モノノ怪でエロパロ 2札目 at EROPARO
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[前50を表示]
700:名無しさん@ピンキー
09/03/18 01:03:37 fVplrWyQ
保守じゃ

701:名無しさん@ピンキー
09/03/18 20:57:15 5P8HHqoq
sageてどうする

702:名無しさん@ピンキー
09/03/25 14:14:13 GKct9DJk
保守

703:名無しさん@ピンキー
09/03/25 22:23:50 66iMVCzM
監禁陵辱墜ちる系で、市川節子が福田市長に犯される話が読みたい。
愛用のカメラで恥ずかしい写真とられて、カストリ誌に顔出しで載せられたりすればいい。
プライド高いからうってつけだと思うんだが、探してもないんだよなー。

704:名無しさん@ピンキー
09/04/03 04:41:11 Bz84Mx1d
圧縮が近そうなので、保守

705:名無しさん@ピンキー
09/04/03 12:30:38 thzaTJK4
>>704
なれば上げい

706:名無しさん@ピンキー
09/04/03 14:12:38 uyLMxl76
あげ

707:名無しさん@ピンキー
09/04/13 04:32:51 wK1ln9c/
保守あげ

チヨが、客にキネマに出してあげるって言われてのこのこついてったら
変態爺含む複数の男に入れ替わり立ち替わり犯される、てのが読みたい。
キネマ時代にポルノはあったんだろうか。どんな娯楽もまずエロありきだと
思うが、無声じゃ厳しいか。

708:名無しさん@ピンキー
09/04/15 23:16:38 JxuIJ3nk
そのむかしブルーフィルムというのがあってだな・・・

709:名無しさん@ピンキー
09/04/17 23:51:47 P/mWOlRk
kwsk

710:名無しさん@ピンキー
09/04/18 22:54:25 PABi+qr1
そのまんま、無声映画時代のポルノのことだよー
チヨ倫姦見たいねw

711:名無しさん@ピンキー
09/04/26 12:11:15 s+bwdY6U
ほしゅ

712:名無しさん@ピンキー
09/04/26 22:25:58 31uSgeYz
美形アイドル チアリーダーが脱ぐいでいる動画。画像が
無料で見れました。
URLリンク(www.freepe.com)

713:名無しさん@ピンキー
09/04/30 13:27:04 DP2Zs0mo
ウィルスにマジレスもなんだが、チアリーダーは薬売りやハイパーと同じく絶対領域がいいんじゃまいかほしゅ

714:名無しさん@ピンキー
09/05/03 02:05:51 cUfT1/lb
すっかり過疎ってるな・・・
第三期でも映画化でも何かやってくれマジ

715:名無しさん@ピンキー
09/05/03 07:47:22 Em4AO0pD
過疎ってるっていうより
職人さん達が忙しいだけなんじゃないか?
・・・と思いたい

日産サイトに裏できた
だがしかし
パス請求できない俺チキン。


716:名無しさん@ピンキー
09/05/09 12:50:05 6JG8d+Zm
江戸の春画にはジジババが題材のもあるそうだ
守備範囲広すぎるだろ日本人

というわけで、坂井の爺×万屋女将とか・・・いややっぱいらねw

717:名無しさん@ピンキー
09/05/09 23:14:27 y/b6X0ig
海坊主でいくさ船なり海座頭なり呼んじゃった犯人は、他でもないげんすい和尚様。
じゃあお庸さんはどうなったかというともう魂になって兄様が自分を許すのを待っていただけだったのよね。
黙って死んじゃったのは可哀そすぎるなあ。てなわけで稚拙ながら一本。


『お庸の行方』

五十年前の総称の粋を集め、絢爛豪華をきわめて作られた“うつろ船”。
蟻一匹はいる隙間もなく閉じられたその箱の中に、その少女はいた…。

熱き恋心をたずさえ、堪え忍ぶ生に見切りを付け、進んで旬の身体を闇の中に投じた少女。
その名はお庸。

静かに般若心経を唱え続ける彼女を見そめた者がいた。

うつろ船は深海の潮の流れに乗せられ、南の海に引き寄せられていた。

深海の水圧で気を失っていたお庸が目を覚ました。
もううつろ船は揺れていなかった。もう二度と感じることのない陸地の感触をその身体は感じた。

いきなり船の中に大音響が響く。何かを打ち付ける音、擦る音、木が擦り剥けるザリザリという音がした後蓋は開いた。

お庸の眼前には待ちに待った極楽浄土が広がった。

718:あかしそ
09/05/09 23:31:41 y/b6X0ig
「恐れなくても良い。恐れることはない。出てきなさい。経を唱えていた者よ」

丸く開いた船の出口から、若い男の声がした。

二度と見ることはないと覚悟していた陽光が目に痛い。
ふらつく足取りをものともせず、船を出るなりお庸は仏の前にひれ伏した。
「我の名は仏ではない。ここは人の世とも極楽浄土とも違う我の城。その犠牲の訳、お教え願いたい」
「…あなた様は?ここはなんという国ですか?」
「我が名はニライカナイ。竜宮の国の皇太子」
衰弱激しく、お庸はそのまま気を失った。

719:あかしそ
09/05/10 00:09:28 E/NI3oYH
カナイはお庸を片時も側から離さなかった。
お庸に生きる意志は無かった。薬、酒、食べ物も拒否した。

ここの物を食べれば、肉体もそのままで竜宮で生き続けられる。
しかし食べなければ、肉体は生き続けられない。
その魂は極楽か地獄の使者が迎えに来る。竜王にはその判断をする権限があった。

夢うつつのお庸の耳に、傍らで話すカナイの声が聞こえてきた。
「父上、我に皇太子の任を辞する許しを下さい。お庸に心乱れるのが止められません」
「龍神のそなたが心乱れることで、海は実際に大荒れ、船と共に沈んだ魂が増えておる」
「その者達の魂だけでなく、帰りを待っていた家族の嘆き、糧を失い後を追った魂の嘆きも聞こえます」
「任を辞してどうする」
「お庸の魂と共にどこまでも海をさまよいます」
「執着が…しかも実の兄と通じ合う願いをまだなだめておらぬ執着があまりに強すぎて
本来なら行ける極楽浄土にも迷うて行けなくなっておる。そこをカナイがここへ引き寄せてしまった。
執着を断ち切るようなだめ切れなかったのは悔しかろうが、成仏できないのもこの娘の選んだ道
ここの物を食べていないのも幸い、そなたは心を括って、後を観音菩薩にゆだねてはくれまいか」
「…父上、今しばらくの時間をたまわりたく…」
竜王は立ち去っていった。

替わってカナイの侍従が、カナイに湯に入るよう勧めた。カナイは返事だけをし、動かなかった。
お庸はまた長い眠りに着いた。

目が覚めたお庸は、カナイに初めて自分から願いを口にした。
「体を清めたくおもいます。湯に連れて行っていただけませんか」

720:あかしそ
09/05/10 00:35:18 E/NI3oYH
どこまでもどこまでも天井が高い洞窟の中には
海底火山の熱を引いてきた温泉がこんこんと湧いていた。

カナイはお庸の細くなった体から黙って着物を落とし、抱きかかえて湯に入っていった。
湯の中でカナイは正体を露わにした。
緑の鱗をらんらんと光らせた竜の姿になった。
「そのまま…そのまま私を食べてくださいませ…。私の身でお心が静まるならもう海に捧げた身、惜しくはございません」
「みなまで言うな!」
カナイの唇がお庸の唇を塞ぎ、白い肌には緑の尾が巻き付いた。
我に返ったカナイは青年の姿に戻り、唇を重ねたまま手頃な岩にお庸を押しつけた。
カナイはお庸が拒まないことに初めて気が付いた。

