【貴方なしでは】依存スレッド5【生きられない】 at EROPARO
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688:名無しさん@ピンキー
09/10/28 20:48:00 1YPOFZeR
私待ちます

689:名無しさん@ピンキー
09/10/28 20:56:07 QMb2AtA5
私も待ちます。

690:名無しさん@ピンキー
09/10/28 22:01:01 YRs2i5aA
わたし、ま〜つわ、いつまでも、ま〜つわ

691: ◆ou.3Y1vhqc
09/10/29 12:44:54 2NKtF9rC
20レスぐらい使ってしまうけど大丈夫かな…?


692:名無しさん@ピンキー
09/10/29 14:57:44 rOgGznb2
ばっちこい
足りなくなったら新しく立てればいいさ

693:名無しさん@ピンキー
09/10/29 16:26:06 IYdpLDtV
中身スカスカなら20レスでも容量は問題ないんじゃね?つか容量くらい自分で調べられるだろ
んなことよかダメ神父とRPGまだ?

694:春春夏秋冬 ◆ou.3Y1vhqc
09/10/29 17:03:00 2NKtF9rC
投下します

695:春春夏秋冬 ◆ou.3Y1vhqc
09/10/29 17:04:14 2NKtF9rC

昔からそうだった……誰かに頼りっぱなしで自分の意思を貫けない性格。

子供の時から常に自分のすることを春香に決めてもらっていた。
春香もそれが楽しくて幸せだと言っていたが、与えてもらっただけで俺は春香に何も返せていなかったんじゃないだろうか…?

俺がちゃんと春香の彼氏として役に立っていたのかなんて、今ではもう春香に聞くことすらできないが、成長できない俺を昔のように目の前に来て怒ってほしい―。
そう願うのは罪になるのだろうか?

最近は鈴村や美幸ちゃんが友達になって楽しい時間を過ごさせてもらっている。

その数少ない友達の美幸ちゃんを裏切ってしまった…。
助けを求めていたのに、差し出された美幸ちゃんの手を握る事ができなかった…。
自分の罪もロクに背負えないのに他人の人生に触れるなんて、できる訳がない。
そう決めつけて美幸ちゃんから逃げた。

春香のように他人の人生を自分の人生のように想える心が俺にもあれば…。

そう考えると後悔の波が津波となって押し寄せてきた。

後悔―春香の「死」で学んだはずなのに…。
やはり俺はあの日から何一つ変わっていない。


そう…三年前のあの日から―。

696:春春夏秋冬 ◆ou.3Y1vhqc
09/10/29 17:05:17 2NKtF9rC

―――
――
――



「そう…そんなことが…」

「あぁ…」
今俺は自宅のリビングで鈴村に美幸ちゃんの家でおきた事実をすべて話していた。
人に言ってもいいことなのか迷ったが、自分ではどうすればいいか分からず、鈴村なら信用できると思ったので相談することにした。

「…それであんなに泣いてたんだ?」

「ぐッ……うるせーよバカ…」
鈴村は真剣な表情で話しているがバカにされてる気がしてならない。

美幸ちゃん宅から帰ってきた俺は恥ずかしい事に高校三年生にもなって同級生にしがみついて大泣きしてしまった…。
それを笑いもせず真剣に俺の背中をさすってくれたのは鈴村が優しい性格だからだろう。

「夕凪くんが悪い訳じゃないよ、そんなこといきなり話されたら僕だって混乱するって。」

「そっか?でも…美幸ちゃんは……」
多分俺の事を軽蔑しただろう…おじさんに帰っても大丈夫だと言われたがあそこは美幸ちゃんの話を聞いてあげるべきだった…。

「美幸ちゃんか……まぁ、少しの間はギクシャクするかもしれないけど…でも、大丈夫だよ!美幸ちゃんが夕凪くんの事を嫌うわけないだろ?友達なんだから。」

697:春春夏秋冬 ◆ou.3Y1vhqc
09/10/29 17:06:03 2NKtF9rC

「友達だから許せないことだってあるだろ…」

「友達だから許せることだってあるでしょ?」

「…」
ああ言えばこう言う…と言いかけたがそれは俺のほうかもしれない…鈴村の言うように友達同士の些細な喧嘩をしたならゴメンですむ話しだろう…。

だけど美幸ちゃんのあの叫び声を直接聞いたのだ……美幸ちゃんに謝ってすむ話ではない事ぐらい安易に想像がつく。

「大丈夫だって、明日美幸ちゃんと話そうよ。
美幸ちゃんもわかってくれるはずだから。」
前のソファーから立ち上がり、テーブルを回り込んで俺の隣に腰を掛けると、俺の頭を両手で抱え込もうとした。

