ライトノベルキャラで ..
[bbspink|▼Menu]
2:名無しさん@ピンキー
06/08/07 04:54:42 pMjACLq1
<過去スレ>
ライトノベルキャラで抜こう!
URLリンク(www2.bbspink.com)
ライトノベルキャラで抜こう! 2nd
URLリンク(www2.bbspink.com)
ライトノベルキャラで抜こう! 3rd(HTML待ち)
スレリンク(eroparo板)
ライトノベルキャラで抜こう! 4th(過去ログ,●かモリタポ要)
スレリンク(eroparo板)

<SS保管庫>
2chエロパロ板SS保管庫
(p)URLリンク(adult.csx.jp)

3:名無しさん@ピンキー
06/08/07 04:57:20 pMjACLq1
<関連スレ>
まぶらほのエロパロ 2の巻
スレリンク(eroparo板)
【キノ】時雨沢作品でハァハァしよう8【アリソンリリトレ】
スレリンク(eroparo板)
スレイヤーズ 第7話
スレリンク(eroparo板)
【涼宮ハルヒ】谷川流 the 24章【学校を出よう!】
スレリンク(eroparo板)
銀盤カレイドスコープでエロパロ
スレリンク(eroparo板)
【ガイエ】田中芳樹作品エロパロ【ハァハァ伝説】 4
スレリンク(eroparo板)
吉永さん家のガーゴイルでエロパロ!
スレリンク(eroparo板)
【角川】ウィザーズブレインエロパロ【ラノベ】
スレリンク(eroparo板)
神様家族でエロパロ
スレリンク(eroparo板)
【戯言】西尾維新 Vol.3【りすか】
スレリンク(eroparo板)
高橋弥七郎[A/Bシャナ]燃え萌え小説PART17
スレリンク(eroparo板)
名称募集中 ソードワールド 10号店
スレリンク(eroparo板)
【グリグリ】ヤマグチノボル総合【ゼロの使い魔】
スレリンク(eroparo板)
ブギーポップのエロパロが自動的なスレ
スレリンク(eroparo板)
【涼宮ハルヒ】谷川流 the 22章【学校を出よう!】
スレリンク(eroparo板)
とある魔術の禁書目録
スレリンク(eroparo板)
撲殺天使ドクロちゃんエロパロスレッド4(゚∀゚)
スレリンク(eroparo板)
《半分の月》橋本紡作品でエロパロ2《曜日シリーズ》
スレリンク(eroparo板)
「西の善き魔女」でエロパロ
スレリンク(eroparo板)
【都市】川上稔作品でエロパロ【AHEAD】
スレリンク(eroparo板)
【あそびに】神野オキナ作品でエロパロ【いくヨ!】
スレリンク(eroparo板)
■成田良悟作品・エロパロスレ■
スレリンク(eroparo板)
【我が家の】柴村仁作品でエロパロ【お稲荷様。】
スレリンク(eroparo板)
【僕血・僕月】阿智太郎総合スレ【陰からマモル】
スレリンク(eroparo板)
【A君】豪屋大輔 総合【D君】
スレリンク(eroparo板)
【近親】バイトでウィザード【相姦】
スレリンク(eroparo板)
空ノ鐘の響く惑星でエロパロ
スレリンク(eroparo板)

4:名無しさん@ピンキー
06/08/07 05:06:17 pMjACLq1
関連スレは、前スレ>>778氏のピックアップに拠ります。
万一、フォローしきれていない情報等については、
その責は、当スレの>>1にあります。

地球と容量に優しい、直リン回避でピックアップしてもらったので、
それを踏襲しました。

雑談、単発レス等は、前スレをまったり使ってもらって、
まとまった投下などには、新スレを使ってもらえれば。

5:名無しさん@ピンキー
06/08/07 08:41:59 izoMyCvs
>>1
乙です!

6:名無しさん@ピンキー
06/08/07 23:03:30 whwHTNp0
>1乙。

7:追加
06/08/08 01:04:36 zn5DukMO
いぬかみっ!のエロパロ
スレリンク(eroparo板)
星界シリーズでひとつ…
スレリンク(eroparo板)
【川崎】はっぴぃセブンのエロパロ【ヒロユキ】
スレリンク(eroparo板)
R.O.D -THE SS- 2枚目
スレリンク(eroparo板)
岩井恭平 消閑の挑戦者・ムシウタエロパロ
スレリンク(eroparo板)
煩悩の十二国記*十冊目
スレリンク(eroparo板)
【ZOO】乙一作品でエロパロ【GOTH】
スレリンク(eroparo板)
【電波的な彼女】片山憲太郎作品【紅】
スレリンク(eroparo板)
【賀東招二】フルメタル・パニック! 2発目
スレリンク(eroparo板)
リウイのヒロインには、まだ需要はあり?
スレリンク(eroparo板)
トリニティ†ブラッド
スレリンク(eroparo板)
ロードス島戦記のSS3
スレリンク(eroparo板)



8:封仙和穂殷雷
06/08/08 03:44:36 5y9z677q
相変わらずの封仙で、ノーマル殷和カプです。
性別入れ替わってません。
長さは、およそ10レスです。

話の展開上、若干ダークな部分があるので、
自分の属性に合わないと思った方は、スルー願います。

あぼん指定は、例によってタイトルの
「封仙和穂殷雷」で、お願いします。

9:封仙和穂殷雷
06/08/08 03:45:43 5y9z677q
欠陥宝貝回収のため、仙術を封じて人界で旅をしている和穂と、
護衛役の殷雷は、とある宿場町を訪れた。
どうやらこの街のどこかに、いくつもの宝貝があるらしいのだ。
「でも、索具輪の調子が悪いのかしら?
正確な位置が分からないんだけど?」
首を傾げながら、和穂は言った。
「はーん、索具輪の操作すら覚束なくなったか?和穂元仙人」
嫌味を言いつつ、殷雷は自分で、和穂から受け取った
他の宝貝の位置を探ることのできる索具輪を扱ってみた。

和穂の言った事は、本当だった。
より遠隔の微弱な宝貝の反応は、それなりに分かるので、
索具輪の不調ではないようだ。
それなのに、この街のどこかにあると思われる宝貝の、
詳細な位置が掴めない。
「こいつは、隠蔽(いんぺい)系の宝貝のせいかも知れんな」
「それって、気配消しの符みたいなもの?」

思わず漏れた独り言に、和穂が質問を投げかけてきた。
「うむ、似ているが、それとは少し違う。
敵から、完全に隠れる訳ではないが、正確な位置や情報は渡さない
といった機能を持つものかも知れん」
「それって、ずいぶんと中途半端な能力だと思うんだけど」
「そうでもない。完全な隠蔽は、自由を大きく制限する。
自由度を保ち、掴まれる情報を減らすための実験宝貝かもしれん」
言いながら、殷雷はこの宝貝をぜひとも手に入れたいと思っていた。
自分に何かあった場合、この手の宝貝を持っていれば、
和穂の安全を図る事が、格段に容易になるだろう。

「殷雷は、封印の中でそうゆう宝貝の事と知り合ったの?」
「何を馬鹿な事を。閉じ込められていたとは言え、
膨大な数の宝貝が、広大な空間の中に居たんだぞ?
自分から、動いたり喋ったりしない奴も多かった。
封印の中で、各々が友達になろうとしていた訳じゃないんだ」

