【軍事】ミリタリー系 ..
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2:創る名無しに見る名無し
10/08/02 16:12:37 wqtO09So
1スレ目のまとめです

URLリンク(www1.axfc.net)

3:創る名無しに見る名無し
10/08/03 16:22:24 wTWNyNlt
避難所にもスレを立てることをおすすめします
URLリンク(jbbs.livedoor.jp)

4:創る名無しに見る名無し
10/08/03 20:33:14 p4REclej
この板は更地から再出発なのか?
なんと不親切な。

5:創る名無しに見る名無し
10/08/03 22:54:58 GlG9wQ/7
保守

6:創る名無しに見る名無し
10/08/12 23:30:39 be1/8jFm
あげ

7:創る名無しに見る名無し
10/08/12 23:31:29 TeyuY6Pb
即死回避

8:創る名無しに見る名無し
10/08/18 01:24:57 l+WjajLX
ほしゅ

9:創る名無しに見る名無し
10/08/20 01:22:05 /jvkjEWO
保守でであります!

10:創る名無しに見る名無し
10/08/21 08:52:29 1oR3ihNw
保守

11:創る名無しに見る名無し
10/08/29 19:33:33 5YB1pJzu
あげ

12:創る名無しに見る名無し
10/09/03 23:03:40 WS5btoWl
軍板の創作質問スレもあんまり役に立ってないなぁ。
閑古鳥鳴いてるし、出来る範囲でここで引き受けるか?

13:創る名無しに見る名無し
10/09/03 23:50:43 L8F/9NyP
いやいやいや、この前なんか香ばしい常備兵力500万太郎が来ましたよ。

14:創る名無しに見る名無し
10/09/04 00:13:44 RYlNYZmB
あれは吊し上げメインでやたら長かった割に後から穿り返して
役に立つようなネタあった様には思えんかったのよ。
時代の人口における動員率の限界が何パーとか、十何世紀の農業で小麦畑1ヘクタールで
何人養えるかとかさ、そう言う具体的な数値が出てきてくれるとこっちとしてもありがたかったんだが。
色々反面教師にはなったな。

15:創る名無しに見る名無し
10/09/16 07:07:51 SHZEv9Aj
保守

16:創る名無しに見る名無し
10/09/23 07:35:17 8mIlyMDh
保守

17:創る名無しに見る名無し
10/10/02 09:08:16 oPG2waHa
過疎化しているな

18:創る名無しに見る名無し
10/10/09 12:39:14 eRT17TYc
図書館戦争氏はどこに行った

19:創る名無しに見る名無し
10/10/10 07:57:50 hI+2tHQR
test

20:創る名無しに見る名無し
10/10/11 00:27:01 dFHsQgSK
他スレにて妄想モノ書いているんだが、アパッチの火力について質問させてくれ
(ウィキを見たが火力についてはいまいちピンとこない。軍事板を覗いたがド素人の俺には敷居が高すぎるw)

機関砲(30mmチェーンガン)について
戦車の装甲をぶち抜くくらいの威力がありそうなのだがド素人なので戦車の装甲が見当つかない
よく道路工事で敷かれている、重機が乗る鉄板ぐらいは楽勝でぶち抜けるものなのか?
普通乗用車を正面から撃ったらエンジンを破壊してそのまま車外まで貫通するくらいの威力があるのか?

アパッチロングボウのミリ波レーダー、ヘルファイアミサイルについて
砂漠、ヘリコプター高度約100m。攻撃対象は進行方向約2km先の象。攻撃オペレーターは象を目視確認出来ていない
上記条件でミリ派レーダーは象を捕捉することは出来るのか?
象を捕捉出来ないがヘルファイアミサイルにて攻撃するとする。その場合、指定場所に着弾した瞬間ミサイルは
爆発すると思うが、どのくらいの着弾位置(距離)ならば象に爆風によるダメージを与えることができるのか?

大雑把な設定の質問で申し訳ないが、どうぞよろしくお願いします


21:創る名無しに見る名無し
10/10/13 02:25:58 Q1LOquAK
>>20
最新兵器の詳しいデータは普通公開されない。
故にどうしても不正確なものになる。

M230 チェーンガン 多目的榴弾使用で垂直装甲ならRHA40〜50mm。
角度50度の時30mm程度と言われているが、距離ははっきりしない。500〜2500mの間らしいが不明。

RHAつまりはWW2時代の戦車の装甲なら何ミリという表記をする。
感覚的には3号戦車ならどこから撃っても貫通できるくらいの威力。

つまり自動車なら縦に二,三台並べても貫通できる。
例に出た鉄板なら七〇度以上のほぼ縦にしても楽勝で貫通する。
なにせ材料は『鉄板』で、『装甲板』ではないから。

ヘルファイアミサイルについては条件がおかしいので正答はない。
ミリ波レーダーは捕捉できるが生物なのでごく弱く規定の強度に達しないあるいは規定のパターンに合致しないため目標と識別できない可能性がある。
目視出来ていない状況下ではレーザー誘導のヘルファイアは誘導できない可能性が高い。
夜間、霧などの条件では誘導できる可能性はある。 構造物で遮られていれば他の誘導者が居れば誘導を引き継ぐことができる。
赤外線パターンは取れないのでこの方法での誘導は不可。

『対戦車』ミサイルなので生物などのソフトターゲットへの使用は想定外。
爆風は起きても十数m圏内で鼓膜を破る、口腔内に入って肺を破る以上のことは不明。

普通その距離ならチェーンガンで掃射するのが妥当。
2000m先でコンクリートの一般家屋内であれば普通に貫通できる。

22:創る名無しに見る名無し
10/10/13 18:11:47 3vsLnXUs
>>20はファンタジー世界で米軍が出てくる話でも書いているのかな?
普通の地球の陸上生物相手に攻撃ヘリはオーバーキルなスペックで使うこと考えられないし

ジュラシックパークの復活恐竜くらいしか思いつかんw

23:20
10/10/13 23:15:13 DjtOkaVN
>>21
わかりやすい説明でとても参考になった。ありがとう
しかし凄まじい威力だなチェーンガン。すこし侮っていたぜw

>>22
妄想というよりトンデモ系。まっとうなモノではありませんw
まぁ、書き手俺、読み手ほぼ俺だけwなので問題は無い

24:創る名無しに見る名無し
10/10/18 06:58:27 TXo2LR2n
>>21
今更だが、赤外線画像なら動物もロック出来るよ。
重要なのは背景との温度差。
爬虫類とか変温動物とかは、温度分解能の低いシーカーだとキツいかもだけど。
地面や空とは材質や大きさが違うから、完全に同じにはならない(要は作者の匙加減次第)。


25:創る名無しに見る名無し
10/10/19 01:51:07 knnUH+IU
>>24
理論上可能かどうかと運用上可能かは違う。

常識的に考えて現用兵器でない『象(戦象)』の赤外線パターンなど登録されていようはずもない。

1.目標を指定し
2.赤外線パターンを取り
3.ミサイルシステムに入力し
4.攻撃可能位置に遷移し
5.攻撃する

以上のことが初見で可能ならば即時攻撃可能。
そうでないならば当然段階を踏む必要があるので即時攻撃は無理。

26:創る名無しに見る名無し
10/10/19 02:49:32 3eLH69Xx
>>25
いやいや、対艦ミサイルみたいに陸上兵器の赤外線パターンなんぞ元から登録されてないから。
赤外線画像誘導ミサイルは、普通に下の手順を踏んでるよ。


