【なんでもあり】人外 ..
2:名無しさん@ピンキー
09/10/11 03:15:58 zRDEZr/R
∧ ∧
<丶`∀´>y─┛~~
3:名無しさん@ピンキー
09/10/11 12:05:50 WyjBKdVE
>>1
乙彼
>前スレ
ヤンデレと吸血は相性いいな。
俺が妄想したのは、
吸血鬼の彼氏の為に、彼氏好みの可愛い女の子の死体を沢山持ってきた人間の女の子と、「死体の血は毒だと何度言えば解るの……」と困る彼氏。
4:名無しさん@ピンキー
09/10/12 18:54:16 QH19gPT6
続きは。。。続きは無いのカッ!と思った前スレ
つか容量オーバーしてるの気づかなくて書き込もうとしてたわw
5:名無しさん@ピンキー
09/10/12 20:00:22 azX70XTH
吸血鬼だと食欲と性欲を混同するとかいいと思います
6:名無しさん@ピンキー
09/10/12 21:55:04 rae+YIVs
女「どうせ私のことなんてただの血袋としか思ってないくせに!RHマイナスがそんなに珍しいの!?
チクショーこんな血液型やめてやるぅ!!うわあああん」
吸血鬼「おまえの事は伴侶として愛おしく思っている。そんな事を言うんじゃない」
女「じゃあなんですぐ仲間にして抱いてくれないの?
お前が大事だとか機を待てとかそんな言い訳聞き飽きたわ!!私ずっと待ってるのに……
うぇええん… こうなったらその辺の男相手に処女喪失して
あんたが私から血吸ったら即・起屍鬼になるように細工してやる…!」
吸血鬼「待てそれは許さん」
ただ噛み付いて血をもらっただけで吸血鬼にしちゃう展開と
牙から毒液を打ち込まないと吸血鬼にはならない展開があるよな。
自分好みに育てて、いつか仲間にする日まで処女に手を出せない吸血鬼萌え
7:名無しさん@ピンキー
09/10/13 18:19:30 L2iM00Z4
>>6
処女調教、萌える。
8:903 ◆AN26.8FkH6
09/10/13 18:49:46 R01IkRb4
前スレ最後、すいませんでした。容量パンパンなの気がつかず…
遅ればせながらスレ立て乙です
9:名無しさん@ピンキー
09/10/14 03:30:35 pugaDxMN
>>1乙
前スレ落ちててビビったが容量か
吸血鬼萌えるなー。三人称の文体とシチュエーション大好きだ。GJでした
チラ裏ですまんが、怪談レストランのおばけギャリソンとアコに萌える。EDにやられた
本編で足掴んでたのがギャリソンだったらと考えてニヤニヤしてる
10:保管庫
09/10/14 06:04:01 vjqVnn2Z
現在お絵描き掲示板として利用している@paintの
インターフェースが前々から微妙だなと思っていたので、
drawrというものを見つけて人外スレ用のアカウントを作ってみました。
URLリンク(drawr.net)
一つのアカウントを共有で使う形にする予定です。
それだと絵を描くにもコメントを書き込むのにも新規登録する必要がないので。
ID:monsters
パスワード:jingai2ch
以前のお絵描き掲示板はそのまま残しておきますので、
drawrが使いにくいようでしたらそちらをお使い下さい。
11:名無しさん@ピンキー
09/10/14 08:23:36 l74WUd7h
>>1乙
>>9
よう同士
EDはカオスだと定評があったが人外いっぱいで個人的には楽しかった。
ギャルソン声カッコよすぎるだろJK
しかしあの極卒みたいな喪黒福造みたいなキャラは一体…w
12:名無しさん@ピンキー
09/10/14 13:27:00 pugaDxMN
>>11
あれはおばけの生前の姿だと勝手に解釈してた
13:名無しさん@ピンキー
09/10/14 18:00:36 1EwnSrDk
来週のまな板の上のヒラメの気分は期待出来そう。
14:sage
09/10/14 19:11:24 XdM0E3q1
突然失礼します。
非エロですけど魔王と女勇者モノいかせていただきます。
15:名無しさん@ピンキー
09/10/14 19:14:16 lmzmb85p
非エロは避難所に
16:僕に行き着けば 君へ振り返る
09/10/14 19:16:26 XdM0E3q1
魔王(ボク)という存在は、成るべくにして成ったと言う他にない。―そう。僕の人生はいつだって、
「自分」ではない『誰か』の流れの中に居る。
血統の家系に生まれ、その中で帝王学を学び、そして導かれるままに僕は当主の座へと着いた。
長じてからようやく、そんな自身の生き方に疑問のひとつも持てるようになったものの、その頃には
毎日の公務に忙殺されるがあまり、ただ無為に繰り返される日々へ己が人生を投げやりに生きるばかり
となっていた。
だからこそ、三度目に彼女と出会った時の感動を僕は忘れられない。
いわゆる『僕』は世間一般では『魔王』と呼ばれる存在だ。
外界の人間達とは違う半獣の巨大な体躯や、はたまた万象の法則に干渉する魔力といった過ぎたる力は、
それは彼らにとってさぞ脅威であるのだろう。
事実、同類にはその力を使い人間達の世界に浸食している者も多くいると聞く。しかしながらそんな
こと、今の僕にはどうでもいいことなのだ。
日々僕は領民の生活を案ずることと、そしてそれに適えるべき適切な処置と管理をつつがなく行うこと
で頭がいっぱいだ。
代を遡れば、祖先には大きな戦争で戦功あげた者もいると聞くが、そんなこと今の僕には関係のない話。
そんなこと考えたところで、今のこの風に任せたままの旗のような僕の人生が変わることなどあり得は
しないのだから。ただ流されるがままに、その威風堂々たる「領主様」の姿を見せることしか今の僕には
許されないのだ。
17:僕に行き着けば 君へ振り返る
09/10/14 19:17:07 XdM0E3q1
閑話休題、だからこそ彼女の出現とそれ以降の存在は僕に様々な驚きと感動を与えてくれた。
かくいう『彼女』とは、その名をシュー・シュヴァルツァーという人間の女性だ。人間界において『勇者』
の家系として誉れ高き彼女は、そのデビューに僕の成敗へ名乗りを上げたのであった。
聞くだに僕の家系というものは、人間達の世界においてもかなりの高位におかれるものであるらしい。
先にも述べた先祖の武勲も、こと人間社会においては宗教の教えの中にそのエピソードを登場させるほどに
有名なものであるらしいのだ。
故にそんな『由緒正しき僕(家系)』を成敗してその名をとどろかせようとする自称・勇者は、彼女に
限らず数多く僕のもとを訪れてくる。しかしながら訪れては来るものの、たいていは一度やられてしまうと
もう二度と僕の前に現れることはない。
こんな僕であってもそこは血統の魔族。自分の好まざるを問わずに、この僕には屈強な肉体とそして恐ろしい
容姿とが備わっていた。だから大抵の勇者は僕のそんな容姿を目に焼き付けてそして敗北を喫すると、二度と
