モノノ怪でエロパロ 2札目 at EROPARO
[bbspink|▼Menu]
[前50を表示]
750:名無しさん@ピンキー
09/07/22 19:21:24 JJ/IqqNk
>749
ひとなのか、ふたなのか、みなのか、よなのか、次回のうp、いつなのか

なんちてw
二七=は死後14日後

751:名無しさん@ピンキー
09/07/22 19:26:54 JJ/IqqNk
あ、すまそ。
ひとなのか じゃなくて しょなのか だったー。

752:回向 二七日 1
09/07/27 00:52:13 HrCmMe6w
相変わらずエロがない。



『塩野様のお顔を、見て参りました』
 七日の後、夜更けに再度現れた影は、変わらず穏やかな調子でひそりとそう言った。今宵は寝支度をすることなく、羽織袴で死者の訪いを出迎えた小田島は、左様でございますか、と相槌をうつ。
『嫁ぐと決まってすぐの頃、周りに尋ねたことがあったのよ。塩野とはどんな者かしら、と』
 名字帯刀を許されてはいるが、正確には塩野の出自は武家ではない。豪商だ。さらにその前身は一介の馬喰だった。坂井を憚って屋敷の造りこそ格式に劣るものの、馬を育て養う敷地ははるかに広い。
金銀を収めた蔵が片手の指もあることで、富貴になることをこの辺りでは『五つ蔵を建てる』と言った。
『誰もが言ったわ。ご立派な方です、と。……坂井の者は、また別だけれど』
 言って真央はくすりと笑った。
『知っている? さとなんて、おいたわしいって言ったのよ。わたくしを哀れんだの。もちろん面と向かってではなかったけれど。勝山に慰められていたわ。
……その顔は、立ち聞きなんてはしたないと言いたいのかしら、小田島?』
「……いえ、いや……無論、褒められたことではございませんが。さと殿と勝山様も迂闊であったかと」
『そうね。でも誰もがわかっていたでしょう。この縁組みはわたくしの身売り』
「真央様」
『無礼よ、小田島。お前に咎められるいわれはないわ。だって』
 すぅ、と上がった睫の下から、黒々と底の見えぬ眼が覗いた。生者であれば自然と宿る輝きはなく、かろうじて眼窩(あな)ではないそこはただ黒い。
今にも何か正体の知れぬものが浮き上がってきそうな、夜の沼の深みに似ていた。
『お前も、そう思っていたでしょう? 否定は許しません。お前はとかく杓子定規だけども、愚者ではないのだから』
 小田島は渋面をつくる。褒められているのか貶されているのか、なんとも判断に困った。
「……塩野様は、財に驕らず、貧しい者たちへの施しも厚い人徳者とお伺い致しました故、真央様が嫁がれても、おさおさ疎かにはなさるまいと……」
 苦し紛れの小田島の言に、真央はおっとりと笑う。
『お利口な答ですこと。……でも、そうね。よく道を知る方のようでした。わたくしの死を悼んでくださっていたわ。……昔は、叔父上様のお友達だったのですって』
 小田島は身じろいだ。
「……友、でございますか」

753:回向 二七日 2
09/07/27 00:54:29 HrCmMe6w
『同じ先生に教わった仲だそうよ』
「ご学友」
『ええ』
「……そのようなこと、伊國様は一言も」
『そうね』
 真央はぬばたまの眼をゆっくりと瞬かせた。
『叔父上様は、昔、神童とも呼ばれたのですって。坂井の……いえ、お祖父様の無体な仕打ちを憂い、領民らを思う、誰からも行く末を期待された若様だったと』
「…………。さ、左様で」
『困った顔ね、小田島?』
 真央は無骨で馬鹿正直な男をからかうように笑う。
『とても信じられないでしょう? わたくし、お祖父様の昔の所業を聞いて、てっきり、叔父上様はお祖父様の悪い血を継いだとばかり思いました』
「ま、真央様」
 あんまりあけすけな真央の評に、小田島は汗を浮かべて遮ったが、死者はどこ吹く風と受け流し、夜の静けさへ告げる。
『叔父上様は、賢すぎた。……あるいは、お祖父様を欺くほどには賢くなかった、とも言えるのかしら。青さに任せて真っ向から糾弾して、廃嫡の憂き目にあった』
 ふ、と真央は黙る。しばらく考える風情で目を伏せ、ぽつりと言った。
『……もしも、叔父上様が家督を継いでいたら。化猫は、出なかったかしら……?』
 それでは真央が生まれまい、と小田島は言いかけて、ぐっと歯を食いしばった。
 生まれない方がよかったと言うのであれば、それはあまりに悲しい。
「化猫は……薬売りの男が、斬り申した」
『知っています』
「胡散臭い男でしたが、信頼に足る者でした。その男が、斬ったのです。過去を変えることが叶うならば、男も血を流してまでむざむざ哀れなモノを斬りますまい。
……このような言い方は卑怯かもしれませぬが、起こったことは、最早致し方ないこと、なのかと」
 真央は瞬く。微かに首を傾げて、それはわたくしを慰めているの、と問うた。
「せ、僭越ではございますがっ」
『よい。……お前は、優しいわね』
 また来ます、と影は立ち上がる。小田島はひれ伏して真央を見送った。開かなかった障子戸の向こうで、ぽぅと燈篭が灯るのがわかった。


  三七日へ続く


待ってくれてありがとう

754:名無しさん@ピンキー
09/07/27 05:41:26 nzoeRUeS
>>752
待ってました
続き楽しみぃ
あと叔父は正しくは伯父になると思うよ

755:名無しさん@ピンキー
09/07/27 19:22:33 Gdjvn43M
待ってました!
淡々とした語り口調がいいなあ

756:名無しさん@ピンキー
09/07/31 16:03:06 QLyRdBS5
待ってました
深々と染み入るような真央の語りくちや
朴訥な小田島が良いなぁ
続きも待ってます。

757:名無しさん@ピンキー
09/08/08 15:22:23 ateaoHLR
今日はハイパーの日アゲ

758:名無しさん@ピンキー
09/08/12 16:36:37 VXycnVAt
8/18こそがハイパーの日。

759:名無しさん@ピンキー
09/08/27 23:55:42 axcuMsWh
これは、保守だ・・・カチン

760:名無しさん@ピンキー
09/08/28 09:52:02 zg9Pu6o4
過疎ってるなー
職人降臨しないかなー

761:名無しさん@ピンキー
09/08/29 13:20:14 IVYlDWJd
規制を滅りたい
頼む!なんとかしてくれー!

762:名無しさん@ピンキー
09/08/30 19:55:29 ka/NYVcb
規制、アレって本当に困るよな
投稿しようかと思うと突然くらって慌てる羽目になる。

763:名無しさん@ピンキー
09/08/31 15:15:51 foqGDr0h
頑張って!

764:名無しさん@ピンキー
09/09/01 01:59:19 Lj1g+A7W
職人さまの、頼みとあっちゃあ・・・仕方あるまいッ!

765:名無しさん@ピンキー
09/09/01 13:27:44 b6b6f3RP
きゃーすてきー

766:名無しさん@ピンキー
09/09/06 03:08:11 iKNz0xTv
惚れる

767:名無しさん@ピンキー
09/09/06 11:31:02 fUxsohJ+
かっこいいっ

768:名無しさん@ピンキー
09/09/10 19:31:32 LlD64hzo
解き、放つ!

769:名無しさん@ピンキー
09/09/12 00:50:42 BOklqC9N
過疎ってると自分の駄文を晒してみたい衝動が押し寄せるけど

やっぱ無理!てなる。
職人様かむおーんっ

770:名無しさん@ピンキー
09/09/12 22:21:57 RyyGHIki
晒してみて!

771:名無しさん@ピンキー
09/09/13 22:30:05 PuXab4m0
読みたい、読みたい!

772:名無しさん@ピンキー
09/09/13 23:22:39 PJtXzB2e
晒して!ぜひ!

