【貴方なしでは】依存 ..
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293:wkz ◆5bXzwvtu.E
09/08/27 22:05:00 nCcOMd7x
「杜守さん、杜守さんっ。……杜守さんのこと、絶対絶対、裏
切らないです。……杜守さんの言いつけは、なんでも……云う
こと、きき……聞きます……」

 荒い呼吸と弛緩のせいで、口を閉じておくことも出来ない。
 油断するとわなわな震える唇から舌がこぼれて、透明な唾液
と共に、胸の谷間へと落ちてゆきそうになる。

「ぎゅっとして……欲しい……。撫で撫で、して……欲しぃ。
……かまって、キスをして……抱きしめて……突き刺して……。
頭の中がぁ……うぅ。真っ白になって……杜守さんの……熱ぅ
い……あぅ。その、うううぅっ。…………精液で……お腹の中
を一杯にして欲しい……ですけど」

 自分のえっちな妄想を、恥ずかしい言葉で告白する。
 もうわたしの脳はどこもかしこもスパークしていて。
 シャツが肌を擦る度に、ゆるゆると杜守さんに擦りつけてい
る下着の中でクリトリスがひしゃげる度に、まるで自白剤を打
たれたみたいにいやらしい懇願の言葉が紡がれる。

「眞埜は、良い子……なので……ちゃんと、あおずけっ……ん
くぅ……できますっ」

 杜守さんっ。杜守さんぅっ!!
 頭の中は、その名前だけで一杯になる。
 キスしたい。杜守さんの身体のどこでも良い。唇を付けて、
ぺろぺろして、全身で抱きついて、何もかも判らなくなるくら
いほおずりしたい。でも、その狂おしい欲望を押さえつけて
「良い子」であることを証明しなければならない。

「お預け……も……我慢も……、良い子……にするぅ。……し
ます、から……甘えて、ください……」

「眞埜さん……」
「甘えて……杜守……さ……」
 甘えて欲しい。油断して欲しい。
 入れて欲しい。
 杜守さんの「内側」へ。
 そうしてくれるなら、わたしなんてどうなってもかまわない。
杜守さんの居ないこの部屋で一ヶ月放っておかれても、杜守さ
んが甘えてくれるなら、かまわない。

「うぅ。うー。……か、か、飼い主様ぁ」
 自分の死刑執行書類にサインをするような気持ちで、心の中
で呼びかけていた秘密の呼び名を杜守さんに告げる。

294:wkz ◆5bXzwvtu.E
09/08/27 22:07:54 nCcOMd7x
 不意に強い力で引かれる。
 杜守さんの腕の中というよりは胸の中に。息苦しいほどに抱
きしめられて、頭がくらくらする。杜守さんだ! すごいっ。
杜守さんなのだ! 頭の中は、幼児退行しちゃったようにそん
なバカみたいな言葉がリフレインしていて、わたしはもがくの
も忘れて、自分からもしがみついてしまう。

「埜間さん、可愛いすぎ」
 ぼそりとした声と共に、わたしはがばっと抱き上げられる。
いつの間にか体勢はお姫様だっこだった。女子憧れのこの姿勢
だけど、杜守さんの方にはいっこうにそんな情緒はなくて、怪
獣のような足音を立てて居間を横切る。

「ひゃんっ!?」
 杜守さんは、自室のドアも半ば蹴飛ばすように開けて布団の
上にわたしを放り出す。厚い羽毛布団の中に埋もれるように沈
んでしまうわたし。
 杜守さんはそんなわたしに覆い被さって、「脱がしちゃうか
らね」と告げる。わたしはこくこくと頷く。ちょっぴり杜守さ
んが怖かったのは本当だけれど(何しろ杜守さんはえっちの時
になると、相当いじめっ子になるのは前回身にしみている)、
良い子になると宣言してしまった直後のタイミングでNOなん
て云えるわけがない。

「甘えても良いんだよね?」
 杜守さんの言葉に、わたしははっきりと頷く。杜守さんは…
…えっちの最中は、意地悪なドSなので、甘えさせてあげたら
どんな要求をされてしまうか判らない。でも、わたしはわたし
の全部を杜守さんにあげるって決めてしまった。
 身体も心も捧げて、そして、ちょっとだけでも杜守さんの何
かを購うと決めたから、恥ずかしいけれど、ちょっぴり怖いけ
れど、躊躇いはない。

「……うん」
 杜守さんはちょっと視線をそらして、照れたような表情で、
わたしのドレスシャツを脱がせる。もうずれきってしまったブ
ラジャーからも肩を抜き、マーメイドラインのデニムスカート
を脱げば、わたしに残されたのは、シンプルなショーツ一枚だ。

295:wkz ◆5bXzwvtu.E
09/08/27 22:08:34 nCcOMd7x
「隠しちゃ、ダメ」
 うううう。杜守さんはいじめっ子だ。
 わたしの自慢できるほどのサイズはない、かといって貧乳で
もないという、なんだか一番どうでも良い「標準から云えば、
ちょっと小さめ?」くらいの胸を杜守さんは蛍光灯の明かりの
中にさらけ出す。
 冷房のきいた空気の中で、乳首がかちかちに期待しちゃって
熱を持ち、とくとくと鼓動しているのが自分でも判る。暑くて
暑くて目眩がしそうだけれど、これはわたしの身体の温度。

 杜守さんは小さく微笑うと「両手は耳の横、小さな万歳で、
シーツも握っちゃダメ。……掌はゆるーく開いてね」なんて云
う。わたしは何でそんなことを云うのか判らないまま、仰向け
に横たわり杜守さんにすべてを晒してしまう。

 始めに感じたのは呼吸。怖くて目をぎゅっとつぶっていたわ
たしは、杜守さんの頭部がすぐそばにあったのも判らないくら
い錯乱していた。
 肩にキス。くすぐったい感触が、ぞくぞくした強いスリルに
変わる。首筋に熱い息がかかると、まるで痙攣するみたいにわ
たしの下肢に力が入ってしまうけれど、その直後のキスで魂ご
と緊張が吸い出されれてゆく。
 鎖骨を舐められるのは、自分でも訳がわからないほど扇情的
な感覚で、さして経験も深くないわたしはそれだけでも妄想が
止まらないほどえっちな気分になる。

 杜守さんの唇が続いて降りてゆくのは、わたしの胸。
 来たるべき衝撃に備えてわたしはぎゅっと目をつぶる。荒い
呼吸。とどろく鼓動。わたしの身体はいつからこんなにけたた
ましくなってしまったんだろう。100m走をしたかのような呼
気。わたしがこんなにはぁはぁしていて、杜守さんに嫌割れた
りしたらどうしようとか、そんなネガティブな思考だけがぐる
ぐるしてしまう。

 ……数瞬。刺激が来ないことをいぶかしく思ったわたしが、
そぉっと目を開くと、意地の悪い微笑でわたしを覗き込む杜守
さんと視線が合う。杜守さんがにこっとした瞬間、その指先が、
完全に無防備なわたしの脇腹をさぁっと撫でた。
 くすぐったいのと気持ち良いのの混ぜこぜになった感覚! 
「ひゃうっ」なんて声を我慢できずにもらすわたしを顔を、杜
守さんはじっくりと眺めながらおもむろにわたしの胸に唇を付
ける。