僕の前には立たなくなる。否、立てなくなる。
僕自身は意識しないことだがこの『僕』の容姿というものは、敗北者へ呪いにも似た恐怖心に刷り込んで
しまうようなのだ。
そしてそんな僕に対して、初めて二度目の挑戦をしてきたのが彼女シューであった。
18:僕に行き着けば 君へ振り返る
09/10/14 19:18:37 XdM0E3q1
二度目に挑戦してきた彼女の両足が、一度目の時よりも強く震えていたことを僕はよく覚えている。その
内面でよほどの恐怖と闘っているであろうことは、その様子からもよく窺えた。
しかしながらその時の彼女に対する僕の感想は、「女の子なのに勇気があるなぁ」程度のものであった。
結局赤子の手をひねるよう彼女を払いのけると、僕は「三度目はないだろう」と心のどこかで思ったものだった。
しかしそれでも、彼女は三度僕の前に立った。
前回の戦いにおける対策か、大業な鎧兜に身を包み彼女はまたしても僕の前に立ったのだ。
この時、すでに彼女の心から恐怖心は消えていた。否、そんな『恐怖』それ以上に何か彼女の目からは鬼気
迫った気配が感じられた。
そしてその後も、幾度となく彼女は僕の前に立った。
何度やられようともシューは決して諦めることなく僕への挑戦を続けた。
挑戦を続けるうちに彼女の実力もまた比例して上がっていく。以前は肉眼でとらえることすら適わなかった
僕の攻撃に対しても対応できるようになったし、苦手であろうと思われた魔術もよほどの鍛錬を積んだのであろう、
実に効果的に使用してくるのだ。
そんな彼女の姿に、いつしか僕は強い感動を覚えるようになった。
一度目よりも二度目、そして三度目よりも四度目―彼女は戦うたびに強くなる。影ながら努力している
だろうそんな彼女の『強さ』に触れるたび、敗北とはいえ僕は彼女を抱きしめて「無駄な努力などはないのだ」と
労わってやりたくなった。
19:僕に行き着けば 君へ振り返る
09/10/14 19:19:13 XdM0E3q1
そしていつしかそんなシューとの邂逅は、今の僕にとっては何よりもの楽しみとなったのだ。
そんな密かな蜜月と化した何度目かの挑戦の時であった。
いつになく、彼女の装備がみすぼらしいことに僕は気付く。
いつも通りなら、対魔術のタスマリンをふんだんに散りばめたアンクレットや、最新・最軽量の鎧に袖を通して
いるであろう彼女が、その日は前回の戦いのものよりも遥かに劣る鋼の鎧に身を包んでいた。
彼女なりに思うところがあったのだろうとその日も蹴散らしたが、さらに次の挑戦においては、その変化は武具
だけに留まらず彼女自身、大いにやつれ荒立った様子であった。
そんなシューの変化は、肉体的なダメージ以上に僕を動揺させた。
いったい彼女に何があったものか? 尋ねようにも、「勇者と魔王」というお互いの立場からではそんな込み
入った内容の会話など望めるべくもない。
そして計三十回目となる今回、シューは裸同然の装備で僕の前に立った。
すす切れた皮の鎧と縫い目のほころびたブーツ、そして所々に錆と刃こぼれとが生じた銅の剣を重そうに引きずる
姿は、初見の時に見た絢爛豪華で、そして自信に満ち溢れた彼女からは想像もできない落ちぶれた姿であった。
その時になりようやく僕は、
『何があった、シューよ?』
初めて、感情のこもった言葉を彼女に投げかけた。
20:僕に行き着けば 君へ振り返る
09/10/14 19:19:44 XdM0E3q1
それを受け、緩慢とした動きで僕を見上げるシュー。そして互いの視線が合うと、彼女は自嘲気にその口元を緩め、
「これより滅するお前には関係のないことだ。もはや、私も疲れた……これで終わりにしよう。今日こそ、お前を殺す」
僕の質問に答えることなく、ただ剣の切っ先を向けてくるのだった。
しかしそんなシューの力無い言葉からは、僕の攻略に挑む意気込みよりもむしろ、「僕に殺してほしい」と願う
かのような悲壮さが漂っていた。
かくして地を蹴り、叫(こえ)とともに迫りくるシュー。
しかしながら芸もなくただ直進するばかりの彼女の一撃は、難なく僕の人差し指に弾かれて、その剣を根元から
へし折られた。
柄ばかりが残された剣それを目の前にかざし茫然と見つめると、やがてシューは尻からへたり込み小さく笑いを
洩らすのであった。
くぐもった笑い声であったそれは徐々に大きくなっていく。そして大きく頭を振り上げ天を仰いだかと思うと、
彼女は声の限りに泣き出すのであった。
これには驚いた。
今まで戦いの終わりに己の無力を涙する勇者は何人かいた。しかしながら今のシューのように、生の感情をここまで
露わに泣き出した者は彼女が初めてであった。
そんな彼女にただうろたえるばかりの僕は、とりあえずシューを連れて城へと戻った。
21:僕に行き着けば 君へ振り返る
09/10/14 19:20:19 XdM0E3q1
召使いに彼女の治療と、そして風呂と簡単な食事の用意をさせてやると数刻後―僕は改めて彼女を訪ねた。
僕の私室の中央で人間には大きすぎる調度に腰掛ける彼女はタオル一枚を纏うだけの姿であった。部屋の家具同様に
彼女に見合う服がない以上仕方のないことではあるが、妙齢の女性のその姿に、僕は年甲斐もなく照れてしまう。
それでもなんとか魔王としての威厳を保つと、彼女の前に座り咳払いをひとつして、僕は事の顛末を彼女から聞いていった。
入浴と食事を済ませ気分の落ち着いたシューには、先ほどまでの自暴自棄とした様子はうかがえなかった。ただ
すっかり覇気の消えた背中からは、ひどく疲れている様子が今は如実に窺えた。
「お風呂とお食事、ありがとうございました。……こんなに心落ち着けたのも久しぶりでした」
意外な礼の言葉から始まった彼女の身の上話は、それは辛いものであった。
勇者として僕に挑んだ彼女は、その敗戦のたびに周囲から口さがない罵倒を浴びせられたのだという。なまじ血統の
家に生まれてしまったが故、彼女に失敗は許されなかったのだ。
それでもそんな家名を背負い続ける限り、そして生ある限りシューは戦い続けねばならない。
恐怖と闘い、敗戦を重ね、周囲からも蔑まれ続け、やがてはそんな彼女を身内であるはずの一族すらもが「始まって
以来の家辱」と切り捨てた。それにより家からの支援が途絶えた彼女はそれでも、それでも戦い続ける以外に道の無い
彼女は高価な自分の装備を売り、さらには娼婦まがいの行為で今日までの命を繋いできたのだという。
そんな彼女の言葉に、僕は今までにない怒りを覚えていた。
22:僕に行き着けば 君へ振り返る
09/10/14 19:21:09 XdM0E3q1
人間達が世に言う僕ら『魔族』は、「非道なる者達」であるのだという。しかしながら自分達はどうだというのだ?
このシューを、この年端もいかない少女をここまで追い込んだお前たち人間は、どれほどに高潔なのだという?
魔族はどちらだ?
