霊魂の話
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著者名:折口信夫 

さうすると、たまとたましひとの区別は、どこにあるかと言ふ事になつて来るのだが、其説明は、簡単には出来ない。とにかく、少くとも、たましひと言ふものは、目に見える光りをもつたもの、尾を曳いたものではない。抽象的なもので、体に、這入つたり出たりするものがたまだつたのであるが、いつか其が、此を具体的に示した、即、たまのしんぼるだつたところの礦石や動物の骨などだけが、たまと呼ばれ、抽象的なものゝ方は、たましひと言ふ言葉で、現される様になつた。大変な変化が起つた訣である。
此、たまとたましひとの区別に就いては、いづれ機会を見て、もう一度話をして見たいと思ふ。




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