モノノ怪でエロパロ  ..
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225:名無しさん@ピンキー
08/02/14 22:04:50 x0pU/RzP
意見募集してるようなので一票をば
自衛として秘部・結合部には、あるか無きかの横棒線が1本欲しい。
337氏の案なら、お花がドS氏の絵柄にあってるなぁ

226:337
08/02/18 00:02:24 bymMhifZ
とりあえず別アド使って問い合わせ中。
中の人がよほど時間が有り余ってるのでも限り、同一人物だとはバレない
はずなんで、そこんとこはご安心をw
回答がきたらまたお知らせします。
一番の問題は結局規約に引っかかるか否かだろうし。
内容丸ごと引っかかってたら笑えるがw

とりあえず、回答が来るまでこの問題は一旦横に置いといて、
また雑談とか投下とかが見たいです先生。
そんな感じでいいでしょうか。>>218

227:名無しさん@ピンキー
08/02/18 00:20:31 gMaJA9R3
そういやリレーも一ヶ月以上開いてるのか
えらい所でおあずけ食ってんなwww

228:218
08/02/18 00:42:49 d/Wcr40H
>>226
お手数かけさせてしまって、申し訳ない337氏。
にしても、相談するだけなのに書き込みもビビるってなんだよwww
>>225氏 レスdです。

や、いらん結界札貼ったようで・・・こうなるとは思ってなかった。
問い合わせの回答待ちってことで、この件一旦横に置くことにしますよ

229:ドS
08/02/18 23:15:04 n1eiMg2a
337氏
何から何までdです。

では、前に話が出たお仕置き編ができたので投下。

230:ドS
08/02/18 23:19:21 n1eiMg2a
―りん! りん!―

玉虫色の空間に鈴の音が木霊している。

「まったく…お前は…」

出所はあの不届きな一機の天秤、自分を掴み上げる薬売りの手から逃れようと激しく暴れている。

「主の女に手を出すとは…許せないです…よ」

薬売りは天秤の頭部をもう片手の指で弾き、何とも地味に痛め付けている。

―りん! がちゃがちゃ!―
天秤はいやいやとするように身を捩る、部品が軋み金属音が鳴り響いた。

「反省…していない。おまえ…ぐっ!!」

突然背後から何者かに羽交い締められた、思わず手の力を緩めてしまう。

―りん!―

薬売りの手から軽やかに飛び上がった天秤は地面に降りくるりと廻ってみせた。
「ぐぐっ…、何者…」

強い力で首を固められた薬売りが何とか後方を振り向くと金色の化粧をした自分がいた、

「……?!」

あり得ない事態に驚愕し薬売りは言葉を失い目を見開いた。

「……」

金の男は薬売りを一瞥するとにやりと牙を見せた。

―がちゃがちゃ!―

金の男の背後から重なりあった金属音が鳴りおびたたしい数の天秤が現れた、

―りん!―

整然と並んだ天秤達が一斉に薬売りに傾く。

首を固められ意識が飛ぶ寸前に薬売りは絶叫した。

「お…ぉ…お前らぁぁぁ――!!!!」


おわり

231:名無しさん@ピンキー
08/02/18 23:30:59 FnkqYqb4
てんびんAは なかまを よんだ!
てんびんDが あらわれた!
てんびんEが あらわれた!
てんびんFが(ry

てんびんズは ハイパーを きどうさせた!!


と、青背景に白文字で見事に浮かんだ。
お腹苦しいwww

232:名無しさん@ピンキー
08/02/19 00:02:54 6mQZLjT4
下克上!w

ちょ、薬売りとハイパー別人設定で、加世の取り合い三角関係とか読みたくなった。
薬売りvsハイパー 勝つのはどっちだ!?w

233:名無しさん@ピンキー
08/02/19 07:58:48 LFSuCVIi
テクニックでいったら薬売りだが
持久力とモノの良さでいくとハイパーが勝ちそうだ

でも一番可愛がられるのは天秤ズ

それを羨ましげ・恨めしげにみる主人ら…

234:名無しさん@ピンキー
08/02/19 19:28:30 sHpJui2n
>>231
こっちはあんたのおかげで
総てんびんズが合体した
てんびんキングを想像してしまったじゃないかwww

…どんだけでかいんだろな…

235:名無しさん@ピンキー
08/02/19 20:30:57 g+IkwvyH
>>234

(前略)
てんびんSが あらわれた!
てんびんTが あらわれ(ry

(↓出番待ちの面々)
てんびん???「隊ちょー! 大変です! 識別文字が足りません!」
てんびん???「何ィ!? じゃあ小文字を使え! 小文字を!」
てんびん???「らじゃー!」

(中略)

てんびんuが あらわれた!
てんびんvが あらわれ(ry

てんびん???「やっぱり足りません!」
てんびん???「くっ……全26文字しかない南蛮文字はこれだから……!」
てんびん???「キリルは!? ロシアもあるだろう!」
てんびん???「なるほど! 割振り準備開始します!(かたかたかた)――ああッ!」

(レッドランプ点灯、警告音)うぃーおぉん うぃーおぉん うぃーおぉん!

てんびん???「どうした!?」
てんびん???「ダメです! スー○ーファ○コンのスペックオーバーしました!」
てんびん???「しまったーーーーーっ!!」
てんびん???「ちなみに名前に使えるのは全角6文字までです! 濁点含む!」
てんびん???「ならばすでに登録済みの文字を使うんだ!」
てんびん???「はっ!」

てんびんうが あらわれた!
てんびんえが あらわれた!
てんびんおが あらわれた!

てんびん???「なんかイマイチ締まりません!」
てんびん???「仕方あるまい! 背に腹は変えられん!」
てんびん???「このままいくと、『てんびんょ』とか『てんびん!』とかがあらわれるのか?」
てんびん???「そういうことに……なりますか……」
てんびん???「真の敵は……味方の内にこそあったということか……。くそっ!」
てんびん???「いや、数からすればもう十分だろう! 突撃を開始する! 総員合体準備!」
てんびんズ「「「「「らじゃー!!」」」」」


てんびんズは がったいして てんびんキング(ちいさめ)に なった!


……と、いうわけで、せいぜいモスラくらいじゃないかなと思ってみる。

236:337
08/02/19 20:42:30 g+IkwvyH
……つい面白くて、ここに来た目的を忘れて窓閉じるところでした。
うっかりうっかり。

問い合わせ回答きました。
まず問い合わせの内容だけど、>>223で書いた規約を引用し、

> 【成人向け小説サイト、および2ちゃんねるのPINK系板のまとめサイト】
> は、この規約に抵触するでしょうか?
> 内容は、成人向け小説中心、イラストも少々。写真や実写動画の掲載は
> ありません。また、サイト内で出会い系等の交流も一切ありません。
> イラストについては、局部の露出の可否(モザイクや修正が必要かどうか)も
> お教えください。

と、こんな具合。これに対する返答が、

> 局部のイラストは掲載なさらないでください。
> 他の文章等は児童ポルノなどの法に触れるコンテンツでなければ
> 掲載可能です。

でした。
なので、まとめサイトの存続は可。
ドS氏には、お手数だけどもイラスト軽く修正かけてください。>>222氏ゴメン。

と、こんな感じ。いかがでしょう。

237:222
08/02/19 21:44:23 Qgl7ooqm
>ドS氏
天秤ズかっけええええ!!!
はぐれメタル天秤と薬売りの一騎打ちとかねwww

>337氏
問い合わせ乙です。
おk把握した。
全く見れない事を思えば十分です。
修正部分はハイパーだと花に一票かな。
ハイパーの局部を滅!