27:創る名無しに見る名無し
10/10/20 13:18:42 L4Q+yn2G
なんか漫画トリコのグルメ界の食材集めに思えてきたw

28:創る名無しに見る名無し
10/10/21 21:42:51 nMF5Fl2c
ネットで調べて半端な回答書こうとしてまとめたら規制食らって書けなくなっちゃってたんだが、
この30mmって車抜けちゃうもんなのか?
分からんなりに調べてみたとこ榴弾しかないみたいようで、
半徹甲が精々なのか、まあ柔いのなら徹甲使ってもなーとか思ってたんだけど。
ミサイルは周辺被害考慮のAGM-114Mってのが一応あるみたいだけど、
ミサイル自体が硬い奴向け装備なんだろうなぁ。
ロケットの方はウィキペディアに危害半径が載ってたんだけどミサイルは駄目だった。 

29:創る名無しに見る名無し
10/10/26 03:45:21 C+c3hNp2
>>28
普通のライフル弾(NATO弾)でもエンジンブロック以外は貫通する。
12.7mm(キャリバー50)ならどの角度からでも普通乗用車を貫通できる。
20mmを超えると防弾車、軽装甲車あたりを貫通できる。
車載の35〜40mmクラスだと戦車以外は防御不能。
90mm以上のAPFSDSだと第三世代のMBT以外では防御不能。

航空機に載せているものだと多少性能が劣ることが多いから、
その分を差し引いても防弾装甲板を持たないものならば角度や内部空間がスペースドアーマー的な役割を果たしても抜ける。



30:創る名無しに見る名無し
10/11/06 20:29:34 7Z/HIW90
保守

31:創る名無しに見る名無し
10/11/14 06:08:51 sQwxSmDy
30年代の満州を舞台にした冒険小説とか書きたいなぁ。
指輪系というか、列強が狙う秘宝の破棄みたいなの。
川島芳子とか複葉機とか出したりして……

32:創る名無しに見る名無し
10/11/14 16:46:08 HT2JJxEE
書けばいいじゃないかwww
楽しそうじゃないか

33:創る名無しに見る名無し
10/11/14 18:32:53 DDoH4Hkq
>>31
日本人が出てくるインディージョーンズみたいなものか

34:創る名無しに見る名無し
10/11/14 21:31:54 NRlfxczS
軍閥とか列強の勢力争いとか
カンフーとか日本の武術とか熊のようなロシア人とかOSSの工作員とか(まだできてないか)
溥儀とかナチとか混ざってカオスな状態の満州を舞台にした冒険小説

うむ、胸が熱くなるね!
しかし書けと言われるとちと厳しいorz

35:創る名無しに見る名無し
10/11/15 23:45:17 Cko3MVjG
虹色のトロツキーみたいな奴か?
モーゼル出まくりだな。

36:創る名無しに見る名無し
10/11/23 23:33:03 lwMoKTzm
あげ

37:創る名無しに見る名無し
10/11/26 00:42:27 +DlRERh8
満洲の地方都市に亡命してきたある白系ロシア人
彼はロマノフ家に関わるというある秘密を握っているらしい
軍事機密?隠し財産?或いは…
満鉄調査部に所属するあなたはそのロシア人保護の密命を帯びて行動を開始する
時を同じくし、隠された謎を巡って様々な組織が動き出す!
その秘密を何としても抹殺したいソビエト共産党
ロシアに対する影響力を持ちたいドイツ第三帝国と大英帝国
ユダヤロビーのバックアップを受けたアメリカ合衆国
中国奥地で蠢動する有象無象の軍閥に、中国共産党までが興味を持ち始める
そして何より、この虚構の国の本当の権力者、関東軍―
帝政ロシアの遺産とは!?あなたは無事、使命を果たすことができるのか!?
この満州にひそめく策謀の上を、特急あじあが駆け抜ける!

38:創る名無しに見る名無し
10/11/27 08:19:39 1T2tjCYa
国民党だけ蚊帳の外かわいそうw

39:創る名無しに見る名無し
10/12/05 11:44:30 +4vPtLcV
保守

40:創る名無しに見る名無し
10/12/09 03:07:18 oR3WlW5M
リニア列車砲とかどうですか、
走りながら打ったら大陸とか半島とか北方とか届きそうな気が

41:創る名無しに見る名無し
10/12/09 11:02:04 +mFprjgS
安定しない状態でブチかましたら倒れそうだな
しかもリニアじゃ接地してないし

42:創る名無しに見る名無し
10/12/10 14:25:50 U0yxqUtS
>>40
列車砲にする意味わからん
据え置き型リニアガン(レールガン)か移動式ミサイル発射プラットホームなら判るが

43:創る名無しに見る名無し
10/12/10 16:22:03 6ok70M5m
核を無意味にする超ド級ミサイルってなに? だれかおしえて!

44:創る名無しに見る名無し
10/12/10 18:47:13 U0yxqUtS
>>43
遊星爆弾

45:創る名無しに見る名無し
10/12/12 05:45:49 slPXkKNL
ハヤブサ100機ぐらいで隕石ひっぱてこれないかな

46:創る名無しに見る名無し
10/12/12 10:13:02 EiefRlR+
エンジンの推力が絶望的だな

47:創る名無しに見る名無し
10/12/14 04:53:53 WbEvOzr1
核推進とかだめかな

48:創る名無しに見る名無し
10/12/14 05:11:09 WbEvOzr1
携帯の電波帯使って小型リモコン戦闘ヘリ
これを応用してミサイルで中継器設置した後、現地に大量に送る
充電は中継器の10m以内に入って充電とかSFになってきたw


49:創る名無しに見る名無し
10/12/14 05:13:28 WbEvOzr1
あ弾の補給できないw

50:創る名無しに見る名無し
10/12/14 10:15:43 kbBNKbKj
非現実的だな
それより米軍が投入したリモコン兵器のほうがいい

51:創る名無しに見る名無し
10/12/16 14:36:54 tlC7u2H1
核動力無人爆撃機とかどうだろう。

NB-36とか核動力ベア(バジャーだったっけか?)みたいな機体。
NB-36みたいに乗員保護を考えなくて良いから軽量化できるかも・・・・・・

プロジェクト・プルートの現代版みたいなヤツ。

52:創る名無しに見る名無し
10/12/18 15:26:09 XKEzRU51
>>51
巡航ミサイルと比べてのメリットは?

53:創る名無しに見る名無し
10/12/18 16:15:29 svLiBcJ3
つロマン

54:創る名無しに見る名無し
10/12/19 01:51:07 nwmbdg0l
>>52
敵領内に入れれば撃墜しようがしまいが大惨事確定

55:創る名無しに見る名無し
10/12/19 08:50:34 E5OTbW09
HtVをそのまま爆弾にちゃったらどうかな色んな軌道に何機ものけっといて。

56:創る名無しに見る名無し
10/12/19 08:53:58 E5OTbW09
落下途中に分裂して迎撃しにくくすれば

57:創る名無しに見る名無し
10/12/19 11:56:11 4dHcZpT+
既に似たようなのがあるんだなこれが

58:創る名無しに見る名無し
10/12/22 02:14:22 WAoGLAbP
宇宙にもう爆弾がまわってるんかーこわい

59:創る名無しに見る名無し
10/12/22 12:04:42 WAoGLAbP
日本にプルトニウムいっぱい余ってるからそれ燃料にしたらどうなの?
プラズマジェットエンジン。そのまま爆弾にもなるみたいな。

