宝蔵の短刀
(作品データ)
作品を読む
タイトルデータ・作品名
宝蔵の短刀
・作品名読み
ほうぞうのたんとう
・著者名
田中 貢太郎
作品データ・作品について
何処かで女の声がした。「もし、もし、……もし」壮(わか)い女の呼吸(いき)づかいまで聞えるような気配がする。月の隠れた狭い庭に冷たい風が動いていた。彼女は庭を横切って竹垣に沿うて玄関の方へ眼をやった。
・仮名遣い種別
新字新仮名
作家データ・分類
著者
・作家名
田中 貢太郎
・作家名読み
たなか こうたろう
・ローマ字表記
Tanaka, Kotaro
・生年
1880-03-02
・没年
1941-02-01
・人物について
高知市生まれ。小説家、随筆家。漢学塾に学び、代用教員、高知実業新聞社の記者を経たのち上京。大町桂月、田山花袋、田岡嶺雲に師事。明治四十二年、嶺雲の『明治叛臣伝』の執筆に協力したのを機会に、やがて『中央公論』の「説苑(ぜいえん)」欄に情話物、怪談話などを掲載するようになる。作品は紀行文・随想、情話物、怪談・奇談などからなり、代表作には『田中貢太郎見聞録』『旋風時代』『日本怪談全集』『支那怪談全集』などがあげられる。
底本データ・底本
日本の怪談
・出版社
河出文庫、河出書房新社
・初版発行日
1985(昭和60)年12月4日
工作員データ・入力
大野晋
・校正
地田尚
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