#痴漢SSを書こう4# ..
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08/10/05 19:08:36 pMhHnUfv
愛理には強い自信があった。

情けなく卑しく惨めな痴漢という行為で、他人を傷つけて自分を満たすような男に
自分が負けるはずはないという、強い自信があった。
彼女は十二歳の頃からインパクトという護身術を習っていた。
防具をつけた男を殴る蹴る、という行為に慣れていた。
むしろ実戦で使ってみたいとすら思っていた。

どちらかというと、自分が痴漢に狙われるか、ということのほうが不安ではあった。
彼女は自分が男性から見て魅力的か否か、まるで分からなかった。
勿論、そういったことを考えたことがないわけではない。
ただ十代の少女の客観性にはやはり限界があった。

鏡に映る自分の顔は、どちらかというと少年のようだと感じる。
肩にかかるかどうか、という長さの髪もその傾向に拍車をかけていた。
鍛えているわりには細い四肢には、女性らしさが少しはあるだろうか。

ともあれ、彼女はさっそく翌日、さくらが痴漢に遭遇した路線に乗りこんだ。
なかなか開かない左側のドアに寄りかかるようにして。

いつもの制服姿だが、彼女はわざとスカートを短くし膝を丸々さらけ出すようにした。
下着は念のため厚手の綿のものにした。
痴漢が来たらどう対処するか。彼女は前日に何度もシミュレートしていた。

勿論すぐに叩き伏せたりはしない。
最初はいい気にさせておいて、駅の直前で一気に攻撃し、
ホームに降ろして駅員に引き渡す。

窓の外を見ているふりをしながら、彼女ははりねずみのように全身に意識を尖らせた。


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