モノノ怪でエロパロ  ..
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622:秋宵華蝶 満願成就の最終夜 一
08/11/19 18:54:00 6038hnDF

「ねぇ…あんた一人身なんだろ?」
「…だったら?」
「アタシをもらってくれないかい?」
「申し訳ないのですが…当分は一人身でいるつもりなのでね」
女は笑った。
女の名は寒椿という。寒椿は格子であった。太夫に次ぐ身分の花魁である。
ある時寒椿のいる店で化物騒動が起こった。
その時、たまたま薬の商いで居合わせたのが、この男だったのだ。
化物に襲われそうになった寒椿は万が一の所でこの男に助けられた。
寒椿は店では相応の地位もあったので化物に関して男に数々の情報を提供し、協力する事が出来た。
男に接する内、寒椿は次第に心惹かれていった…。


「…貴女…ご自分が亡くなってからいかほど年月が経ったと思っているんです?」
男は影に向かって声をかける。影は黙って立ち尽くす。
「…アヤカシとなった貴女は今やただの化物でしかない。よって斬らねばならぬ。
…貴女の為にも…この娘の為にもね。ろくろ首は夜眠りについてから油を舐めようと首を伸ばす…
眠ってからじゃないと姿を表さないとは、まことに厄介なモノノケになってくれたもんですね…」
「…どうして…アタシだと…」
影は呻いた。
「この娘、貴女にちと似たところがございましたからね。それに…たまに貴女の顔が出てましたよ」
男は影を見つめる。影は狼狽するかのように揺らめいた。
「貴女の想いが花紫の想いと同調し、人を欲し想う心が首を伸ばしろくろ首となった。それが…真」
カチン、と渇いた音が響く。
「…人を欲してはいけないのか。お前を欲してはいけないのか。…二度も死ぬのは嫌じゃ。
お前を忘れられなかった私は一人入水した。六つで売られた頃から生きるため、
家の借金を返すため芸を磨き客におもねり、格子にまでなったが結局欲しいモノは手に入らなかった…
好きな男には振り向いてもらえず、好きでもない男の相手をしなければならぬ毎日。
…世は不条理じゃ。こんなにも侘しく、虚しい。
生き延びんがため、生きてきたがお前にでおうて望み叶わぬまま生きるのがこんなにも辛いことを知った。
あたしをこんな形にしたのはお前なのだよ?そのお前があたしを斬ると言う。お前は人を想うた事があるか?」
男は黙って影を見つめる。
影は間をおいてぽつりと呟いたが男に聞こえたかどうかは定かではない。
「…否、あたしが怨んだのはお前等ではない…」


623:秋宵華蝶 満願成就の最終夜 二
08/11/19 18:55:37 6038hnDF

影は発狂するように大きくうねる。
「…嫌じゃ、嫌じゃ…もう、一人は嫌じゃ!もう嫌じゃ…」
「…それが…理」
カチン、と短刀の首がなった。
「形と…真と…理によって剣を…」
「お前を道連れるのが叶わぬなら、この娘を貰うてゆく!」
「…解き放つ…」
影は一瞬広がり大きく蠢き、娘の中へ戻ろうとした。
「その娘の体は天秤が守っている…もう戻れまい。大人しく斬られよ」
夜叉の頭を持つ剣を手にする男は金の衣に金の紋様を褐色の体に纏っている。紅い帯が鮮やかに宙を舞う。
そこには先ほどまでの白い肌の細く女のような男は居なかった。
「憎し憎し…」
影は花紫に入れぬとみるやいなや男に襲いかかった。迫り来る影は二本の赤黒い細い影をたなびかせていた。
後方にたなびくそれは、さながら涙のよう。
「あなうらめしや!!」
男は剣を振るう。呪詛のような刃は美しいほどの光と彩色を放つ。男の長い銀髪がなびいた。
「静まれ…転生の地で安寧に生きよ」

「滅!!」
男は一心に剣を降り下ろした。
閃光が、走った。



辺りは静まりかえっている。
男は一人床の傍らに座し佇んでいる。床では花紫が安良かに寝入っていた。
男は女の頬をさらりと撫でて一人ごちた。
「……人を想うた事があるか……世は不条理……」


624:秋宵華蝶 満願成就の最終夜 三
08/11/19 18:57:26 6038hnDF

花紫は目を覚ました。傍らには男が寝入っているようだ。花紫は男の腕の中にいた。ぼんやりと辺りを見回す。
どこからか光が漏れているようで、光の筋が数本、室内に走っている。
「……朝…?」
花紫は呟いて、はっと慌てた。
「…ん…」
男も目を覚ましたようだ。
「…おはようございます」
花紫を抱いたままの姿勢で眠たそうににこりと笑んで挨拶する。
「…う、うん…あたし…もしかして寝ちゃったの…?」
花紫は青ざめて恐る恐る男に問うた。
「そうですが…何か問題でも?」
「い、いや問題っていうか…あ、あたし自分ではわからないんだけど、
寝相悪いみたいだから一人の時しか眠らないって決めてたんだよね。それで昔客一人逃しちゃって…」
ひきつった笑いを浮かべ花紫はおろおろと話す。声のトーンもどこかおかしい。男は、ははぁと心の内で呟く。
「安良かに寝入られて御座いましたよ。この通り、大人しく私の腕の中に収まって……」
蠱惑的に男は笑んで言う。花紫は一気に赤面した。
「それより…よく眠れましたか」
男は穏やかに問うた。
「う、うん、それはなんか久しぶりにぐっすり眠った感じ…肩こりっていうか、
いつもの起きた時に感じる首の痛みも酷くないし」
「肩こりですか…?」
「いつもは起きた時に酷くてね…そうだ、なんかいい薬ない?」
男は少し考えると一人で妖しく笑んで答えた。
「…それではしっかり効く善いものが御座います。お出しして差し上げましょう。
……あぁそういえば昔、ろくろ首の女を治したとかどうとか言う、逸話も残っている妙薬でしてね…」
「ほ、本当!?」
女の顔が心なしか輝いたように見えた。
「逸話ですけどね。…でもまぁ火の無いところに煙は起たぬと申しますから…。一粒で効果覿面、ですよ」
「じゃあそれ貰っていくよ」
花紫は嬉々として笑顔で答えた。


625:秋宵華蝶 満願成就の最終夜 四
08/11/19 18:58:30 6038hnDF
「…そう言えば…御札は?」
安堵して辺りを見回した花紫は怪訝そうに呟いた。
昨夜貼ってあったはずの御札が一枚残らず消えていたのだ。
「…あれは昨夜の内に処理しましたよ。客が怖がるんじゃあ元もこもない…」
「全く、顔はいいのに趣味悪いんだからね…」
「私の所に通う貴女も十分悪趣味で御座いますよ…」
「それは…」
赤面して花紫は顔を背ける。
「お仕事の方はどうです?」
不意に男が話題を変えた。花紫は眉を潜めて答えた。
「どうって…別に。もう慣れたし」
「私はね…この仕事畳もうと思っているんですよ」
「えっ…?」
花紫の顔色が変わった。
「元々、目的も無くふらりと始めたもの。そろそろ別の地へ行こうかと」
「そんな…じゃあ…」
花紫の目からは自然に涙が溢れた。この男の存在が花紫にとって生きる糧となっていた。
今までの逢瀬はたった数回だったが、花紫にとってこの男は生きる意味そのものとなっていたのだ。
男は黙って女を見つめた。
「…あんたがいたから…私は生きてこれたのに…」
「…違います。私なんかよりもっと近くにいて貴女を大事に思っている人がいるはずだ」



