女難
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著者名:
国木田独歩
自分はほとんどその哀音悲調を聴くに堪えなかった。恋の曲、懐旧の情、流転の哀しみ、うたてやその底に永久(とこしえ)の恨みをこめているではないか。
月は西に落ち、盲人は去った。翌日は彼の姿を鎌倉に見ざりし。
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