和穂の無邪気な問いかけに、殷雷は答えた。
彼の推測は、欠陥宝貝の製作者である龍華仙人が作った
逃亡宝貝の一覧表に拠っていた。
思い返せば、それらしい宝貝はいくつかあったが、
その中のどれなのか、とは確定できなかった。
隠蔽系の宝貝は、その性格上、
どうしても回収が後回りになりがちだった。

10:封仙和穂殷雷
06/08/08 03:46:30 5y9z677q
どうにも、遣り難い相手だった。
完全に気配を消せる相手なら、何度か探査を繰り返せば足を出す。
相手が、「居る」ことが判ったなら、手の打ちようもある。
だが、今度の相手は、存在することは判っている。
だいたい、どの辺りにあるかも判断が付く。
だが、目の前にある品々のうち、どれが宝貝かとゆう事が判らない。
誰かの所有物であるうちは、断縁獄への格納にも、抵抗するだろう。

「とりあえず、宿屋を決めよう。それから、聞き込みだ」
思案をやめて、手早く行動方針を決め、殷雷は歩き始めた。
置いていかれないように、和穂はあわてて後を追った。
聞き込みの後、いささかあっけなく、宝貝の所持者が判明した。
強欲そうなこの街の顔役が、得体の知れぬ道具を手に入れた事を、
誰彼なしに吹聴していたのだ。

「とゆう訳で、さっさと宝貝を返してもらおうか?
嫌なら嫌で構わないが、その場合は、
ちょっとばかり痛い目をみてもらう事になる」
真鋼の棍を相手の鼻先に突き付け、殷雷は言った。
和穂は、慌てた様子で殷雷を押し止めようとしているが、
彼の姿勢は微動だにしなかった。

宝貝の所持者は、ふてぶてしく落ち着いたまま、鼻先で笑った。
「ほほぅ、仙人の和穂が己の仙術を封じて、宝貝の回収に
当たっている、とゆうのは、本当だったのだな。
見れば、なかなかかわいい娘(こ)じゃないか。
おっと、乱暴はやめてもらおうか。
条件さえ聞いてくれれば、宝貝とやらは、返してやらんでもない」

殷雷も、相手と同じような笑みを浮かべて言った。
「はっ、返してやらんでもない、ときたか。
自分が拾った物でも、他人の物ならきちんと返すって礼儀は、
守った方が身のためってもんだぜ」
所持者の落ち着きは、相変わらずだった。

「ならば、俺を叩きのめして宝貝を奪うかね?
なんなら、殺してでも?
でも、所有者でないお前たちに、宝貝の在り処が判るかな?
探し出すのは、ちょっとばかり骨なはずだぜ」
「ちっ。こいつは、自分の持っている宝貝の能力を知ってやがる」
殷雷は心の中で、舌打ちをした。そして、表情を変えずに聞いた。
「はん。一応、条件とやらを聞いておいてやろうか」

11:封仙和穂殷雷
06/08/08 03:47:47 5y9z677q
「和穂を一晩、俺の自由にさせろ」

その瞬間、殷雷の髪の毛が、湧き上がるように立ち上がった。
純粋な殺気を放ちながら、一歩前に踏み出した。
殷雷が本気で怒ったことを察した和穂が、必死の思いで殷雷を
押し止めようとする。

「明日の夕方まで待ってやる。
受け入れるなら、明日の夕方、和穂だけでここへ来い。
話は終わりだ」

***

宿に戻った殷雷は、断縁獄から回収済みの宝貝を取り出しては、
使えるかどうか検討していた。
索具輪で高精度の探査ができないかも、試している。

「わからん、奴が持っている筈の宝貝が分からん!」
殷雷は、頭を抱えていた。
彼の周りには、断縁獄から取り出した、回収済みの宝貝が、
置き並べられていた。
しかしそれらは、大半は破壊されたがらくたであり、
原型を留める物も、用を満たすに至らなかった。
己自身も、その中に属する事を自覚しつつ、殷雷は毒づいた。
「欠陥宝貝共め!」
常に冷静な状況判断を是とする筈の彼だが、
今はあせりの色が濃く、苛立つ素振りさえ見せていた。

「くそっ、導果の野郎なら、この状況を打破したかもしれんのに」
確かに導果筆なら、こんな話でも馬鹿笑いできる与太話に
変え得たかもしれない。だが、導果はまだ回収できていなかった。
この人界のどこかで、今頃誰かを、道化に仕立てていることだろう。
殷雷は、自分がコケにされてでも、和穂を傷つけることなく、
今の状況を打破できるなら、それでいいと、心底思っていた。
歯軋りし、髪をかきむしりながら、殷雷は苦悩していた。

一方、早いうちに断縁獄から呼び出され、早々に「使えない奴」
との烙印を押された流麗絡は、和穂から詳細な事情を聞いていた。
彼女は、一緒に使えない奴呼ばわりされていた綜現台を、
一足先に断縁獄に戻し、殷雷を呼んだ。

12:封仙和穂殷雷
06/08/08 03:48:53 5y9z677q
「何だ!俺は忙しい!」
「落ち着いて、話を聞きなさいよ。
和穂が奴の言うことを聞いてもいいってよ」
「なんだとぉっ!」

和穂は、うなだれて肩を落とし、小さくなっていた。
大声を出してしまった殷雷は、弱々しげなその姿に、たじろいだ。
むりやり、声の調子を落とし、殷雷は聞きなおした。
「聞いてもいいって、奴が何を要求してるのか判っているのか?」
「そりゃ、判ってるわよ。それがどんな事かは知らなくてもね」
うなだれている和穂の代わりに、流麗が答えた。
「大体、今度の件は、あんたの失敗よ。
失敗の張本人が、おたおたするんじゃないわよ」
流麗の決め付けに、殷雷は苛立った。
「何故だ!何故、そんなことが言えるっ!」

「充分な情報収集を怠り、一気に所持者の所に突っ込んだじゃない。
即断即決もいいけど、足元固める手間を惜しんだのは、あんただわ。
相手が、街の顔役だって事がわかった時点ででも、
もっと人となりを、押さえとくべきだったわね」
流麗は仙界で、龍華の補佐を勤めた事もある宝貝だ。
咄嗟の状況判断では、武器の宝貝に後れを取るとしても、
大局眼については、殷雷にも劣らぬ能力があった。

唇を噛んでうなだれた殷雷を尻目に、流麗は断縁獄から、
恵潤刀を呼び出して、何事かを頼むと、
殷雷がちらかした宝貝の残骸を、片付け始めた。
ショックを受けていた殷雷が、何か喋ることが出来るぐらいには
回復した頃、流麗は掃除をあらかた終え、更に断縁獄から
呼び出した帰書文と静嵐刀に、何事かを言いつけている所だった。

「待て、お前ら、何をしている?」
「役に立たない包丁宝貝の後始末よ」
何やら、一仕事終えた風情の恵潤が、殷雷に答えた。
「和穂は覚悟を決めている。でも、男女の営みは知らない。
だいたい、初めてが宝貝のカタだなんて、悲しすぎるわ」
「…」
「だから、教えてあげるの。あなたが。何も知らない和穂に。
そのために、この部屋には結界を張ったわ。仲居も入ってこない。
この部屋の存在は、人の意識には、登らないようにしたの。
中の音も漏れない、外の音も入らない」
「そして、ヤリ逃げされないように、帰書文に証文を書かせとく。
静嵐は、帰書文の護衛役よ」
恵潤に継いで、流麗が説明した。