そのころ人の世の海は、人々の願い通り、穏やかになった。

721:あかしそ
09/05/10 01:03:44 E/NI3oYH
お庸の身体をカナイの唇が這っていた。
首、乳首、太股、要所、要所でたまらず声を出した。
「どうぞお好きなだけ…お好きな…あ…ああっ……どうぞ…お望みのままに…」
「その願い、永久に叶えようぞ…」
「うっん…んん…ああ………カナイさま!」
カナイの頭はすでに湯中に沈んでいた。
その唇は手指と共に少女が抗えない場所を這い、吸って、揉んで、掻き回していた。
「時は止めた」
「……ぁぁ、カナイ……さ…ま!」
「その煩悩、尽き果てるまで」
「は……あぁぁ…カナイ、さまが、あつい…です…」
「幾度でも幾度でも」
「…おかしく…なり…そうです…んん!」
「果てるが良い!」
「!!!」

唇と手指の後は、カナイの半身が少女の処女を優しく押し開けた。
そして再び唇と手指、次は半身との交わりが繰り返された。
お庸の身体は閉じる暇がなかった。

時を止めたまま、二人は幾晩分、幾日分交わり合っていたか…。

お庸の心から煩悩という名の濁りが、消え去っていた。
カナイはお庸の胸に抱かれ、安らかにつかの間の眠りに入っていた。
お庸は忘れていた経をそっと呟いた。
(観音菩薩さま、観音菩薩さま、私の心から煩悩の炎が消え去りました)

722:あかしそ
09/05/10 01:27:48 E/NI3oYH
カナイが目覚めると、カナイは岩場に横たわっていた。
「お庸!」
「カナイさま」
お庸は美しい着物をまとい、黄金色に輝いていた。
「お庸、まさか…」
お庸の斜め後ろに、見覚えのある人が立っていた。
「なむ観音菩薩さま!」
「カナイ、お庸の心をなだめてくれたこと、礼を言いますよ。お庸には心の準備ができました。ここでお別れです」
ひれ伏していたカナイは顔を上げた。
「お庸、ここに残ると言ってはくれまいか!后となってはくれまいか!」
「カナイさま…」
お庸は言った。
「私の心を満たし、なぐさめて下さりなんとお礼を申して良いか分かりません。
しかしこの身は人の世の癒しに捧げた身、やはり極楽浄土に入り、そこから兄様の行く末を見守るのが
私にふさわしい死後の処し方なのでございます。お許し下さいませ」

「カナイよ。今後お庸の幸せを願い、定めをまっとうするなら、
この南の海の生き物はいつまでも繁盛し、名誉を受け、人々にも神々にも称えられる海となるであろう
このことにくじけず、お庸を心穏やかに見送るがよい」
観音菩薩の言葉に、カナイの心はやむなく揺れたが、じき治まった。
お庸は観音菩薩に連れられて、光を放ちながら天へ向かっていった。

その後、兄様ことげんすい和尚の執心が例の海域に悪霊を住み着かせることとあいなるが
その喧噪をさておいても南の海はいつまでも穏やかで豊かになったと言うことである。
ちなみにカナイは今も独り身であるそうな。

おしまい!

723:名無しさん@ピンキー
09/05/10 12:13:01 F7ODzY9h
うわぁGJ!
大人の御伽噺って感じだ!
兄さまのことが解決した今、たまには竜宮に来てカナイとお茶でもしてほしいぜ

724:名無しさん@ピンキー
09/05/14 23:25:22 hiO5DqCe
GJ!!!

ちゃんとストーリーのあるエロだな
職人カムバ――ック!!!

725:名無しさん@ピンキー
09/05/19 15:06:08 utTL5pvk
ふおおおお、おもろかったGJ

726:名無しさん@ピンキー
09/05/21 08:13:46 rvhX1m6v
>>722
GJ!!!!

727:あかしそ
09/05/23 09:52:30 X6OFKGl1
あざーっす♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪

728:名無しさん@ピンキー
09/05/31 18:07:10 VNaNfFwC
楽しそうですね

729:名無しさん@ピンキー
09/06/02 06:40:23 PPeQN70R
オンリー盛況だったな
薬加スペースのほとんどが18禁でワロタw

730:名無しさん@ピンキー
09/06/12 12:35:51 3HcYABU/
オンリー行けなかった自分に誰かkwsk
レポ探してもあんまりわからん
結構サイト持ちじゃない人が本出してた?
通販はないのか・・・ここもめっきりで飢えがきつい

731:名無しさん@ピンキー
09/06/13 10:30:58 pzaS1RBK
オンリーってなに?同人コミックセールのこと?
田舎で、モノノ怪同人の世界は知らないんだわ。興味あるけど。

732:名無しさん@ピンキー
09/06/13 14:01:37 XMaBtAj1
ほとんどがサイト持ちだった

733:天秤ズによる人体の考察
09/06/17 00:03:19 ee6HE0xS
流れぶったぎって保守がてら。


「天秤ズのぉ〜!身体☆測定〜!」
「いえ―!」
「っても僕らみんな同じだし」
「メイドインジャパンだからね!こだわりの職人魂だよね!」
「それを逆手にとられて、コミックじゃ見るからにコp――」
「言うな!それ以上言うな!デジタル処理はアニメ時点から重要な役割を果たしてるんだぞ!」
「まぁまぁ。代表して誰かを測ろうよ」
「はい!はいはい!今日ちょっと背ぇ高い自信があります!」
「よし、巻き尺を持て!」
「はっ!……丈は5.32寸であります!」
「おお、伸びてる」
「確かに伸びてる!」
「前回の測定冬だったもんね」
「夏が近いんだねぇ」
「加えて、今日、日なたで数刻待機させられたのであります!」
「乙」「乙」「乙」
「今の時代はいいけど、真夏の車内に「うっかり、うっかり」で放置されたらぐんにゃりしちゃいそうだよね」
「いや、それより「熱ちっ!」ってなって放り投げられる方が先だと思う」
「僕らはいいよ、問題は退魔さんだ」
「ご主人様が退魔さんをダッシュボードに放置したら、とりあえず鈴鳴らして注意しなくちゃね」
「ね」「ね」「ね」
「ところで、人間も熱膨張するの?」
「えー、しないんじゃね?だって恒温動物でしょ?」
「でも加世ちゃんとか、夏になるとお腹気にしてるよ」
「秋にも気にするよ。「ご飯が美味しいからって食べ過ぎたぁ〜!」って嘆いてるの、僕知ってる」
「それ言ったら冬だって、お餅のせいで膨張するんだよ」
「お餅、焼くと膨らむもんね」
「あれ面白いよね!」
「まだ根拠はあるんだ。ほらよく加世ちゃんがご主人様に言ってる」
「ああ、「熱い、おっきい」てアレ?」
「そうそれ。だからきっと、ヒトも熱膨張するんだよ」
「ふぅん。じゃあご主人様も夏に背ぇ測ればいいんじゃね?」
「……ちっちゃいの、実は気にしてるよね」
「してる。絶対してる」
「よし、じゃあご主人様に教えてこよう!」
「僕らってなんて主人思い!」
「きっとご主人様喜ぶよ!」

「えい、えい、おー!」

ちりん

734:名無しさん@ピンキー
09/06/17 00:24:52 3RIQeSoC
なんという傑作wwwww


735:名無しさん@ピンキー
09/06/17 01:27:24 SnepdRqX
わらったwwww
最高w

736:名無しさん@ピンキー
09/06/19 13:17:36 4HgSkspv
そこに繋がったかwww

737:名無しさん@ピンキー
09/06/24 18:56:47 sybKeKCJ
そんなに背低かったっけ?