60:創る名無しに見る名無し
10/12/22 12:15:06 9aTRVcHw
そんな使い方ができるものか
第一爆弾にする濃度まで濃縮すると国際的にヤバイ

61:創る名無しに見る名無し
10/12/24 18:43:23 Zissd6Zb
>>59
またあの悲劇を再現するつもりか>バケツで臨界

62:どいつ(九州)
10/12/25 12:24:23 IS/GW+ZH
プラモ買ってもうた

63:創る名無しに見る名無し
10/12/25 21:22:58 /P+WBFZF
シリアスすぎワロタw

64:創る名無しに見る名無し
10/12/26 13:48:48 KirIu+9E
61>
東海だっけ写真昔みた・・

核の次はやっぱり反物質爆弾なのかなー


65:創る名無しに見る名無し
10/12/26 22:27:37 ndaNRDcl
反物質を生成するコストがヤバイ
そもそも反物質を封じ込める物質がないから二重にヤバイ

66:創る名無しに見る名無し
10/12/26 23:08:26 pG8SlIZu
敵国を反物質爆発で打倒すべく・・・
まず手始めに敵首都を占領し、おもむろに現地で反物質を生成する
複数の大型加速器や、反物質をその場で閉じ込める「磁力瓶」を建設し、
首都に集まる電力をすべてそこへ注ぎ込み・・・

反物質の爆発が見たいからやってる、としか言いようのない状況に

67:創る名無しに見る名無し
10/12/27 18:51:21 6ND/Klgx
炸裂と同時に猛烈な放射線が発生してどうなるか見当もつかない……

68:創る名無しに見る名無し
10/12/28 13:25:39 ypBdiaPg
核の次は超磁力兵器だろ
「...地球は大地殻変動に襲われ、地軸はねじ曲がり、
5つの大陸は、ことごとく引き裂かれ、海に沈んでしまった...」(某アニメプロローグ

69:創る名無しに見る名無し
10/12/28 15:51:19 D/tI+20b
でも磁力でそこまでやろうと思ったら
地球全土をレンジでチンするなみの電磁波が生まれるだろうからなあ。

70:創る名無しに見る名無し
10/12/28 17:30:13 ypBdiaPg
>>69
なにも地上施設ですべての電力まかわなくても
地球の周りには既にそれだけの材料は満ち満ちてる
あとは梃の原理で...

71:創る名無しに見る名無し
10/12/31 23:07:39 KMXlPDDO
米軍ってマイクロ波衛星ってもう配備してるんですかね

72:創る名無しに見る名無し
11/01/01 00:16:20 leJVSUsX
兵器とは少し違うんですけど、植物とか動物から
色々工学的なアイディアとかありますよね。
蛾の触角をそのまま大きく金属で作れば高性能アンテナになりませんか?


73:創る名無しに見る名無し
11/01/01 00:59:52 NLqtTc9E
なりません

74:創る名無しに見る名無し
11/01/01 13:29:16 leJVSUsX
ですよね・・
デザインとか似てくると思うんですがどうですか

75:創る名無しに見る名無し
11/01/02 09:02:17 HuNzrGG3
>>74
蛾の触角はフェロモンをキャッチする為のものでオスメスではデザイン異なる
アンテナと言う事で電磁波関係に絞って話をすれば
分解能力は波長を短くすれば探査対象の形状を細かく見分けられるが
波長の短いものは大気中での減衰率も大きい
それを補うには受信側の感度上げるわけだが
点より線、線より面の要領でアンテナ構成するほうが効率良い
実際は大きい単体受信機より複数の小型受信機を離して設置が方向探知に向いている

76:創る名無しに見る名無し
11/01/03 12:29:11 7mh1/Cek
75>
レスありがとうございます
蛾の触角はフェロモンを探してるんですね、電位を感じるものだと思ってました
人のフェロモンを感じるようなセンサーがあれば
潜伏してる人間を見つけ出すような装置はできますか?
たとえば立て篭もった人間の正確な位置とか

77:創る名無しに見る名無し
11/01/04 09:46:52 fpawUU+X
臭いはその場に残りやすいので、「○○分くらい前までここにいた」と
いう情報はとても得やすいが、今どこにいるかという情報は得にくい

78:創る名無しに見る名無し
11/01/04 20:05:09 t81DxRkA
臭いを追尾していけばいいかもね
どこぞのSFだと壁の向こうが透視できる装備があったけど現実ではありえない

79:創る名無しに見る名無し
11/01/05 02:37:41 yEvWAmX0
つ犬

80:創る名無しに見る名無し
11/01/06 11:05:16 8gRaQwtr
ローテクの勝利か

81:創る名無しに見る名無し
11/01/07 02:25:56 A5P8z4EU
わんちゃんの能力を機械に置き換えるのとわんちゃんの脳をいじって兵器化
するんだったらコスパ的にどっちがいいのかな

82:創る名無しに見る名無し
11/01/07 05:23:35 BDh83yDZ
そんなことをしなくても普通に調教して軍用犬として運用すればよくないか?

臭気探知式接近警報機がベトナム戦争のときに投入されたけど、すぐにNLF側にばれて糞を塗り付けられたりして(常に警報)無効化された。

83:創る名無しに見る名無し
11/01/07 15:07:59 Y4ea8AJZ
ローテクやべぇw

当時最新式の熱誘導ミサイルを避けるのに、太陽に向かって飛んだら振り切れたというのがあったな
後に無効化されたが

84:創る名無しに見る名無し
11/01/23 15:56:40 P+SljQ76
あげ

85:創る名無しに見る名無し
11/01/25 10:18:27 ockE74Dy
戦闘機のエンジンの空気取り入れ口をサイド側とか後部の上側に取り付けて
高度が上がれば閉じてラムジェットに切り替わるそんなエンジンって
作れないのですか?

86:創る名無しに見る名無し
11/01/25 12:08:02 dVt/DtI7
切り替える必要性が分からない

87:創る名無しに見る名無し
11/01/25 14:38:22 ockE74Dy
2種類の燃料を使い分けるのと、低速軌道の燃費向上的なイメージで

88:創る名無しに見る名無し
11/01/25 15:26:49 3ctEtNq4
ということは片方の燃料を使ってる時は片方の燃料はお荷物?
マクロスのバルキリーみたいにブースターパック的な後付け装備のほうがいい

89:創る名無しに見る名無し
11/01/25 22:57:57 VwAnoWzI
あまり高速の戦闘機を作っても、運動性とか実用性と両立する事が難しくなるよ。
ラムジェットやスクラムジェットを使う必要があるのはスペースプレーンの類くらいじゃないかな。
ミサイルなら固体燃料の燃えた跡がラムジェットになる奴があるけど、これは人間が乗るものじゃないか。

90:創る名無しに見る名無し
11/01/31 01:35:00 G+NCuF4+
>>85
ジャンルは違うがかつて似たようなことを考えて失敗した例を上げておこう。

装輪、装軌両用の高速戦闘車両。
クリスティー戦車に代表される理論重視で現実を見ない機械群だ。

もっと近い時代のもので言うならSSTO(Single Stage To Orbit{orbiter})。
こっちは実現前に消えたけど。

結局、特化したほうが強くて、安くて、信頼できる。
極限に挑むものなら尚の事。

91:創る名無しに見る名無し
11/02/01 23:59:17 BWbd+v7k
ふむふむ色々詰め込みすぎるとF35みたいになっちゃいますね
ところで制空権ならぬ制宇宙権みたいなのってあるのかな

92:創る名無しに見る名無し
11/02/02 01:23:49 KYLThkep
マルチロールが中途半端なのはホジらないであげて;;

>制宇宙権
まだ人類宇宙の外でドンパチできるほど技術ないので無いんじゃあるまいか
制空権の概念が生まれたのも飛行機が空戦できるようになってからだったし

93:創る名無しに見る名無し
11/02/02 16:31:49 KOSeg4Wq
いちおう「ロシア宇宙軍」があるジャマイカw

94:創る名無しに見る名無し
11/02/05 23:10:46 Jh+q+EKJ
SSTOってポシャってたのか。残念。


95:創る名無しに見る名無し
11/02/10 13:14:32 OJNRqett
フェロモンを可視化できるような装置って作れるのかな
たとえばその粒子に反応して光るパルスを照射して、フィルタを通して可視化する感じで
残留フェロモンの量で何時間前に何人そこに居たとか、
どっちの方向に進んだなどの情報を集めるような
ってかフェロモンに反応する波長ってあるのかな、

96:創る名無しに見る名無し
11/02/10 14:41:15 igoa4BPs
つ犬

97:創る名無しに見る名無し
11/02/12 20:37:29 ps+RjNEp
>85

遅レスでスマン

 部分的なバイパス回路を開閉する、機体サイドについている
ということで、既に退役しているがSR-71がある。
燃料は共通。ラムもターボジェットも同時で動いている。

 で、ラムジェットを利用しても、実質的な問題として
・熱
・武装の使用
等の問題がでてくる。このあたりはSR-71とか、ウェポンベイを持っている
F-22なりの資料読めば役に立つんじゃないかな?

