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350:この名無しがすごい!
17/10/30 22:13:08.12 RJZMlnOE.net
>>335
挑戦お題4!チャレンジャーがきたぞー応援したくなってきたー
しかし早くもお題「殺人事件」をタイトルでゆるゆる消化!
なんて卑怯なチャレンジャーなんだコレ、もう応援しないw
肝心の戦隊構成は気弱ブルー、ドヤ顔ブラック、キ〇ガイピンク、気弱グリーン、あーかぶっとるかぶっとるw
どう見ても犯人コイツじゃねーのと思わせる挙動不審キ〇ガイピンクが場を完全に支配する〜
でも、え。博士の死因はスススストレスゥ!?それじゃ殺人事件じゃねーだろwというツッコミがオチだったーw
>>337
挑戦お題5!きたあ〜今回初のお題全クリチャレンジだ〜さあさあどうか
やはりだ〜きてしまった〜これは何度となく見た光景だ〜活かされない設定!球界のヒーローw
もうね、ひと気の無い自販機まで連れてくるって何すか、そのお題消化のために作った的な言い回しw
うん、努力を認める!やはり5つもキーワードをねじこむと難しいよねー
でも「ああああ」はどこで使うんだ?からのズッコケオチ!笑ったw
最後はお見事w

351:この名無しがすごい!
17/10/30 22:21:32.53 RJZMlnOE.net
>>343
挑戦お題は3つ!
新機軸、謎解き短編きたーしかも回答欄と隠し文字の二段階構成というスフィンクス型
隠し文字はーこれはーこれはー「結婚契約書」だな!?
しかし赤田の最後に持ってきたモノはわからんぞーこっちがむしろ気になるw
謎解きを盛り込むのに全力を使ったか、オチとお題活用が弱め〜
解説の優しさにサンクス

352:この名無しがすごい!
17/10/30 22:21:48.07 W1Nq4SV5.net
>>348
ありがとうございます。
大嫌いな人ってサクッと死んでほしくないですよねぇ。その人との良い思い出があれば尚更……

353:この名無しがすごい!
17/10/30 22:39:41.68 +730HXeB.net
>>348
最後の一文を見て真っ先にホラー映画のお約束という言葉が思い浮かびました。
なぜそこでその行動を取るんだ!? みたいな突っ込みを入れながら楽しむホラー映画。それもC級以下くらいのマイナーなやつが面白い。
思ったけど自分、ホラーは映画が好きすぎて文章のみの小説と切り離せてないみたいです。
感想ありがとうございました。

354:進行
17/10/30 23:22:00.18 /dfY6fjb.net
>>343
いるか、あたりで何となく予想はついてたけど…教師キンモー!(顔文字略)
家まで直接訪問するあたりで鳥肌ぞわぞわ
謎解きを組み込むのはいいね、じっくり考えてもよし、駆け足で結末まで進めるもよし。ここは短編ならではかな

355:この名無しがすごい!
17/10/31 06:19:52.95 cMB5tA8R.net
>>347
>>350
このオチの為だけに全てを用意したので、笑っていただけたなら幸いです
球界のヒーローは派手な表と、裏である私生活のギャップを狙って見たのですが……
後、わざわざ人気の無い自販機などはハードボイルド風を気取った感じですね

356:この名無しがすごい!
17/10/31 12:20:16.27 Mv7QzdAV.net
使用お題:『自動販売機』『書き出し→「親父が失踪した」』
【そして僕はまた通う】(1/2)

『親父が失踪したんだってさ』
 姉貴のそんな言葉を思い出していた。
「早川くん?」
「……優一って呼んでよ。幼馴染みなんだし」
「あ、うん」
 永瀬 忍に出会ったのは、姉貴のワガママでコンビニに肉まんを買いに行った帰り。夜の自動販売機の前だった。
 小さい頃からのご近所さんで、いわゆる幼馴染の間柄。
 今はクラスも違うし、同性でつるむ様になったせいで、あまり話しもしなくなっていたけど。
 晩秋に差し掛かった夜は、やはり冷える様で、忍は白い息を吐きながら自販機前で踞っていた。
「……」
「え? なに?」
 僕は無言でホットの紅茶を2つ買うと、その一本を彼女に差し出す。
「いや、いいよ……」
「もう買っちゃったんだから、勿体無いだろ? 今飲まないと冷めちゃうしさ」
「え、でも……」
 僕は無理やり彼女に握らせると、じっと目を見る。
 しばらくすると諦めた様で、「ありがと」と言って受け取った。
 忍の母親は派手な化粧の人で、見る度に違う男の人を連れている様な人だった。
 彼女の父親は、それに耐えられなくなったらしい。
「最近、どう?」
「?」
「あ、いや、勉強とかさ……」
「あーうん。まあまあ」
 忍がこんな夜にこんなところにいる理由は何となく分かる。母親のボーイフレンドが家に来ているのだろう。
 小さい頃は僕の家に遊びに来ていたんだけど、彼女が来なくなったのはいつからだったか。
「じゃ、行くから」
「うん、ありがと」
 手を振って別れる。
「手、冷たかったな……」
 冷えきっていた忍の手の感触を思い出し、僕は呟いた。

357:この名無しがすごい!
17/10/31 12:57:34.63 Mv7QzdAV.net
【そして僕はまた通う】(2/2)

「やあ」
「はやか……優一くん」
「うん」
「えっと、なんで?」
「姉貴の使いっぱしり」
 昨夜に引き続き自販機の前で忍と会う。僕はまた姉貴のお使い。決して自分から御用聞きとかしていない。
 袋の中から、肉まんと紅茶を取り出して忍の隣に座る。
 差し出されたそれらを見て少しだけ悩んだ様だけど、結局、彼女は2つとも受け取った。
「ありがと」
「ん」
 その晩から毎日の様に忍は自販機の前に居たし、僕は毎日姉貴の使いっぱしりをていた。
「今日は、居ないんだな……」
 いつもの自販機の前、いつも忍がうずくまっている場所を見ながら僕は呟く。
 たまにはそう言う事もあるかと、帰ろうとしたとき、荒い息使いに後ろをふりむいた。
「忍?」
 自分の胸に飛び込んできた彼女に面食らう。寒いのか忍は震えていた。
 僕は何も言えずに、ただされるがままに成っていた。
「ごめん、ありがと」
 しばらくして、忍は顔もあげずに、来た時と同じ様に走って行ってしまった。
 僕は頭が真っ白に成ったままで、何も言えずにただ棒立ちに成って居た。
「……」
 どこかで救急車のサイレンの音がしていた。

358:この名無しがすごい!
17/10/31 13:22:01.50 j3ZDv5GY.net
読ませる構成で上手いね
使用お題に殺人事件が入ってないのが唯一の希望