238:218
08/02/19 23:17:47 QGA40Xv4
>>236
337氏、問い合わせ乙です。とりあえず>>215の9枚の内3枚は修正で他はおkでいい訳か。





>児童ポルノ
・・・・・・文章でも引っかかるのか・・・そうか・・・orz
別に書き始めてもないし・・・ダメージないからいいけど・・・

239:名無しさん@ピンキー
08/02/20 08:15:30 Fm03rSUU
>>237
滅っちゃらめぇぇぇぇぇ!www

……字面が『減っちゃry』と似てる、とふと。


240:名無しさん@ピンキー
08/02/20 17:07:49 Fm03rSUU
御久な>>66続き。



「ふぁ、ああーーーーーーっ!」
 がくんと加世は首をのけぞらせる。まぶたの裏がまっしろになって、ちかちかと何かが明滅した。薬売りが切羽詰まったような吐息を洩らして、ぐいと加世の両膝を寄せる。そのまま前へと押しやって、
細い体をふたつに折り畳むように膝頭で乳房を押しつぶさせた。膝を抱えるに似た姿勢に加世が疑問を覚えるより先に、左右から手が伸びて膝裏を押さえる。そうして、薬売りが腰を動かし始めた。
「あっ、ゃっ、ああんっ」
 薬売りのそれが加世の割れ目をこすり、むっちりした太腿の狭間を出入りする。十分に立ち上がって充血した肉芽をこすられ、脚から伝わる振動が胸の膨らみとその先端を揺する。
遅く早く繰り返される律動は祭の手拍子足拍子にも似て、普段は奥深くしまわれた原初の衝動を呼び起こす。
 汗が。
 浮いて、流れて、狂う。
「ゃ、ああっ! くすりうりさん! くすりうりさぁんっ!」
 これなら痛くないでしょう、と薬売りのどれかが言うが、答える余裕が加世にはない。身の内に宿ってちりちりと加世を苦しめた熾火が、炎になろうとしている。怖いのに、焼き尽くされたくて、
けれどまだ風が足りないのか薪が足りないのか、ちろりちろりと思わせぶりに火の舌先が覗くばかり、一向に燃えあがってくれない。
 ぱくり、と。
 脚を押さえている薬売りたちが加世の爪先を食んだ。
 加世を後ろから抱きとめている薬売りが、褐色の首筋に浮いた汗を舐め、甘噛みする。
「ひゃ、ん、んんっ、んんぅーーーーっ!」
 きつく目を閉じ、眉を寄せ、自らの裡にある種火を興そうと意識が潜る。
 息もできない。
「……加世、さん」
「加世さん」
「足りない、ですか」
「もっと?」
 問いかけられる言葉の端々に、意地悪な笑みが隠れていると思うのは被害妄想だろうか。ぎりぎりまで呼吸を我慢して、尻尾の先が見えた、と思った瞬間大きく揺さぶられる。
「――はっ、ひゃあぁんっ! あ、やっ! いじわるぅっ!」
 うっかり詰めていた息を吐き出してしまい、求めていたものがまた霧散する。思わず不満に尖った唇を吸われ、ぽろりとこぼれた涙を舌で拭われ。
 ああ、と薬売りが深く息を吐いて、何か熱いものがお腹にぶちまけられる。はっ、はっ、と短い呼吸を整えながら、体液でぐちゃぐちゃにぬめったものが脚の間から引き抜かれた。
折りたたんだ脚を戻されると、白濁を加世に塗りこむように下腹部と太腿を一斉に撫でられる。
「やっ、あぁぁんっ!」
 気持ちいい。気持ちいいけれど、物足りない。
 体が勝手にくねる。火照るあまりに汗が浮き、その水分が邪魔をするのだろうか。行き場を見失った熱が加世の中で暴れて苦しい。
「では次」

241:名無しさん@ピンキー
08/02/20 17:13:45 Fm03rSUU
続き



 ひょい、と一人が加世の体にまたがった。下半身が見えなくなったけれど、幾つもの手がせわしなく這い回っているのはわかる。
 見えないからこそ余計に、感覚を拾おうと知覚は鋭敏になる。
「いや、あ、あぁんっ、あ、あああ!」
 衝動に任せて無茶苦茶に脚を蹴り上げたいのだが、足首をがっちり固定されてこれもままならない。わずかに許された自由の範囲で、加世の全身がびくびくと跳ね回る。
「くすり、うり、さぁんっ! や、くるし、」
「もう少し、辛抱、してください」
 囁いて、ぴんと張りつめ震える胸のふくらみを、両側から手のひらで包まれる。ゆっくりと大きく円を描くように揉まれて、ん、と加世が反応すると、間にいきり立ったものを挟まれた。
「え」
「こういう方法も……あるんです、よ」
「いい……です、ね。実に、やわらかい……」
 陶然とした声。
 先走りの汁でぬるついたものが、ふやふやと頼りない感触を楽しむように加世の間を行き来する。自然すぎる動きでふくらみを寄せる手が入れ替わって、一心に腰を振りたてる者と先端を吸いたて愛撫する者とに占拠される。
「んぁっ、は、あぁっ、あぁぁんっ」
「加世さん」
「加世、さん」
 首をのけぞらせ、左右に振り、なんとか熱を逃がそうと――あるいは炎にしてしまおうと一人悪戦苦闘する加世が、ぎゅっと強く握り締めていた手を、左右で二人がぽんぽんと叩いた。
「え、な、なに、あ、あぅっ、はぁんっ!」
「ちょっと……手、開いて、くれませんか、ね」
「しんどい、かもしれませんが」
「お願いします、よ」
 短い爪が手のひらに食い込んでいたこぶしを、やんわりと薬売りが広げていく。加世がなんとか力を抜くと、何かが、滑り込んできた。
「軽く握って……そう、上手、ですよ」
「あんまり、力入れすぎないで、ください、ね」
 上から手を添えるように握らされて――それは。
 考えるまでも、なく。
 恐る恐る向けた視線の先に、加世は一瞬絶句した。
「ちょ、えええええっ!?」
「すみません、ね。我慢、できなくなっちまいまして」
 申し訳なさそうに眉を寄せて、誰かが額に口づけを落とす。
「加世さん」
「加世さん」
 熱い吐息は、もはやどの薬売りのものなのか――あるいは、加世のものなのかもわからず混じりあった。
「あんたが――欲しい」



要望なるだけ取り入れてみた……です。スマン尻ズリにはならなかったorz いささかやり過ぎた……?
誰か尻拭いお願いします、そろそろ終結へ向かうかヘイパース!

242:名無しさん@ピンキー
08/02/20 21:46:03 o7axB8DF
みwwなwwぎwwってwwwきたwwww

GJGJGJ!!
続きまってました!

243:名無しさん@ピンキー
08/02/20 23:50:12 kwxWF6cc
一発書き薬×加
作家さん降臨待ちの間のお目汚しに…と思ったら続ききちゃった!?