738:名無しさん@ピンキー
09/07/02 22:13:45 hzTR7wnt
さぁ、シークレット高下駄の開発に戻るんだ

あの下駄で天気占ったら曇りか雨ばっかだろうな。
退魔の剣の毛は湿度でぼわってなるんだろうか。
なびいてるとことか見るとキューティクルばっちりっぽいけど、
「天気予報もできないたぁ、松ぼっくりにも劣る……。
エラーで無駄に光るくらいなら、天気によって色変えるぐらいの芸当、
してみせたっていいんですよ」
と髪がまとまらなくて機嫌悪い薬売りに八つ当たられる保守

739:名無しさん@ピンキー
09/07/05 13:02:36 XRHOxJ40
「高下駄」と銘打ってる時点ですでにシークレットではないと思うんだ
湿気で髪がぼわっとなってる薬売は椿油でお手入れししようwww

740:名無しさん@ピンキー
09/07/05 19:45:32 QuJWlWVX
では、ハイパー用のシークレット足袋の開発でも、いたしましょうか

741:名無しさん@ピンキー
09/07/06 07:15:55 g4ZMIPa0
お願いします。

742:名無しさん@ピンキー
09/07/06 11:43:27 fLZGnpqx
たwのwむwなwww

743:名無しさん@ピンキー
09/07/11 13:10:23 CoLmsEVk
こわくてろまんちっくなの一本ほしーなー

744:名無しさん@ピンキー
09/07/12 01:02:45 q2gpZDjb
俺もー

745:回向  初七日 1
09/07/12 23:39:51 W1EY8zaa
怖いかどうかはともかく、こんなかー?

小田島×真央、エロなし。続きもの。





 ――だじま


 惨劇の夜から七日が過ぎた。
 事後処理に忙殺された小田島の眠りは深い。布団に倒れ込み枕に頭を乗せ、ぱちりと瞬いたと思うと既に辺りが明るくなっているのである。
賑やかな鳥の声に呆然とし、だがそうそう呆けてもいられずに無理やり体を動かした。動けば日々は流れていく。
 そうして、七日。
 狐につままれたような感覚は、あの夜と地続きだ。確かに一晩を過ごしたはずが、門の外はまだ婚礼の日の夕刻であった。時の感覚が曖昧で、
いまだ夢の中にいるような気がする。
 ……どこかでまだ、夢なのではないかと思っている。目が覚めればこれまでのこと、全部なかったことになるのではないかと。
あれほどのことがありながら、変わらず朝日が昇り、動けば腹が減り、世がそのまま続いていることが、己の中で噛みあわないでいる。
 この世の終わりの一つや二つ、来たとておかしくないはずなのに。
 ううんとうなされて寄った眉。
 そして唐突にぽかりと意識が浮いた。開けた目に夜の闇がしっとりと黒い。くんと動いた鼻は深夜の匂いを嗅いだ。何故こんな時間に目が覚めた、
疑問は枕辺に座した影と目があって解ける。白い白い、亡くなる直前の白無垢を映したような、だが各段に薄い白帷子(かたびら)。
 小田島、と影は笑った。無骨な男は急ぎ飛び起き、布団から降りてかしこまる。
 深く頭を下げた先、今更に痛ましさが胸をついた。なるほど、彼女が血を連ねた者は非道であった。重い罪には一族連座で刑が下ることもある。
さりとて、なんの罪科もない者が、若い身空で命を断たれれば痛ましい。いや、この際老若男女は関係ない。いかなる者であれ、あのような死は無惨であろう。
変わり果てた骸にとりすがる、幼な子と妻の泣き声が耳に残る。祝いに華を添えるべく呼ばれた者たちは、もう舞うことも楽を奏でることもない。
一家の柱を失って、彼らの明日は厳しいものになるだろう。……それがわかっていたとて、小田島に出来ることは何もない。
『小田島』
「はっ」
『顔をおあげ』
 柔らかな声が言った。不思議なほど、生前よりよほど穏やかに響く。顔をあげた小田島の前で、真央は口元にほっそりと苦労知らずの手を添えて笑った。
『お前は本当に正直ね。思っていることがなんでも顔に出る。わたくしが悲愴でないことが、そんなに意外?』
「とんでもございません。……ただ」
 小田島の眉が下がる。丸っこいどんぐり眼が、欠け始めた月のように縁をへこめた。
「そのように幸せそうなお顔を……生きておいでの間に拝見することができなんだことを、悔やんでおります」
『それは無理よ』

746:回向  初七日 2
09/07/12 23:41:55 W1EY8zaa
 真央はあっさりと小田島の言を否定した。
『死んでこそ浮かぶ瀬もあれ、ということね。わたくし、坂井がこんなにもわたくしにとって重荷だったなんて、なくなって初めてわかったわ』
 彼女はしみじみと頬に手を当てた。
『本当に、知らなかった。息をする必要がなくなった今になって、呼吸が楽だと感じるの。可笑しいこと』
「……左様でございますか」
『ええ。どこにでも行けるし、なんでもできると思うわ。……それとも、坂井はなんの関わりもないことで、わたくしの体がなくなったからなのかしら……。
小田島、お前、わかる? ……ああ、そう困った顔をしないで。わからなくても仕方ないわ。お前はまだ生きているのですものね。……お前の体は、まだ重い』
 それが生きているということね、と影は長い睫を伏せた。
 ぼんやりと淡く輪郭を光らせながら、それでも影は闇と訣別してはいない。揺らいで溶ける。溶けては滲むようにまたぼんやりと光った。根の国の光、黄泉の色。
 死者は、だが、不吉な匂いはしなかった。
 ただ、切ない。
 これほど近くにありながら、深く断絶されて二度と戻ることがない。
『母上様も、父上様も、叔父上様も、今頃はおわかりだわ。……さぞ、ご自分が重かったでしょう。みな、知らず疲れきっていたのね』
「……恨んでは、おられないのですか」
 影はわずかに首を傾げた。
『ないわ、と言ったらお前は安心するのでしょうけど……正直なところ、わからないの。ねぇ小田島、わたくしは不幸だと思う?』
 小田島は言葉に詰まる。畳の目を見据え、じっと考える風情の男に、影は黒々とした目を向けた。
『言い方を変えます。お前の目に、わたくしは不幸に映る?』
「……今、こうして、お会いするまでは」
 男は畳に視線を落としたまま言う。
「おいたわしいと、思うておりました。ですが」
 影は黙したまま小田島の言葉を待つ。
「……ですが。恐れながら、私は死後の世界を存じ上げませぬ。……知らぬことだと、今、知り申した。であれば、手前勝手に哀れむことなどできますまい。
真央様がお笑いになれるのであれば、よかったと申し上げるのみ」
 真央は満足げに笑って粗末な白い裾を払う。つと踏み出した姿に、足があるのだな、と小田島はぼんやり思った。かろん、とどこかで下駄の音がする。
『また七日後に参ります。……いいわね? わたくしと会ってくれるわね、小田島?』
「……はっ」
 深々と下げた頭を戻した先に、もう真央はいなかった。


 二七日へつづく


747:名無しさん@ピンキー
09/07/13 02:28:37 7Lhi64Es
>>745
GJ!面白いです!
真央がやすらかそうで嬉しい


748:名無しさん@ピンキー
09/07/13 07:06:26 G4nzX9qs
>>745
こうゆうのもいいなぁ

749:名無しさん@ピンキー
09/07/21 13:25:53 Vo6SngIj
27日って7月27日ですか?まだしばらくあるなぁ
PC前で正座して待ってます。