359:この名無しがすごい!
17/10/31 15:17:03.57 6WCNxcJ2.net
感想だ!
>>356
消化お題2で昼ドラの巧者が登場〜(昼だけに
何も語らない、故に雄弁、忍さん可哀想感がビシビシと伝わってくるーw
お題もしっかり活かしているぞ!そっか自販機は逃避先の象徴なんだね、ん〜確かにやるせない若者が蛾の様に集まるもんね〜(失礼!
しまいには救急車のサイレンをオチに持ってくるってか!何この盛り上げ方!?演歌!?ニクいよ!
やられたのは永瀬(愛人)なの?永瀬(母)なの!?通報した人間が居て忍さんが無事って事は愛人が刺された線?
一気に転回するドラマ!強まるヨシ主人公いっちょ走ろうか感!!エッーここで終わりって!?忍さん幸せにしたげて〜w

360:この名無しがすごい!
17/10/31 16:56:25.25 WuUKzFnH.net
>>356
え、これで終わりじゃないよね?
続きが気になるんですがー。なるんですがー。

361:進行
17/10/31 19:37:20.19 Dbo2BMws.net
>>356
他の感想にもあるとおり、続きが気になるパターン!
忍は間違いなく何かしたのだろうけど刺されたのは誰なのか!というか刺された前提になってる!
主人公がんばれ、追いかけて!

362:この名無しがすごい!
17/10/31 20:23:32.91 +LyVpub+.net
初っ端に救いなしのホラーを出しといてあれだけど、人死に系の作品が多いので賑やかし程度に安全なのを2作追加します
ほのぼのはネタが出なくて1つは連続でキャラ使いまわしちゃった。ごめんなさい

363:この名無しがすごい!
17/10/31 20:23:56.28 /CRm/r3N.net
……エラーが出て書き込めませんね
何故でしょう
【そして僕はまた通う】(蛇足)

 姉貴の使いっぱしりでコンビニに行った帰り、僕は自動販売機の前に来ていた。
 小さな町で起きた小さな事故は、だけどそれほど噂にもならずに消えていった。
 僕は自販機前に腰を下ろす。コンビニ袋の中から紅茶を2つ取り出して1つを地面に置くと、独りでそれを飲んだ。
 いつかの日より、よほど寒くなって来た夜の事だった。

364:1/3
17/10/31 20:23:58.40 +LyVpub+.net
使用お題:『殺人事件』『書き出し→「親父が失踪した」』『ヒーロー』
【俺は親父が嫌いだ】

「親父が失踪した」
「これで五度目だな。お前んとこの親父が失踪するの」
「ああ、勘弁してほしい」
 失踪した理由はわかっている。
 俺の親父にはヒーロー願望がある。何かすごい事をして、みんなにチヤホヤされたいと公言している。
 今回の失踪は、昨日見ていた探偵モノのアニメと刑事ドラマの影響だろう。
『ちょっと厄介な殺人事件の気配がする。見事に解決してくるから。すまねえが留守を頼む』
 朝起きたらこんな書き置きが残されていた。
 お袋も慣れたもので、一切慌てず会社に行った。せっかくだから飲んで帰ってくるそうだ。
 高校の帰り道、親友の良雄にもこうやって話してみたんだが、この通り大した興味も示さない。
 俺としては親父がまた変な事件を起こすのが恐いから、今すぐ帰ってきてほしいんだが。
 どうせ今回もあんまり遠くには行ってないだろうし……
「おい、あれお前の親父じゃね?」
「なに?」
 良雄が指をさした先を見る。電信柱の陰から、前方に歩いてる女をストーカーしている親父がそこにいた。
 なんていいタイミングだ。俺は全力疾走で電信柱に向った。
「なにやってんだよ親父!」
「なんだ武か。静かにしろ。今大事なところだ」
「何が大事なところだよ! 親父が捕まっちまうぞ!!」
 こんなところで女に気付かれたらそれこそ通報される。
 俺はできる限り小さな声で怒鳴った。
「何を勘違いしてるんだ。あの女、これから誰かを殺そうとしている。それを阻止するのが俺の役目だ」
「は……?」

 俺は絶句した。
「なんでそんなことわかったんスか?」
 ちゃんと俺の後をついてきたのか。良雄も空気を読んで小さな声で言った。
 そうだ。前にいる女に不自然な様子は見られない。スーツ姿の普通の格好だ。
 仕事でどこかに向っているか、少し早めの帰宅中にしか見えない。

365:2/3
17/10/31 20:25:04.15 +LyVpub+.net
「あの女はさっき包丁を買った。間違いなくこれから誰かを刺す気だ。ホームセンターを張っておいて正解だったぜ」
 俺はもう一度絶句した。
「……いや、包丁くらい買うんじゃないスかね。ホームセンターだし」
 良雄の言うとおりだ。何もおかしなところはない。
 たとえば一人暮らしの女なら料理もするだろうし、何かの事情で仕事帰りに包丁を買う事もあるだろう。
「馬鹿ヤロウ!!」
 だが親父にそんな常識は通用しない。大声で怒鳴りだした。俺らが気を使って小さな声で喋ってたのに。
「あの女の姿を見ろ。スーツだろ? こんな時間のスーツ姿の女は普通、包丁なんかに用はない―違う用途で使うなら別だがな」
 ニヒルに笑う親父を見て、俺は若干イラッとした。
「オマケに表情が暗い。フ、完璧な推理だ」
「いやあ、それだけで尾行していたら親父さんが刑務所行きじゃないッスかねえ」
 そのとおりだ。もっと言ってやれ良雄。
「馬鹿言うな、人の命がかかってるんだぞ―あっ! 見失ったじゃないか! クソ、お前らに構ってるヒマはない!」
「親父待てって―!」
 俺が止めるのを無視して親父は走って女を追っていきやがった。
「くそっ! 行くぞ良雄!」
「やめとく、俺帰るわ。俺まで警察になんか言われるの嫌だし」
「なに!?」
 お前それでも親友か!? と叫ぶのはとっさに抑えた。
 そんな言い合いをしてて親父に置いてかれたら大変だ。
「仕方ねえ! また明日な!」
「おう、またどうなったか連絡してくれ」
 挨拶もほどほどに俺は親父を追った。すでに親父は曲がり角を曲がっている。このまま見失うことだけは許されない。
 俺も角を曲がる。親父の背中が見えたが、すぐにまた別の角に入る。
 くそ、あんなでもいつも筋トレしてるからか、全然追いつけねえ。

366:3/3
17/10/31 20:25:35.68 +LyVpub+.net
 だが諦めるわけにはいかないと、必死に走る。しばらくして女の悲鳴が聞こえてきた。
 最悪だ。親父! 早まるな!!
 もはや限界が近かったが、俺は最後の力を振り絞って走り抜けた。
「親父―!! ……は?」
 最後の角を曲がったとき、俺は不思議な光景を見た。
 泣きわめく子どもたち、どこかに電話をしている先生らしき女。
 それに、包丁を持った女を取り押さえている俺の親父―
「どういうことだよこれ……」
 息が苦しい。状況がいまいち掴めねえ。
 いやでも、親父が押さえてる女はさっき追いかけてた奴じゃねえか。
 ってことはまさか……
「おう武! ついに俺はやったぞ!! これが俺の実力だ!!」
 まさか、本当に包丁を持って暴れたのか。それも、小学生を襲おうとして?
 ……すげえ、すげえよ親父。
 俺は親父があまり好きじゃなかった。いつも失踪して、正直、見下していたところもある。
 だが今は違う。さっきは腹が立った親父の笑顔も、すっげえ渋く見えるぜ……

