らき☆すたの女の子で ..
632:このネタだけは譲れないっ!今日は何の日?12月10日編
09/12/10 00:31:27 CNZW9Ov4
みゆき「今日はらき☆すたの日です。
2003年12月10日発売のコンプティーク2004年1月号より『らき☆すた』の連載がスタートしました。
連載ページ数は3ページのみ。
開始1ページ目にして、タイトルの由来と共に、『アニメLOVE』という、泉さんを表すのに最も適しているであろう煽りが存在しました。
意外に思われがちですが、1回目にはかがみさんは未登場でした」
こなた「私達が世に出てから、もう6年になるんだね〜」
つかさ「そうだね〜でもお姉ちゃんが1回目に出てなかったのは以外だね」
かがみ「一巻を見ればわかると思うけど、こなた、つかさ、みゆきの三人で五本の4コマをまわしたのよねー」
こなた「それにしても……」
かが・つか・みゆ「?」
こなた「太いほうと細いほう、どっちが正しいチョココロネの頭?」
みゆき「……コロネの語源を調べるとイタリア語で角笛を意味する『corno』とのことでした。
角笛を吹くところを想像した場合、先端に口をつけるため、細いほうから食べるのが正しいかと思いますが、どちらが頭かと言われますと……」
かがみ「出題から6年過ぎて未だに答えが出ないのね……」
つかさ「そんなゆるゆるならき☆すたワールドを……」
こな・かが・つか・みゆ「これからも、よろしくね☆」
633:名無しさん@ピンキー
09/12/10 06:35:37 vmFtOuBg
>>631
あなたの中で終了したなら、もう来ないでね。
634:名無しさん@ピンキー
09/12/10 11:38:54 Pyw59nbI
>>632
連載開始からもう6年になるんですねぇ…。
永いようであっという間な感があります。
原作もこのスレも、これからもまったりゆるゆる続いてほしいものです。
初めてらき☆すたに出会った時の高揚感を思い出させてもらえました。
GJです!
635:名無しさん@ピンキー
09/12/10 12:15:07 UzzlmBom
>>599の人はちょっと頭が気の毒なだけだから気にしなくていいよ
636:名無しさん@ピンキー
09/12/10 15:27:19 wOIZGwzJ
| | | | | | | | | | || | |
| | | レ | | | | | J || | |
| | | J | | | し || | |
| レ | | レ| || J |
J し | | || J
| し J|
J レ
637:名無しさん@ピンキー
09/12/10 19:33:51 fWXosJms
次スレ立てようとしたが、駄目でした。
638:名無しさん@ピンキー
09/12/10 21:44:44 Zi+IFaYs
まだよくね?
639:名無しさん@ピンキー
09/12/10 22:13:36 qdf68dSu
>>621-628の続きを投下します。
注意書きは>>568。
640:酒池肉林
09/12/10 22:14:51 qdf68dSu
「んっはぁっ」
「ひぐっぴゃあっ」
一際大きい嬌声が室内に反響し、二人の身体が大きく跳ねた。
分泌される粘液は、火山の噴火のように激しく噴出し、
ベッドシーツとみさ兄の腕に穢れを付した。
「もぉ、いいよ。指、抜いてもいいよぉ」
あやのの声だ。満足を称えた恍惚の表情で、解放を示す言葉が紡がれる。
「まぁ、仕方ないわね。指、限界みたいだし」
こちらは幾分か不満足そうな表情で、かがみが言った。
「いいじゃない、柊ちゃん。そろそろ彼の性器も回復しただろうし。
仲良く一回ずつ入れてもらって、それで終わりにしよ?」
「うーん、でも…。後二発、いけるかしら…」
独り言の体を為してはいるが、
かがみの視線を辿ればみさ兄に問いかけているのは鮮明だった。
「いや…一発が限度だ」
平等に愛すると言った手前、一人目で尽き果ててしまうという事態が最悪だった。
それを避ける為に、慎重を期した答えを返した。
否、実際にそれが限界だろう。
謀らずも限界と思惑が一致しただけの話だ。
「じゃあ…これでお開きかな。どっちか一人だけ、なんて不公平だもん」
(これで解放される…)
あやのの言葉に、みさ兄は安堵の念を覚えて胸を撫で下ろした。
かがみは尚も険しい表情で虚空を睨んでいるが、
公平を図ればあやのの提案を呑まざるを得ないだろう。
そうみさ兄は計算していた。
かがみは険しい表情を崩さぬまま、暫し黙していた。
眉間に皺を寄せ顎に指を添える姿は、不満を訴えているようにも
考え事をしているようにも映る。
そして、顎から指を離すと同時に、口を開き沈黙を破った。
「いや…。峰岸、アンタも実際のところは不満でしょ?