750:名無しさん@ピンキー
09/07/22 19:21:24 JJ/IqqNk
>749
ひとなのか、ふたなのか、みなのか、よなのか、次回のうp、いつなのか

なんちてw
二七=は死後14日後

751:名無しさん@ピンキー
09/07/22 19:26:54 JJ/IqqNk
あ、すまそ。
ひとなのか じゃなくて しょなのか だったー。

752:回向 二七日 1
09/07/27 00:52:13 HrCmMe6w
相変わらずエロがない。



『塩野様のお顔を、見て参りました』
 七日の後、夜更けに再度現れた影は、変わらず穏やかな調子でひそりとそう言った。今宵は寝支度をすることなく、羽織袴で死者の訪いを出迎えた小田島は、左様でございますか、と相槌をうつ。
『嫁ぐと決まってすぐの頃、周りに尋ねたことがあったのよ。塩野とはどんな者かしら、と』
 名字帯刀を許されてはいるが、正確には塩野の出自は武家ではない。豪商だ。さらにその前身は一介の馬喰だった。坂井を憚って屋敷の造りこそ格式に劣るものの、馬を育て養う敷地ははるかに広い。
金銀を収めた蔵が片手の指もあることで、富貴になることをこの辺りでは『五つ蔵を建てる』と言った。
『誰もが言ったわ。ご立派な方です、と。……坂井の者は、また別だけれど』
 言って真央はくすりと笑った。
『知っている? さとなんて、おいたわしいって言ったのよ。わたくしを哀れんだの。もちろん面と向かってではなかったけれど。勝山に慰められていたわ。
……その顔は、立ち聞きなんてはしたないと言いたいのかしら、小田島?』
「……いえ、いや……無論、褒められたことではございませんが。さと殿と勝山様も迂闊であったかと」
『そうね。でも誰もがわかっていたでしょう。この縁組みはわたくしの身売り』
「真央様」
『無礼よ、小田島。お前に咎められるいわれはないわ。だって』
 すぅ、と上がった睫の下から、黒々と底の見えぬ眼が覗いた。生者であれば自然と宿る輝きはなく、かろうじて眼窩(あな)ではないそこはただ黒い。
今にも何か正体の知れぬものが浮き上がってきそうな、夜の沼の深みに似ていた。
『お前も、そう思っていたでしょう? 否定は許しません。お前はとかく杓子定規だけども、愚者ではないのだから』
 小田島は渋面をつくる。褒められているのか貶されているのか、なんとも判断に困った。
「……塩野様は、財に驕らず、貧しい者たちへの施しも厚い人徳者とお伺い致しました故、真央様が嫁がれても、おさおさ疎かにはなさるまいと……」
 苦し紛れの小田島の言に、真央はおっとりと笑う。
『お利口な答ですこと。……でも、そうね。よく道を知る方のようでした。わたくしの死を悼んでくださっていたわ。……昔は、叔父上様のお友達だったのですって』
 小田島は身じろいだ。
「……友、でございますか」

753:回向 二七日 2
09/07/27 00:54:29 HrCmMe6w
『同じ先生に教わった仲だそうよ』
「ご学友」
『ええ』
「……そのようなこと、伊國様は一言も」
『そうね』
 真央はぬばたまの眼をゆっくりと瞬かせた。
『叔父上様は、昔、神童とも呼ばれたのですって。坂井の……いえ、お祖父様の無体な仕打ちを憂い、領民らを思う、誰からも行く末を期待された若様だったと』
「…………。さ、左様で」
『困った顔ね、小田島?』
 真央は無骨で馬鹿正直な男をからかうように笑う。
『とても信じられないでしょう? わたくし、お祖父様の昔の所業を聞いて、てっきり、叔父上様はお祖父様の悪い血を継いだとばかり思いました』
「ま、真央様」
 あんまりあけすけな真央の評に、小田島は汗を浮かべて遮ったが、死者はどこ吹く風と受け流し、夜の静けさへ告げる。
『叔父上様は、賢すぎた。……あるいは、お祖父様を欺くほどには賢くなかった、とも言えるのかしら。青さに任せて真っ向から糾弾して、廃嫡の憂き目にあった』
 ふ、と真央は黙る。しばらく考える風情で目を伏せ、ぽつりと言った。
『……もしも、叔父上様が家督を継いでいたら。化猫は、出なかったかしら……?』
 それでは真央が生まれまい、と小田島は言いかけて、ぐっと歯を食いしばった。
 生まれない方がよかったと言うのであれば、それはあまりに悲しい。
「化猫は……薬売りの男が、斬り申した」
『知っています』
「胡散臭い男でしたが、信頼に足る者でした。その男が、斬ったのです。過去を変えることが叶うならば、男も血を流してまでむざむざ哀れなモノを斬りますまい。
……このような言い方は卑怯かもしれませぬが、起こったことは、最早致し方ないこと、なのかと」
 真央は瞬く。微かに首を傾げて、それはわたくしを慰めているの、と問うた。
「せ、僭越ではございますがっ」
『よい。……お前は、優しいわね』
 また来ます、と影は立ち上がる。小田島はひれ伏して真央を見送った。開かなかった障子戸の向こうで、ぽぅと燈篭が灯るのがわかった。


  三七日へ続く


待ってくれてありがとう

754:名無しさん@ピンキー
09/07/27 05:41:26 nzoeRUeS
>>752
待ってました
続き楽しみぃ
あと叔父は正しくは伯父になると思うよ

755:名無しさん@ピンキー
09/07/27 19:22:33 Gdjvn43M
待ってました!
淡々とした語り口調がいいなあ

756:名無しさん@ピンキー
09/07/31 16:03:06 QLyRdBS5
待ってました
深々と染み入るような真央の語りくちや
朴訥な小田島が良いなぁ
続きも待ってます。

757:名無しさん@ピンキー
09/08/08 15:22:23 ateaoHLR
今日はハイパーの日アゲ

758:名無しさん@ピンキー
09/08/12 16:36:37 VXycnVAt
8/18こそがハイパーの日。

759:名無しさん@ピンキー
09/08/27 23:55:42 axcuMsWh
これは、保守だ・・・カチン

760:名無しさん@ピンキー
09/08/28 09:52:02 zg9Pu6o4
過疎ってるなー
職人降臨しないかなー

761:名無しさん@ピンキー
09/08/29 13:20:14 IVYlDWJd
規制を滅りたい
頼む!なんとかしてくれー!

762:名無しさん@ピンキー
09/08/30 19:55:29 ka/NYVcb
規制、アレって本当に困るよな
投稿しようかと思うと突然くらって慌てる羽目になる。

763:名無しさん@ピンキー
09/08/31 15:15:51 foqGDr0h
頑張って!

764:名無しさん@ピンキー
09/09/01 01:59:19 Lj1g+A7W
職人さまの、頼みとあっちゃあ・・・仕方あるまいッ!

765:名無しさん@ピンキー
09/09/01 13:27:44 b6b6f3RP
きゃーすてきー

766:名無しさん@ピンキー
09/09/06 03:08:11 iKNz0xTv
惚れる

767:名無しさん@ピンキー
09/09/06 11:31:02 fUxsohJ+
かっこいいっ

768:名無しさん@ピンキー
09/09/10 19:31:32 LlD64hzo
解き、放つ!

769:名無しさん@ピンキー
09/09/12 00:50:42 BOklqC9N
過疎ってると自分の駄文を晒してみたい衝動が押し寄せるけど

やっぱ無理!てなる。
職人様かむおーんっ

770:名無しさん@ピンキー
09/09/12 22:21:57 RyyGHIki
晒してみて!

771:名無しさん@ピンキー
09/09/13 22:30:05 PuXab4m0
読みたい、読みたい!

772:名無しさん@ピンキー
09/09/13 23:22:39 PJtXzB2e
晒して!ぜひ!