 未然に事件を防いだことで、親父は警察に表彰された。
 お袋はやっぱり興味がなさそうだったけど、俺はこの日から親父を尊敬しようと決めた。
 親父は助けた子どもたちのヒーローに、そして俺の目指すヒーローになったんだ。
 これで、親父が失踪することもなくなるだろう。

 ―二週間後。
「親父がひきこもりになった」
「表彰されて満足したんだな」
「ああ、勘弁してほしい」

367:1/2
17/10/31 20:26:06.13 +LyVpub+.net
使用お題:『ああああ』『自動販売機』
【扇風機の多様化に関する考察】

「ああああー。ああああー」
「……育人さん何をしてるんです?」
 部屋に入った時、私は見てはいけないものを見た気がしました。
 そのまま回れ右で帰りたくなりましたが、事実は事実として受け止めなければいけません。簡潔に言いましょう。
 一人きりで、扇風機に向って『あー』と大きく口を開けている育人さんを見ました。
「やあ、まひるちゃん。見てのとおりだよ」
 いくら私が動揺していても、それが無条件で他人に伝わることはありません。
 育人さんはいつも通りの可愛らしい笑顔を私に向けてきました。
 ……状況を整理しましょう。
 私と育人さんは家族ぐるみで付き合いがあります。
 だから今日もおばさんに家へ上げてもらえました。それがわかっているから、こうして部屋のドアを開けても、育人さんが驚くわけはありません。
 ですが、この奇行を見られてもなお普通にしている訳はなんなのでしょうか。
 大体、私はノックをしました。『どうぞ』という声が聞こえたからドアを開けたんです。
 つまり、『どうぞ』から私がドアを開けるまでの間に、『あー』を始めたということですよね。
 ……ええと、つまりはどういうことですか。
 ……本人に聞く他ありませんね。
「どういうことですか?」
「? 扇風機に向ってああああーってしてたんだよ? もう扇風機も片付けるから最後にと思って」
 なるほど。意味がわかりません。
 ただ、一つわかった事があります。
 私が奇行と思っているこの『あー』とする行為、育人さんは何ら不思議に思っていないということです。
 正直なところ、何かの間違いと思って今日は帰りたいです。
 ですが、私は自販機で余分に出た当たりのジュースを持て余してしまったために、今日はここに来ました。
 来たばかりで帰るのもなんですし、せめてその用事くらいは済ませたいのですが……どうしたものでしょうか。
「まひるちゃんもやってみる?」
「え。私もですか」
「うん」
 育人さんは屈託のない笑顔です。その展開は予想していませんでした。
 ひどく喉が渇いた気がします。ちょうどジュースが二本ありますし、一本だけ飲んでしまいましょう。
「ふう。私に、その、『あー』というのをやれと。育人さんはそう言いましたか?」
 喉が潤って頭も冷えたことですし、もう一度確認します。人間、何かの間違いというのは往々にしてあるものです。
「うん。たまにやると面白いものだよ」
 今回に限って間違いはありませんでした。
「……わかりました」

368:2/2
17/10/31 20:26:21.12 +LyVpub+.net
 育人さんが扇風機の前を空けました。……相当に恥ずかしいのですが、覚悟を決めましょう。
 まさか、扇風機に話しかける日が来るとは夢にも思いませんでした。
「はい、どうぞ」
 今日一番の爽やかな笑顔で促されます。
 もう後には引けません。しかしこの行為にどういう意味があるのでしょう。
 私は扇風機の前に座り、風を避けるために目をつぶってから、少しだけ口を開けました。
「……あー…………」
 何も変化はありません。
 もうやめてもいいんでしょうか。
「ダメだよ。もっと口を開けて、大きな声で言わないと」
 今日はいつになく育人さんが強引です。
 仕方ありません。早くしないと扇風機の風で喉が痛くなりそうです。私は言われた通りに口を開けました。
「あ……『ああああー』……え?」
 なんだか声がダブって聞こえますね。
 ……だからどうしたと言うんですか。
「これ、わりと誰でも知ってるんだけど、まひるちゃんの家は羽根付きの扇風機ないし知らなかったかな?」
「はあ。別に知る必要も感じられないですね」
「そう言うと思ったよ。ああ、別に異常な行動ってわけじゃないからね。子どもとか楽しんでやったりするよ」
 育人さんが扇風機を片付けながら言います。
 私は不思議な気持ちでいっぱいです。今日は先手を取られた気分です。部屋に入った時から振り回されっぱなしじゃないですか、私。
「……では、どうして私にやらせようと思ったのですか?」
「チャンスだと思ったんだよ。……照れたまひるちゃんなんて、そうそう見れないからね」
 なるほど。私はようやく納得できました。
「さすが育人さんです。変なところで人格が折れ曲がっていますね」
 というか、照れさせるだけならもっと普通の方法がいくらでもあるでしょうに。
 例えば……いえ、やめておきましょう。
 変に想像をして、無駄に照れてしまったら、それこそ赤面ものです。
「あっ、と……ごめんなさい。くだらないことをシマシタ。もちろん誰にも言わないよ」
「もういいです。扇風機のせいで喉が渇きました。育人さんにあげるつもりだったこのジュース、私が飲むことにします。では私はこれで」
「あ―」
 私は口早にそう言って部屋から出ました。
 別に怒ったわけではないのですが、あのまま楽しく談笑する気分でもないので。
 ですが……帰り際、少し寂しそうな顔をしていましたね、育人さん。
 これくらいで落ち込むなんて困った人です。
「……仕方ありませんね」
 ここから一番近い自販機で、新しいジュースでも買うとしましょうか。

369:この名無しがすごい!
17/10/31 20:27:12.36 +LyVpub+.net
>>363
被っちゃってすみません。

370:この名無しがすごい!
17/10/31 20:36:30.71 /CRm/r3N.net
>>369
いえ、こちらこそ
全てはエラーが悪いのです
そのせいで途中が、Up出来ませんでしたし
と、言うわけで、何があったのかは藪の中です

371:この名無しがすごい!
17/10/31 20:53:37.82 /CRm/r3N.net
>>364
燃え尽き症候群でしょうか?
どうしようもない父親に苦笑が零れます
>>367
再びの育人さんとまひろちゃんですね
こう言う距離感が羨ましく感じます

372:この名無しがすごい!
17/10/31 21:12:55.97 +LyVpub+.net
>>356
切ないお話で悲しくなります。
こう、多くは語らないけどしっかり想像を掻き立ててくる書き方がすごいです。見習いたいですね。
最後の一文なんて特に。