私もまだ足りないわ、物足りない」
「でも、柊ちゃん」
「聞いて、峰岸。別にアンタと揉める心算は無いわ。
でも、お互い納得のいく形で、その最後の一発の射精を使いたいの。
そりゃ、時間が無限にあるのなら、更に二発分の回復を待つって手もあるわ。
でも、時間は無尽蔵じゃなく有限でしかない。
増してや、折角上げに上げたボルテージも、二発分の回復なんて待ってたら下がっちゃうわ。
だから、それは無しだ」
「うん、そうだね。だからまた、今度やろうよ。三人で」
「それじゃ足りない…」
かがみが小声で呟いた。
「え?」
「いや、何でもないわ。でもね、峰岸。ここでその最後の一発を有効に使わないと、
即ち彼に限界まで尽くしてもらわないと、次は無いかもしれない。
だから、その最後の一発を巡る話し合いをアンタとの間で持ちたい。
此処は私の部屋じゃないから、二人っきりで使用したいなんて言うのは、
ちょっと憚られるけど」
かがみの言いたい事を、みさ兄は理解した。
あやのも理解したらしいが、改めて確認するようにかがみに問う。
641:酒池肉林
09/12/10 22:15:29 qdf68dSu
「つまり…、私と二人っきりで話し合いたいって事?
最後の一発を、どちらが受けるかの話し合いを?」
「どちらも受けないという選択肢を加えれば、その解釈で正解よ。
で、ほんのちょっとの間、部屋貸してくれるかしら?」
かがみの問いは、無論みさ兄に対して為されたものだ。
分かってはいるが、みさ兄は黙りこくった。
(果たして、貸していいのか?そこまでの信頼関係、少なくとも柊さんとの間には無いぞ?
だが…あやのとは付き合いが長い。柊さん一人ってわけじゃなく、
あやのも居るんだから、盗難やパスハックは無いか)
「あー、それなら私の部屋使っていいぜ?
私だってこの状況を作り出した人間の一人なんだし」
みさ兄が逡巡しているうちに、みさおが口を挟んできた。
お互いこの部屋にずっと居たにも関わらず、
みさ兄は酷く久しぶりに妹の声を聞いたような気さえした。
「いや、俺の部屋を貸すよ」
条件にもよる、そう付け加えようとしたが、みなまで言わせずかがみが後を引き取った。
「どちらでもいいけど、お言葉に甘えてこちら借りようかしら。
安心して?3分、それ以上は借りないから。
長引けばヒートアップして、お互い決裂してしまうかもしれない。
だから、短時間でケリを付けるわ。
3分経ってもこちから合図を送らない場合は、つまり結論が出なかった場合だけど、
ノック無しで入ってきていいわ。
そして、そのまま今回のセックスは終了する。
結論が出れば、皆その結論に従って行為する。それでどうかしら?」
「3分の議論時間ってぇ事か。いいのか?そんな短時間で纏まるのか?」
「部屋を借りる以上、あまり長時間取るワケにもいかないわ。
彼の防犯意識に配慮した結果よ。
だから、遊びに来た友人を部屋に置いてトイレに行く状況を想定して、
その時に生じる他人のみを部屋に置く時間よりも短めにしたの。
それともう一点、タイムリミットをシビアにした理由はあるわ。
長引くと、お互いヒートアップして折角の大団円が崩壊しちゃう危険があるでしょ?