244:名無しさん@ピンキー
08/02/20 23:53:14 kwxWF6cc
肌襦袢から除く褐色の肌が目に愛しい…
薬売りは目を細めて先ほどまで狂うように愛しんだ体をめでる。

普段きゃいきゃいとさわぐ年の割りに幼さの抜けない
天真爛漫を絵に描いたような娘が床で広げる痴態には、男の理性を吹き飛ばす艶がある。

薬売りさん…もっと…

請われるうちは請われるままに…

もう…ぁ、だめぇ…

壊れるならば、壊れるほどに…

情欲の限りを尽くし、妄想の隅々まで体現しようと娘の体をむさぼった。
あまりに高ぶった自身に、今は気を失ったように眠る娘の愛おしいこと…

「…ん…むぅ」

娘は寝返りをうって薬売りに寄り添う。
猫のように身を丸め、幼子のように必死と襟元をつかむ。
寝返りを打った頬に敷布の後がついているのに苦笑する。

おやおや、娘さんがこれじゃああんまり色気がありやせんぜ…

心のうちで思うのとは反対に保護欲を掻き立てられて抱きしめる。



245:名無しさん@ピンキー
08/02/20 23:53:58 kwxWF6cc
お前もいつかは誰かを愛することがあるのかねえ…


言ったのは父だったか…名前ももう思い出すことができない。
ただ本能のようにアヤカシを斬る。

父が自分に課した使命。
守り抜けと…生きる意味だと…

お前を作った理由だと…

人外の自分に、何を愛しんで何を守れというのか…
ちりあくたのように、どこからか現れてどこからか消える生がほしっかた。
一瞬一瞬を、ただ生きたかった。
…人のように。




「…ふぁあう!」


びくっと薬売りが目を見開く。相変わらず娘はむにゃむにゃと夢の中だ…


「…っふ」

まったくどうしてあなどれない…
思考の深みに落ち込む自分を拾い上げるのはいつもこの娘だ…






「…あなたにはかないませんねぇ…加世さん」





終わり

246:名無しさん@ピンキー
08/02/20 23:56:27 kwxWF6cc
改行しすぎた!
ほんっと初めてなんで許して下さい。

さらに
父は有名なあの清明さんってかってに…ぐわぁぁすいません。
半年ロムします。

247:名無しさん@ピンキー
08/02/21 01:06:48 z3dvImhP
>>240-241
おっきした。なんというエロス。GJ!

>>243-246
二 度 と 来 る な 。

248:名無しさん@ピンキー
08/02/21 23:55:48 lvCJWzdX
そこまで言わんでもw

249:名無しさん@ピンキー
08/02/22 02:45:39 HoxNB4Kt
>>243
今後の成長に期待。
また来てくれ

250:名無しさん@ピンキー
08/02/22 10:59:37 4MXTp8CV
モノノ怪の小説はここにしろ個人サイトにしろレベル高いから
みんな目が肥えてるよな

>>243
とりあえず本当に半年ロムって、その間に修行すれば

251:名無しさん@ピンキー
08/02/23 00:13:05 qixuukdy
イラストの修正問題にあれこれ思いを馳せていたはずが、いつの間にか
ハイパーのモノにあのくるくる模様はあるのか真剣に悩んでいたヴァカは
自分だけでいい。

でももしかしたら仲間がいるかもとちょっとだけ期待してみる。

252:名無しさん@ピンキー
08/02/23 17:10:18 yvlRDPxs
…あったら面白いとは思うけど、でもあんまりカッコよくは無いよねwww

253:名無しさん@ピンキー
08/02/23 20:03:09 ZyZwbLY3
体の隅々まで加世ちゃんに模様をなぞってもらうといい、と思ったw

254:名無しさん@ピンキー
08/02/23 21:45:23 6fVJhh9R
ハイパーうらやましすぐる…!<加世にナデナデ
天秤ズがヤキモチやきそうだw

255:名無しさん@ピンキー
08/02/23 22:22:51 sppLRNgF
あの模様センサーらしいからなぁ。それとも目玉っぽい部分だけがそうなんだろうか。
感覚器なら、ものすごい苦痛かものすごい気持ちいいかどっちかだろうけど、
エロパロ的に性感帯だったら大変だなと思ってみる。全身w

256:ドS
08/02/25 22:55:06 Ki5fAviW
修正してみました、花とお札と金魚で誤魔化せたかな。

兵衛×加世
URLリンク(imepita.jp)

薬売り×加世-目隠し
URLリンク(imepita.jp)

薬売り×加世-目隠し&拘束
URLリンク(imepita.jp)

加虐愛-異物&緊縛
URLリンク(imepita.jp)

加虐愛-異物&穴る
URLリンク(imepita.jp)

加世×ハイパー
URLリンク(imepita.jp)

加世×ハイパー-加世up
URLリンク(imepita.jp)

257:名無しさん@ピンキー
08/02/25 23:58:02 RSK03A8a
ドS様のイラストが何故か
画像が一部見れないようです


258:名無しさん@ピンキー
08/02/26 16:06:28 8nYWm3c2
>256
ちょwww
逆にいかがわしくなってる気がするんですがw
GJ!!

>257
256の画像なら全部見れたよ。
そういう意味じゃなかったらごめん。

259:名無しさん@ピンキー
08/02/26 18:04:20 MZ2GTKDw
確かにw隠すほうがエロイとはけしからん、もっとやれ!

>>257
自分は携帯から見たよ。
パソコンからは見れなかった(´・ω・`)

260:337
08/02/26 18:56:59 LIjkiTUZ
>ドS氏
乙です! 保存しますた(`・ω・´)ゞ
見られなかった住人さん待っててくだされ。この後収蔵する。

>>258
日本には、見えぬもの、統制されたもの、抑圧されたものをエロスと感じる文化があってだなw
ああ、日本に生まれてよかった。本当によかった。

261:名無しさん@ピンキー
08/02/26 20:02:00 CWbfSFH3
女とヤってお金が貰える♪
まさに男の夢の仕事!
出張ホストっておいしくない?
URLリンク(godblessall.net)

262:名無しさん@ピンキー
08/03/02 00:09:03 pNBtVWAb
薬売りの出張ホストネタなら構わんので
ボトルキープしてやらんでもない



263:名無しさん@ピンキー
08/03/02 00:50:06 Y/1aHs1m
薬売りは、どっちかってーと複数ねぐらを確保しているgdgdなヒモだと思う。
のはぬこっぽいからだろうか……。

264:名無しさん@ピンキー
08/03/02 20:54:07 sA31Nz7v
お蝶さんの所へは頼まれてもいないのに出張するホスト敦盛

265:名無しさん@ピンキー
08/03/02 22:19:36 QNNhGi1n
お蝶さんがドアを開けたら「お蝶さん!俺と夫婦になろう!」と違った意味合いで営業妨害な敦盛。苦情殺到ww

266:名無しさん@ピンキー
08/03/03 01:53:25 91g3Cq43
指名No.1をめぐる薬売りと敦盛の熾烈な戦いが見たいwww

267:名無しさん@ピンキー
08/03/03 02:36:02 VZszZfyM
自分はチヨたんに「女優になりたいのぉ〜」とねだられたい
あとムチプリふとももサワサワしたい

268:337
08/03/07 21:02:36 YysvDUCP
とりあえず保守っとく。投下の間が空きすぎてうずうずするんだぜ?
これってなんて中毒。2,3日の間に投下できるようにガンガル(`・ω・´)

269:名無しさん@ピンキー
08/03/07 21:13:29 ZspbTHlt
のっぺら夫婦が大好きだ

270:名無しさん@ピンキー
08/03/08 20:03:57 pY7BVRvb
わー337さんだ!
三点倒立しながら楽しみに待ってます!