296:wkz ◆5bXzwvtu.E
09/08/27 22:09:00 nCcOMd7x
 ごめんなさい、ごめんなさい。
 えっちな胸でごめんなさい。
 何でわたしはこんなになるまで胸を放置しちゃってたんだろ
う。頭の中が後悔で一杯になるほど、わたしの胸は我が儘で。
もはや持ち主であるわたしよりも、ずっと杜守さんに懐いてし
まっている。
 だって、杜守さんがキスをするたびに、膨らみの奥がじくじ
くするほど疼いて、柔らかい舌先が乳首を捕らえると、花火が
上がったような気持ちよさが爆ぜるのだ。
 ううう。むねが、杜守さんのモノに作り替えられちゃう。
 身体が杜守さんのモノになっちゃう。

「だーめ」
「ひゃぅ?」
 もはやまともな志向も出来ないようなわたしに、杜守さんが
言い聞かせるように言葉を続ける。
「手のひらをぎゅぅって握っちゃ、ダメ。さっきお願いしたで
しょ?」
 ―そういえば、言われた気がする。わたしは羊毛がぎっし
り詰まったような脳内でそう考えて、腕の力を抜く。……あれ、
手のひらをゆるめると、身体の力も抜けちゃうんだ。
 杜守さんは褒めてくれるように頷くと、わたしを見つめなが
ら充血して熱を持ったわたしの胸に、ふるんと揺れを送り込ん
でくる。その甘い爆発で、わたしはの身体にはぎゅぅっと力が
入り、再び手のひらも握ってしまう。

「だーめ」
 ううう。そんなこと云われたって……。

「これは『おねだり』。眞埜さんが、ゆるゆるになって我慢で
きなくなっちゃうところ、見せて?」
 悪魔だ。地獄の変態ドSだ。わたしは、おずおずと身体の力
を抜く。杜守さんはにこにこすると、軽いキスをわたしの胸に
まんべんなく振らせる。



297:wkz ◆5bXzwvtu.E
09/08/27 22:09:31 nCcOMd7x
 気持ちいい。とろけちゃう。
 杜守さんに食べられちゃう。おかしくなっちゃう。
 胸の先っぽがじんじんする、腰の奥から止めどないほどあふ
れて来ちゃう。

 身体中の気持ちよい場所を、杜守さんに発見される。発見さ
れただけじゃなくて、撫でられて、つままれて、キスされて、
唾液でぬるぬるにされて……。ううう、想像しただけで頭が煮
えちゃうようなえっちな方法で、ほじくられて、かき回されて、
どろどろの中毒患者にされてしまう。

 新しい刺激を受けるたびにわたしの身体は防御しようとする
ように緊張にこわばる。杜守さんはそのたびに愛撫を中断して、
わたしが身体の力を抜いて杜守さんに従順になるまで、待って
てくれる。―うわ、わたしはいま「待っててくれる」なんて
考えた!! 嘘、嘘だぁ! 待っててくれるんじゃなくて、絶
対絶対調教されてるだけなのですよ。
 それを「待っててくれる」なんて、わたしはもう杜守さんに
完全にめろめろなんだ。頭の中まで、しつけられちゃっている。

「だいじょぶ? 眞埜さん?」
 杜守さんが、何か言ってる。
 わたしは杜守さんの言葉に集中して、何とか頷く。

「まだブレーキ踏めるけど、この辺にしておく?」
 ああ、そうなんだよなぁ。わたしは不意に突き上げてくる愛
おしさで、はっきりと首を振る。違和感の正体は、これだった
のだ。
 杜守さんは、セキュリティが厳しい。優しいけれど、どこか
に一線を引いた距離感を保てる人。ちゃんとした、大人の人。

 でも、だから臆病でないなんて誰が決めたんだろう。
 大人は臆病じゃないなんて、いつから信じ込んでしまってい
たんだろう。

「……ダメで……す」
 杜守さんがあまりにも何でも出来るから、わたしに優しくし
てくれるから、杜守さんには弱点なんて一個もないとわたしは
思い込んでいたけれど、そんなことはありえなくて。

 何でも出来る杜守さんは。優しくて大人の杜守さんは。
 甘えることが、とても下手なのだ。

「わたしは……杜守さんのモノなの、で……。杜守さんの、ど
んな『おねだり』……も……良い子に……できま、す」
 杜守さんの身体の中で、ざわりと動く気配がわたしにも判っ
た。大丈夫、わたしは、杜守さんだけのもの。そうなれる。
 杜守さんが居ないと惨めなダメ女子のわたしは、杜守さんが
居なくなったら消えてしまう。

298:wkz ◆5bXzwvtu.E
09/08/27 22:13:39 nCcOMd7x
「くふぅ……ひゃぅ」
「ううう、恥ずかしいです……そ、そこは……」
「はぅん。……いじめっこ、いじめっこ。……うー。ごめんな
さい」

 身体をゆるめるのって、すごいのです。
 もう、完全に無防備。気持ちよいことをされても、何の抵抗
も出来ない。触られる場所がどこであっても、杜守さんに食べ
てもらうためだけに存在する性感帯になってしまっているのだ。

 そのくせどんな場所を触られても決定的な刺激にならず、思
考がどろどろ発酵していくようないやらしい気持ちよさと、赤
ちゃん扱いされて幸福感と羞恥心とで癖を付けられてしまうよ
うな甘ぁい甘ぁい恐怖感が、交互に、時には混じり合って襲っ
てくる。

 波打ち際に放置されたみたいに、その快楽の波は定期的には
高まって、わたしをさらっていって、その度に理性はどんどん
蒸発して、わたしは杜守さんの事しか考えられなくなってゆく。

 いつの間にかショーツも脱がされていて、杜守さんは太もも
までぬらしてしまったあそこを、くりくりと可愛がってくれて
る。そのぱちぱちと弾けるような快楽は、いつものわたしだっ
たら全身をぎゅっと丸めて麻痺しているところだけれど、身体
中の筋力が抜けきってしまったわたしはもはやそんなことも出
来ない。ただひたすらに気持ちよくて、身も心も甘やかされきっ
て弛緩している。

 かき回して欲しいというヒリつくような欲情とは別の、……
そのぅ、恥ずかしい……おしっこを我慢してるような感覚が湧
きあがって来る。でも、それは不快な事だとも思えない。
 居ても立っても居られないような、どこかにしがみついて思
いっきり擦りつけたいような狂おしさが定期的に、じわーっと
せり上がってくる。その波が来るたびに、力が抜けきった下肢
はけだるく弛緩して、いやらしくうねっておねだりの姿を見せ
てしまう。

 多分、わたしはさっきから何度もイっちゃっている。
 でもそれは経験したことがある絶頂とは似ても似つかなくて、
甘やかにゆるゆると登っていって、とろりとしたミルクのお漏
らしをしてしまうような気持ちよさ。脳内がどろりと濁って思
考が出来なくなる。

299:wkz ◆5bXzwvtu.E
09/08/27 22:14:12 nCcOMd7x
「あぁ〜。うぅぅ……ぎゅぅ、したい」
 だから杜守さんがのしかかり、入ってきた時もきついとか痛
いということが全くなかった。あまりにも滑らかにぬるんと入っ
てきてしまったので、わたしは恥ずかしくてまた感度が1オク
ターブ上がってしまう。
 全身の筋肉を断ち切られたかのように全く力が入らないのだ。