花紫の脳裏にちらりとある男の顔が浮かんだ。



626:秋宵華蝶 満願成就の最終夜 五
08/11/19 18:59:43 6038hnDF

その男は花紫の側にいて雑用をこなしていた。
分をわきまえ、従順で優しい目をした男だった。
落ち込んだ時はいつも決して近寄らず、側に侍りただ言葉で励ましてくれた。
「ち、違う…」
「やはり思い当たる節がおありですね…
私なんかよりその男の方が余程貴女を幸せにすることができるはずです」
花紫は寝返りをうち男に背を向けると黙って聞いていた。
「花魁の定年は確か二十八あたりでしたね…貴女にはまだ先だ。
しかし…そろそろ自分を一番に思われても良いのではないですか。
…そうそう、今まで頂いたお金はそっくりそのままお返ししますよ。
貴女がこれからどうするのか、それは問いませんがこれだけあれば暫くは何もせずとも楽に生きていけましょう」
花紫は顔を伏せ、暫く言葉も出てこないがやっとの体で口を開く。声が震える。
「…わかった…あんたの事は諦める…だからもう少しだけ…ここに…居させて…」
「…良い子だ」
男は腕を伸ばし花紫をこちらへ向かせると優しく強く抱き締めた。
女は男の胸に顔をうづめ泣いた。男の髪が柔らかく絡む。嗚咽が込み上げてきた。




「……柄に無い……」
女が去った後の戸を虚ろに見遣り、男は自嘲めいた口調でぽつりと言った。
男はふらりと、よろける様に立ち上がった。着崩した浴衣の裾と長い波打つ髪が弱々しく揺れる。
床に置かれていた緋色の短刀が物言いたげにカタカタと音をたてた。

昔からろくろ首は美しい遊女の姿で描かれる事が多い。
「悲しき…モノノケ」
自ら刃に飛び込むほどに。


627:秋宵華蝶 満願成就の最終夜 六
08/11/19 19:00:41 6038hnDF


「ここ辞めようと思うんだ」
目の前の太夫の言葉に男は目を見開いた。
「辞めて…どうするおつもりで…?」
「どうしようかね…寺にでも入ろうと思うよ。心穏やかに暮らせるかな」
「…本気ですか」
男は動揺を隠せないようだった。物静かなこの男には珍しい、と花紫は思う。
「うん」
穏やかに太夫は頷いた。
「では…」
男はやや言葉につまり、後に思いきったように口を開いた。
「で、では私の元へ来ては頂けませんか?無礼は承知の上で御座います。
私は貴女の側に侍るだけで幸せで御座いました。貴方をお守りするためならなんだって致します。
…勿論、お断り頂いて結構ですが…」
暫しの沈黙があった。男は俯きつつ、その沈黙に耐えた。
「…本当に?」
キ、と男は顔を上げた。
「冗談でこんなことが申せましょうか。ずっとお慕い申し上げておりました。
高嶺の花と、自分に言い聞かせてきた私は今、一世一代の覚悟を決めた所で御座います」
花紫は呆然と男を見つめ、目に涙を浮かべた。
「こんな近くに…いたのに…」
花紫は弱弱しく呟いた。
「…ありがとう…佐吉。あの人が言ったこと…本当だったんだ…」
「…?あの人とは…?」
「西のあの小さな山の上に変わり者が住んでいてね。その人が教えてくれたんだ」
花紫は外を指さし説明したが、佐吉は怪訝な顔をする。
「…失礼ですが…あの山の上には今は落ちぶれた古寺しかないはずですよ。人が住んでるわけは…」
「それは古い話だろ。今はもっとちゃんとしたものが建ってるよ」
「…おかしいですね…」
佐吉は未だ納得の行かない様子で首を傾げる。
「じゃあ案内するよ。あの人まだいるか分からないけど…。
もしいたらあんた紹介して、薬のこととか…お礼もいいたいし」
花紫は楽しげに笑んだ。


628:秋宵華蝶 満願成就の最終夜 了
08/11/19 19:04:31 6038hnDF
下弦の月の晩をぼんやり思い出しながら花紫は佐吉を案内した。夜以外でこの道を通った事は無かった。
「こんなとこを夜な夜な共の者もお付けにならずお一人で行かれるとは無用心すぎます」
佐吉は眉を顰め地味に抗議したが、まさか夜這いに行くためだからとは花紫でも言えず、黙って聞き流した。
長い石段を登り、たどり着いたその先には、建物が見えた。
「…やはり…」
佐吉は頷いた。花紫は呆然と立ち尽くす。まさしく古寺だ。今にも崩れそうな体である。
近づいてみたがあの男がいた建物には到底見えなかった。
一陣の風が吹いた。

からりからから。

聞き覚えのある錆び付いた音にはっとして花紫は辺りを見回す。
寺の賽銭箱の真上に吊るされた鈴に目が止まった。
古びた鈴の音は、まさしくあの男に迎えられる時に何度も聞いた音だった……



後日、江戸の町は一つの話題で持ちきりとなった。
「あの、花紫太夫が消えたらしい」
「消えたって…どういうことだね?」
貰い手が決まったのか、それともただ一人姿を晦ましたのか。もしくは病にでもなって…。
様々な憶測が飛び交う中ただ確かなのは、玉屋を訪れてももうそこには花紫は居ないという事だ。
真相は江戸の小市民には分かりえなかった。
真相が分からぬ人々は、ただただ「消えた」とばかり噂した。
天保十年。玉屋の花紫太夫をもって、太夫という地位も江戸吉原から完全に消えた。
後の世に、花紫は江戸吉原最後の太夫として未来永劫語り継がれることとなる。







629:秋宵華蝶 満願成就の最終夜
08/11/19 19:13:06 6038hnDF
終わりました!
読んでくれた人ありがとう。
パロってみて、モノノ怪の脚本家さん達凄いなって事を改めて感じました

「秋宵華蝶」の段階ではまさか主人公が花紫になるとは思ってなかっ(ry
三かちん希望してくれた人、ホントありがと!

そしてエロ無しと言いそびれた…ウエンツされて来ます

630:名無しさん@ピンキー
08/11/19 22:03:52 O3dX/KL9
GJ!めっちゃ気持ちよく読めたぁ

631:名無しさん@ピンキー
08/11/20 20:37:05 Mr7jr5FZ
>>629
エンディングにナツノハナが聞こえたやうな

632:名無しさん@ピンキー
08/11/20 21:03:09 a8R8O1gp
合いそうだね

633:名無しさん@ピンキー
08/11/27 23:42:03 04Mkq2Ww
保守!

634:名無しさん@ピンキー
08/11/30 17:44:16 Y5ukJDjn
最近知ったけど花紫って実在の人だったんだね

635:名無しさん@ピンキー
08/12/01 00:26:44 ZYfTGbrx
え、そうなん?
詳細うpよろしく



636:名無しさん@ピンキー
08/12/01 00:48:57 OVa3B1nq
URLリンク(www.himejifan.com) 
一番下の『吉原の太夫とは』のところ

URLリンク(www.seibidou.com)
歌麿の「玉屋内花紫」

637:名無しさん@ピンキー
08/12/02 01:59:06 42vT5F/H
>>636
玉屋かぁ。画像まで上げていただいてありがとうございますっ!


638:名無しさん@ピンキー
08/12/07 09:42:29 GDo2IjbY
保守

639:名無しさん@ピンキー
08/12/13 00:24:45 bO1mKlyn
保守るとき保守れば保守る!