98:創る名無しに見る名無し
11/02/24 18:42:18.75 7+5SdNFE
97>レスありがとうございます
少し読んできました。耐熱素材や運用コストで色々難しいみたいですね。




99:創る名無しに見る名無し
11/02/24 19:29:02.76 /nFO1fDG
>>95
>フェロモンに反応する波長

もうどうやって突っ込んだら良いものやら。
とりあえず生物と物理勉強し直しなさい。高校レベルでいいから。

100:創る名無しに見る名無し
11/02/26 00:41:34.66 mqBNYm51
99>
勉強不足でごめんなさい><
残量からイメージ化できれば、人の動きが推測できそうだと思って
読み返すとはずかしくなってきました
ご指摘ありがとうございます
 


101:創る名無しに見る名無し
11/03/01 13:49:28.44 Qh024RDP
ちょっと投下してみる。気が向いたら支援よろしく

102:創る名無しに見る名無し
11/03/01 13:50:16.36 Qh024RDP

昨晩から降り続けていた雪は朝方になって降り止み、昼過ぎには雲の隙間から太陽が覗いていた。
草も、木も、川も、丘も、白いヴェールに包まれてしまい、その眩しさに誰もが目を薄める銀世界が広がっていた。
雪の白さに負けないほど白い息を吐き、じっと寒さに耐え、木の陰に隠れながら彼女は身構えていた。視線の先には馬にまたがった数人の男達。
栗毛色をした逞しい馬は、周りのあまりの白さの中で完全に浮いており、まるで手のひらにホクロがぽつんと出来たような違和感さえあった。
彼女は手に持っていた小銃を、木の幹に押しつけるように委託して構える。寒さと緊張で震える手では命中させる自身がなかった。
ゆっくりと引き金に手をかけると、鈍い破裂音と黒色火薬特有の白煙を上げて銃弾が飛び出した。男達のなかで一番身分の高い―おそらく将校の―
男の頭に狙い違わず銃弾は命中し、一瞬にしてその命を奪った。男がぐったりと落馬するのを確かめると
銃を放り投げて彼女はすぐさま逃走を開始した。散兵用に作られた、ライフリングが刻まれた貴重なライフル銃で
命の次に大事な品だが、担いで動く体力はおろか、弾丸すら残っていなかった。
その顔には達成感も、されども後悔や不安も浮かんではいなかった。愛嬌がないというわけではない。
寒さと疲労によって感情が薄れてしまったのだ。が、彼女だけというわけではなかった。
彼女が合流しようとしている人々の群れ―かつて大陸軍と呼ばれていた物の残骸、西へ西へとただ本能によってのみ進み続ける人々の列―
の至る所で、この無表情な人々を見ることが出来た。

「もはや戦争ではない……」

彼女のつぶやきは、雪を巻き上げながら吹きすさむ風の中へと消えていった。

103:創る名無しに見る名無し
11/03/01 13:51:02.83 Qh024RDP

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1812年6月、大陸封鎖令に従わぬロシアを懲罰するため、ナポレオン率いるフランス帝国の大陸軍はポーランドのネマン川を渡った。
その規模は40万とも70万とも言われている。だがそのすべてがフランス人で構成されていたわけではない。
一説によると、63万の兵の内32万が外国人の兵で構成されており、精査すればフランス兵は3分の1をしめるに過ぎなかったという話もある。
また、合計20カ国近くの国々の兵士で構成されていたとする史家もおり、ともかく国際色豊かな遠征軍であったと言えるだろう。

彼女、シャルロッテもまた、この遠征軍の一角を占めるノルトファーレン軍の一人だった。もっとも、すべての国が自由意志でこの遠征に参加したわけではない。
ナポレオンによって「自由と平等」が与えられた、とされる国々は再編されその多くがフランスと同盟を結んだ。
同盟と言えば聞こえは良いがその実保護国ないし従属国であり、「お上」たるフランス皇帝の命には逆らえないのが実際のところだった。
とはいえ「封建制度をひっくり返し君たちを圧政から解放してやろう、土地も与えてやろう」というお題目を唱え、
のみならず実現してしまったナポレオンは、シャルロッテのような貧しい農民達にとっては気を悪くするどころか好感さえもてる人物だった。

とにもかくにも、ドイツ諸侯の一つでありライン同盟に加盟しているノルトファーレンは、おおむね政治的理由でもってナポレオンの元へ馳せ参じることを決定したのである。
その数1万。しかしそのうち正規の兵士は6千人を数えるのみであった。独立して間もない小国で国力も兵力もないのが原因である。
幸いだったのは、一連の革命によって手に入れた土地と自由を失いたくないという打算―他人には大抵の場合愛国心と表現される―を持ったり、
ナポレオンにある種の恩を感じた若者が義勇兵として集ったことだった。彼らはごく短期間の訓練のみを受け、正規兵の支援に付くことを命令された。
支援と言ってもそのほとんどが荷役や塹壕堀り、野営地の設営といった雑用であり、実際に撃ち合いをすることは無いとされた。
それを知ってか知らずか、彼ら義勇兵の中には立身出世や戦場での略奪による一攫千金を狙う者も少なからずいたが、ともかくやる気があればよしとして不問にされた。
そのためか、正規兵は遠征の理由を理解しているため士気が低いが、義勇兵は士気旺盛という逆転現象が発生してしまっていた。

シャルロッテもそうした義勇兵の一人だった。ただ彼女には世の中のあらゆる場所を見てみたいという冒険的な目的があった。
貧しい農村で一生を全うしなければならないことに嘆いていた彼女にとってこの度の義勇兵の募集は千載一遇のチャンスだった。
農村に一人、元役人だったという老人がいたのが助かった。19世紀初頭でもまだ貴重な、文字の読み書きや公文書作成といったスキルを持っていたからだ。
ロマンの分かるこの老人は快くシャルロッテに協力してくれた。一度書類を偽造してしまえば案外もろい物で、すんなり入隊までこぎ着けたのだが、ここまで来て
困ったことが起きた。入隊のその日に行われる身体検査である。花も恥じらう18歳。いくら医師とはいえ男の前で服を脱ぐのは無理という物だった。

あれよあれよという間に一騒動になってしまったのだが、言い訳を重ねている間に「愛国心に燃える戦乙女」であるということになってしまった。
部隊のマスコット兼伝令兵という、彼女にとってはいささか不満のある役目へと軟着陸できたのは幸運のおかげでもあったが、それ以上に深刻な時間不足・人材不足があった。