だから、タイムリミットを厳しいラインに設けた。
3分なら、ヒートアップする前にリミットが到来して、議論が強制的に打ち切られるから」
「まぁ、3分ならいいよ。全く問題無い」
みさ兄はかがみの言に、確かな説得力を感じていた。
(言われてみれば、俺も友達を部屋に呼んだ事が何度もあるっけな。
そして俺がトイレに言ってる時間、3分から7分程の間は、
俺が居ない部屋に友達置いてたっけ。それで今まで何の問題も無かったし、
この二人は俺に好意抱いてくれてるから。
確かに3分なら、柊さんの言うとおり何の問題もないな)
そしてまた、議論時間も3分なら、然程の紛糾も無く終わるだろう。
「ありがとね。日下部もそれで問題無いわね?」
「ああ、部屋から出てくよ」
「峰岸は?」
「付き合うよ、3分くらい」
「そう、良かったわ。じゃ、早速だけど…」
かがみの発言の意図を察したみさ兄は、腰を上げた。
「分かってる。すぐに部屋から出るよ」
「ああ、私も出るわ」
みさ兄の後に従うように、みさおも付いてきた。
みさおがドアを閉めようとした時、
「カウント、スタート」
という声と共に、かがみが腕時計を放って寄越してきた。
みさおはそれを器用に片手で受け止めてから、今度こそドアを閉めた。
642:酒池肉林
09/12/10 22:16:50 qdf68dSu
*
部屋から出たみさおは、かがみから渡された腕時計を凝視していた。
険しい顔付を見れば、それが単に時間確認の為だけではなく、
みさ兄に対するコミュニケーションの拒絶である事が伺える。
だからみさ兄はみさおに話しかける事はせず、
思考に埋没する事で時間を潰す事にした。
(さて、どんな結論が出るのやら。いや、殆ど分かりきった事か。
3分じゃ、どうせ議論は決着しないだろう。
柊さんは結局、最後の一発を受ける事ができないまま終わる。
でももしかしたら、
柊さんが敢えてあやのとの交渉を提案したのは勝算があるからかもな。
あの時、この話し合いの提案をする前の柊さんの表情、
不満だから険しい表情をしてるものだと思ったけど…
実は思考していたのかもな、最後に一回俺と結合して終わる為の論を練る為に。
不満気な表情と考え込んでる時の表情の区別は難しい。
柊さんとまともに会話したのは今日が初めて、
だからあの表情を不満故に出たものだと結論付けるのは尚早かもしれない)
この扉の向こうでどのような話し合いが行われているのか、それが気になった。
一体かがみがどのような論で以ってあやのに臨んでいるのか、興味を惹かれた。
(てか冷静に考えてみると…どちらに転んでも俺に不利益は大して無いんじゃね?