 わたしの身体はだらしなく開ききって、無防備に杜守さんを
迎え入れてしまっている。杜守さんを気持ちよくしてあげたい
けれど、わたしの口からは甘いうめき声しか漏れてこない。
 杜守さんに入れてもらってるあそこだけじゃなくて、全身が
気持ちよかった。こすれている胸先も、揺する腰も、はしたな
く広げてしまった脚の関節さえもが気持ちよい。きっと脳が幸
せでやられてしまって、わたしは杜守さんのすることをただた
だ嬉しく感じることしか出来ないのだろう。

「いいよ。ぎゅってして」
 それは激しい交わりと云うよりも、身体を深く重ねて抱き合っ
ているだけの行為で。杜守さんを一番深くまで受け入れたわた
しはただじっとしているだけだったけれど、それでも波にもま
れる小舟のように甘い疼きに翻弄されてしまう。
 長いじれったい愛撫と度重なる弛緩と緊張で、幸福に蕩けきっ
た身体は杜守さんの脈動だけで天国の欠片を全身に浴びてしま
う。抱きしめたいけれど、ぎゅぅってしがみつきたいのだけれ
ど、腰にも腕にも力が入らない。まるで全身のゴムが伸びきっ
て役立たずになってしまったように力が入らない。
 わたしは、杜守さんの背中に回した手を、子供のような力で
這わせる。

「もう、だめ? ……つらい?」
 杜守さんの笑いを含んだ声。わたしがどんなに蕩け切っちゃ
って、クセになってしまっているか判っているのにそんなこと
を訊ねてくるのだ。

 ……いいのだ。
 杜守さんがそのつもりなら、わたしにだって考えがある。


300:wkz ◆5bXzwvtu.E
09/08/27 22:16:33 nCcOMd7x
 杜守さんの永遠の味方。
 杜守さんがどんなに甘えても、格好悪くても、失敗をしても、
きっとわたしよりずーっとすごい。杜守さんが居なければ情緒
を保てないくらい、杜守さんにメロメロなわたしは、絶対に杜
守さんを裏切らない。

 好きだな。
 わたし、杜守さんの事、大好き。

「良い子、します……だからぁ……」
 わたしはもぞもぞと動くと姿勢を直して、仰向けに寝転んだ
まま、二つの手を両耳の脇に上げる。それは喉もお腹も見せて
しまう、絶対従順の降伏の姿勢。
 軽く握って力を抜いた赤ちゃんのような手のひらをふにふに
させながら、太ももさえもじわじわ開いて、女の子の弱点とい
う弱点を全部杜守さんにゆだねる。

「して? ……杜守さん以外……じゃ……ダメになるように…
…して?」
 ううう。恥ずかしさと甘ったるい快楽で、言葉がもつれる。
 今のわたしはどうしようもない恥ずかしい女の子だ。
 唇からも太ももの間からもだらしない蜜をこぼして、全面降
伏の姿で、杜守さんの発情を誘っている。杜守さんに甘えて欲
しくて、とても他人には見せられない、媚びた姿を晒している。

「ちゃっと、力を抜いて……」
 杜守さんののど仏が動く。
「言いつけに……した……がいますから……いいこいいこって
……シテ……ください……」

 杜守さんが降りてきて、ぎゅぅっと抱きしめてくれて。可愛
いよ、って云ってくれた。ううう、それだけでお腹の底が、ひ
くひくしてる。あそこの内側からきゅぅっと蜜を絞り出すよう
な、じれったくて待ちわびるような疼きの恥ずかしさって、男
の人には絶対判らないんだろうな、なんて思うのだけれど。
 杜守さんの言葉がいつもみたいに余裕たっぷりのいじめっ子
と言うよりは、少し照れくさそうだったので、わたしは全てを
許したくなってしまった。


301:wkz ◆5bXzwvtu.E
09/08/27 22:17:40 nCcOMd7x
ごめんなさい
299と300、逆でしたっ。以下続行。

302:wkz ◆5bXzwvtu.E
09/08/27 22:19:22 nCcOMd7x
「飼い主様ぁ」
 わたしはほてった顔で出来る限り無邪気そうに微笑みながら、
自分でもやり過ぎだと思うほどの甘い声で杜守さんに呼びかけ
る。
 ぎくり、と杜守さんの身体に力が入るのが判る。わたしの中
に埋め込まれた杜守さんがびくんと跳ねるのだって、わたしに
は判ってしまう。
 内心では照れくさくて恥ずかしくてパニックになりかけてい
るわたしだけど、そんなことは押さえつける。ううん、押さえ
つけるまでもなく、いまのわたしは「えっちな娘」になってし
まっているのだ。普段のわたしなら出来ないけれど、こんなに
ピンク色にのぼせ上がった状態なら、こんなことだって出来て
しまう。

「飼い主様ぁ」
 甘えるように、懐くように微笑みながら、頬のすぐ横にある
杜守さんの腕にうっとりと頬を擦りつける。杜守さんのものが
、またひくりと大きくなる。
 さっき居間の時も、この呼びかけで杜守さんが動揺しちゃっ
たのは忘れたりしないのだ。杜守さんが意地悪するなら、わた
しだって少しくらいお返しをする権利があるはずだ。
 それは……多分自分自身の変態を認めちゃう、自爆テロに近
い攻撃だけど。杜守さんに甘えるのが気持ち良いって癖を付け
られちゃってるんだから、こんな呼びかけしてわたしの方だっ
て無事に済むはずがない。甘えるような声を立てれば立てるほ
ど、わたしのあそこはくちゅくちゅと噛みしめて、どんどんわ
たしも登っていくのが判る。
 それでも杜守さんが動揺して、動揺以上にわたしの甘い声に
反応しているのは、わたしのなかにざわざわした優越感とうっ
とりするほどの幸福感を呼び覚ます。

「飼い主様ぁ……して?」
 腰を揺する。わたしは飽和しそうな心地よさだけでどんどん
とえっちになってゆく。腰を揺する度に深く埋め込まれたもの
が粘膜の中で微妙に動いて、甘痒い刺激で脳が蕩けそうになる。
発情して、杜守さんしか考えられなくなって、わたしは微笑む。


303:wkz ◆5bXzwvtu.E
09/08/27 22:20:07 nCcOMd7x
 ずるい。
 ずるい。
 飼い主様にこんなに幸せにされたら、甘い声も、えっちな微
笑みも止められるはずがない。わたしはくぅんくぅんと仔犬の
ような鼻声をだしながら、潤んだ必死の視線でおねだりをする。

 ぎゅむん、ねじりこまれるような、奥まった内蔵をすりつぶ
されるような衝撃。わたしはお腹の底から呼吸をしぼりだされ
る。音も熱もない乳は苦笑のまぶしさだけが脳裏を占める。後
頭部が痺れるほどの快美感。

「眞埜さん、そうゆーのは、反則っ」
 もう一つ。
 さらに一つ。
 杜守さんが奥まで突き刺して、ぐちゅぐちゅにかき回して、
ほおばりきったわたしの甘痒い所も、ヒリついたところも満遍
なく擦り立ててくれる。わたしの口からは、断続的な啼き声と、
飼い主様、飼い主様というかすれた呼びかけが途切れることな
く続く。

「うー。判った。……するから。眞埜さんが欲しいから。うう
ぅっ。ずるいなぁっ」
 何度も何度も疲れて、その度に沸騰しそうな背骨を、甘美な
電流が走り抜ける。だらしなく舌をこぼした唇がわなわな震え
て、飼い主様に気持ちよくなってもらって褒めてもらうことし
か考えられなくなる。