「な、なんだよ…?」
鈴村の意味の分からない行動に、鈴村の手が俺の首に回る寸前で避けて後ずさる。

「えっ?…あの…ハグしてあげようかと…」

「ハグ!?な、なんでそんなことされなきゃならないんだよ!」

「いや、落ち込んでたし…それにさっきしてたじゃん。」
鈴村が不思議そうに俺の顔を覗き込む。
冗談ではなく本気で抱き締めようとしていたらしい。

698:春春夏秋冬 ◆ou.3Y1vhqc
09/10/29 17:06:58 2NKtF9rC

鈴村が言う「さっき」と言うのは泣きながら鈴村にしがみついた時のことだろう…。あの時は恥ずかしさとか男同士だとか気にする余裕が無かったのだ。

単純に慰めてくれようとしてる鈴村には悪いが素面で男に抱き締められるなんて絶対にイヤだ…。

「い、いや、もう大丈夫だよ…それより風呂に入るわ。」
いろんな意味で疲れたから早く風呂に入って寝たい…。

「そう……わかった。それじゃ、お風呂入ろっか。」
なぜか残念そうにうなずく鈴村に少し危機感を覚えたが、あまり深く考えず風呂場へと向かうためにリビングを後にした―。






「……なぁ?」

「んっ?なぁに?」
俺の問いかけに鈴村が大きな目をぱちくりさせ、不思議そうに顔を傾げる。

「おまえが先に風呂入るのか…?」
俺は確かに鈴村に風呂に入ると発言したはずだ…なのになぜ鈴村は俺と同じように脱衣場にいるのだろうか…。

「えっ?一緒にお風呂入るんじゃないの?」

「……………は?」

今こいつなんて―

一緒に風呂に入る…?聞き間違いか…?
いや…鈴村はすでに上の服を脱いでいるので聞き間違いではないだろう…。

……だとすると冗談か。

699:春春夏秋冬 ◆ou.3Y1vhqc
09/10/29 17:07:48 2NKtF9rC

「は、はは…ハハハ、おも、面白いな、鈴村!おま、おまえでも冗談言うんだなぁ〜いやぁ〜ビッ、ビックリしたぁわ!」
鈴村の発言に思考が停止しているせいで、喉のどの部分から出たのか分からないような声が出てしまった。

「え………友達の家に泊まったことないから分からないけど、友達の家に泊まったら一緒にお風呂入るもんじゃない…の…?」
戸惑った表情で問いかけてくるが、鈴村以上に戸惑っている俺がいる。

確かに友達と一緒に風呂に入るぐらい普通のことだろう…。
別に男同士見られて困るような物はついていない。

だが、何か抵抗がある…別に野郎の裸なんて見ても問題ないのだが―


「いや、入るヤツもいると思うけど…まぁ、一人で入れ。先に入ってもいいぞ?」

「う、うん。」
そう言うと脱衣場に鈴村を残してリビングに戻った。



「……はぁ」
リビングにあるイスに雑に腰を掛ける。
それと同時に大きくため息を吐いた。

なんだろう…たまに一回り小さい人畜無害な鈴村に警戒心を抱く時がある。
別に一緒に居てて嫌な気分にはならないのだが、たまに鈴村が女に見える時がある…。
行動なり、仕草なり、そこらへんにいる女より女らしいかも知れない。

700:春春夏秋冬 ◆ou.3Y1vhqc
09/10/29 17:08:44 2NKtF9rC

だから鈴村に接する時、些細なことだが体に触れるのを躊躇するのかもしれない…。

「……気持ち悪いな俺…」
なに考えてるんだ…。相手は同級生の男だぞ?

