【物理】大規模NMR量子コンピュータの実現に向けたスイッチ操作の原理を発見 物・材機構 at SCIENCEPLUS
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1:一般人φ ★
11/07/11 00:20:06.31
物質・材料研究機構(NIMS) 極限計測ユニット 強磁場NMRグループの後藤敦 主幹研究員らの研究グループは、
NIMSの強磁場共用ステーションの設備および独自に開発した装置を用い、「量子コンピュータ」の有力候補の
1つである「固体核磁気共鳴(NMR)量子コンピュータ」の新しい操作原理を発見したことを明らかにした。
同成果は、英国オンライン科学雑誌「Nature Communications」にて公開された。

物質内の安定原子核の自転運動に起因する核スピンは、「核磁気共鳴法(NMR)」や磁気共鳴画像診断(MRI)など
における観測プローブとして、物理、化学、生化学、医療など様々な分野で活用されている。近年、その核スピン
を用いて、量子コンピュータを創成する研究が進んでおり、NMR量子コンピュータと呼ばれている。

NMR量子コンピュータは化学分析に用いられる通常のNMR装置と既知の有機分子の溶液を用いて、これまでに
数量子ビットの量子計算が実現している。しかし、量子コンピュータがその実力を発揮するためには、さらに
多くの量子ビットでの計算が必要で、この大規模化は「スケーラビリティ」と呼ばれ、量子コンピュータの
重要な性能の1つとされている。

固体NMR量子コンピュータは、固体(主として半導体)中の原子核スピンで量子ビットを構成する方式で、大規模
量子コンピュータ方式の有力な1つと見なされている。しかし、その実現にあたっては、量子ビットを構成する
核スピンと核スピンの間の相互作用(核スピン間相互作用)を制御し、スイッチングを行う必要があったが、
煩雑な操作が必要になっていたりと、技術的に難しかった。

今回の研究では、光のオン・オフという単純な操作により核スピン間の相互作用をスイッチ操作できることが
示されたほか、光の照射強度を増強すると、この相互作用の到達距離を長くできることも判明した。従来から
知られている短距離相互作用を想定した方式では、相互作用の確保のために量子ビットを互いに近接させる
必要があったが、今回の研究で発見された相互作用では離れた核スピン間でも作用するため、量子ビットの
配列に自由度をもたらす可能性があるという。

発見された原理は、代表的な化合物半導体の1つであるGaAsの中に含まれる2種類の核スピン、71Gaと 75Asを
対象に行った、光照射下での交差分極測定において見出された。交差分極とはNMR分析で用いられる手法の1つで、
今回の場合、71Ga核と75As核のそれぞれに作用する2種類の周波数の電磁波を試料に同時に照射することで、
75As核スピンの磁気モーメント(核磁化)を71Ga核に移動させることができる。その移動にかかる時間スケール
(特性時間)は、2つの核スピン間に働く相互作用の大きさで決まるため、光照射による特性時間の変化を調べる
ことで、核スピン間相互作用の大きさの変化が分かるというもの。

▽図1 GaAsにおける、75As→71Ga間の核磁化移動過程の光照射強度依存性。照射強度の増加に伴い、
α、βなどの尾根状の部分が順次現れると共に、尾根の位置が次第に磁化移動時間の短い方向へと移動する(点線矢印)。
より後に発生する尾根は、より遠方の71Gaへの磁化移動に対応する。
また、尾根の位置の移動は磁化移動速度の上昇を表している
URLリンク(j.mycom.jp)

本文>>2以降に続く

▽記事引用元 マイコミジャーナル(2011/07/07)
URLリンク(journal.mycom.co.jp)

▽物質・材料研究機構プレスリリース
URLリンク(www.nims.go.jp)

▽Nature Communications
「Optical switching of nuclear spin?spin couplings in semiconductors」
URLリンク(www.nature.com)


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