私たちの詞華集を作ろ ..
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8:吾輩は名無しである
12/02/21 02:50:02.17 5KkSyumT
「鳥龍茶」中村光太郎
二リットルの鳥龍茶を
暑い午後にぐいぐい飲むと
腹の中には小さなみずたまりができる
チョコレートを飲み込むと
小さなみずたまりに波紋ができて
ゆっくりと沈んでゆく
逆立ちをすると
じゃぼじゃぼと音がして
腕立てふせをすると
ちゃぽんちゃぽんと音がする
その音を
どこかでもらった領収書の裏か何かに書いてゆくと
君が居なくなったときのように
少しかなしい

「おしえて下さい」矢沢宰
神様おしえて下さい
美しいのは美しいと
見ていいでしょう?
好きなのは
好きだ!といってもいいでしょう?
それがどんなになろうとも
あるものはあります
好きなんです
生きたいんです
悲しいんです
みんなみんなです

でもどうしょうもないのは
どうしょうもないのでしょうか?
神様 おしえて下さい

9:名無しさん@お腹いっぱい。
12/02/21 02:58:31.30 pfhO37Bc
>>8
寡聞にして存じませんでしたが
お二方とも夭逝されてるんですね
そう思って読むのはよいことではないと思いますが
感じやすい心が天にいたぶられるのは
やはり何だかかなしくなります

10:吾輩は名無しである
12/02/21 03:18:04.43 5KkSyumT
>>9
中村光太郎さんは、34才で、自死されました。
矢沢宰さんは、激性肝炎で、21才で、亡くなられました。

ふたりとも、詩神に、取り憑かれた、素晴らしい、詩人さんです。
おれは、ふたりのことを、親友だと、大切に、思っています。
光太郎さんの、お母さん、と、おれは、親友です。
>>9さんに、大切に、読んでもらえて、
光太郎さんも、宰さんも、天国で、喜んでるよ。

11:名無しさん@お腹いっぱい。
12/02/22 23:25:41.49 saUpOdk2
  月夜  堀口大學

 ランプを消せば
 月かげが流れこんで

 書斎が
 寝室に変る
 
 青い月光の水が流れて
 ああ 寝室は水族館だ

 裸のかの女は人魚である
 ああ かの女の遊泳

12:名無しさん@お腹いっぱい。
12/02/22 23:27:44.58 saUpOdk2
  月光をのむ  堀口大學

 われ等恋のたはむれに
 なんとのどのかわくことだ
 さあ二人でのまう
 無花果の葉にうけて
 月の光の牛乳を

13:名無しさん@お腹いっぱい。
12/02/22 23:30:52.72 saUpOdk2
  初夜  堀口大學

 越の国中つ久比岐の
 妙高は少女子の山
 白妙の雪の谷あい
 落ちていた朱鷺のなきがら

14:名無しさん@お腹いっぱい。
12/02/22 23:32:30.13 saUpOdk2
  エロスの詩法  堀口大學

 お手で口説くのよ

15:名無しさん@お腹いっぱい。
12/02/22 23:34:51.83 saUpOdk2
  乙女子に 又  堀口大學

 春が来て
 あなたの胸のブラウスの
 絞りの豆がかたくなる
 そよ吹く風の指の下

16:名無しさん@お腹いっぱい。
12/02/22 23:39:09.50 oe1Xg0Jw
大學にはやさしい歌も多いよね
もちろんエロスもいいけどw

歴史

火事がなければ
地震があつた。
病気がなければ
いくさがあつた。
あひまあひまに
生活があつた。
国はだんだん
大きくなつた。
世路はだんだん
険しくなつた。
ばらはだんだん
咲かなくなつた。

17:名無しさん@お腹いっぱい。
12/02/22 23:42:23.84 oe1Xg0Jw
なんかやさしいとは違ったかw
「秋のピエロ」とか「夕ぐれの時はよい時」にすりゃ良かったか

詩文学板過疎り過ぎだな…
ここ何人いるん?三人?

18:吾輩は名無しである
12/02/23 03:21:56.70 2gtYTyGu
>>17
弱音を、吐くな。
おれたちで、詩を、盛り上げていこうぜ!!!