こんなこと考えるから警戒心を持ってしまってるだけじゃないのか…?
本当は鈴村に警戒をしてるんじゃなくて俺が危ないのか?

「……なんかイライラしてきた。」

美幸ちゃんの事で悩んでる今、たかが同級生の事で悩んでる自分にイライラしてきた。
しかも自分だけ…鈴村は普通に接してるのに俺だけがパニックになっている…その事でどうしようもなく腹がたってきた。

「くっ、くっ、くっ……俺だけパニクるなんて許せん…」
確か脱衣場にバスタオルは一枚も無かったはず…。
畳んであるバスタオルを一枚鷲掴みにすると脱衣場へと歩きだす。

「ふふふ…鈴村のパンツを隠してやる…」
鈴村が風呂に入ってる時脱衣場はもぬけの殻、パンツを洗濯機に放り込んでしまえば明日までノーパンだ。
バレてもバスタオルを持って来たと言う口実でなんとか誤魔化そう。

小学校以来のイタズラ心に火がついた俺を止める者は誰もいないのだ。

「…」
脱衣場の扉に耳をつける。音はまったくしない…湯船に浸かっているようだ。

701:春春夏秋冬 ◆ou.3Y1vhqc
09/10/29 17:09:50 2NKtF9rC

「…」
男の入浴は決して長くはないはず。
早くしないとタイムリミットが来てしまう。

「よし…行くか…」
恐る恐る脱衣場の扉を開けて中へと侵入する…。








―「えっ?なん……夕凪…く…」




「……?」
あれ…なんでコイツまだ脱衣場にいるんだ…?
それに真っ裸だかで…あぁ、風呂に入るんだから裸で当たり前なのか…………あれ?




「う、うあ、うぁあッ…ッ」
見る見るうちに鈴村の顔がゆでダコの如く真っ赤になっていく。




「あうあッぁぁうぁぁッ!!?なッ、なんでぇ!?なんで夕凪くん入ってくるのぉ!!?」
固まっていた鈴村が我に返り、慌てたよう体を手で隠してその場に座りこんでしまった。

泣きそうにキョロキョロと周りを見渡し、身体を隠すような物を一生懸命探している。

「わ、悪いッ!バッ、バスタオルなかったからっ!!こ、これ!」
鈴村の行動を眺めていた俺も、重大なミスを犯した事に気がつき慌てて鈴村にバスタオルを手渡して脱衣場から抜け出した。

「はぁ、はぁ、はぁ、……最悪だ。」
これではただの変態だ……。
鈴村が出てきたらなんとか弁解しなければ。


「ま、まぁ、なんとかなるか…」

702:春春夏秋冬 ◆ou.3Y1vhqc
09/10/29 17:21:16 2NKtF9rC

考えててもしょうがない…。それに1つ安心したことがある。

「ちゃんとついてたんだな……。」
そう、ハッキリと見てしまった…。
中性的な容姿をしているので少し不安だったのだが、鈴村の一部分を見ることで完全に男だと認識することができた。
これからは鈴村に対して躊躇なく…容赦なく接することができる。





「それにしてもアイツ毛が………んっ?」
テーブルに置いてある携帯が光っている。
誰かからメールが来たみたいだ。




「……親父?」
携帯の画面には小さく一文字で「父」と書かれている。
メールかと思ったが着信のようだ。父から電話なんて珍しい…。
此方から折り返し電話するのもめんどくさいので、メールすることにした。

「これで……よしっと。」
『電話した?』とだけ書いてメールを送る。
父から電話が掛かってくる時は日本に帰って来るか俺の誕生日の時ぐらいだ。
俺の誕生日はもう過ぎているので多分日本に帰ってくるのだろう。