104:創る名無しに見る名無し
11/03/01 13:51:51.96 Qh024RDP

さて、このごった煮軍団は5種類の女性がいた。一つ目はシャルロッテのように兵士として滑り込んだ者。二つ目は高級将校の婦人もしくは愛人として連れ添った者。
全体からすればこの二者は無視できるほど少ない。三つ目は従軍娼婦である。軍隊の後を馬車に乗りぞろぞろと付い来るのだ。無論取り締まりは行われたが、
この手の規則や制限が成功した試しはない。四つ目は酒保係の女達である。原則として「下士官または兵士の妻で品行方正な者」とされていたが、
どう見てもいかがわしい者や子連れの者さえいた。彼らは軍隊に雇い上げられ、洗濯や裁縫といった雑用や物品の販売を行った。
五つ目が酒保商人である。いくつもの馬車を連ねた彼女達―割合からすれば男性の方が多かったのだが―は兵士達にあらゆるサービスを提供した。
賭博場や酒場、飯屋に娼館、さらには兵士が略奪した品々の売買までやってのけた。
彼女達は銃弾の中を駆け回り商いをすることもあれば、敗走する軍と共に消え去ることもあった。

なんにせよ火ぶたは切って落とされた。遠征軍は実に7日をかけてネマン川を渡り、ロシアの広大な大地を進み始めたのだ。

105:創る名無しに見る名無し
11/03/01 13:53:00.75 Qh024RDP
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大陸軍は川を越えた後、すぐさまロシア軍の包囲殲滅へと移行した。敵野戦軍を撃破し速戦即決を目指すのはナポレオンの十八番である。
しかしそのロシア軍は全く姿を見せず、ひたすら東へ東へと撤退を続けるのみであった。彼らは自らの手で家々や田畑、薪として使うための木々すら焼き払って行った。
典型的焦土戦術と言えよう。彼らに大陸軍に立ち向かうための戦力がなかったわけではない。遠征が始まった時点で、30〜40万ほどの兵士と
数万のコサック兵が戦闘準備を完了しており、9月までには90万を超える大軍となっていた。ロシア軍の行動の意図がどこにあったのかは今でも議論が分かれるが、
半分は初期の兵力不足のため、もう半分は「ナポレオン恐怖症」が引き起こしたのだ、と考えて差し支えないだろう。

ロシア軍は日に60キロという凄まじい速度で後退していった。大陸軍も強行軍でそれを追撃する。
ナポレオンは日頃「最も良い兵士とは歩く兵士である」と公言し、兵士達もまた「皇帝は我々の足でもって勝利を得た」と誇っていた。
機動力を用いて敵の思わぬところから攻撃を仕掛けるというのが彼らの基本戦術であった。されども、この大陸軍の中心を占めるのは20歳ほどの新兵であり、
経験も訓練も十分ではなかった。彼らの背嚢と小銃・弾薬は合計すれば30キロ近くの重さになり、また昼は暑く夜は冷え込むロシアの初夏が彼らの体力を奪っていった。
士気と装備に恵まれたフランス兵ですらこの有様であったから、嫌々付いてきた他国の兵士達、とりわけノルトファーレンの無気力な兵士達はひとたまりもなかった。
無理な行軍の結果、大陸軍は二日目にして5万人もの兵力を喪失したのである。

それは異様な、あまりにも異様な光景であった。路上のあちらこちらに強行軍・飢え・渇き・気候の犠牲となった死者や瀕死の者が横たわっていた。
落伍した者達のうち、ある者は追いつこうと必死で歩き、ある者は馬車の片隅へと乗せてくれるよう哀願した。
先頭の兵士は規律ある行軍を行っていたが、後方に目をやるにつれその規律は緩み、さらにその後方を食料や資材や弾薬を詰め込んだ馬車、
士官やその婦人を乗せた馬車が続き、さらにその後ろに酒保商人や兵士に追い立てられる家畜、荷車や牛車を引く徴発された農民たちが続いた。
隊列は長く伸び切り、まるで遊牧民のように乱れた姿であったとも言われている。

兵士達は4日分の食料のみを携行し残りを後方から受け取ることになっていたが、あまりにも速い進軍ペースに輸送力はまるで追いつけず、
先頭部隊との距離は引き離されるばかりであった。そのため至る所で飢餓が蔓延し、空腹になった兵士達は焦土作戦を辛くも逃れた農家を襲撃して回った。
それでもこの「先頭部隊」は真っ先に略奪にありつけるため、他の部隊よりも食糧事情が良かったとされる。後世の計算によれば、
20万の部隊が60日かけてモスクワへ行くためには兵士だけでも1万8千トンの食料が必要であり、それは輜重隊の全輸送力の倍であると言われている。
空腹だったのは兵士だけではない。馬に与えるまぐさもまた慢性的に不足していた。フランス軍に従う馬匹は25万頭。
馬は人間とは比べものにならないほど食べ、比べものにならないほど飲む。もちろんまぐさを運ぶ馬車が用意されたが、その馬車を引く馬にも食べさせねばならない。
ついには藁葺き屋根のワラを刻んで与えたのだが赤痢が発生してしまい、気候のせいもあり最初の100キロを進む間に5千頭の馬を失った。
6月29日夜、雪とあられが混じった嵐が吹き渡り多数の馬が倒れ、凍死者も発生した。絶望にとらわれた落伍者の中には銃をくわえ自殺を図る者もいた。

106:創る名無しに見る名無し
11/03/01 13:54:03.75 Qh024RDP
意外な事にシャルロッテの健康状態は良好そのものだった。伝令兵という身分を生かし、本隊から離れて酒保商人にべったりとくっついて行くことで
温かい食事と毛布にありつくことが出来たからだ。

「それで、一体いつ支払ってもらえるのかな? シャルロッテ嬢?」
「姉様! そんな言い方をしてはシャルロッテさんが可哀想です!」

代償として金目の物一切をなくすどころか借金をこさえてしまったが、背に腹は代えられない。
これが悪徳商人なら肌着一枚残さずひん向かれてしまうところだった。たまたまノルトファーレンから来た酒保商人、シセとスティーネ姉妹に出会えたことが幸運だった。
姉のシセは20歳くらいだろうか、舐められないようにと男物の服装で身を固め、短く切りそろえた髪が特徴の凛々しい女性だ。
妹のスティーネはシャルロッテと同じか少し低いくらい。長い髪と病弱にも見える白い肌が特徴で、日に何回か手を合わせて祈っているのを見かける信仰深い少女だ。
姉と違い、彼女は慈悲的行動―要するにボランティア―でもって負傷者の手当を手伝っているらしい。金銭的見返りを求めないその行為は
今でこそ賛辞と共に迎えられるが、この時代ではそれほど価値のある行為ではなかった。それでも、そのひたむきさが彼女をより一層魅力的で神聖な存在にしていた。
2頭立ての小さな馬車に荷物を積み込み女だてらで戦場にやって来た彼女らは、夕食の準備をしているところに空腹の余りよだれを垂らしそうなシャルロッテと遭遇し、
黒パンとベーコン、干し魚を戻したスープに固チーズを振る舞った。のみならず綿の毛布まで手渡してやったのである。翌日代金を要求したところシャルロッテは顔面蒼白、
給料は遅配のせいでもらっていないと答えたところ、ならば身ぐるみ剥いでやろうかというシセの冗談交じりの猛口撃を受けた。
結局スティーネが場を取りなし、給料がもらえるまで姉妹の手伝いをすること、その間の食事は保証してやることが決まった。

小さな馬車の中にどうしてこれほど品々が詰まっているのかと言うくらい、シセはあらゆる商品を取りそろえていた。
思いつく限りの食材が用意してあったし、ワインやエールといったアルコール、さらには衣類や靴、クシやカミソリといった日用品までもが所狭しと並んでいた。
一体どこからどうやって仕入れたのか小銃やピストルまであった。なるほどこれが酒保商人の商人たるゆえんか、とシャルロッテは深く感心する。