「飼い主様。飼い主様ぁっ……。ぎゅ、して……甘えて……好
き、大好きっ……いいこするからぁ……。もっと、熱いっ……
あんっ。くださ……奥ぅ……シて、んぅっ!……欲し……」
 飼い主様はわたしを痛いほどの力で抱きしめてくれた。一分
の隙間もないほどみっちりと詰まったわたしの内側を、飼い主
様の熱い固まりが充たしている。奥に擦りつけられるような動
き。
 それだけで何度も何度も登り詰めて、わたしは幸福感で真っ
白に塗りつぶされてしまう。

 抱きしめられる。
 繋がって、弾けて、甘く充たされる。
 さざ波のように繰り返す痙攣の中で、蕩けきった心は杜守さ
んと同じ桃源郷に行って戻ってこれなくなってしまう。

304:wkz ◆5bXzwvtu.E
09/08/27 22:21:33 nCcOMd7x
「ぅぁ……」
 わたしは布団の中で身もだえする。目下タオルケットを巻き
付けた体勢で、茹だりきっているのだ。
 もちろんわたしを背中から抱きしめているのは杜守さん。
 あれからもう一度抱かれてしまって、多分真夜中をすでに回っ
てしまっている。

 ううう。いくら何でも今回のはやりすぎだ。前回の発情えっ
ちも変態でえろえろんでやりすぎではあったけれど、それにし
たって今回ほどじゃなかったように思う。
 ううう。自分が杜守さんに言ってしまったこと、やってしまっ
たことを思い出して身もだえする。変態というか、これは世間
で言うところの……ち、痴女に当たるのではないだろうか。そ
りゃ、多少は自覚があるけど。わたしは妄想癖もあるしきっと
えっちくさいダメ女子なのだ。

「ぅぅー」
 さらにそのうえ度し難いのは、こんなに身もだえするほど恥
ずかしいのに、実はあんまり困った気分になれていないのだ。
理性の方は、大きな問題を感じている。いくらなんでもこんな
えっち娘では愛想を尽かされてしまうと思ってる。でも。心の
方は勝手に幸福感をかんじとっていて、わたしがこんなに困っ
ているというのに、頬が緩んで笑みが浮かぶのを止められない。
 心さん、もうちょっと協力的になってください。同じわたし
なんですから。これじゃ泣きそうです。もうわたしは再起不能
かも知れません。

 それにやっぱり、杜守さんは意地悪のドSいじめっ子だ。あ
んなゆるゆるえっちを教えられたら、抵抗出来ない。身体も心
も際限なく甘えん坊になって、杜守さんと一緒のベッドに入る
だけで、どんな「おねだり」にも無条件降伏したい気分になっ
てしまう。強制的に懐かされているというか、こうして抱きし
められていても、指先が勝手に杜守さんの身体を探検しそうに
なったり、脚を絡めたくなったりして大変なのだ。

 一緒に眠る安心感と浄福の幸せを知ってしまったわたしは、
これからロフトで1人で寝るのが寂しくなりそうな気もする。
でも、それもしかたない。1人でいなければならない時は「良
い子でお留守番」すると約束したのだ。おそらく仕事場でも頼
られている杜守さんへの、それは出来る限りの協力。

305:wkz ◆5bXzwvtu.E
09/08/27 22:22:02 nCcOMd7x
―1人で何でも出来ちゃうと、頼るのも甘えるのも忘れてし
まうから。
―どんどん無駄をそぎ落として、シンプルになっていける。
けれど、余計な部品を取り外していくと、動機も優しくしたい
気持ちも取り外してしまうんだよ。幸せかどうか考える部品も、
外しちゃうんだ。

 身体を重ねたあと、杜守さんは小さい声でそんなことを教え
てくれた。その言葉の意味はわたしにはちょっと難しかった。
完全に理解しきれないし、わたしは杜守さんにはなれないから、
実感は永遠に出来ないのかも知れない。
 けれど、良く判らないなりに、杜守さんも、つまり「何でも
要領よく出来てしまう人」というのも、それなりの苦しみや辛
さがあるんだろうなって思えたのだ。
 杜守さんの言葉は、だから杜守さんなりの意味合いで「眞埜
が欲しい」と言われたような……。ううん、そんなことを考え
ただけで恐れ多いという気分になってしまうのだけれど。
 こんなダメ女子が何の役に立つのか判らないけど。もし、わ
たしが杜守さんに甘えることによって、杜守さんが何かを失わ
ずにすむのなら、優しくなれるのなら……。あまりにも傲慢で
思い上がった考えかも知れないけれど、わたしは杜守さんにとっ
ての「良い子」になりたい。

 杜守さんが、ううん、飼い主様が「そうだ」と言ってくれる
なら。料理の上手な娘になりたい。か、か、かわいい娘にもっ、
頑張って、なってみたい。本当はなりたかったのだから。それ
から、そのぅ胸の大きい娘にだって……なりたい。
 なれると、良いな。ううん、なる。ダメ女子でも、「欲しい」
って云ってくれるなら、わたしは恩返しをする。
 どうせ杜守さんが居なければ、ダメダメ女子なのだし。

 そういえば、杜守さんは時期をずらしたお盆休みなのだった。
 今度こそ料理を作ってあげなければ。ほんのちょっぴりだけ
ど、作れるレシピだって増えたのだ。杜守さん、杜守さんで飼
い主様。どんな食べ物ならば美味しいって云ってくれますか?
 わたしは、わたしを閉じ込める杜守さんの腕の中でもがいて、
水面へ顔を出すイルカのように布団から浮上する。

「杜守さ……」
 タオルケットから鼻の上を覗かせたわたし。抱きしめてくれ
る飼い主様の腕は温かくて、泣きたくなるほど安心感を与えて
くれて、ここが憧れていたあの場所だという確信を与えてくれ
て。
 そしてわたしは―。
 杜守さんの寝顔初めて目撃したのだった。

306:wkz ◆5bXzwvtu.E
09/08/27 22:24:39 nCcOMd7x
以上投下終了、お目汚しでした。
とりあえずBパート杜守編おしまい。
多分、こうゆう依存も有るのかなぁ、と。
ダダ甘依存で、趣旨とはもしかしたらそぐわないのかも
知れませんが、読んでいただければ嬉しく思います。
ではでは! 流浪投下にもどります。またっ!


307:名無しさん@ピンキー
09/08/27 22:42:11 zHJ9rb37
GJ!
読んでいてこっちまで恥ずかしくなっちまった。
そんでこっちまで幸せになった。

308:名無しさん@ピンキー
09/08/28 00:55:35 wJT8Taeq
>>306
よかった!マーマレードサンドか唐揚げを奢ろう!!

309:名無しさん@ピンキー
09/08/28 03:27:43 f45rE8Bn
>>306
1から10まで同じような話で飽きてくる。
ストーリー性が皆無。
>>278
「会話」

「会話」
こんな感じで会話の間に隙間をいれたら違和感がでる。

310:名無しさん@ピンキー
09/08/28 05:30:59 61QMzoRZ
おまえさんこのストーリーが読み取れないのか…
なんか、可哀想だな

311:名無しさん@ピンキー
09/08/28 05:45:18 aB/tWPbK
大方この話の表面だけ読んでとりあえず書いてみたってとこだろ
きちんと読んでたらストーリー性皆無とか言えるはずないもんな

312:名無しさん@ピンキー
09/08/28 06:24:39 61QMzoRZ
良かった安心したわ。
この話をきちんと読み込んでストーリー性皆無なんて言う可哀想な人はいないんだな。


313:名無しさん@ピンキー
09/08/28 06:55:03 R3aGGNvh
>>297
GJ
誤字どうにかなんない?

