文學界新人賞150 ..
[2ch|▼Menu]
85:名無し物書き@推敲中?
21/10/01 13:38:21.80 .net
図書館で遇然、去年の文学界新人賞受賞作『アキちゃん』(三木三奈)をよんだ。芥川賞の候補にもなったが、素材の扱いに粗いところがあるというわけで、一定の評価は得たものの、当然のように落選した。
成人した女主人公が、小学校の幼馴染アキちゃんへの憎しみをえんえんと語る。かなり後半になって、アキちゃんが男の子(トランスジェンダー)であったことがようやく明かされる。もし前半でそれが語られ、主人公の煩悶に組み込まれて、アキちゃんの身体性、性差について言及されていれば、叙述の確かさもあり、受賞しても不思議ではなかった。
だけど、作者は、小説の終りのところで社会正義性(トランスジェンダーは弱者であり庇護されなければならないといった)への配慮を「安直でうすっぺらい」と仄めかす。山田詠美がそれに目をつけ、怒ったように『うんうん、解ったよ。でも、小説ってそれ(原文傍点)を手間暇かけて引っ張り出し、修復するものだと思う。』と評した。
山田の批評は正しいのだけど、社会正義性を擁護すべき立場だもんなァ、詠美さん。と、『ベッドタイム―』の頃のことをオレは思い返した。作者が仕掛けたイントロ「むーかーしーのーひーかーりー、いーまーいーずこ」が、山田の頭上にも流れる。
三木三奈の第二作はすでに発表されたが、評判は芳しくないらしい。


次ページ
続きを表示
1を表示
最新レス表示
スレッドの検索
類似スレ一覧
話題のニュース
おまかせリスト
▼オプションを表示
暇つぶし2ch

917日前に更新/117 KB
担当:undef