773:名無しさん@ピンキー
09/09/14 01:12:00 3o6lV7pr
じゃあちょっとした保守代わりに駄文を晒してみます。
初書き、初投なもんで至らない点多々よろ
エロまでが長い。飽きたらウェンツしてくれ頼む!

*秋桜〜一輪目〜*

 ぼぅっと朱に色づき始めた夕日に染められた景色の中を、高下駄がカラン、コロン、と拍子を刻むように音を鳴らして進んでいく。
きゃっきゃとはしゃぐ童達の声が後ろから近付いて来て、己の周りをおどける様にくるくると廻ってまた走り去って行った。
ふっと小さく笑いを洩らすと、風に乗ってどこからか、早くも夕餉の匂いがしてきた。
これは少々急がねばと足を速める。

 己の住まいは人里にこそあれど、集落からは少しばかり離れている。
元来、己には『帰る場所』などは必要なかったし、他者との関わりなどというのも、薬を商い、モノノ怪を斬る為以外には必要なかった。
いや、『必要なかった』というよりも『避けていた』というのが正しいだろうか。

 今まで幾多のモノノ怪を斬り、数多の人間を見てきた。
モノノ怪の形は同じものだとて、それを生み出す人間が変わればその真と理も異なる。
モノノ怪は人を祟る。人はモノノ怪を生み、モノノ怪を恐れ、モノノ怪の為に泣く。
幾月幾年、考えてみても、未だに人というものの底は知れぬ。
触らぬ’’神’’に祟りなし、というのも言い得て妙かもしれないが、真も理も、時に形さえ不確かな、人。
言い様、考え様によっては人間の方がモノノ怪よりも恐ろしい。分らぬものに進んで関わりたいとも思えぬ。

「しかし…今の己の有り様ときたら、、、」
そんなことを思っているうちに足取りが滞ってきたのに気付いて再び足を速める。
もう殆ど人家のない道を、下駄の音とこおろぎやら鈴虫やらの鳴き虫の声、脇を流れる小川のせせらぎだけが静かに響いていた。
そのなんとも言えない感覚を楽しんでいたが、急に生暖かい風が吹いてきた。空を見上げれば、朱い雲が流され、鉛色の雲に変わっていき、西の空に光の線が走ったのが見えた。
「しまった」思ったと同時にぽつぽつと水滴が落ちてきて、瞬く間に水瓶を引っ繰り返したような雨が激しく降り注いだ。

 これはまずいと薬箱を担ぎ直して既に大きな水溜りのできた、ぬかるんだ道を着物に泥が跳ねるのも構わずに走った。
いつもなら慌てずこんな何もない道でも、木下でも空き家でも見つけて一時の宿りとするところだが、今はそのような余裕はない。
ただ早く、早く、己の帰る場所へ、己を待つ者の処へ。


*とりあえず続く*

774:名無しさん@ピンキー
09/09/14 01:40:29 HzbsyuEi
あ、カップリングは王道で薬×加です。

全く何番煎じだw

775:*秋桜〜二輪目〜*
09/09/14 22:36:17 3o6lV7pr
「あー、降ってきちゃったぁー」
加代は急いで外に干しておいた洗濯物を慌ただしく取り込む。
さほど多くもない洗濯物も娘の細腕では抱えるのがやっとで、地面に落とさないように濡れないようにと気を遣いながらようやく家に運び入れた。
足を軒下に投げ出したまま、ごろんと洗濯物の山の脇に仰向けになり、
「うぅ、今日は過ごしやすくて気持ち良いからって昼寝なんかするんじゃなかったなぁ」と大きな溜息をつく。

しかし、幸い洗濯物もそんなに濡れずに済んだし、日の高いうちに干していた布団は既に取り込んでおいた。
それに(少し離れた)お隣より、女一人でいることの多くあることから大変だろうとの好意で、瑞々しい野菜も頂戴した。
それだけで加代の憂鬱な気分は吹き飛び、今晩のおかずはどうしようなどと考えるだけで嬉しくなった。
『…薬売りさん』そのまま闇で一層高く見える天井を見つめて呟く。
「今、どこで何してるのかな」、「無事に元気でやっているのだろうか」、「次は、いつ帰ってくる?」。
なんの便りもなく、ただ愛しいあの人の旅の無事を祈り、帰りを待つ日々は、時々どうしようもなく不安で寂しくて、無性に悲しくなる。
はぁ、とまた溜息が洩れる。
この天気のせいか、スッパリと切り替えの早い加代の心も曇りやすくなってしまう。

その時、ピシャッと空が光った。
「きゃっ」間髪入れず空気をつんざく轟音が鳴り響く。
「やだ、もぉー」
次の瞬間はっと我に返って「いっけない、夕餉の支度しなきゃ」
加代は雨戸を閉め、台所へ走って行った。

776:*秋桜〜三輪目〜*
09/09/14 22:42:52 3o6lV7pr
ガラリっと玄関の戸の開けられる音がした。

「むん?」とふつふつと煮え立つ鍋の脇で小皿に口を付けていた加代は、戸外の雷雨と夕餉支度に多少賑やかな台所で、確かにその音を聞き取った。
こんな天気の中、それもこんな時分に誰だろう、と些か面倒臭そうに口を尖らせて、袖を上げていたたすきをしゅるりと解く。
「はぁーい、何方ですかぁー……あーーーっ」と小走りで玄関へ向かい、その来客の姿を認めて思わず声を張り上げた。

「薬売りさんじゃないですかぁーっ」
そこには、頭から足の先までずぶ濡れになったこの家の主が立っていた。
男の長く柔らかい前髪は一層顔に纏わりかかり、顎の線や着物の裾からはぱたぱたと滴が落ちて地面に水鏡を作っていた。
鮮やかな着物や下穿きの所々にも点々と泥が跳ね、この激しい雨の中を傘もささずに走り抜けてきたのだろうということが見て取れる。
叫んでから気を持ち直して一息ついたものの、思わず声が引っ込んでしまう。
待ち侘びていた男のあまりにも突然の帰宅と、雨に降られるなどという普段この男からは想像し難い様に、加代は驚きと嬉しさ、可笑しさ、安堵で自分がどんな表情をしているのか分らなくなってしまった。

「と、とりあえずっ」加代は仕切り直すように語勢を強くした。
「早く上がって着替えてください!そのままだと風邪引いちゃいますからっ」男に駆け寄り、手を引いて段に座らせる。
「あーもうこんなに冷えて…、すぐに湯と夕餉の支度しますねっ」
懐から白い手拭いを出して男に差し出し、まるでやんちゃして帰って来た子供に話すように言う。

すると「これを」と、どこから出したのか笹葉にくるまれた包みを手渡された。
「なんですか?」とほんのり生臭い匂いのする包みを開いていく。
「あ」
「鯖、ですよ」
包みの中には丸々と太って、如何にも活きの良さそうな青光りした秋鯖が数匹入っていた。
「どうしたんですかーこれっ」滅多にお目にかかれない珍しい食材を前に、加代は目を輝かせた。
「いつだったか、漁村に寄った時ですかね、そこで商売した時に、客になった漁師から薬代の代わりにと渡されたんですよ」
「銭でないなら薬を返してもらおうかとも思ったんですが、こういった旬物は最近じゃあ滅多に手に入らない。しかも生臭物はこの辺りなら尚の事、たまには加代さんに土産の一つでもと思いましてね」
男は濡れた腕や手を手拭いで拭きながら淡々と話す。

思わぬ贈り物に、加代はきゃあきゃあとはしゃいだ。
「じゃあ、これから早速料理しますねっ、これくらいあれば焼き物にも煮物にも出来るし、それから…」問いかけが楽しさからか独り言に変わっていく。
「よしっ、じゃあせっかく活きも良い事だし、今晩は塩焼きにしますっ」
すぐに用意しますから待っててくださいね、と奥へ戻ろうと踵を返す。

「加代さん」顔を拭いながら男は目だけをちらりと動かす。
「はい?」ふにゃりとした顔で加代が振り返る。
「あんたの嬉しそうな顔が見れて、私も土産を持って来た甲斐があったってもんですが、
久方振りに家に戻った主人に労いの一言もないんで?」

「あ…」加代の顔がぼわっと赤くなった。
お土産ではしゃぎすぎるなんて…あたし、まるで子供じゃない。
「おっお帰り、なさい。薬売り、さん…」
申し訳なさと恥ずかしさで上手く言葉が出てこない。

その様子を背後から感じて取れたのか男はゆっくりと振り返ってそっと微笑み掛ける。
「はい、ただいま、帰りましたよ」

*続く*

777:名無しさん@ピンキー
09/09/15 19:28:16 B/spZyd/
加世さんかわゆす
続き楽しみです

778:名無しさん@ピンキー
09/09/15 20:03:15 d2bggrrB
いつだったか手に入れた活きのいい鯖www
生ダコよろしく、その鯖もピチピチ跳ねてるんですね?