271:337
08/03/10 18:50:37 wgxdoTlH
投下いきまーす。
薬加、今回投下分はエロなし御免。全6レス予定。

272:サノメ 1
08/03/10 18:52:38 wgxdoTlH
「あちゃあ……留守かぁ……」
 いいかげん馴染みもできた長屋の一室に加世が顔を出すと、まだ明るいというのに戸が立てられていた。水瓶も空で、すっかり乾いている。鍵などかかっていないから部屋には上がれるが、さてどうしたものか、と加世はがらんとした部屋を見回す。
 貧乏長屋はろくすっぽ調度がないものと決まっているが、この部屋の主はその身と背負った薬箱のみで各地を旅する人物だから、なおのこと何もない。とりあえず、加世はごとごとと雨戸を開けて部屋に風を通す。
 意外なことに、江戸に着いてからも加世と薬売りとの縁は切れなかった。どういう風の吹き回しか、薬売りがしばらく江戸に落ち着くことを決めたからである。
 二日三日程度の遠出はしているようだが、基本的にはなんの変哲もない某(なにがし)長屋の一角を住まいとし、近場の行商に出ている。たまにはいいでしょう、というのが本人の弁で、見知らぬ土地に思いがけず顔見知りがいることになったのが、加世にとっては嬉しい。
 とはいえ。
 薬売りが言うように、単なる気まぐれで――と信じるには、かの人物は裏がありすぎた。
 なんでだろう、と加世は思う。坂井の騒動のとき、多少は言葉も交わし、それなりの親しさもあったと思う小田島と加世の元に、薬売りは一晩だって寄らなかった。
あるいは面倒ごとに巻き込まれるのを嫌ったのかもしれないが、食事くらいは共にしてもよかったのではないかと、後になって思った。なんといっても、薬売りは二人の命の恩人なのだ。たとえ本人がたまたまのことだと言い張ったとしても、恩人は恩人である。
 あれほどすっぱりと去ってみせたからには、薬売りの常はそちらなのだろう。それを曲げて江戸に留まる理由を、加世はこれまであれこれと考えてきた。本人に訊くという選択肢は最初からない。どうせ素直に言うわけがないのだ。
 真っ先に疑ったのは例によってモノノ怪絡みで、だがそれにしてはいつまで経っても噂が聞こえてこず、薬売りも相変わらず江戸にいる。
 ようようそれらしい理由を思いついた頃には、加世は首尾よく青物屋の奥向きに奉公先を見つけていた。

 ――アヤカシの海を抜けてきたことで、薬売りの体に相当の負担がかかったのではないか。

 モノノ怪を『斬る』のがどれほどの労苦なのか、加世にはわからない。ただ、人の姿のままで為せないことが、楽なものだとも思えなかった。それを、薬売りは船上で立て続けにこなしてきたのである。休養が必要になっても不思議はない。
 それとなく観察してみたが、はたして弱っているのかどうか、加世にはわからなかった。まして、本人が何を言うはずもない。
 一人で生きている人なのだと、なんとなくわかる。他人に何かを期待することがないから、口に出す言葉はおのずと限られる。
 ならば、こちらはこちらで勝手にやろう、と加世は決めた。

273:サノメ 2
08/03/10 18:53:49 wgxdoTlH
 わずかに自由になる時間を見繕っては、薬売りのところへ顔を出す。江戸のご飯は塩みが強くて、不味いというのではないが故郷の味が恋しくなる、たまには口にあうものを食べたい、と我がままをこねて料理を作る。
無論、体を損ねているかもしれない薬売りに滋養のあるものを食べさせようというのが実のところだ。加世の勘違いならそれはそれでいいし、美味しいものを食べるのだからどう転んでも損はない。
嫌がられたらやめようと思っていたが、加世なりの恩返しを、今のところ薬売りは何を言うこともなく受けている。
 ――受けていた、と言うべきか。
 加世は掃除用具を手にすると、布で口元を覆ってぱたぱたとはたきをかけ始める。人がいなくても、いや、いないからこそか、埃は積もるものだ。
「いつ帰ってくるか、わかんないし……。作り置きして傷んでもやだしなぁ」
 もごもごと布の下で呟いて、箒で板間を掃きだしていると、近所のおかみさんが表を通りがかって顔をほころばせた。
「おやお加世ちゃん。お疲れさんだねェ」
「こんにちはぁ〜」
 手を止めて布をずりおろし、ぺこりと頭を下げる。おかみさんはちょっと首を傾げた。
「薬売りさんなら留守だよゥ? 昨日の昼前にお出かけだったけどねぇ」
「ん〜、行き違っちゃったかぁ……」
 参ったな、と思案する加世に、おかみさんはにやりと笑う。きょろきょろと辺りを見回して土間をやってくると、ひそと低めた声で囁いた。
「あんた、わざわざ通ってきて空振りするくらいなら、さっさと薬売りさんと夫婦(めおと)になっちゃあどうだい?」
「め――っ!?」
 ひっくり返った声に喉が引きつり、思いきりむせる。おやおや、とおかみさんは加世の背を撫でてくれた。
 が。
 この誤解はキツい。何が何でも正しておかねば、なにかとてもすごくマズい気がする。
「めっ、めめめ夫婦なんて! あたしと薬売りさんはそういうんじゃないんで! ほんとに!」
 加世が必死で言うと、おかみさんは目を丸くした。
「あれ。脈なしかい」
「脈も何も! 薬売りさんはあたしの恩人で! これは単なるご恩返しですから!」
「……そうなのかい?」
「そうなんです!」
 勢い込んで念を押す。おかみさんは何か不満そうだったが、加世は無理やりに話題を変えた。
「あっ、あの! じゃあ薬売りさんに言付けお願いしていいですか? あたし、大旦那さまの里帰りのお供をすることになったんで、しばらく来られませんって」
 ああ、とおかみさんは得心がいった風だった。
「サノ祭のつきそいかい」
「え、知ってるんですか?」
「ああ、友達の妹が、昔見越屋さんのお世話になっていたから。なるほどねぇ、まだ日も浅いのに見込まれたもんだ。おめでとさん、うまくいくといいねぇ」

274:サノメ 3
08/03/10 18:55:16 wgxdoTlH
 加世は笑う。見越屋とは加世が今住み込みで奉公にあがっている青物屋だ。前の主人は、そも豪農の三男坊だったが、農家の暮らしが肌に合わず、江戸に出てきたのだと聞いた。
といって実家と険悪だったというのでもなく、つながりを利用して安くでよい品を仕入れ、小売りから一代で大店を起こした傑物だそうだ。
 加世も、仕事の折に触れ少しだけ話をしたことがある。想像していたのとはいささか違い、腰が低く人あたりの柔らかい、温和な好々爺だった。
今は息子に店を譲って隠居の身だが、数年に一度の故郷の祭には必ず出ていく。代々行なってきた豊作祈願で、一族が宗家に集まる大がかりなものらしい。
 その随従に選ばれるのはどうやら大変な名誉らしい、と加世は肌で感じている。よほどに大事な祭なのだろう。
「わかった。薬売りさんが帰ったらよぅく言っておくよゥ」
 お願いします、と加世は頭を下げ、しっかりおやりよ、とおかみさんに肩を叩かれた。ひととおりの掃除をして、帰路につく。次に来るのは半月先か、ひと月になるか。その間に、薬売りは長屋を引き払うかもしれない。
 いつまで経っても物が増えないのは、あそこが仮の住まいだからだ。それくらいは言われずともわかっている。
 挨拶くらいはして、旅立ちを見送りたかったが、それも無理か。
 もう一生会わないかもしれないな、となんとなく思った。