行き場の無い怒りは、やがて僕の中で沈静して言いようのない倦怠に変わった。
そしてそのすべてを話し終え、
「―願わくば、あなたの手で殺してほしく思います」
そう彼女は話の最後に僕へ懇願をしたのだった。
「戦いの始まりもあなたなら、その終わりもあなたにしてもらいたいのです。それこそがこんなちっぽけな私の生きた証
になるのです」
そう言って椅子から降りると、彼女は僕の前に膝まづいて両手を合わせた。
そんなシューを前に僕も立ち上がる。
『ぼく……ワシに、「終らせてほしい」といったな』
語りかける僕の言葉に彼女が答えることはなかった。沈黙こそが全ての答えであった。
屈みこみ、彼女に鼻先を近づけるとその小さな背が震えているのがわかった。さらには彼女たち人間の神の名を
呟きながら涙するシューの小さな姿に、僕は大きく息を吸い込んでそれを胸に留める。
やがて僕は立てた爪の右掌を振り上げると、それにて彼女を打ち払った。
23:僕に行き着けば 君へ振り返る
09/10/14 19:21:38 XdM0E3q1
「あぐぅ! う、うぅ……神様ぁ」
鮮血が舞い彼女の左腕がその肩口からもげて絨毯の上に転がる。
そんなシューを前に僕はすぐさま、自分自身の左手から薬指を噛みちぎった。そして噛みちぎったそれの断面を彼女の
傷口へ触れさせた瞬間、僕の薬指は彼女の新たな左腕としてそこに再生を果たしたのだった。
「くぅ……え? こ、これは?」
剛毛に覆われ刃のように研ぎ澄まされた爪と、岩のように強(こわ)い肉球のついた新しい腕―そんな異形の塊と
化した新たな自分の左腕を前に、何が起こったのか分からない様子の彼女。
そんなシューの目の前に顔を近づけると、
『これで、「終わり」だ。君の……お前の「人間」であった業はすべて振り払われた』
「終わり? 人間の、業?」
『そうだ。もはや君……お前は人間ではない。その新しき腕こそが誓いの証だ。これからは僕の―ワシの眷属として生きよ』
告げられる僕の言葉とそして今の状況に、ただただ彼女は茫然とするばかりであった。
彼女を殺す気は僕にはなかった。しかしこれ以上、彼女を「人間ごとき」の業に縛らせているのも癪だった。
だからこそ僕は、シューに『人間を辞めさせて』やろうと思ったのだ。
24:僕に行き着けば 君へ振り返る
09/10/14 19:22:18 XdM0E3q1
『ずっとここに居ろ。この場所こそがお前の居場所だ』
囚われ続けていた血統の流れの中から解放し、そして自由に生きられる道を、
『遠慮はいらない。これからは好きに生きるといい』
奇しくも今の自分と『同じ運命』を辿っていたシューに、僕は用意してやりたかったのだ。
『だから、もういいんだよ。お疲れ様、シュー。今までよく頑張ったね』
そしてそんな僕の言葉とともに全てを理解した瞬間、再び彼女は泣きだしていた。
僕の鼻頭に抱きついて声の限りに泣く彼女を、僕もいつまでも泣かせてあげるのだった。
かくして勇者シューの生涯はここに終わりを迎える。これからは魔王の眷属シューとしての、新たな人生が始まるのだ。
僕はこれからも、出来る限りのことを彼女にしてあげようと思った。
そしてその四年後―恥ずかしながら僕とシューは結婚した。
25:僕に行き着けば 君へ振り返る
09/10/14 19:23:19 XdM0E3q1
もちろんここに至るまでにはさらに一騒動あるわけだが、それは主題から外れるので割愛。
しかしながら愛すべき家族の出現と、そして彼女と共に過ごす蜜月のおかげで僕自身も解放されていた。
もう自分の人生に疑問を持つことはなくなった。今では『領主』としての自分があるということに、強い意志と気高い
誇りとを持てるようになっていた。
故に以前以上に精力的に仕事に打ち込む僕の毎日は、まるでその瞬間瞬間が生まれたてのように新鮮で、そして充実して
いるのだった。
今だって、もうとっくに日は落ちというのに僕は書類の整理と確認に余念がない。そしてそんな僕の傍らには、ふと
巡らす視線の先にはお腹を大きくした妻が編み物をしている。
四年前まではその左腕だけが魔族化していた彼女も、今では全身に金色の毛並みが美しく映える立派な魔族となっていた。
そしてどこか微笑んですらいるかのようなシューの穏やかな横顔に、ふと僕は考えてしまう。
生まれてくる子供たちも、やはりかつての僕や妻と同じように、自身の生き方に疑問をもつ時が来るのだろうか?
僕のように生きることへ意味を見失ってしまったり、はたまた妻のように傷ついて自暴自棄になってしまったりするのだろうか。
でもその時は教えてやるつもりだ。
26:僕に行き着けば 君へ振り返る
09/10/14 19:24:02 XdM0E3q1
全ては『途中である』のだよ、と。
辛い日々も無為と感じる毎日も、すべてはいつか辿りつく幸せの『途中』―いつしか、今までの日々を笑顔で振り
返れる時が来るのだということを、僕は言ってあげるつもりだ。
やがて見つめる僕の視線に気づくと、妻は小さく微笑んで僕のもとに歩んでくる。
『おなか、さすってもいい?』
「えぇ、たくさん触れてあげてくださいな。あなたと私の、幸せの形ですよ」
月のように奇麗な丸みを帯びたシューのお腹をなぞると、まるでそれに返事をするかのよう、その内側から蹴り返して
くる感触が感じられた。
そんな妻のお腹に横顔を付けながら、
『はやく生まれておいでー……』
僕はこの子達も含めたこれからに、新たな夢(おもい)を馳せるのだった。
おしまい
27:僕に行き着けば 君へ振り返る
09/10/14 19:25:38 XdM0E3q1
>>15
すいません投下してしまいました。
どうにもスレ文の内容を『非エロOK』と読み間違えていたようです。
すいませんでした。
28:名無しさん@ピンキー
09/10/14 19:29:35 XpRSMGr8
GJ!こういうの大好きだ
非エロ投下もここで大丈夫ですよ
非エロ云々言ってるのはいつものかわいそうな子だからキニシナイ
29:名無しさん@ピンキー
09/10/14 19:34:24 APVD6HdE
GJ! 愛に溢れた魔王様萌え。
30:903 ◆AN26.8FkH6
09/10/14 19:51:57 bJH29DCA
GJ!不幸なもの同士で幸せな家庭いいなこれ。好きだ
31:名無しさん@ピンキー
09/10/14 19:52:17 bJH29DCA
ぎゃああコテ残ってたすいませんすいません
32:名無しさん@ピンキー
09/10/14 22:31:39 1WdFUId2
GJです!素敵な作品でした!!
>>9>>11
自分と同じこと考えてる人がいると思わんかった…w
33:名無しさん@ピンキー
09/10/14 23:31:27 k3FAorNl
ほのぼのエンドもえ
ハーピーとかケンタウロスとか下半身ケモが好きなんだが、
エロパロだと体位どうするんだろうと思ってしまう。
特にケンタウロスのオス
34:名無しさん@ピンキー
09/10/15 07:30:28 lRwLGnEQ
>>33
挿入したら、女の子見えなくなっちゃうし手も届かないな。
35:名無しさん@ピンキー
09/10/15 10:01:02 l+h1rLi+
商業で良い人外恋愛ものない?ぎんぎつねは良かった
36:名無しさん@ピンキー
09/10/15 10:34:41 R3zmocTK
さりげなくまとめサイトに絵チャができてる件
37:名無しさん@ピンキー
09/10/15 21:32:53 NREjqcgm
アッー物はやっぱり801板でやるべき?
38:名無しさん@ピンキー
09/10/15 21:39:50 LzyrzNtI
>>37
>>1読んでください
>>9>>11>>32
よう同志
原作だとスーツの男は別のギャルソン(闇のレストラン)ぽい感じがしたがどうなんだろう
早く来週にならんかな
39:名無しさん@ピンキー
09/10/15 23:37:00 mzk6tz+F
>>37
801にも人外スレあるぞ
ところでどうやっても絵板に投稿できん
右上のhomeってのがまず見つからない
手で描くしかないというのか
40:名無しさん@ピンキー
09/10/16 00:44:40 a+PSPjt9
>>39
ログインしてマイページに行って、お絵描きするをクリックでおk。
もし無理ならログインした後、wikiからリンク出てるから(Newpostって書いてある)
そこから投稿できるぞ。
41:名無しさん@ピンキー
09/10/16 00:46:18 JB8LgZGe
もうすぐハロウィンだな
帰省ラッシュの波に乗って現世バカンス満喫しに出てきたはいいものの、
道に迷って来年のハロウィンまであの世に帰れなくなった人外×女の子とか見てみたいぜ
42:名無しさん@ピンキー
09/10/16 06:49:24 knS89Z7A
ジャック「お菓子くんなきゃ悪戯すんぞ」
女の子「う、うん。いいよ……」
南瓜×女の子で、ハロウィンプレイ
43:名無しさん@ピンキー
09/10/16 08:39:13 9C8Fx8MI
>>16
乙!