314:名無しさん@ピンキー
09/08/28 09:13:13 /9Nl84ih
甘々すぎて吐き気をもよおすほどGJだ!
素晴らしい依存だ。こりゃ居候→結婚で一生依存コースだな
俺もエロいダメな子に依存されてぇよ…

なんか頭が可哀想な子がいるけどピクルばりの金玉アッパーしとくんで気にしないでくださいね

315:名無しさん@ピンキー
09/08/28 10:46:36 5STYqE5/
GJGJ!!!
かわいすぎる!!


316:名無しさん@ピンキー
09/08/28 13:09:08 5wtoQPhO
なんか以前お付き合いした年上の人との関係に似てるなぁ。
もちろんひきこもり状態ではなかったけど。

317:名無しさん@ピンキー
09/08/29 01:24:09 MN/SC5ju
ふーん

318:名無しさん@そうだ選挙に行こう
09/08/30 14:16:27 W6/kmPrw
〉〉316
kwsk

319: ◆ou.3Y1vhqc
09/08/31 03:04:13 dr57vIpD
投下します。
夢の国のほうです。

320:夢の国 ◆ou.3Y1vhqc
09/08/31 03:04:45 dr57vIpD

―「……ほらな?飯なんか食ってるから……」

「いや、まぁ…悪い…」
ホーキンズが腰に手をあて、ジト目で此方を睨んでくる。
朝食を食べ終え、中央広場に三人並んで気楽に歩いてきたのだが…。流石にこの光景を見ればホーキンズが怒るのも無理はない。

「ねぇ、ライト…ここでなにがあるの?」
隣に並んでいるメノウが、周りをキョロキョロとしている。
並んでいると言うよりは、しがみついているが正しいのか…。
片手は俺の服を掴み、もう片方の手は迷子にならないようにしっかりと俺の手を握っている。

「あぁ、あそこにでっかいテントがあるだろ?

…見えるか?
あの中でなにかあるらしいんだ。」
この場所からは少し見えにくいが、テントの天辺部分が木々の隙間から見えるので、その場所を指差しメノウに教える。

広場まで来た…と言ったが実際は、まだ広場に到着していない…。
どういうことかと言うと、俺達が来た時にはもう既に広場前の歩道にまで客がごった返していたのだ。

無論俺たちも列に並んでいるのだが、先が見えないのでいつになるか…。

「まぁ、あんなでっかいテント張ってるんだから、一人、二人をチマチマといれないだろ。すぐだよ、すぐ。」

321:夢の国 ◆ou.3Y1vhqc
09/08/31 03:05:40 dr57vIpD
ホーキンズの言うようにテントはかなりデカイ。軽く50人は入ると思う。

俺達の前に並んでいる人は多分70人ぐらい…。後ろを振り返り、俺達に続いている列の続きを確認すると、後ろも先が見えないぐらい並んでいるのが確認できた。
やはり、町の真ん中にあれだけでかいテントを張れば、珍しさ見たさに人が押し寄せてくるか…。

「おっ?ほら、列が動くぞ。」
疲れたように地面に座り込んでいたホーキンズが待ちわびた様に立ち上がる。
それと同時に俺達の前に並んでいた人達も、ゾロゾロと広場の方へ列を成して進んでいく。

「これなら、すぐに入れそうだな?」

「あぁ、何時間待たされるかと思ったよ…。」
前にいた者達はあっという間にテントの中に収まり、俺達も難なく広場の入口までこれた。

なかに入る人と入れ違いにテントの中からも人が次々と溢れ出てくる。
テントの中から出てきた者は皆、どこか興奮しておりテンションもかなり高いようだ。

「おい、あんた、ちょっと待ってくれ!」

「んっ?なんだよ、兄ちゃん。」
興奮気味に出口から出てきた中年男性に声をかける。
顔を見る限りかなり楽しい物を見て来たようだ。

322:夢の国 ◆ou.3Y1vhqc
09/08/31 03:06:34 dr57vIpD

「ちょっと聞きたいんだが……中で何が行われているんだ?」

「へへっ…気になるのはわかるが、それは中に入るまで我慢したほうがいいぞ?俺の口から聞いたら楽しみが無くなっちまうからよ。」

「いや、そうじゃなくて…女や子供を中に入れても大丈夫なのか?」

「あぁ、それは大丈夫だ。まぁ、楽しんでこいや。」
そう言うと含み笑いをしながらスキップ気味に人混みの中へと消えていった。
中年のスキップ姿に、なにか痛々しさを感じながらも、少し安堵した。
中年男性が言うように出口からは小さい子供を連れた親子の姿も見える。
やはり、サーカスの類いか?
人が喜ぶとしたらモンスターを調教して何か芸をさせるとかその程度だろうか…。
あまり想像できないが、ここまで引っ張られると正直期待してしまう。



―「……んっ?……ッチ、なんだよクソっ!」
突然、前に並んでいる一人の男性がイラついたように呟き、鬱陶しそうに空を見上げた。
それにつられて周りにいる人達も次々に空を見上げていく…。

「あぁ〜あ……降ってきたよ…」

ポタッ、ポタッ、と空から小粒の雨が落ちてくる。

323:夢の国 ◆ou.3Y1vhqc
09/08/31 03:08:17 dr57vIpD

誰も雨が降って来るとは思っていなかったのだろう。傘なんて誰も持っておらず、皆急いで歩道沿いに並んでいる木々の下に身を隠した。

「思ったより台風早く来るかも知れないな?」

「そうだな…風も少し強くなって来たしな。」
海に広がる空に目を向けると、黒い雨雲が此方に近づいてくるのが見える。
あの船員は四日後…と言っていたが、二日後には嵐がもうこの町に来るかもしれない。

「…メノウ寒いか?」

「ちょっとだけ…寒い…」
暖かかったので薄着でも大丈夫だと思ったのだが。雨がふり、海から吹いてくる風が強くなっているので気温が低下したみたいだ。ワンピース一枚のメノウには流石に堪えるだろう…小さい耳がプルプルと震えている。

