雪華綺晶「ジュン登り ..
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186:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
08/10/07 07:15:56.62 A1xAIJijO
畜生・・・・・追いつきやがった

187:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
08/10/07 07:27:43.74 ZSD8NyutO
水銀燈「保守・・・と」

188:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
08/10/07 07:56:56.79 YVWOsjnUO


189:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
08/10/07 08:14:28.37 4cI/U1CBO
雛苺「これは間違いなくぷん太に載るの。だからヒナも頑張って保守するの―」

190:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
08/10/07 08:47:39.79 KMDBjCTB0
残ってた

191:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
08/10/07 09:06:29.40 97x1GmZX0
俺の見間違いじゃなけりゃ作者が帰ってきているんだが

192:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
08/10/07 09:12:38.95 X45AxAtPO
今度は終わるまで何ヶ月かかるの?

193:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
08/10/07 09:17:00.54 KMDBjCTB0
今度はそんなに長くないはずだ
まだ全部書き終えてないから分からないけど
きっと前ほど長くないはず

じゃあ再開

194:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
08/10/07 09:17:25.94 KMDBjCTB0
 

これまで、何の音沙汰もなかった『敵』が、いきなり目の前に現れた。
驚愕しつつも、即座に戦闘態勢に入る。

即座には、白薔薇は襲ってこない。
「……貴女」
とりあえず、口を開くが、驚愕のせいで言葉がなかなか出てこない。

白薔薇は、何も言わず、真紅を見ている。
とにかく、落ち着いて、思考をまとめる。

「………今度は、私、かしら」
雛苺を襲い、雛苺の身体を奪って。
その次に、真紅の前に現れたのだから、
白薔薇の次の標的は、真紅なのだろう。

白薔薇は、何も言わない。

 

195:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
08/10/07 09:20:35.22 KMDBjCTB0
 

「………?」

対峙、したまま。
白薔薇は、何の動きも見せない。

さすがに、怪訝に思う。

「……貴女、何のつもり?」

白薔薇は、真紅を見ている。

 

196:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
08/10/07 09:26:18.18 KMDBjCTB0
 

焦れる。

「貴女。雛苺を襲ったでしょう。アリスゲームを、したいのでしょう。
 今度は、私と戦いに、来たのでしょう」

問うが、
何の反応も、返ってこない。

「………貴女。一体……」


「 お姉様 」


白薔薇が、口を開いた。

 

197:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
08/10/07 09:26:46.92 rAv20jct0
支援

198:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
08/10/07 09:29:10.87 xZix67JDO
ぷん太期待age

199:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
08/10/07 09:32:00.51 KMDBjCTB0
 

「聞きたいことが、あるのです」

白薔薇は、言う。

「……何かしら」

答えながらも、
白薔薇の様子を見て、真紅は怪訝に思う。

雛苺の身体を奪ったときのような、
余裕のようなものが、感じられない。

なんだか、覇気がないというか、無理をしているような、感じ。

眉を寄せた真紅の視線を受けながら、
白薔薇は、問う。

「………『抱っこ』って、なんですの?」

 

200:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
08/10/07 09:32:22.50 OdRuYn370
追いついたぜ

201:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
08/10/07 09:33:42.04 b7r2Mq+20
きらきーage

202:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
08/10/07 09:38:36.52 KMDBjCTB0
 

「……え?」

意味の分からない質問に、真紅はとっさには答えられない。
白薔薇は、問いを続ける。

「お姉様や、翠星石や、雛苺は、彼、いえ、人間に抱かれることを、好んでいます。
 それは、なぜ、ですの」

「抱っこって……貴女、何の話を」
白薔薇は、真紅達にとって、危険な存在のはずなのだが。
その白薔薇から、どうも妙な質問をされている。

 

203:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
08/10/07 09:40:35.46 ZSD8NyutO
支援ですぅwktk

204:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
08/10/07 09:42:35.35 KMDBjCTB0
 

「人間に、抱かれることに、何の意味があるんですの。
 共に在りたいと願うだけなら、そんなことをする必要はないでしょう」

白薔薇は、淡々と、質問を続ける。

「だから、貴女、何の話を」

真紅の戸惑いの声を遮って。

「答えて、ください。お姉様」

白薔薇は、やはりどこか、追い詰められたような余裕の無さで、求めてくる。

「……………」

その白薔薇の様子に。
真紅は、答えてあげなくてはならないような気に、なった。

 

205:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
08/10/07 09:46:58.47 KMDBjCTB0
 

「……貴女は、私達が、人間の腕に抱かれて喜ぶ理由を知りたいのね」

「……ええ」

「……当たり前の、ことよ」

真紅は、言う。

「 その人の温もりを、感じられるからよ 」

 

206:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
08/10/07 09:48:23.45 xA6yJbbu0
超支援

207:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
08/10/07 09:52:47.86 KMDBjCTB0
 

「その人の、肌に触れて。
 その人の、腕に抱かれて。
 
 親しい人が、すぐ傍にいる。親しい人が、私に触れている。
 それを、感じられる。
 その人の温もりで、感じられる。
 
 これ以上ないくらいに、穏やかで、優しい、幸福でしょう」

真紅は、白薔薇の目を見て、言う。

「難しいことなんて、ないわ。
 ただ、温かくて、幸せだから、抱いてほしいのよ」

 

208:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
08/10/07 09:53:47.46 97x1GmZX0
やっぱり真紅はいいこだなぁ、人気無いけど

人気無いけど

209:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
08/10/07 09:55:24.31 KMDBjCTB0
 

真紅は、言うべきことは言った。
白薔薇の、反応を待つ。

「……………」

白薔薇は、何も言わない。

真紅は、白薔薇を、見る。

「……………」

 

210:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
08/10/07 10:00:26.90 kRtpsiU50
>>208
ひとけ…無い…だと…?

211:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
08/10/07 10:03:34.25 KMDBjCTB0
 

「………どうしたの、貴女」

あまりにも反応がない。
とりあえず、真紅は聞いてみるが。

「………………」

やはり、反応はない。

「貴女、…………え?」

問いを重ねようとするが。

白薔薇は、真紅に背を向けて。

「ま、待ちなさい……!」


別の世界に、消えた。


 

212:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
08/10/07 10:06:15.11 KMDBjCTB0
 

白薔薇を追おうとするが。

「………駄目、ね」

時間が、限界だった。

ドールは、媒体なしで長時間nのフィールドにはいられない。
今白薔薇を追ったら、真紅は力尽きてしまう。

「狙っていたのかしら。……きっとそうね」

白薔薇の現れたタイミング。去ったタイミング。
それは、この状況を狙っていたのだろう。

「やっぱり、油断できない子だわ。
 ………けれど」

けれど、白薔薇の去る姿を思い出すと。

「……何か、追い詰められているようだったわね」

 

213:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
08/10/07 10:09:27.62 KMDBjCTB0
 


「……これ、は。………この、感覚は」

世界を巡りながら。
世界を渡りながら。

「……幸せ?幸せ、だった、のですか」

雪華綺晶は、苦しむ。

 

214:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
08/10/07 10:13:10.22 KMDBjCTB0
 

雛苺の、身体を捨てて。
雛苺の、影響から、逃れて。
妙な感覚に、悩まされることもないはずだったのに。


雛苺の身体を捨てても。

雪華綺晶の心は、晴れなかった。


それどころか。
精神を調整するために、ずっと自分の世界に居て、
その間、ずっと。
何かを求める心は、大きくなるばかりだった。

 

215:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
08/10/07 10:13:34.47 4UuQV8BXO
追いついた

216:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
08/10/07 10:16:25.02 KMDBjCTB0
 

『 何なのですか、これは 』

分からない。

『 雛苺の身体は、捨てたのに 』

分からない。

『 なぜ、なぜ。こんな、にも。
  苦しい、の、ですか 』

分から、ない。

 

217:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
08/10/07 10:18:48.32 KMDBjCTB0
 

『 こんなの、おかしい 』

『 おかしいです。おかしいですわ 』

『 なぜ。なぜ 』

『 なぜ、こんな、ことに 』

『 ……… 』

『 ………彼に、抱かれたから……? 』

 

218:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
08/10/07 10:18:53.12 mm7SdVx+O
支援

219:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
08/10/07 10:19:16.41 3sOVSJMEO
でら支援

220:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
08/10/07 10:21:59.73 KMDBjCTB0
 

彼に、抱かれて。
雪華綺晶は、おかしくなった。
きっと、そう。

けれど。
なぜ、おかしくなったのだろうか。
何が、おかしくなったのだろうか。

分からなかった。

分からなかったから。

真紅に、聞いて。
自分がおかしくなった原因を、知ろうとした。


――聞かなければ、よかった。

 

221:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
08/10/07 10:23:59.18 xA6yJbbu0
風呂上り支援

222:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
08/10/07 10:26:31.53 KMDBjCTB0
 

自分の世界で。
雪華綺晶は、うずくまる。

「………幸せ……」

真紅の言葉を、考える。

「……私は、彼に、抱かれて………幸せ、だった……?」

自分の心を、考える。

「……これ、は、………求めて……いるの……?」

けれど。けれど。

「……そんなはず、ありません………」

そんなことは、あっては、いけない。

 

223:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
08/10/07 10:27:15.61 b2xXime40
パパの愛をその身に受けろ!

224:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
08/10/07 10:30:38.68 KMDBjCTB0
 

「……そんなこと、駄目、です………」

雪華綺晶は、アリスになるのだから。

「………幸せ、なんて……」

アリスになること以外。
お父様に愛されること以外に、目をやっては、いけない。

「……違う。違うんです。
 ……私は、幸せなんかじゃ、なかった。
 ………あれは、幸せなんかじゃ、ないんです……!」

 

225:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
08/10/07 10:34:37.51 KMDBjCTB0
 

アリスになること以外に、求めてはいけない。
雪華綺晶が、そんなことを、求めるはずがない。

だから。

「こんなことは、おしまいに、します」

ずっと、止まっていた。
ずっと、悩んでいた。

でも、そんなことに意味はない。

今、雪華綺晶が、やるべきことは。

「彼を、奪う。
 彼の心を、私の力に。
 彼を喰らって、私はアリスに近付きます―!」

 

226:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
08/10/07 10:50:01.79 x/8I7+MdO
しえん

227:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
08/10/07 10:53:10.73 H5ngnEbu0
ローゼンで一番かわいいのは全世界が認めたとおりきらきーです。
時点はばらすぃーこれ豆知識な

228:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
08/10/07 10:59:09.73 ZSD8NyutO
wktkwktk(°ω°)

229:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
08/10/07 11:00:54.20 TtXzTX400
あぁぁぁ、今から外出の用事が・・・
17時まで残っていてください、それだけが望みです。

230:1
08/10/07 11:03:27.91 +n7PayRjO
さるさん解けねえ

231:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
08/10/07 11:04:57.45 er9af5D3O
のこすよ

232:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
08/10/07 11:07:12.84 KMDBjCTB0
 


教科書を前にして、ため息をつく。

「……いまいち集中できないな」

教科書から目を離して、窓を見る。

「……これはやっぱあいつのせいか」

雪華綺晶は、もう三日ほど来ていない。
もう、来ないのかもしれない。

「……まあ、別に、気にすることじゃないか」

もしかしたら、雪華綺晶はジュンにもう用がなくなったのかもしれないし。

「勉強だ、勉強。勉強しろ僕」

 

233:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
08/10/07 11:08:45.95 mKKEzi780
しぇーん

234:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
08/10/07 11:10:32.91 ACLdokbhO
おいついたしえん

235:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
08/10/07 11:11:29.24 ACLdokbhO
きらきーかわいいな

236:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
08/10/07 11:12:50.99 KMDBjCTB0
 

「ジュン、入るわよ」
真紅が、部屋に入ってきた。
「ん。……あれ、そういや今日は出かけてないんだな」
翠星石と金糸雀も一階で騒いでいるようだし。
「ええ、ちょっと気になることがあるのだわ」
「気になること?」
「大したことではないわ」
「そうか」

 

237:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
08/10/07 11:13:17.92 KMDBjCTB0
 

真紅は、ベッドの上で本を読んでいる。
勉強も、なんとかできるようになってきた。
黙々と、勉強を続ける。

 

238:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
08/10/07 11:13:27.39 ACLdokbhO
修羅場クルー

239:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
08/10/07 11:14:54.01 KMDBjCTB0
 

一区切り、付けて。
「……あ」
何気なしに窓を見て、思い出す。
(そういえば、真紅達にあいつのこと聞いてないな)
雪華綺晶が真紅達に会いたくなさそうだったので言わなかったのだが、
雪華綺晶が来なくなってしまった今なら、聞いてもいいのではないだろうか。
(あいつが今、どうしてるのか、やっぱ気になるし)

「なあ、真紅」
「何かしら」

「聞きたいんだけどさ、お前らの仲間っていうか姉妹?でさ……」

雪華綺晶っているだろ?

と、聞こうとして。


何気なしに、見ていた、窓から。

「………え?」

無数の、白い、茨。

 

240:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
08/10/07 11:16:43.45 mm7SdVx+O
wktk

241:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
08/10/07 11:18:09.62 xA6yJbbu0
修羅場くるー!!!

242:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
08/10/07 11:19:22.22 KMDBjCTB0
 

「―ジュン!」
少年を捕らえようとした茨は、真紅の薔薇の花弁になぎ払われる。
急襲のつもりだったが、真紅は備えていたのか、慌てることなく迅速に対応した。

「白薔薇……!」
真紅が、こちらを睨む。
それは、どうでもいい。

「………雪華綺晶?」
少年が、困惑した視線を、送ってくる。
それは、気にしない、ようにする。

 

243:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
08/10/07 11:21:11.03 KMDBjCTB0
 

今の雪華綺晶の乱れた精神では、
少年の心を操り、雪華綺晶に都合のいいように夢の世界に引き込むことは難しい。
だから仕方なく、無理矢理夢の世界に引きずり込んで、心を喰らうことにした。
効率は悪いし、得られる力も少なくなるが、
そんなことに構っていられるほど、雪華綺晶に、余裕は、ない。

 

244:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
08/10/07 11:26:07.72 KMDBjCTB0
 

「雪華綺晶?なんだ、どうしたんだ、お前」
少年の言葉に、耳は貸さない。

少年を捕らえるために、茨を動かす。

「ジュン、貴方、この子のこと……!?」
茨を花弁で叩き落しながら、真紅は少年に問うている。

「……お姉様。邪魔ですわ」
茨を、真紅にも向ける。

「くっ……!」
真紅の花弁が舞う。

雪華綺晶の茨は、真紅にも、少年にも、届かない。

 

245:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
08/10/07 11:31:40.29 KMDBjCTB0
 

「おい、雪華綺晶…!」
少年は、状況を把握できていない。
こちらに、歩み寄ろうとする。

が、
「ジュン!駄目よ!」
真紅の言葉で、少年は止まる。

「…真紅、なんなんだよ、どういうことだ、これ……!」
意味が分からない、といったように、少年は叫ぶ。

それに、真紅は。
「貴方が、なんでこの子を知っているか知らないけれど……!」

茨を防ぎながら、少年に、言う。


「この子は、雛苺を襲って、雛苺の身体を奪った『敵』よ……!」


 

246:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
08/10/07 11:33:20.44 mm7SdVx+O
支援

247:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
08/10/07 11:34:54.74 ZSD8NyutO
修羅場キター

248:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
08/10/07 11:35:44.73 KMDBjCTB0
 

真紅は、本当のことを、言っただけ。
だから、雪華綺晶は、そんなことには、構わない。
気にすることも、ない。

「………雛苺、を……?」

気にすることなど、ない。


少年の、雪華綺晶を見る目が、変わっても。


「……雛苺を、襲った……?」

気にすることなんて、ない。

 

249:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
08/10/07 11:38:26.72 kZ6iiw/aO
ぬはー追いついしまった!!







全力で支援

250:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
08/10/07 11:40:40.93 KMDBjCTB0
 

「どういうことだよ、真紅!雛苺は、ウチからいなくなっただけじゃ……!」
「違うわ。雛苺は―」

「―ええ、私が、頂きました」

雪華綺晶は、哂う。

「雛苺は、私が、食べてしまいましたわ」

少年に、向けて。

 

251:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
08/10/07 11:46:08.41 KMDBjCTB0
 

「食べた、って、お前……!?」
少年は、信じられない、といった表情。
それに、事実を突きつける。

「器が、欲しかったんです。
 私は、身体を持たないもので。
 アリスゲームを制するために、身体があった方が良かったのです。
 
 ――例えば、現実世界にいる、ドールのマスターに干渉するために」


「………マスターに、干渉する……?」
少年が、何かに気付いたように、表情を、変える。

「……じゃあ、お前、僕のところに来てたのは……!」

雪華綺晶は、哂う。

「ええ。貴方を、貴方の心を、奪うためです。
 それ以外の理由は、ありませんわ」

 

252:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
08/10/07 11:50:16.85 kZ6iiw/aO
切ないの〜切ないの〜

253:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
08/10/07 11:52:23.76 ZSD8NyutO
きらきーは心では泣いてるんですね、分かります

254:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
08/10/07 12:03:28.70 KMDBjCTB0
 

今度こそ。
少年の目が。
雪華綺晶を見る目が、変わった。

「……お前。お前、あれは、全部、芝居か」

騙されたと、憤る目。


敵を、見る、目。


それを、受けて。

「ええ。貴方を操るための、芝居、ですわ」

雪華綺晶は、哂う。

 

255:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
08/10/07 12:06:52.00 KMDBjCTB0
 

「お前……!くそっ!ふざけんな……!」

少年の目にはもはや、親しみも、優しさも、ない。

それが分かっても、雪華綺晶は、哂う。

「貴方を操る。それ以外の目的なんて、あるわけが、ないでしょう」

哂う。


「お前、な………!よくも、騙し………、……?」

少年の、言葉が、不自然に、止まるが。
そんなことには、構わない。

「私は、アリスになるのです。それ以外の、目的なんて、ありません」

哂う。

 

256:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
08/10/07 12:08:00.16 KMDBjCTB0
 

「……………お前、」

少年が、何か、変な表情をするが、構わない。
真紅に、顔を向ける。

「お姉様。早くどいてくださいな。私は、早く、アリスになりたいのです」

哂う。

「……貴女………?」
真紅まで、変な表情をしている。

何なのだろうか。

「あら、どうしたのですか?挙動がおかしいですわ、お姉様」

哂う。

私は、ワラっている。

それなのに。

少年が、言う。


「……お前、なんで、泣いてるんだ」

 

257:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
08/10/07 12:12:14.49 KMDBjCTB0
 

雪華綺晶は、ずっと、嘲笑の表情だった。

哂っている、表情だった。

ジュンを見て、ずっと、ワラっていた。


けれど。

今、彼女の左目からは。


一筋の、涙が。

静かに、流れていた。

 

258:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
08/10/07 12:17:17.29 KMDBjCTB0
 

「…………え……?」

何を、言われたのか、分からない。
そんな、表情で。
雪華綺晶は、自分の、頬に触れて。

「…………………!?」

自分の指が、濡れたのを見て。
言葉を、失っていた。

 

259:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
08/10/07 12:21:15.71 KMDBjCTB0
 

「……雪華綺晶、お前……?」
ジュンが、状況が分からないなりに、声をかけようとして。

ばっ、と。

雪華綺晶が、身を翻す。

「あっ…!おい……!」

そして、窓硝子の中に、消える。


「待、て……っ!」

「ジュン!?」
真紅の声を、無視して。

ジュンは、雪華綺晶を、追う。

 

260:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
08/10/07 12:25:35.44 oBLo1Lnl0
追いついたので支援

261:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
08/10/07 12:27:40.53 KMDBjCTB0
 

「ぅ、う……!うう………!」
雪華綺晶は、駆ける。
nのフィールドを、駆ける。

「いや……、なに、これ……」
目から、溢れてくるものが、止まらない。
視界は、ずっと、にじんでいる。

「こんなの、知りません……何、なんなのです、か」
雪華綺晶は、涙など、流したことが、ない。
だから、これは、きっと、違う。
違うのだ。

これは、雪華綺晶の涙などでは、ない。

 

262:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
08/10/07 12:30:27.56 KMDBjCTB0
 

「……雛苺、です………」
今、雪華綺晶は、雛苺の身体を使っている。
一度は離れていたが、少年を襲撃するために、また宿ったのだ。

「これは、雛苺の涙……」
そう。きっと、この涙は、雛苺の身体が、流しているものだ。

雪華綺晶のものではない。
そんなはずが、ない。

 

263:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
08/10/07 12:32:05.62 ACLdokbhO
うわぁ…

264:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
08/10/07 12:33:06.54 KMDBjCTB0
 

急ぎ、雛苺の身体を切り離す。
そこに。

「おい、雪華綺晶!待てって……!」

少年が、追ってきた。
その後ろには、真紅。

「……来ない、で………!」

先ほどまで、少年を捕らえようとしていたのに。
今は、少年から、逃げている。

 

265:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
08/10/07 12:37:24.73 KMDBjCTB0
 

雪華綺晶が、逃げる。

「くそっ!待てって!」
ジュンは、追う。
なぜ追っているのかなど、考えもしない。
ただ、追う。

 

266:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
08/10/07 12:38:02.40 ACLdokbhO
支援

267:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
08/10/07 12:41:23.52 9FfuHMUMO
切なすぎる・・・

支援

268:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
08/10/07 12:43:38.26 ACLdokbhO
またさるさんか?
支援

269:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
08/10/07 12:47:53.50 D2m7qAlI0
さるさん解除支援

270:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
08/10/07 12:49:56.51 mKKEzi780
カムバーック

271:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
08/10/07 12:52:42.74 4UuQV8BXO
切ねぇ
だがそれがいい

272:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
08/10/07 12:54:21.49 spThEzP40
よし、おじちゃん保守しちゃうぞー!

273:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
08/10/07 12:58:18.17 /H8HV1miO
支援
さるさん退治

274:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
08/10/07 12:58:45.40 2ZlVHpwo0
(´;ω;`)ブワッ

275:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
08/10/07 13:00:59.73 KMDBjCTB0
 

「……嫌……!返します、『これ』は、返すから……!」

雪華綺晶の体から、何かが、出てきて。

こちらに、投げるように、雪華綺晶はそれを捨てる。

「追って、来ないで……!」

雛苺の身体を捨てて、雪華綺晶は、逃げる。

 

276:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
08/10/07 13:01:23.82 er9af5D3O
お前ら平日の昼間から

277:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
08/10/07 13:01:28.30 KMDBjCTB0

 

目の前に飛んできた、雛苺の身体を受け止めて。

「……!……真紅!頼んだ!」

その身体は真紅に預けて、ジュンは雪華綺晶を、追う。

「ちょっと!ジュン!?」

真紅が止めようとするが、それを振り払い、追う。

 

278:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
08/10/07 13:05:46.16 KMDBjCTB0
 

「ううう……!ううううう………!」
雛苺の身体は、捨てた。
捨てたのに。

「なぜ、なぜ、止まらないのですか………!」
頬を濡らすものは、止まらない。

「う、う……ううう………!」
涙、だけではない。

ずっと、目に、焼きついているものがある。
胸を、突き刺すものがある。

「嫌……いやあ……!」


少年の、目。
敵を見る、目。


その、光景が。
ずっと、雪華綺晶を、苛んでいた。

 

279:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
08/10/07 13:08:06.36 KMDBjCTB0
 

「雪華綺晶!」
少年の、声。
追って、来ている。

「いや………来ないで…!」
振り返りは、しない。

見たく、ない。
見られたく、ない。


あの、目は。 もう、嫌。


 

280:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
08/10/07 13:14:54.88 om/E0JvPO


281:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
08/10/07 13:15:10.98 KMDBjCTB0
 

こちらの呼びかけにも、雪華綺晶は振り返らない。
「このっ……!」
全力で追っているのだが、雪華綺晶との距離は少しずつ開いている。
焦り、急ぐが、

雪華綺晶が、無数の茨を、周囲に伸ばす。

「なっ…!?」

茨が、世界を走り。
亀裂のように、その棘を伸ばし。
それは、本当に、亀裂となって。

びしり、と。
世界が、軋んで。

「――ジュン!」

世界が、砕かれる。

 

282:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
08/10/07 13:15:18.78 2ZlVHpwo0

        クソッ! マテッテ!                イヤ…コナイデ…!

       ヘ(; `Д)ノ                 ヘ( ;o;)ノ
     三 ( ┐ノ                 三 ( ┐ノ
     三  /                   三  /
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

283:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
08/10/07 13:18:54.81 KMDBjCTB0
 

真紅に、引っ張られて、別の世界に移動させられた。
目の前で。扉の向こうで、世界が、壊れた。

「………………」

世界の壊れるさまは、恐ろしい、ものがあるが。

「なんとか間に合ったわね……。……全く、危ない所だったわ。
 もう少しで壊れる世界に飲み込まれて、一緒に消えてしまうところだったわよ」

ジュンの目には、違うものが、焼きついていた。

「恐ろしいわね。あの子、雪華綺晶、だったかしら。
 ジュン。不用意に追いかけては駄目よ。どんな罠があるか………ジュン?聞いてるの?」

最後。
世界が壊れる、直前で。
一度だけ。
雪華綺晶が、振り返った。
その、顔。

その、表情は。

 

284:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
08/10/07 13:19:19.69 KMDBjCTB0
 

「ジュン?」
「………真紅。雪華綺晶を追うぞ」
「……ちょっと。今言ったばかりのこと……」
「罠とかじゃない。あれは、そんなんじゃ、ない」

最後に、雪華綺晶が見せた表情。
涙を流している、だけではなかった。
つらそうに。悲しそうに。
胸が締め付けられる表情に、歪んでいた。

「あんな泣き顔をしてるやつを、……放っておけるか」

 

285:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
08/10/07 13:20:53.66 er9af5D3O
ジュンかっこいい氏ね

286:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
08/10/07 13:21:28.94 mKKEzi780
さすがJUM氏ね

287:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
08/10/07 13:21:29.33 KMDBjCTB0
出かけてくる

288:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
08/10/07 13:22:25.81 CBbZFk1Y0
おや?
いまなんと・・・?

289:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
08/10/07 13:23:11.27 syQxf5XVO
>>287が見えない

290:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
08/10/07 13:25:34.44 E7NbMc4QO
>>1
いいこと思い付いたお前俺のうにゅーしゃぶれよ

291:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
08/10/07 13:25:48.94 tdsotr9Q0
とりあえずJUM氏ね

292:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
08/10/07 13:26:00.70 ACLdokbhO
なん……だと……

293:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
08/10/07 13:27:40.73 vUm/HfglO
真紅の中身を雛苺にして妄想したら萌え死んだ

294:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
08/10/07 13:27:44.30 mKKEzi780
どこへ行こうというのかね・・・?

295:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
08/10/07 13:31:07.33 syQxf5XVO
冗談は真紅だけにしてくださいよ

296:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
08/10/07 13:35:34.95 4UuQV8BXO

>>1早く恋

297:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
08/10/07 13:48:03.35 oBLo1Lnl0
なんだって・・・ ほ

298:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
08/10/07 13:48:24.58 ACLdokbhO


299:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
08/10/07 13:58:13.96 spThEzP40
>>282ワロタw
>>287
時間的に見るに、もしやあなたは俺と同じシフトの仕事をしているのでは?
と俺は思ってみたり。だとすると、帰ってくるのは23時以降と言う事になるが・・・
はやく帰って来いっ!

300:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
08/10/07 14:02:53.14 4jrWy0Nb0
ディーフェンス! ディーフェンス!

301:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
08/10/07 14:18:51.82 O0YT5q45O
らっせーら!らっせーら!

302:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
08/10/07 14:28:55.71 oBLo1Lnl0
へーい!へーい!そおおおぉい!

303:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
08/10/07 14:48:57.19 4cI/U1CBO
くそっ!
いいところでッ!

だが良く考えればJUMって世界一幸せなキャラクターなんじゃないだろうか

304:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
08/10/07 14:50:58.38 filxvZK0O
よーしおじさんは仕事しないでよんじゃうぞー^^

305:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
08/10/07 15:00:58.74 kZ6iiw/aO
オレの社長砲が限界なのですが
どうしたらよいのでしょう?

306:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
08/10/07 15:12:09.45 qCT6ziyzO
やっとこさ追いついた
早く>>1戻ってこーい

307:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
08/10/07 15:18:00.52 alKSaap8O
安西先生続きが読みたいです

308:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
08/10/07 15:18:03.35 er9af5D3O
>>305
迎え撃て。

309:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
08/10/07 15:34:32.66 ZSD8NyutO
雛苺in真紅「保守なのー☆」

310:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
08/10/07 15:35:10.22 G1pOaUSo0
>>307
安西「ほっほっ、諦めなさい」

311:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
08/10/07 15:48:10.15 n3b1Jo1wO
やっとおいついたのに
>>1よ早く帰って来てくれ!

312:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
08/10/07 15:53:28.83 ACLdokbhO
俺はもう我慢できない……

313:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
08/10/07 16:18:19.64 qCT6ziyzO
保志

314:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
08/10/07 16:19:08.97 ZSD8NyutO
>>1はまだか!!!

315:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
08/10/07 16:19:46.81 4cI/U1CBO
翠星石「キィィィッ!悔しいです!翠星石よりも雪華綺晶が求められてるなんて何かの間違いに違いないですぅ!」

翠星石「しょ…しょーがねぇです。保守してやるです…」

316:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
08/10/07 16:26:35.48 zCnc14mz0
hosyu

317:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
08/10/07 16:33:46.11 6ECE6kAJO
ほしゅ

318:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
08/10/07 16:44:16.60 +GlkZOSPO
いつ戻るんだろうか

319:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
08/10/07 17:02:17.59 KMDBjCTB0
よーし。おじちゃんも保守しちゃうぞー

320:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
08/10/07 17:06:02.08 kZ6iiw/aO
またまだ待てるぜメルツェール!!

321:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
08/10/07 17:16:01.17 +C0kPwxXO
風呂入れつつ保守

322:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
08/10/07 17:16:03.73 zLT0Y2oJ0
俺「ジュン登りィー!!!」

323:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
08/10/07 17:16:23.86 kQwlhYyGO
うおおおおおおおおおおおおおおおおおやってやる!!!!!!!!
たとえこの指が砕け散ろうとも!!!!!!!!!!!

保守

324:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
08/10/07 17:20:27.73 2ZlVHpwo0
JUMグルジム

325:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
08/10/07 17:34:57.24 A1a5tpzXO
保守

326:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
08/10/07 17:39:38.14 Vm1oQ0E8O
>>1はまだかぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ

327:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
08/10/07 17:42:01.78 Bf0PW2Q2O
20:00〜20:30までには帰ってくるよきっと

328:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
08/10/07 18:04:35.83 KMDBjCTB0
んじゃ再開しますか
書き始めるからちょっと待て

329:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
08/10/07 18:05:51.74 mKKEzi780
キタ━(゚∀゚)━!

330:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
08/10/07 18:08:19.41 NENQwXPW0
ィェァ ィェァ

331:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
08/10/07 18:09:21.74 +GlkZOSPO
キター

332:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
08/10/07 18:10:37.23 KMDBjCTB0
 

自分の世界に、帰って。
雪華綺晶は、涙を流し続ける。

「う、う………」

分かってしまった。
もう、認めるしかなかった。

「うう、ううう………」

彼に、怒りを向けられて。
雪華綺晶は。
雪華綺晶の心は、軋んで、しまった。

「うー…………!」

雪華綺晶は。
彼に、そんな目で、見て欲しくなかったのだ。

 

333:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
08/10/07 18:15:57.30 KMDBjCTB0
 

雪華綺晶は、彼に、求めていた。
優しい、視線を。
穏やかな、時間を。
そして、何よりも、温もりを。

「…………いた、い………」

胸が、心が、突き刺される。

「……痛い、です…………」

彼のあの目が。
優しさも、温もりもない、あの目が。

「…………いたい………!」

雪華綺晶の心を、どこまでも、えぐる。

 

334:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
08/10/07 18:20:46.52 BvFFcxgiO
きらきーo(><)o

335:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
08/10/07 18:22:12.67 KMDBjCTB0
 

夢の世界を渡りながら。
ジュンは、真紅に聞く。
「……これで見つかるのか?」
「これしかないのだわ。もう、あの子は見失ってしまったし。
 しらみつぶしに世界を巡って、あの子を探すしか手はないのよ」
「……きりがないな」
「そうね。じゃあ、やめる?」
「まさか」
「………まあ、あの子も自分の世界は持っているんじゃないかしら。
 いくつも世界を渡っていれば、その内あの子の世界に辿り着くかもしれないわ」
「そうか」
「………どれだけ探せばいいかなんて、わからないわよ。
 全ての世界を回ることなんて、永遠の命があっても無理な話よ」
「………探さないわけには、いかないだろ」
「……仕方ないわね。付き合うわ」
「ありがとな、真紅」
「いいのよ」

 

336:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
08/10/07 18:25:45.95 +GlkZOSPO
やっぱりきらきーはかわいいよ

337:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
08/10/07 18:30:32.94 KMDBjCTB0
 

雪華綺晶の世界でも、ジュンがいるところでもない世界で。



「…………………」

「……………………」

「………………………」

「…………………お父様……?」

「…………………………」

「…………………どこ、ですか………?」

「……………………………」

「………………………………」

「……………お父様………?」


――紫のドレスの少女が、歩き出す。

 

338:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
08/10/07 18:36:50.33 jMxNjP/M0
きらきぃいいいいいいいいいいい!!!!!

339:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
08/10/07 18:44:46.69 KMDBjCTB0
 

水晶の城の、広間の隅で。
膝を抱えて、雪華綺晶は考える。

「………ごめんなさい、お父様……」

雪華綺晶は、お父様の最後のドール。
お父様の、最後の希望。
物質に依存して、アリスたり得ない六人の姉とは違う、特別なドール。
精神世界にのみ存在する、物質に汚されないドール。

「………それなのに……」

物質の器を、手に入れて。
物質世界の人間と、触れ合って。
物質の穢れを、自ら、その身に受けてしまった。

「……雪華綺晶は、穢れてしまいました………」

姉達と、同じように。
物質世界に、依存してしまった。

お父様が雪華綺晶を精神体として作った意味を、
雪華綺晶は自ら踏みにじってしまっていた。

 

340:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
08/10/07 18:48:42.37 nB84Tv8L0
作者
考えながら書いてるだろ

341:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
08/10/07 18:49:32.10 KMDBjCTB0
 

精神世界に存在する雪華綺晶に、触れられる存在は、本来、いない。
だから、雪華綺晶に触れたことがあるのは、
雪華綺晶を作った、お父様ただ一人だった。
ただ一度だけの、お父様の温もりが、恋しくて。

だから、雪華綺晶は、お父様の温もりを求めて、アリスを望んでいた。

それこそが、アリスたるに相応しい、純粋な存在だったのだろう。

けれど、雪華綺晶はお父様以外に、触れてしまった。
お父様以外の温もりを、知ってしまった。

お父様だけだと思っていた雪華綺晶の幸福は、
お父様以外にもあるのだと、知ってしまった。

もう、雪華綺晶は、アリスに相応しくない。


「………私は、駄目な、娘ですわ…………」

雪華綺晶は。
膝を抱えたまま、涙する。

 

342:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
08/10/07 18:55:31.22 KMDBjCTB0
 

「……なーんで翠星石がそいつを探さないといけないんですか。
 そんなやつほっとけばいいです。雛苺も戻ってきたんですし」
「あら、いいのよ、家に帰っても。
 ただ、ジュンも私もnのフィールドを巡るのに忙しいから、あまり帰れないけれど」
「う……」
「ヒナもいくのー」
「なっ!ちび苺まで探すですか!?ローザミスティカを戻して起きたばっかなんですから
 安静にしてやがれです!」
「ヒナは大丈夫なの。大丈夫じゃないのは、雪華綺晶なの」
「はあ?なんで雪華綺晶が大丈夫じゃないです。別に怪我したわけでもないですよね」
「雪華綺晶はね、こわいけれど、とても、かなしいの」

 

343:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
08/10/07 18:56:50.60 KMDBjCTB0
 

「かなしい?なんですかそれは」
「ヒナはね、雪華綺晶に食べられたとき、少しだけ雪華綺晶の中にいたの。
 だから、分かるんだよ。
 雪華綺晶は、ずっと、ずっと、かなしくて、さみしかったの」
「……どういうこと、雛苺」
「雪華綺晶は、だれかと、話すこともなくて。マスターと、ふれあうこともなくて。
 ヒナたちみたいに、眠ることもできなくて。
 ずっと、ずっと。
 ヒナたちより、ずっと、ながい間、ひとりだったの」

「……眠ることもできない、ですって……?じゃあ、あの子は、いったい何百年……」
「それは、わからないけど。でも、とても、かなしい時間だったのは、分かったの。
 雪華綺晶には、ヒナのトモエみたいなひとは、いなかったから」
「……………」
「でも、でもね」
「……なんですか、チビ苺」
「きっとジュンは、雪華綺晶の、トモエなのよ」

 

344:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
08/10/07 19:00:28.97 NENQwXPW0
しえん

345:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
08/10/07 19:02:47.71 ACLdokbhO
お、再開してる
支援

346:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
08/10/07 19:03:43.02 n3b1Jo1wO
全力支援!!

347:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
08/10/07 19:04:30.52 IRGJNS7t0
支援

348:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
08/10/07 19:09:21.73 ZSD8NyutO
ローザミスティカを戻すって可能なのか?作中で前例ないからなんとも言えないけど・・・

349:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
08/10/07 19:10:15.10 KMDBjCTB0
 

「あーもう!わかったです!翠星石も探してやるです!
 じゃあどうするですか!?」
「そうね。しらみつぶしに、世界を回るしかないわ。
 昨日までやっていたことと同じね」
「まったく、きりがねーですよ」
「でも、今はジュンも、雛苺もいるわ。金糸雀にも手伝ってもらう。
 昨日までより、人手は多いのだわ」
「……まあ、そうですね。わかったです。
 やるだけやってやるですよ」

 

350:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
08/10/07 19:10:47.51 KMDBjCTB0
 

紫の少女が、さまよう。


「……………………お父、様……」

「………お父様…………………?」

「……………………お父様………」

「……………………………………」

「……………どこ………………?」

「……………………………………」

「……………………………………」

「……………………………………」

「………ふぇ…………」

 

351:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
08/10/07 19:11:03.48 nB84Tv8L0
>>348彼方から呼ぶ声が届く事もあるのよ
ジュンは私にそれを二度も教えてくれた

離れていても必ずまた会える
私たちは永遠の姉妹なのだから


って真紅が言ってた

352:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
08/10/07 19:16:42.47 bGiPhk9O0
雪華綺晶って誰?なんて言う奴は居ないよな?

353:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
08/10/07 19:17:14.94 KMDBjCTB0
 


水晶の城で、白い少女が嗚咽を漏らす。

自らの意義を失い。

未来も見えず。

少女は、ただ、うずくまる。


 

354:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
08/10/07 19:17:40.00 KMDBjCTB0
 

「……ジュン。適度に休みなさい」
「…まだ大丈夫だ」
「一日中nのフィールドにいるじゃないの。弱った状態でここにいるのは危険よ」
「いや、大丈夫……」
「貴方が夢の世界に呑まれたら、私達も、泣くわよ」
「………ああ、わかった。一度、帰る」
「そうなさい」
「……悪いな、付き合わせて」
「いいのよ。あの子は、私達の妹でもあるのだから」

 

355:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
08/10/07 19:18:13.26 OO8prQ2O0
バッカしらねー訳ねーだろwwww
ゆ・・・ゆき・・・はな・・・?