   *


 ご隠居の体にあわせて、三日の旅程はのんびりしている。
 一行に若い娘は加世だけだった。どころか、女は他に久と呼ばれる古参の女中一人きりで、短い旅ながら男衆は加世に親切だ。
 あと半月もすれば田植えが始まる。木々が青々と枝を伸ばし、風が心地よい道行だった。
「加世は天女の話を知っているかね」
 駕籠の隣をてくてくと歩きながら、ご隠居の話し相手を務めるのも加世の仕事だ。老人の話は長い上に繰り返しが多く、説教じみてかなわないことが多いが、さすがに元・希代の商人は各地の変わった話を数多く知っていた。
その話ぶりに、加世はちらりと船で一緒になった口数の多い修験者を思う。
「天女ですか? あの、羽衣を着て降りてくるっていう」
 そうそう、と老爺は目を細める。
「宮野木には、昔、天女さまがいらしたそうな。サノメさまといわっしゃる。サノメさまは村の若者と恋に落ち、子をなした。それがうちのご先祖様じゃと、幼い頃によう聞かされた」
「えぇ!? すっごいじゃないですかぁ〜」
 目を丸くする加世に、なんの、とご隠居は笑う。
「本当か嘘かわからんよ。とはいえ、天女さまが降りたと言われる宮池は、どんな日照りの年でも枯れたことがない。おかげで米も野菜もよう取れる。今の見越屋があるのもサノメさまのご威光よな」

275:サノメ 4
08/03/10 18:56:14 wgxdoTlH
 ああそれで、と加世は納得する。
 見越屋の守り神は、大黒様でなく弁天様なのだ。水と富を司る女神は、そのサノメさまだったのだろう。
「サノ祭は、サノメさまをお祀りするのでな。ちょうど加世が来てくれて助かった」
「……へ?」
 唐突に飛び出た自分の名前に、加世はきょとんとご隠居を見返す。
「あたしが、なにか……?」
「なに、難しいことはない。村に入る前に祭衣装に着替えて、サノメさまとして歓待を受けてくれればそれでよい」
「――ちょ、え、えええええっ!?」
 仰天して問いただすと、天からの来訪者であったサノメにちなんで、祭のサノメ役を務める娘は村外から招く慣例であり、見越屋ができてからは隠居が(当時は主人だったが)奉公人の中から選んで連れて行っているのだそうである。
「そっ、そんな大事なお役目だなんて、あたし聞いてませんよぉー!」
「いやいや、そう構えんでもええ。大層なしきたりがあるでもなし、お久が側女としてつくで、言うとおりにしとってくれれば」
 うう、と加世は唸る。
「……なんで、そんな大切なお役目を、新参者のあたしに……?」
「なに、さすが以前お武家様に仕えていたというだけあって、加世は行儀がしっかりしておる。サノメのお役は難しくはないが、あまり野卑な者には任せられん」
「ふ、普通にしてるだけですけど……」
「親御の躾がよかったのかの」
 正面から褒められると、それ以上を言い立てにくい。
 その晩寄った宿はすでに村の事情をよく知っているようで、加世は温泉に入れられると温かな布団に寝かせられた。翌日は村入りだ。
 ……男衆が親切だったのは、自分がサノメだから、だったのか……。
 ことんと宵闇に意識が落ちる。
 寸前、りん、と遠くで鈴の音がしたような気がした。


   *


 かたん、と隣の戸が開いた音に、女は顔をあげる。ひょいと戸口から頭を出すと、大きな薬箱が部屋に引っ込むところだった。
「薬売りさん、お帰りかい?」
 手を拭き拭き覗き込むと、間口に座り込んだ薬売りがゆったりと頭を下げる。
「……どうも」
「留守の間に、お加世ちゃんが来たよゥ」
 言うと、彼は視線をあげた。
「加世さんが?」

276:サノメ 5
08/03/10 18:57:27 wgxdoTlH
 これのどこが脈なしなのかねぇ、と女は内心首を傾げたが、言付けられたとおり、しばらく来られない旨を伝える。
「サノ祭にサノメとして行ったんだ、おめでたいことだよゥ」
「祭……ですか?」
「そう。宮野木の大事なお祭だそうだよ」
 薬売りは眉を寄せる。
「村の祭に、部外者が?」
「ああ、あすこは天女の村だから」
「マレビト……ですか」
「まれびと?」
 いえこちらの話で、と薬売りは手を振る。
「それは、田開きの祭で?」
「この時期だから、そうなのかね。まァ、うまくいけば玉の輿だよ。宮野木は江戸からそう遠くもないし、見越屋のご宗家は立派なおうちだしね。アタシの友達の妹も、サノメになってあちらに嫁いだんだよ。
ご隠居さんに見込まれたんだ、イイ相手が見つかるといいね」
「……つまり、」
 心なし低くなった声で、薬売りが言う。
「祭は建前で、実質見合い、ということですか」
 はて、と女は首を傾げた。
「よそのお祭だから、アタシもそう詳しくはないけれど。普通、祭の夜ってのは若衆が娘衆にちょっかいかけるものじゃないかい? ほら、歌垣とかしてさ。さすがに江戸じゃあそうそう見なくなったけど」
「……加世さんは、それを承知で?」
 さてね、と女は腕を組み、ちらりと薬売りの顔を見やると、多少意地の悪い笑みを浮かべた。
「ずいぶん気にするね、薬売りさん?」
「ありゃあ、妹、みたいなもんなんで」
 妹ね、と女は笑う。
「まったく似た者同士だねェ」
「なんです」
「いやね、お加世ちゃんにサ。わざわざ通ってきて空振りするくらいなら、さっさと夫婦になっちゃあどうだい、て言ったのサ。おっと、怖い顔しないでおくれよ。
これっくらいになると、人間余計なお世話を焼きたくなるものでねェ。でも、薬売りさんは恩人で、これは単なる恩返しだって、すごい勢いで言われちまったよ。だからまァ……そうだね、安心おし?」
「……それで余所に出掛けられちゃあ、安心も何もないんですがね……」
 憮然として言う薬売りに、女は笑う。
「まぁまぁ、妹ならなおさら祝っておやりよ。お加世ちゃんからじかに聞いたわけじゃないけど、でも普通はそんな事情、聞いてから行くもんだろうし。わかってたんだと思うよゥ? 友達のときもそうさね、……あれ?」

277:サノメ 6
08/03/10 18:59:13 wgxdoTlH
 首をひねった女に、薬売りは目線だけでどうしたと問うた。
「そういやあのときは……どうだったっけね。記憶に……ああ、そうだ。せっかくの嫁入りなのに、披露目も祝いもしなくてね。ずいぶん急な話で、準備が間に合わなかったって、友達がこぼしてたよ。
そうそう、めったにない晴れの日だってのに、なんにもなくてがっかりしてねェ。でも、お加世ちゃんは、戻ってくるような口ぶりだったし……?」
 あれ、あれ、と首を傾げた女の前で、薬売りは高下駄を元のように履くと立ち上がる。
「……すみませんが、またしばらく留守にしますんで」
 よろしく、と言ったときにはもう歩き出している。
 鮮やかな着物がせかせかと角を曲がっていくのを、女は目を丸くして見送って、あれあれ、と含み笑いを洩らした。
 さて、一体どうなって帰ってくるのやら。


