月世界跋渉記
著者名:江見水蔭
といずれもその洞内に赴き、ありたけの蝋燭を点じてその中に坐り、各自にブランデーを注いだ洋盃(コップ)を高く差し上げ、桂田博士の音頭で「日本帝国万歳※[#感嘆符三つ、38-下-17] 月世界探検隊万歳※[#感嘆符三つ、38-下-18]」
を三唱すると、その声は遍く洞内に響き渡って、谺(こだま)はさながら月がこの一隊を祝するように、「月世界探検隊万歳※[#感嘆符三つ、39-上-1]」と唱え返した。
(「探検世界」明治四〇年一〇月増刊号)
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