773:名無しさん@ピンキー
09/09/14 01:12:00 3o6lV7pr
じゃあちょっとした保守代わりに駄文を晒してみます。
初書き、初投なもんで至らない点多々よろ
エロまでが長い。飽きたらウェンツしてくれ頼む!

*秋桜〜一輪目〜*

 ぼぅっと朱に色づき始めた夕日に染められた景色の中を、高下駄がカラン、コロン、と拍子を刻むように音を鳴らして進んでいく。
きゃっきゃとはしゃぐ童達の声が後ろから近付いて来て、己の周りをおどける様にくるくると廻ってまた走り去って行った。
ふっと小さく笑いを洩らすと、風に乗ってどこからか、早くも夕餉の匂いがしてきた。
これは少々急がねばと足を速める。

 己の住まいは人里にこそあれど、集落からは少しばかり離れている。
元来、己には『帰る場所』などは必要なかったし、他者との関わりなどというのも、薬を商い、モノノ怪を斬る為以外には必要なかった。
いや、『必要なかった』というよりも『避けていた』というのが正しいだろうか。

 今まで幾多のモノノ怪を斬り、数多の人間を見てきた。
モノノ怪の形は同じものだとて、それを生み出す人間が変わればその真と理も異なる。
モノノ怪は人を祟る。人はモノノ怪を生み、モノノ怪を恐れ、モノノ怪の為に泣く。
幾月幾年、考えてみても、未だに人というものの底は知れぬ。
触らぬ’’神’’に祟りなし、というのも言い得て妙かもしれないが、真も理も、時に形さえ不確かな、人。
言い様、考え様によっては人間の方がモノノ怪よりも恐ろしい。分らぬものに進んで関わりたいとも思えぬ。

「しかし…今の己の有り様ときたら、、、」
そんなことを思っているうちに足取りが滞ってきたのに気付いて再び足を速める。
もう殆ど人家のない道を、下駄の音とこおろぎやら鈴虫やらの鳴き虫の声、脇を流れる小川のせせらぎだけが静かに響いていた。
そのなんとも言えない感覚を楽しんでいたが、急に生暖かい風が吹いてきた。空を見上げれば、朱い雲が流され、鉛色の雲に変わっていき、西の空に光の線が走ったのが見えた。
「しまった」思ったと同時にぽつぽつと水滴が落ちてきて、瞬く間に水瓶を引っ繰り返したような雨が激しく降り注いだ。

 これはまずいと薬箱を担ぎ直して既に大きな水溜りのできた、ぬかるんだ道を着物に泥が跳ねるのも構わずに走った。
いつもなら慌てずこんな何もない道でも、木下でも空き家でも見つけて一時の宿りとするところだが、今はそのような余裕はない。
ただ早く、早く、己の帰る場所へ、己を待つ者の処へ。


*とりあえず続く*

774:名無しさん@ピンキー
09/09/14 01:40:29 HzbsyuEi
あ、カップリングは王道で薬×加です。

全く何番煎じだw

775:*秋桜〜二輪目〜*
09/09/14 22:36:17 3o6lV7pr
「あー、降ってきちゃったぁー」
加代は急いで外に干しておいた洗濯物を慌ただしく取り込む。
さほど多くもない洗濯物も娘の細腕では抱えるのがやっとで、地面に落とさないように濡れないようにと気を遣いながらようやく家に運び入れた。
足を軒下に投げ出したまま、ごろんと洗濯物の山の脇に仰向けになり、
「うぅ、今日は過ごしやすくて気持ち良いからって昼寝なんかするんじゃなかったなぁ」と大きな溜息をつく。

しかし、幸い洗濯物もそんなに濡れずに済んだし、日の高いうちに干していた布団は既に取り込んでおいた。
それに(少し離れた)お隣より、女一人でいることの多くあることから大変だろうとの好意で、瑞々しい野菜も頂戴した。
それだけで加代の憂鬱な気分は吹き飛び、今晩のおかずはどうしようなどと考えるだけで嬉しくなった。
『…薬売りさん』そのまま闇で一層高く見える天井を見つめて呟く。
「今、どこで何してるのかな」、「無事に元気でやっているのだろうか」、「次は、いつ帰ってくる?」。
なんの便りもなく、ただ愛しいあの人の旅の無事を祈り、帰りを待つ日々は、時々どうしようもなく不安で寂しくて、無性に悲しくなる。
はぁ、とまた溜息が洩れる。
この天気のせいか、スッパリと切り替えの早い加代の心も曇りやすくなってしまう。

その時、ピシャッと空が光った。
「きゃっ」間髪入れず空気をつんざく轟音が鳴り響く。
「やだ、もぉー」
次の瞬間はっと我に返って「いっけない、夕餉の支度しなきゃ」
加代は雨戸を閉め、台所へ走って行った。

776:*秋桜〜三輪目〜*
09/09/14 22:42:52 3o6lV7pr
ガラリっと玄関の戸の開けられる音がした。

「むん?」とふつふつと煮え立つ鍋の脇で小皿に口を付けていた加代は、戸外の雷雨と夕餉支度に多少賑やかな台所で、確かにその音を聞き取った。
こんな天気の中、それもこんな時分に誰だろう、と些か面倒臭そうに口を尖らせて、袖を上げていたたすきをしゅるりと解く。
「はぁーい、何方ですかぁー……あーーーっ」と小走りで玄関へ向かい、その来客の姿を認めて思わず声を張り上げた。

「薬売りさんじゃないですかぁーっ」
そこには、頭から足の先までずぶ濡れになったこの家の主が立っていた。
男の長く柔らかい前髪は一層顔に纏わりかかり、顎の線や着物の裾からはぱたぱたと滴が落ちて地面に水鏡を作っていた。
鮮やかな着物や下穿きの所々にも点々と泥が跳ね、この激しい雨の中を傘もささずに走り抜けてきたのだろうということが見て取れる。
叫んでから気を持ち直して一息ついたものの、思わず声が引っ込んでしまう。
待ち侘びていた男のあまりにも突然の帰宅と、雨に降られるなどという普段この男からは想像し難い様に、加代は驚きと嬉しさ、可笑しさ、安堵で自分がどんな表情をしているのか分らなくなってしまった。

「と、とりあえずっ」加代は仕切り直すように語勢を強くした。
「早く上がって着替えてください!そのままだと風邪引いちゃいますからっ」男に駆け寄り、手を引いて段に座らせる。
「あーもうこんなに冷えて…、すぐに湯と夕餉の支度しますねっ」
懐から白い手拭いを出して男に差し出し、まるでやんちゃして帰って来た子供に話すように言う。

すると「これを」と、どこから出したのか笹葉にくるまれた包みを手渡された。
「なんですか?」とほんのり生臭い匂いのする包みを開いていく。
「あ」
「鯖、ですよ」
包みの中には丸々と太って、如何にも活きの良さそうな青光りした秋鯖が数匹入っていた。
「どうしたんですかーこれっ」滅多にお目にかかれない珍しい食材を前に、加代は目を輝かせた。
「いつだったか、漁村に寄った時ですかね、そこで商売した時に、客になった漁師から薬代の代わりにと渡されたんですよ」
「銭でないなら薬を返してもらおうかとも思ったんですが、こういった旬物は最近じゃあ滅多に手に入らない。しかも生臭物はこの辺りなら尚の事、たまには加代さんに土産の一つでもと思いましてね」
男は濡れた腕や手を手拭いで拭きながら淡々と話す。

思わぬ贈り物に、加代はきゃあきゃあとはしゃいだ。
「じゃあ、これから早速料理しますねっ、これくらいあれば焼き物にも煮物にも出来るし、それから…」問いかけが楽しさからか独り言に変わっていく。
「よしっ、じゃあせっかく活きも良い事だし、今晩は塩焼きにしますっ」
すぐに用意しますから待っててくださいね、と奥へ戻ろうと踵を返す。

「加代さん」顔を拭いながら男は目だけをちらりと動かす。
「はい?」ふにゃりとした顔で加代が振り返る。
「あんたの嬉しそうな顔が見れて、私も土産を持って来た甲斐があったってもんですが、
久方振りに家に戻った主人に労いの一言もないんで?」

「あ…」加代の顔がぼわっと赤くなった。
お土産ではしゃぎすぎるなんて…あたし、まるで子供じゃない。
「おっお帰り、なさい。薬売り、さん…」
申し訳なさと恥ずかしさで上手く言葉が出てこない。

その様子を背後から感じて取れたのか男はゆっくりと振り返ってそっと微笑み掛ける。
「はい、ただいま、帰りましたよ」

*続く*

777:名無しさん@ピンキー
09/09/15 19:28:16 B/spZyd/
加世さんかわゆす
続き楽しみです

778:名無しさん@ピンキー
09/09/15 20:03:15 d2bggrrB
いつだったか手に入れた活きのいい鯖www
生ダコよろしく、その鯖もピチピチ跳ねてるんですね?