19:名無しさん@お腹いっぱい。
12/02/23 16:44:45.48 fbbjLvqm
 鬼の語    伊良子清白

顏蒼白き若者に
祕める不思議きかばやと
村人數多來れども
彼はさびしく笑ふのみ

前の日村を立出でゝ
仙者が嶽に登りしが
恐怖を抱くものゝごと
山の景色を語らはず

傳へ聞くらく此河の
きはまる所瀧ありて
其れより奥に入るものは
必ず山の祟あり

蝦蟆氣を吹いて立曇る
篠竹原を分け行けば
冷えし掌あらはれて
項に顏に觸るゝとぞ

陽炎高さ二萬尺
黄山赤山K山の
劍を植ゑたる頂に
祕密の主は宿るなり

盆の一日は暮れはてゝ
淋しき雨と成りにけり
怪しく光りし若者の
眼の色は冴え行きぬ

劉邦未だ若うして
谷路の底に蛇を斬りつ
而うして彼れ漢王の
位をつひに贏ち獲たり

この子も非凡山の氣に
中たりて床に隠れども
禁を守りて愚鈍者に
鬼の語を語らはず

20:名無しさん@お腹いっぱい。
12/02/24 00:40:15.12 rUsDU7RU
      水中花    伊東静雄

 水中花と言つて夏の夜店に子供達のために
 売る品がある。木のうすい?削片を細く圧搾して
 つくつたものだ。そのまゝでは何の変哲もないのだが、
 一度水中に投ずればそれは赤青紫、色うつくしい
 さまざまの花の姿にひらいて、哀れに華やいで
 コツプの水のなかなどに凝としづまつてゐる。
 都会そだちの人のなかには瓦斯燈に照しだされた
 あの人工の花の印象をわすれずにゐるひともあるだらう。


 今歳水無月のなどかくは美しき。
 軒端を見れば息吹のごとく
 萌えいでにける釣しのぶ。
 忍ぶべき昔はなくて
 何をか吾の嘆きてあらむ。
 六月の夜と昼のあはひに
 万象のこれは自ら光る明るさの時刻。
 遂ひ逢はざりし人の面影
 一茎の葵の花の前に立て。
 堪へがたければわれ空に投げうつ水中花。
 金魚の影もそこに閃きつ。
 すべてのものは吾にむかひて
 死ねといふ、
 わが水無月のなどかくはうつくしき。

21:名無しさん@お腹いっぱい。
12/02/24 21:16:09.00 VdAdKMGQ
 牡蠣の殻    蒲原有明

牡蠣の殼なる牡蠣の身の
かくもはてなき海にして
獨りあやふく限りある
その思ひこそ悲しけれ

身はこれ盲目すべもなく
巖のかげにねむれども
ねざむるままにおほうみの
潮のみちひをおぼゆめり

いかに黎明あさ汐の
色しも清くひたすとて
朽つるのみなる牡蠣の身の
あまりにせまき牡蠣の殼

たとへ夕づついと清き
光は浪の穗に照りて
遠野が鴿の面影に
似たりとてはた何ならむ

痛ましきかなわたつみの
ふかきしらべのあやしみに
夜もまた晝もたへかねて
愁にとざす殼のやど

されど一度あらし吹き
海の林のさくる日に
朽つるままなる牡蠣の身の
殼もなどかは碎けざるべき

22:名無しさん@お腹いっぱい。
12/02/24 21:21:27.77 VdAdKMGQ
 牡蠣の殻    蒲原有明

牡蠣の殼なる牡蠣の身の、
かくも涯なき海にして、
生のいのちの味氣なき
その思ひこそ悲しけれ。

身はこれ盲目、巖かげに
ただ術もなくねむれども、
ねざむるままに大海の
潮の満干をおぼゆめり。

いかに黎明朝じほの
色青みきて溢るるも、
默し痛める牡蠣の身の
あまりにせまき牡蠣の殼。

よしや清しき夕づつの
光は浪の穗に照りて、
遠野が鳩の面影に
似たりといふも何かせむ。

痛ましきかな、わだつみの
ふかきしらべに聞き恍れて、
夜もまた晝もわきがたく、
愁にとざす殼の宿。

さもあらばあれ、暴風吹き、
海の怒の猛き日に、
殼も碎けと、牡蠣の身の
請ひ?まぬやは、おもひわびつつ。

23:名無しさん@お腹いっぱい。
12/02/24 23:16:56.67 PVassdyr
著作権法違反だ。
やるなら死後50年経った人物の作品に限定しろ。
>>2 >>4->>8 >>11->>16のレス削除をしてこい。
URLリンク(qb5.2ch.net)