さて「本隊から離れて」と言ったが、これには語弊がある。本隊―すなわちノルトファーレン軍は侵攻1週間を立たずして落伍者や脱走者が相次ぎ、
事実上瓦解していた。7月にはその戦力の半分を消耗していたし、隊列はガタガタで、小部隊があちらこちらに点在して気ままに進撃している状況だった。
だからシャルロッテがいくら「本隊」を探しても見つかることはなかったし、見つけても給料を積んだ馬車、分かりやすく言えば現金輸送車は強盗と化した義勇兵に襲われ
銅貨1枚残さず姿を消してしまっていた。

107:創る名無しに見る名無し
11/03/01 13:54:56.86 Qh024RDP

ロシアの冬が厳しいのは有名だが、夏もまた厳しい。雨が降れば道路はたちまち泥で埋め尽くされ人も馬も足を取られる。
必死にもがけばもがくほどその足は泥をこね、後に続く者はその泥に難儀することになる。
馬車の車輪は小石が川に沈むよりもたやすく泥の中にのめり込み、脱出するためには男達に押してもらう必要があった。
商人姉妹の馬車も例外ではなく、シャルロッテもまた泥まみれになりながら馬車を押した。
それでもまだマシな方だ。馬で牽引している大砲は砲身の中まで泥まみれになりながら進んでいたし、
士官やその婦人が乗るような大型の馬車に至っては、進んでいるより止まっている時間の方が長いように見えた。
美しく仕上げられた装飾はあっというまに泥とホコリに埋まってしまった。

では日が差して泥が乾けば良いのかというとそうでもない。今度は砂埃や土埃が一斉に巻き上がり、あたかも霧のように人々をすっぽりと包み込んだ。
目や鼻、耳、爪の間と所かまわずこびりつく一方、痛々しいまでの直射日光が体力を奪っていく。誰も彼もがハンカチや外套で顔をすっぽりと包み、目だけを出すという
お化けのような格好で歩き続けた。渇きに苦しむ彼らは泥水であろうと構わず飲み干したし、井戸を見つければ我先にと争いや喧嘩を起こした。
こんな有様だったから、兵力は見る間に溶け去っていったし、元から遅れていた行軍はさらに遅れを来した。

行軍が特に遅れていたのは、ナポレオンの末弟ジェローム・ウェストファリア王率いるウェストファリア軍、ナポレオンの妻であるジョゼフィーヌの先夫の子
ウジェーヌ・ド・ボーアルネイタリア副王率いるイタリア軍、そしてノルトファーレン軍だった。この3軍を待つためにナポレオンはリトアニアの都市
ヴィルナで6月末から7月16日までの18日間もの間待機することを余儀なくされた。彼を苛立たせるには十分だっただろう。

一戦も交えていないのにもかかわらず遠征軍の兵力は坂を駆け下りるかのように減少し、残った兵士達の健康状態や士気も劣悪そのものだった。
国境から400kmの都市ヴィテブスクに到着するまでに兵力の5割を喪失し、水不足のせいで8千頭の馬―すべての軍馬の半分―がロシアの大地に飲み込まれていった。
速戦即決というナポレオンの戦略は不気味なきしみを上げ始めていた。

108:創る名無しに見る名無し
11/03/01 13:56:00.33 Qh024RDP
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7月26日、遠征軍はヴィテブスクから20kmほど手前のオストロヴノでついにロシア軍を捕捉した。その頃にはようやくノルトファーレン軍主力に合流出来た
シャルロッテだったが、そこで見たのは不甲斐ないまでの消耗ぶりだった。正規兵は2500人、義勇兵は1000人にまで減ってしまっていたのである。
もはや君も戦わねばならない、ノルトファーレン歩兵大尉を示す軍服を着た将校からそう言われ、小銃と弾薬の入ったカバンを渡された。
彼女は戸惑う。―冒険旅行のつもりでついてきた遠征だ。まさか撃ち合いをやれとは。戦列の組み方や、各種陣形への移行といった戦闘訓練は
短期間でごく基本的なことをやっただけだし、射撃に至っては数えるほどしかした覚えがない。長く重いマスケットを握る手が震える。

あたりがガヤガヤと騒がしくなり、馬や兵士が行き交う。マスケット兵が横40列、縦3列の小部隊を組み、その小部隊が6つ横に並ぶ。
もはや正規兵も義勇兵も関係無しに部隊を編成せざるを得ないほど頭数が減っていたが、そのせいで陣形を組むのにいつもの倍の時間が掛かった。
その前方に少数の散兵が展開し、後方にはドラムやラッパを持つ軍楽手、側面には砲兵が構える。戦闘準備が完了した頃にはもう銃声がとどろいていた。
敵はどのくらいなのか、精鋭であるフランス軍は何をやっているのか、自分たちの出番はいつなのか。兵士達は全く知る術を持たなかったし、
それは指揮官とて同じだった。精々、馬に乗った偵察兵から状況を伝えられるとか、単眼鏡で様子を見るとか、その程度しか情報を得る手段がなかった。
電信や電話と言った手段が発明されるにはあと50年近くを待たねばならない。
幸運なことにノルトファーレン軍はちょうど丘の上に陣取る形になった。マスケット兵の戦列のうち、
右から2番目の小部隊にいたシャルロッテは眼下に広がる戦場を一望する。
兵士が一斉に銃を撃ち、騎兵が駆け抜け、野砲は轟音を上げて砲弾を撃ち出す。統制された砲兵隊はごく僅かな間を置いて次々と砲撃を開始する。
あたかも導火線の火花が走るように、あるいはキャンバスに筆で絵の具を塗るように、白煙が筋を描いて流れた。
視界は余り良くない。小銃や大砲から出る煙と、馬や兵士が巻き上げる土煙のせいで戦場一帯は霧が掛かったようになり、目をこらさなければよく見えない。
右手前、30mくらいに野砲の流れ弾が飛んできた。地面がえぐり返され猛烈な砂埃が立ち上る。誰もが身をかがめたが、
先ほどシャルロッテに銃を渡した歩兵大尉―無精髭を生やしヨレヨレな軍服に身を包んだ部隊指揮官―だけは全く驚いたり慌てたりする様子が無い。
それどころか他の指揮官と笑顔で談笑さえして見せた。彼らが少しでも困惑の様子を見せれば部隊はたちまち統制を失う。
部隊が前進すればその先頭に立ち、突撃に際しては自らが一番槍となる指揮官達は、驚いたりひるむことを許されない。指揮官に不可欠な能力であった。
戦場の喧噪に飲み込まれ、思考力の半分を失っていたシャルロッテは髭の指揮官をぼんやりと見つめる。これが人の上に立つ者が持たなければならぬ器か。

109:創る名無しに見る名無し
11/03/01 13:56:50.18 Qh024RDP

無精髭の指揮官が馬に乗った伝令から一言二言伝えられると、他の指揮官になにやら指示を出してから、シャルロッテらの方に向き直り大声で叫ぶ。
その声は戦闘騒音を突き破るに十分な音量があった。

「全隊、休め!」

命令に従い、陣形を組んだ男達がどっかりと座り込む。休めの命令が出たという事は、自分たちが撃ち合いを演じる可能性がほぼ無くなったと考えて良い。
部隊から緊張がふっと抜ける。ある者は銃のチェックをし、またある者は帽子や衣服のほつれを糸と針で縫い直す。またある者は隣の者とおしゃべりを始めた。
シャルロッテも座ったものの、全く緊張感が解けない。顔がほてり背中に汗が流れるのが分かる。酷く喉が渇いていたが、水筒はとっくに空だった。