続き楽しみです

779:名無しさん@ピンキー
09/09/15 23:26:58 B0JV3tmA
わっふる!わっふる!

780:*秋桜〜四輪目〜*
09/09/16 01:10:36 fh5I5hB/
加世さんの名前を間違えるたぁ、なんたる失態
ちょっと滅されてくる。まったりのらくら投下御免。続き↓


膳の上に温かな料理が並んだ。
炊き立ての飯に汁物、冬瓜の葛かき、糠漬、そして鯖の塩焼き。
薬売りと加世は囲炉裏を挟んで向かいに座り、談笑する。

「もう少し早くに帰って来てくれたら、御馳走たくさん作ったのに」と加世は申し訳なさそうに言う。
「これで十分ですよ、どんな良い宿の膳もやはり加世さんの拵えたものにゃぁ敵わない」男はやや下、囲炉裏の火に視線を置いて静かに笑う。
「またそんなおべっか言ってー」加世は含みがあることも分かっていながらも照れてしまう。

「それにしてもこの鯖っ、美味しいー。お代わりしちゃおうっかなぁ」
「秋鯖は嫁に食わすな、なんてよく聞きますがね」
人の鼻につくのを知っていながら敢えて神経に触る事を言って愉しむのがこの男の意地の悪いところだ。
もうっ、と男を睨んでぷくっと膨れ、右拳を上げる。
「おっと」おどけながら男は身構える。

「そう言えば…この鯖ってどうやって持って帰ってきたんですか?ここから海までって言っても結構ありますよねぇ」加世が思いついた様に訊き、首を傾げた。
「ああ」箸を置きながら薬売りが静かに答える。
「薬箱ですよ。どうしたものか奥に仕舞うほど日持ちがいいもんで」さも当然の様に言う。
そう簡単に手をポンと叩いて納得など出来ることではないが、この男と一緒にいればそれが不思議と納得できてしまうのが恐ろしい。
そういえば、前に薬箱から蛸が出てきたこともあったっけ…。
「あはは、ほんと、不思議ですよねぇ」
「そうですかね」

こんなやり取りをしていたが、ふと加世がくんっと何かを嗅ぎつけた。
「なんだか…いい匂いしません?花みたいな、でも甘い良い香り」加世は鼻で香りの正体を探っている。その様子を見て、薬売りはまたも淡々と答える。
「ちょいと薬をね…調合してたんですよ、今回は結構売れたおかげで残りが少なくなっちまって」
湯に入り、夕餉の支度が出来る間のほんの一時に薬など作っていたのかと流石に感心した。が、その半面働き者というか仕事馬鹿というか、少し呆れながら言う。
「お仕事も大事ですけど、でもこんな時くらいゆっくり休んでてください?大体、薬売りさんはもっと自分の体をっ…」
「はい、はい」皆まで言うなと気遣いを遮られた。

少し不満だったが、これもいつものこと、それにこの甘い香りですぐに気分が不思議と和らいだ。
「でも、本当に良い香り…何の薬なんですか?」
「色々です。最近の客は苦いのは嫌だ臭いのは嫌だと注文が多い…。まぁ、作ってみたもののまだ効くかどうかは分かりませんがね」
「ふーん」加世は相変わらず香りを楽しみながら話を聞いていた。

そうこうしているうちに食事は済み、加世は後片付けに取りかかる。
「私、片づけてから休ませてもらいますから、薬売りさんは今日はもう早く休んでください」洗い桶の中で食器を洗いながら加世は言う。
「はい、はい」後ろから男のいつもの口調で返事がした。
「時に、加世さん」
「なんですかー?」後ろを振り向かずに応答する。

「今宵は冷える…。私が先に頂いちまいましたが、加世さんもゆっくりと湯にでも浸かって、早めに休んだ方がいい」
珍しく毒気のない温かい労いの言葉。
加代はそのまま、自分の心を悟られぬように微笑む。
「はぁーい、これが終わったらすぐにでもー」と顔と心とは裏腹に悪態をつく様に応えた。

薬売りは「ではお先に」と静かに立ち上がって寝所へ向かう。
そしてこの男も、また自分の心を悟られぬように小さく微笑んでいた。


*続く*

781:*秋桜〜五輪目〜*
09/09/17 18:29:09 jRI+BBIA
雨は勢いを弱めても相変わらず降り続いていた。
「ふぅー」加世は一日働き通しで少しくずれた帯を解いていく。
一日の締めくくりは、やはり風呂に限る。
胴を締めていた帯を外せば不思議と体が軽くなるのも楽しみの一つだ。
また、食事の時に漂っていたあの香りが微かに家の中に充満しているようで、
「家の中でこんな香りがしてたら毎日楽しくなるのにね」と独り呟いた。
最後の一枚を脱ぎ捨て、手拭いを携えると、カラリと風呂場の戸を開けた。

「っっっ!?」
「あぁ、またお先に頂いてますよ」
ピシャンっと戸を閉め直し、その場に座り込むと、加世は真っ赤になって中の男に言う。
「どどど、どうして薬売りさんが入ってるんですかぁ!!」
風呂場で反響した声が返ってくる。
「どうしたもなにも、今宵は存外に冷えて仕方がない」
「すっかり湯冷めしてしまったもんで、ついでに加世さんの背中でも流して…」
「余計なお世話です!!」
フーフーと肩を上下して呼吸をしながら加世が怒鳴る。

想定外に怒りを露にした娘に、少々気遣かわし気に、なだめる様な声で男が言葉をかける。
「でも加世さん、そんなところでそんな格好してると、それこそ体に毒ですぜ」
加世はただ黙っている。確かに寒い。
それにこんな床の上で、一糸纏わぬ姿で座り込んでいるのが恥ずかしくて仕様がない。
そして冷えた頭で、さっき咄嗟に勢いで言ってしまった言葉を思い返して、罪悪感と意地とがぶつかって中々動けなかった。

気まずい空間を、しばしの間沈黙と雨音が支配する。
「ふぅ」と一息入れ、男が折れたように言った。
「あんたに風邪を引いてもらっちゃあ困る。機嫌を直して、入って来ちゃくれませんかね?なあに、なにも取って食いやしませんよ」
柔らかな口調で手を差しのべられた気がした。
「…ほんと、ですよ?じゃあ、あっち…向いててくださいね」拗ねた様に娘が応える。


782:*秋桜〜続・五輪目〜*
09/09/17 18:36:00 jRI+BBIA
「もう、平気ですよ」薬売りは準備万端の旨を引き戸越しの加世に伝えた。
カラカラと先程よりもゆっくりと戸が開けられる。
ぴたぴたと水っぽい足音が静かに近付き、湯面が揺れた。
決して広いとは言えぬ湯船の中で、加世と薬売りの背が微かに触れ合う。

「やっと、入って来てくれましたね」
「だって、あのままだと本当に風邪引いちゃうし…それに薬売りさんが…」
加世はまだ少し不機嫌な様子でごにょごにょと小さくぼやいている。
「良い湯、でしょう?」加世の言い分を丸め込んで言葉を被せる。
「…うん、とっても気持ち良い」加世が少し間を置いて口を開いた。
「それに、この湯の色と香りって…」乳白色の湯を手ですくうと、気に入りの香りを吸い込んだ。