続き楽しみです

779:名無しさん@ピンキー
09/09/15 23:26:58 B0JV3tmA
わっふる!わっふる!

780:*秋桜〜四輪目〜*
09/09/16 01:10:36 fh5I5hB/
加世さんの名前を間違えるたぁ、なんたる失態
ちょっと滅されてくる。まったりのらくら投下御免。続き↓


膳の上に温かな料理が並んだ。
炊き立ての飯に汁物、冬瓜の葛かき、糠漬、そして鯖の塩焼き。
薬売りと加世は囲炉裏を挟んで向かいに座り、談笑する。

「もう少し早くに帰って来てくれたら、御馳走たくさん作ったのに」と加世は申し訳なさそうに言う。
「これで十分ですよ、どんな良い宿の膳もやはり加世さんの拵えたものにゃぁ敵わない」男はやや下、囲炉裏の火に視線を置いて静かに笑う。
「またそんなおべっか言ってー」加世は含みがあることも分かっていながらも照れてしまう。

「それにしてもこの鯖っ、美味しいー。お代わりしちゃおうっかなぁ」
「秋鯖は嫁に食わすな、なんてよく聞きますがね」
人の鼻につくのを知っていながら敢えて神経に触る事を言って愉しむのがこの男の意地の悪いところだ。
もうっ、と男を睨んでぷくっと膨れ、右拳を上げる。
「おっと」おどけながら男は身構える。

「そう言えば…この鯖ってどうやって持って帰ってきたんですか?ここから海までって言っても結構ありますよねぇ」加世が思いついた様に訊き、首を傾げた。
「ああ」箸を置きながら薬売りが静かに答える。
「薬箱ですよ。どうしたものか奥に仕舞うほど日持ちがいいもんで」さも当然の様に言う。
そう簡単に手をポンと叩いて納得など出来ることではないが、この男と一緒にいればそれが不思議と納得できてしまうのが恐ろしい。
そういえば、前に薬箱から蛸が出てきたこともあったっけ…。
「あはは、ほんと、不思議ですよねぇ」
「そうですかね」

こんなやり取りをしていたが、ふと加世がくんっと何かを嗅ぎつけた。
「なんだか…いい匂いしません?花みたいな、でも甘い良い香り」加世は鼻で香りの正体を探っている。その様子を見て、薬売りはまたも淡々と答える。
「ちょいと薬をね…調合してたんですよ、今回は結構売れたおかげで残りが少なくなっちまって」
湯に入り、夕餉の支度が出来る間のほんの一時に薬など作っていたのかと流石に感心した。が、その半面働き者というか仕事馬鹿というか、少し呆れながら言う。
「お仕事も大事ですけど、でもこんな時くらいゆっくり休んでてください?大体、薬売りさんはもっと自分の体をっ…」
「はい、はい」皆まで言うなと気遣いを遮られた。

少し不満だったが、これもいつものこと、それにこの甘い香りですぐに気分が不思議と和らいだ。
「でも、本当に良い香り…何の薬なんですか?」
「色々です。最近の客は苦いのは嫌だ臭いのは嫌だと注文が多い…。まぁ、作ってみたもののまだ効くかどうかは分かりませんがね」
「ふーん」加世は相変わらず香りを楽しみながら話を聞いていた。

そうこうしているうちに食事は済み、加世は後片付けに取りかかる。
「私、片づけてから休ませてもらいますから、薬売りさんは今日はもう早く休んでください」洗い桶の中で食器を洗いながら加世は言う。
「はい、はい」後ろから男のいつもの口調で返事がした。
「時に、加世さん」
「なんですかー?」後ろを振り向かずに応答する。

「今宵は冷える…。私が先に頂いちまいましたが、加世さんもゆっくりと湯にでも浸かって、早めに休んだ方がいい」
珍しく毒気のない温かい労いの言葉。
加代はそのまま、自分の心を悟られぬように微笑む。
「はぁーい、これが終わったらすぐにでもー」と顔と心とは裏腹に悪態をつく様に応えた。

薬売りは「ではお先に」と静かに立ち上がって寝所へ向かう。
そしてこの男も、また自分の心を悟られぬように小さく微笑んでいた。


*続く*

781:*秋桜〜五輪目〜*
09/09/17 18:29:09 jRI+BBIA
雨は勢いを弱めても相変わらず降り続いていた。
「ふぅー」加世は一日働き通しで少しくずれた帯を解いていく。
一日の締めくくりは、やはり風呂に限る。
胴を締めていた帯を外せば不思議と体が軽くなるのも楽しみの一つだ。
また、食事の時に漂っていたあの香りが微かに家の中に充満しているようで、
「家の中でこんな香りがしてたら毎日楽しくなるのにね」と独り呟いた。
最後の一枚を脱ぎ捨て、手拭いを携えると、カラリと風呂場の戸を開けた。

「っっっ!?」
「あぁ、またお先に頂いてますよ」
ピシャンっと戸を閉め直し、その場に座り込むと、加世は真っ赤になって中の男に言う。
「どどど、どうして薬売りさんが入ってるんですかぁ!!」
風呂場で反響した声が返ってくる。
「どうしたもなにも、今宵は存外に冷えて仕方がない」
「すっかり湯冷めしてしまったもんで、ついでに加世さんの背中でも流して…」
「余計なお世話です!!」
フーフーと肩を上下して呼吸をしながら加世が怒鳴る。

想定外に怒りを露にした娘に、少々気遣かわし気に、なだめる様な声で男が言葉をかける。
「でも加世さん、そんなところでそんな格好してると、それこそ体に毒ですぜ」
加世はただ黙っている。確かに寒い。
それにこんな床の上で、一糸纏わぬ姿で座り込んでいるのが恥ずかしくて仕様がない。
そして冷えた頭で、さっき咄嗟に勢いで言ってしまった言葉を思い返して、罪悪感と意地とがぶつかって中々動けなかった。

気まずい空間を、しばしの間沈黙と雨音が支配する。
「ふぅ」と一息入れ、男が折れたように言った。
「あんたに風邪を引いてもらっちゃあ困る。機嫌を直して、入って来ちゃくれませんかね?なあに、なにも取って食いやしませんよ」
柔らかな口調で手を差しのべられた気がした。
「…ほんと、ですよ?じゃあ、あっち…向いててくださいね」拗ねた様に娘が応える。


782:*秋桜〜続・五輪目〜*
09/09/17 18:36:00 jRI+BBIA
「もう、平気ですよ」薬売りは準備万端の旨を引き戸越しの加世に伝えた。
カラカラと先程よりもゆっくりと戸が開けられる。
ぴたぴたと水っぽい足音が静かに近付き、湯面が揺れた。
決して広いとは言えぬ湯船の中で、加世と薬売りの背が微かに触れ合う。