「大丈夫かい、お嬢ちゃん」

辺りに響く騒音の中から自分に向けられたであろうその音を聞き取り、シャルロッテはその声の主を捜した。
振り向いた先には齢50くらいだろうか、顔にいくつものシワとシミ、そしてもじゃもじゃしたあご髭を蓄えた老兵がいた。
ブリキ製の大きな水筒を差し出すと、シャルロッテに飲むよう促した。中身も匂いも確かめずに口を付ける。一口飲むと、むせるような香りと
喉が焼ける感触を覚えた。咳をしてむせ返る。中身を日にかざしてみれば、なんとワインではないか。

「はっは! 急いで飲むからだよ、お嬢ちゃん」

ゲラゲラと笑う老兵に水筒を突き返す。このヘルマンという老人は、シャルロッテが赤ん坊の頃から兵隊をやっている古参兵だという。
退役した後はのんびりと年金生活を送っていたが、祖国独立を機に昔取った杵柄を振るうことに決めたのだそうだ。
身の程話を聞いているうちに銃声が止んできた。ミュラ元帥の騎兵隊が追撃を行いロシア軍に打撃を与えた、と事の顛末を聞いたのは翌日のことだった。
結局、シャルロッテ、というよりノルトファーレン軍が右往左往している内に戦闘は終了してしまったのである。

110:創る名無しに見る名無し
11/03/01 13:58:04.88 Qh024RDP
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7月28日夕刻、遠征軍はヴィテブスクの街へと入った。ロシア軍はスモレンスクへと後退する途中街へと通じる西ドヴィナ河にかかる橋を落とし、市内に火を放っていた。
住民も5分の4が避難してしまい、さながらゴーストタウンと化していた。傷病兵を教会や僧院へ収容し軍を編成する傍ら、物資の集積が始まる。
と同時に、兵士による略奪が始まった。彼らは手当たり次第に商店や家屋を襲撃し始め、食料、酒、衣類、貴金属といった品々を頂いてしまう。
下士官には彼らを止める責任があるのだが、略奪した品のうちいくらかを上前としてはねるという紳士協定を結んでいたので、むしろ兵たちをそそのかす立場だった。
それどころか、士官や将軍といった人々も空き家になった住宅を家財道具一式ごと「間借り」し、どこからか手に入れた絨毯や家具で部屋を
飾り、地下の酒蔵にあるウイスキーやブランデーの栓を開けていたりしているのだから、なにをか況んやである。
400kmに及ぶ行軍で疲れ果てた兵士達の目の前に宝の山が眠っているも同然の状況では、いくら略奪を禁止したところで効果は薄かった。

無論シャルロッテも蚊帳の外ではなかった。ヘルマン率いる数人のノルトファーレン兵に連れられ共に市街の探索に出かけたのである。
この老兵は銃の扱いだけではなく、略奪にも長けていた。何かありそうな家々へ入り込み、家捜しを行う。
もっとも、先に入城したフランス兵がめぼしい物はおおかた懐に入れてしまったので、街の外れまで行かなければならなかった。
若い兵士達はいかにも高級そうな毛皮や宝石がいくつもちりばめられた装飾品など、どちらかというと実用性より金銭的価値のある物を求めているようだった。
一方のヘルマンはひたすら酒を求めている。酒瓶は嵩張るものだが、彼は器用に背嚢に収めていた。
ではシャルロッテは? あまり気乗りしなかった。元々他人の物である。いくら戦争とはいえ勝手気ままに持って行くのは正直はばかられた。
すでに息が酒臭いヘルマンにそう言うと、彼は笑いながらこういうのだ。
俺たちは「廃品回収」をやっているだけだぜ、お嬢ちゃん。捨てられている物をもらってもバチは当たらんよ。

数軒向かいの建物では痛飲した兵士達がドンチャン騒ぎを始めており、テーブルの上には大量のパンや果物、獣肉が並んでいた。
馬に乗った士官が眉をひそめ、なにやら怒鳴りつけている。ヘルマン曰くこれも当たり前の光景だそうだ。
余り価値のなさそうな物ならよかろうと自分を納得させたシャルロッテが得た「戦利品」は以下のようになる。
取って付きの小さな鍋ひとつ、絹のハンカチ2枚、少々サイズが大きい革靴一足(今の靴はすでに履きつぶしてボロボロだった!)
革靴を手に入れられたのは有り難かった。行軍がどこまで続くか分かったものではない。足は大事にすべきだ。
味を占め少しずつ「大物」を狙い始めた矢先ノルトファーレン軍の士官に制止された。この士官は堅物中の堅物で、
腰に付けたサーベルで切られかねないと判断したシャルロッテは、酔いどれているヘルマンや兵士達を尻目にそそくさと退陣したのである。

111:創る名無しに見る名無し
11/03/01 14:00:34.64 Qh024RDP
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街の広場では酒保商人や兵士達が各々のテントを張り、さながら遊牧民のキャンプのような様子だった。
商いや食事、賭け事にふける人々をかき分けシャルロッテは商人の姉妹を捜す。
少し薄暗くなり始めた頃ようやく馬車を見つけ、近寄ると姉のシセに声をかけられた。

「金目の物は見つかったかいお嬢。売り払ってくれるなら借金から棒引きしてあげるよ。」
「それはまた今度に。……あの、これを」

そう言って先ほど手に入れたばかりのハンカチを1枚差し出す。隅に小さな刺繍が施され、美しい光沢を放っている。

「ん? これを売りたいと?」
「いえ。個人的な贈り物です。その、色々とよくして貰っていますから」

ちょっと照れくさかったが、言うときは言うべきだ。特に感謝の言葉は。
シセは「それなら有り難く頂いておこう」とにっこり微笑み、丁寧に折りたたんでからポケットに入れた。

「まったく、商人冥利に尽きる話だ。出来の良い娘だなお嬢は」
「あの、それで、スティーネさんはどこに?」
「ふむ。負傷兵の手当を手伝いに教会へ行ったよ。あそこだ」

シセが指さす先には、辛くも放火の手を逃れた古びた教会があった。今は大陸軍の負傷兵で溢れかえっているはずだ。

「ありがとうございます、シセさん。ちょっと行ってきます」
「腰を抜かさないようにな」

シセの言葉の意味が掴めなかったが、それはともかくとしてスティーネの行動力には圧倒される。
1文の得にもならないと分かりきっているのに、それでも戦場へ着いていき、怪我をした者の手当をする。
信仰心とか隣人愛とかそういう行為を説明する理由はあるし、それはシャルロッテも分かっているのだが
あまりにも抽象的な概念であるがために、いまいちその実像を掴めない。
スティーネの内なる力強さにただただ圧倒されるばかりだった。

この時代、戦場での看護婦という概念はほとんどなく、またその評価も低い。「白衣の天使」が誕生するのは
おおよそ半世紀後、ロシアのクリミア半島においてかのナイチンゲールが活躍するのを待たねばならない。

112:創る名無しに見る名無し
11/03/01 14:01:22.63 Qh024RDP
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教会に入るとすぐ、猛烈な異臭が鼻をついた。薄暗い教会の至る所に兵士が寝かされ、修道女たちがあちこち走り回っている。
手足を切断された兵士から、骨折しただけの兵士、そして中にはすでに事切れている兵士もいた。
突然、弊誌が傷みに絶叫する。人間の物とは思えない叫び声に全身の毛が逆立ち、冷や汗がたれた。
血まみれの兵士に囲まれるようにスティーネはいた。