「薬湯、ですよ。こんな季節がらですからね」湯に手拭いを浮かべ、風船を作って手遊びしながら薬売りが言う。
「薬湯…、でもこれ何湯なんですか?たくさん香りが混じってて、こんなの初めて…」
「菖蒲に生姜、蜂蜜、柑橘の皮、汁、桃の葉…他にも少々」
「すごいっどれも高価なものばっかり!良いんですか?そんなの使っちゃって」ブッと噴き出して加世はいたたまれずに少し後ろに退いた。

「まったく、良い年頃の娘さんが…」はしたない、と薬売りが少々呆れて呟く。
「それに言ったでしょう。あんたに風邪をひかれちゃ、困る。それにこれを売り物にする気も毛頭…ない」
いつも肝心な所で天邪鬼なこの男に、こんなにも素直に優しくされて心臓が暴れる。

今日は何処かおかしい。
土産を持って帰って来たり、自分だけのためにこんな薬湯まで用意してもらえるなんて、何か含みがあるに決まっている。
そんな考えが引っ切り無しに浮かんでくるが、惚れた弱みかこの湯に中てられたか。
強気な眉に反して目がとろんと緩む。

『加世さん…』湯面が揺れ、名を呼ばれた。
ゆっくりと身体を回し、男に向ける。
いつの間にか向い合せになっていた。
「湯加減は、どうですかい?」目を細め、男は娘に訊ねる。
男の顔をまともに見れないまま、娘は俯いて問いに答えた。
「ぽかぽかして、あったかくて…とっても良い気持ち良い、です」

―それは重畳…言ったと同時に白く長い指が湯から伸びて来て、娘の顎をついと持ち上げる。
紅い化粧に縁取られた碧眼が目に飛び込む。
加世は動けない、目も反らせない。
この眼に、涼しい色をしている癖に、奥の奥では獣の目をした、妖艶なこの眼に見つめられて動ける筈などない。
「あ…」
「少し、温くなってきちまいましたね…。もっと熱く、体の冷えぬように」
ぐいっと腰が引き寄せられて唇と唇が合わさった。

*続く*

783:名無しさん@ピンキー
09/09/20 19:12:56 O4IBkzNz
薬売りが平然とエロいw

サバの入ってた薬箱は生臭くならなかったのかw
加世が年取るの気にし始めたら「ではどうぞ」って薬箱に大事にしまいこんだりしてなwww

784:名無しさん@ピンキー
09/09/23 17:18:15 QqcL1gFT
続きマダァ?(・∀・ )っ/凵⌒☆チン チン

785:*秋桜〜六輪目〜*
09/09/23 22:32:18 febpkNk8
修正やらしてたら遅れました。申し訳ありません。
相変わらずのスロー展開ですが、もう少しお付き合いください。

―ちゅ…ちゅぷっじゅるっじゅ…
白と藤色の間から伸びた赤く熱い舌が熟れた肉厚の桃を思わせる唇にかぶり付き、些か乱暴に舐る。
浅く、徐々に深く唇をなぞり、口内を掻き回し、舌と唾液とを絡めとっていく。
厚みのある唇から唾液が零れ、口付けの際も時折ぬるりと滑るので、逃がすまいと甘噛みする。

「ふっ…、ぅん」
娘の吐息と喘ぎが混じった艶のある声が反響し、駆け上がる男の情欲を煽った。
薬売りは唇を一層深く食い込ませ、加世を一気に白湯の中に押し倒す。
ザブンと大きく波が立ち、白い湯面には長い銀髪と、すっかり解けた黒髪が絡み合うようにうねった。
加世は突然の事に目を開き、反射的に胸元に挟まれていた腕に力を込め、身体を離して退き下がろうとする。
だが男の手はがっちりと娘の後頭部を抑えつけ、腰は更に引き寄せられて体はおろか唇さえ離せない。
そんな娘の気色を悟っても尚、男は口付けを止めない。
それどころか湯が入らないよう、器用に舌を差出し、引っ込めては絡めてくる。
湯の中で絡められる舌は、先程とはうって変わってひんやりとした。

温かい、冷たい…。感覚が鈍くなってくる。
頭が……重い…。何も、考えられない…。
加世の思考はぼやけていき、込められていた力がすぅっと抜けていく。
男も娘から抵抗の念が消えたのを感じ取ると、ゆっくりと腕の力を緩めた。
一瞬、男の唇が離れる。
『―っん』離れたかと思うとまたすぐに吸いつき、温かく甘い液体を口移された。
同時に拘束が解かれる。


786:*秋桜〜続・六輪目〜*
09/09/23 22:38:12 febpkNk8
『ぷはぁっ』ようやく解放されて、加世は湯面から勢いよく顔を出す。
一呼吸遅れて男もゆっくりと上体を起こした。
「…嘘吐き」加世が上気した顔で呼吸を整えながら静かに薬売りを睨む。
「嘘では、ありませんよ…。取って食いは、しなかったでしょう?」雫を落としながら、男は悪びれた様子も無く、くつくつと笑う。
既に十分食われた気がするが…。食わされたと言えば…。

「あれ、最後の…この湯ですよね。甘い…っ」言いかけて加世は異変に気付く。
喉の奥から腹部にかけて、液体の通った道筋が熱い。脈が、呼吸が速くなってくる。
「はっ…なん、こ、れ…薬売り…さん?」戸惑いを隠せず、先刻よりも一層潤んだ目で加世が男を見上げる。
濡れて張り付いた美しい銀髪の奥の眼が妖しく、真っ直ぐに狙いを定めたのが分かった。
「おや、忘れちまいましたか?『もっと熱く』、湯が温くなったなら温めれば良いだけの事」
それだけ言うと、薬売りは加世の黒く艶やかな濡れ髪の間を縫って頬に指を這わせた。

「まだ、冷えて、いますね」
すすす、と指が髪と頬を伝って右耳の付け根を指で挟み、耳朶とその奥の小さな入口を親指の腹で擦る。
湯の中からもう一方の手が伸びて乱れた黒髪をサラサラと梳かしながら首から肩、背中、腰へと移動していく。
「ちょ、温める…って、薬売りさ…ひゃんっ」
そのまま左の耳朶を犬歯で軽く噛まれ、舌がぺろりと縁や入口を這った。
ぞくりと加世は背筋をピンと張り、肩を竦める。
耳元で男の吐息が、舌と唾液の感触が、それだけで体の奥がきゅんと火照った。

腰に添えられた手が脇腹と下腹部の上をすり抜けてゆっくりと胸の膨らみを下から揉み上げる。
「んっ」ぴくりと加世の体が反応した。
口付けは耳からするすると首筋へと落され、強く吸われた。
湯に中てられてほんのり赤く染まった褐色の肌に一層濃厚な紅い花がぽつぽつと咲いていく。
白湯から褐色の肌が浮かび、そこに己が散らした紅が散るのを見るのは何とも愉しく、征服欲を高める。が、まだ何かあと今一歩の処で傍観的だった。

「ふむ…己もこの湯の気に中てられ始めたとは言え、少々、らしく無かったか…」
ちらと見ると、加世は眼を伏せて左下に俯き、唇から声が出そうになるのを必死に堪えているようだった。
薬売りは静かに息を呑み込んでその姿に見惚れる。
伏せられ、濡れた黒い睫毛が一層長く艶やかに光り、先には雫が溜まっている。
膨らみつつある快楽への昂りが娘の体を容赦なく染め上げても尚、唇を噛み、気丈に己を貫こうとする。
『―嗚呼、やはりこの娘は…』薬売りが愛おしげに笑う。
そして同時に衝動が沸騰した。


787:*秋桜〜七輪目〜*
09/09/23 22:54:58 febpkNk8
『欲しい。足りない、この娘の総てが欲しい。狂う様を、見たい』
内なる獣を加世に気取られぬように、静かに顔を湯に沈めた。
そして衝動を一気に叩きつけるように加世の膨らみの先端に吸いついた。

