事件や事故に巻き込ま ..
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326:スペースNo.な-74
10/12/03 00:33:31
市場調査にとコミケに踏み入った男。
こんなアマチュアのエロ本にナンボの銭が動くのかねぇ、と
気乗りしないまま会場を回る。
そこ此処の煌びやかで甘ったるい絵が食傷気味になってきた頃、
休息を求めて比較的おとなしい一角に足を向ける。
ふと、周囲に比べて一際地味な展示スペースの前で足を止める。
今までのそれと比べると目に優しい印象の絵柄の品物が並んでいた。
値段は500円。品物の薄さと釣り合わないと思いながら、適当に手に取り表紙をめくる。
何気なしに読み進める。素人目にわかる拙い描線。漂う未完成さ。
ただ何となく読み進める。絵に目に馴染んでくる。主人公の名前を覚える。
ひたすら読み進める。主人公に立ちふさがる障害が憎くて仕方ない。
気がついたときには胸と目頭が焼けるように熱くなっていた。
男は慌てて財布から1000円札を取り出し、釣りをもらうのを忘れそうになりながら、
手にしていた本を抱えてその場を後にした。

それから男はボロボロになるまでその本を読み返す。
本に載せられていたURLを頼りに作品を作った人物を知る。
その人物が新しい作品を作ったと言えばいの一番に会場に駆け付け、
湧きあがる熱い思いを匿名で送り続けた。
過去に忘れてきた甘酸っぱさがそこにはある。
男にとってその会場で使う500円はどんな札束よりも価値があるように思えた。
あの作品たちを生み出す指先を守りたい、そう思っていた……



っていう話を考えたからお前らパクるなよ


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