女勇者の切なさとか一人称が「僕」の魔王とかツボに入りまくりなんだぜ
ラノで人外もの上げてたと同じ人かな。
もしそうであれば、今後はこっちにも是非
44:名無しさん@ピンキー
09/10/16 12:42:54 29Q5+ckA
せっかく絵茶があっても、
「×月×日の×時〜×時にダベろう」
みたいな計画がないとなかなか人が集まらないと思うんだ
つーわけで、突然だが明日の夜9時頃からいかがっすか?
こういう掲示板発祥の絵茶だし、特にホストは必要ないだろう
しいていうならまとめ管理人氏がホストかもしれんが、常時設置なら基本は自治だろ?
45:名無しさん@ピンキー
09/10/16 14:53:51 Q+s41YUI
むしろ今日でも俺は大喜び
46:名無しさん@ピンキー
09/10/16 15:53:26 CPcgdX5o
通りすがりのdrawrユーザーだけど、一応あそこは18禁絵を新着に出すのはあまり良くない場所なので
すんごいエロいの描きたくなったときはフレンド限定にしておくと何かと安心かもしれないです
その際、外部のお気に入りユーザーをなるべく登録しないで少なくしておくと
マイページからも余裕でフレンド限定絵もたどれることが出来て便利だと思います
(↑フレンドは一切表のユーザーページに表示されないので、
お気に多いとあっという間に流されて絵が行方不明になるためです)
とゆうわけでーいきなり横槍すんませんでした;それではたのしい人外ライフを!
47:名無しさん@ピンキー
09/10/16 18:19:25 aBu45Apz
明日いけるかわからんので、絵茶今日なら行きたい
48:名無しさん@ピンキー
09/10/16 18:44:51 29Q5+ckA
今思ったんだけど、こういう話は避難所でしたほうがいいのかもしれんね
明日絵茶やろうとか言い出した本人が言うのもなんだけどさ
ちなみに俺は今日でもぜんぜん平気だから勝手に同志を待ってるかもよ
つーわけで以後は避難所にゴー
49:名無しさん@ピンキー
09/10/16 22:55:24 i0r1L5t4
まっこと素敵な金曜ロードショウでした
50:名無しさん@ピンキー
09/10/17 07:40:14 mtuiSXir
AVPのだと百覧のが、女×男が苦手な俺でもはまったほど良い。
しかしあそこは徹底してるな。ロボっ娘犯す時、わざわざ性転換させて犯してたし。
51:名無しさん@ピンキー
09/10/17 21:44:58 K1Yi1zy8
人間♀ 獣 猫科 和姦 主従
初投下なんでご容赦ください。
52:美味しいブリ大根の作り方
09/10/17 21:47:25 K1Yi1zy8
学校からの帰り道。ふと目を向けた空き地の中に、何かが倒れている。
警戒心よりも好奇心が勝り、草叢へと分け入って行くと・・・。
服を着た大きな猫が倒れていた。
相当なお金持ちの猫なのかもしれない。服どころか、手袋やマント、ブーツまで身につけている。
「死んで・・・ないよね?」
よく見れば胸が上下している。よかった、生きてた。
この辺に獣医さんなんてあっただろうかと記憶を巡らしていると
「なにか・・・た・・・食べ物・・・を・・・。」
はぁ?
目の前でテーブルにつき、ねこまんまを優雅に箸で食する猫の話によると、猫の名前はクロフォード・ロック・ミュファウゼン。
ケット・シーの王国から、見聞を広めるために旅をしてきたらしい。
あと、ケット・シーっていうのは妖精なんだとか。妖精もお腹減るんだね。どう見ても通称タキシード柄のでっかい黒猫にしか見えないけど。
色々な国の言語も喋れるし、直立歩行もできる。というか日常的に2足歩行している。
背の高さは小さな子供の背丈くらい。猫にしては結構な大きさ。
53:美味しいブリ大根の作り方
09/10/17 21:49:10 K1Yi1zy8
ああ、異国の地で飢えに倒れるとは、我輩一生の不覚。貴方様は命の恩人です。」
「そんな大げさな。」
「今日、この時、この瞬間より我輩は、貴方様の騎士として、執事として、下僕として、この命に代えてお仕え致します。」
「い、いいよ別に。ほら、見聞を広める旅の途中なんでしょ?」
「いやいや、一所に留まり、この地の文化や知識を得ることもまた必要な事かと。
なにより、ご恩も返せずおめおめと祖国の地を踏むなど誇り高きケット・シーの名折れ。
後生でございます。我輩を御身のお側で仕えさせては頂けませんでしょうか。」
「・・・まあ、そこまで言うなら。」
もの凄く一生懸命に頼み込んで来るもんだから、つい折れてしまった。
「ありがたき幸せ!」とか、すごい喜ばれちゃってなんか照れる。
「あぁ、我輩、うっかりして貴方様の名をお聞きするのを忘れておりました。」
「千代。 黒野千代だよ。」
呼び捨てにしろといったら、そんなおそれおおいとかぐだぐだ言うので結局『千代殿』になった。
元々古めかしい名前がさらに古くなってしまった。
「成る程、千代殿のご両親は学者として世界を飛び回っているという訳ですか。」
「今時マンガの設定ですら滅多にないよね、娘一人で留守番なんて。家も私もずーっとほったらかしでさ。」
「いやいや、貴方様を信頼しているからこそ、家をお任せしておられるのでしょう。」
ものは言い様かもね。
「それに、これからは我輩が誠心誠意お仕えするのです。掃除、洗濯は元より、セキュリティー体制も万全ですからご安心を!」
そういって腰に差していた剣をスラリと抜き掲げる。
いや、ちゃんとセコムしてるから。
そんなこんなで、なんだか大げさな猫妖精との生活が始まったのでした。
54:美味しいブリ大根の作り方
09/10/17 21:50:32 K1Yi1zy8
それから、それなりの月日が経過した。
「じゃあクロ、いってきまーす。」
「無事のご帰還をお祈りしております!千代殿!」
いつも通りの大げさな見送りを受けて学校へ。
最近ではクロ(名前が長すぎるので略称。呼んでみようとしたら舌噛んだ)も、日本の生活に随分馴染んできたようで、
「日本の魚介は素晴らしい!」とか、「鰹節の製造法が祖国にもあれば・・・」とか言ってる。もはや面白外人。
その上、高貴とか誇り高いとか言ってる割には、味噌汁ぶっかけ鰹節ぱらりのねこまんまが大好物。
猫には塩分がきついのではないかと問えば「猫ではなくケット・シーだから大丈夫」とのこと。
本当に、おいしそうに食べるのだ。
「ただいまー。」
「無事のご帰還、お待ちしておりました。」
家に帰ると誰かが出迎えてくれる幸せ。
「すぐにご飯作るから待っててね。」
「申し訳ない。・・・せめて我輩が買い物くらいできればよいのでしょうが・・・。」
犬ならともかく、猫が買い物していたらさすがに怪しすぎる上、クロは料理が苦手らしい。
「掃除もお風呂も洗濯も、クロがやってくれたんでしょ?だったら料理くらい私がやらないとね。今日はブリ大根だよ!」
「千代殿・・・うう、千代殿に仕えることが出来て我輩は幸せです。」
ここ最近の食事は、この大げさな猫妖精のために魚料理が中心。
泣いて喜ばれたりして嬉しいけど、なんかすごく照れくさい。
55:美味しいブリ大根の作り方
09/10/17 21:52:07 K1Yi1zy8