「シャルロッテさん、どうしました?」

悲壮な表情を浮かべながらも、精一杯明るい声を出そうと努めているスティーネが痛々しかった。
手当の際に付着したのだろうか、衣服も身体も血まみれで、特に手は爪の中にまで血が入り込んでいた。
シャルロッテは周囲の状況に押され何も言えない。重傷者に囲まれたこの場所で、プレゼントがあるから受け取って、などとは言えるはずもない。

「何か、何か手伝えることはある?」
「手当はだいたい終わりました。あとはここのシスターたちに任せましょう」
「そう……」
「シャルロッテさん、顔色が悪いですよ。大丈夫ですか」

これが死臭というものか。教会に入ってからまだ5分とたっていないのに頭痛とめまいを覚え倒れそうになる。
ふらふらし今にも倒れそうな足取りをスティーネが寄り支えた。

「ここは空気が悪いですから。ちょっと外へ出ましょう」

教会の庭に出る。手入れが行き届いた小ぎれいな庭だった。

「人があんな風に死ぬなんて……」
「シャルロッテさん……」
「ずっと、ずっと見えない振りをしていたんだ。殺し合いはとんでもなく酷いことだぞ、って。
 でも、でも! あんなのって、無いよ」

うずくまり、嗚咽を押し殺しながらシャルロッテの独白は続く。

「人を殺す事って、どういう事なんだろう。人を殺して生き延びた先に、何があるんだろう」
「わかりません。でも、それを知るためにも生き抜かないといけないじゃないですか。
 生きることと死ぬこととどちらが辛いんだろうって、怪我をした人の手当をしながらずっと考えていたことなんです。
 死んだら何もかもおしまいじゃないですか! そんな簡単に……簡単に生きるのを止めるなんて」

らしくない大声をスティーネが出すのに驚くシャルロッテ。その一声で弾かれたように頭の回転が速くなってきた。
戦争哲学をスティーネに語ったところで問題解決になるわけではないし、今見たことが戦争の全てではない。
端的に言えば愚痴を吐いただけであり、そのことが酷く恥ずかしく思えてきた。

「なんか責め立ててるみたいでごめん」
「そんな。愚痴が言いたかったらいつでも来てください。聞きますから」
「ごめん。でもありがとう」

ほんの一瞬だけ先ほど見た兵士の死体を思い浮かべたシャルロッテは、額からつま先へと突き抜けるような痛みを感じ、
次にはその痛みが麻薬のように思考を麻痺させた。みるみるうちに表情が変わり、打って変わったように明るい声で言った。

「君に渡したい物があるんだ。ちょっと見てくれるかな」

声の調子がガラリと変わったことに、スティーネは驚きよりも恐怖が先にこみ上げた。

113:創る名無しに見る名無し
11/03/01 14:16:58.90 Qh024RDP
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7月31日未明、フランス軍の偵察が小規模なロシア軍を発見した。
後退が追いつかず味方に取り残され、前進してくる遠征軍に「追い抜かれた」部隊らしい。
フランス軍をはじめとする遠征軍主力は再編中で混乱しており、小規模故に割と統制の行き届いていたノルトファーレン軍に白羽の矢が立った。
というよりも、ノルトファーレン軍が本来偵察を割り当てられていた場所に斥候を出していなかったために、ここまで近づいてようやく発見出来たのであり、
自分でまいた種を自分で刈らせる方便に過ぎなかった。とはいえ言われた以上やるしかない。直ちに命令が下され、慌ただしさが軍全体へと拡散していく。
シャルロッテは寝起きしていた商人姉妹のテントから出て、身なりを整えた。

「シャルロッテさん」

スティーネがおそるおそる呼びかける。

「死んだりしたら、死んじゃぁ、いけませんよ!」

じっと目を合わせた後ゆっくり頷く。覚悟は決まっている。

「行ってくる」
「はいっ」

そういって駆け出す背中をスティーネは寂しく見つめていた。
別のテントからシセが出てくる。

「どうだった?」
「可哀想に。シャルロッテさん、もう、人を殺せる目をしていたわ」
「そうか」

小さく返事をしてシセは馬車の中に入る。スティーネの手は絹のハンカチをあらん限りの力で握りしめ、
その指は白くなっていた。

114:創る名無しに見る名無し
11/03/01 14:18:04.41 Qh024RDP
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兵士達は規則正しく隊列を組み、戦闘準備を完了した。太陽は東の空にやっと出てきたばかりではあるが、すでに気温は高く
それでいて乾燥しているがために、不快なことこの上なかった。唯一の利点は火薬が湿ることによる不発が押さえられるだろうと言うことだ。
ノルトファーレン軍は密集体型をとり兵力を集中させる。そう言えば聞こえは良いが、実際には第2陣第3陣を組むだけの兵力が最早どこにもなかっただけの話だ。
戦闘に参加しているのは3千人をやや下回るくらいの人数であり、最初の3分の1にまで減少していた。

あの無精髭の歩兵大尉が叫ぶ。

「総員着剣! ドラム鳴らせ。前進!」

戦場にはおおよそ不似合いな軽快な行進曲が流れ、そのリズムに合わせて前進する。遙か彼方にはロシア軍。
この距離では撃っても当たらないし、駆けだしたところでたどり着く前に息が切れる。集団を決まった速度で動かすための軍楽隊である。
じりじりと距離を詰めるのが非常にもどかしいが、どうすることも出来ない。駆け出すことも逃げ出すことも、シャルロッテには許されていない。
死の恐怖と真っ正面から向き合うことを余儀なくさせるこの戦列歩兵という戦術は、兵士達におおよそ非人間的忍耐を強制した。
しかし、伊達や酔狂でこんなことをしているのではない。

歩兵の友、唯一絶対の火器であるこのフリントロックマスケットは100m先の目標に命中させることも覚束ないのだ。
火力を発揮するには「敵の白目と黒目の区別がつくほど」接近してから撃つほか無い。
射程は短い、装填に時間がかかる、猛烈な煙を出す。数々の欠点はあれどそれでも数十〜数百人の一斉射撃は敵を撃破するだけの圧倒的火力を提供してくれる。
銃剣を用いた密集陣形は騎兵に突撃を躊躇させ、また白兵戦では2m近いリーチを持つ。恐怖心を和らげ火力を上げるために集団で行動する。
当時の技術的限界からすれば実にかなった手段だったのだ。

敵味方の砲兵が好き勝手に砲弾を飛ばすまっただ中を、ノルトファーレン軍、そしてシャルロッテは前進する。
敵方の榴弾が炸裂し猛烈な土煙を上げる。味方の砲弾が見当外れな所に着弾する。2発目は方向を修正したのか、より敵に近いところに落ちた。
砲撃だけで敵を撃退出来ない物だろうか。そう考えた矢先、また敵の野砲が火を噴いた。
ラウンドショットと呼ばれる球形の砲弾だ。中に小さな玉が入っているとか、爆薬が詰め込まれているなどと言うことはない。
純粋な鉄の玉だ。ほとんど角度を付けずに飛び出した鉄球は地面を幾度もバウンドし、微妙に方向を変えながらシャルロッテの方へ向かってくる。
この時代完全な球形を作ることは難しく、重心がずれていたり表面が崩れていたりする弾も珍しくないのだが、そのために変化球となり
兵士の恐怖を一層あおり立てた。まるで生き物のように軌道を変えた砲弾を、シャルロッテは無視しようと努めたが、身体はそれに逆らい身をかがめた。
砲弾は4列ほど右隣の兵士へ向けて飛び込み、彼らの生命と共に、腕や足、時には首をもぎ取りながら突き進んだ。我々の感覚で言えばボウリングと同じだ。
重い球でピンをなぎ倒す。ただし、ピンが生きている人間だという決定的な違いがある。一撃で十数人をなぎ倒した砲弾によって、統制のとれた隊列に阿鼻叫喚が生まれた。


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