「ほら、風邪引くから…これ着てろ。」
着ていた上着を脱ぎ、メノウに羽織らせる。

「ありがとう、ライトっ!」
満面の笑みでお礼を言うと、周りの目を気にせず俺の服に顔を埋め鼻歌を歌いだした。


「すーはーっ♪すぅーはぁーっ♪」
いや…鼻歌を歌ってると言うより鼻息が荒いだけか…。

324:夢の国 ◆ou.3Y1vhqc
09/08/31 03:08:55 dr57vIpD

―「さぁ〜、さぁ〜、次の列に並んでいるお客様。前に進んでくださいよ〜っ!」


周りにいる人間と雑談をしながら時間を潰していると、入り口から団員らしき人物が姿を現した。
白いスーツに蝶ネクタイが妙に胡散臭い…。

その白スーツの隣には、白い犬の着ぐるみを着た奴までいる。その手には色とりどりの風船が持たれており、並んでいる子供達に配っているようだ。

「んっ…?どうした、メノウ?」
先程まで俺の服に顔を埋めていたメノウが、犬の着ぐるみを見た瞬間、ピタッと固まってしまった。

「……わんわん…」

「えっ?」

「……わんわん、こっちくる…」

わんわん…と言うのは犬の事らしい…。
確かに犬の着ぐるみを着た人物は、風船を子供達にわたしながら此方に歩いてくる。

「…」
メノウの耳と尻尾が立っているので、犬の着ぐるみに対して強い警戒心を抱いているようだ。

「別になにもしないって……ほらっ、風船貰えよ。」

「や〜っ!!」
俺の前まで犬の着ぐるみが歩いてきたので、後ろに隠れているメノウの手を掴み前に出そうとする……が、俺の右足にしがみつき一切離れようとしない。

325:夢の国 ◆ou.3Y1vhqc
09/08/31 03:09:41 dr57vIpD

「はぁ〜……ありがとう。」
仕方なくメノウの代わりに風船を受け取る。

犬の着ぐるみが風船を子供達に配る間、メノウは一切犬の着ぐるみに対して警戒を怠らなかった。と言うより見つからないように必死だった。

「おい、ライトっ。中に入れるぞっ!」

―犬の着ぐるみが皆に風船を渡し終えると、広場に設置してある小さな門がゆっくりと開いた。

それと同時にテントの中から先程入っていった人が次々と出てくる…。一度目と同じように皆、かなり興奮してるようだ。

スゲー!
もう一度見たいっ!
欲しいっ!
テントから出てくる人々の声を聞くと、やはり高評判な物が中にはあるらしい。

ただ、俺が考えていたサーカスの類いでは多分無い…。
俺達の前列がテントに入って、まだ三十分そこらしか経っていないのだ。

「なんだろうな…?ここまで待たされるとかなり期待するよな?」

「あぁ、そうだな。」
広場前の窓口でメノウと俺、二人分の入場料を払い、入場券を貰う。

メノウも犬の着ぐるみから離れたので安心したのか、俺の手が離れない範囲でウロチョロしだした。
同じようにホーキンズも入場券を窓口で貰い、三人でテントのある場所まで歩いていく。

326:夢の国 ◆ou.3Y1vhqc
09/08/31 03:10:53 dr57vIpD

「一番前の人から押さないように中にお入りくださぁ〜い!あっ、入場券はテントの前にいる人に渡してくださいねぇ〜!」

「はい、はい。」
テント前にいるバレン兵に入場券を見せ、テントの中に入る。

また、メノウの耳が少し立ったが、先程とは違い暗い場所にいるので軽く警戒してる程度のようだ。
メノウに風船を渡し座れる席を探すが、最前列の席は全て埋まってしまっている。仕方なく、中段の席に三人で座ることにした。
少しステージから離れているので見にくいが、この場所ならメノウに何かあっても出口が近いので、すぐに抜け出せる。

そんな事を考えながら軽く周りを見渡していると、ものの5分で全席が客で埋め尽くされ、入って来た入口がバレン兵によって閉ざされた。

「なにが、始まるんだろうな?」
ホーキンズが興味津々にステージを眺めている。

「多分見せ物小屋とかだろ……おっ?始まるぞっ!」
照明がステージを照らす。
恥ずかしいとに一瞬テンションが上がり、ホーキンズより先に声をあげてしまった。

照明が照らすステージの上には先程、客入れをしていた団員らしき白スーツの男が一人立っている。

327:夢の国 ◆ou.3Y1vhqc
09/08/31 03:11:34 dr57vIpD

「今日この場所に足を運んでいただき、誠に有難うございます!
私、ここの団長を勤めさせていただいております、コーセツと申します。
よろしくお願い致します。」
礼儀正しいのか、ふざけているのか…にやけた顔つきで自己紹介を終えると、深々と観客席の方へ一礼した。

「お客様方…今この場所にいることを誇りに思ってくださいっ!」
突然、声の音量を上げると、大袈裟な動きをしながらステージを端から端まで歩きだした。

「皆様っ!今日、あなた方は特別な……いやっ!衝撃的な物を目撃するでしょう!!
決して生涯終わるまで忘れることはなく、お客様の記憶に強く残る時間を過ごしていただけると願いっ!私、ここに断言いたします!!」
白いスーツを脱ぎ捨て熱弁する団長の姿は、少なからず客の期待感を煽るものだった。

ホーキンズやメノウも興味津々に団長の話を聴いている。
かくいう俺も期待感が膨れ上がっている一人だ。

「それでは、短い時間ではありますが!心行くまで楽しんでいってくださいっ!!」
汗をかきながら十分ほど熱弁すると、出てきた時と同様に深々と一礼し、投げ捨てた白スーツを拾い上げ、颯爽と舞台裏に消えていった。

328:夢の国 ◆ou.3Y1vhqc
09/08/31 03:12:17 dr57vIpD


「…長い演説だったなぁ…?」

「まぁ、それだけ期待しろってことだろ?」

団長が舞台袖に消えてすぐ、反対の舞台袖から黒い布を被せられたなにかが、団員二人の手によってステージの上へと運ばれてきた。

違う団員が木のテーブルを中央に置き、その上に黒い布が被せられた何かを慎重に乗せる。

「なんだ…?」

「あの黒い布の中身になにかあるらしいな…」

「おっ、おいっ!今、光ったぞっ!?」
周りの観客がざわめきたつ。
確かに黒い布の隙間から青白い光が微かに漏れた。


―「ふっ、ふっ、ふっ……」
先程、舞台袖に消えた団長がまた戻ってきた…。
多分皆んなが思っていることだが、出たり入ったりするなら始めからステージの上に立っててほしい…。

「皆様、お待たせいたしました…それではまいりましょう…夢の時間へ…。」
軽い足取りで中央まで近づくと、徐に黒い布に手を掛けた。






―「こちらが、おとぎ話に出てくる、あの有名な伝説の生物でございますっ!!!」

大きな声と共に勢いよく団長が黒い布を引き剥がすと、小さな鳥かごが一つ姿を現した。

329:夢の国 ◆ou.3Y1vhqc
09/08/31 03:12:56 dr57vIpD

―「………う、うっ……うぉおぉおぉぉおぉ、スゲぇえぇえぇぇーッ!?なんだよこれッ!!?」

「キャー!?可愛いぃぃいぃ〜!!!」

「は、始めてみた…なんて綺麗なんだ…。」
少しの静寂の後、ステージに近い前列だけが歓喜の声を上げた。

「なんだよ、くそッ!ここからじゃ暗くて見えねーよ!!」
イラついたように立ち上がるホーキンズに煽られたのか、後ろの席の観客が次々に立ち上がりだした。

「お客様、焦らないようにっ!明かりをつけるので、お座りくださいっ!!」
多分これもバレン側の作戦かなにかだろう…散々煽って見せびらかせたほうが記憶に残りやすい…それだけ商品に自信があると言うことだ。

5分ほど待っていると徐々にテントの中が明るくなってきた。
この5分が死ぬほど長く感じたのもバレン側の思うつぼなのだろう…。

「おっ?見えてきた、見えてきた……ってなんだ?カゴの中に何か………ッ!?」

―小さなカゴの中身を見て絶句した―

鳥かごの中身…それは、見たこともないような、鳥かごに収まるほどの小さな人の姿だった。

「そうですっ!あの、神々の涙の雫とまで言われた伝説の生物っ!フェアリーでございますっ!!!」

330:夢の国 ◆ou.3Y1vhqc
09/08/31 03:14:04 dr57vIpD

団長の声と共にテントの隅々まで驚きと歓喜の声で満たされた。

「おい、ライト見えるかっ!?妖精だってよ!!本物か、あれっ!?」

「さ、さぁ…俺もビックリしてる…よ…。」
妖精なんておとぎ話の中でしか聞いたことがなかったので、人間が作り出した空想の生き物だとばかり思っていた。

確かに本で見たように背中に羽がはえており、小さなカゴの中を器用に飛んでいる…。

「メノウどうだ…妖精だってさ。」

「…わかんない……でも、可哀想…」

「可哀想…か…そうだな…」
メノウに言われて我に返る。
確かに妖精は身体は違えど、人間と会話ができたり、仲良く旅をしているといったイメージが真っ先に頭に浮かぶ生物だ。