24:名無しさん@お腹いっぱい。
12/02/25 01:55:11.93 00uSO7cf
>>23
削除依頼を出しました。
どれもネット上の文章の転載ですし
営利目的でもないので著作権に無頓着でした。
しかし引用の正当性があるわけでもなし、
認識不足だったことは否めません。
大変申し訳ありません。ご指摘ありがとうございました。

以下は、著作権フリーのもの、
具体的には青空文庫等を用いて
詩歌集の充実に努めましょう。
私のせいでみなさんにはご迷惑をおかけしましたが、
風雪に耐える真の意味での詩歌集になるよう頑張りましょうね。

25:1
12/02/25 02:00:37.55 00uSO7cf
>>24>>1です
たびたび失礼しました

  風にのる智恵子  高村光太郎

 狂つた智恵子は口をきかない
 ただ尾長や千鳥と相図する
 防風林の丘つづき
 いちめんの松の花粉は黄いろく流れ
 五月晴の風に九十九里の浜はけむる
 智恵子の浴衣が松にかくれ又あらはれ
 白い砂には松露がある
 わたしは松露をひろひながら
 ゆつくり智恵子のあとをおふ
 尾長や千鳥が智恵子の友だち
 もう人間であることをやめた智恵子に
 恐ろしくきれいな朝の天空は絶好の遊歩場
 智恵子飛ぶ

26:名無しさん@お腹いっぱい。
12/02/25 02:07:47.71 00uSO7cf
>>23
度々すみません。
著作権の問題で言えば
文学板の俳句や和歌、詩を引用するスレッドも同様に対象になるのでしょうか?
やはり個々に削除を促す必要があるとお考えですか?

27:名無しさん@お腹いっぱい。
12/02/25 13:29:53.56 q3LSkcep
著作権の問題は難しいよな

28:名無しさん@お腹いっぱい。
12/02/26 22:14:14.53 JGFZ4Jx8
 死の髯    佐川ちか

料理人が青空を握る。四本の指跡がついて、
―次第に鶏が血をながす。ここでも太陽はつぶれてゐる。
たづねてくる青服の空の看守。
日光が駆け脚でゆくのを聞く。
彼らは生命よりながい夢を牢獄の中で守つてゐる。
刺繍の裏のやうな外の世界に触れるために一匹の蛾となつて窓に突きあたる。
死の長い巻鬚が一日だけしめつけるのをやめるならば
私らは奇蹟の上で跳びあがる。

死は私の殻を脱ぐ。

29:名無しさん@お腹いっぱい。
12/02/26 22:32:17.12 JGFZ4Jx8
 幻の家    佐川ちか

料理人が青空を握る。四本の指あとがついて、次第に鶏が血をながす。
ここでも太陽はつぶれてゐる。
たづねてくる空の看守。
日光が駆け出すのを見る。
たれも住んでいないからつぽの白い家。
人々の長い夢はこの家のまはりを幾重にもとりまいては
花弁のやうに衰へてゐた。
死が徐(おもむ)ろに私の指にすがりつく。夜の殻を一枚づつとつてゐる。
この家は遠い世界の遠い思ひ出へと華麗な道が続いてゐる。

30:名無しさん@お腹いっぱい。
12/02/29 04:04:05.23 9WxQNMv/
  黒い風琴   萩原朔太郎

おるがんをお弾きなさい 女のひとよ
あなたは黒い着物をきて
おるがんの前に坐りなさい
あなたの指はおるがんを這ふのです
かるく やさしく しめやかに 雪のふつてゐる音のやうに
おるがんをお弾きなさい 女のひとよ。

だれがそこで唱つてゐるの
だれがそこでしんみりと聴いてゐるの
ああこのまつ黒な憂鬱の闇のなかで
べつたりと壁にすひついて
おそろしい巨大の風琴を弾くのはだれですか
宗教のはげしい感情 そのふるへ
けいれんするぱいぷおるがん れくれえむ!
お祈りなさい 病気のひとよ
おそろしいことはない おそろしい時間はないのです
お弾きなさい おるがんを
やさしく とうえんに しめやかに
大雪のふりつむときの松葉のやうに
あかるい光彩をなげかけてお弾きなさい
お弾きなさい おるがんを
おるがんをお弾きなさい 女のひとよ。

ああ まつくろのながい着物をきて
しぜんに感情のしづまるまで
あなたはおほきな黒い風琴をお弾きなさい
おそろしい暗闇の壁の中で
あなたは熱心に身をなげかける
あなた!
ああ なんといふはげしく陰鬱なる感情のけいれんよ。