>>371
多分、何ヶ月後かにはまた失踪してると思います。
こんな連続で同じキャラを出すつもりはなかったのですが、書けるキャラにこのお話を担当できる子がいなくて…すみません
余計なギミック無しで空気感を楽しめるような形が作れていたら嬉しいです

373:この名無しがすごい!
17/10/31 22:06:24.60 6WCNxcJ2.net
>>363
あーあ無慈悲な363氏によって忍さんが藪の中になってしまった〜
いつかの日より寒くなってきたとか言っちゃうんだ〜ひどいことをするなあ、なんたる無慈悲
でもね、そう見せて次の作品で予想を裏切ってくれる的なアレ的な伏線に決まってる
ここまで盛り上げた責任があるw
スレ民が363氏を信じているぞお〜

374:この名無しがすごい!
17/10/31 22:35:14.25 2QdzDSKf/
お題→『自動販売機』『殺人事件』『ヒーロー』
【私の、一風変わった初恋の話】
URLリンク(kasasagi.hinaproject.com)

375:この名無しがすごい!
17/10/31 22:21:16.01 6WCNxcJ2.net
>>364
さあ、お題3つ挑戦のコメディが来たー!
ヒーロー気取りの親父に誰も興味を示してねえ〜、惨めさに少しワロタw
親父のノリに一応合わせて小声で話しているのに速攻無視される主人公に中ぐらいワロタ、しかも親父筋トレしてて追いつけねえとか言ってて声上げてワロタw
成り切りヒーローが本物のヒーローになる!親父よかったねえ!と言いたくなる微感動とそれを振り切るオチも爽やかに決まって満足感〜w
徐々に大きくなるテンポのいい笑いあり、オチに意外性&満足感ありの堂々たる完成度w
ま〜あえて言えば殺人事件じゃないけどねっ、と公平さを重んじてツッコミを入れておきまっすw
>>367
待ってました〜挑戦お題2で件のカップルシリーズが再来だw
しかし描かれたのは扇風機で遊ぶ小学生知能の育人さんに冷え冷えとした大人のまひるさんwえっこの二人、前は逆のポジションじゃなかった?
かなり冷えてるけど大丈夫?長い付き合いこんなんで別れたりしないっすよね?うーん、さては作者367氏がシリーズへ寄せられる期待で気負ったなw
あどけない悪戯役を持ち合わせていたかつてのまひるさんがOLみたいな冷酷さを持ち過ぎじゃないすかねえ!いらないよ、その成長!
男が女性に感じるやり場のない腹立ちをここで見せつけられたwと思っていたらまひるさんの熟年夫婦といった感のフォローがオチw
自販機で買って帰るのはホットであって欲しい〜

376:この名無しがすごい!
17/10/31 22:47:41.48 +LyVpub+.net
>>375
予想以上に評価高くて嬉しいです。笑ってもらえるのが一番。
殺人事件を防いだというとこでノルマ達成しようとしたのですが、やはり無理がありましたか。
殺人事件を盛り込みながら明るい話にしたかったのですが、やはり難しいですね。

扇風機をあーってしてる女の子ってすごい可愛いよね! という作者の歪んだあれこれが漏れ出た一作です。
というのはまあ置いといて、まだ設定を煮詰めようとしている段階の手探り状態な二人なんですよね。
まひるちゃんは遊び心を持ちつつも大人びた面もある子。
育人さんは成熟した冷静男子だけど、まひるちゃんの女の子な面には興味を隠せない男の子。
受け攻め両方できる二人みたいな感じが理想なのですが、バランスが難しいようで。
今回はあまりに子どもっぽすぎる出来事にまひるちゃんの遊び心が隠れちゃいました的なイメージだったのですが、その選択の段階で失敗したようです。
とても参考になりました。基本に戻って設定を煮詰めていく作業に戻ります。
長々とすみません。感想ありがとうございました!

377:この名無しがすごい!
17/10/31 23:06:57.63 LL3gBGP4.net
思い入れが強すぎるとキャラがぶれてくる
あると思います

378:この名無しがすごい!
17/10/31 23:26:51.10 aNhe+Mbf.net
お題→『自動販売機』『殺人事件』『ヒーロー』
【私の、一風変わった初恋の話】
URLリンク(kasasagi.hinaproject.com)

379:この名無しがすごい!
17/10/31 23:46:28.01 /CRm/r3N.net
文系女子の1人語りかと思っていたら……
あぁ成る程と、何か成っとくの行く結末で、ニヤリとしました

380:この名無しがすごい!
17/11/01 00:00:15.89 nN7I9a82.net
成っとくの→納得の
変な誤変換をしますね
ちなみに「ごへんかん」の第一候補が「五年間」になっているのですが、何ででしょうね?

381:この名無しがすごい!
17/11/01 00:04:49.88 PSfpryAl.net
凄く短いの思いついた。書いてみよう
>>319
使用したお題『殺人事件』『ヒーロー』
【正義の味方、参上!】
 やぁ、僕は正義の代行者。自分で言うのも恥ずかしいけど、ヒーローっていうやつさ!
 僕は正義のためならどんなことでもするぞ! 悪には一切容赦しないんだぜ!
 悪は徹底的に叩きのめす! ぶん殴り蹴り飛ばし切り落とし突き貫き、腕を折り足を折り胴を穿ち頭を潰し、目をくり抜き耳を削ぎ落し指を圧し折り鼻を潰し!
 とにもかくにも悪を徹底的に殺しつくす! これが僕の正義だ!
 だから……60億匹もいるホモ・サピエンスは一匹たりとも残さない! 地球上に存在する100兆を超える他の生物たちのために、人類は残さず殲滅し尽くす!
 これが僕の正義だ! どやっ!!

382:この名無しがすごい!
17/11/01 00:38:38.48 0layxPpy.net
>>379
377です。ありがとうございます。本当はタイトルを「私のヒーロー」とかにしたかったんですが、堪えて堪えてこんな感じになりました。ニヤリとしてもらえて嬉しいです……!

383:進行
17/11/01 00:51:05.82 1NcgwOdH.net
>>364
アレだと思った親父が本物のヒーローに!
転げるようなオチに満足の一作!
>>367
まひるちゃんの続編来た!
自分も扇風機あーあーよくやりました
相変わらずのバカップルにニヤニヤさせられるね
>>378
読者に語りかけてるのかと思いきや、そうじゃなかったとは…あとからタイトルを思い出してハッと気付いたよ、こりゃ一本とられた!
途中でまた主人公が犯人か?と思わせるミスリードも秀逸
>>381
前回の60億に引っ張られてるぅ!
お題殺人事件も消化するなら、実際に殺害しながら正義論を語る風にしてもいいような

384:進行
17/11/01 00:51:59.41 1NcgwOdH.net
すまん…貯めてしまって雑で短い感想になっちゃった…

385:この名無しがすごい!
17/11/01 01:40:13.38 hM5pNwWc.net
>進行氏
遊びなんだから気楽にねw

386:この名無しがすごい!
17/11/01 01:43:46.72 Hk+3QSFL.net
進行は感想義務じゃないから気にすんな
もらった側はすごく嬉しいと思うけど