本で得た知識なので本当の生態はまったくわからないが、実物を見ても人に害を与えるような行動をするようには見えない。

どちらかと言うと、人間に対して怯えているような素振りを見せている。

「それでは皆様、前列から一人一人ステージに上がって間近でフェアリーを見てください!」
また、客席から一際デカイ歓声があがった。

「スゲーなマジでっ!間近で見るどころか、一生見ることなんてないぞっ!」

331:夢の国 ◆ou.3Y1vhqc
09/08/31 03:14:46 dr57vIpD

ホーキンズの言うように妖精を間近で見るどころから、もう視界に入れることすら無いのかも知れない…。
そう考えると一度間近で見たくなってきた。

「メノウ…おまえはどうする…?」

「ライト行くなら…メノウも行く。」
解りきってた返答…メノウの手を掴みステージに向かって歩き出す。

「はい、はい。カゴに触れてはいけませんよ〜!お一人様、一分まででお願いしますね〜っ!」
一人一人ステージに上がり、見ては降ろされ、見ては降ろされ、次々に人が入れ替わっていく。

「次は俺だな!!」
俺の前に並んでいた、ホーキンズが待ちわびたようにステージに上がった。

「おぉ〜!なんか、元気ないけど本物っぽいぞ、ライト!」
此方に振り向き嬉しそうに話しかけてくる。

「はい、一分経過しましたぁ〜。次の方どうぞ〜。」

「はやっ!?」
渋るホーキンズを団員がステージの下に誘導する。

「それじゃ、行こうか?」

「うん…」
次は俺達の番だ…。
メノウの手を掴み、テージに上がる。

緊張しているのか握っている手が汗ばんできた。

「おっ?お二人様ですね?それでは倍の二分間お楽しみください。」

332:夢の国 ◆ou.3Y1vhqc
09/08/31 03:17:07 dr57vIpD

「なっ!?ずるいぞっ!それじゃ、俺と三人で上れば三分だったのかっ!?」

「女性の方にサービスは付き物です。さぁ、お客様此方にっ!」
ステージ下から文句を言うホーキンズに対して団長は軽く受け流した。
大人げないを通り越して知り合いとして恥ずかしい…。

ステージ下から叫び続けているホーキンズから目を放し、ふぅ〜っと大きく息を吐き妖精が入っているカゴに近づく。

「カゴには絶対に触れないでくださいねぇ〜。」

「あぁ、分かっているよ…メノウ、わかったな?」

「うん…。」
手を出さず顔だけカゴに近づけ中を観察する。

透明感のある金色の髪に海のような青い瞳…背中には小さな羽がついており、その羽を使って狭いカゴの中を精一杯飛んでいる。

「おっ?こっち向いたぞ?」
俺達の視線に気がついたのか、一定の高さを保ったまま此方に視線を向けてきた。

よく見るとホーキンズの言うようにどこか弱々しい…目には生気が無く、羽も少し傷ついている…。

「ライト…もう、帰りたい…」
メノウが妖精から目を離し腕を引っ張る。

他の者とは違い妖精を間近で見てもメノウはまったく喜ばなかった…それどころか嫌悪感すら抱いてるようだ。

333:夢の国 ◆ou.3Y1vhqc
09/08/31 03:19:35 dr57vIpD

確かにメノウの言う通り見ていてあまり楽しい物ではなくなってきた。
初めこそ伝説の生物だからと楽しみに見ていたのだが、今はどこか心苦しい…。

「そうだな……帰ろう…。」
妖精から目を離し、その場を離れようとした時―ふと、小さな疑問が脳裏をよぎった。




―あの声はなんだったんだろう?

昨日聞いたあの声…妖精の出現で浮かれていたが、あの声の主を探るためにこの場所に来たんだった。

「…ライト?」
メノウが考え込む俺の顔を不安そうに下から覗き込んできた。

メノウの頭を撫で、周りを見渡す。
別に変わった物や人物は見当たらない…。



―「…変わった物かぁ……」

変わった物――もう一度妖精に視線を落とす…。
妖精はと言うと、既に此方を見ておらず、キョロキョロと周りの人間を見渡しながら同じ場所で羽ばたいている。

「…」
団長に目を向ける…ホーキンズとなにか言い争っている…団員もホーキンズを追い出そうと此方をまったく意識していない。

妖精の前にいるのは俺とメノウの二人だけ…

―今しかない。

「な、なぁ…」

「ッ!?」
コンッと軽くカゴ叩くと、音につられて妖精が此方に勢いよく振り返った。

334:夢の国 ◆ou.3Y1vhqc
09/08/31 03:20:24 dr57vIpD

―多分…今からすることを周りの客が見たらさぞかし笑うだろうなぁ…。
頭から恥ずかしさを振り払い、一歩前にでる。




―「き、昨日の朝、話しかけてきたのは…お、お前か…?」
周りの人間にバレないように小さく呟く…。
妖精に話しかけたなんてバレたら町中の笑い者にされる…自分でもかなり恥ずかしいし、アホらしい。

「ラ、ライト…?」
メノウも俺のアホな行動にビックリしたのだろう…俺の顔をポカ〜ンと眺めている。

自分でも何故こんなことをしているのかまったく分からない…。ただ、アホらしく感じるが頭に直接話しかけてくるなんて人間以外の生物しか考えられないのだ。



「………バ、バレるか最後にするぞ……?あの…助けてほしいって……おまえが言った…のか…?」
妖精に向かって話しかける……が、まったく返答は無い。
それどころか、驚いたように俺の顔を見ると、そのまま硬直してしまった。

「ちょっ、お客様!?困りますよ、そんなに近づかれちゃ〜。
もう二分経ちましたから終わりでいいですね?。」

「あ、あぁ、悪い…」
カゴに近づきすぎたのか、ステージ裏から出てきた団員に気づかれ、妖精から離されてしまった…。

335:夢の国 ◆ou.3Y1vhqc
09/08/31 03:21:07 dr57vIpD

「……それじゃ、メノウ帰ろっか?」

「う、うん。」
仕方なくステージから降りる。
あの声のことばかり考えていたので、少し警戒しすぎたのかもしれない…。
実際は危険など何一つ無かったし、心配することも無かったようだ。
妖精には少し後ろ髪を引かれる思いだが、俺とかけ離れた存在なのでどうすることも出来ない…。

「…」
最後にもう一度だけ妖精を目に焼き付けようと振り返り、妖精を見つめる……




―たすけてっ!



「っ!!?」
妖精と目が合った瞬間昨日の時と同様に頭の中に声が響いた。

昨日と違う点…それは、はっきりと聴こえてくること。


―お願い!私をここから出して!!!

「…」
昨日の朝の時と同じ声に間違いない…だとするとやはりあの声の主はこの妖精だったのか?。

「おい、なにしてんだよ?早く帰ろうぜ、ライト。」

「あ、あぁ…分かってる…(ここから出して…?あのカゴから抜け出したい…と言う意味か?)」


―また、あの暗い場所に連れていかれる!お願い!ここから逃して!