「んっっ、やっ」
今迄よりも大きく加世の身体がビクンと跳ね、薬売りの顔に手を掛けて引き剝そうと力を込める。
『させぬ』と更に強く吸い、ねっとりと舌で転がす。
予め胸をゆっくりと揉み上げていた手も先端へ移動し、長く整えられた爪の先で挟んで、摘まみ、擦り、軽く引っ掻き、といった甘い刺激を与えている。
押し寄せる快楽の波に力が入らず、薬売りの顔に掛けられた小さな手は震えながら添えられている風になった。

口内で愛撫される小さな実は徐々に硬く膨らみを増し、その様に男は静かに歓喜して耳朶と同じように軽く犬歯を突き立てる。
「あっ、あぁ」
加世はもう堪らず、声を洩らさずにはいられなくなっていた。
薬売りは水面下で確かに伝わる娘の体温と高速の鼓動、降り注ぐ嬌声に心を躍らせる。
そして白湯に揺らめく茂みを抜けた奥に狙いを定め、湯とは異なる蜜で濡れた割れ目を陰核へと擦り上げた。

「ああぁっ」
加世の身体が強張り、男の頭をきつく抱き締めて仰け反った。
見開かれた目からも湯水とは異なる雫が一筋、二筋流れ、加世は吊糸の切れた人形の様に湯の中へ頽れる。
その身体を薬売りが抱き抱えると、加世の虚ろになった視線と己の視線とを絡ませながら再度軽く口付けた。


*続く*

788:名無しさん@ピンキー
09/09/26 08:32:26 +zIMBIH3
入浴プレイと見せかけて、まさかの薬プレイとは。
こいつぁ・・・なかなか手強いw

焦らしプレイも嫌いじゃないが・・・
最近、夜はめっきり寒くてな、裸で正座もツライ季節なんだぜage!

789:名無しさん@ピンキー
09/09/26 16:21:36 vm3j73XB
>778
つ 足袋

共に寒さを耐え忍ぼう。

790:名無しさん@ピンキー
09/09/27 10:47:26 afDwx2vi
>788
つ 褌

とりあえずソコは隠せ、な?

791:名無しさん@ピンキー
09/09/27 21:29:53 YDr39Eyr
B地区も隠しなさい

つサロンパス

792:名無しさん@ピンキー
09/09/28 18:47:01 rlN/KPcy
ついでに目隠しなど

つ 紫頭巾


793:名無しさん@ピンキー
09/09/28 19:57:23 m77IB+TH
じゃあコレも要るよな

つ鞭

794:名無しさん@ピンキー
09/09/28 21:31:49 rlN/KPcy
それならコレも是非

つ 高下駄

795:名無しさん@ピンキー
09/10/02 00:09:57 0NAnym/5
いつのまにか788を弄るスレになっている件w
道具もそろったところで、話をもどそうか

続きマダァ?(・∀・ )っ/凵⌒☆チン チン

796:*秋桜〜続・七輪目〜*
09/10/02 00:34:08 AfV131p1
>>788-794
僭越ながら盛大に吹かせていただきました。
相も変わらず焦らして参りますが…
>>788さんの最終形態が気になって仕方がありませんです。はい。

おっとうっかりうっかり
↓続きです


797:*秋桜〜続・七輪目〜*
09/10/02 00:38:07 AfV131p1
ぼやけた焦点が徐々に合っていき、加世は己を抱えて気遣わし気に顔を覗き込む男の顔を認めた。
「は…くす…さ…?」軽く絶頂を迎えた反動で朦朧としたまま加世が口を開く。
男は安堵の表情を見せたが、すぐに顔を反らし、加世の目を見ようとはしない。
そして眉間に少し皺を寄せ、伏し目がちに一言だけ「申し訳ありません」と言った。

男の口から出た突然の言葉に、加世は益々勢いを増す火照りと上がる呼吸を抑えて微笑む。
「どう、して…?薬売りさんが…謝る、こと…」
―ない、と言いかけて言葉を遮られる。
「私は、いつも加世さんに何もしてやれない。あんたの笑う顔を見たくても、結局はあんたを泣かせてばかりだ」
己で己を御しきれぬのに苛立つ。
この娘は、加世は己には勿体無い程に尽くしてくれている。

『明日在り続けるとも分からぬ生命を、那由多の先までも待つ事になる』
己が眼前、見据えても尚、見えぬ物を延々追い続けて行くという事が、どれ程冷たく空しい物であるのか。
花は咲いてこそ…花。この花が旭日の下ならば大輪の花を咲かすであろうと分かっているから、寒月の下に身を置いて咲かぬ花などになって欲しくは無かった。
だが何度諭しても、加世はいつ消え失せるとも分らぬ己と共に生きる事を選んだ。
然し、ならばせめて、日の下で無くとも月下に咲かせよう。
日光より脆弱な、「光」とまで呼べる物では無いかもしれぬ。しかしそれが、己がこの娘になせる唯一の理。

『だが、この様は何だ』
自嘲じみた言葉で自ら思惑を遮った。
時々、考を巡らせてはあと一歩の所でいつも我に返る。
己は、見たく無かっただけなのだ。
己は、己が考えている程より無力で、脆いという事を。
与えているのは、与えられているのは、いつも…。
「薬売りさん…」
己を呼ぶ声に、はっと反射的にその出所を見遣る。
「私、大丈夫ですから、だから…そんな顔、しないで下さい」
己から滴っていた雫で濡れた娘が、潤んだ目で努めて明るく微笑みながら己を見上げている。
「加世さん、私は…」言いかけた唇にそっと指を添えられ、加世はただ静かに首を横に振る。そして口を開いた。

「なんで…今日あんなに濡れて帰って来たんです?傘、持ってましたよね?」
突拍子もない問いに、男は柄にも無く鳩が豆鉄砲を食った様になる。しかしすぐにいつもの様に静かに答えた。
「傘など、悠長に広げている間も惜しかった。ただ早く、加世さんの顔が、見たかったんですよ…土産も無駄にしたくは、無かったですしね」
薬売り自身、薬湯に中てられたのか、普段よりも率直に己の心中を明かす。
嬉しくなって、加世は目を細めてふふっと笑った。

「それに…」男は言葉を続ける。
「私が加世さんに出来ることなど、其の程度の事ですから」いつもとは異なる部類ではあるが、やはり肝心な所で鼻につく事を言うこの男。
パチっと軽く頬を叩かれてそのまま優しく添えられる。
「薬売りさん…ばかです。私が、お土産であんなに喜んでたって思ってるんですか?確かに、すごく嬉しかったけど、でも…」加世が静かに言葉に力を込める。
「私は…私にとって、薬売りさんが無事に帰って来てくれた事が一番のお土産なんですよ…。今此処に居てくれて、傍に居てくれて…ありがとう、ございます」
どくっと大きく男の心臓が跳ねた。


798:*秋桜〜続・七輪目〜*
09/10/02 01:04:11 AfV131p1
頬に添えられた小さな手が白い輪郭をなぞって確かめるように行き来する。
そして自然と、互いの身体を密着させていった。
加世は薬売りの見掛けよりも些か広い背に精一杯腕を回し、薬売りも幼子を守り抱く様に、加世の頭と背に手を回す。

「薬売り、さん…」娘の熱い吐息が耳に掛かる。
娘の豊かな胸の膨らみが白い胸板に押し潰され、呼吸の度に形と感触を変えては擦れた。
「私が、こんなこと言うの…恥ずかしい、けど…私…」堰が切れた様に加世の呼吸が上がる。
ぎゅっと白い背に圧力が掛かり、耳に唇が触れて一瞬ぴくりと動く。