仮に柊さんがあやのを説き伏せて最後の一発の権利を手にしたとして、だ。
それがどうした?俺は後一回、柊さんとヤレばいいだけだ。
今日は既に食傷通り越して食中り起こすまでにセックスしてる。
今更一発増えた所で、もう誤差の範囲でしかない。
それに、その一発さえ頑張れば解放される。
それ以前に、だ。そもそも柊さんの望む結論が出る可能性自体が低い。
あやのを説得できるとは思えないからな。
最後の一発を柊さんが受ける事になれば、不公平が生じる。
そいつは平等に愛し愛される、っていう約束と違ってしまう。
だから、決してあやのは柊さんが最後に一発俺とヤる、っていうのを認めやしないだろう。
それに何より、3分っていう時間制限がある。
あやのが牛歩戦術を取るだけで、タイムオーバーを迎える)
みさ兄の中で、希望が膨らんでいく。
かがみの望みが成就する可能性自体が恐ろしく低く、
加えて想定される最悪の事態を迎えても、かがみと後一回性交するだけでしかない。
それが、みさ兄にとっては喜ばしかった。
643:酒池肉林
09/12/10 22:17:47 qdf68dSu
だが、一旦は緩んだ気を直ぐに引き締める。
(つっても俺が解放されるのは、今回に限って、の話か。
難しいのは寧ろこれからだぞ。平等に愛していくっていうのは、
今回のセックスで終わりじゃない。これからも、続いてく話だ。
俺達3人の関係は今回で終わりじゃなく、今回がスタートなんだから)
その時、ドアが開きかがみが顔を覗かせた。
「結論が出たわ。入ってきて」
「2分と47秒。時間内に結論が出たみてーだな」
みさおが時計をかがみに渡しながら、そう言った。
(時間内決着か。果たして柊さんの要求は通ったのか、
それとも説得を諦めて要求を引っ込めたのか。
その結末を、覗くとするか)
みさ兄の思考を余所に、かがみはみさおに言葉を返していた。
「ええ、平等な結論が出たわ」
(平等な結論…。即ちそれは、柊さんはセックスをここで終了させるって意味か?
或いは、自分が最後に俺と結合しつつもあやのとの間に不公平を生じさせない論を展開し説得した、
って意味か?
まぁ、どちらにせよ)
みさおに続いて、部屋の敷居を跨いだ。
(このドアと部屋の境目を跨げば…。日常と非日常を隔てていたこの境界を跨げば、答えは出るさ。
まぁ今更どっちでもいいけどな。その答えなんて、今更些事だけどな
どちらかと言えば、これからの俺達3人の関係の行く末の方が気になるよ)
みさ兄にとって二人の出した結論に従う事など、
形式的な儀式を執り行うという程度の認識でしかなくなっていた。
644:名無しさん@ピンキー
09/12/10 22:20:43 qdf68dSu
>>640-643
本日は短いですが、以上です。後一回か二回で終わります。多分、次でエンド。
なお、スレ立ては私のホストでは弾かれてしまいました…。
645:名無しさん@ピンキー
09/12/10 22:24:36 bQzFP1RU
次スレ
らき☆すたの女の子でエロパロ62
スレリンク(eroparo板)
646:名無しさん@ピンキー
09/12/10 22:25:27 qdf68dSu
お手数おかけしました。有難う御座います。
647:名無しさん@ピンキー
09/12/11 06:39:25 lZ/hYtb0
>>645乙
埋め小ネタ
下らないネタが嫌いな人はスルー推奨
変態よけのお守り
部屋で宿題をしていると、こなたお姉ちゃんが入ってきた。
「ゆーちゃんは、萌え要素満載だからこのお守りあげる。」
「なんのお守り?」
「変態よけのお守り、お守りをもってヘンタイタイサンって言うとゆーちゃんを守ってくれるから。」
お守りを受け取った私は軽い気持ちで、お守りを使ってみた。
「ヘンタイタイサン!」
「うぼぁー!」
こなたお姉ちゃんは悲鳴を上げ服を残して消えてしまった。
「こなたお姉ちゃんー。」
5分後こなたお姉ちゃんは部屋に戻ってきました、全裸で。
648:名無しさん@ピンキー
09/12/11 21:07:46 3+1Bnymq
今晩は、>>640-643の続きを投下させて頂きます。
スレ、跨ぐ事になると思いますが。
注意書きは、>>568参照。
649:酒池肉林
09/12/11 21:08:46 3+1Bnymq
*
部屋に入ったみさ兄は、先ずはあやのの表情を観察した。
「ん?どうしたの?」
その視線に気付いたのか、
あやのは首を横に傾げながらくりくりとした特徴的な瞳で見返してくる。
「いや、どんな結論が出たのか、早く聞きたいだけさ」
みさ兄はそう言い放ったが、実の所はあやのの表情から結論を読み取ろうとしたに過ぎない。
(特に不満な様には見えない。寧ろ、満足すら称えられている。
って事は、柊さんが要求を引っ込めたか、
或いは柊さんは俺とやりつつもあやのに不公平感を抱かせない提案をしてみせた、
のどちらかって事かな)
みさ兄は冷静に分析していた。
あやのとかがみを間違えて卑猥な行為に及んだ直後よりも、
幾分か心は落ち着いていた。
少なくともあの時以上に状況が悪化する事は無い、
そう思えるからこそ出てくる余裕であろうか。
「それは直ぐに説明するよ。でも、説明するのは私じゃなくって、柊ちゃんよ。
柊ちゃんの発案だから、柊ちゃんの口から説明する方が正確を期す事ができるから」
みさ兄はかがみに視線を流した。
かがみは自信満々の笑みでその視線に応じながら、口を開く。
「結論から言えば、貴方には後一発だけ、頑張ってもらう事になったわ。
でも普通のプレイじゃない。今日は後一発が限界なんでしょ?