640:名無しさん@ピンキー
08/12/15 21:05:55 sRTfq7Jt
万人の万人による万人のための保守

641:薬加で薬受け風味
08/12/16 00:01:09 GDUh34YQ
今のところ加→薬で、前半薬受け気味。
途中ですが、投下してみます。



642:薬加で薬受け風味1
08/12/16 00:03:02 FZuBnRIz
男が長屋の戸を引く。
いつもならすぐに、おかえりなさい!と満面の笑みで迎えてくれるはずの娘の姿が、ない。
おかしい。こんな時分に家にいないなんてことは、今まで一度もなかった。
おそらく夕食になるはずだったはずの食材達は、桶に浸かるか、まな板の上に転がるか、
はたまた鍋の中。なんとも中途半端な有様。
留守中に何かあったのか・・・。不安がよぎったその時、がらっと背後で鳴る引き戸の音。
すぐさま振り返ると、今まさに姿を探し求めていたその娘が引き戸にもたれかかる様に
そこに立っていた。
「加世さん・・・?」
怪訝な顔でその娘の名を呼ぶ・・・が、反応がない。様子がおかしい。
顔はうつむき加減でよく見えないが、まとっている空気が、明らかにいつもと違う。
あの溌剌とした雰囲気が微塵も感じられない。何事かと側に駆け寄り、重心を自分に移すようにして
引き戸にもたれかかっていた肩を抱き寄せた。
「・・・んー?」
とようやく娘の声がしたかと思うと同時に、男は眉根を寄せた。
こいつぁ・・・・・。なんだって、こんな・・・。とため息をつく。
立ち込めた匂は、いつもの娘の柔らかく甘い香とはほど遠く、鼻の奥まで刺激する。
「どこに・・・行ってたんです?」と、不機嫌な色を帯びた声色で問うと、ようやく娘は顔を上げた。



643:薬加で薬受け風味2
08/12/16 00:06:24 GDUh34YQ

「・・・あーくすいういさんじゃないれすかー。おかえいなさーいv」
へらっと締まりのない顔で、答えになってない応えをする娘。
頬はまるで情事の後のように薄紅に染まり、唇は熱を持ったように紅く、いっそう厚みを増して見え艶やかである。
半落としの瞼の向こうには、潤んだ漆黒の瞳。・・・・あぁ。と、男は先ほどより深いため息をつく。
脊髄の芯がにわかに疼く。
その全てを貪りたい衝動を抑えながら改めてもう一度、語気を強めて問う。
「ど・こ・で。飲んでたんですか?」
これだけは確かめておかなくてはなるまい。
このあたりは長屋が並ぶばかりで、飲み屋は一軒だってない。見れば、足もともおぼつかないあり様。
一体どこで飲んでいたのか・・・いや、正確には「誰と」飲んでいたのか。
それだけは聞き出さなくては、この先の娘への対応も変わってくるというもの。
それがもし、男であろうものなら・・・と勘ぐる男をよそに、娘は気持ち良さそうに瞳を閉じてしまった。
「ちょっと・・・!加世さん?!」質問に答えて下さいと男が肩を揺さぶると、
娘の首ががくっと振れて、仕方なくといった風に散漫に、とろんとした瞳を開く。
その焦点の合っていない瞳が、達した後の様に似ていた。
男は心の臓ではないところで拍動を感じ始める。
「今まで、誰といたんです?」
焦れた響きを帯びる問掛けに、ようやく娘が答える。
「・・・さえさん。おむかいの・・・」
あと・・・ご近所のみんなもー。にこにこと答える娘に、さらに問いかける。
「みんな、とは。」
「みんなはみんなですよぉー・・・。」
結さんとかー。お静さんとかー。それとー・・・と、たらたらとした応えに痺れをきらし、男が核心を問う。
「そこに、男衆はいなかったんですかい?」
「いませんよぉー?・・・・・だってねぇ」
と娘は上目づかいで男を見つめると言った。
・・・おんな同士の話をしたくて、集まったんですもん。


644:薬加で薬受け風味3
08/12/16 00:11:11 FZuBnRIz

そういう事か、と男は納得した。
そういえば今朝、近所の女衆が加世を訪ねてきているのを出掛けに見た。
あの時、今夜の女だけの飲み会の誘いを受けていたのだろう。
ひとまずは、安心した。男の劣情を煽って止まないこの娘の色は、他の輩には見られずに済んだようだ。
そう思うと、また腰が疼きだした。
そういえば、己が酔ってこの娘を貪ったことはあっても、その逆はなかったな。
などと考えていると、娘と視線が交錯した。

「ねぇ?・・・くすりうりさん。」
・・・あたしに、させて欲しいことが・・・あるの。と上目使いで言ったと同時に、娘が思いもよらぬ行動に出た。
その行為に、男は思わずうっと声を漏らす。
娘の掌が己を撫で上げたのだ。
ただでさえ、酔った娘の艶に疼いていた根が、にわかに立ち上がる。
その娘の手を思わず両手で掴むが、娘はもう片方の手でさらに擦り上げる。

「加世さん・・ッ」

声が上ずる。男は混乱した。
普段では考えられない行動。娘の掌から与えられる初めての快感に、思考が止まる。
娘は距離を縮めると、男の耳元で囁く。

「ね、お願いだから・・・。」
早く脱いで?と、可愛らしくおねだりをした。


645:薬加で薬受け風味4
08/12/16 00:19:46 FZuBnRIz

衣擦れの音が、明るい部屋に響く。

普段の二人の閨事は、文字通り閨(やみ)の中で為す。
それは男が初めて娘を抱いた夜からの決まり事のようでもあった。
娘は、男からの淫薬の強要を甘んじ受けることはあっても、闇だけは守り通してきた。
男は夜目の利くほうではあるが、闇にもどかしさを感じるのが常であった。
身体を重ねるようになってから、日が浅いわけではないが、一向に慣れず、恥じらう娘を愛しく思う。
一方で、己の一物を咥えこむ華を、律動に合わせ揺れる柔らかな実を、
乱れながら啼き、快楽に溺れる表情を、余すとこなく存分に眺めたいという劣情が男の中でくすぶっていた。

すでに襦袢姿の二人は脱ぎ捨てた着物の上で、膝立ちのまま互いの腰紐に手を掛けていた。
娘が男の衣を脱がせたことは、今まで一度もない。
それが今夜は、脱いでとせがむばかりでなく、自ら男の腰紐に手を掛けている。しかも明かりの下で。
男は、めったにないその状況を、楽しむことに決めた。
娘の腰紐を解き終えると、襦袢の前が肌蹴たが、あえてそれを肩から落としはしなかった。
そのまま腕を下ろし、娘の好きにさせてやる。

「いったい何を、してくれるんです・・・?」と言う男の口が厭らしく嗤う。
近所の年増な女衆に吹き込まれたことでも試してみたいのだろう、ということは大体予想がついた。
娘は男の下穿を下ろすと、下帯に手をかけながら言った。

「・・・さっきね、教えてもらったの。」
ぺたんと座り込むと、娘の目の前にはちょうど、下帯の下で既に十分に立ち上がっている男がある。
ゆっくりとそれを解いていく。
現れた男は、下帯から解放された反動で娘の目の前で軽く振れ、その先が娘の鼻をかすめた。
そのわずかな刺激にも男の腰がびくッと震えた。
思わず吐息が漏れそうになるのを堪える代わりに、眉根が寄る。

己自身の目の前に、紅く艶やかなふっくらした唇がある。
娘の大きく潤んだ瞳に見つめられている。
そしてそのさらに奥には、深く谷を作る乳房。
その光景に煽られ、拍動しながらさらに大きさを増す自身。
早くッ・・・その唇で、舌で、胸で、包みこんでくれ・・・!