   *


 山あいから見下ろす村は美しかった。
 なんの変哲もない村である。一段低い平地に茅葺屋根が身を寄せ合うようにして集まり、峻厳と迫る山肌をどうにか押しとどめて畑と田んぼが段々に拓かれている。
遠くに望む尾根にはまだ雪が残っているが、村の中にはすでに若い青葉が広がって、天に向かってつんと尖った影を見せる檜(ひのき)の深緑とともに、春のまだら模様を作っていた。
 珍しくもない貧しい村、に見える。
 見越屋の隠居、八太郎左は、じっと眼下の村を睨む。
 村のことは嫌いではない――嫌いではなかった、と言うべきか。余所者の八太郎左を、実の子と隔てなく育ててくれたのはこの村だ。だがそうして一人前に育つ間、時にどうにも息苦しくなって、叫び出したくなることがあった。
村を出たのは八太郎左にとって必然で、しかし、完全に縁を切ることも考えられなかった。
 嫌いなのではない、と今でも思う。ただ、何の変哲もないように思っていた村が、八太郎左には恐ろしい。食うにはかつかつ、天の気の具合が悪ければたちまちに飢えかねないような村――そのはずが。
 どうして、こんなに豊かなのだろう。余所者は八太郎左だけではない。近隣の村では、育てられない子が生まれると、この村まで来て捨ててゆく。村では天女の伝説が生きているから、サノメさまからの下賜されものだと、捨て子を大事に育てた。
畢竟、村ではずんずん人が増える。増えた人が懸命に田を広げ畑を広げ、育ててもらったご恩返しによく働くから、村はますます豊かになる。
 しかし、どうして皆が皆『食える』のか――不作の年であっても、せいぜいが村の口ととんとんの出来となるのか、八太郎左にはどうしてもわからなかった。
 否、なんとなくはわかっている。サノ祭、サノメさま。それは神事であり禁忌でもある。
 ――わかっているのだ。
 恐ろしいものから目を背けるために、村を出たのだということは。


  つづく

278:名無しさん@ピンキー
08/03/10 22:47:36 qwq5nYtp
>337氏 新作乙です!
押しかけ女房になりきれない加世かわゆす
サノ祭はリンカーンイベントなのかな?と当たらない予想をしながら
何がどうして村を豊かにしているのかがとっても気になります。
後編wktk!!
薬売り超がんがれ

279:名無しさん@ピンキー
08/03/13 01:59:05 L0kqQKM4
337氏相変わらずの美文、乙です!
生活感が溢れててイイな〜
押しかけ女房ってイイw
ちょっと、ちょっと!ちょっと!!な加世ちゃんが気になりすぎてハゲそうだけど…
負けるな薬売り!(アッチも)頑張れ薬売り!てことで続きwktk

280:名無しさん@ピンキー
08/03/14 11:23:14 FdzPeviz
サノメって預言者ヨハネの首を所望したとかいう魔性の女!?とgkbrして
調べたら、それはサ“ロ”メだったウッカリウッカリ。
仮想とはいえ江戸だろがと数分前の自分に言いたい。

281:名無しさん@ピンキー
08/03/14 20:04:01 J5SmiTbk
>>280
薬売りの首を手に恍惚の表情を浮かべる襦袢姿の加世さんを妄想してしまった
ss続きマッテル


282:809
08/03/15 00:27:11 unTo9IcO
>281氏
こんな感じですか?わかりませ…
URLリンク(up.mugitya.com)(生首・流血注意)

337氏続き楽しみです!

283:282
08/03/15 00:28:15 unTo9IcO
Pass忘れてました。目欄です(´Д`)

284:名無しさん@ピンキー
08/03/15 09:30:03 SSaX/IVw
>>282
SUGEEEEEEE!!
自分281氏じゃないけど809氏GJGJ!
……で、できれば加世の頬染めて、あと首刎ねられたあとだから
薬売りは蓬髪の方が……とゴネてみる。

王は坂井のジジイで、妃は……みじゅえよりさとかな?

285:281
08/03/15 10:09:18 6iZjtaGS
天女の村…「田開き」の祭りという言葉に淫靡な匂いを感じつつ…wktk
>>282
なんと迅速な仕事!残酷だが美しい


286:337
08/03/17 23:06:35 s09pmAMZ
>>280
>>278の書き込みに、何故ここでア○リカ大統領がと真剣に悩んでしまった
自分もサロメの話題に混ぜてください。…………orz

でもモノノ怪deサロメ、イイ!
あれ一枚ずつ服脱ぎながら踊るんじゃなかったっけ。
まずは帯を解いて放り投げ、次に……ってこれじゃストリッパーか。


気ぃ抜くとやたらめったら長くなっちまいそうで手綱締め締め。
今回もエロ突入ならず。最後には必ずエロ入るのでもうちょい待ってくださいすみません。
全4レス分、投下いきます。

287:サノメ 7
08/03/17 23:08:53 s09pmAMZ
 ……なんか、とんでもないとこに来ちゃったかもしれない。
 と、加世は背すじをつたう汗を感じていた。
 祭の規模は、思っていたよりずっと大きかった。考えてみれば見越屋ほどの大店の、主要な仕入先なのだ。村といっても、五軒や十軒で済むわけがなかった。
更に、八太郎左のように今は村を出た親類姻戚までが、山を越えてやって来ている。土地が広いから江戸の祭のようにごみごみとしては見えないが、子供も含めて二百からいるのではなかろうか。
 それだけの視線に晒されて、加世は緊張でがちがちである。側女(そばめ)の久には、案山子がたくさん立っているとでも思えばよいと言われたが。
 ――ムチャ言わないでよぉぉ〜っ!
 そりゃあ確かに野卑な者には任せられないだろう。とはいえ、事情もよく知らぬ赤の他人にあっさり任せていいものだとも、全然思えない。
 一段高くしつらえられた舞台から見下ろせば、そこは既に水を引かれた田が広がっている。しゃんしゃんと神楽鈴が鳴り、鉦が鳴り、笛が鳴き、小鼓が鳴る。
喉自慢の村人がはりのある声で音頭をとると、白い褌ひとつになった若衆らが踊るようにしながら、田んぼの泥土をすくっては畔(あぜ)にぶちまけた。
 結構な重労働に見えるが、村人たちはどっと笑っては若衆らに「しっかりしろ」だの「腰いれろ」だのと冷やかしの声を投げる。やがては「ぬらせ」の「来いさ」の揃って呼びかけ、「おいさ」「行くさ」と勇ましく若衆が応える。
「…………うわぁ…………」
 これまでとは違った意味で、加世は顔を赤くして目線を泳がせた。
 ……これ、見立てだったらどうしよう。
 いやいやいやまさか。そんなまさか。
 胸中で激しく動揺していると、横手から声がかかった。
「お食べになりませんか」
 目線を移すと、そこには鬼の面。わかっていても、心臓がばくばくする。いまだに慣れない光景だ。加世は慌てて箸を取り、目の前に並んだご馳走に向き直る。
「いえ! いただきます!」
 きなこのぼたもちを小皿にとって、こっそりと伏せ目で周囲を窺う。
 村の女達は、みんな鬼の面をつけている。赤いの青いの白いのと、人数が人数だけに壮観だ。村に入る前の祭行列で、最初にお久さんの面姿を見たときにはぎょっとしたものである。
 神事の間、村に女はサノメのみ、という意味なのだそうだ。着物も木綿や麻の生成りものばかり、加世の着せられた五色の絹織物とはずいぶん様子が違う。
 そういえば弁天様は嫉妬深いんだったか、と加世の笑いはひきつりっぱなしである。
 下にも置かぬとはこのことで、宿からここまで、加世はずっと輿に揺られてきた。ご隠居の姿を探せばしっかり歩いていて、なんとも肩身の狭い思いを味わったものである。
払われている敬意は加世ではなくサノメに向いているのだとわかっていても、並いる目上の人々に頭を下げられると尻のすわりが悪くてむずむずする。
 豊かな村なのだとは思う。件の宮池の淵を通って村入りしたが、一旦山を登るその道は、普段利用しているものではなく、祭道と呼ばれる特別のものだそうだ。人の通わぬ道は、こまめに手入れをしないと緑に埋もれてしまう。
祭道を保つのは宗家の大事なお役目だそうで、生活に直結しない作業に人手をさくだけの余裕があるのだ。そうして、祭の前になると、村人総出で枝を払い、土をならして、神下りの道を整えるらしい。