13:封仙和穂殷雷
06/08/08 03:49:51 5y9z677q
和穂に向き直った流麗は、言った。
「いい?終わったら、私と恵潤を呼ぶのよ?しっかりね?」
和穂は、黙ったまま、こくん と頷いた。
帰書文と静嵐刀が、宝貝の所有者の下へ出かけたあと、
流麗と恵潤は、自分で断縁獄に戻っていった。
「分かってる?どんなに辛く感じてるか知らないけど、
一番辛いのは、和穂なんだからね」
恵潤は、断縁獄に戻る寸前、殷雷にきつく言った。

二人っきりになってしまった部屋の中で、
和穂と殷雷は、言葉も無く固まっていた。
「… すまん。俺が不甲斐ないばかりに …」
「あの、殷雷、私、何をすれば…」
和穂の方に、静かに歩み寄りながら、殷雷は答えた。
「何もしなくてもいい。じっとしていろ」
殷雷は、椅子に腰掛けたままの和穂を、静かに抱き上げた。
和穂の顔が、自分のそれと、思いもよらぬほど近づいた事に気付き、
一瞬、躊躇した後に、そっと唇を合わせた。
和穂は、黙って接吻を受け入れた。

殷雷は、和穂を寝台の上に座らせた。
和穂は、目を閉じ、両手を胸の前で結んでいた。
「服を取るぞ」
殷雷が言うと、和穂は黙って小さく頷いた。
和穂の手をとって、両脇に伸ばさせる。
和穂は、抗おうとはしなかったが、
妙に力が入ったギクシャクした動きになってしまった。
道服の紐を解き、大きくはだけさせて和穂の身体から取り去る。

和穂の呼吸が、早く、浅くなった。
肌着も取り去り、和穂の肌が露わになった。
和穂は、さすがに恥ずかしいのか、両腕を胸に回し、
うつむき加減にそらした顔は、しっかりと目を閉じていた。
白い肌は、上気してほんのりと桜色に染まっている。
殷雷は、和穂の上体をゆっくりと寝かせた。
和穂は、これから行われる事の予感に怯えて、
両手で顔を覆った。

小ぶりながら形の良い乳房が、ふるふると揺れている。
その先端の薄桃色の乳首を、魅せられたように見つめていた殷雷は、
そこに、そっと、自分の唇を重ねた。
「・・・」
両手に隠された和穂の口が、声にならないくぐもった悲鳴をあげた。
殷雷は、もう片方の乳房を手のひらで包み込むように愛撫した。

14:封仙和穂殷雷
06/08/08 03:50:51 5y9z677q
和穂の呼吸が、すっかり喘ぎに近いものになった。
殷雷は、顔を覆う両手を外させた。
微かに泪を滲ませた両目を、うすく開いた和穂は、
少し顔を背けて、接吻しようと寄せてくる殷雷の顔を拒んだ。
「どうした?」
「私だけ裸でいるのは、恥ずかしいです」
不審そうに尋ねる殷雷に、少し拗ねたような声で和穂が答える。

手早く自分の衣類を脱ぎ去った殷雷は、
和穂に寄り添うように、横になった。
和穂は、少しはにかんだ表情を見せ、そのまま二人は唇を合わせた。
「和穂、なんなら、このまま …」
「その先は、言わないで下さい」

和穂が、誤魔化すような言辞を受け入れる性格ではない事を、
思い起こし、殷雷は素直に謝った。
「悪かった。正直に言おう。俺は和穂の事が好きだ。
だから、お前があんな奴に弄ばれるのを、認める訳にはいかんのだ。
だから、行くな。行かないでくれ」

和穂は、殷雷の言葉を聞き、涙ぐんでいた。
「ありがとう。その言葉だけでも嬉しい。でも、私は、
一日でも早く、一つでも多くの宝貝を回収しなきゃならないの。
私も殷雷の事が好き。今度の事も、殷雷の所為だなんて思ってない。
自分が悪かったことぐらい、分かってるの。
だけど、だからこそ、何を犠牲にしてでも、宝貝を取り戻さないと。
だから…」

ここまで一気に喋った和穂は、一度息をついだ。
堪えきれなくなった涙が、顔をつたうがままに言葉を続けた。
「だから、今この時だけは、一緒に居て。
そして、明日の朝、戻ってきた私を許してくれるなら、
また、私と共に、旅を続けてください」
和穂は、堪えきれなくなって、嗚咽を漏らした。

それからしばらく、殷雷は、泣きじゃくる和穂の顔を
自分の胸に埋めさせて、抱きかかえていた。
ひとしきり泣いた後、落ち着きを取り戻した和穂が、詫びた。
「あ、ごめんなさい。あの、続けてください」
殷雷は、和穂の泪の跡を拭いてやった後、
再び彼女と接吻を交わし、胸などを手と口を使って責めた。
和穂の感情が、再び高まってきた様子を見取ると、
殷雷は、身に付けたままだった、和穂の道服の袴に手を伸ばした。

15:封仙和穂殷雷
06/08/08 03:52:08 5y9z677q
覚悟を決めたかのように、和穂は、微動だにしなかった。
袴に続き、腰布も取り去ると、和穂の身体を覆うものは無くなった。
これまで和穂の事を、小娘だ子供だとからかっていた殷雷だったが、
小ぶりながら形良くふくらんだ胸や、柔らかくくびれた腰、
白く肌理細やかな肌は、既に和穂が女になっていたことを、
強く意識させた。

殷雷は、再び和穂の口を自分の唇で塞ぎ、
彼女の髪と同じ艶やかに黒い産毛で覆われた場所に、手を這わせた。
怯えるように身体を一震いさせ、無意識に両足を閉じようとしたが、
殷雷の指は巧みに隙間を突き、彼女の足の間を、這うように進んだ。
そこは、外見の成熟とは裏腹に、未だ潤ってはいなかった。
殷雷は、しばらく指先を使って刺激を与えていたが、
そこは、一向に潤う気配は無かった。

和穂の耳元に、殷雷は口を寄せた。
殷雷の唇と舌を受け入れる事で、はしたなくあえぎ声を上げる事に
耐えていた和穂は、いやいやをするように首を振った。
そんな彼女に、殷雷は足を開くよう、囁き掛けた。
それを聞いた和穂は、一瞬驚いたように目を見開き、そして、
再度恥ずかしさに耐えるように目を閉じ、おずおずと足を開いた。
殷雷は、和穂の開いた両足の間に、自分の身体を置き、
足を閉じられないようにした。
そして、顔の位置を、和穂の身体に沿って下にずらせて行った。

喉元から、再び乳房に唇を這わせた。
やがて、腹の上、臍に至り、そのまま艶やかな産毛の上を通り、
彼女の中心に行き着いた。
「だめっ、そこはだめ」
あわてて叫びながら、足を閉じようとする和穂だったが、
殷雷は無視して、彼女の入り口に舌を這わせた。
快感に翻弄されている和穂は、あえぎ声を押し留める事が
出来なくなりつつあった。
閉じようとしていた足から、力が抜けていった事を察した殷雷は、
和穂の中に、舌を割りいれた。

