仮面ライダーゼロワン ..
970:名無しより愛をこめて
19/09/14 02:32:35.12 XlpJ5y730.net
略
いったいどこまで飛ばされたのだろう、とペルシュは薄れ行く意識の中思った。目の前のモニター類は大半が破壊されブラックアウトしている。
唯一起動している予備のモニターで現在地を割り出そうとしたが駄目だった、どこかが壊れてしまっているのか近くにあった筈のブラックホールシステムの残骸どころかコロニーの位置すらも割り出せない。
コロニーすら無い場所にまでふき飛ばされてしまったのだろうか?
機体のダメージは酷く、小爆発と共に左足が分離した。恐らくは長くは持たない。
しかしそれよりもペルシュのダメージの方が大きかった。骨は砕かれ、内臓が破壊されている。
ペルシュの視界がじわじわと赤くなっていく。割れた頭から血が垂れてきただけでなく、眼底の血管から血がにじみ出したのだ。
もう助からないのはわかっていた、だがとりあえずは自分がどの辺りにいるのかだけは知りたかった。
大破した機体をどうにか方向転換させると地球が見えた。どういうわけかその地球は綺麗な桃色のリングに包まれている。
ペルシュの作戦は失敗したので桃色のリングの中の地球は青く、変化はないように見えた。
桃色のリングは狼男のメイン武器「フルムーン」に酷似しているように見えた。
「狼の力が…地球を守ったってわけか…」
狼男の格闘家の顔が地球に重なっているように見えてくる。
彼の正義の闘志が地球を包み、人々に引き継がれていくのだろう。ペルシュはそう解釈をし、安堵した。
ペルシュはリングに包まれた地球に向けて手を伸ばす。
真っ二つに割れた腕の骨が皮膚を突き破るのがわかった。ペルシュは痛みをこらえつつ、手を伸ばす姿勢を維持した。
「人類は完全に駄目だと思っていたが、まだやり直せるかもしれないな…」
そこまで呟いた時、ペルシュは大量の血を吐いた。
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