646:薬加で薬受け風味5
08/12/16 00:26:44 FZuBnRIz
娘は初めて光の下で見る男に意識半分で感心していた。
きれいな肌色・・・あたしの肌と薬売りさんの肌とちょうど中間くらいかしら。
と魅入りながら、ふふっと笑った。その吐息がまた男の先端を刺激する。
「加世・・・さんッ!」
もう限界とばかりに、男は両手で娘の頭を押さえ腰を突き出してきた。

「やッ・・・、も〜ぅ!動いちゃだめですぅ〜」
娘は顔を反らし、男の先は娘の柔らかい頬に擦りつけられている。
はぁ・・・っ!と男が吐息を漏らした。
頬に触れただけでこの快感。それがその唇なら・・・ッ!と男の限界がすぐそこまで迫ってきていた。
娘は男からの頭の拘束を解くと、上目づかいで言った。

「お願いだから・・・じっとしてて?」
ね?と首を傾けながら言う娘の笑顔が憎らしい。
「では・・・早くッ・・・!」
と今まで聞いたこともない切ない声を上げる男とは対照的に、娘は余裕の表情で答えた。

わかってますから・・・。」

そう言うと、娘の両手が男の大腿に触れた。


647:薬加で薬受け風味
08/12/16 00:30:39 FZuBnRIz

王道スロー展開ですいません。

後半はまた後日。

648:名無しさん@ピンキー
08/12/17 21:11:55 RIbDdPMS
乙でーす

649:名無しさん@ピンキー
08/12/20 23:31:46 zCJsSa+j
そろそろ和姦秋田。前スレみたいなハードなやつキボン。

650:名無しさん@ピンキー
08/12/21 01:23:00 yDcNyBJH
性交以外はどうだろう
自慰とかSMとかおしっこ我慢とか

651:名無しさん@ピンキー
08/12/26 00:42:09 /cXTrYM/
で、>>646の続きは来ないんだろうか。
投げ出すのは感心しないな。

652:名無しさん@ピンキー
08/12/26 00:58:58 zrCJYUpM
投げ出しっつか
秋田って言われたから需要無いと思って自重したのかと思ってた
自重する必要は勿論ないけどね
まだ書き上げてないだけかもしんないが

653:名無しさん@ピンキー
08/12/28 03:46:26 NfMpCAaH
小田島キボン

654:名無しさん@ピンキー
08/12/28 13:46:54 0ef3QA5b
自重なんかいらねえ!
来いっ

655:名無しさん@ピンキー
08/12/30 21:05:11 oxA1kuYT
まとめると小田島で自重せずハードな自慰?
ハードル高えなおいw

656:名無しさん@ピンキー
08/12/31 03:12:13 XwR3VPpj
まとめんなw
圧縮落ち免れてヨカタ。よいお年を!

657:名無しさん@ピンキー
08/12/31 04:14:55 cbWq3tDo
小田島で自重せずハードな自慰で姫初め?
濃度も高いなw

>>646戻って来いっ
そして、よいエロパロを!

658:真央×小田島1
09/01/01 03:47:04 90YqCVdw
>>653-657の流れで即席書いた
小田島で自重せずハードな自慰をする真央様



長い黒髪を振り乱し、上下に揺れる白い体を、小田島は陶然と見上げていた。
ほっそりとした肢体には些か不釣り合いとも思える、豊かな乳房が弾力をもってはずむ様は煽情的で、目を逸らすことが出来ない。
堅物だの愚直だの言われても、己も所詮はただの男なのだな、と小田島はしみじみ自嘲した。
あ、あ、あ、と揺れに合わせて赤い唇からは細い嬌声がこぼれ、同時にじゅぶじゅぶと濡れた肉が絡み合う、粘ついた水音が股間の辺りから響いた。
硬く膨れた陰茎をぐにぐにと締め付け、扱き続ける肉筒は熱く、それでいて柔らかく、まさに甘美だったが、あと一歩のところでどうしても物足りなさが残る。
それがなんとも言えずもどかしかった。
肉壁からとろとろと滲みだす温かな蜜が陰茎を伝って袋まで濡らす、てろりとした感触にまた焦燥感が募った。
「く……、真央、様……っ!」
「あン! あ、あぁ、小田島、また硬くなった……あぁ、ふふ……」
切羽詰まった男の呟きに、跨る女はうっとりと目を細めて我が身を抱きしめた。

小田島が坂井家の一の姫である真央と肉の関係を持ってから、早二年が経とうとしていた。
とはいえ、仕える家の姫君と人知れず恋仲になった、という甘やかな話ではない。
この性交は、主の妻女である水江から言い渡された、れっきとした「お役目」だった。
曰く、いずれは名のある家の男の元に嫁ぐことが定められている真央への、『教育』とのことだった。
それなりに若く、加えて忠義に篤く、しかし美形ではない小田島は、水江の言葉を借りるなら『教育に最適の人材』だったらしい。
─どんな教育だって言うんだ、おい。
白羽の矢が立った時、殊勝な顔の裏で小田島は、心底呆れたものだった。

そしてこの二年で、真央はすっかり男の味を覚えたようだった。
母親の言いつけに逆らう考えはなく、しかし嫌悪と戸惑いが見え隠れする表情で、恐る恐る小田島に触れていた真央はもういない。


659:真央×小田島2
09/01/01 03:51:13 90YqCVdw
「はあっ、あっ、んん、んくぅ……んっ!」
恍惚に歪んだ汗まみれの赤い顔は淫乱そのもので、昼間の取り澄ました顔を持つ女とはまるで別人だ。
再び小田島の腹の上に手を付き、踊るように腰を振る。一層水気を増した淫猥な音がぐちゃぐちゃと結合部から響いた。
真央の動きは自分の快楽を追うためだけの動きだった。男には正直たまったものではない。
もはや小田島を男ではなく、ただの張り形、自慰の道具と見なしているのかもしれない。
あくまで『教育』である以上、小田島から真央へ触れることは必要とされた場合のみ、それ以外は一切禁じられている。
今は頭上で括られた両手を情けなく思いながら、「なんて拷問だ」と小田島は心中こっそりと毒づいた。

濡れそぼった互いの恥毛を擦り合せるようにして身をかがめると、白魚の指で男の乳首を捏ね回しながら、真央は蠱惑的な微笑みを小田島に向けた。
「素敵よ、小田島……」
うふふ、と熱く湿った吐息を吹きかけて、ちろちろと小田島の口腔へ舌を這わす。
男としての矜持を自ら踏みつけ、小田島は舌を出して真央と唾液を交換した。
「でも……まだ、駄目よ」
甘く囁いて、真央は指先を繋がった場所へと延ばした。
肉芽を軽く弄んでから、つうっと慈しむように己の秘処を貫く肉棒の根元をなぞる。
今にもはちきれそうな赤黒い陰茎に、さらに目の覚めるような赤色の組紐が結ばれていた。
「もっと感じさせて」

─いつか血が出るんじゃなかろうか。
快楽と苦痛の狭間で、小田島は力なく思った。



おっしまい!
あけおめことよろー

小田Gゴメソ(´・ω・`)

660:名無しさん@ピンキー
09/01/01 20:31:04 9ISme3Fs
非道すぎるあんまりだもっとやれ!
新年早々美味しいエロをありがとうGJ!!