だからちょっと趣向を凝らしてみたいの」
その結論を聞いても、みさ兄はさして落胆しなかった。
(へぇ、目は薄いと思っていたが、そっちが出たか。
って事は、あやのを説き伏せたのか。どういう論を展開したのか気になるな。
まぁ、いいや。どうせ後一発、それで今日は解放される。
気楽なもんさ。まぁ、想定していた最悪の事態ではあるけれども、
その最悪でさえこの程度だもんな)
後一回で終わる、そう思い気を奮い立たせる。
「んで、その趣向ってのは何?」
「簡単よ、まずはこの椅子に座って?」
みさ兄の部屋に備え付けられている椅子を指差しながら、かがみが告げた。
「ああ」
みさ兄は言われたとおりに、その椅子に腰をかける。
「それと、縄か紐か無いかしら?」
「みさお、取ってきてやってくれ」
みさおは口を一切開かずに部屋から出て行った。
(ふーん、縛りプレイって事か。まぁ予想の範疇だな。
いや寧ろ、尿道プレイだのアナルプレイだのかました事考えれば、
ノーマルに近いプレイだ)
みさ兄は胸を撫で下ろした。趣向を凝らす、そうかがみが口走った時、
不安に駆られたのは確かだ。
だが、不安の中で想定していた方法のうち、緊縛はかなり易しい部類に属する。
それが彼に安堵の念を植えつけていた。
程無くしてみさおが戻ってきた。
手には荒縄と、無骨な鋏が握られている。
「柊、ほら。縄と切る用の鋏」
「ありがと。きつすぎたらごめんね」
かがみはそうみさ兄に告げると、器用な手つきで彼の手足を椅子に縛りつけた。
「縛りプレイ、ってヤツか」
「そういう事。分かってるじゃない」
続いてかがみは、みさ兄のズボンのチャックを外し、
下着から彼の性器を取り出した。
650:酒池肉林
09/12/11 21:09:49 3+1Bnymq
「じゃあ、最後の一発のご奉仕、お願いね。
憶えてるわね、私と峰岸との間の議論の前に口走った言葉。
その決定に、皆拘束されるって事を」
「ああ、憶えてるよ」
確かにそう言っていた。記憶のままに、みさ兄は口を動かす。
「日下部は?」
かがみは次いでみさおに問いかけていた。
「憶えてるよ」
みさおもみさ兄と同じ言葉で、問いかけに応じていた。
「そう、じゃあ。早速始めましょうか」
「いいなぁー。最後の一回受けられるなんて。羨ましいよ」
心底羨ましそうな声で言葉を紡ぎながら、あやのはみさ兄の後ろに回りこんで椅子を押さえた。
(転倒防止、ね。確かに激しく動かれると危ないからな。
抑える役は重要だよな。でも、よくあやのはそんな役回りまで引き受けたな)
みさ兄は益々、かがみの展開した論に興味を持った。
そういった事に興味を抱ける程にまで、
彼は状況を楽観視してしまっていた。
だが、次のかがみの台詞に、そんなみさ兄の呑気な気分は吹き飛ばされた。
「ほんと、羨ましいわよね」
(ん?)