「うくくっ!」
身体を痙攣させるようにした和穂に、殷雷は声を掛けた。
「痛かったか?大丈夫か?」
「う、うん。すこし痛かった。もう、大丈夫、だと思う。たぶん」
気弱そうにしながらも、健気な声で和穂が応えた。
殷雷は、自分の舌に、充分唾液を分泌するよう心掛けて、
再び、和穂の入り口に舌をあてがった。

16:封仙和穂殷雷
06/08/08 03:52:56 5y9z677q
今度は、先ほどより用心深く舌を動かす。
彼女の中に差し入れた舌先を、前後に探るように動かしていたら、
彼女の突起を探り当てる事が出来た。
殷雷は、そこを重点的に刺激した。
「あんっ!だめ、そこはだめっ!」
言葉は拒否しても、その声にはどこか媚びる様な甘さが滲んでいた。
殷雷は、腕を伸ばして和穂の身体を愛撫しつつ、
彼女の入り口を、自分の唾液で充分に濡らそうとしていた。

もう、あえぎ声をとめる事が出来なくなっていた和穂が、
押し寄せる快感に耐えかねて、殷雷に行為の続きをねだった。
「おねがい、もう、我慢できないの。来て。おねがい」
殷雷の見たところ、和穂のそこは、
未だ充分に潤っているとは、思えなかった。
だが、目に涙を浮かべて求めてくる和穂を、
これ以上責めるような真似も、彼には出来なかった。

殷雷は、和穂に自分自身をあてがうと、
なるべくゆっくりと、彼女の中に進入していった。
未だ固いそこに、殷雷を受け入れたために、
鋭い痛みが走ったのか、和穂が悲鳴を上げた。
大丈夫かと問う殷雷に、大丈夫だと和穂は応えた。
殷雷は時間をかけて、和穂の中を押し進んでいった。
破瓜の徴が、彼らの腰の下に染みを作っていた。

奥まで繋がったところで、しばらく動きを止めてから、
和穂にそのことを伝えた。
彼女は、痛みに耐えて涙ぐんだまま、儚げな笑顔を浮かべた。
「私たち、つながったんだね、殷雷。好きだよ。大好きだよ」
殷雷の背中に腕を回し、しがみ付くようにして、抱きついた。
やがて、どちらからともなく、腰を動かし始めた。

初めのうちは、おずおずとした動きだった。
だが、動くうちに、和穂の中から染み出してきた蜜が、
動きをスムーズにする手助けをした。
だんだんと大胆さを増しつつ、彼らの動きは激しくなっていった。
初めての行為の緊張がほどけていった頃、
和穂は、快感と興奮の中で、意識を失った。

しばらくして、意識を取り戻した和穂は、殷雷の手を借りながら、
身体を拭き清め、予め用意してあった肌着と道衣を身に付けた。
そして、先刻の言いつけ通りに、
流麗と恵潤を、断縁獄から呼び出した。

17:封仙和穂殷雷
06/08/08 03:54:20 5y9z677q
流麗と恵潤は、殷雷には目もくれずに、和穂のところに向かった。
言葉すくなに彼女の状態を確かめ、手分けして和穂に化粧を始めた。
「な、何をしているんだ!?」
殷雷のたじろぐように問いかけに、恵潤が答えた。
「見て判らないの?化粧よ」
「何で化粧なんか!」
駄々をこねるように文句を言う殷雷に、恵潤がつかつかと近づいた。

「どこまでボケてるの?
宝貝の所有者に媚を売って、確実に宝貝を回収するためよ。
何か文句でもあるの?」
「だ、だが…」
食い下がろうとした殷雷だが、最後まで話す事は出来なかった。
恵潤は、いきなり殷雷の頬を平手でぶった。

もし、この時恵潤が、必殺の一撃を繰り出してきたのなら、
殷雷は易々と、それをかわすことが出来ただろう。
だが、うっすらと瞳に涙をにじませる恵潤が、
乾いた怒りだけで放つ平手をかわす術を、殷雷は持っていなかった。
「だがも、ヘチマも無いの!
これは、惚れた男の為の装いじゃない。
女としての戦装束(いくさしょうぞく)なの。
黙って見ていられないなら、部屋の外にでも出ててちょうだい!」

それだけ言うと、恵潤は、
黙々と作業を続ける流麗のそばに戻っていった。
流麗と恵潤が、何かする度に、和穂は美しくなっていった。
だが、その有様は、いままで共に旅を続けてきた、
今肌を合わせたばかりの和穂を、
別人に変容させているように見えた。
その情景に、耐え切れないものを感じていた殷雷は、
とうとう部屋を出る事にした。
有体に言って、この場から逃げ出そうとしたのだった。

部屋を隔てる襖の前に立った殷雷は、
その襖がいきなり開かれた事に驚いた。
襖の外には、髪も着衣も乱れた、静嵐が立っていた。
「どうしたんだ!静嵐!」
思わず発した殷雷の声に、和穂も、流麗も恵潤も、彼らの方を見た。
一瞬の静寂が流れた。
静嵐は、いきなり号泣しながら部屋に駆け込み、そのまま断縁獄に
飛び込むようにして戻ってしまった。
あっけにとられた殷雷たちの前に、今度は、帰書文が現れた。

18:封仙和穂殷雷
06/08/08 03:55:50 5y9z677q
「はい、これ、宝貝を回収してきました」
「な、なんだってー!」
思わずハモって驚く殷雷たちに、帰書文が事情を説明した。

「所持者のところに出向いた途端、静嵐の顔を見るなり、
そいつが、『うほっ、いい宝貝』とか言って…」
「うほ?」
「身の危険を感じた僕は、とっさに証文に姿を変えたんです。
でも、静嵐はそいつに捕まってしまって…」
こころなしか、帰書文の顔は蒼ざめていた。
「そのまま、静嵐は服を毟り取られて…
話には聞いたことがあったけど、男同士でもできるんですね…」

あえて、「何が」できたのかを聞く者はいなかった。
ともかく、ついさっきまで、激しい「何か」が行われていたようだ。
「そいつは充分に満足したみたいで、宝貝も持って帰っていいって。
和穂も、来なくていいそうです。
一応、宝貝の気配は残ってなかったけど、
念のために、索具輪でも確かめておいてください。
僕も、断縁獄に戻っていいですか?何だか、気持ち悪くて…」

帰書文も断縁獄に戻し、殷雷は回収できた宝貝の検分を、
和穂は、索具輪で残った宝貝の確認を始めた。
回収できた宝貝は、残念ながらと言うべきか、案の定と言うべきか、
使い物になりそうな物は無かった。
宝貝とはいえ、早い話が、欠陥品なのだった。
只、幸いなことに、この街には、もう他に宝貝は無いようだった。

せっせと、化粧道具を片付けている、流麗に気付いた殷雷は叫んだ。
「流麗!和穂を元通りにしてから戻ってくれ!」
流麗と恵潤は、妙にねちっこい話し方で和穂に語りかけた。
「ねぇ和穂。せっかく綺麗にお化粧したのに、殷雷が嫌だってぇ」
「殷雷が、綺麗になった和穂は、きらいなんだって。勝手よねぇ」
「すいません。私からもお願いします。お化粧を落として下さい」
目に見えて、ほっとした様子の和穂自身の言葉を受けて、
しぶしぶと言った風情で、流麗と恵潤は化粧を落とした。