387:この名無しがすごい!
17/11/01 01:48:21.99 hM5pNwWc.net
>>376
何で扇風機なのかと思ったら375氏の性癖だったのかw
でもそうだよね、やっぱし人を魅力的に書く上で作者の性癖って逃れられない要素よ、特に魅力的な異性を書こうと思ったらもはや避けられない宿命と言える
ハイって事で、この流れはもうしょうがないね〜
375氏がもう一回、扇風機というお題を乗せたまひるさんカップルの次を書いてくれるという認識でいいかな〜w

388:この名無しがすごい!
17/11/01 01:58:04.10 hM5pNwWc.net
>>378
さあ、お題3つに挑戦のミステリがきたあー【ネタバレ注意】
ぶっちゃけると最後で魅せる叙述トリック!図書委員が物語の内幕を暴露していくが〜
でもね〜恋をしたって言ってる時点で大体これ分かっちゃうんじゃないの〜ウーム先が分かってると回りくどい語りが長いっすねえwと知った様な顔で居ると
最後はオオっと言わされる〜実は主人公が誰かは重要ではない〜どこに居るかがミソ〜そしてストーリーはラストで泣けるような切なさへと雪崩れ込む!オチもきっちり回収
さあ未読の人はミステリから切なさに持っていく作者の腕前に対して慢心を恥じるのだ!俺と同じくw
ちなみに主人公は最初に推理小説好きですと告白しているんですねえ、この芸細かいとこ好きっす〜ただ分かってから見返すと語りが不自然かもw
>>381
短文でお題2つに挑戦!さあどうだ!
なるほど、人類皆殺し案は昔からラスボスが持つテーマではあるがココまで積極的に人類を殺す殺すと言われると
地球規模の悲しさを感じるというか悪い事してるのかなあと考えちゃうっすねえ〜やっぱ我々人類が生物の霊長ナドと驕り昂る姿勢には宿業レベルで瑕疵が考えられるのかも……
っておいおい?ドヤ宣言の前にお題「殺人事件」も真摯に消化せんかーい、という感じでENDw

389:この名無しがすごい!
17/11/01 02:17:08.75 hM5pNwWc.net
おっと「オチもきっちり回収」というか「お題もきっちり回収」でした、失礼w

390:この名無しがすごい!
17/11/01 06:00:30.39 nN7I9a82.net
>>381
こう言う系の話を見る度に、どこ目線なんだろう……と、気になりますよね
多分、人間以外に「〜の為」と言う意識は無いと思うので、そうなると壮大な無理心中なのかなぁ……と

391:この名無しがすごい!
17/11/01 08:30:56.11 VFAGWPh4.net
377です。
>>383
お、引っかかってくれてる!この手のミスリード誘導を初めて試してみたので、内心ガッツポーズです。ありがとうございます、いえーい
>>388
主人公が恋してるって言っちゃうの、確かに露骨すぎましたね。全くオチを考えずにとりあえずJK出して好きなだけ喋らせてから考えたんですが、数えたらあの子2000字のうち500字も使って自己紹介してました……てへ
でも、最後のオチは気に入ってるのでその感想はとても嬉しいです。ありがとうございます。課題も見えました……!

392:進行
17/11/01 12:58:08.21 lGZxFWQ+.net
【自販機転生】(1/2)
使用お題『自動販売機』『ヒーロー』『殺人事件』
 魔王を破り、一躍この世界のヒーローとなった勇者達一行はその帰路の小さな村の入り口で、見慣れない巨大な箱に遭遇した。
「なんですかあれは、新種のゴーレムですか!?」
 僧侶は疑念の声をあげ、怯えるように勇者の背に隠れる。
 勇者は剣を抜き、僧侶をかばうように攻撃に備えた。
「身体が発光しているな、雷の魔法に警戒しておけ」
「未知の敵にいきなり仕掛けるのは危険よ、まずは相手の出方を見ましょう」
 魔術師も杖を構え、勇者と共にじりじりと詰め寄る。
 ……しかし、いつまで経ってもゴーレムは攻撃を仕掛けてはこなかった。
「敵ではないのか……?」
「ゆ、勇者様!? 危ないですって!」
 引き止めようとする僧侶をよそに、勇者はゴーレムの身体に手を伸ばす。長きに渡る魔王との戦いで鍛えられた勘が、危険はないと勇者に告げていた。
 
「動かないな。安心していいぞ」
「勇者様、危険なことはやめてくださいっ!」
「これは……ポーションかしら」
 魔術師の彗眼に勇者は感心させられる。
 よく見るとゴーレムの顔に当たる部分には、見慣れない飲み物がずらりと陳列されていた。
「なるほど、これは一風変わった露店なのだな。せっかくだから一本買ってみようか。ご主人、回復薬を一本頼む!」
 箱の身体を小気味良くコンコンとノックする。しかし箱の中からは何の返答もこなかった。
 
「離席しているのかしら……」
「あ、見てください勇者様! ここに金貨を入れられそうなスリットがありますよ!」
「おお、よく気づいたな、偉いぞ!」
 幼いながらもよく気付く僧侶に勇者はいつも助けられる。褒めてやると嬉しそうに笑う顔もまた可愛らしいものだ。
 確かに右端のあたりに、銀色の円形に横筋が入った箇所があり、いかにも金貨を投入できそうだった。

393:進行
17/11/01 12:58:43.55 lGZxFWQ+.net
【自販機転生】(2/2)
「もしかしたら、魔力を用いて物を売るオートマタなのかも知れないわね。私の知る限り、そんな技術は聞いたこともないけど……」
「それにこんなに小さな村ですからね、ちょっと怪しいです……」
「まぁまぁ、騙されたとしても気にすることじゃないさ。今なら魔王城の宝物庫から持ち帰った金が沢山あるからな。ここに入れたら良いのだな?」
 勇者は袋から金貨を一枚取り出し、スリットに差し込む。
 しかし、隙間は明らかに勇者の持つ金貨より細く狭く─
「─全然入らないではないかっ!」
 怒りに任せた目にも留まらぬ必殺の一撃。
 見事! 真っ二つに切断された外装から、見慣れない小さなコインがじゃらじゃらこぼれ落ち、次いで奥から抱えきれないほどのポーションがいくつも音を立てて足元へ転がった。
 その箱はぶるぶると震えたかと思うと、やがて大きな音を立てて後ろに倒れた。
 剣を鞘に納めた勇者は一息つき、背後の二人に向き直って自信満々に言い放つ。
「……うむ、これは単なる宝箱だったようだ!」

394:進行
17/11/01 13:04:48.09 lGZxFWQ+.net
…げ、読み返したら見慣れないって3回も使ってやがる

395:この名無しがすごい!
17/11/01 13:15:24.87 iWYXuJzT.net
>>392
進行さんおつ
これ、タイトルとお題から察するに自販機の中の人死んだのか
最後の1〜2行でそれが分かるようにする(自販機の視点入れる)
とブラックなオチとしてまとまったかもしれない
『自販機に転生したら何もしてないのに殺された……来世ではもっとまともなものに転生したい』とか