煮物はしばらく置いた方が美味しいし、先にお風呂入っちゃおうかな。」
ブリ大根の火を消し、エプロンを外す。
クロも、猫っぽいのにお風呂は好きらしい。猫毛が浮くからって、いつも私の後に入るけど。
「・・・ねえ、クロも一緒に入る?」
「な、ななんなんなんということを申されるのです!?そんな我輩なんぞが千代殿とおふ、おおおふ、お風呂なんてっ。」
すごい慌てっぷり。そんなに遠慮しなくても。
「そんなに私とお風呂はいるの・・・嫌?」
「え、いや、その・・・。」
「猫毛ならシャワーで流せばいいし。・・・駄目?」
「ええと・・・その・・・我輩・・・は・・・。」
嫌な訳がある筈がないのです千代殿。
駄目な訳がないのです千代殿。
むしろ嬉しすぎるからこそ困っている訳で。
うぅっ、そんな上目遣いで見ないでいただきたい。
ああ我輩は一体どうすれば・・・。
「わ、我輩まだやるべきことが残っております故ー!」
「え!?ちょっと?クロー!?」
56:美味しいブリ大根の作り方
09/10/17 21:53:24 K1Yi1zy8
逃げられた。
最近のクロはなんだかおかしい。
なんだかそわそわしてるような、悩んでるような。
だから裸のつきあいってやつで聞き出せるかと思ったけど、断られた。
女の子として意識されてるから・・・だったら嬉しい。けど、きっと違うんだろうなあ・・・。
・・・結構、勇気出したのに。
まだ動悸がおさまらない。
最近の千代殿は、なんだかやけに積極的な気がする。
それは決して悪いことではなく、むしろ我輩を信用し、気にかけてくれているからこそなのだとは感じている。
だがそれは、我輩が雄として見られていない、証明なのではなかろうか。
いや、そればかりは仕様の無い事・・・しかし、我輩は・・・。
・・・ともかくも、先程の非礼は詫びなければなるまい。
57:美味しいブリ大根の作り方
09/10/17 21:54:41 K1Yi1zy8
逃げられた。
最近のクロはなんだかおかしい。
なんだかそわそわしてるような、悩んでるような。
だから裸のつきあいってやつで聞き出せるかと思ったけど、断られた。
女の子として意識されてるから・・・だったら嬉しい。けど、きっと違うんだろうなあ・・・。
・・・結構、勇気出したのに。
まだ動悸がおさまらない。
最近の千代殿は、なんだかやけに積極的な気がする。
それは決して悪いことではなく、むしろ我輩を信用し、気にかけてくれているからこそなのだとは感じている。
だがそれは、我輩が雄として見られていない、証明なのではなかろうか。
いや、そればかりは仕様の無い事・・・しかし、我輩は・・・。
・・・ともかくも、先程の非礼は詫びなければなるまい。
58:美味しいブリ大根の作り方
09/10/17 21:56:20 K1Yi1zy8
「・・・また、旅に戻りたいのかなあ・・・。」
湯煙に煙る湯船の中。千代は一人、呟いた。
二人での暮らしに馴染んだ今。また一人きりの暮らしに戻るのは寂しい。
誰もいない空間に向かってただいまを言う空しさを思い出して、涙が滲む。
曇りガラスのドアの向こうに小さな影。
「・・・千代殿。」
「・・・クロ?」
「・・・千代殿、あの・・・先程は・・・我輩・・・その・・・。」
「・・・クロ・・・。ねえクロ、恩返しなんてもう十分だからさ、旅に戻りなよ。」
「な、なにを申されるのです千代殿!?」
「クロだって旅に戻りたいでしょ?国にだって帰りたいだろうし。・・・私の世話なんてもうしなくても・・・。」
あぁ、涙声なんか出したら、泣いてるのがバレてしまう。
お風呂場でかかるエコーで、誤魔化せているだろうか。
「・・・千代殿!?我輩は何か不手際をやらかしたのですか!?先程の事でしたら謝ります故・・・!」
「違うの!・・・そうじゃなくてね。・・・最近ミルが、無理してるんじゃないかと思って。」
「・・・我輩・・・が?」
涙が止まらない。止めたいのに、止まらない。
「本当は旅に戻りたいのに、私なんかの恩返しの為に無理してるんじゃないか、って。」
「・・・千代殿・・・そんなことは・・・!」
・・・本当に別れが辛くなっちゃう前に・・・
いつか恩返しを終えて、出ていってしまうなら、いっそ・・・もう・・・
あれ?なん、か、頭が・・・ふらふら・・・す・・・
意識も体も湯に沈む。
響いた大きな水音も。お湯の中のごぅごぅと響く音も。どこか他人事のように思えた。
とぷん と、意識も身体も湯に沈む。沈んでゆく。
「千代殿!?千代殿ー!!」
クロの心配そうな声が遠くから聞こえる。
涙を見られなかったことに少しだけ、安堵した。
59:美味しいブリ大根の作り方
09/10/17 21:57:58 K1Yi1zy8
「千代殿、もう暫く横になられていた方が・・・。」
気がついたときには、バスタオルを巻かれて自分のベッドに寝かされていた。
クロが心配そうに見つめている。
「・・・ごめんね、私・・・。」
考え事のしすぎでのぼせるなんて。クロに心配させるなんて。
「千代殿が謝る必要なんて、無いのです。すべて我輩が至らないばかりに・・・。」
クロの体毛がペッタリしてる。服もずぶ濡れ。慌てて服を着たまま飛び込んだんだろう。倒れた私を引き上げるのは大変だったろうに。それなのに・・・。
「我輩が悪いのです。千代殿にいらぬ心配をさせてしまうなどと。・・・ここに留まることで千代殿に迷惑をかけてしまうのであれば、我輩はもう、出ていった方が・・・」
いつか、想いを押さえきれなくなる、その前に。
胸の奥から何かがこみ上げてきて、思わずクロを抱きしめる。
「わわっ!?千代殿、ななな、なにをっ!?」
「・・・やだよ・・・っ。出てくなんて・・・言わないで。」
「千代殿・・・。」
胸が苦しい。
湯に溶けたはずの涙が、再び溢れてはこぼれる。
クロはいつか出て行ってしまうのに。
どうせなら別れが辛くならないうちにって、思ってたのに。
「私・・・クロの・・・クロの事が・・・っ!」
でも、私は人間で、クロは・・・
「・・・千代殿、ご婦人にこれ以上恥をかかせたとあれば、誇り高きケット・シーの名折れ。そこから先は、我輩に言わせて頂きたい。」
「え・・・?」
60:美味しいブリ大根の作り方
09/10/17 21:58:46 K1Yi1zy8
我輩は臆していた。拒絶されることに。
我輩は臆していた。侮蔑の目に。
だがもはや、この想いに迷いはない。
抱きしめる私を一旦離し、覚悟を決めたように、緑玉の瞳で真っ直ぐに見つめてくるクロ。
「あー、おほん。・・・我輩、クロフォード・ロック・ミュファウゼンは、ケット・シーの身でありながら、
おそれ多くもご恩を返すべき主・・・人間である千代殿に懸想をいたした。神をも恐れぬこの大罪。・・・千代殿。お許し頂けるであろうか?」
心より、愛しく想っております。千代殿。
本当にもう、この猫妖精ったら。
「大げさなんだから、もう。・・・私もクロのこと・・・大好きだよ!」
改めてぎゅっと抱きしめる。
「あわわわっ!ち、千代殿、む、胸が、胸がっ!!?」
「へ?」
いつのまにかバスタオルがはだけ、裸の胸をクロに押しつけていた。
我輩とて雄。発育途上とはいえ柔らかなその膨らみをそんなに押しつけられては・・・っ。
ああ・・・ほんのり甘い香り・・・が・・・
いや、鎮まれ、鎮まれ我輩!