「やっと、入って来てくれましたね」
「だって、あのままだと本当に風邪引いちゃうし…それに薬売りさんが…」
加世はまだ少し不機嫌な様子でごにょごにょと小さくぼやいている。
「良い湯、でしょう?」加世の言い分を丸め込んで言葉を被せる。
「…うん、とっても気持ち良い」加世が少し間を置いて口を開いた。
「それに、この湯の色と香りって…」乳白色の湯を手ですくうと、気に入りの香りを吸い込んだ。

「薬湯、ですよ。こんな季節がらですからね」湯に手拭いを浮かべ、風船を作って手遊びしながら薬売りが言う。
「薬湯…、でもこれ何湯なんですか?たくさん香りが混じってて、こんなの初めて…」
「菖蒲に生姜、蜂蜜、柑橘の皮、汁、桃の葉…他にも少々」
「すごいっどれも高価なものばっかり!良いんですか?そんなの使っちゃって」ブッと噴き出して加世はいたたまれずに少し後ろに退いた。

「まったく、良い年頃の娘さんが…」はしたない、と薬売りが少々呆れて呟く。
「それに言ったでしょう。あんたに風邪をひかれちゃ、困る。それにこれを売り物にする気も毛頭…ない」
いつも肝心な所で天邪鬼なこの男に、こんなにも素直に優しくされて心臓が暴れる。

今日は何処かおかしい。
土産を持って帰って来たり、自分だけのためにこんな薬湯まで用意してもらえるなんて、何か含みがあるに決まっている。
そんな考えが引っ切り無しに浮かんでくるが、惚れた弱みかこの湯に中てられたか。
強気な眉に反して目がとろんと緩む。

『加世さん…』湯面が揺れ、名を呼ばれた。
ゆっくりと身体を回し、男に向ける。
いつの間にか向い合せになっていた。
「湯加減は、どうですかい?」目を細め、男は娘に訊ねる。
男の顔をまともに見れないまま、娘は俯いて問いに答えた。
「ぽかぽかして、あったかくて…とっても良い気持ち良い、です」

―それは重畳…言ったと同時に白く長い指が湯から伸びて来て、娘の顎をついと持ち上げる。
紅い化粧に縁取られた碧眼が目に飛び込む。
加世は動けない、目も反らせない。
この眼に、涼しい色をしている癖に、奥の奥では獣の目をした、妖艶なこの眼に見つめられて動ける筈などない。
「あ…」
「少し、温くなってきちまいましたね…。もっと熱く、体の冷えぬように」
ぐいっと腰が引き寄せられて唇と唇が合わさった。

*続く*

783:名無しさん@ピンキー
09/09/20 19:12:56 O4IBkzNz
薬売りが平然とエロいw

サバの入ってた薬箱は生臭くならなかったのかw
加世が年取るの気にし始めたら「ではどうぞ」って薬箱に大事にしまいこんだりしてなwww

784:名無しさん@ピンキー
09/09/23 17:18:15 QqcL1gFT
続きマダァ?(・∀・ )っ/凵⌒☆チン チン

785:*秋桜〜六輪目〜*
09/09/23 22:32:18 febpkNk8
修正やらしてたら遅れました。申し訳ありません。
相変わらずのスロー展開ですが、もう少しお付き合いください。

―ちゅ…ちゅぷっじゅるっじゅ…
白と藤色の間から伸びた赤く熱い舌が熟れた肉厚の桃を思わせる唇にかぶり付き、些か乱暴に舐る。
浅く、徐々に深く唇をなぞり、口内を掻き回し、舌と唾液とを絡めとっていく。
厚みのある唇から唾液が零れ、口付けの際も時折ぬるりと滑るので、逃がすまいと甘噛みする。

「ふっ…、ぅん」
娘の吐息と喘ぎが混じった艶のある声が反響し、駆け上がる男の情欲を煽った。
薬売りは唇を一層深く食い込ませ、加世を一気に白湯の中に押し倒す。
ザブンと大きく波が立ち、白い湯面には長い銀髪と、すっかり解けた黒髪が絡み合うようにうねった。
加世は突然の事に目を開き、反射的に胸元に挟まれていた腕に力を込め、身体を離して退き下がろうとする。
だが男の手はがっちりと娘の後頭部を抑えつけ、腰は更に引き寄せられて体はおろか唇さえ離せない。
そんな娘の気色を悟っても尚、男は口付けを止めない。
それどころか湯が入らないよう、器用に舌を差出し、引っ込めては絡めてくる。
湯の中で絡められる舌は、先程とはうって変わってひんやりとした。

温かい、冷たい…。感覚が鈍くなってくる。
頭が……重い…。何も、考えられない…。
加世の思考はぼやけていき、込められていた力がすぅっと抜けていく。
男も娘から抵抗の念が消えたのを感じ取ると、ゆっくりと腕の力を緩めた。
一瞬、男の唇が離れる。
『―っん』離れたかと思うとまたすぐに吸いつき、温かく甘い液体を口移された。
同時に拘束が解かれる。


786:*秋桜〜続・六輪目〜*
09/09/23 22:38:12 febpkNk8
『ぷはぁっ』ようやく解放されて、加世は湯面から勢いよく顔を出す。
一呼吸遅れて男もゆっくりと上体を起こした。
「…嘘吐き」加世が上気した顔で呼吸を整えながら静かに薬売りを睨む。
「嘘では、ありませんよ…。取って食いは、しなかったでしょう?」雫を落としながら、男は悪びれた様子も無く、くつくつと笑う。
既に十分食われた気がするが…。食わされたと言えば…。

「あれ、最後の…この湯ですよね。甘い…っ」言いかけて加世は異変に気付く。
喉の奥から腹部にかけて、液体の通った道筋が熱い。脈が、呼吸が速くなってくる。
「はっ…なん、こ、れ…薬売り…さん?」戸惑いを隠せず、先刻よりも一層潤んだ目で加世が男を見上げる。
濡れて張り付いた美しい銀髪の奥の眼が妖しく、真っ直ぐに狙いを定めたのが分かった。
「おや、忘れちまいましたか?『もっと熱く』、湯が温くなったなら温めれば良いだけの事」
それだけ言うと、薬売りは加世の黒く艶やかな濡れ髪の間を縫って頬に指を這わせた。

「まだ、冷えて、いますね」
すすす、と指が髪と頬を伝って右耳の付け根を指で挟み、耳朶とその奥の小さな入口を親指の腹で擦る。
湯の中からもう一方の手が伸びて乱れた黒髪をサラサラと梳かしながら首から肩、背中、腰へと移動していく。
「ちょ、温める…って、薬売りさ…ひゃんっ」
そのまま左の耳朶を犬歯で軽く噛まれ、舌がぺろりと縁や入口を這った。
ぞくりと加世は背筋をピンと張り、肩を竦める。
耳元で男の吐息が、舌と唾液の感触が、それだけで体の奥がきゅんと火照った。

腰に添えられた手が脇腹と下腹部の上をすり抜けてゆっくりと胸の膨らみを下から揉み上げる。
「んっ」ぴくりと加世の体が反応した。
口付けは耳からするすると首筋へと落され、強く吸われた。
湯に中てられてほんのり赤く染まった褐色の肌に一層濃厚な紅い花がぽつぽつと咲いていく。
白湯から褐色の肌が浮かび、そこに己が散らした紅が散るのを見るのは何とも愉しく、征服欲を高める。が、まだ何かあと今一歩の処で傍観的だった。