396:進行
17/11/01 13:38:20.12 lGZxFWQ+.net
>>395
まぁ転生と殺人要素はあとから付け足した要素ではあるんだよね…
タイトルとお題を見返すと気付ける系の仕込みにしたかった感はある

397:この名無しがすごい!
17/11/01 16:16:28.18 nN7I9a82.net
タイトル含めてのギミックは、短編だから仕込めると言うモノではありますね

398:この名無しがすごい!
17/11/01 18:00:07.57 hM5pNwWc.net
>>392
さあチャレンジャーが転生ものでお題3つに挑戦だぞ〜この作品!肝は誰かが自販機に転生している事をタイトルで知らせている点!って進行氏かよw
先にタイトルで楽屋裏が知らされた読者は自販機が勇者達にどうされてしまうのか心配になる〜情報格差を利用した心理的演出〜策士だね、と読んでいくと〜
賢そうな仲間「離席しているのかしら」←これどういうこと!?普通さ、あれ見て中に店主が入ってるなって思わないっしょwまず入口とかが無いし
そんで女にいいとこ見せようと思ったのかブチギレて自販機ぶった斬る勇者wさっき機体に向かって、ご主人回復薬を頼むとか言ってたのに何なのw
オチは勇者の台詞〜しかしオチてない感あり
うーむ、これはむしろ最初で転生を知らせずに「おいおいどこでお題の殺人事件使ったんだよ〜抜けたな進行役のくせにw」と思わせての最後の一行「タイトル:自販機転生」でどうか!

399:この名無しがすごい!
17/11/01 18:55:18.21 hM5pNwWc.net
って書いといてアレだけどタイトル一行目というルールもあったかw

400:この名無しがすごい!
17/11/01 19:06:36.59 iWYXuJzT.net
使用お題:『ああああ』『殺人事件』
【家達探偵の事件簿〜『ああああ』の謎〜】(1/2)
 都内のとあるオフィスに、二人の男が向かい合って座っている。
 一人は警察の警部。もう一人はトレンチコートを着た、探偵風の男。
 名を家達紗六(いえたつ しゃろく)という。
 警部は、知り合いの家達に事件の相談をもちかけていた。
「家達さん。これがガイシャの情報です」
 警部が探偵の家達に写真と書類を渡す。
 被害者の名前は田中薔薇門(たなか ばらもん)。45歳、男性。
 近隣の暴力団『曽馬(ぞま)組』の幹部で、債務者を火あぶりにしかけるなどの苛烈な所業から、
 周囲からは『魔王』の名で恐れられていた。
「で、これが殺害時の状況と写真です」
 田中はアパートの自室で死体となって発見された。
 第一発見者は組の部下で、彼にはアリバイあり。
 鈍器で頭を殴られたことが死因と推測される。
 凶器は現場にあったカバの置物。血痕の付着はあったが、指紋は被害者の物以外検出されなかった。
 そして。
「この事件で特徴的なのは、この血文字です」
 警部は写真を指差す。
 被害者の指の先に、血で文字が書かれている。
『ああああ』
「ああああ―これが被害者が最後に残したダイイングメッセージです。
 被害者は即死ではなく、一時的に息を吹き返した形跡がありました。
 その際に被害者が最後の力を振り絞って残したようです」
 警部の言葉に、家達は「ふむ」と答えた。
「情報は、それで全部かね?」
「はい。差し当たっては。何か思い当たることがあればご助言願いたく」
「謎はすべて解けた」
「はやっ!?」
 これが家達の能力だ―彼は与えられた情報から、即座に真相にたどり着くことができる。
 一点、難点があるのだが。
「被害者の通称は『魔王』。そしてダイイングメッセージは『ああああ』。
 これはつまり、RPGだよ、君」
「RPG……ロールプレイングゲーム?」
「その通り。RPGにおいて『ああああ』は特別な意味を持つ―すなわち、勇者の名として」
「勇者、ですか」
「ものぐさはプレイヤーは名前を考えるのがめんどくさい。
 それゆえに、名前をつける場面でてきとーに名前をつけてしまう。その結果が『ああああ』だ。
 魔王が『ああああ』とメッセージを残したのならば……勇者である『ああああ』に魔王は殺された。
 そう考えるしかない」
「つまり、どういうことでしょう」
「被害者の周辺に『ああああ』という名前の人物がいるはず。
 それが魔王を討伐した勇者―すなわち犯人だ。調べてみてくれ」
 家達は自信満々に言い切り、コーヒーを一杯口にした。
 警部は天を仰いだ。

401:この名無しがすごい!
17/11/01 19:07:05.57 iWYXuJzT.net
【家達探偵の事件簿〜『ああああ』の謎〜】(2/2)
「……2点、よろしいですか」
「何かね?」
「確かに、ガイシャは『魔王』と呼ばれていましたが、あくまで通称です。
 RPGの魔王と勇者とはまったく関係ないと思うのですが」
「いやいや、魔王といえば勇者だよ。この2つは表裏一体。通称とはいえ、切り離せないものだ」
「もう一点、『ああああ』などという名前がこの世に存在するのでしょうか」
「事実は小説より奇なり―この世にありえないなんてものはないのだよ、警部君」
「それっぽく言わないでくださいよ……まあ、調べてみますが」
 警部が席を外して小一時間後。警部が電話を手にオフィスに駆け込んできた。
「いた! 本当にいました! 名前が『ああああ』の男!」
「言った通りだろう。すぐに確保したまえ」
「今、現場に刑事を向かわせています!」
 その後間もなく、犯人確保の知らせが入った。
 犯人の名は山田ああああ。20歳、男性。
 被害者の隠し子だった。被害者の戸籍に載っていなかったため、発見が遅れたそうだ。
 動機は、名付け親である父親への恨み。
 その名前ゆえに、いじめや就職不利でまともな人生が送れなかった。
 名前を一秒で考えた父親へ、ずっと憎しみを持っていたという―。
 今流行りの、いわゆる『DQNネーム』がまねいた殺人なのであった。
 警察の報告書を読んだ家達は、頭をかかえた。
「クソッ! 勇者じゃなかったのか! また推理が外れた! 」
 これが家達の推理の難点だ―彼の推理は、いつも結論はあっていても、
 過程がむちゃくちゃなのである。
「警部、依頼料はいらんよ。推理を外した探偵、食うべからず、だ……」
 しかもプライドが高いので、いつもこんな調子。そのため万年貧乏である。
「まあまあ。これはコーヒー代です。ご協力、ありがとうございました」
 警部は卓上のコーヒーカップの脇に、依頼料を置いて、立ち去った。
「情けなどいらんというのに……。次こそはきっと、推理を当ててみせよう」
 家達は誓いを新たにして、パイプに火をともした。