661:名無しさん@ピンキー
09/01/03 22:43:49 K+PgiG8X
GJGJ!
この真央が塩野に嫁いでたら悲惨だったろうな、いろんな意味でw
若い男をくわえ込むか、いっそ小田島様が嫁入り道具のひとつwなんてなw

662:名無しさん@ピンキー:
09/01/05 01:19:28 GIjr277o
薬売りズ×加世の続きを待ってろくろ首になっちまいそうです、ぜ・・・

自分に文才があったら・・・っ!

663:名無しさん@ピンキー
09/01/08 23:06:13 7YhMKxL0
ろくろくび定着ww

664:名無しさん@ピンキー
09/01/13 09:04:13 QvgMnDnl
ろくろくび絡まるww

665:名無しさん@ピンキー
09/01/15 22:32:53 DAEBPt8M
>>664
いっぱいいすぎて??

666:名無しさん@ピンキー
09/01/17 22:51:41 ScymNngs
666(゜∀゜)

667:名無しさん@ピンキー
09/01/24 22:51:02 YyY0M43y
保守!

668:名無しさん@ピンキー
09/01/24 23:33:55 L6ra91ss
野手

669:名無しさん@ピンキー
09/01/31 01:23:25 rVCQ9Mvr
野生の薬売りがとびだしてきた!

670:名無しさん@ピンキー
09/01/31 04:53:38 gIJDrOQV
野生の薬売りは牙をむき出してうなっている!

手なづけますか?
 
 はい いいえ

671:名無しさん@ピンキー
09/01/31 18:41:18 xxCWZ3Ps
>はい
→…誘って、るんですかい?
それは、また…
貴女も「好き」なお方だ…
では、遠慮なく…アーッ→お持ち帰り

>いいえ
→ほう…興味がない、とでも?
…多少嫌がられた方が、俺もそそるってもんですけどねぇ…(ギラリ)
と、いうことで…アーッ→お持ち帰り

野生の薬売りの巣に持ち帰られてしまった!
この場を切り抜けるためにどのアイテムを使う?

・塩
・春画
・眠り薬
・己自信

672:名無しさん@ピンキー
09/01/31 20:17:34 nVGcGUTB
あ ら て の 乙 女 ゲ ー ムwww

じゃあ眠り薬で!!

673:名無しさん@ピンキー
09/02/01 11:02:33 HbWpOxjn
薬売りには 効果が ないみたいだ…

「大体、薬に頼って眠ろうっていう、その根性が気に食わない。
なに、そんなものなくとも、ぐっすり眠れるようにして差し上げますよ……」

GAME OVER



アーッがアッーに見えてまさかのryかと勘違いしたのは自分だけでいい。

674:名無しさん@ピンキー
09/02/02 02:48:38 44Opxxai
薬売りには薬は効かないのかw

…春画でお願いします

675:名無しさん@ピンキー
09/02/02 20:11:49 wtROS7JN
薬売りには 効果が ないみたいだ

「ほぉ・・・俺がこの程度のモノに動じるとでも?
もっとすごいヤツを、教えて差し上げますよ・・・」


これもGAME OVERw

676:名無しさん@ピンキー
09/02/03 15:59:30 /sDhWDfZ
あ、今更ながら誤字発見w

>>671
の選択肢「己自信」→「己自身」すいませぬ

677:名無しさん@ピンキー
09/02/06 22:09:19 CkRl+5/k
薬売りが持ってるものは効かないのかな

では塩でw

678:名無しさん@ピンキー
09/02/07 08:48:23 8olYZhnH
薬売りの 目の色が 変わった!

「明石の天然塩……。サバにしますか? アジにしますか? それとも鮎か岩魚?」

薬売りの 興味は 魚に移った!

どうしますか?

→魚で釣る
→良い塩は豆腐だろjk
→酒だ酒だ! 酒を持ってこい!

679:名無しさん@ピンキー
09/02/07 22:43:53 clloTuMr
>>678
そう来たかwww
酔わせてみたいな…ゴクリ…
→酒

680:名無しさん@ピンキー
09/02/10 22:34:10 +797dTZK
この流れマジおもろい。gjだ673

681:名無しさん@ピンキー
09/02/13 21:43:01 s+0YSVtf
がちゃーん!!

とっくり が 割れた!

「モノノ怪は……わたし……?」

野生の お蝶さんが 現れた!!

「YATTA! YATTA!」

ついでに 敦盛が 乱入してきた!!

→たたかう
→ようすをみる
→みんなで酒盛り!


……保守代わりのつもりだが、いつまで続くんだこれw
職人さん来ないかなー


682:名無しさん@ピンキー
09/02/13 23:47:20 i6ASbxwk
>野生の お蝶さん

想像できないwww

683:名無しさん@ピンキー
09/02/14 01:40:03 dUeRVhT/
これはこれで楽しいからいいんじゃね?


→たたかう で!!

カオスな乱闘決定w

684:名無しさん@ピンキー
09/02/16 22:19:29 iJ5eRL04
スレ、agesるっ!!

685:名無しさん@ピンキー
09/02/18 12:05:04 MhpPS0wH
>681
じゃああたしはみんなで酒盛る!

686:名無しさん@ピンキー
09/02/22 22:15:58 I3qBJjpE
>>683,685

(プレイヤー)の 塩投げ!

明石の 天然高級塩が お蝶さんめがけて 飛んでいく!

敦盛の かばう!

敦盛は お蝶さんを かばった!

「あなた……!」
「SHOPPEEE! SHOPPEEE!」

薬売りは 猪口を片手に 七輪で 魚を 焼いている!

「この塩の、甘みがわからぬ、とは……。実に哀れな、モノノ怪だ」



・・・ごめん。反省はしている。

687:683
09/02/22 23:53:43 SHjuwVi6
盛大に笑った!!
敦盛「SHOPPEEE!」てw


688:名無しさん@ピンキー
09/02/23 02:39:49 WpntaTUM
>>683
→たたかう
薬売り「そんなことよりも、魚・・・」
敦盛「ただの人に負けるような身ではない」

敦盛の煙管から煙を吹きかけられ、のっぺらになった!動けない!
それに気付いた薬売りが、怪しい笑顔と筆を携えつつ、近づいてきた・・・
GAME OVER


>>685
→みんなで酒盛り!
しばらくすると敦盛とお蝶さんが交尾し始めた。卑猥な単語が飛び交う気まずい空気、
ふと気付けば、杯を持ったままの薬売りの視線が、痛いほどこちらに向いている。

やばい!最初は逃げようとしていたのに、何で酒盛りなんかしてるんだ!?

そして>>671の選択肢へ戻る・・・保守


689:名無しさん@ピンキー
09/02/24 20:39:25 4R9Sh6BJ
ああああ戻ってもたぁぁぁっ
ってかSHOPPEEEEEEに吹いたwww


690:名無しさん@ピンキー
09/02/24 22:32:00 r9JSDObX
無限ループかw

691:名無しさん@ピンキー
09/02/25 13:31:08 tHbFxcts
>>678
→良い塩は豆腐だろjk を選んでみる。

692:名無しさん@ピンキー
09/02/28 21:28:30 WS2QeCS7
保守、満ちましてございます

693:名無しさん@ピンキー
09/03/05 20:56:55 uVYYGpMF
「満ちたようでございます」だ

694:名無しさん@ピンキー
09/03/09 23:31:50 Dx2szkID
くちゅり…

女より白くきめの細かい肌から玉になった汗がするりと音もなく滑り落ちる。間隔の短い息遣いが男の高ぶりを感じさせるようで、女はぞくりと身震いする。
自身の中心に、深く入り込んで熱を放つ男を無意識で絞りあげる淫欲。もっとほしいとひくつきながらさらに奥へと男を誘っていく…
『加…世さんっ…』