─違和感。
それが
「でもいいじゃない、峰岸。私達はたっぷりとヤったんだしさ」
決定的になった。
「えっ?」
思わずみさ兄の口から素っ頓狂な声が漏れ出る。
(ちょっと待て。柊さんが俺とヤるんじゃないのか?
その口振りじゃ、柊さんじゃない。あやのでもない。
じゃあ、誰だ?)
答えは出ている。一人しか居ない。
だが、それは受け入れる事など到底できない現実だ。
「じゃ、日下部。アンタの番よ」
「…えっ?」
「嘘だっ」
みさおの訝しげな返答と、みさ兄の咆哮が重なった。
「何呆けてんのよ。日下部が彼とセックスする番、そう言ったのよ。
ああ、避妊具が欲しいのか。安心して?まだゴムはあるから。
全く、こんなに備蓄してるなんて、ホント峰岸と彼は仲良かったのね」
「柊ちゃん、まだ詳細な説明を彼もみさちゃんも聞いてないわ。
それ説明してあげないと」
「ああ、そういえばそうだったわね。私か峰岸か、どちらかがその最後の一発を受けたら、
不公平になるでしょ?それは最初の約束である、貴方は私たちを平等に愛する、
ってのに反しちゃうわ。そこで私、考えたの」
かがみは一旦言葉を切ると、交互にみさおとみさ兄の顔を一瞥してから話を続けた。
「そもそも現状が平等と言えるのか、ってね。
ほら、考えてみなさいよ。一人だけ、交わってない人が居るじゃない。
それこそが、皆仲良くして欲しいという要求を突きつけた日下部その人よ」
みさ兄は息を呑んだ。確かに、この三人での性交を提案したのはみさおが発端だ。
だが、だからと云ってみさおまで巻き込む必然性が見当たらない。
「だからね、最後の一発は日下部が受ける事によって、
それで初めて不公平が無くなるの。日下部は皆と仲良くしたいんでしょ?
なら、私達三人だけで仲良くするんじゃ足りない、一人足りない、当事者が足りない、
それを求めた人が抜けてるから」
かがみもあやのに倣って椅子を抑えると、みさおに鋭い視線を向けながら迫った。
651:酒池肉林
09/12/11 21:10:46 3+1Bnymq
「だからね、日下部。これはアンタが望んだ事なの。
皆と仲良くしたいって言ったのはアンタ。なのに私と峰岸だけやらせて、
自分だけ高見の見物なんて許されると思う?
それにアンタも、貴方も、約束した筈よ。
私と峰岸の下した決定に拘束されるって」
常軌を逸する展開に呆けていたみさ兄だったが、事此処に至って、漸く口を挟む。
「一寸待てよ。仲違いしたのは柊さんとあやのだろ?
だからみさおを巻き込む必要なんて無いじゃないか。
それに、考えてみろよ。てゆーか知ってるだろ?
俺とみさおが、兄と妹だって事」
「どうして私達が仲違いを止めて仲直りしたのか、
その発端は日下部がそれを望んだからよ。
なのに日下部だけ弾いて私達だけ関係進めていくんじゃ、
日下部の望んだ方向へと向かわない可能性が色濃く残る。
だから、日下部も私達と同じ立ち位置に付く必要があるの。
巻き込むというよりは、日下部の要求に私達三人が巻き込まれている感じよね」
みさおに責任がある、そう言いたげな口振りだった。
これでは、みさおも拒み辛いだろう。
「でも…柊…」
躊躇う口振りを見れば、かがみの要求を拒みたいという思いが伝わってはくる。
だが、その態度は弱々しかった。
そんなみさおに、あやのが追い討ちをかけた。
「みさちゃん、私も柊ちゃんや彼だけじゃなく、みさちゃんとも今まで以上に仲良くなりたいな。
一緒に気持ちいい事して、四人で仲良くなろ?