288:サノメ 8
08/03/17 23:10:19 s09pmAMZ
 その払った枝で、サノメを饗するための煮炊きをすべて行うというのだから徹底している。なんという木なのか、燻ぶって煙があがったとしても、焦げ臭いばかりでなく少し甘めの、いい香りがした。
「お久さん」
「はい?」
「これ……何してるんですか?」
 もこもことぼたもちを咀嚼して目の前の光景を問うと、鬼面の女は大きく頷いた。
「タノカミさまをお慰めしてるんですよ」
 またよくわかんない単語がー! と、加世は頭を抱えたくなるのをこらえる。
「タノカミ?って? サノメとは違うんですか?」
「サノメさまは祭行列と一緒に山から下りてこられますが、そのときヤマガミさまもいらっしゃいます。ヤマガミさまは、そのまま田んぼにお降りになって、タノカミさまになられるんですよ」
 久の説明に、ぽん、と加世は両手を打った。
「……ああ! 田んぼの神さまかぁ!」
 郷里と発音が違うのでわからなかった。
「そうです。お早く田んぼに慣れていただけるよう、土を撒いてお迎えします」
「へぇぇ〜」
 所変われば……って本当だなぁと、加世は感心する。
「じゃあ、サノメさまは何の神様なんですか?」
 はて、と久は首を傾げる。
「やはり田んぼをお守りくださる方ですが……。強いて言うなら、タノカミさまがお体で、サノメさまが魂、でしょうか。
祭のあと、サノメさまは早苗にお宿りになって、田植えをして始めて、体と心が合わさり、田んぼの守りが完全になる……と思います」
「んじゃ、あたしは山から早苗までの、サノメさまの乗り物みたいなものなんですね」
「そういうことになりますか」
 なぁんだ、と加世は肩の力を抜き、自分の想像したものに赤面した。
 やだもう、はしたない。
 転げまわりたいのを誤魔化すように、朴の葉に並べられた、見慣れぬ食材を示す。
「これは?」
「牡丹です」
「ぼたん?」
「シシ肉です。お口に合いますかどうか」
 赤味噌に漬けた肉を、朴葉で包んで焼いたのだろう、焦げた味噌が香ばしく、とろりと甘い脂が舌の上で溶けた。思わず満面の笑みになってしまう。
「おいっしー!」
「お好きなだけどうぞ。白酒はいかがでございますか」
「いただきます! ……って、そういえばこれだけのお祭なのに、屋台は出ないんですか?」
 きょろきょろと見回すと、久は侍女役の鬼に白酒を言いつけてから笑う。
「今はまだ神事でございますから。神事が終わって後、屋台も見世物小屋も立ちますよ」

289:サノメ 9
08/03/17 23:12:54 s09pmAMZ
 へぇ、と加世は顔を輝かせる。
「いつ終わるんですか?」
「さぁ、それは……サノメさま次第でございますから」
「え、あたし?」
「はい」
 祭囃子は最高潮に達していた。


  *


 ――さて、次は何の話をするか。……あ? ああ、そういえば喉が渇いた気もするな。貴様もたまには気が利くものだ。おお、では水にちなんで、次はけっして涸れぬ泉の話でもするか。
 ん? いやいや違う、水神の加護なぞと、めでたい話ではないのだ。無論龍でもない。――女よ。……ふふ。そぉ〜かそぉか聞きたいか。よし、では話してやろう。
 おほん。
 昔、ある東(あづま)の国の話だ。土地はそう豊かではなかったが、その地を長くまとめてきた代官は上を敬し下に厚く、広く慕われた立派な男であったそうな。
 しかし、この世に生きる以上、なんぴとも悩みから逃れることはできん。代官には二人の息子がいたが、この二人のために代官は日々頭を痛めておった。
かたや兄、父譲りの穏やかで賢い人となりだったが、生まれつき体が弱く、一年の大半を臥せって過ごしておった。かたや弟、頑健で力自慢の若者だったが、その腕を乱暴狼藉にしか使わぬ粗野な男であった。
 さてこの二人、どちらが代官の跡目にふさわしいか。
 ……んん、実に難題よな。
 だが、この代官は百姓との和を重んじたようだ。そも自身も百姓で、纏め役を務めるうちにお上から代官を拝命した……ということらしい。よって代官は、乱暴者の弟より、兄に跡目を継がせたく思っていた。
 ところが、だ。
 この兄は出来の悪い弟を愛していた。頑として妻を娶ろうとはせなんだ。……あるいは、体のことを引け目に思っていたのかもしれん。その地の風習でな、嫁をとらねば一人前とは認められず、家を継ぐことはできん。
一方で日々好き勝手に暴れまわる弟は、方々で若い娘たちにちょっかいをかける。その娘たちのいずれかが、いつ何時弟の妻の座を占めるかわからず、そうなってはむしろ弟に家督を譲るのが自然な流れということにもなりかねんのだ。
 代官はほとほと困り果てた。そしてついに、埒があかぬと、押し問答に見切りをつけて兄に条件を出した。これがなんと、もしも天女を見つけてきたならば、その女を妻に迎え、家を継ぐようにというものでな。
いやまったく破天荒な条件よ。これは無理だろうと踏んだ兄は、条件を承諾した。代官は早速村々へ使いを出し、天女を見かけた者は子細を話し、連れてくるよう触れを出したのだ。
 しかし、しかし。意外なことに、しばらくして代官の屋敷を訪れた女があった。たいそう美しく、気品ある佇まいの女で、なるほどこれは天女に違いないと代官は兄に引きあわせた。すると二人はたちまちのうちに恋に落ち、めでたく祝言を挙げることと相なった。
 これで終わればめでたしめでたし。ところが、そう上手くいかないのが世の無常。ここに兄の祝言を面白く思わない者があった。……そう、弟だ。弟は義姉となるはずの天女をどこからか垣間見、己のものとしたいと企んだ。
そしてついに婚礼の夜、天女を盗み出してしまったのだ。やれこれで肩の荷が下りると喜んでいた代官は、思わぬことに心底怒り、二人を追放すると触れを出した。
 戻るに戻れなくなった天女は、残してきた兄の身を案じ、昼となく夜となくさめざめと泣いた。その涙が流れ流れて、溜まりに溜まって泉となった。
 ――今もまだ、天女は泉の底で泣き続けている。その哀しみが尽きるまで、泉はけっして涸れぬのだと言う。満々と湛えられた青い水は、愛しい男と引き裂かれた、天女の嘆きなのだ。


