安価・お題で短編小説 ..
592:この名無しがすごい!
17/11/08 23:19:05.56 LKeHRKzq.net
おおお……前回に引続き、またネタが被りましたよ
ですが、今回はそのまま上げます
使用お題:『英語以外の外国語』『夜道』『月が綺麗ですね』『魔王』『テキーラ・サンライズ』
【王城の邂逅】(1/3)
「月が綺麗ですね」
「おや、態々告白に来てくれたのかい?」
窓辺に立つ40がらみの男に執務室の机の男は苦笑しながらそう言う。
バルコニーから続くこの窓は地上5階の位置にあり、決して唯人が降り立てる場所では無かった。
だが、侵入してきた男も執務室の人物もその事に疑問を持つ様子は無い。
「話をまだ覚えていたのか?」
「夏目漱石……と言ったか? 君の世界の文学においてエポックメイキングを起こした者だろう? 覚えているさ、あまりに君が楽しそうに話していたのだからね」
「まあ、そうだが、ここは一旦忘れてくれ、あまりにこの世界の月が美しかったから、悪戯心が疼いてしまったんだ」
そう言って男が苦笑する。
「うん、まぁ、よく来たと言っておこうか? 勇者よ」
「ああ、久しぶりだな魔王」
魔王と勇者、幾度と無く死闘を繰り広げて来た二人は、しかし今、そんな過去など感じさせる事無く、何処か弛緩した雰囲気を漂わせていた。
「仕事は良いのか?」
「まぁ、一段落をした所だし、それに、友人を迎え入れるだけの余裕はあるつもりだ」
「そうか……」
魔王がベランダへと足を運び、勇者もそれに追従する。魔王城と呼ばれる彼の居城から、魔族領の主都を一望する。
そこは夜の道でありながら、煌々と街灯がともり、日が暮れてなお人々が行きかっている。魔王はこの風景を眺めるのが好きだった。
「俺が最初にここに来てから、もう30年は経つのか?」
「そうだな、ようやくここまで来た……君のお陰だ。タケオミ」
「俺は知識を伝えただけだ、実際に実行し、事を成したのはお前だベルフォルト」
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