Sketches for details Shima
[青空文庫|▼Menu|JUMP]
著者名:宮本百合子 

 杉、しゃぼてんの鉢
          ――○――
 かた木の庭木 大名竹 槇 周防の花
 下ぬりのまま五六年たった壁。
 床の間に紫檀の台、上に焼きもの。
 どくろに蛙がとまっている飾もの
 掛ものは歌集のきれ
  くまもなきかゝ見と見ゆる月影に
   こゝろうつさぬ人もあらしな 云々
○近さァを区長にせよう思っとったら洗濯もんの騒ぎしよったから どうとも云い出せんようになってしもうた
○野菜市場。近さん120[#「120」は縦中横]本の胡瓜を「こりゃわしが皆ひきうけた」と二円何ぼかで買う。小商は、大きいが一本五銭なり。

 よろしゅうあります
 とんびース(飛の魚)
 つかあせ
 やっつかわせ(やっつか)ときこえる
 さア、どんなもんでありましょうかな
 えっと(沢山)切った
 だいしょう 出来ます(多少の意味)
 生えちょるか
 恐れちょる
 頭がはしる(痛む)

 裏の田の畦づたいに中谷の婆さんが 国旗をかついで多賀さんの当番参詣を終ってかえって来る
「えろう御無礼どすが ここから通してもらいます」
 多賀子
「あの武の字がちごうちょる」
 武が※[#「武」の「弋」が「戈」、583-8]の由。武運長久と書いてあったが
「武運長久が襷がけならいいんだろ。この頃は白襷がはやるから。こんど出来た字かもしれない」
○栗山の婆さん
「自殺すると云っちょるげな、息子に話しもめるさかい と云っちょる」




ページジャンプ
青空文庫の検索
おまかせリスト
▼オプションを表示
ブックマーク登録
作品情報参照
mixiチェック!
Twitterに投稿
話題のニュース
列車運行情報
暇つぶし青空文庫

Size:3965 Bytes

担当:undef