・・・・知ってるよwwwwww

356:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
08/10/07 19:20:23.97 KMDBjCTB0
 

「……………………え、ぅ………」

「……………………………………」

「……どこ………お父様…………」

「……………………………………」

「……………ひぐっ………………」

「………………………お父様……」

「……………………………………」

「………………………………えぐっ…」


 

357:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
08/10/07 19:21:19.07 ZSD8NyutO
>>351あのセリフそーゆー意味なのか?確かにそうもとれるが

358:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
08/10/07 19:21:20.74 KMDBjCTB0
 

水晶の、広間で。

雪華綺晶は、自分を、抱きしめる。


父の、願いを踏みにじって。

少年の、温もりを失って。

私は、どこへ、行くのだろう。

分からない。

分からない。

いいえ、きっと。


―― 私はもう、どこへも、行けない。


白い、茨が。

雪華綺晶の世界を、覆い尽くす。

 

359:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
08/10/07 19:21:41.97 2ZlVHpwo0
純粋な存在故に口にする言葉は真理そのもの

360:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
08/10/07 19:21:45.79 KMDBjCTB0
 

雪華綺晶を探して、二日目。
今日の成果も、皆無。

「………くそ」
「ぼやくんじゃないのよ、ジュン。一日二日で見つけられたら、その方が驚くべきことよ」
「……分かってる」

分かってはいるのだが、やはり、焦れる。
早く、雪華綺晶を見つけて、なんとかしてやりたい。

「ジュン、そろそろ時間なのだわ」
「……ああ。戻って休むよ」
「じゃあ、開くわね」

真紅が扉を開き、桜田家へ帰る。
それを追って、ジュンも扉を通ろうとして。


「………………ぇぅ……………」


誰かの、泣くような声を聞いた。

 

361:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
08/10/07 19:22:19.47 KMDBjCTB0
 

「え………?」

扉から、離れて、声のした方に近付く。

そこには。


「………ひぐっ………………ふえぇ……」


紫のドレスを着た少女が、泣きながら、とぼとぼと歩いていた。

 

362:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
08/10/07 19:25:08.98 YWRjsEQSO
追いついてしまったわ

363:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
08/10/07 19:27:31.01 KMDBjCTB0

 

「………雪華、綺晶……?」

ドレスは、違う。
けれど、その少女は、雪華綺晶によく似ていた。

「………ふぇ……?」

こちらの声に、少女が、振り返る。

その顔も、よく似ている。
しかし、雪華綺晶は右目の部分が白薔薇で隠されているのに対して、
その少女は、左目を眼帯で隠している。

 

364:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
08/10/07 19:29:15.29 mKKEzi780
ばら・・しぃ?

365:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
08/10/07 19:29:30.84 er9af5D3O
MaigoSaaaaaaaaan?

366:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
08/10/07 19:30:23.77 GZUQGYG60
ば、バラシィーだと…

367:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
08/10/07 19:30:36.39 Spd3yklz0
俺の嫁ついにTOUJO!!YAHHAAAAAAAAAAAAA!!!!!!111

368:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
08/10/07 19:30:38.14 W/KiXwuh0
ばらしーktkr

369:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
08/10/07 19:32:09.00 QJpLGyyv0
追いついたぞー

370:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
08/10/07 19:32:29.20 KMDBjCTB0
 

やはり、雪華綺晶では、ない。
ないのだが。

「……ああ、くそ、何泣いてるんだよお前」

雪華綺晶に似た少女が、雪華綺晶のように泣いている。
放っておけるわけがなかった。

 

371:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
08/10/07 19:32:53.93 n3b1Jo1wO
ここでばらしぃだと!?

372:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
08/10/07 19:33:26.05 KMDBjCTB0
 

「……う……?」
紫の少女は、近付いてくるジュンを呆然と見ている。
何か、不思議なものを見るような目。
まるで、はじめて見る生物を眺めているような。

「……で、どうしたんだ、お前」
少しかがんで、視線を少女に合わせる。

「……………?」
少女は、首をかしげ、ジュンを見る。

言葉が通じてるのかも疑問だ。

 

373:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
08/10/07 19:33:45.71 QJpLGyyv0
なんとすばらしぃ展開

374:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
08/10/07 19:35:02.92 eVSUzEuVO
ここでばらしぃ登場ってどんだけ神なんだ

375:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
08/10/07 19:35:34.61 ACLdokbhO
>>373
だれがうまいこと(ry

376:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
08/10/07 19:37:05.52 vq3hOCwK0
追いついた


支援!!!!

377:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
08/10/07 19:37:37.88 KMDBjCTB0
 

コミュニケーションがとれない。
少女の顔は、涙に濡れたまま。

「ああ、くそ」

わしっ、と少女の頭を掴む。
「………?」
少女が、また首をかしげるが、それには構わず。

わしゃわしゃと。
少し乱暴に頭を撫でてやる。

 

378:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
08/10/07 19:38:07.25 KMDBjCTB0
 

「…………あ………」
ジュンの手の動きに。
少女は、ジュンの顔を見る。

「ほら、泣き止め。何があったかは知らないけど泣き止め。
 ……って、泣き止んではいるのか。じゃあとりあえずその泣き顔をどうにか……」


ひしっ、と。


「……え」

少女が、ジュンの胸にすがりつく。

「お、おい……」

少女は。

「…………うぇぇ……」

ジュンの胸の中で、泣き始めた。

 

379:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
08/10/07 19:38:30.70 b359Z3O70
JUMかっこいいいい言いいい言いいいうぇえええええええええええいいいいいい
たまらんっ

380:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
08/10/07 19:38:51.89 2ZlVHpwo0
(*゚∀゚)

381:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
08/10/07 19:39:35.72 ACLdokbhO
ばらしーかわえええええ


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