断縁獄に戻る寸前、恵潤は殷雷に言った。
「夕方になったら、結界は自動消滅するから、
あんまり大きい声で、和穂とヤっちゃだめよ」
「馬鹿野郎!何ほざいてやがる!」
真っ赤な顔で悪態をつく殷雷に向かって、和穂から見えない位置で、
思いっきり「いーっ」とゆう表情を作った恵潤は、
一陣の風を残して、断縁獄に消えた。

19:封仙和穂殷雷
06/08/08 03:57:05 5y9z677q
ここまでです。

読んでくれた人は、ありがとう。ごくろうさまでした。
例によって、駄文もエロ不足もご都合主義も仕様です。

あの、なんてゆーか、ごめんなさい。
さんざん引っ張った挙句に、ギャグに逃げた卑怯者は私です。
あの流れのままに話を作り上げる度胸と才能が、無かったんです。

不足がちなエチ分ですが、表現や展開がいまひとつ
ワンパタなのは、能力の限界です。
早くも色んな物が枯渇しているようです。

20:名無しさん@ピンキー
06/08/09 00:20:52 EuAyRCvy
オチにwww
いやいや、鬼畜駄目な人もいるし。エロパロ板だとこういうオチも少なくないよ。GJ

21:名無しさん@ピンキー
06/08/09 04:07:34 Iuu1w3C5
実は原作読んでないんだけど。(興味はあるんだが)

面白かったよー。
な、なんだってー!でワロタw
まあ、自分が元々痛いのよりもほのぼのとか
ギャグの方が好きなタチだってのもあるんだけど。

22:封仙和穂殷雷
06/08/10 18:58:12 dTML8ppg
>>20,21
読んでくれて、ありがとう m( _ _ )m

原作は、一読の価値がありますよ。
長編、短編(奮闘編)共に、巻数を必要以上に意識しなくても
楽しめるのではないかと思います。

唯一の懸念は、「続きがいつ読めるのか」って事なんですが、
待ちきれなくなったら、ラ板の本スレへどうぞ。
新刊予告からの六年間を耐え抜いた、歴戦のネタ師達が、
とびっきりのネタで、出迎えてくれます。

さあ、君も「人生のろくご者」として、
世間から後ろ指を指されてみないか!

23:名無しさん@ピンキー
06/08/10 23:45:21 O6bkyP7F
後ろ指なのかよ!!w


見付けたら買ってみます。

24:名無しさん@ピンキー
06/08/12 17:47:41 v8bE1H1N
保守

25:名無しさん@ピンキー
06/08/14 22:31:40 4hxWnZtE
ソノラマ文庫はラノベに含まれるんでしょうか

26:名無しさん@ピンキー
06/08/14 23:28:32 CrwM+l2F
>>25 「含まれる」に一票を投じます。

以下、余談です。
ただし、この種の話で、本来最も尊重されるべきなのは、
「書き手さん自身がどう思っているか」だと思います。
書きながら、「これはライトノベルとは違うかな?」
とゆう思いが出てきたなら、下記スレに投下するのもアリ。
 スレが無い作品のエロSSを書くスレ 5
 スレリンク(eroparo板)

また、シチュエーション系のスレも多数ありますので、
そっち方面から、投下スレを決めるのもいいかもしれません。
スレッド一覧から、「ページ内検索」とかを行い、
スレッドのタイトルを見つけるのが、便利です。

具体的な作品名を挙げて、「これってライトノベルと思うけど、どうよ?」
的な話を振って見るなら、前スレにレスつけてみてください。
 ライトノベルキャラで抜こう! 5th
 スレリンク(eroparo板)

無論、このスレに作品を投下してもらえると、嬉しいので大歓迎です。
スレッドには、書き込める文字数が決まっており、1000レスまで
いかなくても、それ以上書き込めない限界があります。
前スレは、その限界に近づいていますので、作品を投下してもらえるなら、
本スレを利用することを、お勧めします。

27:名無しさん@ピンキー
06/08/15 01:32:45 wM8WFUpE
>>25
個人的にはラ板に「朝日ソノラマ」スレがあるからいいと思う

ざっと探すと、吉岡・笹本・日下部・庄司・秋山・菊地・岩本・小川など
代表的な作家スレも大体ラ板にあって、何スレか継続してるみたい
(ラ板で板違いではない=ライトノベルに含まれると認識)

28:名無しさん@ピンキー
06/08/15 02:17:25 +jTaC2Br
つうか、

★「ライトノベルの定義」。あなたがそうだと思うものがライトノベルです。
  ただし、他人の同意を得られるとは限りません。

これが全てだろ。

29:名無しさん@ピンキー
06/08/15 02:18:21 +jTaC2Br
ちなみに、こんなスレもある。

児童日本海外文学総合
URLリンク(sakura03.bbspink.com)


30:名無しさん@ピンキー
06/08/17 09:28:56 AYwTT2O3
保守

31:名無しさん@ピンキー
06/08/19 10:03:54 MMVojH8S
age

32:名無しさん@ピンキー
06/08/20 04:28:02 258LcCbR
質問

神様家族のネタって投下されたことあったけ?

33:名無しさん@ピンキー
06/08/20 04:41:14 WApfgdIc
つ 神様家族でエロパロ
URLリンク(sakura03.bbspink.com)

34:名無しさん@ピンキー
06/08/26 15:12:26 HqzFgRn4
誰かいないか?

35:名無しさん@ピンキー
06/08/26 15:36:30 4VxerMiv
ノシ いますよ〜

36:名無しさん@ピンキー
06/08/27 19:18:38 MZE6pZyd
ソノラマ系神待ち保守

37:名無しさん@ピンキー
06/08/28 06:15:03 gsM+19EF
読みたいSSを落とす職人がいないのなら、
自分で書いてしまえばいいのに。

          〜 マリー・アントワネット・ドーントイケッ

38:気象 酒豪姫の帰郷(00/11)
06/08/29 19:48:14 5fU5YFxm
「気象精霊記」です。長さは11レス程度です。

これまで、どこか歪んだ話ばかり書いていた事への
自戒と反省を込めて、今度の話を書きました。
今回は、ダークな展開はありません。
相思相愛な二人の、ラブラブなメイキング ラブです。
中高生の方々にも、お勧めできるかもしれません。

ですが、女性の同性愛の描写が出ます
(てゆうか、それしか出ません)。
属性違いな方は、パスしてください。
ちなみに、カップリングは、ミリィ×ユメミです。

例によって、あぼん指定はタイトルの、
「気象 酒豪姫の帰郷」でお願いします。
今回タイトルにレス番号を追加してみました。
あぼん指定時は、もし必要であれば、
「冒頭のみ一致」等のオプションを付加してください。

ps >>36 富士見のSSでごめん

39:気象 酒豪姫の帰郷(01/11)
06/08/29 19:49:37 5fU5YFxm
東亜支局の休憩室で、気象管理の記録をまとめていたら、
書法精霊のパイカラがやってきた。
そしたら、顔を見るなりユメミが、「やっほ〜、お酒、飲もぉ〜」
って、お酒を飲ませようとしたんだ。ま、いつものことだけどね。

いつもなら、なし崩しにお酒を飲まされるパイカラなのに、
今日は、ずいぶん緊張した様子で、
「ユメミさま、今日はお酒どころじゃないんです。
大至急、支局長室へ来て下さい」
なんて、言ってきたんだ。