402:この名無しがすごい!
17/11/01 19:47:59.11 nN7I9a82.net
丸かぶりですorz
使用お題:『ああああ』『自動販売機』『書き出し→「親父が失踪した」』『殺人事件』
【ああああショー 〜名探偵編〜】(1/3)

「親父が失踪したって言ったんだ!」
 ここへ来て新たな証言が出た。ほぼ決まりだと思われていた容疑者は、しかし半年も前に失踪していると言うのだ。
 証言者は従業員の青年。彼は親父さんこと、ペンションのオーナーから聞いたと言う。
「疑う訳では無いのですが、親父さん、本当に?」
「あ、ああ……」
 訊ねた探偵の眉がピクリと動く。事の起こりは昨晩のこと。ペンション『山小屋荘』で宿泊客か死亡した事に始まる。
 被害者は会社社長の阿久地 重練。悪辣な経営方針であちこちに恨みを買っている男だった。
 容疑者として絞り込まれたのは、同じ宿泊客の四人。誰もが阿久地に恨みを抱いており、動機は十分だった。
「だが、誰もがアリバイがハッキリしていた」
「そう、そして、もう1人阿久地に恨みを抱いて居たのが……」
 警部の言葉に、状況を整理する様に探偵が答える。
「山田 英雄だった」
「うむ、このペンションオーナーの息子さんだね?」
 警部が親父さんをちらりと見る。
「……はい、そうです」
「しかし、彼は半年前に失踪している……と」
 殺害方法が探偵の推理通りなら、犯人は英雄以外にあり得ない。
 だからこそ、彼が失踪していると言う事が、探偵には腑に落ちなかった。
(いや、もしかしたら……)
 彼の灰色の能細胞が高速で回転し、ジャイロ効果で安定性を与える。
「警部……」
「うん? まぁ、吝かではないが……必要な事なのだね?」
 探偵が頷くと、警部が部屋から出て行った。

403:この名無しがすごい!
17/11/01 19:51:29.65 nN7I9a82.net
【ああああショー 〜名探偵編〜】

「? 刑事さんは何処に?」
「推理ショーの舞台を作りに……ね」
「! 犯人が判ったんですか!?」
 それを聞き、親父さんの肩がピクリと動く。
「……それは、すぐに分かることです。それより……」
「な、何ですか?」
 近寄って行った探偵に、親父さんが警戒の色を強める。
「良い体をしてますね?」
「ウホ!?」
「実に素晴らしい筋肉だ。いやー、羨ましいぃ」
「た、探偵さん!? 何を!?」
「……ふむ、準備が整ったようだ、それでは推理を開始しましょう……皆さん、ロビーへ……」
 警部の部下が来たのを見て、探偵が皆に声をかける。
 そして、容疑者を含めた全員が殺害現場であるロビーへと移動したのだが……
「ぶべっ!!」
「ぐが!」
「ぎゃう!!」
「ああん!」
「うげぇ!!」
「た、探偵さん、これは?」
 ロビーに入った途端、次々に丸太に吹き飛ばされる人々。しかし、そこに最後まで立っていた者が二人。
 1人は探偵。そしてもう1人が……

404:この名無しがすごい!
17/11/01 19:55:15.65 nN7I9a82.net
【ああああショー 〜名探偵編〜】(3/3)

「やはり、無事だったようですね? 親父さん……いや!山田 英雄!!」
「!! な、なぜ……」
「……ミオスタチン関連筋肉肥大と言う物を知っていますか? 鍛えれば鍛える程筋肉が成長すると言う物で、その成長率は常人の1.5倍から2倍にまでなるそうです。このミオスタチン関連筋肉肥大の人物は例外なくムッキムキと成ります……そう、今のあなたの様に……ね?」
 親父さん……いや、英雄の筋肉がピクリと動いた。
「さて、殺害方法でしたね? 阿久地は鈍器の様な物で殴られ、頚椎骨折及び出血多量で亡くなった。しかし、ここには鈍器と成りうる物など無かった」
「だったら!!」
「普通なら……です。そうと気付かれない物は凶器と思われない……これはそう言うトリックです」
「うっ」
「そう、貴方の使った凶器、それは、ロビーになら大体置いてある、ある物ですね?」
 探偵が英雄の顔を覗き込む様に視線を合わせる。
「自動販売機!! それが見えない凶器の正体です!! そして自動販売機で被害者を殴り倒す事が出来たのは貴方しかいない!!」
「そ、そんな!!」
「言い逃れは出来ませんよ? 既に自動販売機の裏からルミノール反応は検出されています。当然、貴方の指紋もね」
 それを聞き、英雄が両膝をつき、崩れ落ちる。
「借金だったんだ……でも、あんな法外な利子払えるはずないじゃ無いか!!」
「だから、姿を消した……と、その所為で親父さんが嫌がらせを受けたんですね?」
「そうだ! 阿久地の執拗な嫌がらせの所為で、親父は命を絶ったんだ!!」
 探偵が溜息を吐く。
「貴方がしなければいけなかったのは失踪なんて手段じゃ無く、違法な利子に対して弁護士に相談する事だったんですよ?」
 「そうすれば、利子を帳消しに出来たかもしれないのに」……そう言った探偵の言葉に英雄は号泣した。

 パトカーに乗せられ、英雄が連行されて行く。後に残った警部と探偵はそれを見送った。
「痛ましい事件だった、最初から法に任せてさえいれば起きなかった事件だったのに……」
「しかし何だな、流石は名探偵」
「いやあ」
「これからも頼むぞ! 名探偵ああああ」
「その名で呼ぶなぁ!!」

405:この名無しがすごい!
17/11/01 21:19:19.47 r/UL1CUu.net
>>383
いつも感想ありがとうございます。
感想をいただけるのはすごく嬉しいですが無理なさらずにお願いします。
というか2連続で投稿してすみません。
ヒーロー親父
オチが微妙になることが多いので、上手くいって良かったです。
やはりプロットは大事。
まひるちゃん
自分はこれを書くにあたって何年かぶりにあーをやってみましたが、家族に寒いからやめてと言われました。
お題を使って何作か書いてますのでまた2千字を下回ったときはよろしくお願いします。
今回は失敗だったなと結論が出ちゃいましたが、ニヤニヤできるシーンがあったのなら嬉しいです。

>>388
フォロー内容を含んだリベンジ作品は投下したかったのですが、断念しました。
仕事しながら一日考えた結果、短編としてまとまりに欠けてしまうので。実力不足。
というか、扇風機あーに対する世間との認識のズレに衝撃を受けててそれどころじゃないっていうか
あれそんなに子どもっぽかったのね…
落ち着いた高校3年生にやらせることじゃなかったみたいなので、自分の中では黒歴史作品扱いとして封印しておきます。

406:この名無しがすごい!
17/11/01 21:20:05.13 r/UL1CUu.net
>>392
めちゃくちゃ短気な勇者に笑いました。
タイトルとお題でのブラックユーモアいいですね。
スッキリ短くて楽しく読める好きな話でした。
>>402
お題を強引に詰め込む作品っていいですよね。
詰め込み方自体に笑えます
あれ?ヒーローも使用お題じゃないんですか

407:この名無しがすごい!
17/11/01 21:31:38.22 PSfpryAl.net
作品数が順調に増えてる気がする
お前ら小説で遊ぶ系作家だな? 俺もだ! ひゃっふー!