5分もしないうちに父からメールが返ってきた。

『明日家に帰る。』とだけ書かれている。
素っ気ない文だがいつもの事なので気にしない。

素っ気ない文に対してこちらも素っ気ない文で返す。

703:春春夏秋冬 ◆ou.3Y1vhqc
09/10/29 17:22:36 2NKtF9rC

『わかった。』

メールを送り返すと今度は携帯をテーブルに置かず自分のポケットに放り込んだ。


「ふぅ……鈴村に着替え貸してやらなきゃな…。」
鈴村は家に帰らずそのまま俺の家に来たので着替えを家から持ってきていないのだ。
俺の服では大きいと思うが我慢してもらうしかない。

二階に上がり、私室のタンスからスウェットとTシャツ、を取り出してもう一度一階へと駆け降りる。
自分の下着を持っていこうか悩んだが、新しい下着がないので鈴村には我慢してもらうことにした。

「…」
脱衣場の前にたどり着くと、中からシャワーの音が聞こえてきた。鈴村が風呂に入ってる証拠だ。
もうあんなヘマはしない…もう一度同じことを繰り返すと鈴村の中で俺は確実に変態扱いされてしまうだろう。
軽くノックをして少しだけ扉を開ける。案の定脱衣場には誰もおらず、風呂場の扉には鈴村のシルエットが写っている。


「……鈴村ー?寝間着ここに置いとくからなぁ〜?」
持ってきた服をかごへ放り込むと、鈴村の返答を聞かず脱衣場から離れ、二階の私室へと向かった。

704:春春夏秋冬 ◆ou.3Y1vhqc
09/10/29 17:23:39 2NKtF9rC

「……風呂入るの明日でいいや…」
部屋に入り、一人ベッドに寝転がると、ポケットから携帯を取り出して無意味に携帯をいじる。

―何もすることが無い……少し前なら当たり前だったのに。

最近は何もすることが無いという状況を異常に感じてしまう自分がいる。
だから今日、鈴村と美幸ちゃんを家に招いたのかも知れない。
恥ずかしい話、人恋しくなるのだ。
皆とよく遊ぶ様になってからより一層その気持ちが強くなったのかも知れない。



「はぁ……どうするかなぁ…」
鈴村と話す事で紛らわせていた気持ちがまた溢れ返ってきた。

脳裏に美幸ちゃんの笑顔と泣き顔が何度も交互に浮かんでは消える…。

鈴村は話せば大丈夫と言っていたが―



「……めんどくさい…」
考えるのを諦めたように目を閉じる…しかし美幸ちゃんの事が頭から離れない。

あの時どうすればよかったんだろう……美幸ちゃんの話を聞いてなんて言うんだ?
所詮他人事…俺がどうこう言える問題では無いと思う。

でもあの時俺が手を差し伸べていたら……。

頭の中でいろいろと考えてるうちに、能が考えることに疲れてしまったのだろう…仰向けのまま泥のように深い眠りについてしまった。

705:春春夏秋冬 ◆ou.3Y1vhqc
09/10/29 17:25:17 2NKtF9rC

   ◇   ◇   ◆   ◆   ◆   ◇   ◇   ◇

「はぁ……どうしよう…」
先程起きた事故を、ぼーっとする頭で整理する。
バスタオルを持ってきた夕凪くんに僕の裸を見られた…多分全部。
その後発狂した僕に一言謝ってバスタオルを渡してすぐに脱衣場から出ていった。

「……なにも可笑しなことないじゃないか…第一男同士なんだ。は、裸の一つや二つ…」
夕凪くんが持ってきたタオルで濡れてる体を水分が無くなるまで拭き取る。
ふと目線を下に向けるとカゴの中にはスウェットとシャツが入っていた。

お風呂に入る前にはなかった。だとすると夕凪くんが持ってきてくれたのだろう。

何も言わず置いていってくれたのは夕凪くんの優しさなのか…ただ僕が聞こえなかっただけなのか。

「どうでもいいけど……大きいなぁ…」
シャツを両手で広げて大きさを確認する。夕凪くんの服なのだろう…僕が着ればブカブカに違いない。

この様子だとズボンも…。



「まぁ…着れたらなんでもいっか。」
案の定ズボンもブカブカだった。



―服を着た後、脱衣場から廊下に出た僕は、夕凪くんにお風呂を出たことを報告する為にリビングへと向かった。

706:春春夏秋冬 ◆ou.3Y1vhqc
09/10/29 17:27:07 2NKtF9rC


―「……あれ?」

リビング前まで来たのだが、すでにリビングの明かりは消えており、リビングの中からは人の気配は感じとれなかった。
だとすると多分、夕凪くんは自分の部屋に先に戻っているのだろう。
そう予想した僕は、リビングの扉を開けず、夕凪くんの部屋に向かう為に階段を上がることにした。