61:美味しいブリ大根の作り方
09/10/17 22:00:02 K1Yi1zy8
・・・なんか、カタいものがお腹に当たってる・・・。これって・・・。
普段は体内に収納されているクロの雄。・・・反応してくれているのだろうか。私に。
・・・だったら・・・。
「クロだったら・・・いいよ。クロになら、私・・・。」
「ち、千代殿・・・しかし・・・」
迷いはないとはいえ、惑いはあるようで、どうにも煮えきらない。
「・・・もー!!クロの馬鹿!意気地なし!人間を好きになるような変態猫妖精のくせに、女の子を押し倒す度胸もないの!?
それとも、さっきのは嘘で、ホントは私の事なんて好きじゃな・・・ッん、んん!?」
突然のキスで口を塞がれる。
ヒトの口と獣の口。繋がり合うには、求め合うには不都合なその形。
猫科特有のザラリとした舌が、少女の柔らかな口内を蹂躙し、舌に絡む。
少女も負けじと牙に舌を這わし、舌を絡める。
ヒゲがちくちくと頬を刺激するが、それさえも愛おしい。
62:美味しいブリ大根の作り方
09/10/17 22:01:45 K1Yi1zy8
「っぷは・・・ぁ・・・っは・・・。」
まさか、ファーストキスがこんなに激しくなるなんて、思ってもみなかった。変態なのはお互い様だし、焚き付けたのは自分なんだけど。
最初は、恩を受けた感謝と畏敬からの好意だった。しかし、いつの頃からだろうか。その形が変わっていったのは。
「千代殿を想い、幾度この身がヒトであったならと夢想したことか・・・。」
ヒトであったなら、千代殿に負担をかけることも、いらぬ思案をさせることも無かったのに。
「・・・もう、ホントにクロは馬鹿なんだから・・・。」
クロはクロだから、クロなのよ?と、少女は笑う。
その笑顔があまりにも愛しくて、再び軽い口づけを交わす。
そう。ヒトに恋をしたのではない。千代に、恋をしたのだ。
我輩のことを受け止めてくれる、千代殿に。
舌を少女の首筋へ這わせ、更に下へ。
ザラリとした舌が少女の膨らみを優しく愛撫する。
63:美味しいブリ大根の作り方
09/10/17 22:03:20 K1Yi1zy8
ゾクゾクと、こそばゆいような感覚が走る。
「ん、ふああっ!ク、クロ・・・っ!」
ヒトの肌は柔く、脆い。ざらざらした舌で皮膚を傷めてしまわぬよう加減しながら、もう片方を肉球の付いた前足で、優しくこねあげる。
「んうっ・・・!っん!」
堪えきれずに声が漏れ、身体がびくりと震える。
肌をくすぐる柔らかなミルの体毛の感触すら、絶妙な愛撫に変わってゆく。
「やっ、ああっ・・・っや・・・んっ!ひっ、ああっ!?」
乳房の周りを舐めていた舌が、時折その頂を掠める。
予測できない快感に翻弄され、少女の身体が大きく跳ねた。
膨らみから舌を離し、前足で少女の秘裂をなぞりあげ、指で慣らしてゆく。
「ひゃんっ、・・・あ・・・んんっ!」
粘ついた水音が、彼女の頬を更に赤く染めあげた。
自分でも触ったことはあるが、こんなに溢れたことなど無い。
「やあ・・・っ!恥ずかし・・・、やだっ、やああっ!いっああっ!!」
なぞる指が陰核を掠める度、快楽の声と水音は更に淫らなものへと変わってゆく。
64:美味しいブリ大根の作り方
09/10/17 22:04:38 K1Yi1zy8
突然、愛撫が止まった。
「やめて、欲しいのですか?」クロが意地悪く笑む。
胸を撫ぜただけであんなに潤していたのに。
誘うように花弁をひくつかせているのに。
「・・・クロの・・・意地悪。」
すっかり女の顔をして、囁くような掠れた声で誘い、求める。
「千代殿が可愛すぎるからこそ、意地悪をしたくなるのです。」
どこぞの官能小説から引っ張りだしてきたような、こっ恥ずかしい台詞を、恥ずかしげも無く猫は言う。
しかし内心、クロは焦っていた。
千代に好意を抱いてから、叶わぬ望みと思いながらも、気づかれぬよう調べた、人間の身体の構造や愛で方。愛の交わし方。
しかしどれも書物を通しての知識でしかない。無知も同然だ。
不安で、仕方がなかった。
65:美味しいブリ大根の作り方
09/10/17 22:06:40 K1Yi1zy8
「では、続けましょうか。」
後退し、千代の太股の間に顔を寄せる。
「やっ!?あ、あんまり見ないでっ!は、恥ずかしい・・・。」
桃色の花弁がしっとりと塗れそぼり、淫らに雄を誘う。
とても綺麗で、美しいですよ。千代殿。
そういってクロは千代の秘所を舐めあげる。
「んぁああっ!っあ!?そんな、とこっ!?舐めちゃ、んやっ、ぁああ!」
強すぎる刺激に身を捩らせる千代。
もっと羞恥に喘がせたい。そんな衝動に駆られてしまうほど淫らで、愛しい。
「・・・っはぁ、あああっ、うああんっ!な、何か変な、感じ・・・っ!」
初めての絶頂への予感。少女に怯えの色が浮かぶ。
「一度、達しておいたほうが、幾分楽なはずです。・・・大丈夫です、千代殿。」何も心配はいらないと、獣は諭す。
「んあっ、あ、あああああああっ!!・・・っあ!」
シーツを強く握りしめ、背を弓なりにそらせ、達した。
桃色の秘肉は切なげに、そこにあるべき雄を求めていた。
「ふぁ・・・っ、イ、イっちゃっ・・・たぁ・・・。」
初めての、余韻に浸る。
生理的に流れた涙は、頬を擦り寄せてきたクロの毛皮に吸い込まれていった。
66:美味しいブリ大根の作り方
09/10/17 22:07:58 K1Yi1zy8
・・・そろそろ、頃合いだろうか。
自信は無いが、一度達し、ここまで潤っているのだ。もう準備は出来ているということだろう。雄の本能がGOサインを出す。
それにもう、こちらとて限界だ。夢にまで見た瞬間。もはや止めることなど出来ない。出来る筈がない。
しかし、わずかに残る躊躇いが彼を押し止めていた。
吐息が熱い。息が荒ぐ。不安に曇る。
後一歩で、一線を越えられるというのに。
我輩は、こんなにも意気地がなかったというのか!?