408:この名無しがすごい!
17/11/01 21:34:57.76 iWYXuJzT.net
使用お題『ああああ』『自動販売機』『殺人事件』『書き出し→「親父が失踪した」』
【おや? 字が疾走した?】
「おや? 字が疾走した? 『走』の字が疾走しているぞ!」
 走====
「一体どこに向かっているんでしょうね」
 走
「あれっ? 止まりましたね」
 自販機 走

「ああああーっと! 自販機だ! 自販機の前で止まり、水分補給だーっ!」
「長距離走に水分補給は大切ですからね」
 走====
「どこまで走り続けるんでしょうか」
「何を目指しているんでしょうね」
 恋人 走====
「あっ! 恋人だ! 恋人が出てきました!」
「恋人のために必死に走っていたんですね」
 恋人=lニフ走 <ザクッ
「ああああーっと! 刺されました! 恋人に包丁で刺されました!」
「まさかの殺人事件ですね。いえ、殺字事件か」
 恋人 < 十股かけてたなんて……許せない!
「十股だっ! 十股かけていたーっ!」
「かなりのプレイボーイだったようですね」
 _走
「恋人が去った後に『走』の字が何か取り出そうとしているぞ!?」
「最後の力を振り絞ってますね」
 完走
「ああああーっと! まさかの完走! 完走宣言です!」
「結果は悲劇に終わりましたが、完走したことに意義があるということでしょうか」
「あっ……! 『走』の字が倒れます! 彼の人生、いや字生はここまでなのでしょうか……!」
 完_
「完! これにて完です! ご愛読、ありがとうございました!」

409:この名無しがすごい!
17/11/01 21:59:27.50 nN7I9a82.net
>>400
真の探偵は真実を導くだけで、推理はしないそうです
ドラゴンをアレするRPGに因んだ命名など、思わずニヤリとしました
>>408
読み代え、言い換えは日本のお家芸ですよね
こう言った文字そのもので遊ぶ系は、何となくNHK教育を思い出します
>>406
英雄はヒーローと読み代えるかは最後まで悩みましたか、取り敢えず外しました
詰め込みは、どう組み立てるかを考えるのが楽しいですよね

410:この名無しがすごい!
17/11/01 22:46:23.98 hM5pNwWc.net
>>400
探偵ものでお題2つに挑戦だあ!
何だ、いえたつ……しゃろくって、ああシャーロックホームズかw次、ばらもん…バラモスかこれ?えっと次は、ぞま、ゾーマかな?
ええい進まん、色々もじってる気がするけどもういいわい、前半!小ネタうるさいw
探偵は与えられた情報から即座に真相に辿り着く推理特化の能力者だったァ!?それ使えば推理の過程にも辿り着けるんじゃ?ってのはもちろん言わないお約束w
破壊的な推理にワロタ、しかしどうやって証拠ナシの状態からああああさんに自白させたんすかねえ〜そこらへん見せ場が課題でしょ〜ねえ?って印象もたせて完結!
注)お子様の異常な御名前の出生届は役所にて認められません。なお、裁判所にて変更申し立ても可能ですw
>>402
きたあ〜お題4つに挑戦のチャレンジャー!期待が高まるぅ
401氏!これは苦しんでるぞ〜お題消化に苦しんでるのが手に取るように伝わってくる作品だ〜どうにかこうにか親父と失踪を物語に馴染ませて殺人事件も結び付けた〜
あ!ヒーローも使用、これ消化判定でしょ〜スゲエ401氏!トリックはミオスタチン関連筋肉肥大!その設定出してくるのいきなり過ぎんだろw
凶器は自動販売機wwこれはまあ確かに意外過ぎてワロタ
「ああああ」はまさかの探偵の名前で消化されてオチとなるが、コレ凄いぞ、一個前の探偵ものとオチが被った事でこの名前の無理やり感が打ち消されてる!奇跡や〜
努力と運が味方した〜401氏!お題5消化おめ!けどなんせ推理物!伏線はほしかったぞ〜w

411:この名無しがすごい!
17/11/01 23:00:23.11 hM5pNwWc.net
>>405
俺もカップル続編見たいなあ
なに焦る必要はあるまいて
実験大好き当スレ民なら、リベンジはきっといつでも受け付けるさw
>>408
お題4に挑戦、新たなパターン文字遊びだあ!
何コレうまっ!失踪を言い換えて走の字を取り出してダッシュする〜、さっそくお題を一個消化〜何なんすかこの発想w
次は「自販機」で水分補給だ〜そうね、走ってるから自然っすね!さりげなく「ああああ」も使いまくってるぞ〜
お次は恋人に刺されて「殺人事件」w何が殺字事件だよ思わずワロタ
さあ、ここで主人公(主字ん公ねw)は力尽きるのか!力尽きてしまうのか〜人生、いや字生はここまでだ!ええい、このネタしつこいww
哀れ走の字が力尽き、完の字に結び付く完走オチ!美麗なる完成度!こりゃもう走り抜いたランナー407氏に拍手しかないw

412:この名無しがすごい!
17/11/01 23:37:10.26 nN7I9a82.net
締め切り間際、最後の最後なので最終章を
【そして僕はまた通う】(結)

 桜も綻ぶ時期となり、一通の手紙が届く。
 一言も書いてないその絵はがきは、一面のラベンダー畑を写したものだった。
 春に咲く花は、寒さがなければ咲くことはできないと聞いた。
 時期を半年も外した。無記名の、その絵はがきを見て、僕は「あいつらしいな」と、思いながら紅茶のカップを置いた。

413:この名無しがすごい!
17/11/01 23:51:29.65 iWYXuJzT.net
>>409-411
感想うれしい ありがとうございます
やはり読み手いるとスレに活気出て良い

414:進行
17/11/02 00:04:40.00 IdrJz6yZ.net
お題『ああああ』『自動販売機』『殺人事件』『書き出し→「親父が失踪した」』『ヒーロー』〆
作品一覧(1/3)
>>328【異常者】
>>332【俺は殺してない】
>>335【正義のヒーロー殺人事件】
>>337【探し屋右京】
>>343【契約不履行】

415:進行
17/11/02 00:05:39.62 IdrJz6yZ.net
作品一覧(2/3)
>>356【そして僕はまた通う】
>>364【俺は親父が嫌いだ】
>>367【扇風機の多様化に関する考察】
>>378【私の、一風変わった初恋の話】
>>381【正義の味方、参上!!】

416:進行
17/11/02 00:06:19.38 IdrJz6yZ.net
作品一覧(3/3)
>>392【自販機転生】
>>400【家達探偵の事件簿〜『ああああ』の謎〜】
>>402【ああああショー 〜名探偵編〜】
>>408【おや? 字が疾走した?】


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