それにね、みさちゃん、彼と仲悪くなっちゃったでしょ?
私はみさちゃんにもお兄さんと仲直りして欲しいな。
恋人の彼と、友達のみさちゃん。この二人の関係がギスギスしてるなんて、
私が板挟みになっちゃうよ」
みさ兄は愕然とした思いで、あやのの言葉を聞いていた。
(あやのまで…どうして…。どうしてあやのまで、こんな異常な提案を容認してやがるんだ?
こんな提案、どうしてあやのは呑んだんだ?
しかも…僅か3分で…)
その疑問が脳裏を揺さぶっている最中、一つの可能性が閃いた。
その可能性もまた、倫理に反した内容ではある。
だがその閃き通りであれば、みさ兄とみさおの性交に対して、
かがみとあやのにとっての意味が与えられる。
かがみの要求が必然性を持ち、あやのの認容にも必然性が付与される。
(そんな事があって堪るかよ…)
652:酒池肉林
09/12/11 21:11:31 3+1Bnymq
反発する思いに駆られながらも、みさ兄の脳は凄まじい勢いで回転し、物語を紡いでゆく。
一旦芽生えてしまった疑念は止まらない。本人の意向など無視し、勝手に成長していく。
成長した猜疑は、この部屋で交わされたであろう議論の内容を、
彼の脳裏で二人の声を以って再生させた。
『ねぇ、峰岸。このままじゃ彼、私達二人とも捨てる可能性があるわ』
『えっ?』
『彼がさっきの三人でのプレイの提案を呑んだのは、多分日下部を慮っての事。
日下部に仲直りするよう言われたから、呑んだに過ぎない。
それで私達は日下部の望み通りに仲直りしたじゃない?
でもね、私達の仲違いの原因は、彼を巡ってのものだった。
そして私達が仲直りした今や、彼は私達二人を同時に切る事ができる。
だって、仲違いの原因が消滅するからね』
『そんなぁ、困るよ』
『大丈夫、よ。逃げられないようにすればいい。日下部をこの関係に巻き込んでしまえば、
もう彼は逃げられない。つまり、ね。最後の一発、それを日下部に受けさせるのよ。
妹と関係を持ってしまえば、もう彼は逃げられない。その縁は切れないから。
そしてまた、私達に決定的な弱みを見せる事にもなるわ。近親相姦をした、というね』
『でも…』
『何逡巡してんのよ。峰岸は気付かなかった?彼、私達とヤってる時、
倦怠に満ちた顔をしていたわ。嫌々ながら付き合ってる、そんな感じだった。
だから今日追い込んでおかないと、切られて終わるわ』
『セックスに夢中で、気付かなかったよ…。でも確かに、
その方法に依れば彼を拘束し続ける事ができるね。でも…いいのかな』
『躊躇ってる時間は無いわ。リミットは近い。すぐに決断しないと、
その扉が開いてこの策を使う事はできなくなる。彼を留める手段を行使する機会を、
永遠に失うの。いいの?彼に逃げられても、峰岸はいいの?』
『よくないっ。んー、よくよく考えてみると、みさちゃんと仲良くし始めたのも、
彼に接近する機会を確保する為だったしね。今も尚仲良くしてるのも、
彼の歓心を買う為よ。それに…私今までみさちゃんのお世話沢山々々見てきた。
だから、そろそろ恩返ししてもらってもいいよね。
でも、どうやるの?』
『それは私に任せて。峰岸は、私を援護してくれればいいわ。
まずは彼の身体の自由を奪うから。その後、日下部に畳み掛ける』
『分かったよ』
『あっ、そろそろタイムリミットね。あの扉、開けるわよ。
そしてこの部屋に彼を招き入れて、この関係に彼を閉じ込めるわよ』
「嘘だっ」
みさ兄はその想像に耐え切れず、絶叫していた。
それは勿論、彼の妄想に過ぎない。
だが、単なる絵空事とは思えない程に現実味のある空想だった。
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