ユメミが呼ばれるんなら、当然、相棒のあたしも
呼ばれるはずだと思って、席を立ちかけたあたしに、
「あ、ミリィはいいの。呼び出しは、ユメミさまだけだから」
って、パイカラが声を掛けてきた。

「へ?」「ふぇ?」
あたしとユメミは、同時に間の抜けた声を、発してしまった。
気象参謀だけ呼び出して、相棒の気象精霊は来なくていいって、
いったい、どんな用件なんだろう?
いつも気弱なパイカラちゃんが、きっぱりユメミの誘いを断る程の
緊張ぶりといい、気象参謀のユメミだけが呼ばれる事といい、
何か、特別な事態(こと)が起こっているみたいだ。

「ユメミ、長い様で短い付合いだったが、お前の事は忘れないぜ」
「酒癖の悪さを理由に、降格や追放になっても、たまには、
うちらの事も、想い出してあげて下さいですのね」
たまたま休憩室にいた、キャサリンさんとノーラが、
そんな物騒なことを言ってきたんだ。
キャサリンさんは、涙を堪えるかのように、目を瞑って腕組みをし、
ノーラの紅い瞳には、うっすらと泪が滲んでいるんだ。

「そんな、いいかげんな事、言わないで下さい!」
キャサリンさんたちの態度が、気に障ったあたしは、
ちょっとキツい口調で、反論してしまった。
「いくら、宴会参謀で、ノンベで、お酒に汚いユメミでも、
ちゃんと、ココナさんの審査をパスしてるんですから!
少しぐらい、周りの精霊(ひと)に飲み会を無理強いするぐらいで、
追放処分になんか、なるもんですか!」

「ミリィさん、あんまりフォローになっていませんのね?」
「あっ、しまった」
思わずボケ突っ込みをやっていた、あたしとノーラを見ながら、
ユメミはしょげかえった様子で、泣き言を言った。
「ふにゅ〜、私、何も悪い事してないのにぃ〜」
うーん、自分で弁護しておいてアレだけど、本当にそうかな?

40:気象 酒豪姫の帰郷(02/11)
06/08/29 19:51:19 5fU5YFxm
しばらくして、ふてくされたユメミを伴った、
東亜支局長のイツミさんが休憩室にやってきた。
その後ろには、マハルさんをはじめとする事務屋さん達や、
会議室で会議中だったらしい精霊(ひと)達もついてきていた。
あたしは、説明を求めようと、腰を浮かせかけた。
イツミさんは、そんなあたしを手振りだけで押し止め、
休憩室内の精霊(ひと)達全員に集合をかけたんだ。

「今から話す事は、精霊省内規の機密事項に該当します。
つまり、然るべき機関からの公表がある前に、省外に漏らした場合、
実際の、厳しい処分が下されるということです。
この処分には、例外はありません」

常に無く厳しいイツミさんの話し方に、休憩室内に動揺が走る。
「そのような事項(こと)を、皆さんに話すのは、
私たちの実務に、直接的な影響があるからです。
それでは、発表します。
スヒチミ・ウガイア大公爵家 第一令嬢、
ユメミ・ナイアス・スヒチミ・ウガイアは、
大公爵位継承権を行使し、次期大公爵位に就くものとする」

期せずして「おおーっ」とゆう、ちょっとした地響きのような声が、
湧き上がった。ウガイア公爵位を継ぐってことは、
天空界で絶大な権力を握るってことなんだ。
みんなは、割と単純にユメミの事を祝ってるみたいだけど、
当の本人は、ふてくされてしまっている。
ま、ユメミって、そうゆう地位よりも、解析や魔法薬の研究とかを
やっていられる立場の方が、好きなんだろうけどね。

あたしの相棒となる気象参謀をどうするか、とか、
そもそもユメミの抜けた穴をどう塞ぐか、については、
後日決めることになった。
とりあえず、手早く引継ぎとかを済ませて、出来るだけ早く、
ユメミを天空界に帰郷させることが、至上命題とされたんだ。

幸い、東亜支局の管轄内では、これといった異常の兆候は無い。
このところ、珍しく、地上界全体で、気候が安定しているのよね。
おかげで、あたしたちも、ユメミからの引継ぎに
時間を割くことができたんだ。

41:気象 酒豪姫の帰郷(03/11)
06/08/29 19:52:37 5fU5YFxm
ユメミからの引継ぎも峠を越し、忙しさにひと段落がついた頃、
あたしが自室で休憩を取ろうとした矢先に、
ノックの音が室内に響いたんだ。
あれ、今のノックの音、窓の方から聞こえなかったかな?
「ミリィ〜、あけてぇ〜」
ユメミの声に、あわてて窓を開けると、酒ビンを抱えたユメミが、
室内に転がり込んできた。

「どうしたの!?一体!」
「えへへぇ〜、抜け出してぇ〜、きちゃった〜」
窓を閉めてるあたしに向かって、ユメミがそんな事を言ってくる。
ユメミは、普通の気象参謀や上級精霊としてだけではなく、
次期ウガイア公爵としての公務も、こなさなきゃいけないのよね。
「飲もぉ〜、これが飲み収めかもしれないんだよぉ〜」

心を鬼にして、ユメミを追い返そうって思ってたんだけど、
彼女の、寂しげな笑顔を見ちゃうと、
とても、そんな事は言えなくなってしまった。
それにユメミとお酒が飲めるのも、本当にこれが最後かもしれない。
「うん、今日は徹底的に飲もう」
そんな返事を返してしまったんだ。

しばらく、他愛もない話をしながら飲んだ後、
あたしは、気になっていた事を聞いた。
「ユメミの継承権は第2位だったはずよね?
なんで、こんなに急に、継承権を行使することになったの?
聞いちゃいけない事じゃなかったら、教えてくれない?」
ユメミは、良くぞ聞いてくれましたって、
言わんばかりに事情を説明してくれた。
要は、継承権第1位の弟さんが、ユメミを強く推したらしいんだ。

天空界も、あたしの故郷の妖精界や天上界などとの経済交流で、
難しい局面にあるらしいのよね。
今は赤字じゃなくっても、一つ間違えると莫大な損失が、
発生するかもしれない、って事なのかな?
だから、産業や経済の方針を立てるのに、
ユメミの統計解析の能力を、役立てようとしてるのよね。
「それならぁ〜、私が裏で参謀役をつとめるからぁ〜、
弟が表で王様やればいいじゃないって、言ったのにぃ〜」
ユメミの愚痴の、テンションが上がっていったんだ。
「トップがぁ、数字を理解(わか)ってないとぉ、
駄目なんだってぇ〜、ぶぅ〜」

42:気象 酒豪姫の帰郷(04/11)
06/08/29 19:53:41 5fU5YFxm
それから、またしばらく他愛もない話をしていると、
突然、ユメミが改まってこんなことを聞いてきたんだ。
「ミリィは、私が何かお願いをしたら、聞いてくれるのかなぁ?」
「そりゃ聞くわよ。ユメミは相棒だし、それに何より親友だもん」
「難しいことでもぉ?」
「うん、ユメミの言う事だったら、何だって聞いちゃうよ」
「じゃ、私と駆け落ちしてぇ!」