あぁこの声が好き…

たまりきらず、体内に勢いよく流れだす男の欲望に、体内まで舐められているよう。
そのみだらで不確かな感触に意識が白くなってゆく…


695:名無しさん@ピンキー
09/03/09 23:42:30 Dx2szkID
事がすむと、男はいつも優しく女をいたわった…
体のどこにも無理がかからぬよう、そっと抱きしめ髪をすき、背を撫でて

『…大丈夫…ですか?』

と、聞いてくる…。
ことに最近は念入りに。無理もない…女は老いる。
大丈夫…と、答える代わりにふわりと笑顔。そしてゆっくり目を瞑る。
いつものように…大丈夫を伝える。


男は女が若い時ほどではないが、変わらず求めてくる…。
『加世さんがどんなに老いようと、私の気持ちはかわりません』
歌舞伎役者顔負けの色男なのに、自分の言ったことを表す方法がこれなんだから、ほんとに不器用。
女はクスリとひとり満足した。


696:名無しさん@ピンキー
09/03/09 23:58:45 Dx2szkID
男が静かに眠りに落ちた頃、女はそっと目を開けた。
起こさないようにそっと男の顔をのぞき見る。この動作もいつからかとてもしんどくなった…今日はことにつらい気がした。

整った顔立ち、薄い唇に紅のくまどり、もうみ慣れはしたものの、やはり惚れ惚れしてしまう。

あぁ…大変いそがなくっちゃ…

不意にそう思って言葉を紡ごうとしたが、どういうわけか声にならない。

どうしよう、困ったな…、…そうだ!

動かない体になんとか力を込めて自分の額を男にすりつける。
…どうか伝わって。

薬売りさん、私が死んだら、お墓を作って…

あのね、私を埋めたらその上に石をおいてね。
大きくなくてもいいの。きれいじゃなくてもいいの。
その辺にあるようなのがいいの。

少し寂しいかもしれないけど、お花とお線香でも備えたら、それらしくみえるでしょ?


それに…あなたが私を忘れるくらいに時間がたてば、きっと苔がむして、それこそ大地にかえって、ありふれた景色の一つになるでしょう?

…あなたが悲しい事を思い出さなくてすむでしょう?


697:名無しさん@ピンキー
09/03/10 00:05:14 Dx2szkID


伝わってね。大好きよ。



朝、男が目を覚ます。
くるべき日が来たのかと、男は静かに…悟った。



以上、激しく後悔。ほんとにすいません。ただ最近の過疎化がどうしても…
しかし、自分は職人にはなれないんだと悟りました。

698:名無しさん@ピンキー
09/03/10 22:34:31 BEA91FNI
職人お帰り!

いや、十分堪能した・・・っ
最近お笑い傾向だったから、切ない話に余計じーんとしたよ
この勢いで他の職人も返ってきてくれると嬉しいなぁ

699:名無しさん@ピンキー
09/03/13 01:19:09 qKzpaK8T
GJ!

700:名無しさん@ピンキー
09/03/18 01:03:37 fVplrWyQ
保守じゃ

701:名無しさん@ピンキー
09/03/18 20:57:15 5P8HHqoq
sageてどうする

702:名無しさん@ピンキー
09/03/25 14:14:13 GKct9DJk
保守

703:名無しさん@ピンキー
09/03/25 22:23:50 66iMVCzM
監禁陵辱墜ちる系で、市川節子が福田市長に犯される話が読みたい。
愛用のカメラで恥ずかしい写真とられて、カストリ誌に顔出しで載せられたりすればいい。
プライド高いからうってつけだと思うんだが、探してもないんだよなー。

704:名無しさん@ピンキー
09/04/03 04:41:11 Bz84Mx1d
圧縮が近そうなので、保守

705:名無しさん@ピンキー
09/04/03 12:30:38 thzaTJK4
>>704
なれば上げい

706:名無しさん@ピンキー
09/04/03 14:12:38 uyLMxl76
あげ

707:名無しさん@ピンキー
09/04/13 04:32:51 wK1ln9c/
保守あげ

チヨが、客にキネマに出してあげるって言われてのこのこついてったら
変態爺含む複数の男に入れ替わり立ち替わり犯される、てのが読みたい。
キネマ時代にポルノはあったんだろうか。どんな娯楽もまずエロありきだと
思うが、無声じゃ厳しいか。

708:名無しさん@ピンキー
09/04/15 23:16:38 JxuIJ3nk
そのむかしブルーフィルムというのがあってだな・・・

709:名無しさん@ピンキー
09/04/17 23:51:47 P/mWOlRk
kwsk

710:名無しさん@ピンキー
09/04/18 22:54:25 PABi+qr1
そのまんま、無声映画時代のポルノのことだよー
チヨ倫姦見たいねw

711:名無しさん@ピンキー
09/04/26 12:11:15 s+bwdY6U
ほしゅ

712:名無しさん@ピンキー
09/04/26 22:25:58 31uSgeYz
美形アイドル チアリーダーが脱ぐいでいる動画。画像が
無料で見れました。
URLリンク(www.freepe.com)

713:名無しさん@ピンキー
09/04/30 13:27:04 DP2Zs0mo
ウィルスにマジレスもなんだが、チアリーダーは薬売りやハイパーと同じく絶対領域がいいんじゃまいかほしゅ

714:名無しさん@ピンキー
09/05/03 02:05:51 cUfT1/lb
すっかり過疎ってるな・・・
第三期でも映画化でも何かやってくれマジ

715:名無しさん@ピンキー
09/05/03 07:47:22 Em4AO0pD
過疎ってるっていうより
職人さん達が忙しいだけなんじゃないか?
・・・と思いたい

日産サイトに裏できた
だがしかし
パス請求できない俺チキン。


716:名無しさん@ピンキー
09/05/09 12:50:05 6JG8d+Zm
江戸の春画にはジジババが題材のもあるそうだ
守備範囲広すぎるだろ日本人

というわけで、坂井の爺×万屋女将とか・・・いややっぱいらねw

717:名無しさん@ピンキー
09/05/09 23:14:27 y/b6X0ig
海坊主でいくさ船なり海座頭なり呼んじゃった犯人は、他でもないげんすい和尚様。
じゃあお庸さんはどうなったかというともう魂になって兄様が自分を許すのを待っていただけだったのよね。
黙って死んじゃったのは可哀そすぎるなあ。てなわけで稚拙ながら一本。


『お庸の行方』

五十年前の総称の粋を集め、絢爛豪華をきわめて作られた“うつろ船”。
蟻一匹はいる隙間もなく閉じられたその箱の中に、その少女はいた…。

熱き恋心をたずさえ、堪え忍ぶ生に見切りを付け、進んで旬の身体を闇の中に投じた少女。
その名はお庸。

静かに般若心経を唱え続ける彼女を見そめた者がいた。

うつろ船は深海の潮の流れに乗せられ、南の海に引き寄せられていた。

深海の水圧で気を失っていたお庸が目を覚ました。
もううつろ船は揺れていなかった。もう二度と感じることのない陸地の感触をその身体は感じた。

いきなり船の中に大音響が響く。何かを打ち付ける音、擦る音、木が擦り剥けるザリザリという音がした後蓋は開いた。

お庸の眼前には待ちに待った極楽浄土が広がった。

718:あかしそ
09/05/09 23:31:41 y/b6X0ig
「恐れなくても良い。恐れることはない。出てきなさい。経を唱えていた者よ」

丸く開いた船の出口から、若い男の声がした。

二度と見ることはないと覚悟していた陽光が目に痛い。
ふらつく足取りをものともせず、船を出るなりお庸は仏の前にひれ伏した。
「我の名は仏ではない。ここは人の世とも極楽浄土とも違う我の城。その犠牲の訳、お教え願いたい」
「…あなた様は?ここはなんという国ですか?」
「我が名はニライカナイ。竜宮の国の皇太子」
衰弱激しく、お庸はそのまま気を失った。

