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17/10/18 22:09:57.32 YiCIXlCS.net
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■タイトル:魔物たちのハロウィン
 ―魔王城にて。
「魔王様、朝礼の時間でございます」
 竜の頭をした魔大臣の言葉に、重いまぶたをこすりながら、魔王は頷いた。
「ふわあ……、低血圧な我には辛いものがあるな」
 ゆっくりと自室の扉を開け、バルコニーを目指す。
 魔王軍では毎朝、広場に城内の全軍を集め、朝礼を行う習慣がある。
 魔王はバルコニーから毎朝小話をしている。
「今日の話のネタは何にするか……
 そうだ、プレミアムサタンデーだから早く帰るように、とかそういった話にしよう」
 バルコニーに辿り着いた魔王は、魔イクを手に取り、階下を見下ろした。
「えー、本日はお日柄もよく……ええっ! 何だこれは!」
 魔王は驚愕した。
 それもそのはず、いつもなら広間を埋め尽くす魔物が一匹もおらず、
 代わりにいたのは、広間を埋め尽くす人間たち―それも、
 勇者、戦士、魔法使い、僧侶といった勇者パーティーの面々だったからだ。
「ま、魔大臣! これはどういうことだ! 大量の勇者に魔王城が攻め入られているぞ!」
 魔王の言葉に、側にいた魔大臣が笑って答える。
「ハハ、落ち着いてください、魔王様。今日が何の日かお忘れで?」
「何の日だと? 10月31日だが、何の日でもないだろうが」
「まーた、魔王様ったら。10月31日といえばハロウィンですよ、ハロウィン」
「ハロウィンだと?」
 魔王も言葉は聞いたことがあった。
 確か、人間どもの祭りか何かだったはず。
 子供が化け物の仮装をして街を歩き、大人に『お菓子くれなきゃ、いたずらするぞ』と尋ね回る理解に苦しむ祭りだ。
「それは人間どもの習慣だろうが。それにハロウィンとこの勇者の集団が何の関係がある」
「かねてより魔王軍は娯楽が少ないと不評でして。人間どもの祭りを魔王軍にも取り入れることにしたのです」
「我に黙って決めるなよ……で、あの勇者集団は」
「人間たちは化け物に仮装しますが、我々は元から化け物なので。我らにとって化け物といったら何か、と
 考えたら、勇者の一団かなあ、と」
「なるほど……そういうことか。合点が行ったぞ」
 魔王は落ち着いて勇者の集団を良く見てみる。
 仮装と聞いたが、そこにいるのは勇者パーティーそのものに見える。
 人間にしか見えない。
「いったいどういう仮装の技術なのだ? 魔物が化けているとは思えんぞ」
「それはこの、」
 魔大臣が豪華な装飾の杖を取り出す。
「魔界の秘法の変化の杖で変身させました」
「秘法をこんなくだらんことに使うなよ!」


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