あたしは、それを聞いて、一瞬吹き出しそうになったんだ。
「そりゃ無理よ。
駆け落ちだったら、誰か男の精霊(ひと)をつかまえなきゃ」
きっと冗談で言ってるんだと思い込んで、ユメミの顔を見ると、
ユメミは、すごく真面目な顔で、あたしのことを見返してきたんだ。
「心から好きなひとってだけじゃ、駆け落ちにならないのかなぁ」
今にも泣き出しそうな顔をしたユメミを前に、
あたしは、声を掛ける事が出来ずにいた。
そうしたら、ユメミが、小声でぽつんとつぶやいたんだ。
「駆け落ちが無理だったらぁ、ミリィに抱いてほしいなぁ」

その後しばらく、あたしたちは、固まってしまった。
発泡羊乳酒の泡がはじける、かすかな音だけが、
部屋の中に響いていたんだ。
そして、恥ずかしさのせいか、真っ赤な顔になったユメミが、
取って付けたような明るさで話し始めたんだ。
「あ、あ、あの、その、今のはぁ、うそ、だよぉ?
今の話はぁ、忘れてくれてぇ、いいからねぇ〜、あ、あはは〜」

あたしは、「抱いて欲しい」とゆうユメミの言葉を、
頭の中でぐるぐると繰り返していた。
多分、私の顔も、目の前のユメミの顔のように、
真っ赤になってるんだろうな、なんて思いながら、
自分で言うなんて、想像も出来ない様な言葉を、口にしたんだ。

「あたし、何をすればいいのか分かってないんだけど、
それでも、いい?」
呼吸が、浅く、速くなっているのが分かる。
頬のあたりで、動悸の音が聞こえるような気がする。
自分が話しているとは、思えないような言葉なんだけど、
現に話しているってことは、これもあたし自身の想いなのかな?
ユメミは、そんなあたしを、恥じらいや驚きや嬉しさの
入り混じった表情で見つめていたんだ。

43:気象 酒豪姫の帰郷(05/11)
06/08/29 19:54:58 5fU5YFxm
「私はぁ、女の子同士でこうゆう事やるってゆうのを
知ってるんだけどぉ、ミリィはそれ、嫌じゃないかなぁ?」
ユメミは、あたしの質問には答えないまま、
こんなことを聞いてきたんだ。

「嫌じゃないよ、ユメミはユメミだよ」
「ミリィ、ありがとぉ。じゃあ、服を脱いでベッドに上がってぇ。
恥ずかしかったらアンダーウェアは着けたままでいいからぁ」
ユメミに言われるままに、あたしは服を脱いだ。
と言っても、右手を微かに振っただけで、巫女風の衣装は、
勝手に身体から離れていくんだ。

さすがに恥ずかしいので、アンダーウェアは着けたままに
させてもらった。
ユメミも、同じように服を脱いだけど、
彼女は、アンダーウェアも脱ぎ去っていた。

同性のあたしから見ても、見事だと思えるプロポーションが
あらわになっていた。
形が良くて、大きな胸、見事にくびれた腰、そこから膨らんだお尻、
両足の間には、彼女の髪と同じような金色の産毛が、
うっすらと生えていた。

あたしの身体って、ユメミにはどんなふうに見えてるんだろう?
そんなことを考えていたら、「ミリィ〜、
あんまりじろじろ見られたら、恥ずかしいよぉ〜」
ますます顔が赤くなったユメミが、訴えたんだ。
「ごめーん、だってきれいなんだもんー」
あたしたちは、そんなことを言い合いながらベッドに上がった。

「嫌なことがあったらぁ、言ってちょうだいねぇ〜」
ユメミが、声を掛けてくれたんだけど、緊張してるあたしは、
黙ったままうなずく事しか出来なかった。
ベッドの上で、ひざ立ちになって向かい合ったあと、
ユメミは、やさしくあたしのことを抱きしめてくれた。

ユメミの腕が、あたしの背中に回されて、
しっかりと、抱きしめられてしまった。
あたしも、おずおずと自分の腕をユメミの背中に回して、
ユメミと、ぴったりくっついた。
ユメミの綺麗な金髪が顔にかかって、なんだかいいにおいがする。
もっとユメミの香りを感じたくて、自分の顔をユメミの顔に、
ほお擦りするように擦り寄せたんだ。

44:気象 酒豪姫の帰郷(06/11)
06/08/29 19:56:09 5fU5YFxm
「ミリィ、キス、しても、いいかなぁ」
おずおずとした口ぶりで、ユメミが問いかけてきた。
やっぱり、あたしは、声を出す事もできなくって、
おそるおそる頷いただけだったんだ。
ユメミの顔が、あたしの正面に向けられる。

あたしは、息がかかるほどの近くで、ユメミと見詰め合う事に、
耐え切れなくなって、目を閉じた。
真っ暗な視界の中で、ユメミの顔が近づいてくるのが分かる。
唇の先に、やわらかいものが、ふっと触れたかと思うと、
たちまち離れていった。

幾度と無く、そうした短い接触を繰り返しているうちに、
あたしは、もっとユメミの唇を感じていたいと思ってた。
「いやぁ、もっと、キス、ちょうだい」
恥ずかしさに死にそうになりながら、あたしは、
おねだりの言葉を口にしてしまったんだ。

目を瞑ったままの私の唇に、ユメミのそれが再び重ねられた。
そして、今度は、すぐに離れる事は無かった。
あたしは、背中がぞくぞくするような気持ちよさを感じながら、
ゆっくりと、ベッドの上に横たわった。
ユメミは、唇を離さないまま、あたしの動きについてきてくれた。

しばらく、その格好のまま抱き合っていたんだけど、
あたしだけが、アンダーウェアを身に付けているっていうのが、
なんだか、恥ずかしく思えてきたんだ。
あたしは、抱き合った姿勢のままで、アンダーウェアを消した。
隔てるものが何も無くなって、体中でユメミと触れ合ってるのを
感じながら、薄く目を開いたんだ。

ユメミは、唇を離し、はにかんだような微笑を浮かべながら、
「ありがと」とだけ言った。
あたしは、ちいさくうなずいて、「うん」とだけ答えた。
ユメミの顔が、ゆっくりと胸の方に動いていく。
乳首をついばむようにして、唇でもてあそんできた。

あたしは、はしたない声が出そうになるのを、必死で堪えながら、
ユメミの頭や背中を愛撫していたんだ。
ユメミは、あたしの左右の乳房を、かわるがわる揉んだり、
吸ったりしていた。
ユメミの手が、おなかの方で、動くのを感じたとき、
あたしの意識は、ふっ と途切れてしまったんだ。

45:気象 酒豪姫の帰郷(07/11)
06/08/29 19:57:19 5fU5YFxm
気が付くと、あたしは裸のままで、ユメミにだっこされていた。
「あ、ミリィ〜、気がついたぁ?大丈夫ぅ?」
目を覚ましたあたしを気遣って、そんなことを聞いてくれたんだ。
「うん。ごめんね。あたしだけ、眠り込んじゃって」
「いいのよぉ〜、ミリィって感じやすいんだねぇ」

あたしは、これまで感じたことの無い、気だるさと心地よさに、
うっとりするような気持ちで、ユメミを抱き返した。
「ん、んん〜、あぁ〜」
そしたら、あたしたちが抱き合う感触に、ユメミが
ものすごく切なげなため息をついたんだ。
あたしは、ユメミに気持ちよくしてもらっただけで、
自分がユメミに、何にもしてあげてないことに、気が付いたんだ。