   *




290:サノメ 10
08/03/17 23:17:29 s09pmAMZ
 弥太は唇を尖らせて、ぽんと足元の石を蹴り飛ばした。見上げた先、オタモリの家があるはずの方向は、夜だというのに空裾がほのかに明るい。きっと今も明々と篝火が焚かれて、昼間のように明るいのだろう。
 ……つまらない。
 いつまで神事が続くのか、と弥太はふてくされる。子供らにとっては、それなりに賑やかであってもろくに駆け回れず遊べもしない神事より、屋台や見世物が並ぶ後祭こそが祭だ。
一日くらいなら神事があってもいいけれど、もう三日目が終わろうとしている。
 それに、と弥太は力なく納屋の戸に手をかけて、ごろりと筵に横になった。もう、十日も鈴姉に会っていない。オタモリ――宗家には祭の間限られたものしか入れないから、
サノメとなってしまった鈴姉に弥太が会うことはできないのだ。
 お名指しされて、宗家へと迎え入れられる日、鈴姉はずいぶん久しぶりに弥太の頭を撫でた。一人で大丈夫かと聞かれて、もう子供じゃないやと胸を張った。
しっかりねと、何度も何度も振り返りながらオタモリへの道を登っていった姿が最後。
 鈴姉も弥太も貰われ子だ。何かと忙しい養父母に代わり、弥太の子守をしてくれたのが鈴姉だった。この村へは三つか四つの頃、実の母に手を引かれて来たはずだが、弥太はもう覚えていない。
いや、うっすらと記憶にあるような気もするが、思い返そうとするとその顔は鈴姉のものにすりかわってしまう。弥太にとってはむしろ十ほど違う鈴姉が、母だった。
 その鈴姉がサノメに選ばれたのが子供心にも誇らしく、初めての祭に胸躍らせ、どれだけ綺麗な天女かと、晴れ舞台を楽しみにしていたのに。
 いや、期待通り昔語りの天女に扮した鈴姉は、見たこともないほど綺麗だった。綺麗だったけれど。
 ――寂しいんじゃないやい。
 弥太はぐいと目元を拭う。泣いてなんかない。もう八つにもなる男が、姉を恋しがって泣くなんて、そんな格好の悪い。
 寂しいのじゃない。ただ、鈴姉が心配なのだ。昨日も今日も、見かけた鈴姉は熱でもあるようにぼぉっとして、弥太に気づきもしなかった。最初の日は、陰でこっそり手を振ってくれたのに。
 早く神事が終わればいい。そうしたら、戻ってきた鈴姉と手をつないで、一緒に屋台を見て回ろう。水飴を舐めて、講談を聞いて。
 そして夜は、また夜語りを聞きながら眠るのだ。
 早く、早く。
 この退屈な神事が終わりますように。


  つづく


と、いうわけでモブ村人はカカシなイメージ。
ついでに、八太郎左は、鵺の半井はん(鼻キツツキの人)をもーちょい年取らせてしおしおにした感じ?です。

291:名無しさん@ピンキー
08/03/22 23:32:36 4Hc7Lae+
続きが気になる〜職人の降臨を心よりお待ちしております。

292:名無しさん@ピンキー
08/03/24 01:40:16 4xueoThH
ほんと加世の身が心配なような、楽しみなような…(ry
続きが禿しく気になります!

あとサロメな病んだ感じのクスカヨも読んでみたいです>>職人様

293:337
08/03/24 23:14:38 mjeo+yVb
トロくてすんまそん(´・ω・`)
地道におつきあいくださると幸い。杉の時期が終われば……たぶん……。

サロメ、そういえば昔「実はヨハネもサロメを好きなんだけど、立場や宗教、
身分なんかの都合でサロメを巻き込んじゃいけないとつっぱねたのに、
それを若いサロメはわかんなくって〜」とゆー悲恋モノに置き換えようと
してみたことがある。病んだエロスハァハァ。

投下いきます。また4レス分。お預け続行御免。

294:サノメ11
08/03/24 23:16:58 mjeo+yVb
 ――りん、と。
 遠くに、鈴の音が聞こえた。
 神楽鈴の、文字通り鈴なりの音とは違い、空気に染み入るように単独で響き、尾を引いて消える。
 不思議と、心にひっかかった。
「まだ、どこかでお囃子してるんですか?」
 寝支度を済ませた加世が訊くと、正座した鬼はいいえと首を振る。加世はさりげなく面から視線を外した。
 日が暮れた後、ほの暗い部屋で見る真っ赤な鬼の面は、正直けっこう怖い。
「楽を、ご所望でしょうか?」
「あっ、いえそうじゃなくて! さっき鈴の音がした気がしたので……気のせいかな?」
「誰ぞお道具の片づけでもしているのかもしれません」
「あ、そうかぁ〜」
 あはは、と軽く笑うが、沈黙が気まずい。寝るときもつきそいっぱなしなんだろうか、と加世はちらちら鬼の面を盗み見る。
「……他に御用はございませんか?」
「ないです!」
「かしこまりました。では、そのように」
 何が?と思いはするが、鬼は深々と一礼すると視線を上げぬまま下がっていった。加世は大きく息をつくと、ばふりと布団に倒れ込む。
「つっかれたぁ〜!」
 たいしたことはしていない。座ってにこにこしながら、ご馳走を飲み食いして、珍しいあれこれを見ていただけだ。それだけだが。
「なぁんにもっ! 説明してくんないんだもんなぁ……」
 ぶつぶつ言って、布団の上を転がる。先の見通しがまったくつかないというのは、なかなかに疲れる。サノメの一挙一動には村人の目が集まっているから緊張するし、慣れてきたら慣れてきたで欠伸もできないしで、朝から晩までまったく気が抜けなかった。
 いつまで続くのか、との加世の問いに、鬼はサノメが示すのだと言った。祭が終わる徴(しるし)があるのだと。そんなもの聞いていない、と加世は言ったが、その時になればわかりますと、側女はとりつくしまもない。
 見越屋で働いているときもそう近しく言葉を交わしたことはないが、それでももう少し違う人柄ではなかったか。言葉遣いや、何より顔が見えないこととあいまって、まるで別の人を相手にしているように感じる。
 加世はむくれながら部屋の蝋燭を眺める。ちろちろゆらゆら、炎がせわしなく揺れて、物の影が盛んに伸び縮みする。
「あたし単なる奉公人なのにぃ……」
 巫女の真似事などさせられても、正直困る。
 とはいえ、奉公人の分際で、タダで祭見物をさせてもらっている……どころかこの高待遇、文句を言うだけ罰があたるというもので、慣れない仕事だと割りきるしかない。こんなことなら、炊事洗濯でもしているほうがよっぽど楽だが、仕事なのだから仕方がない。


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3770日前に更新/486 KB
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