「クロ・・・。もう、挿れても大丈夫だと思うから・・・ね?」
クロの不安を感じ取ってか、待たされる焦れったさからか、とうとう彼女の方から誘いをかける。
「千代殿・・・。」
ああ、我輩のなんと無様なことか。不安を与えぬよう、リードするつもりでいたというのに・・・。雄として何と情けない。
千代殿は、こんな我輩に応えてくれたというのに。
「もう、ここまで来てもまだ『殿』をつけるの?」
少女は、小悪魔の如き微笑を浮かべる。
魅入られた無力な獣に、堕ちてゆく以外の道があるはずもない。
ミルは、一瞬躊躇ったが、唾を飲み込み、意を決する。
「ち、ちちち、千代っ!」
「クロフォード・ロック・ミュファウゼン!・・・大好きだよ。」今度は言えた。噛まずに言えた。
「千代、我輩の名は『クロ』で良いのです。」
千代がいつも呼んでくれる名。それが我輩の名なのだ。それ以外の名は、今は不要だ。
「ちぇ、折角言えたのに。」なんだかひどくむず痒く、そして嬉しい。
互いを気遣うように。愛おしむように。再び二人は抱き合った。
67:美味しいブリ大根の作り方
09/10/17 22:10:19 K1Yi1zy8
「ミルのって、猫と違ってトゲトゲしてないんだね。」
眷族を卑下するわけではないが「猫とは違うのです。猫とは。」同じに見えても厳密に言えば違う生き物だ。
第一、そんな危ないモノを愛しい千代に挿れて傷付けでもしたら、心身共に再起不能になる自信がある。
千代を仰向けに寝かせたまま、挿入を始める。
「千代、力を抜いて頂きたい・・・ッ。」
力が入ってしまうと痛いらしいと聞き及んだ。真偽など知らない。ただ、傷付けたくないのだ。
「ん・・・、が、がんばってみる。」
ヒトと同じ程度の大きさの、しかし形状は獣のソレが、ゆっくりと、少女の狭い膣内へと沈んでゆく。
「ふ・・・ッあ!・・・っ!」
僅かな抵抗の後、更に奥へと。最奥まで進み、停止する。
このままで暫く慣らした方がいい・・・はずだ。
しかし、締め付けつつも柔らかな膣壁に包まれ、快楽が脳を焼いてゆく。・・・いつまで保つか。
「千代・・・っ、大丈夫ですか?」
「ん・・・、平、気・・・っ。・・・ぜ、全然平気だよ。」
明らかに苦しそうなのに、心配をかけまいと気丈に振る舞っている。
それが愛しくて、口づけを交わしたくなる、が、届かない。
その上、先程の行為のせいで障りがある事に気づき、もどかしさを感じていると、
ちゅ
「・・・えへへ。さっきの仕返し。」
千代が上体を起こして、口づけを降らせてきた。
嬉しいやら困惑するやらどう反応してよいやら
さぞかし自分は、赤面して弛みきった顔を晒していることだろう。
68:美味しいブリ大根の作り方
09/10/17 22:12:44 K1Yi1zy8
すいません。誤植しました。
×ミル
〇クロ
69:美味しいブリ大根の作り方
09/10/17 22:14:19 K1Yi1zy8
千代も大分落ち着いてきた。多少の余裕は出てきたようだ。
「もう、痛くはないですか?」
「・・・まだちょっと痛いけど、たぶん大丈夫。」
「では・・・動きます。」
ゆっくりと腰をスライドさせると、淫らな水音が部屋に響いた。
徐々に速度を上げる。傷付けぬように、壊さぬように気遣いながら。
「・・・んっ、ん、あぁっ、はっ・・・!クロっ!ク、ロぉ!」
彼女の声にも快楽の喘ぎが混じり始め、甘いその声が耳をくすぐる。
「は・・・っ、ハァッ、千代・・・っ!千代ぉ・・・っ!」
貪欲に互いを貪り、求めても求めてもまだ足りない。
次第に激しくなってゆく行為。抑えが効かなくなり、本能のままに求め合っていった。
「はぁ、んっ、ねえ、クロは気持ちい・・・の・・・?」
「それはもう・・・っ、勿論・・・っ。はっ・・・、はあ・・・っ。」
すぐにでも、吐精してしまいそうなくらいに。
荒々しく熱い吐息を吐く獣の、緑玉色の瞳は渇望に燃えている。
その瞳に射抜かれ、ぞくり、と、千代の背筋に何かが走った。
求められている。この世で一番愛しい存在に。クロに。
さらに快感は増し、繋がり合う膣内をとろかせた。
激しく。激しく。互いの種族などどうでもいい。
快楽に満ち、視界が白く染まる。白く。白く。
「あっ、あ、んううっ!ああ・・・っ。うぁああっ、いっ、あああっ!クロ、クロっ、はぁあっ、あああああんっ!」
次第に快感は高められ、絶頂へと近づきつつある。
「千代・・・我輩も、もう・・・っ!」
堪えられそうに・・・ない・・・っ。
70:美味しいブリ大根の作り方
09/10/17 22:15:31 K1Yi1zy8
この少女をこんなにも乱れさせ、こんな表情を見たことがあるのは己しかいない。
そう思っただけで、雄の支配欲が、独占欲が、満ち足りてゆく。もっと乱れさせたい。染めてしまいたい。
被虐心ってやつなのかもしれない。
クロに、乱暴にされたい。滅茶苦茶に、乱れたい。クロを、刻み付けて欲しい。もっともっと、乱れさせて。
頭の中が白く染まってゆく。
クロから与えられる感覚と、クロのこと以外、頭の中から消えてゆく。
このまま溶け合ってしまうかのような快楽。絶頂の予感に膣が切なげに収縮し、甘美な刺激を送る。
クロもそれを察し、奥へ押し込むように攻める。
やがて堪えきれなくなり、クロは千代の最奥へと精を注いだ。
「・・・っ!!千代っ、千代ぉっ、千代・・・っ。」
放たれた精の熱さに千代は絶頂し、子宮が戦慄いた。
「クロのが・・・っ、出て、熱い・・・っ!っああ・・・ん!ク・・・ロぉ・・・っ!!イっちゃ・・・っ!あふああっ!!あああーっ!」
求めていたものが、満たされてゆく。
お互いの名を呼び合いながら。お互いの体を抱きながら。二人は絶頂を迎えた。
71:美味しいブリ大根の作り方
09/10/17 22:16:33 K1Yi1zy8
緩やかで、暖かな余韻の中、いつしか眠りに落ちていたようだ。
すでに己の性器は抜け、体内に収まっていたが、互いの体は、もう離れはしないとばかりにかたく抱き合っていた。
が、体格の差もあり、結局は自分が抱き抱えられている形となっていた。
いつの間にか日は沈み、夜は更けていた。
窓の外には猫の目のような三日月が輝いている。
仄かな月明かりが差し込む窓辺。
千代はまだ目を覚ましていない。このままでは体が冷えてしまう。
ベッドの脇に追いやっていた掛け布団を取ろうと、しなやかに身を捩って腕の中から脱出する。
ふと、夜目の利く瞳で、千代の身体に目を向けた。
女性らしさを漂わせ始めた、成熟しきっていない身体。
太股に伝う白濁は、例え膣内にあろうと決して結実しない、己の欲望の証。
シーツを染める紅は、愛しい者が純潔を捧げてくれた証。
雄としての責務を果たそうと。必ずや千代を守り通そうと、改めて誓った。
千代のためならば、かの長靴の猫の如く、恐ろしいオーガすらも倒してみせる。
72:美味しいブリ大根の作り方
09/10/17 22:17:51 K1Yi1zy8
ぎゅ
クロの背筋にぞわりと悪寒が走る。振り向けば、千代が尻尾を掴んでいた。
「・・・ねえ、私に黙って、いなくなったりしないよね?」
「無論、そんなことは致しません。千代。」
もう、出来よう筈もない。絶対に。
フェンリルを封ずるグレイプニルの素材となりし、我ら眷族の足音にかけて。
・・・また大げさな事でも考えてるんだろうな、この猫妖精ったら。
もし旅にでる必要があるなら、私も一緒に付いていく。
クロの故郷にだっていつかは行ってみたい。
じっと待ってるなんて、絶対してあげない。足手まといなんかにも、なってあげない。
千代に布団を掛け、再びその暖かい懐へ潜り込む。
お互いの体温を共有する眠りの淵。これからのことを想い、再び眠りにつく。
不安がない訳ではない。けれど、きっと幸せに生きていける。
だって、二人一緒なのだから。
そして、ごく近い未来を想う。
翌朝の食卓の、なんともいえない気恥ずかしさを解消してくれるであろう、
よく味の染みた、おいしいブリ大根を、想う。
おわり。
73:僕に行き着けば 君へ振り返る
09/10/18 06:22:43 05yIzeFo
感想ありがとうございました。
非エロ投下にビビって恐る恐る覗きに来れば、こんな温かい声をかけて
もらえて、本当に感無量です。
これからもまた何か書かせていただきます。よろしくお願いします。
>>43
そうです。あそこの住人だったりします。
というか、まさかそこを知ってる方がいるだなんて意外でした(^^;)。
こんな私ですが、これからもよろしくお願いします。
74:名無しさん@ピンキー
09/10/18 08:04:44 W5Os/3RW
>>63
GJ
猫の舌や逸物は凶器だよね。
75:名無しさん@ピンキー
09/10/18 11:47:52 38vWUIKt
>>52-72
GJ、そしてクロかわいいよクロ
古風な人外と普通の女の子の恋愛はたまらん
>>74
舌はザラザラ、逸物はトゲトゲ
しかも交尾は乱交・強姦がデフォルトだしな……
犬の、「入れたらしばらく抜けません」もいいが
猫科の凶器っぷりはたまらんな
76:名無しさん@ピンキー
09/10/18 14:01:40 7O5MYiyJ
>>73
乙、また萌えディクショナリーが広がったぜ。
コンゴトモよろしく
77:名無しさん@ピンキー
09/10/18 16:09:13 n86PiB0A
ぬっこぬこにされました
78:名無しさん@ピンキー
09/10/18 17:50:35 chgF0iQr
感想ありがとう御座います!!
