の会」の主宰、新日本文学会への加入、「反戦詩歌集」の発行などの文化・文学活動にとどまらず、丸木位里・俊「原爆の図」展の開催、平和擁護大会の準備、労働争議への参加、被爆者団体の結成などなど、多彩な活動を展開。原爆・戦争、平和と文化、抵抗運動―――まさに戦後・広島の平和・文化運動の旗手として燃焼させていった。峠三吉は自ら被爆者として苦しみ、詩人としては『原爆詩集』の刊行、子どもたちの詩を集めたアンソロジー『原子雲の下より』の編集、この二冊に短い生涯を凝縮し、その功績の特徴は、激動期のなか反戦・平和・反原爆のたたかいを文学的抵抗の中に内包・具現化していったことにある。それは、象徴的・叙情主義的作風を脱却し、リアリズムを獲得するたたかいであり、社会変革と自己変革を結びつけ劇的変貌をとげる軌跡でもある。峠三吉は『原爆詩集』をふまえながら、より説得力をもつ作品の方向性をめざし、そのための健康体を獲得するため肺葉摘出手術を決意、手術に向かった。しかし、手術は失敗、1953年3月10日未明手術台の上で死亡した。享年36歳。参考資料 『原爆詩集』(峠三吉著 青木書店)/『原子雲の下より』(峠三吉・山代巴編 青木書店)/『八月の詩人・峠三吉の詩と生涯』(増岡敏和著 東邦出版)/『峠三吉作品集・上 下』(増岡敏和解説 青木書店)/『にんげんをかえせ 峠三吉全詩集』(且原純夫解説 風土社)/『原爆詩人・峠三吉』(増岡敏和著 新日本出版)など(広島に文学館を! 市民の会・池田正彦)

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