719:あかしそ
09/05/10 00:09:28 E/NI3oYH
カナイはお庸を片時も側から離さなかった。
お庸に生きる意志は無かった。薬、酒、食べ物も拒否した。

ここの物を食べれば、肉体もそのままで竜宮で生き続けられる。
しかし食べなければ、肉体は生き続けられない。
その魂は極楽か地獄の使者が迎えに来る。竜王にはその判断をする権限があった。

夢うつつのお庸の耳に、傍らで話すカナイの声が聞こえてきた。
「父上、我に皇太子の任を辞する許しを下さい。お庸に心乱れるのが止められません」
「龍神のそなたが心乱れることで、海は実際に大荒れ、船と共に沈んだ魂が増えておる」
「その者達の魂だけでなく、帰りを待っていた家族の嘆き、糧を失い後を追った魂の嘆きも聞こえます」
「任を辞してどうする」
「お庸の魂と共にどこまでも海をさまよいます」
「執着が…しかも実の兄と通じ合う願いをまだなだめておらぬ執着があまりに強すぎて
本来なら行ける極楽浄土にも迷うて行けなくなっておる。そこをカナイがここへ引き寄せてしまった。
執着を断ち切るようなだめ切れなかったのは悔しかろうが、成仏できないのもこの娘の選んだ道
ここの物を食べていないのも幸い、そなたは心を括って、後を観音菩薩にゆだねてはくれまいか」
「…父上、今しばらくの時間をたまわりたく…」
竜王は立ち去っていった。

替わってカナイの侍従が、カナイに湯に入るよう勧めた。カナイは返事だけをし、動かなかった。
お庸はまた長い眠りに着いた。

目が覚めたお庸は、カナイに初めて自分から願いを口にした。
「体を清めたくおもいます。湯に連れて行っていただけませんか」

720:あかしそ
09/05/10 00:35:18 E/NI3oYH
どこまでもどこまでも天井が高い洞窟の中には
海底火山の熱を引いてきた温泉がこんこんと湧いていた。

カナイはお庸の細くなった体から黙って着物を落とし、抱きかかえて湯に入っていった。
湯の中でカナイは正体を露わにした。
緑の鱗をらんらんと光らせた竜の姿になった。
「そのまま…そのまま私を食べてくださいませ…。私の身でお心が静まるならもう海に捧げた身、惜しくはございません」
「みなまで言うな!」
カナイの唇がお庸の唇を塞ぎ、白い肌には緑の尾が巻き付いた。
我に返ったカナイは青年の姿に戻り、唇を重ねたまま手頃な岩にお庸を押しつけた。
カナイはお庸が拒まないことに初めて気が付いた。

そのころ人の世の海は、人々の願い通り、穏やかになった。

721:あかしそ
09/05/10 01:03:44 E/NI3oYH
お庸の身体をカナイの唇が這っていた。
首、乳首、太股、要所、要所でたまらず声を出した。
「どうぞお好きなだけ…お好きな…あ…ああっ……どうぞ…お望みのままに…」
「その願い、永久に叶えようぞ…」
「うっん…んん…ああ………カナイさま!」
カナイの頭はすでに湯中に沈んでいた。
その唇は手指と共に少女が抗えない場所を這い、吸って、揉んで、掻き回していた。
「時は止めた」
「……ぁぁ、カナイ……さ…ま!」
「その煩悩、尽き果てるまで」
「は……あぁぁ…カナイ、さまが、あつい…です…」
「幾度でも幾度でも」
「…おかしく…なり…そうです…んん!」
「果てるが良い!」
「!!!」

唇と手指の後は、カナイの半身が少女の処女を優しく押し開けた。
そして再び唇と手指、次は半身との交わりが繰り返された。
お庸の身体は閉じる暇がなかった。

時を止めたまま、二人は幾晩分、幾日分交わり合っていたか…。

お庸の心から煩悩という名の濁りが、消え去っていた。
カナイはお庸の胸に抱かれ、安らかにつかの間の眠りに入っていた。
お庸は忘れていた経をそっと呟いた。
(観音菩薩さま、観音菩薩さま、私の心から煩悩の炎が消え去りました)

722:あかしそ
09/05/10 01:27:48 E/NI3oYH
カナイが目覚めると、カナイは岩場に横たわっていた。
「お庸!」
「カナイさま」
お庸は美しい着物をまとい、黄金色に輝いていた。
「お庸、まさか…」
お庸の斜め後ろに、見覚えのある人が立っていた。
「なむ観音菩薩さま!」
「カナイ、お庸の心をなだめてくれたこと、礼を言いますよ。お庸には心の準備ができました。ここでお別れです」
ひれ伏していたカナイは顔を上げた。
「お庸、ここに残ると言ってはくれまいか!后となってはくれまいか!」
「カナイさま…」
お庸は言った。
「私の心を満たし、なぐさめて下さりなんとお礼を申して良いか分かりません。
しかしこの身は人の世の癒しに捧げた身、やはり極楽浄土に入り、そこから兄様の行く末を見守るのが
私にふさわしい死後の処し方なのでございます。お許し下さいませ」

「カナイよ。今後お庸の幸せを願い、定めをまっとうするなら、
この南の海の生き物はいつまでも繁盛し、名誉を受け、人々にも神々にも称えられる海となるであろう
このことにくじけず、お庸を心穏やかに見送るがよい」
観音菩薩の言葉に、カナイの心はやむなく揺れたが、じき治まった。
お庸は観音菩薩に連れられて、光を放ちながら天へ向かっていった。

その後、兄様ことげんすい和尚の執心が例の海域に悪霊を住み着かせることとあいなるが
その喧噪をさておいても南の海はいつまでも穏やかで豊かになったと言うことである。
ちなみにカナイは今も独り身であるそうな。

おしまい!

723:名無しさん@ピンキー
09/05/10 12:13:01 F7ODzY9h
うわぁGJ!
大人の御伽噺って感じだ!
兄さまのことが解決した今、たまには竜宮に来てカナイとお茶でもしてほしいぜ

724:名無しさん@ピンキー
09/05/14 23:25:22 hiO5DqCe
GJ!!!

ちゃんとストーリーのあるエロだな
職人カムバ――ック!!!

725:名無しさん@ピンキー
09/05/19 15:06:08 utTL5pvk
ふおおおお、おもろかったGJ

726:名無しさん@ピンキー
09/05/21 08:13:46 rvhX1m6v
>>722
GJ!!!!

