コテ小説@不倫板 Part ..
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101:名無しさんといつまでも一緒
22/09/04 22:22:17.19 0.net
10分文章練習 「不倫」

「どうだった? 東京は」
サバの味噌煮を口に入れたまま出張帰りの主人は私に言った。
彼のこの癖、私は嫌いだ、ずっと昔から。でも一度も言えないでいる。
「楽しかったわよ。彩香も茜も元気そうで。茜の赤ちゃんはもうつかまり立ちできるんだって」
「そうか、それはよかったな」
主人は笑いながら言った。咀嚼途中のごはんがちらりと見え、目をそむけたくなった。
彩香も茜も私も大学の同期で、彼の教え子で、ゆるいつながりが10年ほど続いている。
「赤ちゃんか、うん、いいもんだな」
私に確認するように顔を見ながら主人は言う。
今夜は私を抱くつもりなんだなと思った。
日が替わるころ私のなかの、昨日の感触が、においが、吐息が、すべて上書きされる。
私のなかから消えてしまう。
「そうね」
赤いミニトマトをつまみあげながら、そっけなく答えた。


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