「今、薬売りさんが……」
男は湧き上がる衝動を抑え込んでその言葉を今か今かと待つ。そして、暫しの沈黙の後にそのか細い声を聞き取った。

「すごく…欲しい、です」
血液が、全身がぞわりと波立つ。
その波が自らの息をも飲み込んで、深部で己自身を絡め取っていた鎖縄を、音も無く千切った。
熱を帯びた男の吐息がゆっくりと吐き出され、普段変わり無い、心地良くも危うい低声が加世の耳元に降り掛かる。
「……知りません、ぜ」

ぎくりと加世は火照る体に不釣り合いな悪寒を感じた。
『あ…私、まずい事言っちゃった、かも…』慌てて加世は取り繕う。
「あ、あのっ、いっ今のは弾みで言っちゃったって言うかっ…そのっ…っふむん」
言ってる傍から言わせぬと言わんばかりに口に人差し指を突っ込まれた。

『また、甘…』心地よい味に本能的に唾液がじわりと滲み出で、舌が僅かに動いてしまう。男はそれを逃さない。
「おや…随分と、この味がお気に召したようで。しかし、私の指までそんなに舐められては……どれ…」
色情に濡れた言葉が紡がれ、加世の羞恥を含んだ心持は奥へ隅へと追い立てられて行く。
「ん…くっ」息が苦しい。指を突っ込まれているからというだけでは無い。
ぬるりと口内を動き回る指から甘味と香りが鼻腔へ抜けて、頭へ甘美な刺激がじりじりと昇る。
「では私も、味見と…参りましょうかね」
そう言うと、紅く痕が残る首筋を顎の下から鎖骨へ、猫が仔を舐める様にねっとりと舐られた。


*続く*



799:788
09/10/02 19:26:27 0NAnym/5
待ってました抱擁力のある加世がたまらん
次も正座して待ってるからぁ///!

だれかまともな防寒具をくれないか?w

800:名無しさん@ピンキー
09/10/03 00:39:46 5bv3pujR
よかったらどうぞ

つ 大胸筋矯正サポーター

801:名無しさん@ピンキー
09/10/04 23:02:27 hr3VgI2e
これも使って

つ5本指ソックス

802:名無しさん@ピンキー
09/10/05 03:18:22 ny6qI/5W
寒さを防ぐなら毛がついたやつがいいかね

つ猫耳

803:名無しさん@ピンキー
09/10/05 04:23:00 oRlsPaVs
風邪をひいたら大変ですから

つサージカルマスク

804:名無しさん@ピンキー
09/10/06 23:24:29 Lztg29//
まだ寒そうだな…特に首の辺りが

つ ネギ

805:名無しさん@ピンキー
09/10/07 18:35:03 WHg1LXIx
寒い時期は革が良いよね。

つ 野球グローブ

806:名無しさん@ピンキー
09/10/08 00:54:20 eTN3hIDJ
こいつの防寒能力なめんな

つ 黒タイツ


はいドーン

807:*秋桜〜八輪目〜*
09/10/10 02:18:09 ohUFAni9
敏感になった、湿った肌の上を舌が這う。
男の舌の動きに合わせて喉元をつうっと指が下った。
首に触れられる事は、本能的に畏怖の念を抱かせる。
びくりと加世は肩が竦み、声を上げそうになるが、指を入れられている為に声を出せない。
堪らず声の代わりに薬売りの指を強く吸う。

「おっと…噛み付かないで、下さいよ?」薬売りがからかう様に言って濡れた指を抜き取った。
そしておもむろに加世の手を湯の中から掬い上げる。
薬売りはその手を見つめて目だけで笑うと、その指先に集まった玉の滴を加世の指ごと口に含んだ。
「あ、あの…薬売りさ…」加世は言い掛けるが、抵抗する事は無かった。
白露を、それが染み込んだ指を、丹念に舐め、軽く噛み、吸う。
指先の感覚も研ぎ澄まされているせいか、快感とは異なるものの何処かくすぐったい様な感覚で、身をよじりたくなる。
薬売りは時折、ぴちゃりちゅぷりと故意に音を立ててはどぎまぎする加世の様子を楽しむかの如く目を細める。
そして指を一層強く吸うと「大層、甘い…ですね」と、意地悪そうに含み笑いを浮かべた。
それに加世が羞恥で耳まで染めているのを認めると、満足したのか指先に軽く口付ける。
そのまま目を伏せて、静かに唇が動いた。

「加世さん…加世さんの理、もう一度、お聞かせ願いたく…」
伏せた暗闇に、ぴくりと手の中の指が跳ねた。
今この手の先で、加世は目を見開いてひどく赤面しているのだろう。
この娘に、それを再び口にさせる事は酷かもしれぬ。
この娘の、己への情を疑う訳も無い。
ただもう一度で良い、確かな証が、許しが欲しかった。

『臆病者め』と何者かが吐き捨てる。
『だが、これで良いのかもしれぬ』とまた何者かが言う。
否、これで良いのだ。この娘に臆病者だと気付かされ、また臆病を恥じる必要も無い事をも教えられた。
当人は、恐らく気付いてもいないのだろうが…。
その娘に、これ以上臆病を晒す事を臆して何になる。
薬売り自身、己の鼓動が一刻み毎に深く、ゆっくりと脈打ちながらも、奥底で何かが蝋燭のように揺らめいているのが分かった。
『懼れて、いる…?』これは、本当に随分と気が小さくなったものだと咲った。

その時、小さな温もりを包んでいた手を、新たな温もりが包み、絡ませた。
眼を開けると、加世はその手を見つめて穏やかな微笑みを浮かべている。
そしてそっと視線を上げて、強くも、潤んだ柔らかな眼差しで薬売りを見据えて言った。
「私、薬売りさんを…もっと、感じたいです」
加世の面持ちに、言葉に、それまでにあった恥じらいは無かった。

否、恐らくは”あった”のかもしれぬ。
殊に、この様な事には人一倍過敏な娘だ。
だがそれさえも凌駕したのだろう。
それは自身の理を伝えんとする意志の強さか、または情の深さの表れか…。
薬売りが応える様に微笑んで手を引く。


808:*秋桜〜続・八輪目〜*
09/10/10 02:22:09 ohUFAni9
「では…来て下さい」自らの両の肩に加世の手を置かせた。
すると、「あの…」と加世が言い難そうに口を開く。
「ああ、これでは見当も付きません、ね」
ふっと笑いを洩らして、加世の手を取り、「ではこれで、どうですか?」湯の中で熱く反り上がった物に這わせた。
それに触れた一瞬、躊躇った様に委縮した加世の指がするすると形をなぞる。

薬売りの身体がぴくりと動いた。
徐々に確かめるかの如く、根元から頂へ、指の動きに合わせる様に加世の上体が白湯に沈み込んで行く。
そして肉幹の先端が充分過ぎる程に濡れそぼった割れ目に分け入った。
一瞬、加世は動きを止めたが、息を軽く吸い込むと目をきゅっと瞑って身体を一思いに降ろした。
蜜と湯で満たされた女陰は、普段のそれよりも容易く男を受け入れ、尚且つ激しい刺激を与える。

「あっあああっ」
加世の叫びにも似た嬌声が浴室にこだまする。
加世は薬売りの肩にぐっと力を掛ける。
普段なら動いて互いを求める所だが、この湯のお陰で挿入しただけでもこれなのだ。動ける筈は無かった。
すると、薬売りの腕が加世の腰を抱える様に支え、ふわりと持ち上げられた。
そしてそのまま体を落とされ、下から突き上げられる。
「あっやああ」
突き上げられる度に水が流れ込み、肉幹と共に膣内を掻き回す。
水圧が奥を一層強く刺激して押し上げ、慣れない快楽に身をよじる。

「あっ…はっ、んんふっ」
突然、唇を奪われて塞がれ、加世の潤んだ目から涙が零れた。
じゃぶじゃぶと湯が跳ねる音、じゅっちゅっと唇から洩れる淫らな音、性質の異なった水音が鳴り響く。
口付けを止めて薬売りは加世の頬を伝った線の跡をぺろりと舐め取る。
そして、空気を貪る様に天を仰いだ加世の胸元に顔を潜り込ませると、ぴんと立ちあがった粒を口に含んだ。
「んっぁあ」加世はぶるぶると震えて薬売りの首に手を回してしがみ付く。

