【地質学】深層崩壊のメカニズムとは? at SCIENCEPLUS
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1:ケロφ ★
10/09/20 11:01:05
豪雨による土砂崩れの大型化が目立っている。斜面の表土層だけでなく、岩盤が何十メートルもの
深さでえぐり取られる「深層崩壊」が増えているからだ。
最近は7月に鹿児島県南大隅町で発生し、海を望む高台の斜面が深さ50メートルまで崩れ落ちた。
台湾では昨年8月、巨大な土石流に小さな村がのみ込まれ、500人が死亡している。
深層崩壊はどんなメカニズムで発生するのか、専門家に聞いた。

「土砂崩れには、『表層崩壊』と『深層崩壊』の2種類があり、発生の仕組みがまったく異なる」
土木研究所火山・土石流チームの内田太郎主任研究員は、こう話す。
表層崩壊は、短時間にまとまった雨が降ったとき、厚さ2メートル程度までの表土層が、
岩盤との間の雨水流で滑り、崩れ落ちる。
これに対して、深層崩壊は地下数メートルから数十メートルまで岩盤が崩れる。地震で発生する
場合もあるが、多くは地下水が原因だ。
「表土層の下の岩盤が風化し、もろく水を通しやすい状態だと雨水がどんどんしみ込み、
水を通しにくい岩盤の上にたまる。これが深層崩壊を引き起こす」
梅雨や台風で大雨が続くと地下水が増えて水位が上がり、高まった水圧で岩盤が細かく砕かれる。
やがて地下水は湧水となって斜面の一部を破壊。斜面は岩盤を支えきれなくなり、一気に崩壊する。

土木研究所の調査では、日本国内で確認された深層崩壊は、1990年代は19件だったが、
2000年代は24件に増加。「地球温暖化による気候変動で、ゲリラ豪雨のような集中的降雨の
増加が影響している可能性がある」という。
気象庁の観測データをみると、1日当たり400ミリ以上の大雨が降った年間日数は、
1990年代が6・0回だったのに対して、2000年代は10・4回に急増している。
7月4日に南大隅町で発生した深層崩壊は、6月中旬からの総降水量が1千ミリを超えていた。
元砂防学会会長で土砂災害の専門家である下川悦郎・鹿児島大学農学部教授は、
「崩壊現場では発生直後に1日当たり1千トン超、2週間後でも約500トンの湧水があった。
いかに大量の水が蓄積されていたかが確認されている」と話す。
実は発生時、雨はすでにやんでいた。「水の動きは緩慢で、雨がやみ数日後に起きた例もある。
1千ミリを超えたらしばらくは警戒が必要だ」

地下数十メートルまで崩壊するため、深層崩壊の土石流は大型化しやすい。
南大隅町では11万立方メートルだったが、平成9年7月には鹿児島県出水(いずみ)市で、
15万立方メートルの土石流で21人が亡くなった。
また、17年9月には宮崎県美郷町で300万立方メートルもの土石流が発生。
海外でも台湾南部の高雄県で昨年8月、累積2千ミリを超える雨でゆるい泥岩層が深さ80メートル
まで崩壊。2200万立方メートルの土石流が、下流の村の住民500人を一瞬でのみ込んだ。
発生の増加に伴い、国土交通省は深層崩壊推定頻度マップを作成、今年8月11日に発表した。
過去の事例に基づき発生頻度を推定したもので、今後、危険個所の調査を行って警戒避難対策を検討するとしている。
下川さんは「深層崩壊は不明な点が多く、事例収集は大切だ。それがあれば地下水位や
地表の変動などから危険個所を絞り込める」と、この取り組みを評価。
これまでの研究で、深層崩壊の発生場所では、地下水の電気伝導度や二酸化ケイ素濃度が
高まることが分かっており、「危険個所でこれらを調べれば、将来は発生予測につながるかもしれない」と期待している。


▽ソース:産経ニュース
URLリンク(sankei.jp.msn.com)

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URLリンク(sankei.jp.msn.com)


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