逃がせと言われても、今カゴを開けて妖精を逃がせば間違いなく俺が殺される。


―助けて…お願い…

336:夢の国 ◆ou.3Y1vhqc
09/08/31 03:22:07 dr57vIpD


―「か、帰ろう…」
俺が下した決断―それは、声を聴かなかったことにする事だった…。



―イヤッ!待って!置いていかないで!!

やはり、俺ではどうすることも出来ない…。
助けてやりたいが、助けかたが思い付かないのだ。

心の中で謝りステージ前から離れる。

―待って、お願いだからっ!助けて!!!お願いッ!行かな―いッ―で―

テントの中から外に出ると先程まで聞こえていた声がプッツリと聞こえなくなった…。


「………はぁあぁぁぁ〜っ…。」

「どうした?なにかテントの中であったのか…?」

「ライト、大丈夫?お腹痛いの?」
テントから外に出ると安堵か罪悪感か分からないが、足から力が抜け、その場に座り込んでしまった…。

その姿を見て二人が心配そうに話しかけてくる…。
嬉しいのだが、多分妖精と会話したと話をしたところで信用しないだろうな…。

メノウは信用するかもしれないが、ホーキンズは九割笑うに決まっている……のだが自分の中に押し込めていると、なんだかモヤモヤしてしょうがない。

「絶対に笑うなよ…?」

「あぁ?だからなんだよ…?」

「……昨日の朝…港で声が聴こえたって言ったよな…?」

337:夢の国 ◆ou.3Y1vhqc
09/08/31 03:22:52 dr57vIpD

「あぁ、言ってたな…」

「今さっき……テントの中でも声が聴こえた……」

「…」

「しかも、声の主は妖精だった。」

「へぇ〜…そっかぁ〜…」
明らかに信用していない目で俺を見ている…いや、見下している。

「やっぱり……もう、いいよ……おまえに話した俺がバカだった…。」

「嘘だって!拗ねんなよガキじゃあるまいし。」

「拗ねてねーよ!こっちだってバカにされるから言いたく無かったんだよ!」
一々回りくどい言い回しが腹立たしい…。
ホーキンズの横を通り抜け出口に向かう…。

―やっぱり忘れよう…。
始めから俺ごときがどうにかできるレベルじゃなかったんだ。

解りきっていたことだが、母の言葉が頭に残り半端な行動をとってしまった…。

―助けを求めるものを決して見捨てるな―

母の口癖が俺の心を半端に動かしてしまったのだ……結果、助ける所か見捨てて自己嫌悪に落ちることしか出来なかった。

「おい、待てって!悪かったよ、ふざけて。」

「…別に怒ってねーよ…ただ、あの妖精から助けてって…ここから出してって、言われたのになにも出来なかったからよ…」

338:夢の国 ◆ou.3Y1vhqc
09/08/31 03:23:42 dr57vIpD

「おまえ、そんなこと言われたのか……?

……まぁ、なんてゆーの?
おまえが冗談なんて言う人間じゃないことぐらい俺だって分かってるって。
ただ、正直俺は声が聴こえてねーから半信半疑なんだよ。」
俺だって未だに半信半疑な部分はある…昨日聴こえた声を小さな正義感で突き止めようとしただけなのだから…。

「だからさ…まず、そういうことに詳しい人に一度、相談しないか?」

「…相談?」
先程とは違い真剣な眼差しで話しかけてくる…始めからこれができないものか。

「最近知り合ったんだけどさぁ。他国の話や、さっき見た伝説のなんちゃらとかを何処で仕入れた情報なのか、かなり詳しいんだよ。」

「信用できる人なのか?ってゆうか笑われるんじゃないのか?」
見ず知らずの他人に爆笑されたら流石に恥ずかしくて違う町に引っ越しを考えるかもしれない。

「そこんとこは大丈夫だな。あの人もたまにお前と同じようなことを叫ぶから。」

「それはそれで怖いな…」

「まぁ、いい人だから気にすんなっ!
明日は朝から仕事があるから夕方にお前の家に行くわ。」

「あぁ…悪いな。変な妄想紛いに付き合わせて…」

「あほか……それじゃ、また明日な。」

339:夢の国 ◆ou.3Y1vhqc
09/08/31 03:24:27 dr57vIpD

広場の出口から出ていくホーキンズを見送り、空を見上げる。

昔からホーキンズには助けられてきた。
始めは必ずバカにするのだが、後々必ず解決の糸口を探してくれる。
ありがとう…なんて面と向かって言ったことは一度もないけど、心の中ではいつも思っていることだ。

「ライト…」
ホーキンズが出ていった出口を眺めていると、隣にいるメノウが小さな声と共に俺の服の袖をクイッと引っ張った。

それと同時にメノウに視線を落とす…。
上目遣いで俺の顔を眺めており、何か言いたそうにモジモジ、モジモジしている…。

「どうした?」





「……おしっこ。」

「えっ?おし……えっ!?ちょっ、ちょっと待て!!」
慌ててメノウを担ぎ、広場から離れる。




「…プルプル…」

「ちょっ、なにプルプルしてんだよっ!?
だしたのかっ!?
だしたのかメノウっ!?」

「……なにが?」

「はっ?えっ?なにがっておまえ―!」

妖精を見たこと……その妖精から助けを求められたこと……徐々に背中一面へと広がっていく生温かさを感じたこと…。

―団長の言うように今日は絶対に忘れられない一日となった。

340:夢の国 ◆ou.3Y1vhqc
09/08/31 03:27:16 dr57vIpD
ありがとうございました。投下終了です。

台風が近づいてる今日この頃…去年、風で飛んできた看板が頭に直撃して血だらけになったのを思い出します。

341:名無しさん@ピンキー
09/08/31 05:15:32 VCHrd6ht
どうなるどうなる

342:名無しさん@ピンキー
09/08/31 13:06:01 cR46595B
>>340
病院に依存してるんですね。

343:名無しさん@ピンキー
09/08/31 20:36:46 A9uSb7T4
体格差カポーを狙うとはこれまたマニアックな

344:春春夏秋冬 ◆ou.3Y1vhqc
09/09/02 18:01:24 vlGAseBw
春春夏秋冬夜勤の合間の深夜に投下します。

ここって本当に人いないね…

345:名無しさん@ピンキー
09/09/02 18:39:10 Yff/Ayxp
待ってます

346:名無しさん@ピンキー
09/09/02 18:46:43 C8K2G6W9
もちろん全裸で待ってます

347:名無しさん@ピンキー
09/09/02 20:29:02 PdhL79WZ
これは深夜までスレを占有するから投下する
んじゃねーぞと云う警告なんだろうな−。

348:名無しさん@ピンキー
09/09/02 20:37:44 vlGAseBw
>>347が投下したかったら投下すればいいよ。

楽しみにもなるし。

349:名無しさん@ピンキー
09/09/02 21:13:58 GL0HK5QH
>>347
深夜になる前に投下すればいいんじゃないか?

350:名無しさん@ピンキー
09/09/02 21:45:09 EZ3POTXt
でも、前にも「他の人が投下後に時間を置かずに投下するのは非常識」とかレスがついたことがあったよね。
(その時も2時間くらいは経っていたと思う)
その流れから行くと、やっぱり「深夜に投下」って夕刻に予告されたら他の人は投下しにくいよ。

今回は余計な一言も書くから余計に「どうせ俺しかいないでしょ」って風に読まれても仕方がないと思う。


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