ルバイヤート
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著者名:ハイヤームオマル 

  143

いつまで一生をうぬぼれておれよう、
有る無しの論議になどふけっておれよう?
酒をのめ、こう悲しみの多い人生は
眠るか酔うかしてすごしたがよかろう!
[#改ページ]

     註

番号
4 知者――全智の神。6 水の上に瓦を積む――意味のない妄想にふけること。12 「世の燈明」――神学者に奉(たてまつ)られた尊号。13 酒姫――酒の酌(しゃく)をする侍者(じしゃ)。それは普通は女でなくて紅顔の美少年で、よく同性愛の対象とされた。15 大地を担う牛――イラン人は地球は円いものではなく、大海の中の大魚の上に跨(またが)る大牛の背中にのっているものと考えていた。そして太陽は地球の周囲を廻転するものと考えられていた。26 人の所業を書き入れる筆もくたびれて――イスラム教徒の信仰によると、創世の日に神の筆がすべての天命を神の書に記入し、また日ごろ人間の善業悪業をもいちいち記入して裁きの日に備えるといわれている。29 七と四――七天と四元素。31 礼堂――イスラム教徒の礼拝の場所。〃 火殿――拝火教の聖火奉安所。32 筆のはこび――宿命。39 尊い宝――宝石とそして尊い人の骨と。53 ジャムシード――詩人フェルドゥシイの集成したイランの国民史詩『シャーナーメ』に伝わる帝王の名。「ジャムシード」は「日の王」を意味する。〃 バ□ラーム――ササン王朝(二二六−六四二年)のバ□ラーム五世のこと。在位は四二〇−四三八年。夫人を伴って野驢(グール)を狩りしたことで有名。バ□ラーム・グールと綽名(あだな)された。55 ケイカーウス――神話時代のイランの第二王朝であるケイアニイ朝第二世の帝王で、太祖ケイコバードの子。〃 鈴の音――古代イランでは、帝王の出御(しゅつぎょ)するときに鈴を振り、太鼓(たいこ)を鳴らす習慣があった。59 パルヴィーズ――ササン王朝の帝王ホスロウ・パルヴィーズ(五九〇−六二八年)。〃 ケイコバード――神話時代のイランの第二王朝ケイアニイ朝を開いた。62 新春――イランには古くから一種の太陽暦が行われ、春分の日、すなわち春の彼岸が一年のはじめとなっている。この日は新年としてまた春の祭として祝われる。66 めぐる車――天体の運行を陶器師のろくろにたとえたもの。68 けがれ――イスラム教は酒をけがれあるものとして禁じている。70 ファレイドゥーン――かつてのピシダーデイ王朝の末裔(まつえい)としてイランを再興したと伝えられる勇士。〃 ケイホスロウ――ケイアニイ王朝中興の英主。74 マギイ――拝火教の司祭。イスラム教以前のイランの宗教は拝火教であった。しかしそれはイスラム教徒にイランが征服されてから後は邪教として擯斥(ひんせき)された。75 久遠の花嫁――自然、人生。77 葡萄樹の娘――葡萄の実からとった酒。86 教長――学識経験のすぐれたイスラム教徒の指導的な人物。89 コーサル河――イスラム教徒の死後の天国にあるといわれる川の名。95 バグダード――アッバス朝時代(七四九−一二五八年)のカリフの首都、当時イスラム文化の中心地であった。のちイラクの首府。〃 バルク――現在は北アフガニスタンの小都であるが、古代にはバクトリアの都として、また中世にはブハラやネイシャプールと並ぶ東ペルシアの中心地の一つとして文化の栄えた所。96 舞い男――イスラム教の教団の一つに歓喜して踊り狂うことによって神との合一の三昧境(さんまいきょう)を現出しようとするのがあるが、この教団に属する修道者がカランダールである。104 イスラム――回教とも言う。マホメットのはじめた宗教。唯一神アッラーを信じ、日に五回の礼拝を行い、斎戒をし、喜捨を寄せ、メッカへの巡礼をするイスラム教徒は、イスラムを唯一の正信と信じ、その他の宗教をすべて邪信と見ている。107 ジャムの酒盃――ジャムシード王の七輪の杯。七天、七星、七海などに象(かたど)った七つの輪を有し、世の中の出来事はことごとくこれに映して見ることができたといわれる。112 月の君――愛人を月になぞらえて呼んだ愛称。118 パ□ラヴイ語――中世ペルシア語。イランがアラビア人に征服される以前、三世紀から七世紀にかけてササン王朝時代に用いられていた言葉で、その後上層階級には忘れ去られ、わずかに下層の国民大衆の間に語りつがれていた。134 マ□ムード――ガズニ王朝(九七七−一一八六年)の英主スルタン・マ□ムード(九九八−一〇三〇年)。インドを侵略して数多(あまた)の財宝を掠取(りゃくしゅ)した。〃 ダヴィデ――聖書に見えるイスラエルの王で『詩篇』の作者。イスラム教徒は彼を美声の歌手の典型と考えている。136 イラク――メソポタミアとイランの一部を含む地方。138 胸に両手を合わす――永眠すること。142 ジェイホンの流れ――オクサス河。アムダリアとも言う。



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