音がしないようにゆっくりと階段を上がり、夕凪くんの部屋の前に到着すると、礼儀として軽く扉をノックする。

「お〜い、夕凪く〜ん?」

…返事はナシ。

扉の隙間から光が漏れているので中にいるはずなんだけど…。

もう一度。今度は若干強くノックをする。
しかし、部屋の中から返事が返ってくることは無い。


「……夕凪くん、入るよ?」
仕方なく扉を開けて、そ〜っと中を確認する。




「……夕凪くん?」
部屋の中を顔だけ入れて確認すると、ベッドにうつ伏せで倒れ込んでる夕凪くんが視界に入った。

恐る恐るベッドに近づき夕凪くんの顔を覗き込む…。
大きく口を開けて、携帯を握り締めたまま気持ち良さそうに爆睡しているようだ。

707:春春夏秋冬 ◆ou.3Y1vhqc
09/10/29 17:28:14 2NKtF9rC

「ったく、夕凪くんは…」
夕凪くんの顔を見ていると、呆れて自然とため息が出てしまう…。

友達が遊びに来てるのに先に寝るとは……と少し思ったが、美幸ちゃんの事で精神的に疲れたのだろう。
無理に起こすのは止めておこう。




「…ふぁ〜あッ…………なんか…僕も眠たくなってきたな……」
小さく欠伸をすると、ポケットから出ているストラップを雑に掴み、携帯を取り出し時間を確認する。

11時40分。
もうすぐ日付が変わってしまう…。
こんな遅くまで起きてたのは初めてかも知れない。友達の家にお泊まりという事実にテンションが上がってたからあまり眠気を感じなかったが、夕凪くんが寝た今、いきなり眠気が襲ってきた。

「てゆうか……僕はどこに寝ればいいんだよ…。」
周りを軽く見渡すが僕が寝る布団は何処にも敷かれていない…。
床はフローリング―こんな所で寝たら体が痛くて眠ることなんてできるはずがない。




―「……まぁ…仕方ないよね……うん……仕方ない…」
5分ほど考えた結果、ある行動に移す事にした。
仕方ないと自分に言い聞かせて、なるべく音をださず、電気を消して夕凪くんに近づく。




「おやすみ……夕凪くん。」

708:春春夏秋冬 ◆ou.3Y1vhqc
09/10/29 17:29:00 2NKtF9rC

   ◇   ◇   ◆   ◆   ◆   ◇   ◇   ◇





「ふぅ〜……まだ、夜は寒いわねぇ………」
肌寒い風が薄い服の隙間をすり抜けていく。周りの家の明かりは既に消えており、歩いてる人は愚か、虫の鳴き声すら聞こえない…。
辺り一面には闇が広がり、一歩前へでると一瞬で飲み込まれそうだ。

「なにか羽織るもの持ってこようかな…」
後ろを振り返り自宅を眺める。
勿論他の家同様、我が家も静寂に包まれている。




―皆が寝静まった深夜の一時…私は今、自宅前の道に一人立っていた。
別に誰かを待っている訳では無い……今から隣にあるハルの家へと向かうのだ。

夜遅く、自宅を後にする私を娘達が見たら疑問に思うはず…。
なので娘達が眠りについた後、誰にも気づかれないように家を後にする…1ヶ月ほど前から繰り返しているが娘達は多分気づいていないだろう……無論ハルも。

「…もういいわ…それよりも早くしなきゃ…」
カーディガンを持ってこようか考えたが、一々娘達を起こすような行動に出ることは無い……。
我が家から目を離すとすぐさま踵を返し、ハルの家の玄関へと早々に足を運ばせた―。


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