31:名無しさん@お腹いっぱい。
12/03/03 14:35:23.51 Z9RU6VzJ
>>22
おぉ、蒲原有明の詩を上げる人がいたとは
「夏の歌」とか、「朝なり」とか観想的で気に入ってる
この時代の詩人もっと読んでみたいね

32: 【11.6m】 電脳プリオン ◆GDSZsj1GHk
12/03/03 23:48:40.08 +PD0Or/g BE:182434436-PLT(12078)
詞華集という言葉を初めて知った

33:名無しさん@お腹いっぱい。
12/03/05 19:12:14.47 20fgvcz4
>>31
有明にしても泣菫にしても、この辺はもうあまり読まれなくなってるよね
古臭いというのもわからなくはないんだけど

34:名無しさん@お腹いっぱい。
12/03/05 20:10:22.94 o2emRbrL
昔の詩人の作品は文語がわからない…

35:名無しさん@お腹いっぱい。
12/03/06 05:53:41.74 e0rzC2UB
>>30
けいれんするぱいおつぷるぷる

に見えた方、他にもいらっしゃいますか?
こんな自分が不安でしょうがないのです。

36:名無しさん@お腹いっぱい。
12/03/07 22:10:01.53 HndRB1kU
 胡蝶   八木重吉

へんぽんと ひるがへり かけり
胡蝶は そらに まひのぼる
ゆくてさだめし ゆえならず
ゆくて かがやく ゆえならず 
ただひたすらに かけりゆく
ああ ましろき 胡蝶
みずや みずや ああ かけりゆく
ゆくてもしらず とももあらず
ひとすぢに ひとすぢに
あくがれの ほそくふるふ 銀糸をあへぐ

37:名無しさん@お腹いっぱい。
12/03/09 07:23:25.13 dScOwISk
 囈語   山村暮鳥

竊盗金魚
強盗喇叭 
恐喝胡弓 
賭博ねこ 
詐欺更紗
涜神天鵞絨
姦淫林檎
傷害雲雀
殺人ちゆりつぷ
堕胎陰影
放火まるめろ
誘拐かすてえら

38:名無しさん@お腹いっぱい。
12/03/12 19:31:02.69 eAT0cXqB
 白い狼    大手拓次

白い狼が
わたしの背中でほえてゐる。
白い狼が
わたしの胸で、わたしの腹で、
うをう うをうとほえてゐる。
こえふとつた白い狼が
わたしの腕で、わたしの股で、
ぼう ぼうとほえてゐる。
犬のやうにふとつた白い狼が
真赤な口をあいて、
なやましくほえさけびながら、
わたしのからだぢゆうをうろうろとあるいてゐる。

39: 【東電 80.6 %】 【44.6m】 電脳プリオン ◆GDSZsj1GHk
12/04/21 17:55:01.57 N/XY6/7C BE:283786447-PLT(12079)
もうネタ切れか

40:名無しさん@お腹いっぱい。
12/05/12 20:40:28.09 ROASvRpB

  民謡   立原道造

絃は張られてゐるが もう
誰もがそれから調べを引き出さない
指を触れると 老いたかなしみが
しづかに帰つて来た……小さな歌の器

或る日 甘い歌がやどつたその思ひ出に
人はときをりこれを手にとりあげる
弓が誘ふかろい響―それは奏でた
(おお ながいとほいながれるとき)

―昔むかし野ばらが咲いてゐた
野鳩が啼いてゐた……あの頃……
さうしてその歌が人の心にやすむと

時あつて やさしい調べが眼をさます
指を組みあはす 古びた唄のなかに
―水車よ 小川よ おまへは美しかつた

41:名無しさん@お腹いっぱい。
12/05/18 23:43:27.88 qO+wT7tM
 椰子の実   島崎藤村

名も知らぬ遠き島より
流れ寄る椰子の実一つ

故郷の岸を離れて
汝はそも波に幾月

旧の樹は生ひや茂れる
枝はなほ影をやなせる

われもまた渚を枕
孤身の浮寝の旅ぞ

実をとりて胸にあつれば
新たなり流離の憂

海の日の沈むを見れば
激り落つ異郷の涙

思ひやる八重の汐々
いづれの日にか国に帰らむ

42:名無しさん@お腹いっぱい。
12/05/20 10:52:28.34 1uE33Yx6
プロのモデルが採用している
【スリムサプライズ】
15キロ減に成功しました


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