拙い初投下、お恥ずかしい限りです。
途中から名前を変更したばっかりに誤字が出たり、同じ所を連投したり…
これからはもっと精進します。
読んでくださって本当にありがとう御座いました!
79:名無しさん@ピンキー
09/10/19 22:20:59 2obQFXXI
そういえば今度発売されるエルミナージュUってゲームで
モンスターとプレイヤーキャラ結婚させて子作りできるらしいってのは既出だっけ?
Wizerdryみたいなゲームだから脳内補完は必須だろうが
80:名無しさん@ピンキー
09/10/19 23:28:20 qo9Y4FA2
既出じゃなかったと思う。
脳内補完できるだけで充分すぎる。
発売楽しみだなー。
81:名無しさん@ピンキー
09/10/21 23:45:35 8VQonskG
情報感謝!
俺屍の交神でも充分脳内補完できた俺に死角はない。
82:名無しさん@ピンキー
09/10/24 11:52:22 AKjkmb6f
手を合わせて見つめるだけで
愛しあえる
話もできる
口付けするより甘く
囁き聴くより強く
私の心を揺さぶるあなた
信じられない事ばかりあるの
もしかしたら
もしかしたら
そうなのかしら
それでもいいわ
近頃少し
地球の男に飽きたところよ
83:名無しさん@ピンキー
09/10/24 13:42:16 oC2jHH43
歌詞転載は著作権侵害だよ
84:名無しさん@ピンキー
09/10/24 18:58:18 1soGyBdr
転載イクナイ
母星ならテレパシーで気持ちを伝えられるのに、
地球人にはテレパシーが通じなくて
うまく気持ちを伝えられない音声や文章での愛の告白に
もどかしさを感じちゃう異星人とかのほうがいい。
85:名無しさん@ピンキー
09/10/24 22:28:13 H170FFNQ
ちょっと小ネタ的なの投下。 少女×不定形生物 非エロ 幼馴染
「んだよ、お前また学校でそんなもん書いてんのか。」
「そんなもんとはなんだ。そんなもんとは!いくら近所に住む幼馴染とはいえ、言っていいことと悪いことがあるぞ。」
「人外と人間のエロ小説とかいうのだろ?現実逃避も大概にしろよな。」
「失敬な。人外と人間、これほど美しい組み合わせが他にあろうか。」
そして私は説いた。いかに人外が素晴らしいかを。
ロボットや無機物に芽生える感情を。
力強い獣人のモフモフした毛皮を。
虚ろなる鎧に宿る魂を。
温もりのない外骨格を。
滑らかで堅い鱗を。
不定型生物の包み込むような抱擁を。
少女に翻弄される悪魔を。
異種故に傷つけてしまう悲しみを。
国籍や人種、家柄などより遙かに高い障害を越えてゆかねばならぬ
異種なる恋人たちへの祝福を。
86:名無しさん@ピンキー
09/10/24 22:31:40 H170FFNQ
日が傾き、教室がオレンジ色の光に照らされるまで、説いていた。
いつしか教室には、私達二人だけ。
「・・・なんか、凄いんだな、人外って。」
「分かったら人外×人間でハァハァする作業に戻れ。」
「いや、それよりも俺、お前に言いたいことがあるんだ・・・」
「何?」
「俺・・・、ずっと前からお前のことが好きなんだ!」
「そうか。実はわたs・・・えっ!?ち、ちょっと待ってよ。なんでその話の流れでそうなるのよ!?」
「俺のこと、嫌いか?やっぱり人外じゃなかったら、興味なんて持てないか?」
「・・・そんなことない!・・・わ、私も、好きだよ。」
「ほ、本当か!?」
「ううう、嘘付いてどうすんのよ。」
「・・・でも俺、もう一つ、言わなきゃいけないことがあるんだ。」
突然、目の前の彼が崩れ落ちた。膝をついたとかそういう意味ではなく、 ズロズロっと、溶けた。
「えっ!?ええっ!?」
「俺、実は不定型生物・・・スライムなんだ。」
「う、うそっ!?だって幼稚園の頃から一緒にいたのに・・・!?」
「嘘付いてどうすんだよ。・・・俺がこんな生き物だったって知って、やっぱり嫌いになったか?」
「・・・なるわけないでしょ、バカ。」
私は、床にたぷたぷと這いずる半透明な彼へ、手を伸ばした。
するすると、私の手に彼が絡む。
ずるる と、立ち上がるように、彼は再び人間の形をとった。
「・・・帰ろっか。一緒に。」
「そうだな。」
手を繋いで、夕日を浴びる。
「でも、なんでスライムの姿で告白しなかったの?私が人外好きだって知ってたんでしょ?」
「・・・人外だから好き、なんてのは嫌だったんだ。」
「ばっかだねー。ほんっとに。」
「うるせえ。」
繋いだ手はまだぎこちなく、 ずべー
「ちょっと、造形崩さないでよ、繋ぎづらいじゃない。」
「す、すまん、まだちょっと緊張してて・・・」
「・・・まあ、いいけどさ。密着度が上がって。」
やや型崩れなカップルは、夕日が沈んでも尚、顔を赤く火照らせたまま、
ゆっくりと歩んでゆく。
「そういえば、俺の正体気に気付いてなかったのはお前だけだぞ?
先生も、クラスの奴等も、お前の親御さんも知ってんのにな。
つーか気付けよ。たまに型崩れしてただろ。」
「・・・ええっ!?」
おしまい。
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