「敗北の文学」について
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著者名:宮本百合子 

 一、伸子は 段々ひきつけられた、p.9「プロレタリアートは時代の先端を壮烈な情熱をもって進んでいる、しかも我々の前には過渡期の影が尚巨体をよこたえている」  一章一章が、青年らしい丹念さでまとめられている。p.9 駄目だ 今夜は 云々  「きざらしいところ」 ○小市民的要素  貧困 本を愛する心 その他を描いている作者の情熱  諸論文は □ ○矛盾は軽蔑するべきものでしかないようにかかれていた  しかし「敗北の文学」では矛盾は見当されるべきものとしてあじわわれている、伸子はそこに新鮮なものを感じた。  □p.16 伸子がペダンティシズムを感じているところに 筆者は芥川の智識に対するドン欲さを社会的生存的なものとして見ている、  □p.19「地獄変」「野蛮な芸術的法悦に云々」――伸子は野バンナという形容詞にはっとした、それは彼女が感じていたものだったが、ヤバンと云い切れなかったものだった、  芸術至上主義者であって、そうあり切れなかった彼[#「彼」に枠囲み]社会と芸術についての二元的な動揺を統一的な均整におこうとしたすてばちな努力 ※[#丸漢数字五、646-2]、強くリアリスティックになれない彼、ロマンティシズム 美を(時代と場所との制限をつけない美)歴史的素材 エキゾティックな世界 奇蹟に見そ(ママ)うとした  「大導寺信輔の半生」これらの作品は凜々とした気魄をたたんでいる点において 私の好むものである。p.13  「が私は「奉教人の死」の情熱を愛する」p.23  こういうことばの中に筆者は自分というものの責任を明かにしている――意識してかしないでか。芥川の作品にひかれる点を率直に示しつつ それをひっくるめて客観的に批判している そこにある独特さ。  超人であろうとする小市民性 プレハーノフp.36 芥川は「生活的宦官に生れた彼自身を軽蔑しずにいられなかった」  「天上から地上へのぼるために無残にもおれた梯子である」芥川     敗北の文学  「小ブルジョアジイの諸属性の中で「自我に関する思索」こそが基本的な一線であることを知るのである。」p.16  しかし、小ブルジョアジーの世界観の枠内にとどまっている以上、思索する「自我」を救い出し発展させる可能はない。



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