「くす…り売りさんっ薬売りさぁんっ」加世はしがみ付いたまま、男を呼ぶ。
熟れた果実の様に柔らかく、ぬるりと滑るかと思えば締め付けられる。
気を緩めれば直ぐに達してしまいそうになる。
薬売りは答える代りに、揺れる豊かな乳房に強く吸い付き、一つ痣を付けて加世を抱きしめる。
「加世…さん」
薬売りの速くなった、熱気を帯びた吐息が加世の掛かる。
「薬売りさ…私っ、も…だめぇぇ」
薬売りも辛そうな面持ちだが、もっと、更に早く、強く、突き上げて腰を中の膨らみに擦りつけた。
それに呼応するかの様に、加世もまた、男を強くきつく締め付けて来る。

快楽による意識の浸食は瞬く間だった。
「あっあぁあああああああ」
「くっ…」
身体を、意識ごと搾り取られるような感覚と共に、意識を、身体の奥を、突き抜けるような快感と共に。
とろりとした熱い精が放たれ、娘の内に流れ込む。
加世は薬売りの頭を抱え込んだまま仰け反ると、くたりと薬売りにもたれ掛かる。
薬売りはもたれ掛かる娘の身体を静かに支えると、愛おしげに頭を撫で、目を伏せた。


809:*秋桜〜九輪目〜*
09/10/10 02:27:17 ohUFAni9
ちゃぷんと水が跳ねる。
浴槽の縁に肘を置き、そこに頬を乗せて不満気にしているふくれっ面の娘。
「そろそろ、機嫌を直してくれませんかね」
その後ろでは男が悪びれた様子も無く、文字通り平謝りで娘のご機嫌取りをしている。

「その台詞、さっきも聞きました。薬売りさん本当に悪いと思って無いですよね?」
娘が振り返って、責める様に男を見遣る。
「しかし加世さん、先程は<謝る事は無い>と言ってたじゃあないですか」
「それとこれとは別ですっ。全くもう…誰のせいでお風呂沸かし直したと思ってるんですかぁ」
加世の半ば呆れた叱咤にも、薬売りは眉一つ動かさない。
「まあ、まあ、今度は本当に良い湯でしょう?」それどころか口も減らない。

「それは、そうですけど…。ってそうじゃなくて、というか、なんで媚薬なんか入れたんですか!」
ふにゃりとしたりふくれてみたり、加世はまるで気が休まる所が無い。
「いやぁ、派手に雨に降られたものですから、薬が湿気て売り物にならなくなってしまったもので。加世さんが鯖で喜んでるのを見て、少々私も、御相伴に与れない物か…とね。」
薬売りは加世の百面相を楽しんでいるかの如く更に悪びれず言う。

「薬売りさんの馬鹿!助平!もう知りませんから!」
加世は真っ赤になって湯を男にばしゃりと掛け、再びそっぽを向く。
「やれやれ…」とびっしょりと濡れた男が張り付く前髪を手で除けながら呟く。

「今度は、いつ帰って来るかちゃんと教えて下さいね。御馳走、いっぱい作って待ってますから」
加世が背中を向けたまま言った。
薬売りは驚いて一瞬大きく目を開くが、直ぐに穏やかに目を伏せて微笑む。
「そう、ですね」
「それと…良かったら、また薬湯、作って下さい。媚薬入りのはもう懲り懲りですけど、あの香りは好きだから」
「はい、はい」
思わぬ要望に嬉しく思ったが、それを悟られぬ様にいつもの様に返事を返す。

「今回は、いつもより長く、家で休んでいってくれますよね」
「そうですね」
加世がくるりと振り向いて笑う。
「だったら、今度は私、ゆっくり背中でも流しますから」
薬売りは笑う様に目を細めると、静かに天井を見上げた。

加世はこんな日々が続いて行く事を祈る。
毎日続かなくても良い。少しずつ、太く短く。
―貴方が今、ここにいる喜びを…紡いで、長く永く、もっと、もっと。
雨音はいつの間にか消え、辺りには虫の声と、秋の桜が静かに風にさやいでいた。


*終わり*

810:名無しさん@ピンキー
09/10/10 02:39:44 ohUFAni9
皆様のお陰でなんとか終わることが出来ました。
ここまでお付き合いして下さって本当にありがとうございます。

職人さんすげぇ。
やっぱり自分に書き手は難しかったみたいです。
申し訳ついでに蛇足補足をついでにちょいと…すいません

秋桜はコスモスの和名だそうです。
花言葉は「乙女の真心」「愛情」「優美」。
こんな加世さん主体の話が出来たらいいなぁ
と思ってたらただの駄目夫と実はしっかり者妻の夫婦漫才と化してました。
過去作品巡礼して来ます。

>>799-806
GJ…ですよ…
絵に描いてほしいくらいw

811:名無しさん@ピンキー
09/10/10 08:36:11 CztE4FvN
職人GJ!
加世ちゃんかわゆくて
薬売りがエロい
エロかわいい作品でござった。

また新作できたら投下してくだされ。

812:788
09/10/10 19:55:35 29NB1pSl
GJ!
こういう夫婦モノのもいいな。
ヘタレてるくせにしっかりエロいことかます薬売りもいいが。
精神的には薬売りより大人な加世に 萌 え るw
新作も出来れば・・・期待してます!

防寒具ありがたく使わせていただきましたありがd!
重ね着には迷ったけど
>褌>5本指ソックス>足袋>黒タイツ>高下駄、この順に着用したよ。
股がモゴモゴするんだけど(性的な意味でなく)

813:名無しさん@ピンキー
09/10/14 03:44:56 mhmy04mE
遅ればせながら乙乙GJ!
久しぶりに投下を待つ楽しみが日々に加わったよ
しれっと風呂先回りしてる薬売りが大変良かったw

814:名無しさん@ピンキー
09/10/25 02:19:06 qsa02G3C
ほりごたつ

815:名無しさん@ピンキー
09/10/26 23:36:08 a2CAGxlE
>814
どうした寒いのか?
一緒に過去ログでも読んであったまろうか。

816:名無しさん@ピンキー
09/11/02 00:55:17 itL+hfjD
保守

もう11月だね
冷えてきたし、冬になるとayakashi〜化猫が観たくなってくるよ

817:名無しさん@ピンキー
09/11/02 00:59:26 itL+hfjD
sageてしもうた

一気に寒くなってしまったorz

818:名無しさん@ピンキー
09/11/02 03:23:40 F6zL2TCq
化物語のあのキャラを薬売りにしたい
声同じだし
役回りも同じだし

819:名無しさん@ピンキー
09/11/10 14:09:38 9GSoTEW2
猫と一緒にこたつで丸くなる薬売り
犬と一緒に雪の庭ではしゃぐ加世
一人寂しく仕事で立ち見番の小田島様

どうしても小田島様にはサラリーマンの哀愁が似合うと思ってしまうw

820:名無しさん@ピンキー
09/11/13 19:52:16 P8Puu2ov
>立ち見番
それじゃサラリーマンじゃなくて
警備員のおじちゃんじゃないか?w

821:名無しさん@ピンキー
09/11/17 09:26:32 0aHU2awK
>立ち見番の小田島さま
顔と腕だけまっくろ日焼けになってるんですねw

822:名無しさん@ピンキー
09/11/19 02:27:47 UnrWUZiT
> 日焼け
だが顎は青い。これは譲れん。

823:名無しさん@ピンキー
09/11/20 10:22:01 SJ6o+ls/
>顎は青い
吹いたm9。゚(゚^Д^゚)゚。プギャーハハ八八ノヽノヽノヽノ \ / \/ \