「ふむ…己もこの湯の気に中てられ始めたとは言え、少々、らしく無かったか…」
ちらと見ると、加世は眼を伏せて左下に俯き、唇から声が出そうになるのを必死に堪えているようだった。
薬売りは静かに息を呑み込んでその姿に見惚れる。
伏せられ、濡れた黒い睫毛が一層長く艶やかに光り、先には雫が溜まっている。
膨らみつつある快楽への昂りが娘の体を容赦なく染め上げても尚、唇を噛み、気丈に己を貫こうとする。
『―嗚呼、やはりこの娘は…』薬売りが愛おしげに笑う。
そして同時に衝動が沸騰した。


787:*秋桜〜七輪目〜*
09/09/23 22:54:58 febpkNk8
『欲しい。足りない、この娘の総てが欲しい。狂う様を、見たい』
内なる獣を加世に気取られぬように、静かに顔を湯に沈めた。
そして衝動を一気に叩きつけるように加世の膨らみの先端に吸いついた。

「んっっ、やっ」
今迄よりも大きく加世の身体がビクンと跳ね、薬売りの顔に手を掛けて引き剝そうと力を込める。
『させぬ』と更に強く吸い、ねっとりと舌で転がす。
予め胸をゆっくりと揉み上げていた手も先端へ移動し、長く整えられた爪の先で挟んで、摘まみ、擦り、軽く引っ掻き、といった甘い刺激を与えている。
押し寄せる快楽の波に力が入らず、薬売りの顔に掛けられた小さな手は震えながら添えられている風になった。

口内で愛撫される小さな実は徐々に硬く膨らみを増し、その様に男は静かに歓喜して耳朶と同じように軽く犬歯を突き立てる。
「あっ、あぁ」
加世はもう堪らず、声を洩らさずにはいられなくなっていた。
薬売りは水面下で確かに伝わる娘の体温と高速の鼓動、降り注ぐ嬌声に心を躍らせる。
そして白湯に揺らめく茂みを抜けた奥に狙いを定め、湯とは異なる蜜で濡れた割れ目を陰核へと擦り上げた。

「ああぁっ」
加世の身体が強張り、男の頭をきつく抱き締めて仰け反った。
見開かれた目からも湯水とは異なる雫が一筋、二筋流れ、加世は吊糸の切れた人形の様に湯の中へ頽れる。
その身体を薬売りが抱き抱えると、加世の虚ろになった視線と己の視線とを絡ませながら再度軽く口付けた。


*続く*

788:名無しさん@ピンキー
09/09/26 08:32:26 +zIMBIH3
入浴プレイと見せかけて、まさかの薬プレイとは。
こいつぁ・・・なかなか手強いw

焦らしプレイも嫌いじゃないが・・・
最近、夜はめっきり寒くてな、裸で正座もツライ季節なんだぜage!

789:名無しさん@ピンキー
09/09/26 16:21:36 vm3j73XB
>778
つ 足袋

共に寒さを耐え忍ぼう。

790:名無しさん@ピンキー
09/09/27 10:47:26 afDwx2vi
>788
つ 褌

とりあえずソコは隠せ、な?

791:名無しさん@ピンキー
09/09/27 21:29:53 YDr39Eyr
B地区も隠しなさい

つサロンパス

792:名無しさん@ピンキー
09/09/28 18:47:01 rlN/KPcy
ついでに目隠しなど

つ 紫頭巾


793:名無しさん@ピンキー
09/09/28 19:57:23 m77IB+TH
じゃあコレも要るよな

つ鞭

794:名無しさん@ピンキー
09/09/28 21:31:49 rlN/KPcy
それならコレも是非

つ 高下駄

795:名無しさん@ピンキー
09/10/02 00:09:57 0NAnym/5
いつのまにか788を弄るスレになっている件w
道具もそろったところで、話をもどそうか

続きマダァ?(・∀・ )っ/凵⌒☆チン チン

796:*秋桜〜続・七輪目〜*
09/10/02 00:34:08 AfV131p1
>>788-794
僭越ながら盛大に吹かせていただきました。
相も変わらず焦らして参りますが…
>>788さんの最終形態が気になって仕方がありませんです。はい。

おっとうっかりうっかり
↓続きです


797:*秋桜〜続・七輪目〜*
09/10/02 00:38:07 AfV131p1
ぼやけた焦点が徐々に合っていき、加世は己を抱えて気遣わし気に顔を覗き込む男の顔を認めた。
「は…くす…さ…?」軽く絶頂を迎えた反動で朦朧としたまま加世が口を開く。
男は安堵の表情を見せたが、すぐに顔を反らし、加世の目を見ようとはしない。
そして眉間に少し皺を寄せ、伏し目がちに一言だけ「申し訳ありません」と言った。

男の口から出た突然の言葉に、加世は益々勢いを増す火照りと上がる呼吸を抑えて微笑む。
「どう、して…?薬売りさんが…謝る、こと…」
―ない、と言いかけて言葉を遮られる。
「私は、いつも加世さんに何もしてやれない。あんたの笑う顔を見たくても、結局はあんたを泣かせてばかりだ」
己で己を御しきれぬのに苛立つ。
この娘は、加世は己には勿体無い程に尽くしてくれている。

『明日在り続けるとも分からぬ生命を、那由多の先までも待つ事になる』
己が眼前、見据えても尚、見えぬ物を延々追い続けて行くという事が、どれ程冷たく空しい物であるのか。
花は咲いてこそ…花。この花が旭日の下ならば大輪の花を咲かすであろうと分かっているから、寒月の下に身を置いて咲かぬ花などになって欲しくは無かった。
だが何度諭しても、加世はいつ消え失せるとも分らぬ己と共に生きる事を選んだ。
然し、ならばせめて、日の下で無くとも月下に咲かせよう。
日光より脆弱な、「光」とまで呼べる物では無いかもしれぬ。しかしそれが、己がこの娘になせる唯一の理。

『だが、この様は何だ』
自嘲じみた言葉で自ら思惑を遮った。
時々、考を巡らせてはあと一歩の所でいつも我に返る。
己は、見たく無かっただけなのだ。
己は、己が考えている程より無力で、脆いという事を。
与えているのは、与えられているのは、いつも…。
「薬売りさん…」
己を呼ぶ声に、はっと反射的にその出所を見遣る。
「私、大丈夫ですから、だから…そんな顔、しないで下さい」
己から滴っていた雫で濡れた娘が、潤んだ目で努めて明るく微笑みながら己を見上げている。
「加世さん、私は…」言いかけた唇にそっと指を添えられ、加世はただ静かに首を横に振る。そして口を開いた。

「なんで…今日あんなに濡れて帰って来たんです?傘、持ってましたよね?」
突拍子もない問いに、男は柄にも無く鳩が豆鉄砲を食った様になる。しかしすぐにいつもの様に静かに答えた。
「傘など、悠長に広げている間も惜しかった。ただ早く、加世さんの顔が、見たかったんですよ…土産も無駄にしたくは、無かったですしね」
薬売り自身、薬湯に中てられたのか、普段よりも率直に己の心中を明かす。
嬉しくなって、加世は目を細めてふふっと笑った。

「それに…」男は言葉を続ける。
「私が加世さんに出来ることなど、其の程度の事ですから」いつもとは異なる部類ではあるが、やはり肝心な所で鼻につく事を言うこの男。
パチっと軽く頬を叩かれてそのまま優しく添えられる。
「薬売りさん…ばかです。私が、お土産であんなに喜んでたって思ってるんですか?確かに、すごく嬉しかったけど、でも…」加世が静かに言葉に力を込める。
「私は…私にとって、薬売りさんが無事に帰って来てくれた事が一番のお土産なんですよ…。今此処に居てくれて、傍に居てくれて…ありがとう、ございます」
どくっと大きく男の心臓が跳ねた。



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