727:あかしそ
09/05/23 09:52:30 X6OFKGl1
あざーっす♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪

728:名無しさん@ピンキー
09/05/31 18:07:10 VNaNfFwC
楽しそうですね

729:名無しさん@ピンキー
09/06/02 06:40:23 PPeQN70R
オンリー盛況だったな
薬加スペースのほとんどが18禁でワロタw

730:名無しさん@ピンキー
09/06/12 12:35:51 3HcYABU/
オンリー行けなかった自分に誰かkwsk
レポ探してもあんまりわからん
結構サイト持ちじゃない人が本出してた?
通販はないのか・・・ここもめっきりで飢えがきつい

731:名無しさん@ピンキー
09/06/13 10:30:58 pzaS1RBK
オンリーってなに?同人コミックセールのこと?
田舎で、モノノ怪同人の世界は知らないんだわ。興味あるけど。

732:名無しさん@ピンキー
09/06/13 14:01:37 XMaBtAj1
ほとんどがサイト持ちだった

733:天秤ズによる人体の考察
09/06/17 00:03:19 ee6HE0xS
流れぶったぎって保守がてら。


「天秤ズのぉ〜!身体☆測定〜!」
「いえ―!」
「っても僕らみんな同じだし」
「メイドインジャパンだからね!こだわりの職人魂だよね!」
「それを逆手にとられて、コミックじゃ見るからにコp――」
「言うな!それ以上言うな!デジタル処理はアニメ時点から重要な役割を果たしてるんだぞ!」
「まぁまぁ。代表して誰かを測ろうよ」
「はい!はいはい!今日ちょっと背ぇ高い自信があります!」
「よし、巻き尺を持て!」
「はっ!……丈は5.32寸であります!」
「おお、伸びてる」
「確かに伸びてる!」
「前回の測定冬だったもんね」
「夏が近いんだねぇ」
「加えて、今日、日なたで数刻待機させられたのであります!」
「乙」「乙」「乙」
「今の時代はいいけど、真夏の車内に「うっかり、うっかり」で放置されたらぐんにゃりしちゃいそうだよね」
「いや、それより「熱ちっ!」ってなって放り投げられる方が先だと思う」
「僕らはいいよ、問題は退魔さんだ」
「ご主人様が退魔さんをダッシュボードに放置したら、とりあえず鈴鳴らして注意しなくちゃね」
「ね」「ね」「ね」
「ところで、人間も熱膨張するの?」
「えー、しないんじゃね?だって恒温動物でしょ?」
「でも加世ちゃんとか、夏になるとお腹気にしてるよ」
「秋にも気にするよ。「ご飯が美味しいからって食べ過ぎたぁ〜!」って嘆いてるの、僕知ってる」
「それ言ったら冬だって、お餅のせいで膨張するんだよ」
「お餅、焼くと膨らむもんね」
「あれ面白いよね!」
「まだ根拠はあるんだ。ほらよく加世ちゃんがご主人様に言ってる」
「ああ、「熱い、おっきい」てアレ?」
「そうそれ。だからきっと、ヒトも熱膨張するんだよ」
「ふぅん。じゃあご主人様も夏に背ぇ測ればいいんじゃね?」
「……ちっちゃいの、実は気にしてるよね」
「してる。絶対してる」
「よし、じゃあご主人様に教えてこよう!」
「僕らってなんて主人思い!」
「きっとご主人様喜ぶよ!」

「えい、えい、おー!」

ちりん

734:名無しさん@ピンキー
09/06/17 00:24:52 3RIQeSoC
なんという傑作wwwww


735:名無しさん@ピンキー
09/06/17 01:27:24 SnepdRqX
わらったwwww
最高w

736:名無しさん@ピンキー
09/06/19 13:17:36 4HgSkspv
そこに繋がったかwww

737:名無しさん@ピンキー
09/06/24 18:56:47 sybKeKCJ
そんなに背低かったっけ?

738:名無しさん@ピンキー
09/07/02 22:13:45 hzTR7wnt
さぁ、シークレット高下駄の開発に戻るんだ

あの下駄で天気占ったら曇りか雨ばっかだろうな。
退魔の剣の毛は湿度でぼわってなるんだろうか。
なびいてるとことか見るとキューティクルばっちりっぽいけど、
「天気予報もできないたぁ、松ぼっくりにも劣る……。
エラーで無駄に光るくらいなら、天気によって色変えるぐらいの芸当、
してみせたっていいんですよ」
と髪がまとまらなくて機嫌悪い薬売りに八つ当たられる保守

739:名無しさん@ピンキー
09/07/05 13:02:36 XRHOxJ40
「高下駄」と銘打ってる時点ですでにシークレットではないと思うんだ
湿気で髪がぼわっとなってる薬売は椿油でお手入れししようwww

740:名無しさん@ピンキー
09/07/05 19:45:32 QuJWlWVX
では、ハイパー用のシークレット足袋の開発でも、いたしましょうか

741:名無しさん@ピンキー
09/07/06 07:15:55 g4ZMIPa0
お願いします。

742:名無しさん@ピンキー
09/07/06 11:43:27 fLZGnpqx
たwのwむwなwww

743:名無しさん@ピンキー
09/07/11 13:10:23 CoLmsEVk
こわくてろまんちっくなの一本ほしーなー

744:名無しさん@ピンキー
09/07/12 01:02:45 q2gpZDjb
俺もー

745:回向  初七日 1
09/07/12 23:39:51 W1EY8zaa
怖いかどうかはともかく、こんなかー?

小田島×真央、エロなし。続きもの。





 ――だじま


 惨劇の夜から七日が過ぎた。
 事後処理に忙殺された小田島の眠りは深い。布団に倒れ込み枕に頭を乗せ、ぱちりと瞬いたと思うと既に辺りが明るくなっているのである。
賑やかな鳥の声に呆然とし、だがそうそう呆けてもいられずに無理やり体を動かした。動けば日々は流れていく。
 そうして、七日。
 狐につままれたような感覚は、あの夜と地続きだ。確かに一晩を過ごしたはずが、門の外はまだ婚礼の日の夕刻であった。時の感覚が曖昧で、
いまだ夢の中にいるような気がする。
 ……どこかでまだ、夢なのではないかと思っている。目が覚めればこれまでのこと、全部なかったことになるのではないかと。
あれほどのことがありながら、変わらず朝日が昇り、動けば腹が減り、世がそのまま続いていることが、己の中で噛みあわないでいる。
 この世の終わりの一つや二つ、来たとておかしくないはずなのに。
 ううんとうなされて寄った眉。
 そして唐突にぽかりと意識が浮いた。開けた目に夜の闇がしっとりと黒い。くんと動いた鼻は深夜の匂いを嗅いだ。何故こんな時間に目が覚めた、
疑問は枕辺に座した影と目があって解ける。白い白い、亡くなる直前の白無垢を映したような、だが各段に薄い白帷子(かたびら)。
 小田島、と影は笑った。無骨な男は急ぎ飛び起き、布団から降りてかしこまる。
 深く頭を下げた先、今更に痛ましさが胸をついた。なるほど、彼女が血を連ねた者は非道であった。重い罪には一族連座で刑が下ることもある。
さりとて、なんの罪科もない者が、若い身空で命を断たれれば痛ましい。いや、この際老若男女は関係ない。いかなる者であれ、あのような死は無惨であろう。
変わり果てた骸にとりすがる、幼な子と妻の泣き声が耳に残る。祝いに華を添えるべく呼ばれた者たちは、もう舞うことも楽を奏でることもない。
一家の柱を失って、彼らの明日は厳しいものになるだろう。……それがわかっていたとて、小田島に出来ることは何もない。
『小田島』
「はっ」
『顔をおあげ』
 柔らかな声が言った。不思議なほど、生前よりよほど穏やかに響く。顔をあげた小田島の前で、真央は口元にほっそりと苦労知らずの手を添えて笑った。
『お前は本当に正直ね。思っていることがなんでも顔に出る。わたくしが悲愴でないことが、そんなに意外?』
「とんでもございません。……ただ」
 小田島の眉が下がる。丸っこいどんぐり眼が、欠け始めた月のように縁をへこめた。
「そのように幸せそうなお顔を……生きておいでの間に拝見することができなんだことを、悔やんでおります」
『それは無理よ』


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