「あたしだけ気持ちよくなっちゃって、ごめんね?
あたしも、何かしなきゃいけないんじゃないの?
何も分からないから、教えて?」
ユメミは消え入りそうな声で、「お願い、さわって」とだけ言った。
あたしは、小声で「うん」と返事して、ユメミの上にかぶさった。

右手を、ユメミの股間に伸ばした。
そこは、びっくりするぐらいの湿り気を帯びていた。
指先で、その部分の形をなぞりながら、
さっきまでしてもらってたことを思い出して、
左手と口で、ユメミの胸をまさぐった。

「ん、んふぁう、ミリィ、いっぺんにやっちゃ、だめぇ〜」
ユメミがそんなことを言ってきたけど、この「だめ」は、
「もっとして」とゆう催促の「だめ」だった。
甘えるようなユメミの声が、そのことをあたしに教えてくれた。
右手を、ユメミの部分にあてがったまま、耳元に口を寄せ、
ささやくように尋ねた。
「ユメミ?気持ちいい?」

「う、うん、いいのぉ、すごくいいのぉ」
すすり泣くような声で答えたユメミは、いきなり両手で、
あたしのことを抱きしめてきた。
同時に、両足も、あたしの腰の回りに絡めてきたんだ。
あたしより体格のいいユメミに、そんなふうにしがみつかれて、
ちょっとびっくりしたけど、あたしのほうも、
気持ちが高ぶってしまった。
あたしとユメミのおなかに挟まれた右手を、すごく意識してしまう。
だって、女の精霊(こ)の一番敏感な部分を、直接触ってるんだ。

46:気象 酒豪姫の帰郷(08/11)
06/08/29 19:58:26 5fU5YFxm
指先に感じられたユメミの突起を、こねるようにしながら、
ユメミの唇を求めていたんだ。
最初はおずおずと、少しずつ大胆に舌先を絡めていった。
ユメミのふさがった口から漏れ出てくる、
くぐもったすすり泣くような声が、だんだん大きくなってくる。
リズミカルに動いていたユメミの腰の動きも、激しいものになった。
あたしのほうも、またさっきのような気持の波が
押し寄せてきてるのが、分かった。

息苦しさに、思わず口を離し、「ユメミっ、もうだめっ!」
って言ったら、ユメミも、「わ、私もぉ、いくぅ」って答えたんだ。
その直後、目の前が真っ白に輝いたように見えた。
同時に、ユメミのかぼそい悲鳴が聞こえた、ような気がした。
そして、また、気を失ってしまったんだ。

***

二度目に気が付いたときは、ユメミはまだ眠っていた。
たった今、体験した事が、事実だとは思えない気分で、
呼吸を落ち着けようとしていたら、ユメミも目を覚ました。

「にゅふぅ〜、ミリィと、しちゃったぁ〜」
ユメミは気が付くなり、あたしの胸に頬擦りをしてきたんだ。
「ミリィ〜、大好きぃ〜」
甘えてくるユメミを、軽く抱きかかえてあげた。
まだ小さい頃、泣き虫だったあたしは、不在がちな母の代わりに、
こんなふうにユーリィ姉にだっこしてもらってた、
なんてことを、ぼんやり想い出していたんだ。

「ミリィ〜、ごめんねぇ〜」
「ううん、いいんだよ。とっても、素敵だったよ」
「違うよぉ〜、伯母さんの修行場でぇ〜、
ミリィのこと、いじわるしちゃったじゃないぃ〜」
ユメミが、いきなり謝ってきたんで、てっきり今の行為の事かと
思ったら、どうやら、違ったようだ。
どうやら、イツミさんの修行場で出会った頃の、
出来事の数々のことを、謝っていたんだ。

意地悪もされたし、いたずらだってされた。
でも、周囲の特別扱いに反抗し、意地っ張りで、負けず嫌いで、
それでも、本当は優しい娘(こ)だったあの頃のユメミは、
今のユメミの中にも、確かに息づいていたんだ。

「馬鹿ねぇ、そんなこと、悪くなんて思ってないわよ」
あたしより体格がいいくせに、まるで子供のように甘えてながら、
泣きじゃくって、小さい頃のいたずらを詫びてくるユメミを、
あやすように慰めていた。
やがて、泣きつかれたのか、まるで赤ちゃんみたいな顔をして、
ユメミは、あたしの腕の中で眠りについたんだ。

47:気象 酒豪姫の帰郷(09/11)
06/08/29 20:00:33 5fU5YFxm
「はぁ〜、姫さんも、帰ってしまったのか〜」
地上から戻ったばかりのライチが、呆けたような口調で言った。
あれから、程なくして、ユメミはウガイア公爵位を継ぐために、
天空界に帰っていったんだ。
あたしは、いつも一緒だった相棒が居なくなったって事を、
まだ、納得できていないような気がしていた。

「ミリィさん、これを召し上がりなさいませ」
休憩室で落胆(しょげ)ていたあたしに、
フェイミンさんが飲み物の器を手渡してくれたんだ。
「あ、ありがと…」
フェイミンさんのことだから、てっきりお茶を淹れてくれたんだと
思って口をつけたら、器の中身はお酒だった。
それも、ユメミが好きだった銘柄の。
「離れた友を想うのには、たまには良いかもしれませんわ」
「うん。ありがとう」

あたしの向かいに腰かけたフェイミンさんと、ユメミの思い出話を
していたら、休憩室に若旦那こと、マハルさんが駆け込んできた。
「えーと、ユナちゃんは居ないか?あと相棒のフェイミンと」
「はいですぅ」
離れたテーブルで、気象制御の参考書を読んでいたユナちゃんが、
返事をしながら顔を上げた。
もともと書法天使だったユナちゃんは、休憩室にいるときでも、
気象精霊の勉強をしていることが、多いんだ。
ファイミンさんも、あたしに中座を詫びて、席を立った。
あたしも、何だろうと思って、立ち上がった。

「ユメミの転出で、気象室の事務量が急増したんだ」
どんな時でも、マイペースを崩さなかったマハルさんが、今日は、
凄くやつれた顔で、ユナちゃんとフェイミンさんに話し始めたんだ。
「なにぶん、ウガイア公爵位だからね。
僕やパイカルや、他支局の書法天使たちも、精一杯やってるんだが、
どうしても、手が足りないんだ。
だから、ユナちゃんに一時的に事務部門に戻ってもらって、
僕達の仕事を手伝って欲しいんだけど」

「反対でございます」
ユナちゃんが何か言う前に、フェイミンさんが言い切ったんだ。
あんまり強い口調だから、周りの精霊(ひと)たちも、
何事かと、一斉にこっちを振り向くほどだった。
「事務部門の負荷調整でございましたら、精霊省内の他部署の
事務部門と交渉して、増員を図るべきだと思いますわ。
現在、気象制御部門の作業負荷が低い事は、事実ですけど、
ユナさんは既に気象精霊の一員でございます。
安易に事務部門の作業を、依頼するべきではございません」


次ページ
最新レス表示
スレッドの検索
類似スレ一覧
話題のニュース
おまかせリスト
▼オプションを表示
暇つぶし2ch

4299日前に更新/487 KB
担当:undef