824:名無しさん@ピンキー
09/12/01 00:36:39 PuF9IeaL
あえて空気読まずにリレーの続き。



つい先程まで生娘だった体に、三方から容赦なく精が注がれた。濁った体液でまだらに染められた肢体に、薬売りたちは満足するどころか更に昂ぶってしまう。胸や背中をくまなく埋める赤い目玉模様が燃えるほど熱い。
交合と言うより手篭めの様相を呈してきた行為に、しかし肝心の娘は抗議するどころでなく、身を冒し心まで侵されそうな悩ましい苦痛に悶え泣く。助けて、と切れ切れに訴える口を、耐え切れぬとばかり薬売りの一人が奪った。
「んんーっ!」
下半身で別の薬売りの手がつるりと尻の割れ目に手を這わせ、すぼまった穴の周りをくにくに押すと、拒絶の言葉も許されず、加世は大きな目をさらに見開く。暴れようとする膝の丸みは左右それぞれの薬売りに太腿ごと抱え込まれ、甘噛みに牙を立てられた。
若い裸体に精液を飛び散らせ、大きく広げられた脚は男に絡めとられ、薬に体内を犯されて、加世は再び秘所を薬売りらの目に晒す。
――実に、物欲しそうな……。
よだれを垂らしてひくつくのは、加世のソコか薬売りらの欲望か。
ぬるりと愛液を尻穴の周囲に塗り込んで、薬売りの指はいよいよ加世の花弁に戻る。ふにふに弄ると加世の入り口が更にひくついて、押さえつけられているのに腰が揺れた。
つぷり、と薬売りの指が沈むのと、上の薬売りが加世の口を解放するのとは同時だった。
「ああぁーーーーーっ!!」
甲高い悲鳴が迸り、加世の背が弓なりに反って跳ねた。薬売りの指はきつく締めつけられ、絡みつかれて、熱く激しくしゃぶられる。肉の蠕動をしばらく味わい、薬売りはおもむろにその指を引き抜いた。
「あっ…いやぁ……っ!」
加世が鳴く。
責め苦の中で正体も知らぬまま求めていたものへ、身も世もなく飛びついた。
「いやっ、お願い! 入れてぇ……っ!」
「痛くは、ないですか」
気遣うフリで焦らし苛める声へ、気づく余裕も最早ない。



とここまで。

825:名無しさん@ピンキー
09/12/06 22:02:41 jN6CTKUP
続きマダー?

826:名無しさん@ピンキー
09/12/07 06:50:42 CGtPYA0j
>825 同意

すごく…滾ります!

827:名無しさん@ピンキー
09/12/08 07:12:23 4VzeJplw
リレーキタ - .∵・(゚∀゚)・∵. - ッ!!

あきらめかけてたから嬉しい!

828:名無しさん@ピンキー
09/12/11 23:06:47 aowopJJu
「痛く、ないっ、からぁ……っ」
身を炙る苦痛にか、大きな目玉からこめかみへ、つるりと涙が零れていった。
ふっくらした唇に「おねがい」されて、薬売りらは競い合うように甘い吐息を貪る。次から次へ、息つく間もなく舌を差し入れ翻弄しながら、一人がおもむろに身を寄せると、指よりはるかに大きな熱量をゆるゆると加世の中へ沈めた。
「んむぅぅぅーーっ!」
暴れようとする体を押さえつけ、薬売りらは情欲に濡れた目で女の体を視姦する。了承もなく身の奥へ押し入った雄の欲望が、あぁ、と切実な吐息に変わった。火照った指先が気遣わしげに加世の頬から顎、首すじを撫でる。
「……痛い……です、か?」
訊ねはしても、別の自分が口内を犯し、味わうのを止めはしない。必死に何かを訴えようとする視線を気づかぬふりで、薬売りは腰を引くと猛る凶器を再び深みへと沈める。
「んんっ、むぅーっ!」
男とは違う造りをした体は、本能に従って熱塊をくわえこみ、きつく締めあげてなお奥へと導くように蠢く。脊髄を駆け上がって脳を掻き乱すかのような快楽に、自然、薬売りの抽挿は早くなっていった。
くぐもっても途絶えることなく耳に届く声は、快楽の喘ぎだろうか、それとも無体への悲鳴だろうか。
繋がった意識の底は愛しい唇を解放させずに聞きたくないものを封じ込める。今更止まれない。心を求めていたはずが、背徳感がかえって興奮を煽る。
「――っ、は、」
「んんーーーーっ!!」
どぷっ、と熱い精を吐き出して、ほのかに赤く染まった耳と目元を震わせ、薬売りが果てる。
別の一人がこくりと喉を鳴らして生唾を飲み込み、イった薬売りを押しのけるようにしてぐったりと脱力した加世の体に覆い被さった。
紅色を呈した秘裂から、とろりと白いものが溢れて糸を引いている。
「加世……っ」
柔和の名残も留めず荒々しくその名を呼んで、二人目が細い娘の体へ性器を突き入れた。



輪姦ムズい。

829:名無しさん@ピンキー
09/12/14 18:09:17 onjSnGeJ
GJ!
ぐっじょぉぉぉぉぉぉぶ!
続きを裸正座で待ってます!!

830:名無しさん@ピンキー
09/12/14 19:08:52 ZxJKKuDS
おぉっ!久しぶりに覗いたら大変な事に! GJ!

輪姦ネタとして 腋窩性交 という技を最近知った
気が向いたら使って頂けませんか職人様w
加世の二の腕は乳並みにイイ感じだと思うんだがww

831:名無しさん@ピンキー
09/12/19 00:53:01 5uDU6OH9
>>830


二人の薬売りが結合した加世の体を左右から引きずり起こし、挿入した薬売りが上の口も奪った。深く、いつ終わるとも知れず何度も角度を変えながら、下からも突き上げて加世を揺さぶる。
ぐちゅぐちゅと、精液と愛液が加世のナカで混ぜ合わされ、押し入った肉棒に掻き出されてはとろりと溢れる。
そんな中、薬売りらは加世が抱きつくことを許さなかった。
放り捨ててあった自らの赤い帯締めを手にすると、突き上げられて大きく揺れる胸の膨らみの下を通し、二の腕ごと縛り上げる。今度は胸の上を通して、もう一本。
「んんーーーっ!?」
逃げようとする両手を捕まえて後ろ手に縛ると、前の二本へ器用に端を通し、結び目を作る。
「……ほぉ」
「こいつぁイイ」
「思った以上に、似合います……ね」
熱を帯びてしっとりと汗ばんだ色の濃い肌、あちらこちらに男が吐き出した欲望の痕、そこへ紅の紐を掛けられた体は、本人の意思はどうあれ淫靡以外の何ものでもなかった。
雄の目で舐め回して、頬を伝う涙を啜り、耳をかじる。
「綺麗ですよ、加世さん」
「まったく」
「……実に、いやらしくって、ねぇ……」
「最高……です、よ」
「んっ……んんぅ……っ、」
首すら振れずにいる娘の背後から、ぴったりと体に寄せられた腕との間、脇の部分に、立った姿勢で薬売りらは左右に分かれると肉棒をねじ込む。
豊かな胸に負けず劣らず柔らかな女の肉に包まれて、低く呻いた。肩を押さえ込み、最初から激しく腰をぶつける。先走りの汁ですぐにそこはぬるついて、娘の体がびくんと揺れた。
「加世さん」
「加世さん」
両足は別の二人が抱えて、ちゃぷちゃぷと小さな足の指を舐め回す。
幾筋も涙を零している娘の黒々とした両目は、焦点を失い始めていた。
唾液の糸を引いて解放された唇は、甘く高くよがる。加世の下の薬売りが寝転がると、別の薬売りがすかさず赤い紐で強調された膨らみを弄った。
白濁液をつんと尖った乳首に塗り込み指で震わせると、首と背中を弓なりに反らせて加世が啼いた。



読み方すらわからなかったんだぜw

これで何人?
素股、パイズリ、手で二人、普通に一人、今してるのが三人で計八人か。
……まだ順番待ちいるっぽいなw


次ページ
最新レス表示
スレッドの検索
類似スレ一覧
話題のニュース
おまかせリスト
▼オプションを表示
暇つぶし2ch

3647日前に更新/486 KB
担当:undef